JP2019104942A - 粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents

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徳之 内田
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真理子 赤羽
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Juichi Watanabe
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Abstract

【課題】電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と適度なタック性とを発揮できる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供する。【解決手段】(メタ)アクリル酸エステルモノマー、アミド基含有モノマー及び水酸基含有モノマーを含有するモノマー混合物を共重合してなる(メタ)アクリル共重合体を含有し、前記モノマー混合物は、前記アミド基含有モノマーの配合量が20重量%以上、かつ、前記水酸基含有モノマーの配合量が0.01〜0.3重量%である粘着剤組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と適度なタック性とを発揮できる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープに関する。
画像表示装置又は入力装置を搭載した携帯電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)においては、組み立てのために両面粘着テープが用いられている。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したり、タッチパネルモジュールと筐体を接着したりするために両面粘着テープが用いられている。このような両面粘着テープは、例えば、額縁状等の形状に打ち抜かれ、表示画面の周辺に配置されるようにして用いられる(例えば、特許文献1、2)。また、車輌部品(例えば、車載用パネル)を車両本体に固定する用途にも両面粘着テープが用いられている。
近年の大型の携帯電子機器における部品の接着固定、車輌部品の接着固定等の用途においては、重量の大きな部品又は部材を貼り合わせる必要があり、両面粘着テープにかかる負荷が大きくなっている。また、特に近年の携帯電子機器では、表示画面の周辺を狭くしてより広い画面を確保する、いわゆる狭額縁化が進んでおり、狭額縁化した携帯電子機器では画面の周辺部の幅が極めて狭いため、接着面積が狭くとも確実に部材を固定できる高い粘着力とが求められている。
一方、電子機器部品固定用途に用いるために粘着テープを額縁状等の形状に打ち抜くためには、粘着剤層のタック性が適度な範囲にあることが要求される。粘着剤層のタック性が高すぎると、打ち抜いた後に残余の部分を除く操作(カス上げ操作)が困難となる。粘着剤層のタック性が低すぎると、打ち抜き時のセパレーターの差し替え操作が困難となる。
粘着剤組成物の粘着力とタック性を調節する方法としては、粘着付与樹脂を配合することが知られている。しかしながら、粘着付与樹脂を少量加えると、タック性は加工に適切な範囲に調整できるものの、粘着力が不充分となる。粘着付与樹脂の配合量を増やしていくと、タック性が加工に適切な範囲から急激に外れてしまうにもかかわらず、粘着力はなお不充分である。そこで、電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と適度なタック性とを発揮できる粘着剤組成物が求められていた。
特開2009−242541号公報 特開2009−258274号公報
本発明は、上記現状に鑑み、電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と適度なタック性とを発揮できる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、アミド基含有モノマー及び水酸基含有モノマーを含有するモノマー混合物を共重合してなる(メタ)アクリル共重合体を含有し、前記モノマー混合物は、前記アミド基含有モノマーの配合量が20重量%以上、かつ、前記水酸基含有モノマーの配合量が0.01〜0.3重量%である粘着剤組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、アミド基含有モノマー及び水酸基含有モノマーを含有するモノマー混合物を共重合してなる(メタ)アクリル共重合体を含有する粘着剤組成物において、アミド基含有モノマー及び水酸基含有モノマーの配合量を一定の範囲とすることにより、高い粘着力と適度なタック性とを発揮できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、アミド基含有モノマー及び水酸基含有モノマーを含有するモノマー混合物を共重合してなる(メタ)アクリル共重合体を含有する。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルモノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アミド基含有モノマーとしては、例えば、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド等が挙げられる。これらのアミド基含有モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に高い粘着力と適度なタック性とを両立できることから、ジメチルアクリルアミド又はジエチルアクリルアミドが好適である。
上記モノマー混合物中における上記アミド基含有モノマーの配合量は20重量%以上である。上記アミド基含有モノマーの配合量を20重量%以上とすることにより、粘着剤組成物は、高い粘着力と適度なタック性とを発揮することができる。上記アミド基含有モノマーの配合量の好ましい下限は21重量%、より好ましい下限は22重量%である。
上記アミド基含有モノマーの配合量の上限は特に限定されないが、多すぎるとタック性を損なう可能性があることから、30重量%以下であることが好ましい。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。これらの水酸基含有モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に高い粘着力と適度なタック性とを両立できることから、アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好適である。
上記モノマー混合物中における上記水酸基含有モノマーの配合量の下限は0.01重量%、上限は0.3重量%である。上記水酸基含有モノマーの配合量をこの範囲内とすることにより、粘着剤組成物は、高い粘着力と適度なタック性とを発揮することができる。上記アミ水酸基含有モノマーの配合量の好ましい下限は0.05重量%、好ましい上限は0.2重量%である。
上記モノマー混合物は、必要に応じて、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニル等の他のモノマーを含有してもよい。
上記(メタ)アクリル共重合体は、重量平均分子量(Mw)の下限が40万、好ましい上限が150万である。上記重量平均分子量(Mw)が40万以上の(メタ)アクリル共重合体を用いることにより、特に高い粘着力を有する粘着剤組成物を得ることができる。上記重量平均分子量(Mw)が150万を超えると、高粘度となって取り扱い性に劣ることがある。上記重量平均分子量(Mw)のより好ましい下限は60万、より好ましい上限は100万である。
なお、重量平均分子量(Mw)とは、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
上記モノマー混合物を共重合して上記(メタ)アクリル共重合体を得るには、上記モノマー混合物を、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。上記モノマー混合物をラジカル反応させる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。この際の重合開始剤、重合温度等の重合条件を調整することにより、得られる共重合体の重量平均分子量等を調整することができる。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物として、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に粘着付与樹脂を含有してもよい。
上記粘着付与樹脂としては、例えば、ロジンエステル系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、脂環族飽和炭化水素系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5−C9共重合系石油樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、テルペンフェノール系樹脂及びロジン系樹脂からなる群より選択される少ないとも1種が好適である。
上記粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、上記(メタ)アクリル共重合体100重量部に対する好ましい下限は2重量部、好ましい上限は30重量部である。上記粘着付与樹脂の含有量が2重量部未満であると、充分な粘着力向上効果が得られないことがある。上記粘着付与樹脂の含有量が30重量部を超えると、上記粘着剤組成物が硬くなって、粘着力又はタックが低下することがある。上記粘着付与樹脂の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は15重量部である。
本発明の粘着剤組成物は、更に、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を含有することにより、本発明の粘着剤組成物を用いて粘着テープの粘着剤層を形成したときに、その弾性率やゲル分率を調整することができる。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤の添加量は、上記(メタ)アクリル共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープもまた、本発明の1つである。
上記粘着テープは、基材を有しないノンサポートテープであってもよく、基材の一方の面に粘着剤層を有する片面粘着テープであってもよく、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであってもよい。
上記基材としては特に限定されないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィン発泡体、ゴム系エラストマー、アクリル系エラストマー及びウレタン系エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する単層又は多層構造の基材が好適である。
上記粘着剤層は、動的粘弾性測定から求められる23℃におけるせん断貯蔵弾性率G’の好ましい下限が9×10Pa、好ましい上限が2×10Paである。上記せん断貯蔵弾性率G’が9×10Pa未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて、粘着力が低下することがある。上記せん断貯蔵弾性率G’が2×10Paを超えると、上記粘着剤層が硬くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなることがある。上記せん断貯蔵弾性率G’のより好ましい下限は9.5×10Pa、より好ましい上限は1.5×10Paである。
なお、23℃におけるせん断貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定装置(例えば、アイティー計測制御社製のDVA−200)を用いて、周波数10Hz、昇温速度3℃/minで−40℃から140℃まで測定を行いことにより求めることができる。
上記粘着剤層は、損失正接tanδが極大値を示す温度の好ましい下限が10℃、好ましい上限が23℃である。上記損失正接tanδが極大値を示す温度がこの範囲内にあると、高い粘着力と適切なタック性を両立させやすい。上記損失正接tanδが極大値を示す温度のより好ましい下限は14℃、より好ましい上限は20℃である。
なお、上記損失正接tanδが極大値を示す温度は、動的粘弾性測定装置(例えば、アイティー計測制御社製、DVA−200)を用いて測定することができる。
上記粘着剤層は、ゲル分率の好ましい下限が25重量%、好ましい上限が70重量%である。上記ゲル分率が25重量%未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて、粘着力やタック性が低下することがある。上記ゲル分率が70重量%を超えると、上記粘着剤層の架橋密度が高くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなることがある。上記ゲル分率のより好ましい下限は40重量%、より好ましい上限は60重量%である。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。まず、粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は100μmである。上記粘着剤層の厚みが10μm未満であると、粘着テープの粘着力が低下することがある。上記粘着剤層の厚みが100μmを超えると、粘着テープのリワーク性又は再剥離性が損なわれることがある。
本発明の粘着テープは、粘着テープの総厚み(基材と粘着剤層の厚みの合計)の好ましい下限が100μm、好ましい上限が400μmである。粘着テープの総厚みが100μm未満であると、粘着テープの粘着力が低下することがある。粘着テープの総厚みが400μmを超えると、携帯電子機器を構成する部品の接着固定、車載部品の接着固定等の用途に適さなくなることがある。粘着テープの総厚みのより好ましい下限は150μm、より好ましい上限は300μmである。
本発明の粘着テープの製造方法として、例えば粘着テープが両面粘着テープの場合には、以下のような方法が挙げられる。
まず、上記(メタ)アクリル共重合体と、必要に応じて架橋剤や粘着付与樹脂等に溶剤を加えて粘着剤Aの溶液を作製して、この粘着剤Aの溶液を基材の表面に塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去して粘着剤層Aを形成する。次に、形成された粘着剤層Aの上に離型フィルムをその離型処理面が粘着剤層Aに対向した状態に重ね合わせる。
次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に粘着剤Bの溶液を塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面に粘着剤層Bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムを粘着剤層Aが形成された基材の裏面に、粘着剤層Bが基材の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、該粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得ることができる。
また、同様の要領で積層フィルムを2組作製し、これらの積層フィルムを基材の両面のそれぞれに、積層フィルムの粘着剤層を基材に対向させた状態に重ね合わせて積層体を作製し、この積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、該粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得てもよい。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、電子機器部品の固定や車載部品の固定に特に好適に用いることができる。具体的には、大型の携帯電子機器における電子機器部品の接着固定、車載部品(例えば、車載用パネル)の接着固定等に、本発明の粘着テープを用いることができる。
これらの用途における本発明の粘着テープの形状は特に限定されないが、長方形、額縁状、円形、楕円形、ドーナツ型等が挙げられる。
本発明の粘着テープは、適度なタック性を有することから、1mm以下の狭い線幅であっても、打ち抜いた後に残余の部分を除く操作(カス上げ操作)が容易であり、かつ、打ち抜き時のセパレーターの差し替え操作も容易である。更に、1mm以下の狭い線幅であっても高い粘着力を発揮して、電子機器部品の固定や車載部品の固定に特に好適に用いることができる。
本発明によれば、電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と適度なタック性とを発揮できる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することができる。
粘着テープのPUSH粘着力の評価方法を説明する模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
<(メタ)アクリル共重合体の調製>
(1)(メタ)アクリル共重合体(A)の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器に、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしてアクリル酸ブチル76.9重量部、アミド基含有モノマーとしてジメチルアクリルアミド20重量部、水酸基含有モノマーとしてアクリル酸2−ヒドロキシエチル0.1重量部、その他のモノマーとしてアクリル酸3重量部と、酢酸エチル80重量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1重量部を添加した。70℃、5時間還流させて、(メタ)アクリル共重合体(A)の溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル共重合体(A)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ68万であった。
(2)(メタ)アクリル共重合体(B)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル46.9重量部とアクリル酸2−エチルヘキシル30重量部に変更した以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(B)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(B)の重量平均分子量は80万であった。
(3)(メタ)アクリル共重合体(C)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル16.9重量部とアクリル酸2−エチルヘキシル55重量部に、アミド基含有モノマーをジメチルアクリルアミド25重量部に変更した以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(C)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(C)の重量平均分子量は45万であった。
(4)(メタ)アクリル共重合体(D)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル46.9重量部とアクリル酸2−エチルヘキシル30重量部に、アミド基含有モノマーをジメチルアクリルアミド10重量部とジエチルアクリルアミド10重量部に変更した以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(D)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(D)の重量平均分子量は84万であった。
(5)(メタ)アクリル共重合体(E)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル16.9重量部とアクリル酸2−エチルヘキシル55重量部に、アミド基含有モノマーをジエチルアクリルアミド25重量部に変更した以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(E)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(E)の重量平均分子量は77万であった。
(6)(メタ)アクリル共重合体(F)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル76.8重量部に、水酸基含有モノマーをアクリル酸2−ヒドロキシエチル0.2重量部に変更した以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(F)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(F)の重量平均分子量は84万であった。
(7)(メタ)アクリル共重合体(G)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル36.9重量部とアクリル酸2−エチルヘキシル30重量部に、アミド基含有モノマーをジメチルアクリルアミド30重量部に変更した以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(G)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(G)の重量平均分子量は65万であった。
(8)(メタ)アクリル共重合体(H)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル96.9重量部に変更し、アミド基含有モノマーを使用しなかった以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(H)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(H)の重量平均分子量は89万であった。
(9)(メタ)アクリル共重合体(I)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル81.9重量部とアクリル酸2−エチルヘキシル15重量部に変更し、アミド基含有モノマーを使用しなかった以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(I)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(I)の重量平均分子量は70万であった。
(10)(メタ)アクリル共重合体(J)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル76.9重量部とアクリル酸2−エチルヘキシル5重量部に、アミド基含有モノマーをジメチルアクリルアミド15重量部に変更した以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(J)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(J)の重量平均分子量は85万であった。
(11)(メタ)アクリル共重合体(K)の調製
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをアクリル酸ブチル76.5重量部に、水酸基含有モノマーをアクリル酸2−ヒドロキシエチル0.5重量部に変更した以外は(メタ)アクリル共重合体(A)と同様の方法により(メタ)アクリル共重合体(K)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(K)の重量平均分子量は82万であった。
(実施例1)
得られた(メタ)アクリル共重合体(A)の溶液に含まれる(メタ)アクリル共重合体(A)の固形分100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製 商品名「コロネートL45」)0.8重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を得た。
離型紙を用意し、この離型紙の離型処理面に粘着剤組成物を塗布し、100℃で5分間乾燥させることにより、厚み50μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を、ポリエチレン発泡体(発泡倍率2.5倍)からなる厚さ200μmの基材の表面と貼り合わせた。次いで、同様の要領で、この基材の反対の表面にも上記と同じ粘着剤層を貼り合わせた。これにより、離型紙で覆われた両面粘着テープを得た。
得られた両面粘着テープの粘着剤層のゲル分率は55%、23℃におけるせん断貯蔵弾性率G’は7.6×10Pa、tanδ極大値の温度は14℃であった。
(実施例2〜12、比較例1〜6)
組成を表1、2に示したようにした以外は実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
<評価>
実施例、比較例で得られた両面粘着テープについて以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(1)PUSH粘着力の評価
図1に、両面粘着テープのPUSH粘着力の評価方法を説明する模式図を示す。得られた両面粘着テープを外径が幅46mm、長さ61mm、内径が幅44mm、長さ59mmに打ち抜き、幅1mmの枠状の試験片を作製した。次いで、図1(a)に示すように、中央部分に幅38mm、長さ50mmの四角い穴のあいた厚さ2mmのポリカーボネート板3に対して離型紙を剥がした試験片1を四角い穴がほぼ中央に位置するように貼り付けた後、試験片1の上面から幅55mm、長さ65mm、厚さ1mmのポリカーボネート板2を試験片1がほぼ中央に位置するように貼り付け、試験装置を組み立てた。
その後、試験装置の上面に位置するポリカーボネート板側から5kgfの圧力を10秒間加えて上下に位置するポリカーボネート板と試験片とを圧着し、常温で24時間放置した。
図1(b)に示すように、作製した試験装置を裏返して支持台に固定し、四角い穴を通して10mm/minの速度でゆっくりと荷重4をかけていき、荷重により試験片とポリカーボネート板が剥がれた時の荷重の値を測定した。
得られた測定値をもとに、以下の基準によりPUSH粘着力を判定した。
◎:剥離時の荷重が100N以上
○:剥離時の荷重が90N以上、100N未満
×:剥離時の荷重が90N未満
(2)プローブタックの評価
両面粘着テープを25mm×75mmの平面形状を有するように切断した。切断された両面テープ粘着テープの一方の離型紙を剥離し、粘着剤層を露出させた。次いで、2mm厚のSUS板上に、両面粘着テープの露出した面を貼り合わせた。更に、両面粘着テープのもう一方の離型紙を剥離し、粘着剤層を露出させた。暴露した粘着面に10mm角の金属片を接触させ、その時の抵抗力(N/10mm□)をストログラフにより測定して、これをプローブタックとした。
得られた測定値をもとに、以下の基準によりプローブタックを判定した。
○:プローブタックが7N/cmを超えて、10N/cm以下
△:プローブタックが5N/cmを超えて、7N/cm以下
×:プローブタックが5N/cm以下、又は、10N/cmを超える
Figure 2019104942
Figure 2019104942
本発明によれば、電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と適度なタック性とを発揮できる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することができる。
1 両面粘着テープ試験片(枠状)
2 ポリカーボネート板
3 ポリカーボネート板
4 荷重

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル酸エステルモノマー、アミド基含有モノマー及び水酸基含有モノマーを含有するモノマー混合物を共重合してなる(メタ)アクリル共重合体を含有し、
    前記モノマー混合物は、前記アミド基含有モノマーの配合量が20重量%以上、かつ、前記水酸基含有モノマーの配合量が0.01〜0.3重量%である
    ことを特徴とする粘着剤組成物。
  2. アミド基含有モノマーは、ジメチルアクリルアミド又はジエチルアクリルアミドを含有することを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 請求項1又は2記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープ。
  4. 粘着剤層は、23℃におけるせん断貯蔵弾性率が9×10〜2×10Paであることを特徴とする請求項3記載の粘着テープ。
  5. 線幅が1mm以下であることを特徴とする請求項3又は4記載の粘着テープ。
  6. 電子機器部品固定用途に用いられることを特徴とする請求項3、4又は5記載の粘着テープ。
  7. 車輌部品固定用途に用いられることを特徴とする請求項3、4又は5記載の粘着テープ。

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