JP6249268B2 - 合成樹脂製カップ状容器 - Google Patents

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Description

本発明は、プリン、寒天又はこんにゃく等の半固形内容物の充填収納した合成樹脂製カップ状容器に関するものである。より詳細には、容器の底板部分に、充填収納した内容物を取出し易くするための吸気孔を開設可能に構成した合成樹脂製カップ状容器に関するものである。
従来から、プリン、寒天又はこんにゃく等の半固形内容物の充填収納容器として、容器の底板部分に、充填収納した内容物を取出し易くするための吸気機能を付与する吸気孔を開設可能に構成したカップ状容器が知られている(例えば、特許文献1)。
この種のカップ状容器の代表的な構成は、容器の底板部分の外方に突出した突起を一体設したものであり、内容物を取出す際には、突起を指先等で押し倒し、この突起の押し倒しにより底板に吸気孔を開設して、容器下面からも吸気可能として容器内の内容物の上面と下面間の気圧差を無くし、内容物の自重による容器内からの落下取出しを円滑に達成できるようにしている。しかしながら、押し倒し力の作用方向がずれたりすると突起の押し倒しが必ずしも一定して達成できるわけではなく、突起の押し倒しに大きな力が必要となる場合もあった。
特許文献1においては、ウエルドラインの交叉点を特定領域に設定することにより確実に突起を折ることが開示されている。しかしながら、同一出願人による特許文献2の段落番号0011には、量産時においてウエルドラインの交叉点を全て特定領域に形成することは非常に困難であり、特定領域から交叉点が外れると突起を折ることができないことが開示されている。
このように、従来技術では、突起の押し倒しが必ずしも一定して達成できるわけではなく、突起の押し倒しに大きな力が必要となり、このため突起を押し倒す指先に不快な刺激感が発生する、又は幼児や高齢者等の力の弱いものにとっては押し倒しが困難である、と云う課題があった。
また、突起が押し倒しにより容器内に陥没した状態にて倒された場合、内容物が傷付く、と云う課題があった。
特開2007−269358号公報 特開2008−168946号公報
本発明の目的は、かかる課題を解決することであり、突起の押し倒し時に不快な抵抗感を生じることなく、軽い力での突起の押し倒しにより吸気孔を確実に開設できる合成樹脂製カップ状容器を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、以下の構成により、上記課題を達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
本発明の主たる構成は、胴筒と、該胴筒の下端を塞く底板と、該底板の下面の周端部から垂下設された脚片を備えた合成樹脂製射出成形品であるカップ状容器にあって、
該底板の下面は、ゲート跡と開孔機能部を有し、
該開孔機能部が、底板の外方に突出しており、押し倒しにより吸気孔を破断開設する突起と、該突起の基端を囲むような円形状に形成されてなる、該底板の肉厚未満である薄肉領域と、該ゲート跡側にて該突起の基端に隣接している根部を備え、
該薄肉領域に、該突起を押し倒す力が作用する押し倒し側であり、押し倒しにより破断が開始される第1の薄肉領域と、該第1の薄肉領域より肉厚が厚い第2の薄肉領域を設け、
該第1の薄肉領域における該薄肉領域の該円形状の中心に対向する位置には、肉厚が第2の薄肉領域より厚く底板以下の、中央の根部と左右の根部からなる該根部が設けられ、該左右の根部は、該中央の根部に対して線対称となる両位置にあり、
該第1の薄肉領域は、該左右の根部の突起に対する対称となる両位置の間に形成されている。
開孔機能部において、突起の周囲に位置している薄肉領域は、底板部よりも肉厚が薄いため破断し易いようになっている。具体的には、突起を所定方向に押し倒していくと、少し撓み変形した後に破断が開始される第1の薄肉領域と、第1の薄肉領域より肉厚が厚い第2の薄肉領域からなる。第1の薄肉領域の肉厚を第2の薄肉領域の肉厚に比べ薄く、つまり底板部において肉厚が最も薄く脆弱な領域となるように形成させた第1の薄肉領域に内部応力を作用し易くしてあるため、軽い力での突起の押し倒しであっても第1の薄肉領域にて破断が開始され、この破断を起点として第2の薄肉領域にも破断が進行する。
このように、突起を所定方向、本発明においてはゲート跡方向に押し倒していくと、押し倒し側に位置する第1の薄肉領域は伸び変形状に撓み変形するのに対して、倒され側の第2の薄肉領域は圧縮変形状に撓み変形する。このため、撓み変形に伴う内部応力が、倒し側の第1の薄肉領域にて破断力として作用し易く、これにより倒し側の第1の薄肉領域において破断が開始されることによって吸気孔が開設される。この際、肉厚が第2の薄肉領域より厚く底板以下である根部は、傾斜変位する突起の支点部分、すなわちヒンジ機能部分を提供することになる。
根部がゲート跡側にて突起の基端に隣接し薄肉領域より肉厚に形成されているため、射出成形時において突起を含む開孔機能部への溶融合成樹脂の流れ込みが良好なものとなり、薄肉領域や突起先端部への充填不良であるショートショット等の成形不良の発生を抑制することできる。
また、本発明の合成樹脂製カップ状容器に係る他の構成は、根部を中央の根部、中央の根部に対して線対称となる両位置に左右の根部の3個形成したものである。
底板における根部を3個と設定したものにあっては、根部間にて挟まれる第2の薄肉領域が、突起の傾斜変位に対して適正に対応して撓み変形することに伴い、3個の根部は、傾斜変位する突起に対して安定した支点部分を提供することになる。これにより、倒し側の第1の薄肉領域は、妄りに大きく伸び撓み変形することがなく、適当に伸び変形した後に破断する。このため、感触の良い吸気孔の開孔操作を得ることができる。
また、本発明の合成樹脂製カップ状容器に係る他の構成は、開孔機能部が形成された下面部分の反対側に位置する底板の上面部分を、平坦面状としたものである。
開孔機能部が形成された下面部分の反対側に位置する底板の上面部分を平坦面状としたものにあっては、第1の薄肉領域が撓み変形した際に発生した内部応力の集中作用し易い箇所が、底板の下面部分だけに形成されることになる。これにより吸気孔開設のための破断は必ず底板の下面部分に発生し、よって突起は底板の下面部分から浮き上がる方向に変位しながら吸気孔を破断開設する。
また、本発明の合成樹脂製カップ状容器に係る他の構成は、第1の薄肉領域と第2の薄肉領域の肉厚差が、底板の肉厚の3%〜10%である。
薄肉領域における第1の薄肉領域と第2の薄肉領域の肉厚差を底板の肉厚の3%〜10%と設定したものにあっては、押し倒し側の第1の薄肉領域において破断を確実に開始することができる。
また更に、本発明の合成樹脂製カップ状容器に係る他の構成は、第1の薄肉領域が突起の周囲60°〜120°の範囲に形成されているものである。
第1の薄肉領域を突起の周囲60°〜120°の範囲に設定したものにあっては、押し倒し力の作用方向がずれた場合でも倒し側の第1の薄肉領域において安定して適正な破断動作を開始することができる。
本発明は、上記した構成となっているため以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成にあっては、軽い力での突起の押し倒しにより第1の薄肉領域から破断が開始されることにより吸気孔を確実に開設できる。
また、吸気孔の破断開設に際して、第1及び第2の薄肉領域の撓み変形は、第1の薄肉領域の破断動作に対してクッション作用を発揮するため、吸気孔の破断開孔は、不快な抵抗感を生じることなく、快適に確実で一定して得ることができる。
根部を3個形成したものにあっては、傾斜変位する突起に対して安定した支点部分を得ることができる。
開孔機能部が形成された下面部分の反対側に位置する底板部分の上面を平坦面状としたものにあっては、突起は底板の下面部分から浮き上がる方向に変位しながら吸気孔を開設するため、吸気孔開設のために破断された部分が容器内に陥没状に変位することがなく、これにより内容物に傷を付けることが全くなく、内容物の好ましい取出し処理を得ることができる。
第1の薄肉領域と第2の薄肉領域の肉厚差を底板の肉厚の3%〜10%としたものにあっては、第1の薄肉領域にて破断が確実に発生するため安定した吸気孔の開設を得ることができる。
第1の薄肉領域を突起の周囲60°〜120°としたものにあっては、押し倒し力の作用方向がずれた場合あっても第1の薄肉領域にて安定して適正な破断動作を開始することができるため、吸気孔を確実に開設することができる。
本発明にかかる合成樹脂製カップ状容器の一実施例の斜視図である。 図1の容器の半縦断正面図である。 図1の容器の半縦断側面図である。 図1の容器の平面図である。 図1の容器の底面図である。 図1の開孔機能部の拡大図である。 図1の実施形態例における、開孔機能部の拡大断面図である。 図6の開孔機能部を直角方向から見た、拡大断面図である。 図6の開孔機能部での突起傾斜変位動作を示す拡大断面図である。 図6の開孔機能部での吸気孔開設状態を示す拡大断面図である。
以下、本発明にかかる実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1〜図5は本発明にかかる合成樹脂製カップ状容器の一実施例を示すものであり、図1は底板側からの斜視図、図2は半縦断正面図、図3は半縦断側面図、図4は平面図、図5は底面図である。
本発明による合成樹脂製カップ状容器は、ポリプロピレン樹脂製の薄肉射出成形品であり、胴筒1と、この胴筒1に下端を塞ぎ中央にゲート跡10を位置させた底板3とから構成されるカップ状の本体部分を有する。胴筒1は、大きく上半部と下半部に分けることができ、上半部には周璧を上方に拡径した円筒状とした円筒状領域が形成さており、下半部には半円形を周方向に並列状にして周璧を形成している。胴筒1の上端開口縁には密閉用のシート蓋を密溶着する外鍔状の鍔片2を周設し、底板3の下面3bの周端部には短筒片状の脚片9を垂下設している。
底板3の下面3bのゲート跡10を避けた周端部に偏った箇所(この箇所は、脚片9の内側となる)(図1及び図2参照)には、底板3の一部を破断して吸気孔6を開設するための開孔機能部4(図4及び図5参照)が形成されている。開孔機能部が脚片を垂下設した底板の下面の一部に形成されているため、陳列時や格納時等の容器の正立姿勢状態では、容器の脚片部分に隠れることになり、これにより他の物品に引っ掛かる等して不正に操作されることが少なく、その分高い安全性を得ることができる。
開孔機能部4は、図6に示されるように垂下状に起立設された突起5と、この突起5を囲うように形成されている薄肉領域7と、ゲート跡側にて突起5の基端に隣接している根部8とから構成されている。
開孔機能部4の突起5は、脚片9よりも低い高さ(図2参照)で底板3の外方に起立設されていて、指先による押し倒し力を加え易い形状となっている。また、この突起5の基端部は、先端から基端方向に拡径した円形となっている。
また、薄肉領域7は、突起5の基端を囲むような円形状に形成されており、その肉厚は、底板3の肉厚よりも薄いものとし、破断し易い値に設定されている。薄肉領域7は、突起5への押し倒しにより破断が開始される第1の薄肉領域7aと、第1の薄肉領域より肉厚が大きい第2の薄肉領域7bが形成されている。更に、突起5の基端には、肉厚が第2の薄肉領域(7b)より厚く底板以下の根部8が形成されており、傾斜変位する突起の支点部分、すなわちヒンジ機能部分を提供する。なお、薄肉領域7の幅は、必要とする撓み変形を確実に得ることができる値に設定されている。
このように、開孔機能部4を形成した底板3の下面3b部分は、この開孔機能部4により凹凸面構造となり、特に突起5と薄肉領域7の境界部には角部が形成されるのに対して、この開孔機能部4の反対側に位置する底板3の上面3a部分は、凹凸の無い平坦面状の構造(図8参照)となっている。
次に、図6を参照しながら開孔機能部4における各部の関係の一例を説明する。開孔機能部4は、その動作特性に従って、突起5への押し倒し力Pが作用する方向を基準として倒し側と倒され側とに大別される。また、薄肉領域7は、押し倒しにより破断が開始される第1の薄肉領域7aと、第1の薄肉領域7aより肉厚が厚い第2の薄肉領域7bにそれぞれ大別される。ゲート跡10側には、第2の薄肉領域7bに挟まれるように根部8が形成されている。
薄肉領域7において、突起5の押し倒しにより倒し側の第1の薄肉領域7aから破断が開始されるように、第1の薄肉領域7aの肉厚を第2の薄肉領域7bの肉厚に比べ薄くし、つまり底板3において肉厚が最も薄くしてある。このような脆弱な第1の薄肉領域7aに内部応力を作用し易くしてあるため、第1の薄肉領域7aにて開始された破断は、この破断を起点として第2の薄肉領域7bにも破断が進行して行く。
第1の薄肉領域7aと第2の薄肉領域7bの肉厚差を底板の肉厚の3%〜10%に設定することは、押し倒し側の第1の薄肉領域7aに内部応力をより作用し易くなり、これによって、吸気孔6が確実に開設するようになることから好ましく、更に好ましい肉厚差は5%〜8%である。
第1の薄肉領域7aを突起の周囲60°〜120°の範囲に形成されるように設定することは、押し倒し力の作用方向がずれた場合であっても必要とする内部応力を的確に第1の薄肉領域7aに作用させるようにし、倒し側の第1の薄肉領域7aが撓み変形し易くなり過ぎるのを防止し、これにより吸気孔6の安定した開設を得るために好ましく、更に好ましくは80°〜100°である。
根部8はゲート跡側にて突起5の基端に隣接して薄肉領域より肉厚に形成されているため、射出成形時において突起5を含む開孔機能部4への溶融合成樹脂の流れ込みが良好なものとなっている。しかしながら、薄肉領域や突起先端を有するカップ状容器においては、ショートショット等の成形不良防止の観点から複数個の根部8を設けることが好ましい。
肉厚が第2の薄肉領域7bより厚く底板3以下である根部8は、傾斜変位する突起5に対する支点部分、すなわちヒンジ機能部分を提供するものである。根部8が1個の場合には、押し倒し方向に対するヒンジ機能の作用角度が根部8幅に依存することになり、根部8幅が広くし過ぎると剛性が向上して突起の押し倒しが困難となる場合がある。根部8が2個の場合には、設置間隔を広けることにより押し倒し方向に対するヒンジ機能の作用角度を大きくとれるものの、設置間隔が広過ぎると突起5に対するヒンジ機能効果が低下する場合がある。
そのため、本実施例では3個の根部8とし、第1の薄肉領域7aの中心に対して線対称な位置に中央の根部8aを設け、中央の根部8aに対して線対称となる両位置に左右の根部8bを形成した。ここで中央の根部8aを形成することによって安定性が向上するため、左右の根部8bの設置間隔を広げた場合であっても、突起5に対するヒンジ機能効果を確実に発揮させることができる。また、根部8を3個形成する場合は、中央の根部8a幅を左右の根部8b幅に比べ狭くすることが、突起5を押し倒した時に生じる抵抗感を低減することから好ましい。
根部8を3個形成したものにあっては、根部8間に挟まれる第2の薄肉領域7bが突起5の傾斜変位に対して適正に対応して撓み変形することに伴い、3個の根部8のため傾斜変位する突起5に対して安定した支点を提供することになる。これにより、倒し側の第1の薄肉領域7aは、妄りに大きく伸び撓み変形することがなく、適当に伸び変形した後に破断する。
このため、薄肉領域7の破断、すなわち吸気孔6の開設は、衝撃的に一気に達成されるのではなく、薄肉領域7の柔軟な撓み変形の途中で、突起5の傾斜変位の進行速度に従って達成されることになり、感触の良い吸気孔6の開孔操作を得ることができる。
なお、本実施例の容器の開孔機能部4における各部の肉厚は、第1の薄肉領域7aが0.10mm、第2の薄肉領域7bが0.12mmであり、根部8が底部3の肉厚と同じ0.35mmである。よって、第1の薄肉領域7aと第2の薄肉領域7bの肉厚差は、底板3の肉厚の5.7%であった。また、第1の薄肉領域7aは、突起5の周囲90°の範囲に形成されている。
次に、図8及び図9を用いて開孔機能部4における吸気孔6の開設動作を説明する。内容物を充填収納した容器を、開口部の密閉シートを剥がした状態で受容器上に逆立させて載置し、その状態のまま、開孔機能部4の突起5に対し底板3の中央に向う押し倒し力Pを作用させる。
押し倒し力Pの作用により、突起5は薄肉領域7を撓み変形させながら、その姿勢を傾斜させるが、この突起5の傾斜変位は、倒され側に位置する根部8を支点として行われる。そのため薄肉領域7は、倒し側の第1の薄肉領域7aを伸び変形状に、倒され側の第2の薄肉領域7bを圧縮変形状に撓み変形する。
この際、撓み変形により発生した内部応力は、突起5と薄肉領域7の接続角部に集中することになるが、倒し側角部mに作用する内部応力は、引き伸ばし方向に作用するため破断力として強く作用し、一方、倒され側角部nに作用する内部応力は、押し潰し方向に作用するので破断力として強くは作用しない。
このため、突起5の傾斜変位が推し進められると、薄肉領域7における破断が倒し側角部mのある第1の薄肉領域7aから開始され、第1の薄肉領域7aの破断を起点として倒され側の第2の薄肉領域7b側にも破断が進行し、最終的には左右の根部8bまで破断が進行する。これにより吸気孔6が開設され、容器の底板3側からも空気が吸気されることにより容器内の内容物の上面と下面間の気圧差が無くなり、内容物の自重落下による取出しが達成される。
図10の実施形態例において、吸気孔6を破断形成した突起5は、根部8に繋がった状態となっているが、これは根部8が支点部、すなわちヒンジとして傾斜変位する突起5を支えていたからである。このことは吸気孔6の開設の際に、突起5が容器内に陥没状に変位して内容物を傷付けると云う不都合の発生を確実に防止し、内容物の好ましい取出し処理を得ることができる。
なお、前記したように、突起5の押し倒し操作時に、倒され側の第2の薄肉領域7bは圧縮変形状に撓み変形すると説明したが、正確には、倒され側の第2の薄肉領域7bの上面側は、わずかではあるが伸び変形状となる。しかしながら、開孔機能部4の上面側は、底板3の上面3aに形成されておりその全体が平坦面であるため、発生した内部応力の集中し易い角部が形成されておらず、破断が発生し難いものとなっている。一方、底板3の下面3bには、発生した内部応力の集中し易い角部が形成されているため、吸気孔6を開設する破断は、必ず肉厚が最も薄い第1の薄肉領域7aの倒し側角部m付近から開始することになる。
以上、実施例に沿って本発明にかかる合成樹脂製カップ状容器の実施の形態、及びその作用効果を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
例えば、本発明にかかる合成樹脂製カップ状容器は、ポリプロピレン樹脂製に限定されることなく、従来から一般的に使用されているポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の他の合成樹脂製のものとすることができる。
以上説明したように、本発明におけるカップ状容器は、突起によって吸気孔を開口させる破断開始領域を特定の薄肉領域とする構成により、不快な抵抗感を生じることなく、確実に吸気孔の破断開孔を可能とするものであり、充填密着収納した半固形内容物の取出し技術として、幅広い利用展開が期待できる。
1 ;胴筒
2 ;鍔片
3 ;底板
3a;上面
3b;下面
4 ;開孔機能部
5 ;突起
6 ;吸気孔
7 ;薄肉領域
7a;第1の薄肉領域
7b;第2の薄肉領域
8 ;根部
8a;中央の根部
8b:左右の根部
9 ;脚片
10;ゲート跡
m ;倒し側角部
n ;倒され側角部
P ;押し倒し力

Claims (5)

  1. 胴筒(1)と、該胴筒(1)の下端を塞く底板(3)と、該底板(3)の下面(3b)の周端部から垂下設された脚片(9)を備えた合成樹脂製射出成形品であるカップ状容器にあって、
    該底板(3)の下面(3b)は、ゲート跡(10)と開孔機能部(4)を有し、
    該開孔機能部(4)が、底板(3)の外方に突出しており、押し倒しにより吸気孔(6)を破断開設する突起(5)と、該突起(5)の基端を囲むような円形状に形成されてなる、該底板の肉厚未満である薄肉領域(7)と、該ゲート跡(10)側にて該突起(5)の基端に隣接している根部(8)を備え、
    該薄肉領域(7)に、該突起(5)を押し倒す力が作用する押し倒し側であり、押し倒しにより破断が開始される第1の薄肉領域(7a)と、該第1の薄肉領域より肉厚が厚い第2の薄肉領域(7b)を設け、
    該第1の薄肉領域(7a)における該薄肉領域(7)の該円形状の中心に対向する位置には、肉厚が第2の薄肉領域より厚く底板以下の、中央の根部(8a)と左右の根部(8b、8b)からなる該根部(8)が設けられ、該左右の根部(8b、8b)は、該中央の根部(8a)に対して線対称となる両位置にあり
    該第1の薄肉領域(7a)は、該左右の根部(8b、8b)の突起(5)に対する対称となる両位置の間に形成されている
    ことを特徴とする合成樹脂製カップ状容器。
  2. 前記中央の根部(8a)の幅が、左右の根部(8b)の幅に比べ狭い請求項1に記載の合成樹脂製カップ状容器。
  3. 前記開孔機能部(4)が形成された下面(3b)部分の反対側に位置する底板(3)の上面(3a)部分を、平坦面状とした請求項1又は2に記載の合成樹脂製カップ状容器。
  4. 前記第1の薄肉領域(7a)と前記第2の薄肉領域(7b)の肉厚差が、底板の肉厚の3%〜10%である請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂製カップ状容器。
  5. 前記第1の薄肉領域(7a)が、突起(5)の周囲60°〜120°の範囲に形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂製カップ容器。
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