JP2015123087A - 医療用液体収納用容器体およびそれを用いた薬剤充填済み医療用容器 - Google Patents

医療用液体収納用容器体およびそれを用いた薬剤充填済み医療用容器 Download PDF

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直樹 河野
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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂製容器本体と、容器本体の上面に、回動可能に取り付けられ、かつ、輸液用スタンドに吊り下げ時において、十分な強度を有する吊下用部材を備える医療用液体収納用容器体を提供する。【解決手段】医療用液体収納用容器体1は、容器本体2と、容器本体の上面に、回動可能に取り付けられた吊下用部材4とを備える。吊下用部材4は、ピン状突起23が貫通する貫通孔45が形成された中央部44と、中央部44の両側に位置する2つの側端部とを有する板状のベース部41と、ベース部41の一方の側端部に始端を有し他方の側端部に終端を有する懸架用U字状部42と、ベース部41の一方の面の中央よりいずれかの側端部側となる位置に設けられた凹部46と、ベース部41かつ凹部と離間した射出成形時のゲート跡65とを備えている。【選択図】図9

Description

本発明は、吊下用部材を備えた医療用液体収納用容器体およびそれを用いた薬剤充填済み医療用容器に関する。
吊り下げ用の吊り具が上面に取り付けられた医療用容器が、いくつか提案されている。例えば、実公平6−5792(特許文献1)に開示されているものがある。
特許文献1に開示されている吊具付き輸液ボトルは、プラスチック製の輸液ボトル1と、ボトル1の底面に取り付けられた吊具を備える。ボトル底面は、周囲の接地面4よりもややくぼんだ状態となっている。吊具は、ボトル底面の中心に中央の溶着部5によって溶着されている。この溶着部5は円板状のものであり、その一端にボトル底面の長辺方向に延びる一対の短片6、6を備えている。そしてこれらの短片6、6の先端からボトル中心を越えて反対側に延びる一対のアーム7、7が形成されている。アーム7、7はボトル底面1の短辺方向に延びている。そして、アーム7、7の先端どうしを結ぶように、環状の把手部8が一体に形成されている。この把手部8はボトル中心を再度反対方向に越えて中央の溶着部1及び短片6、6の外側をまわるように形成されている。なお折曲部9、10の間の部分はやや薄肉に形成され、変形し易くなっている。
実公平6−5792
特許文献1の吊具付輸液ボトルにおける吊具のように、吊具自体は、ボトルの底面に固定されるものであるため、大きいものとすることができず、また、環状の把手部およびアーム部を変形させて、吊下可能部を形成する必要があるため、それらは比較的細い構成部材により形成されている。そして、輸液ボトルは、スタンドの上部に、ねじで固定された懸垂棒に吊り下げて使用される。このため、環状把手部の上端部に輸液ボトルの全荷重が付与される。また、使用時において、スタンドに懸垂棒を固定するねじが緩み、懸垂棒固定部が懸垂棒および輸液ボトルとともに、真下にスライドし、懸垂棒固定部が、スライド可能な下端でとまることがある。この場合、停止時の衝撃により、吊具の懸垂棒との接触部である環状の把手部の中央部に強い力が加わる。このとき、環状の把手部の中央部に射出成形時のウエルドが存在すると、そのウエルドで吊具が破損する可能性が高い。
そこで、本発明では、熱可塑性樹脂製容器本体と、容器本体の上面に、回動可能に取り付けられた熱可塑性樹脂製吊下用部材とを備え、吊下用部材の一部を起立させることにより、輸液用スタンドに吊り下げ可能となる医療用液体収納用容器体であって、吊下用部材の起立部を用いた輸液用スタンドに吊下時に、容器体が下方に移動後停止時の衝撃が吊下用部材に負荷されても、破損することが極めて少ない医療用液体収納用容器体およびそれを用いた薬剤充填済み医療用容器を提供するものである。
上記目的を達成するものは以下のものである。
(1) 下部に排出用開口部を有する熱可塑性樹脂製容器本体と、前記容器本体の上面部に、前記容器本体に対して回動可能に取り付けられ、かつ、射出成形により成形された熱可塑性樹脂製吊下用部材とを備える医療用液体収納用容器体であって、
前記容器本体は、前記上面部に設けられ、上方に向かって突出し、かつ、上部に膨出部を有するピン状突起を含む吊下用部材保持部を有し、
前記吊下用部材は、前記ピン状突起が貫通する貫通孔を中央部に有し、かつ前記中央部の両側に位置する2つの側端部を備える板状のベース部と、前記ベース部の一方の前記側端部に始端を有し、他方の前記側端部に終端を有する懸架用U字状部と、前記ベース部の一方の面の中央よりいずれかの前記側端部側となる位置に設けられた凹部と、前記ベース部かつ前記凹部と離間した位置に形成された射出成形時のゲート跡とを備え、前記吊下用部材は、前記貫通孔を前記ピン状突起が貫通し、かつ、前記ベース部の前記貫通孔の周囲の上面が前記膨出部と当接することにより、前記容器本体の前記上面部に回動可能かつ離脱しないように取り付けられている医療用液体収納用容器体。
(2) 前記懸架用U字状部は、上方に向かって起立しているもしくは起立させることにより、内部に前記容器本体を吊り下げるための吊下部を保有するものである上記(1)に記載の医療用液体収納用容器体。
(3) 前記懸架用U字状部は、前記始端および前記終端のそれぞれに設けられた折り曲げ可能な2つのヒンジ部を有し、かつ、前記2つのヒンジ部を介して前記ベース部の前記側端部と連結しており、前記吊下用部材は、前記2つのヒンジ部を屈曲させることにより、前記懸架用U字状部を上方に向かって起立可能であり、かつ、起立した前記懸架用U字状部内に吊下部が形成されるものとなっており、前記懸架用U字状部は、前記ベース部側と反対側の端部に設けられた肉厚部を備えている上記(1)に記載の医療用液体収納用容器体。
(4) 前記肉厚部は、前記懸架用U字状部を起立させる前の状態において、上方に向かって突出したリブを形成している上記(3)に記載の医療用液体収納用容器体。
(5) 前記2つのヒンジ部は、前記貫通孔を挟むように設けられており、さらに、前記2つのヒンジ部の屈曲する部分を結ぶ仮想線は、前記貫通孔の中心軸付近を通過するものとなっている上記(3)または(4)に記載の医療用液体収納用容器体。
(6) 前記凹部は、前記ベース部の前記ゲート跡から前記凹部に向かう縦方向と直交する横方向に延びる所定幅L1を有し、前記所定幅L1は、前記凹部が形成されている凹部形成部における前記ベース部の前記横方向の幅L2の1/2〜3/4であり、前記凹部の深さは、前記ベース部の厚みの1/2〜3/4である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
(7) 前記凹部は、略矩形状である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
また、上記目的を達成するものは以下のものである。
(8) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体と、前記排出用開口部を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポートと、前記医療用液体収納用容器体内に充填された薬剤とを備える薬剤充填済み医療用容器。
本発明の医療用液体収納用容器体は、下部に排出用開口部を有する熱可塑性樹脂製容器本体と、容器本体の上面部に、容器本体に対して回動可能に取り付けられ、かつ、射出成形により成形された熱可塑性樹脂製吊下用部材とを備える。容器本体は、上面部に設けられ、上方に向かって突出し、かつ、上部に膨出部を有するピン状突起を含む吊下用部材保持部を有し、吊下用部材は、ピン状突起が貫通する貫通孔が形成された中央部と、中央部の両側に位置する2つの側端部とを有する板状のベース部と、ベース部の一方の側端部に始端を有し他方の側端部に終端を有する懸架用U字状部と、ベース部の一方の面の中央よりいずれかの側端部側となる位置に設けられた凹部と、ベース部かつ凹部と離間した位置に形成された射出成形時のゲート跡とを備え、吊下用部材は、貫通孔をピン状突起が貫通し、かつ、ベース部の貫通孔の周囲の上面が膨出部と当接することにより、容器本体の上面部に回動可能かつ離脱しないように取り付けられている。
上記のように、ベース部の一方の面の中央よりいずれかの側端部側となる位置に凹部を設け、ゲート跡(ゲート位置)をベース部に設けるとともに、上記凹部と異なる部位に設けたため、ゲートから金型内に流入樹脂流が懸架用U字状部の頂点(ベース部側と反対側の端部)に向かって左右を流れる樹脂流の速度が異なるものとなる。これにより、左右の樹脂流は、懸架用U字状部の頂点中央分より、所定長、凹部が設けられている部分側にて合流することになり、懸架用U字状部の頂点中央に、樹脂流の合流によるウエルドが形成されることを回避できる。よって、吊下用部材の懸架用U字状部を用いた輸液用スタンドへの吊下時に、容器体の下方移動後停止時の衝撃が吊下用部材に負荷されても、破損することが極めて少ない。
図1は、本発明の医療用液体収納用容器体を用いた薬剤充填済み医療用容器の一実施例の正面図である。 図2は、図1に示した薬剤充填済み医療用容器の平面図である。 図3は、図1に示した薬剤充填済み医療用容器の右側面図である。 図4は、図1のA−A線断面図である。 図5は、本発明の医療用液体収納用容器体の上部部分を説明するための説明図である。 図6は、図1に示した薬剤充填済み医療用容器に用いられている吊下用部材の正面図である。 図7は、図6に示した吊下用部材の右側面図である。 図8は、図6に示した吊下用部材の平面図である。 図9は、図6に示した吊下用部材の底面図である。 図10は、図8のB−B線断面図である。 図11は、図8のC−C線断面図である。 図12は、図8のD−D線断面図である。 図13は、図6に示した吊下用部材の平面側斜視図である。 図14は、図6に示した吊下用部材の底面側斜視図である。 図15は、本発明の医療用液体収納用容器体を用いた薬剤充填済み医療用容器の作用を説明するための説明図である。 図16は、本発明の医療用液体収納用容器体における容器本体への吊下用部材の取付方法を説明するための説明図である。 図17は、本発明の他の実施例の薬剤充填済み医療用容器に用いられる吊下用部材の平面側斜視図である。 図18は、図17に示した吊下用部材の底面側斜視図である。 図19は、本発明の他の実施例の薬剤充填済み医療用容器に用いられる吊下用部材の平面側斜視図である。 図20は、図19に示した吊下用部材の底面図である。
本発明の医療用液体収納用容器体および薬剤充填済み医療用容器を図面に示す実施例を用いて説明する。
本発明の薬剤充填済み医療用容器10は、図1ないし図4に示すように、医療用液体収納用容器体1と、医療用液体収納用容器体1の排出用開口部22を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポート3と、医療用液体収納用容器体1内に充填された薬剤5とを備える。
本発明の医療用液体収納用容器体1は、図1ないし図16に示すように、下部に排出用開口部22を有する熱可塑性樹脂製容器本体2と、容器本体2の上面部に、容器本体2に対して回動可能に取り付けられ、かつ、射出成形により成形された吊下用部材4とを備える。
容器本体2は、上面部26に設けられ、上方に向かって突出し、かつ上部に膨出部24を有するピン状突起23を含む吊下用部材保持部を備える。吊下用部材4は、ピン状突起23が貫通する貫通孔45が形成された中央部44と、中央部44の両側に位置する2つの側端部とを有する板状のベース部41と、ベース部41の一方の側端部に始端を有し他方の側端部に終端を有する懸架用U字状部42と、ベース部41の一方の面の中央よりいずれかの側端部側となる位置に設けられた凹部61と、ベース部41かつ凹部61と離間した位置に形成された射出成形時のゲート跡65とを備えている。そして、吊下用部材4は、貫通孔45をピン状突起23が貫通し、かつ、ベース部41の貫通孔45の周囲の上面が膨出部24と当接することにより、容器本体2の上面部26に回動可能かつ離脱しないように取り付けられている。
本発明の医療用液体収納用容器体1は、図1ないし図4に示すように、熱可塑性樹脂製容器本体2と、容器本体2の上面に、回動可能に取り付けられた吊下用部材4とからなる。
そして、この実施例の吊下用部材4は、ベース部41と、懸架用U字状部42を備えている。そして、ベース部41は、ピン状突起23が貫通する貫通孔45を有する中央部44および中央部44の両側に位置する2つの側端部を備える板状のものとなっている。懸架用U字状部42は、ベース部41の一方の側端部に始端を有し、他方の側端部に終端を有するU字状のものとなっており、かつ、始端および終端のそれぞれに設けられた折り曲げ可能な2つのヒンジ部43a,43bを有し、2つのヒンジ部43a,43bを介してベース部41の側端部と連結している。吊下用部材4は、2つのヒンジ部43a,43bを屈曲させることにより、懸架用U字状部42を上方に向かって起立可能である。これにより、懸架用U字状部42内に吊下部40が形成されるものとなっている。懸架用U字状部42は、起立操作部として機能する。
そして、ベース部41は、中央部44に貫通孔45を有する。中央部44は、貫通孔45の軸と垂直な方向に延びている。言い換えれば、中央部44は、懸架用U字状部42方向に膨出部する膨出部を備えている。ヒンジ部43a、43bは、中央部44を挟むように2つ設けられている。さらに、2つのヒンジ部43a、43bの屈曲する部分を結ぶ仮想線は、貫通孔45の中心軸付近を通過するものとなっている。
具体的には、容器本体2は、上面部に設けられ、上方に向かって突出するピン状突起23を含む吊下用部材保持部を備える。吊下用部材は、ピン状突起23が貫通する貫通孔45を有する中央部44と、ベース部41と、ベース部41の両側部より延び、かつ、中央部44の両側部に位置する折り曲げ可能な2つのヒンジ部43a,43bと、各ヒンジ部43a,43bのベース部41側と反対側と連結したU字状の懸架用U字状部42とを有し、かつ、懸架用U字状部42の下面と容器本体2の上面との間に隙間15を備えている。
そして、この実施例の吊下用部材4は、ベース部41の一方の面の中央よりいずれかの側端部側となる位置に設けられた凹部61と、ベース部41に設けられ、かつ、凹部61と所定長離間した位置に形成された射出成形時のゲート跡65を備えている。特に、この実施例の吊下用部材4では、ベース部41の一方の面(この実施例では、下面41b)の中央より一方の側部側(図9におけるベース部から懸架用U字状部に向かって左側部側)に設けられた円形状のゲート用凹部62を有している。そして、このゲート用凹部62内にゲート跡65を有している。さらに、吊下用部材4は、ベース部41の他方の面(この実施例では、上面41a)の上記ゲート用凹部62が設けられている側部と異なる側部側(図8におけるベース部から懸架用U字状部に向かって左側部側)となる位置に設けられた凹部61を有している。
さらに、この実施例の医療用液体収納用容器体1では、図5に示すように、吊下用部材4が最も下方に位置した状態(言い換えれば、吊下用部材4が最も容器本体2の上面に近接する状態)においても、ヒンジ部43(43a,43b)を屈曲させる前の状態において、吊下用部材4の懸架用U字状部42の下面と容器本体2の上面との間に隙間15を有するものとなっている。このため、懸架用U字状部懸架用U字状部42の端部に指先を引掛けやすくなり、懸架用U字状部42の起立操作が容易になる。なお、この隙間15は、ヒンジ部43(43a,43b)を屈曲させる前の状態において、吊下用部材4の起立操作部42の少なくともベース部40側と反対側の端部の下面と容器本体2の上面部26との間に形成されていればよい。また、この隙間15は、ヒンジ部43(43a,43b)を屈曲させる前の状態において、起立操作部42の下面全体と容器本体2の上面部26との間に形成されていることが好ましい。
また、この実施例の医療用液体収納用容器体1では、図1および図5に示すように、ヒンジ部43(43a,43b)を屈曲させる前の状態において、吊下用部材4の懸架用U字状部42の下面と容器本体2の上面との間の隙間15は、懸架用U字状部42の端部に向かって、具体的には、懸架用U字状部42のベース部40側と反対側の端部に向かって徐々に広がるものとなっている。よって、懸架用U字状部42の起立操作時に上方に押される端部は、特に広い隙間を有しており、起立操作がさらに容易なものとなっている。さらに、この実施例の医療用液体収納用容器体1では、図5の状態において、吊下用部材4をピン状突起23の上部(上端)方向に押し上げることにより、図1の状態となるまで、すなわち、吊下用部材4が膨出部24の下面に当接するまで、容器本体2の上面より離間する方向に移動する。これにより、吊下用部材4の懸架用U字状部42の下面と容器本体2の上面との間の隙間15は、さらに広がるため、起立操作がさらに容易となり、かつ、吊下用部材4の回動が容易かつ確実なものとなっている。
熱可塑性樹脂製容器本体2は、図1ないし図4に示すように、扁平状の外形を有し、内部に薬剤収納室を有する筒状本体部21と、排出用開口部22と、閉塞した上面部26を有している。筒状本体部21は、下端に向かって縮径し、下端が排出用開口部22となっている。また、排出用開口部22には、フランジ部25が設けられている。上面部26は、容器本体2の閉塞した天井部を形成している。上面部26の中央部は、略平坦部となっており、この平坦部に吊下用部材保持部が形成されている。この実施例の容器体1では、吊下用部材保持部は、上面部26より上方に突出するピン状突起23と、その上端(先端)に形成された膨出部24を備えている。特に、この実施例では、ピン状突起23は、先端(上端)に向かって縮径するものとなっている。また、膨出部24は、ピン状突起23の上端部を溶融することにより形成されている。また、膨出部24は、略半球状のものとなっており、下面に環状平坦部を有している。なお、吊下用部材保持部の形態は、上記のものに限定されない。例えば、ピン状突起の上端に別部材であるキャップを固定し、膨出部を形成したものであってもよい。
容器本体2としては、ある程度の保形性を有するものに、内部の液体の排出により、向かい合いかつ広い側面を有する部分が徐々に近接し、つぶれていくもの(容器本体の厚さ方向につぶれるもの)が好適である。よって、容器本体2は、ある程度の硬度と可撓性を有し(かつ実質的に柔軟性を持たず)かつ薄肉のものにより形成され、側壁が内側に可撓可能なものとなっている。容器本体2の形成材料である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンなど等が挙げられる。
また、容器本体2は、例えば、有底パリソンを使用する二軸延伸ブロー法によって作製することが好ましい。さらに、有底パリソンの突起により、上記ピン状突起を形成することが好ましい。容器本体2の内容積としては、50〜800mlが好ましく、ピン状突起23の直径は2〜5mm程度が好ましい。また、容器本体2の厚さは、15〜50mmが好ましく、容器本体の幅は、60〜150mm、容器本体の長さは110〜250mmであることが好ましい。
吊下用部材4は、図1ないし図4、図15および図16に示すように、容器本体2の上面に、回動可能に取り付けられている。
吊下用部材4は、図6ないし図16に示すように、貫通孔45を有するベース部41、2つのヒンジ部43a,43、各ヒンジ部43a,43bの先端と連結したU字状の懸架用U字状部42を備えている。
ベース部41は、図8、図9、図13および図14に示すように、吊下用部材4の一端側を形成し、懸架用U字状部42は、ベース部41と向かい合い、吊下用部材の他端側を形成している。そして、2つのヒンジ部43a,43bは、ベース部41と懸架用U字状部42を連結するものとなっている。そして、2つのヒンジ部43a,43bが屈曲する部分を結ぶ仮想線Xは、貫通孔45の中心軸付近を通過するものとなっている。このようにすることにより、2つの屈曲部43cと貫通孔45の中心軸(言い換えれば、ピン状突起の中心軸)がほぼ直線上となるため、医療用液体収納用容器体1の吊り下げ状態がより安定したものとなる。
ベース部41は、略矩形状の平板状のものとなっている。そして、この実施例の吊下用部材4は、図6、図7、図9および図14に示すように、ベース部41の下面41bに下方(容器本体2の上面方向)に延びる下面突出部46a,46bを有している。図5に示すように、この下面突出部46a,46bを有することにより、吊下用部材4が最も容器本体2の上面に近接した状態においても、懸架用U字状部42の下面と容器本体2の上面との間に隙間15を有する。また、この実施例の吊下用部材4では、ベース部41の上面41aは、ほぼ平坦面となっている。そして、中央部44(言い換えれば、貫通孔45の周縁部)の上面は、ベース部41の他の部分の上面41aより突出した肉厚部となっている。
特に、この実施例の吊下用部材4では、下面突出部46a,46bは、ベース部41の下面41bかつ2つの角部からベース部41の他端付近まで延びるものとなっている。また、下面突出部46a,46bは、連続するものであってもよい。なお、下面突出部としては、吊下用部材4の下面と容器本体2の上面部26間への板状体(例えば、スリットを有する側壁を備えた容器トレイのスリット部分の側壁)の進入が防止できるものであることが好ましい。例えば、ベース部41の下面41bの外縁に形成された連続しない複数のリブからなるものであってもよい。そして、この複数のリブにより構成する場合には、ベース部41の他端付近に位置するリブと、各ヒンジ部43a,43bに近接するリブを備えることが好ましい。また、ベース部の下面全体を突出部としてもよい。
懸架用U字状部42は、図8、図9、図13、図14および図15に示すように、U字状に形成されており、2つの足部(基端部)は、後述する各ヒンジ部43a,43bの先端と連結している。この懸架用U字状部42は、U字状の頭部(先端部)側をベース部方向に押し上げることにより、各ヒンジ部43a,43bが屈曲し、起立する。そして、起立した懸架用U字状部42は、図15および図16に示すように、内部に広い開口部を有し、輸液容器ハンガーのフックに吊下可能な吊下部として機能する。
また、この実施例の吊下用部材4では、図6,図8および図12に示すように、懸架用U字状部42は、中央部44と向かい合う周縁部、すなわち、ベース部41側と反対側の端部が肉厚部となっている。このような肉厚部を設けることにより、懸架用U字状部42の湾曲部の強度が高くなる。具体的には、吊下用部材4のスタンドへの吊下時に、懸架用U字状部42のベース部41側と反対側の端部が輸液容器ハンガーのフックに巻き付くように変形することが防止され、医療用液体収納用容器体1に鉛直方向下向きの荷重がかかった際に、吊下用部材4がより破損し難くなる。また、懸架用U字状部42の先端部の把持が容易なものとなる。そして、この実施例では、肉厚部は、懸架用U字状部42の上面に設けられた上面突出部49により形成されている。言い換えれば、上面突出部(肉厚部)49は、懸架用U字状部42を起立させる前の状態において、上方に向かって突出したリブを形成している。肉厚部を形成する上面突出部49は、図13に示すように、懸架用U字状部42の湾曲部(言い換えれば、ベース部41側と反対側の端部)の中央より、両側部に向かって所定長延びるように形成されている。
さらに、この実施例の吊下用部材4では、懸架用U字状部42は、図8、図9、図12、図13および図14に示すように、上面41a側にU字状溝部51が設けられており、下面側は、連続しないU字状の溝部63が設けられている。下面41b側の溝部63は、3つの溝部により構成されており、それらを繋ぐとU字状となる。そして、懸架用U字状部42の頂点(ベース部41側と反対側の端部)部分は、図10に示すように、上記の肉厚部(上面突出部49)、上面側のU字状溝部51および下面側の溝部63を有することにより、断面がH状形状を有するものとなっており、高い強度を有している。
吊下用部材4は、図8、図9、図13、図14、図15および図16に示すように、2つのヒンジ部(言い換えれば、屈曲可能部、折曲可能部)43a,43bを備えている。ヒンジ部43a,43bは、ベース部41の先端部の両側部より所定幅にて延びるものとなっている。そして、各ヒンジ部43a,43bは、図6、図10および図14に示すように、ベース部41および懸架用U字状部42に比べて薄肉部となっている。さらに、この実施例では、図6に示すように、各ヒンジ部43a,43bは、その中央部が、最も肉薄となっているため、ヒンジ部は、その中央部において図15および図16に示すように屈曲する。
吊下用部材4は、図8ないし図16に示すように、ピン状突起23の外径より若干大きい内径を有し、ピン状突起23が貫通する貫通孔45を有する中央部44を備えている。中央部44は、ベース部41の一端より、懸架用U字状部42方向に突出するものとなっている。中央部44は、中央部に貫通孔45を備えている。貫通孔45は、ピン状突出部23の外径より若干大きい内径を有している。また、中央部44の上面は、平坦面となっている。
また、この実施例の吊下用部材4では、図8、図9、図13に示すように、底面側に設けられた環状凹部48を備えている。また、この環状凹部48により、短い筒状部47が形成されている。環状凹部48は、貫通孔45より若干離間し、かつ実質的に貫通孔45と同心的となるように形成されている。このような環状凹部48および筒状部47を設けることにより、吊下用部材の側部への衝撃付与時、懸架用U字状部42の起立操作時におけるピン状突起23の破損を防止する。具体的には、環状凹部48と貫通孔45間の筒状部が、緩衝部として機能するため、吊下用部材に付与された力がピン状突起23に伝達されることを抑制する。
そして、吊下用部材4は、図8ないし図15に示すように、中央部44と懸架用U字状部42間に設けられた空隙部(吊下部)40を備えている。この実施例の吊下用部材4では、中央部44の先端と懸架用U字状部42の先端部の内面間は、十分に離間しており、かなり広い空隙部40となっている。さらに、この実施例の吊下用部材4は、空隙部40と連続し、中央部44と各ヒンジ部43a,43b間に位置する2つのスリット部40a,40bを有している。中央部44と各ヒンジ部43a,43b間にスリット部40a,40bが設けられていることにより、言い換えれば、中央部44と各ヒンジ部43a,43bが、スリット部40a,40bにより分断されていることにより、ヒンジ部における屈曲が容易かつ確実なものとなっている。そして、ヒンジ部43a、43b間に、貫通孔保有部を有するため、吊り下げ状態が安定したものとなる。
さらに、この実施例の吊下用部材4では、図15および図16に示すように、ヒンジ部43a,43bにて屈曲させて、起立用操作部42を起立させた状態におけるヒンジ部43a,43bの屈曲部43cを結ぶ仮想線X(図8および図15)は、貫通孔45の中心付近を通過するものとなっている。このようにすることにより、2つの屈曲部43cと貫通孔42の中心(言い換えれば、ピン状突起の中心)がほぼ直線上となるため、吊り下げ状態がより安定したものとなる。
そして、この実施例の医療用液体収納用容器体1は、図1、図3、図4、図15および図16に示すように、吊下用部材4の全体は、容器本体2の上面部26よりも上方に位置している。そして。ヒンジ部43(43a,43b)を屈曲させる前の状態において、起立操作部42の少なくともベース部40側と反対側の端部(言い換えれば、起立操作部42の湾曲部)の下面41bと容器本体2の上面部26との間に隙間を有するものとなっている。
そして、吊下用部材4は、ベース部41の一方の面(この実施例では、上面41a)の中央より一方の側部側(図8におけるベース部から懸架用U字状部に向かって左側部側)に設けられた凹部61を有している。そして、凹部61は、図8のC−C線断面図である図11に示すように、ベース部41のゲート跡65から凹部61に向かう縦方向と直交する横方向に延びる所定幅L1を有し、幅L1は、ベース部の凹部形成部における横方向の幅L2の1/2〜3/4となっている。また、凹部61は、所定の深さを備えており、深さは、ベース部41の厚みの1/2〜3/4であることが好ましく、この実施例では、凹部61は、略矩形状のものとなっている。なお、凹部61は、楕円状、円状、多角形状であってもよい。
さらに、ベース部41は、ゲート跡65を有している。ゲート跡65は、上記の凹部61と離間した位置に形成されている。具体的には、吊下用部材4は、ベース部41の他方の面(この実施例では、下面41b)の上記凹部61が設けられている側部と異なる側部側(図9におけるベース部から懸架用U字状部に向かって左側部側)となる位置に設けられたゲート用凹部62を有している。ゲート用凹部62は、円形凹部となっており、その内部(具体的には、中心)にゲート跡(ゲート位置)65を有している。
上記のように、ゲート跡(ゲート位置)をベース部に設け、ベース部に位置し、かつゲート位置より離間し、かつベース部の側部側となる部位に凹部61を設けたことにより、ゲートから金型内に流入する樹脂は、懸架用U字状部の頂点(ベース部41側と反対側の端部)に向かって左右を流れ、かつ、左右を流れる樹脂流の速度が異なるものとなる。このため、左右の樹脂流は、懸架用U字状部の頂点中央分より、所定長、ずれた位置、具体的には、凹部61が設けられている部分側にて合流することになる。これにより、懸架用U字状部42の頂点中央に、樹脂流の合流によるウエルドが形成されることを回避できる。この実施例の吊下用部材4では、上述したように、ウエルドは、懸架用U字状部の頂点中央分より、所定長ずれ、凹部61が設けられている部分側に形成される。よって、この吊下用部材4は、懸架用U字状部42が、その頂点部分にてウエルドに起因する破損を生じることがない。
特に、この実施例のものでは、ゲート跡をベース部の中央より一方の側部側となるゲート用凹部62内に設け、かつゲート用凹部62を持たない面には、ゲート用凹部62と重ならないように凹部61を設けたことにより、より確実にゲートから金型内に流入樹脂流が懸架用U字状部42の頂点に向かって左右を流れる樹脂流の速度を異なるものとすることができる。また、凹部61を略矩形とすることにより、より確実に懸架用U字状部42の頂点に向かって左右を流れる樹脂流の速度を異なるものとすることができる。
そして、図8、図9および図12に示すように、ゲート用凹部62と凹部61は、形成されている面が異なるものの吊下用部材4の長手方向に対してほぼ同じ位置に設けられている。そして、図12に示すように、ゲート用凹部62および凹部61の深さは、ほぼ同じものとなっている。ゲート用凹部62が形成されている部分のベース部41の厚さと凹部61が形成されている部分のベース部41の厚さも、ほぼ同じものとなっている。
そして、この実施例の吊下用部材4では、ゲート用凹部62および凹部61は、図8、図9、図13および図14に示すように、吊下用部材4の基端付近に位置しており、凹部61は、略矩形状凹部となっている。なお、凹部61は、円形状の凹部であってもよい。また、ゲート用凹部62および凹部61は、中央部44より、吊下用部材4の基端側に位置している。このように、また、ゲート用凹部62および凹部61は、中央部44より、吊下用部材4の基端側に位置し、かつ、ゲート用凹部62および凹部61が設けられている面が異なるため、ゲート用凹部62および凹部61に起因するベース部41の強度の低下は少ない。
吊下用部材4の形成材料である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミドなど等が挙げられる。また、使用される熱可塑性樹脂としては、MFR(メルトフローレート)が5〜15g/10minであり曲げ弾性率が600〜1500MPaの物性を有するものが好適である。
また、吊下用部材としては、上述した形態のものに限定されるものではない。例えば、図17および図18に示すような吊下用部材4aのような形態を有するものであってもよい。
この実施例の吊下用部材4aにおいても、ベース部41の一方の面(この実施例では、下面41b)の中央より一方の側部側(図18におけるベース部から懸架用U字状部に向かって左側部側)に設けられたゲート用凹部62を有している。そして、このゲート用凹部62内にゲート跡65を有している。さらに、吊下用部材4aは、ベース部41の他方の面(この実施例では、上面41a)の上記ゲート用凹部62が設けられている側部と異なる側部側(図17におけるベース部から懸架用U字状部に向かって左側部側)となる位置に設けられた凹部61を有している。
そして、この実施例の吊下用部材4aと上述した吊下用部材4とは、上述したゲート用凹部、凹部およびゲート位置を含め基本構成は同じである。両者の相違点は、この実施例の吊下用部材4aが、懸架用U字状部42aの内面に円弧状の窪み部66を有している点である。窪み部66は、吊下用部材4a(懸架用U字状部42a)の頂点部分に設けられている。そして、このような円弧状窪み部66を設けることにより、スタンドに吊り下げたとき、懸垂棒がこの凹部に入るため、吊下状態が安定する。また、この吊下用部材4aでは、懸架用U字状部42aの底面に形成された凹部は、連続したU字状の凹部63aとなっている。
また、この実施例の吊下用部材4aでは、図17に示すように、中央部44の上面側に設けられた環状凹部64を備えている。この環状凹部64により、中央部44は、貫通孔45を備える短い筒状部を有するものとなっている。環状凹部64は、貫通孔45より若干離間し、かつ実質的に貫通孔45と同心的となるように形成されている。このような環状凹部64および筒状部を設けることにより、吊下用部材の側部への衝撃付与時、懸架用U字状部42aの起立操作時におけるピン状突起23の破損を防止する。具体的には、環状凹部64と貫通孔45間の筒状部が、緩衝部として機能するため、吊下用部材に付与された力がピン状突起23に伝達されることを抑制する。
また、吊下用部材としては、上述した形態のものに限定されるものではない。例えば、図19および図20に示すような吊下用部材4bのような形態を有するものであってもよい。
この実施例の吊下用部材4bでは、上述した吊下用部材4、4aが備えていたようなヒンジ部を持たず、懸架用U字状部42bは、ベース部41に対して、起立した状態となっており、内部に容器本体を吊り下げるための吊下部40を保有している。
吊下用部材4bは、ピン状突起23が貫通する貫通孔45を中央部44に備え、さらに、中央部44の両側に位置する2つの側端部68a,68bを有する板状のベース部41と、ベース部41の上面41aの一方の側端部68aに始端を有し他方の側端部68bに終端を有し、ベース部41の上面方向に延びる懸架用U字状部42bと、ベース部41の一方の面(具体的には、下面)の中央よりいずれかの側端部側となる位置に設けられた凹部61と、ベース部41に設けられ、かつ、凹部61より所定長離間した位置に形成された射出成形時のゲート跡65を備えている。
特に、この実施例の吊下用部材4bは、平板状のベース部41を備え、ベース部41は、中央部44を有する。中央部44は、側部が円弧状に突出した側部膨出部となっており、その中心に貫通孔45が形成されている。そして、吊下用部材4bは、ベース部41の両側端に脚部を有し、ベース部41の上面に対して垂直上方に延びる懸架用U字状部42bを備えている。懸架用U字状部42b内には、吊下部40が形成されている。懸架用U字状部42bの上端内面は、円弧状の窪み部66が形成されている。窪み部66は、吊下用部材4b(懸架用U字状部42b)の頂点部分に設けられている。そして、このような円弧状窪み部66を設けることにより、スタンドに吊り下げたとき、懸垂棒がこの凹部に入るため、吊下状態が安定する。また、円弧状窪み部66は、貫通孔45の中心の真上に位置するものとなっている。また、懸架用U字状部42bは、同様に、貫通孔45の中心の真上を通るものとなっている。
そして、この吊下用部材4bにおいても、図20に示すように、吊下用部材4bは、ベース部41の一方の面(この実施例では、下面41a)の中央より一方の側部側(図20における左側部側)に設けられた凹部61を有している。そして、凹部61は、図20に示すように、ベース部41の側端部方向と直交する方向に延びる所定幅L1を有し、幅L1は、ベース部の凹部形成部における側端部方向と直交する方向の幅L2の1/2〜3/4となっている。また、凹部61は、所定の深さを備えており、深さは、ベース部41の厚みの1/2〜3/4であることが好ましく、この実施例では、凹部61は、略矩形状のものとなっている。矩形状であることが、楕円状、円状、多角形状であってもよい。
さらに、ベース部41は、ゲート跡65を有している。ゲート跡65は、上記の凹部61と離間した位置に形成されている。具体的には、吊下用部材4bは、ベース部41の一方の面(この実施例では、下面41b)の上記凹部61が設けられている側部と異なる側部側(図20におけるベース部から懸架用U字状部に向かって右側部側)となる位置に設けられたゲート用凹部62を有している。ゲート用凹部62は、円形凹部となっており、その内部(具体的には、中心)にゲート跡(ゲート位置)65を有している。
本発明の薬剤充填済み医療用容器10は、図1ないし図4に示すように、医療用液体収納用容器体1と、医療用液体収納用容器体1の排出用開口部22を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポート3と、医療用液体収納用容器体1内に充填された薬剤5とを備える。
排出ポート3は、医療用液体収納用容器体1の排出用開口部22を封止している。排出ポート3としては、公知のものが使用できる。図示する排出ポート3は、開口端を有する筒状部材32と、筒状部材32の開口端を閉塞し、かつ、薬剤排出用針管の接続が可能な封止部31を有している。そして、筒状部材32は、後端部に設けられたフランジ33を備えており、この筒状部材32のフランジと容器本体2の排出用開口部22に設けられたフランジ部25とが液密状態に固着されている。薬剤5としては、どのようなものでもよいが、輸液用の薬液が好ましい。
そして、薬剤充填済み医療用容器1は、スリットを有する側壁を備えた容器トレイ(図示せず)に収納されて運搬されるものであり、吊下用部材4が最も上方に位置した状態において、吊下用部材4の下面と容器本体2の上面間に形成される空隙の厚さは、容器トレイの側壁の厚みより小さいものとなっていることが好ましい。このようにすることにより、吊下用部材4のベース部の下面と容器本体2の上面間に、スリットの内縁部における容器トレイの側壁が進入することを防止できる。
また、本発明の薬剤充填済み医療用容器は、加熱滅菌されたものであることが好ましい。加熱滅菌処理は、高圧蒸気滅菌法、水浴滅菌法、スプレー滅菌法(シャワー菌滅法)などのいずれの方法で行ってもよく、そのうちでも高圧蒸気滅菌法が好ましい。
1 医療用液体収納用容器体
2 容器本体
3 排出ポート
4 吊下用部材
10 薬剤充填済み医療用容器
15 隙間
41 ベース部
42 懸架用U字状部
43a,43b ヒンジ部
61 凹部
62 ゲート用凹部
65 ゲート位置

Claims (8)

  1. 下部に排出用開口部を有する熱可塑性樹脂製容器本体と、前記容器本体の上面部に、前記容器本体に対して回動可能に取り付けられ、かつ、射出成形により成形された熱可塑性樹脂製吊下用部材とを備える医療用液体収納用容器体であって、
    前記容器本体は、前記上面部に設けられ、上方に向かって突出し、かつ、上部に膨出部を有するピン状突起を含む吊下用部材保持部を有し、
    前記吊下用部材は、前記ピン状突起が貫通する貫通孔を中央部に有し、かつ前記中央部の両側に位置する2つの側端部を備える板状のベース部と、前記ベース部の一方の前記側端部に始端を有し、他方の前記側端部に終端を有する懸架用U字状部と、前記ベース部の一方の面の中央よりいずれかの前記側端部側となる位置に設けられた凹部と、前記ベース部かつ前記凹部と離間した位置に形成された射出成形時のゲート跡とを備え、前記吊下用部材は、前記貫通孔を前記ピン状突起が貫通し、かつ、前記ベース部の前記貫通孔の周囲の上面が前記膨出部と当接することにより、前記容器本体の前記上面部に回動可能かつ離脱しないように取り付けられていることを特徴とする医療用液体収納用容器体。
  2. 前記懸架用U字状部は、上方に向かって起立しているもしくは起立させることにより、内部に前記容器本体を吊り下げるための吊下部を保有するものである請求項1に記載の医療用液体収納用容器体。
  3. 前記懸架用U字状部は、前記始端および前記終端のそれぞれに設けられた折り曲げ可能な2つのヒンジ部を有し、かつ、前記2つのヒンジ部を介して前記ベース部の前記側端部と連結しており、前記吊下用部材は、前記2つのヒンジ部を屈曲させることにより、前記懸架用U字状部を上方に向かって起立可能であり、かつ、起立した前記懸架用U字状部内に吊下部が形成されるものとなっており、前記懸架用U字状部は、前記ベース部側と反対側の端部に設けられた肉厚部を備えている請求項1に記載の医療用液体収納用容器体。
  4. 前記肉厚部は、前記懸架用U字状部を起立させる前の状態において、上方に向かって突出したリブを形成している請求項3に記載の医療用液体収納用容器体。
  5. 前記2つのヒンジ部は、前記貫通孔を挟むように設けられており、さらに、前記2つのヒンジ部の屈曲する部分を結ぶ仮想線は、前記貫通孔の中心軸付近を通過するものとなっている請求項3または4に記載の医療用液体収納用容器体。
  6. 前記凹部は、前記ベース部の前記ゲート跡から前記凹部に向かう縦方向と直交する横方向に延びる所定幅L1を有し、前記所定幅L1は、前記凹部が形成されている凹部形成部における前記ベース部の前記横方向の幅L2の1/2〜3/4であり、前記凹部の深さは、前記ベース部の厚みの1/2〜3/4である請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
  7. 前記凹部は、略矩形状である請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の医療用液体収納用容器体と、前記排出用開口部を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポートと、前記医療用液体収納用容器体内に充填された薬剤とを備えることを特徴とする薬剤充填済み医療用容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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