JP2016175984A - 両面粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィン発泡体からなる基材の両面にアクリル粘着剤層を有する両面粘着テープであって、前記ポリオレフィン発泡体からなる基材は、MD方向及びTD方向における平均セル径がそれぞれ80μm未満、発泡倍率が1.4〜2.2倍であり、前記アクリル粘着剤層は、動的粘弾性測定から求められるガラス転移温度Tgが5〜18℃、23℃における貯蔵弾性率G’が2×105〜9×105Paである両面粘着テープ。
【選択図】 なし
Description
以下に本発明を詳述する。
上記ポリオレフィン発泡体は、MD方向及びTD方向における平均セル径がそれぞれ80μm未満である。このような平均セル径の小さな発泡体を基材として用いることにより、特に両面粘着テープの耐衝撃性、耐電圧性を向上させることができる。上記ポリオレフィン発泡体のMD方向及びTD方向における平均セル径は、70μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましい。
なお、MD方向(Machine Direction)とは、ポリオレフィン発泡体をシート状に押出加工する際の押出方向をいい、TD方向(Transverse Direction)とはMD方向に対して垂直方向をいう。
まず、ポリオレフィン発泡体のサンプルを50mm四方にカットし、液体窒素に1分間浸した後、カミソリ刃でMD方向及び厚さ方向に平行な面に沿って切断する。次いで、デジタルマイクロスコープ(例えば、キーエンス社製、「VHX−900」等)を用いて、200倍倍率で拡大写真を撮影し、MD方向における長さ2mmの切断面に存在する全てのセルについてMD方向のセル径を測定する。その操作を5回繰り返し、全てのMD方向のセル径の平均値をMD方向の平均セル径とする。
上記TD方向の平均セル径も、ポリオレフィン発泡体のサンプルをTD方向及び厚さ方向に平行な面に沿って切断する以外は、同様にして測定することができる。
なお、発泡倍率は、JISK−6767に準拠して電子比重計(例えば、ミラージュ社製、「ED120T」)を使用して測定した密度の逆数から算出できる。
なお、厚み方向の25%圧縮強度は、JISK−6767に準拠して測定できる。例えば、2cm×2cmに裁断したポリオレフィン発泡体を重ね合わせて厚み10mmの積層体を作製し常温下に放置した後、常温下で、この積層体の厚み方向の25%圧縮強度を測定すればよい。
上記ポリオレフィン発泡体を架橋する方法は特に限定されず、例えば、上記ポリオレフィン発泡体に電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線を照射する方法、上記ポリオレフィン発泡体に予め配合しておいた有機過酸化物を加熱により分解させる方法等が挙げられる。
なお、ガラス転移温度Tg及び23℃における貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定装置(例えば、アイティー計測制御社製のDVA−200)を用いて、周波数10Hz、昇温速度3℃/minで−40℃から140℃まで測定を行いことにより求めることができる。
全モノマー混合物に占めるブチルアクリレートの好ましい含有量は、40〜80重量%である。ブチルアクリレートの含有量が40重量%未満であると、上記アクリル粘着剤層が柔らかくなりすぎて凝集力が低下し、両面粘着テープのせん断粘着力が低下することがある。ブチルアクリレートの含有量が80重量%を超えると、上記アクリル粘着剤層が硬くなって粘着力又はタックが低下し、両面粘着テープのせん断粘着力が低下することがある。
全モノマー混合物に占める2−エチルヘキシルアクリレートの好ましい含有量は、10〜40重量%である。2−エチルヘキシルアクリレートの含有量が10重量%未満であると、上記アクリル粘着剤層の粘着力が低下し、両面粘着テープのせん断粘着力が低下することがある。2−エチルヘキシルアクリレートの含有量が40重量%を超えると、上記アクリル粘着剤層が柔らかくなりすぎて凝集力が低下し、両面粘着テープのせん断粘着力が低下することがある。
上記共重合可能な他の重合性モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル等のアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等のアルキル基の炭素数が13〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、等の官能性モノマーが挙げられる。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物として、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重量平均分子量を上記範囲に調整するためには、重合開始剤、重合温度等の重合条件を調整すればよい。
なお、重量平均分子量(Mw)とは、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
上記粘着付与樹脂として、例えば、ロジンエステル系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、脂環族飽和炭化水素系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5−C9共重合系石油樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記アクリル粘着剤層にイソシアネート系架橋剤が添加されることで、イソシアネート系架橋剤のイソシアネート基と上記アクリル粘着剤層を構成する樹脂中のアルコール性水酸基とが反応して、上記アクリル粘着剤層の架橋が緩くなる。従って、上記アクリル粘着剤層は、断続的に加わる剥離応力を分散させることができ、両面粘着テープのせん断粘着力がより向上する。
上記架橋剤の添加量は、上記アクリル共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
なお、アクリル粘着剤層の架橋度は、アクリル粘着剤層をW1(g)採取し、このアクリル粘着剤層を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量W2(g)を測定し、下記式(1)により算出する。
架橋度(重量%)=100×W2/W1 (1)
まず、アクリル共重合体、粘着付与樹脂、必要に応じて架橋剤等に溶剤を加えて粘着剤Aの溶液を作製して、この粘着剤Aの溶液を基材の表面に塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去してアクリル粘着剤層Aを形成する。次に、形成されたアクリル粘着剤層Aの上に離型フィルムをその離型処理面がアクリル粘着剤層Aに対向した状態に重ね合わせる。
次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に粘着剤Bの溶液を塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面にアクリル粘着剤層Bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムをアクリル粘着剤層Aが形成された基材の裏面に、アクリル粘着剤層Bが基材の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面にアクリル粘着剤層を有し、かつ、アクリル粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得ることができる。
これらの用途における本発明の両面粘着テープの形状は特に限定されないが、長方形、額縁状、円形、楕円形、ドーナツ型等が挙げられる。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート78重量部、2−エチルヘキシルアクリレート19重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2重量部、及び、酢酸エチル80重量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加した。5時間還流させて、アクリル共重合体(a)の溶液を得た。得られたアクリル共重合体(a)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、71万であった。
得られたアクリル共重合体(a)の溶液に含まれるアクリル共重合体(a)の固形分100重量部に対して、軟化点150℃の重合ロジンエステル15重量部、軟化点150℃のテルペンフェノール10重量部、軟化点70℃のロジンエステル10重量部、酢酸エチル(不二化学薬品社製)125重量部、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製 商品名「コロネートL45」)2.2重量部を添加し、攪拌して、粘着剤(A)を得た。
モノマーとしてブチルアクリレート65重量部、2−エチルヘキシルアクリレート32重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2重量部、を用い、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.06重量部を添加したこと以外はアクリル共重合体(a)の調製方法と同様にして、重量平均分子量144万のアクリル共重合体(b)の溶液を得た。得られたアクリル共重合体(b)の溶液を用いたこと以外は粘着剤(A)の調製方法と同様にして、粘着剤(B)を得た。
モノマーとしてブチルアクリレート97重量部とし、2−エチルヘキシルアクリレートを使用しなかったこと以外はアクリル共重合体(a)の調製方法と同様にして、重量平均分子量89万のアクリル共重合体(c)の溶液を得た。
得られたアクリル共重合体(c)の溶液を用いたこと以外は粘着剤(A)の調製方法と同様にして、粘着剤(C)を得た。
粘着付与樹脂として軟化点150℃の重合ロジンエステル15重量部、軟化点150℃のテルペンフェノール18重量部、軟化点70℃のロジンエステル15重量部を用いたこと以外は粘着剤(A)の調製方法と同様にして、粘着剤(D)を得た。
粘着付与樹脂として軟化点135℃の重合ロジンエステル12重量部、軟化点150℃のテルペンフェノール10重量部、軟化点100℃のロジンエステル8重量部を用いたこと以外は粘着剤(A)の調製方法と同様にして、粘着剤(E)を得た。
粘着付与樹脂として軟化点135℃の重合ロジンエステル10重量部、軟化点130℃のテルペンフェノール8重量部、軟化点70℃のロジンエステル6重量部を用いたこと以外は粘着剤(A)の調製方法と同様にして、粘着剤(F)を得た。
粘着付与樹脂として軟化点150℃の重合ロジンエステル15重量部を用いたこと以外は粘着剤(A)の調製方法と同様にして、粘着剤(G)を得た。
ブチルアクリレートの添加量を77重量部に変更し、更に、2−エチルヘキシルアクリレート19重量部の代わりにメチルメタクリレート20重量部を添加したこと以外はアクリル共重合体(a)の調製方法と同様にして、重量平均分子量79万のアクリル共重合体(h)の溶液を得た。
得られたアクリル共重合体(h)の溶液を用いたこと、粘着付与樹脂として軟化点135℃の重合ロジンエステル20重量部を用いたこと以外は粘着剤(A)の調製方法と同様にして、粘着剤(H)を得た。
厚み150μmの離型紙を用意し、この離型紙の離型処理面に粘着剤(A)を塗布し、100℃で5分間乾燥させることにより、厚み50μmのアクリル粘着剤層を形成した。このアクリル粘着剤層を、表1に示す平均セル径、発泡倍率、密度、25%圧縮強度及び厚みを有するポリオレフィン発泡体からなる基材の表面と貼り合わせた。次いで、同様の要領で、このポリオレフィン発泡体からなる基材の反対の表面にも上記と同じアクリル粘着剤層を貼り合わせた。これにより、厚み150μmの離型紙で覆われた表1に示す総厚みの両面粘着テープを得た。
得られた両面粘着テープのアクリル粘着剤層について、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製のDVA−200)を用いて、周波数10Hz、昇温速度3℃/minで−40℃から140℃まで測定を行い、ガラス転移温度Tg、23℃における貯蔵弾性率G’及び損失正接tanδを算出して表1に示した。
基材又はアクリル粘着剤層を表1及び表2に示したものに代えた以外は実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
実施例、比較例で得られた両面粘着テープについて以下の評価を行った。結果を表1及び表2に示した。
図1に、両面粘着テープの落下衝撃試験の模式図を示す。得られた両面粘着テープを外径が幅46mm、長さ61mm、内径が幅44.6mm、長さ59.6mmに打ち抜き、幅0.7mmの枠状の試験片を作製した。次いで、図1(a)に示すように、中央部分に幅38mm、長さ50mmの四角い穴のあいた厚さ2mmのポリカーボネート板3に対して離型紙を剥がした試験片1を四角い穴がほぼ中央に位置するように貼り付けた後、試験片1の上面から幅50mm、長さ75mm、厚さ4mmのガラス板2を試験片1がほぼ中央に位置するように貼り付け、試験装置を組み立てた。
その後、試験装置の上面に位置するポリカーボネート板側から5kgfの圧力を10秒間加えて上下に位置するポリカーボネート板と試験片とを圧着し、常温で24時間放置した。
得られた計測値をもとに、以下の基準により耐落下衝撃性を判定した。
○:剥離時の鉄球の高さが50cm以上
×:剥離時の鉄球の高さが50cm未満
図2に、両面粘着テープのPUSH粘着力試験の模式図を示す。得られた両面粘着テープを外径が幅46mm、長さ61mm、内径が幅44.6mm、長さ59.6mmに打ち抜き、幅0.7mmの枠状の試験片を作製した。次いで、図2(a)に示すように、中央部分に幅38mm、長さ50mmの四角い穴のあいた厚さ2mmのポリカーボネート板3に対して離型紙を剥がした試験片1を四角い穴がほぼ中央に位置するように貼り付けた後、試験片1の上面から幅50mm、長さ75mm、厚さ4mmのガラス板2を試験片1がほぼ中央に位置するように貼り付け、試験装置を組み立てた。
その後、試験装置の上面に位置するポリカーボネート板側から5kgfの圧力を10秒間加えて上下に位置するポリカーボネート板と試験片とを圧着し、常温で24時間放置した。
得られた計測値をもとに、以下の基準によりPUSH粘着力を判定した。
○:剥離時の荷重が50N以上
×:剥離時の荷重が50N未満
図3に、両面粘着テープの耐電圧性の評価方法を示す模式図を示す。
図3(a)に示すように、0.7mmの幅の線状に打ち抜いた両面粘着テープ6を、2枚の厚さ2mmのアクリル板7に挟み込んだ。両面粘着テープ6の幅方向に電圧がかかるように、アクリル板の両側の隙間から2枚のアルミ板8を差し込み、両面粘着テープ6に接触させた。次いで、各々のアルミ板8に正極及び負極を接続し、耐電圧試験機TOS5101(菊水電子工業社製、最大電圧12KV)を用いて直流にて試験片の厚み方向に電圧を印加し、その電圧で5秒間通電がないことを確認した後、0.5KV刻みで印加電圧を上昇させていき、通電したときの電圧を求めた。
得られた計測値をもとに、以下の基準により耐電圧性を判定した。
○:通電したときの電圧が8kV以上
×:通電したときの電圧が8kV未満
2 ガラス板
3 ポリカーボネート板
4 鉄球
5 荷重
6 両面粘着テープ試験片(線状)
7 アクリル板
8 アルミ板
Claims (6)
- ポリオレフィン発泡体からなる基材の両面にアクリル粘着剤層を有する両面粘着テープであって、
前記ポリオレフィン発泡体からなる基材は、MD方向及びTD方向における平均セル径がそれぞれ80μm未満、発泡倍率が1.4〜2.2倍であり、
前記アクリル粘着剤層は、動的粘弾性測定から求められるガラス転移温度Tgが5〜18℃、23℃における貯蔵弾性率G’が2×105〜9×105Paである
ことを特徴とする両面粘着テープ。 - ポリオレフィン発泡体からなる基材は、厚み方向の25%圧縮強度が600kPa以上であることを特徴とする請求項1記載の両面粘着テープ。
- ポリオレフィン発泡体からなる基材は、厚みが80〜300μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の両面粘着テープ。
- ポリオレフィン発泡体からなる基材は、ポリエチレンからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の両面粘着テープ。
- 両面粘着テープの総厚みが100〜400μmであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の両面粘着テープ。
- 電子機器部品固定用途又は車載部品固定用途に用いられるものであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の両面粘着テープ。
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