JP7265379B2 - 積層体及び粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスと樹脂部材とを粘着テープで接合した積層体及び該積層体を形成するための粘着テープに関する。
画像表示装置又は入力装置を搭載した携帯電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)においては、組み立てのために両面粘着テープが用いられている。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために両面粘着テープが用いられている。このような両面粘着テープは、例えば、額縁状等の形状に打ち抜かれ、表示画面の周辺に配置されるようにして用いられる(例えば、特許文献1、2)。また、車両部品(例えば、車載用パネル)を車両本体に固定する用途にも両面粘着テープが用いられている。
特開2009-242541号公報 特開2009-258274号公報
一方、車両の生産において、フロントガラスやサイドガラス等の車両用ガラスは接着剤によって車両のフレームに固定されている。この際、接着剤が完全に硬化するまでの間ガラスが接着位置からずれないようにするために、ガラスを樹脂部材と接着し、樹脂部材を介してガラスを車両のフレームに仮固定している。ここで、図1、2に仮固定の様子を表した模式図を示した。図1、2では例として自動車のフロントガラスを固定する様子を示している。図1、2に示すように、フロントガラス1を自動車のフレーム3に固定する際は、まず、フロントガラス1と樹脂部材2を接着する。樹脂部材2のフロントガラス1と対向する面とは反対側の面には突起が設けられており、この突起と対応する穴がフレーム3に開けられている。フロントガラス1と樹脂部材2の接着後、フロントガラス1の端部領域に接着剤4を塗り、樹脂部材2の突起をフレーム3に開けられた穴に差し込むことでフロントガラス1とフレーム3が仮固定される。その後接着剤が硬化すると、フロントガラス1とフレーム3は完全に固定される。
従来の車両の製造では、ガラスと上記樹脂部材の接着にも接着剤を用いている。しかしながら、接着剤は乾燥までに時間を要することから生産効率が悪いという問題がある。そこで、ガラスと樹脂部材とを粘着テープで固定することが検討されたが、ガラスがフロントガラスのような大型で重いものである場合、粘着テープがガラスの重量に耐えきれず、粘着テープがずれてしまったり、剥がれたりしてしまうという問題がある。
本発明は、上記現状に鑑み、ガラスと樹脂部材とを粘着テープで接合した積層体であって、大型のガラスを用いた場合であっても粘着テープの剥がれやずれが生じ難い積層体及び該積層体を形成するための粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、ガラス、粘着テープ及び樹脂部材がこの順番に積層した積層体であって、前記粘着テープは粘着ポリマーを含有する粘着剤層を有し、前記粘着ポリマーは、数平均分子量が30万以上、重量平均分子量が50万以上である、積層体である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の積層体は、ガラス、粘着テープ及び樹脂部材がこの順番に積層した積層体である。上記積層体としては、例えば、車両のガラス部材を車両のフレームに固定する際に用いる積層体や、はめ殺しの窓の取り付けにおいてガラス窓と窓枠とを固定する際に用いる積層体等が挙げられる。
上記粘着テープは粘着ポリマーを含有する粘着剤層を有し、上記粘着ポリマーは、数平均分子量が30万以上、重量平均分子量が50万以上である。本発明の積層体は、粘着剤層に上記範囲の数平均分子量及び重量平均分子量を有する粘着ポリマーを用いることで、ガラスが大型で重い場合であっても、粘着テープのずれや剥がれを起こり難くすることができる。
上記数平均分子量の好ましい下限は35万、より好ましい下限は40万、更に好ましい下限は45万、特に好ましい下限は50万である。上記数平均分子量の上限は特に限定されないが、被着体への濡れ性の観点から、150万以下であることが好ましい。
上記重量平均分子量の好ましい下限は52万、より好ましい下限は55万、更に好ましい下限は60万、特に好ましい下限は70万、とりわけ好ましい下限は80万である。上記重量平均分子量の上限は特に限定されないが、被着体への濡れ性の観点から、200万以下であることが好ましい。
なお、上記数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、以下の方法で測定することができる。
まず、粘着ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液を、ポア径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過する。次いで、得られた濾液について、測定機としてe2695 Separations Module(Waters社製)、検出器として示差屈折計(2414、Waters社製)、カラムとしてGPC KF-806L(昭和電工社製)を用いて、サンプル流量:1mL/min、カラム温度:40℃の条件でGPC測定を行う。
上記粘着ポリマーは、上記数平均分子量及び重量平均分子量の範囲を満たしていれば特に限定されず、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコン系ポリマー、及びポリエステル系ポリマー等が挙げられる。中でも、上記数平均分子量及び重量平均分子量の範囲を満たしやすいことから、粘着ポリマーはアクリル系ポリマーを含有することが好ましく、アクリル系ポリマーであることがより好ましく、原料モノマーとしてブチルアクリレート用いたアクリル系ポリマーであることが更に好ましい。また上記粘着ポリマーの構造は特に限定されず、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でも良い。
上記アクリル系ポリマーが原料モノマーとしてブチルアクリレートを用いたアクリル系ポリマーである場合、上記アクリル系ポリマーは、原料モノマー中にブチルアクリレートを20重量%以上含有することが好ましい。
原料モノマー中にブチルアクリレートを20重量%以上含有することで、より粘着力に優れ、ずれや剥がれが起き難い粘着テープとすることができる。粘着テープのずれや剥がれをさらに抑制できる観点から、上記原料モノマー中のブチルアクリレートの含有量は25重量%以上であることがより好ましく、50重量%以上であることが更に好ましい。上記原料モノマー中のブチルアクリレートの含有量の上限は特に限定されず、原料モノマーの全量がブチルアクリレートであってもよい。上記アクリル系ポリマーが原料モノマーとしてブチルアクリレートを用いたアクリル系ポリマーである場合、上記アクリル系ポリマーは、原料モノマー中にブチルアクリレートを、通常100重量%以下、例えば99重量%以下含有する。
上記アクリル系ポリマーが原料モノマーとしてブチルアクリレートを用いたアクリル系ポリマーである場合、上記アクリル系ポリマーは、原料モノマーとして必要に応じてブチルアクリレート以外の他の重合性モノマーを含んでいてもよい。
上他の重合性モノマーとして、例えば、2-エチルヘキシルアクリレート、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル等のアルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等のアルキル基の炭素数が13~18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、等の官能性モノマーが挙げられる。
上記粘着ポリマーを得るには、原料モノマーを、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。上記モノマー混合物をラジカル反応させる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物として、例えば、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシピバレート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記粘着ポリマーはリビングラジカル重合によって得てもよい。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合によれば、例えばフリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有するポリマーが得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができるため、高温下でも粘着剤組成物が剥がれにくくなる。また、均一かつ大きな分子量のポリマーが得られることから、得られる粘着ポリマーが上記数平均分子量及び重量平均分子量の範囲を満たしやすくなる。
リビングラジカル重合は一般的に用いられるものであれば特に限定されず、TERP法、RAFT法、NMP法等が挙げられる。TERP法においては有機テルル化合物、RAFT法においてはRAFT剤、NMP法においてはニトロキシド化合物が用いられ、必要に応じてラジカル重合開始剤を組み合わせて使用する。
上記有機テルル化合物として、例えば、2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸、(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-クロロ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼンが挙げられる。
RAFT剤として、例えば、S-シアノメチル-S-ドデシルトリチオ炭酸、ジチオ安息香酸2-シアノ-2-プロピル、S-(2-シアノ-2-プロピル)-S-ドデシルトリチオ炭酸、2-メチル-2-[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸が挙げられる。
ニトロキシド化合物として、例えば、ジ-tert-ブチル-ニトロキシド、4-カルボキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル、テトラメチル-イソインドリン-1-オキシル、テトラエチル-イソインドリン-1-オキシル、N-tert-ブチル-N-[1-ジエチルフォスフォノ-(2,2-ジメチルプロピル)]ニトロキシド、2,2,5-トリメチル-4-フェニル-3-アザヘキサン-3-ニトロキシド等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において、上記開始剤に加えて、重合速度の促進を目的としてアゾ化合物を用いてもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、1-[(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ジメチル-1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1’-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’-アゾビス(1-イミノ-1-ピロリジノ-2-メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合においては、分散安定剤を用いてもよい。上記分散安定剤として、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合の方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されない。上記重合溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0~110℃が好ましい。
上記粘着剤層は、粘着付与樹脂を含有してもよい。
上記粘着付与樹脂として、例えば、ロジンエステル系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、脂環族飽和炭化水素系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5-C9共重合系石油樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、粘着力を向上させて粘着テープのずれや剥がれをより抑制する観点から、上記粘着ポリマー100重量部に対する好ましい下限は10重量部、好ましい上限は60重量部である。
上記粘着剤層は架橋剤を含有していてもよい。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤の含有量は特に限定されないが、上記粘着ポリマー100重量部に対して0.01~15重量部が好ましく、0.1~10重量部がより好ましい。
上記粘着剤層はゲル分率が10%以上であることが好ましい。
上記粘着剤層のゲル分率が10%以上であることで、粘着テープのずれや剥がれをより抑えることができる。粘着テープのずれや剥がれをさらに抑制できる観点から、上記粘着剤層のゲル分率のより好ましい下限は20%、更に好ましい下限は30%、更により好ましい下限は40%、特に好ましい下限は50%、とりわけ好ましい下限は60%である。上記粘着剤層のゲル分率の上限は特に限定されないが、粘着力をより向上させる観点から95%であることが好ましい。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は500μmである。上記粘着剤層の厚みをこの範囲内とすることにより、粘着テープのずれや剥がれをより抑えることができる。粘着テープのずれや剥がれをさらに抑制できる観点から、上記樹脂層の厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は400μmである。
上記粘着剤層は、23℃でのせん断貯蔵弾性率G’が好ましくは1×10Pa以上、より好ましくは2×10Pa以上、さらに好ましくは3×10Pa以上であり、好ましくは1×10Pa以下、より好ましくは5×10Pa以下、さらに好ましくは1×10Pa以下である。
粘着剤層の23℃でのせん断貯蔵弾性率G’が上記範囲内であると、粘着テープのずれの抑制性と被着体への貼り付け性を両立することができる。なお、23℃でのせん断貯蔵弾性率G’とは、アイティー計測制御社製のDVA-200等の動的粘弾性測定装置を用いて、測定周波数1Hzの条件で-50℃から200℃まで測定を行った際の、23℃での値のことを指す。
上記粘着テープは、基材を有するサポートタイプであってもよく、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。上記粘着テープがサポートタイプの場合、基材は特に限定されないが、発泡体であることが好ましく、上記粘着テープは、粘着剤層、発泡体層、及び粘着剤層をこの順で有することが好ましい。
上記粘着テープが発泡体層を有することで、粘着テープに柔軟性を付与することができ、ガラス及び樹脂部材の凹凸に追従してより粘着力が向上することから、粘着テープのずれや剥がれをより抑えることができる。なお、上記発泡体層の両面に有する粘着剤層は、上記粘着ポリマーが上記数平均分子量及び重量平均分子量の範囲を満たしていれば同じ組成であってもよく異なる組成であってもよい。
上記発泡体は、連続気泡構造を有していても独立気泡構造を有していてもよいが、独立気泡構造を有することが好ましい。上記発泡体が独立気泡構造を有することで、より優れた基材強度を発揮することができる。上記発泡体は、単層構造であっても多層構造であってもよい。
上記発泡体層を構成する材料は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等のオレフィン系エラストマー、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)等のエラストマー樹脂等が挙げられる。なかでも、気泡構造を制御しやすく優れた強度と柔軟性とを発揮できることから、ポリウレタン樹脂又はポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂がより好ましい。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリエチレン樹脂が好ましい。上記ポリエチレン樹脂としては、チーグラー・ナッタ化合物、メタロセン化合物、酸化クロム化合物等の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が挙げられる。
また、上記ポリエチレン樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、上記発泡体層に高い柔軟性を付与できるとともに、上記発泡体層を薄くすることができる。
上記直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと必要に応じて少量のα-オレフィンとを共重合することにより得られる直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。この場合、エチレンの含有量は特に限定されないが、全モノマー量に対して75重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましい。
上記α-オレフィンとして、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン及び1-オクテン等が挙げられる。なかでも、炭素数4~10のα-オレフィンが好ましい。
上記発泡体層は、25%圧縮強度が20kPa以上1000kPa以下であることが好ましい。
上記発泡体層の25%圧縮強度が上記範囲であることで、粘着テープの強度を維持しながら、優れた柔軟性を発揮させることができる。粘着テープの強度および柔軟性の更なる両立の観点から、上記発泡体層の25%圧縮強度は50kPa以上であることがより好ましく、70kPa以上であることが更に好ましく、800kPa以下であることがより好ましく、600kPa以下であることが更に好ましい。
なお、上記25%圧縮強度は、JIS K 6254に準拠した方法で測定することによって求めることができる。
上記発泡体層は、見かけ密度が0.05g/cm以上0.7g/cm以下であることが好ましい。
上記発泡体層の見かけ密度をこの範囲内とすることにより、粘着テープの強度を維持しながら、優れた柔軟性を発揮させることができる。粘着テープの強度および柔軟性の更なる両立の観点から、上記発泡体層の見かけ密度は0.1g/cm以上であることがより好ましく、0.13g/cm以上であることが更に好ましく、0.65g/cm以下であることがより好ましく、0.6g/cm以下であることが更に好ましい。なお上記見かけ密度はJIS K 6767に準拠した方法で測定することができる。
上記発泡体層の厚みは特に限定されないが、80μm以上1500μm以下であることが好ましい。発泡体層の厚みが上記範囲であることで、積層体を車両のガラス部材をフレームに固定する用途や窓ガラスを窓枠に固定する用途において、粘着テープの過度な変形を抑制しつつ、ガラスと樹脂部材との接触面に曲面や凹凸があっても、ガラスおよび樹脂部材との剥がれを生じ難くすることができる。粘着テープの過度な変形の更なる抑制及びガラスと樹脂部材との剥がれの更なる抑制の観点から、上記発泡体層の厚みのより好ましい下限は90μm、更に好ましい下限は100μm、更により好ましい下限は110μm、特に好ましい下限は120μmである。また、より好ましい上限は1200μm、更に好ましい上限は1000μm、更により好ましい上限は800μm、特に好ましい上限は600μm、とりわけ好ましい上限は400μmである。
上記粘着テープが粘着剤層、発泡体層、及び粘着剤層をこの順で有する場合、粘着剤層と発泡体層の間に樹脂フィルム層が存在してもよい。上記樹脂フィルム層は、粘着剤層と発泡体層との間に存在すると、粘着テープのリワーク性、加工性及びハンドリング性を向上させることができる。上記樹脂フィルム層は、発泡体層の一方の面上に存在してもよく、発泡体の両方の面上に存在してもよい。上記樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。
上記粘着テープを製造する方法は特に限定されず、例えば、上記粘着テープが単層の粘着剤層からなる場合、上記粘着ポリマーと、必要に応じて架橋剤や粘着付与剤等の成分とを混合、攪拌して粘着剤溶液を調製し、この粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させることによって製造することができる。また、上記粘着テープが粘着剤層/発泡体層/粘着剤層の3層構造を有する場合は以下のような方法で製造することができる。
まず、発泡体層を射出発泡成形法や、発泡剤を混合した樹脂を押出機で押出す押出発泡成形法等によって形成する。次いで、上記粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて粘着剤層を形成し、得られた粘着剤層を得られた発泡体層の両面に転着させることによって製造することができる。
上記ガラスは特に限定されず、一般に使用されているガラスを使用することができ、例えば、フロートガラス、磨きガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入りガラス、着色ガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックを用いることもできる。また、ガラスのサイズも特に限定されないが、大型で重量の大きなガラスを用いた時に本発明の効果が大きく発揮される。
上記樹脂部材の材料は特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂等の一般的に用いられている樹脂を用いることができる。なかでも、剛性が高く、ガラスの重みによって変形しにくいことから、ポリエステル樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートがより好ましく、ポリブチレンテレフタレートが更に好ましい。
上記樹脂部材の形状は特に限定されず、用途に応じて適宜決定される。例えば、上記樹脂部材の形状としては長方形、正方形、5角形、円形、楕円形等が挙げられる。
上記樹脂部材のサイズは特に限定されず、用途に応じて適宜決定される。例えば、本発明の積層体が車両用ガラスを車両のフレームに取り付けるために用いられる場合、上記樹脂部材のサイズは100mm以上であることが好ましく200mm以上であることがより好ましい。上記樹脂部材が上記範囲のサイズであると、車両用ガラスの重みに耐えて接着剤が硬化するまでの間車両用ガラスをより確実に固定することができる。上記樹脂部材のサイズの上限は特に限定されず、コストやデザインの自由度の観点から粘着テープのずれや剥がれが起きない範囲でできるだけ小さいことが好ましいが、例えば、本発明の積層体が車両用ガラスを車両のフレームに取り付けるために用いられる場合、4000mm以下であることが好ましい。
上記樹脂部材は、上記粘着剤層と接する接触面及び該接触面に対向する対向面を有し、前記対向面は長さ3mm以上の突起部を有することが好ましい。
上記樹脂部材の上記粘着剤層と接する面とは反対側の面に突起を有することで、フロントガラス等の車両用ガラスを車両のフレームに取り付ける際に積層体をフレームに固定することができる。より確実に固定を行う観点から、上記突起部の長さは5mm以上であることがより好ましい。なお、上記樹脂部材が有し得る突起部は、1個であってもよく、1個以上であってもよく、2個以上であってもよく、通常5個以下である。
本発明の積層体の用途は特に限定されないが、車両の生産において車両用ガラスを車両のフレームに接着する際に、接着剤が硬化するまでの間ガラスを固定する用途に好適に用いることができる。
このような、車両用ガラスとして用いられる本発明の積層体もまた、本発明の1つである。
ここで、車両用ガラスとして用いられる場合の本発明の積層体を表した模式図を図3に示した。図3ではガラスとしてフロントガラスを用いた例を示している。本発明の積層体は、ガラス(フロントガラス)1に樹脂部材2が粘着テープ5を介して接着されている。ガラス(フロントガラス)1と樹脂部材2とを粘着テープで接着することから、従来の接着剤を用いた場合と比べて乾燥が不要になり、格段に生産効率を向上させることができる。本発明の積層体は図1、2に示したような方法で車両のフレームに固定される。
また、車両用ガラスと樹脂部材を接着するために用いられる粘着テープであって、
粘着テープは粘着ポリマーを含有する粘着剤層を有し、前記粘着ポリマーは、数平均分子量が30万以上、重量平均分子量が50万以上である、粘着テープもまた、本発明の1つである。
また、本発明の積層体は、車両用ガラスの固定の用途以外にも、はめ殺しの窓を構築する際に窓ガラスと窓枠とを接着する用途にも好適に用いることができる。
このような、ガラス窓と窓枠を接着するために用いられる粘着テープであって、粘着テープは粘着ポリマーを含有する粘着剤層を有し、前記粘着ポリマーは、数平均分子量が30万以上、重量平均分子量が50万以上である、粘着テープもまた本発明の1つである。
本発明によれば、ガラスと樹脂部材とを粘着テープで接合した積層体であって、大型のガラスを用いた場合であっても粘着テープの剥がれやずれが生じ難い積層体及び該積層体を形成するための粘着テープを提供することができる。
車両用ガラスを車両のフレームに仮固定する様子を表した模式図である。 車両用ガラスを車両のフレームに仮固定する様子を表した模式図である。 車両用ガラスの固定用として用いられる場合の本発明の積層体を表した模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(粘着ポリマーの調製)
(1)粘着ポリマーAの調製
重合開始剤6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル-2-ブロモ-イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチルを得た。
アルゴン置換したグローブボックス内で、反応容器中に、製造した2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチル45.7μL、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)10mg、酢酸エチル0.5mLを投入した後、反応容器を密閉し、反応容器をグローブボックスから取り出した。続いて、反応容器にアルゴンガスを流入しながら、反応容器内に、原料モノマー混合物を加えた。原料モノマー混合物の組成は、ブチルアクリレート(BA)100重量部、アクリル酸(Aac)3重量部、及び、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部とした。更に、重合溶媒として酢酸エチル68.7gを投入し、60℃で20時間重合反応を行い、リビングラジカル重合アクリル系ポリマー(粘着ポリマーA)含有溶液を得た。なお、原料は以下のものを用いた。
重合開始剤:Tellurium、金属テルル、40メッシュ、アルドリッチ社製
n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液:アルドリッチ社製
2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル):和光純薬工業社製
次いで、得られた粘着ポリマーA含有溶液をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍に希釈して得られた希釈液を、ポア径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過した。その後、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフに供給してGPC測定を行った。粘着ポリマーAのポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めた。なお、測定機器と測定条件は以下の通りとした。
ゲルパミエーションクロマトグラフ:e2695 Separations Module(Waters社製)
検出器:示差屈折計(2414、Waters社製)
カラム:GPC KF-806L(昭和電工社製)
標準試料:STANDRAD SM-105、昭和電工社製
サンプル流量:1mL/min
カラム温度:40℃
(2)粘着ポリマーBの調製
2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチルの投入量を33.0μLとし、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)の投入量を7.2mgとした以外は粘着ポリマーAの調製と同様にしてリビングラジカル重合アクリル系ポリマー(粘着ポリマーB)含有溶液を得た。また、得られた粘着ポリマーB含有溶液について、粘着ポリマーAの調製と同様にして重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(3)粘着ポリマーCの調製
粘着ポリマーAの調製において2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチルの投入量を33.0μLに、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)の投入量を7.2mgに変更した。また、原料モノマー混合物の組成を、ブチルアクリレート(BA)25重量部、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)75重量部、アクリル酸(Aac)3重量部、及び、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部とし、重量溶媒を酢酸エチル43.0gに変更した。上記の点以外は粘着ポリマーAの調製と同様にしてリビングラジカル重合アクリル系ポリマー(粘着ポリマーC)含有溶液を得て、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(4)粘着ポリマーDの調製
粘着ポリマーAの調製において2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチルの投入量を33.0μLに、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)の投入量を7.2mgに変更した。また、原料モノマー混合物の組成を、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)100重量部、アクリル酸(Aac)3重量部、及び、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部とし、重量溶媒を酢酸エチル43.0gとした。上記点以外は粘着ポリマーAの調製と同様にしてリビングラジカル重合アクリル系ポリマー(粘着ポリマーD)含有溶液を得て、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(5)粘着ポリマーEの調製
2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチルの投入量を26.0μLとし、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)の投入量を7.0mgとした以外は粘着ポリマーAの調製と同様にしてリビングラジカル重合アクリル系ポリマー(粘着ポリマーE)含有溶液を得た。また、得られた粘着ポリマーE含有溶液について、粘着ポリマーAの調製と同様にして重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(6)粘着ポリマーFの調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート(BA)100重量部、アクリル酸(Aac)3重量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部、酢酸エチル87重量部及びトルエン38重量部を加え、窒素置換した後、反応器を60℃に加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15重量部を添加し、3時間還流させることで、粘着ポリマーFの酢酸エチル溶液を得た。得られた粘着ポリマーF含有溶液について、粘着ポリマーAと同様の方法で重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(7)粘着ポリマーGの調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート(BA)100重量部、アクリル酸(Aac)3重量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部、及び、酢酸エチル105重量部、トルエン20重量部を加え、窒素置換した後、反応器を60℃に加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15重量部を添加し、3時間還流させることで、粘着ポリマーGの酢酸エチル溶液を得た。得られた粘着ポリマーG含有溶液について、粘着ポリマーAと同様の方法で重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(8)粘着ポリマーHの調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート(BA)100重量部、アクリル酸(Aac)3重量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部、及び、酢酸エチル95重量部、トルエン30重量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15重量部を添加し、6時間還流させることで、粘着ポリマーHの酢酸エチル溶液を得た。得られた粘着ポリマーH含有溶液について、粘着ポリマーAと同様の方法で重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(9)粘着ポリマーIの調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート(BA)100重量部、アクリル酸(Aac)3重量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部、及び、酢酸エチル61重量部、トルエン60重量部を加え、窒素置換した後、反応器を60℃に加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15重量部を添加し、3時間還流させることで、粘着ポリマーIの酢酸エチル溶液を得た。得られた粘着ポリマーI含有溶液について、粘着ポリマーAと同様の方法で重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(10)粘着ポリマーJの調製
2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチル51.0μL、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)11.0mgに変えた以外は粘着ポリマーAの調製と同様にしてリビングラジカル重合アクリル系ポリマーJ含有溶液を得て、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
Figure 0007265379000001
(実施例1)
(粘着剤溶液の調製)
得られた粘着ポリマーA含有液の固形成分100重量部に対して、粘着付与剤として水添ロジンエステル樹脂10重量部、テルペンフェノール樹脂10重量部、重合ロジンエステル樹脂10重量部を加えた。更に、酢酸エチル125重量部、イソシアネート系架橋剤6.4重量部(固形分換算)を添加し、攪拌して、粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。なお、粘着付与剤及び架橋剤は以下のものを用いた。
水添ロジンエステル樹脂:KE359、荒川化学工業社製、軟化点100℃
テルペンフェノール樹脂:G150、ヤスハラケミカル社製、軟化点150℃
重合ロジンエステル樹脂:D-160、荒川化学工業社製、軟化点160℃
イソシアネート系架橋剤:コロネートL45、東ソー社製
(発泡体層の調製)
発泡体層に使用する発泡体として以下のものを使用した。
ボラーラXLH-05003黒、積水化学工業社製、厚み:300μm、見かけ密度:0.18g/cm、25%圧縮強度:75kPa
(粘着テープの製造)
厚み150μmの離型紙を用意し、この離型紙の離型処理面に得られた粘着剤の酢酸エチル溶液を塗布し、110℃で3分間乾燥させることにより、厚み50μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を、発泡体層の表面と貼り合わせた。次いで、同様の要領で、発泡体層の反対の表面にも上記と同じ粘着剤層を貼り合わせた。これにより、厚み400μmの離型紙で覆われた粘着テープを得た。
(せん断貯蔵弾性率G’の測定)
上記方法で粘着剤層のみからなる測定用サンプルを作製した。得られた測定用サンプルについて、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製、DVA-200)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/minで-50℃から200℃まで測定を行い、23℃におけるせん断貯蔵弾性率G’を測定した。
(ゲル分率の測定)
得られた粘着テープの粘着剤層のみを0.1gこそぎ取って酢酸エチル50ml中に浸漬し、振とう機で温度23度、200rpmの条件で24時間振とうした(以下、こそぎ取った粘着剤層のことを粘着剤組成物という)。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した粘着剤組成物を分離した。分離後の粘着剤組成物を110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物の重量を測定し、下記式を用いて粘着剤層のゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W-W)/W
(W:初期粘着剤組成物重量、W:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物重量、W:金属メッシュの初期重量)
(実施例2)
粘着ポリマーBを使用した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例3)
粘着ポリマーBを使用しイソシアネート系架橋剤4.5重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例4)
粘着ポリマーBを使用しイソシアネート系架橋剤3.5重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例5)
粘着ポリマーCを使用しイソシアネート系架橋剤6.4重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例6)
粘着ポリマーDを使用しイソシアネート系架橋剤8.0重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例7)
粘着ポリマーEを使用しイソシアネート系架橋剤6.4重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例8)
粘着ポリマーFを使用しイソシアネート系架橋剤6.0重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例9)
粘着ポリマーGを使用しイソシアネート系架橋剤6.0重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例10)
発泡体層として以下のものを使用した以外は実施例2と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
ボラーラXLH-018001黒、積水化学工業社製、厚み:100μm、見かけ密度:0.56g/cm、25%圧縮強度:600kPa
(実施例11)
発泡体層として以下のものを使用した以外は実施例2と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
ボラーラXLH-016001黒、積水化学工業社製、厚み:100μm、見かけ密度0.64g/cm、25%圧縮強度:800kPa
(実施例12)
発泡体層として以下のものを使用した以外は実施例2と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
ボラーラXLH-1001黒、積水化学工業社製、厚み:1000μm、見かけ密度:0.1g/cm、25%圧縮強度:40kPa
(実施例13)
発泡体層として以下のものを使用した以外は実施例2と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
ボラーラXLH-0250008黒、積水化学工業社製、厚み:80μm、見かけ密度:0.4g/cm、25%圧縮強度:120kPa
(比較例1)
粘着ポリマーHを使用しイソシアネート系架橋剤5.0重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(比較例2)
粘着ポリマーIを使用しイソシアネート系架橋剤6.0重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(比較例3)
粘着ポリマーJを使用しイソシアネート系架橋剤8.0重量部(固形分換算)を添加した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
<評価>
実施例、比較例で得られた粘着テープについて以下の評価を行った。結果を表2、3に示した。
(粘着テープのずれの評価)
70mm×11mm、厚み1mmのポリブチレンテレフタレート製の樹脂板の片面中央に直径6mm高さ14mmの突起を有する樹脂部材を用意した。樹脂部材の突起を有している面とは反対側の面に70mm×11mmに切り出した粘着テープを貼り付けた。次いで、粘着テープの樹脂部材が貼り付けられた面とは反対側の面を黒色セラミック印刷を施したガラス(200mm×200mm×5mm)の印刷面に貼り付けた。樹脂部材の突起に3kgの重りを結んだ紐を引っ掛け、外気温23℃、湿度50%RHの条件で5日間放置した。5日後、粘着テープのずれを測定した。なお、粘着テープのずれは、ずれの大きさが最大のものを用いた。比較例1~3については樹脂部材が落下してしまい、粘着テープのずれを測定することができなかった。
Figure 0007265379000002
Figure 0007265379000003
本発明によれば、ガラスと樹脂部材とを粘着テープで接合した積層体であって、大型のガラスを用いた場合であっても粘着テープの剥がれやずれが生じ難い積層体及び該積層体を形成するための粘着テープを提供することができる。
1 フロントガラス
2 樹脂部材
3 フレーム
4 接着剤
5 粘着テープ

Claims (12)

  1. ガラス、粘着テープ及び樹脂部材がこの順番に積層した積層体であって、
    前記粘着テープは粘着ポリマーを含有する粘着剤層を有し、
    前記粘着ポリマーは、数平均分子量が30万以上、重量平均分子量が50万以上であり、
    前記樹脂部材は、前記粘着剤層と接する接触面及び該接触面に対向する対向面を有し、前記対向面は長さ3mm以上の突起部を有する、積層体。
  2. ガラス、粘着テープ及び樹脂部材がこの順番に積層した積層体であって、
    前記粘着テープは粘着ポリマーを含有する粘着剤層を有し、
    前記粘着ポリマーは、数平均分子量が30万以上、重量平均分子量が50万以上であり、
    車両用ガラスとして用いられる、積層体。
  3. 前記樹脂部材は、前記粘着剤層と接する接触面及び該接触面に対向する対向面を有し、前記対向面は長さ3mm以上の突起部を有する、請求項2記載の積層体。
  4. 前記粘着ポリマーはアクリル系ポリマーを含有する、請求項1、2又は3記載の積層体。
  5. 前記アクリル系ポリマーは原料モノマー中にブチルアクリレートを20重量%以上含有する、請求項4記載の積層体。
  6. 前記粘着テープは、粘着剤層、発泡体層、及び粘着剤層をこの順で有する、請求項1、2、3、4又は5記載の積層体。
  7. 前記発泡体層の25%圧縮強度が20kPa以上1000kPa以下である、請求項6記載の積層体。
  8. 前記発泡体層の見かけ密度が0.05g/cm以上0.7g/cm以下である、請求項6又は7記載の積層体。
  9. 前記発泡体層の厚みが80μm以上1500μm以下である、請求項6、7又は8記載の積層体。
  10. 前記粘着剤層のゲル分率は10%以上である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の積層体。
  11. 車両用ガラスと樹脂部材を接着するために用いられる粘着テープであって、
    粘着テープは粘着ポリマーを含有する粘着剤層を有し、前記粘着ポリマーは、数平均分子量が30万以上、重量平均分子量が50万以上である、粘着テープ。
  12. ガラス窓と窓枠を接着するために用いられる粘着テープであって、
    粘着テープは粘着ポリマーを含有する粘着剤層を有し、前記粘着ポリマーは、数平均分子量が30万以上、重量平均分子量が50万以上である、粘着テープ。
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