JP7348811B2 - 粘着テープ - Google Patents
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Description
しかしながら、薄い粘着テープ又は線幅の狭い粘着テープでは充分な粘着力が得られず、定荷重がかかったときに剥がれやすいという問題がある。
以下、本発明を詳述する。
上記粘着剤層は、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーと、架橋剤と、粘着付与樹脂とを含有する。
このような粘着剤層においては、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー間が上記架橋剤により(場合によっては、上記架橋剤と上記粘着付与樹脂とにより)架橋された架橋構造が構築されている。これにより、粘着テープの粘着力が向上し、定荷重がかかったときに剥がれにくくなる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合によれば、例えばフリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有するポリマーが得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができるとともに、ほとんど全てのポリマーが架橋に関与することができる。これにより、粘着テープの粘着力が向上し、定荷重がかかったときに剥がれにくくなる。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合では、生長末端ラジカルが失活することなく、また反応中に新しくラジカル種が発生することもなく、反応が進行する。その反応途中では、全てのポリマーが均一にモノマーと反応しながら重合し、全てのポリマーの組成は均一に近づく。そのため、架橋性官能基含有モノマー112は、得られるアクリル系ポリマー11の全てのポリマーに含まれる。このようなリビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー11を架橋剤と組み合わせれば、ほぼ全てのポリマーが架橋に関与することができる。
リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーでは、全てのポリマーの組成は均一であり、架橋性官能基含有モノマーを含むことから、全てのポリマーが架橋に関与している。なお、図2では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。
フリーラジカル重合では、反応中に連続的にラジカル種が発生してモノマーに付加し、重合が進行する。そのためフリーラジカル重合では、反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー123や、反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー124が生成する。そのため、架橋性官能基を含有するアクリル系ポリマーをフリーラジカル重合で製造すると、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーが生成してしまう。このようなフリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー12を、架橋剤を用いて架橋しても、架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーは、架橋に関与することができない。
フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーでは、ポリマーの組成が不均一であり、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーを含むことから、架橋に関与できないポリマーが存在している。なお、図4では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。
上記粘着剤層において、架橋に関与できない架橋性官能基含有モノマーを含まない部位は剥離しやすいことから、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを用いた場合に比べると、充分な粘着力が得られない。
上記有機テルル化合物として、例えば、2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸、(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-クロロ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼンが挙げられる。
RAFT剤として、例えば、S-シアノメチル-S-ドデシルトリチオ炭酸、ジチオ安息香酸2-シアノ-2-プロピル、S-(2-シアノ-2-プロピル)-S-ドデシルトリチオ炭酸、2-メチル-2-[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸が挙げられる。
ニトロキシド化合物として、例えば、ジ-tert-ブチル-ニトロキシド、4-カルボキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル、テトラメチル-イソインドリン-1-オキシル、テトラエチル-イソインドリン-1-オキシル、N-tert-ブチル-N-[1-ジエチルフォスフォノ-(2,2-ジメチルプロピル)]ニトロキシド、2,2,5-トリメチル-4-フェニル-3-アザヘキサン-3-ニトロキシド等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されない。具体的には、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0~110℃が好ましい。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。
まず、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過する。次いで、測定機器として2690 Separations Module(Waters社製)、検出器として示差屈折計、カラムとしてGPC KF-806L(昭和電工社製)を用い、サンプル流量1mL/min、カラム温度40℃の条件で得られた濾液に対してGPC測定を行う。
本発明の粘着テープは、重量平均分子量の大きい粘着付与樹脂Aを用いることで粘着テープの粘着力が向上し、定荷重がかかったときに剥がれにくくすることができる。重量平均分子量の大きい粘着付与樹脂Aを用いることで粘着力と耐剥離性が向上する理由は明らかでないが、定荷重がかかったときにはボイドが形成されて粘着剤層の応力分散性が向上したり、粘着付与樹脂がブリードして被着体との界面に偏析したりすることによって、粘着テープが剥がれにくくなるためだと考えられる。また、粘着付与樹脂Aに加えて重量平均分子量の小さい粘着付与樹脂Bを併用することで、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーと粘着付与樹脂Bとが架橋剤を介して結合した構造を構築し、より粘着テープの粘着力及び耐剥離性を向上させることができる。特に、上記粘着付与樹脂Bが1分子中にアルコール性水酸基を有し、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーが水酸基を有し、上記架橋剤がイソシアネート系である場合、耐熱性と耐剥離性を更に高めることができる。なお、上記粘着付与樹脂A及び上記粘着付与樹脂Bの重量平均分子量は、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーの重量平均分子量と同様の方法で測定することができる。
上記粘着付与樹脂Bがアルコール性水酸基を有することにより耐熱性と耐剥離性をより向上させることができる。また、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーが水酸基を有し、上記架橋剤がイソシアネート系である場合は、耐熱性と耐剥離性を更に向上させることができる。上記1分子中にアルコール性水酸基を有する粘着付与樹脂としては、例えば、ロジンエステル系樹脂や水添テルペンフェノール系樹脂等が挙げられる。なお、本明細書においてアルコール性水酸基とは、架橋反応に関与できるsp3混成軌道を有する炭素原子に結合した水酸基であって、フェノール性水酸基とは明確に区別される水酸基を意味する。
1分子中に含まれるアルコール性水酸基が0.8個未満の粘着付与樹脂と比較し、化学構造上「1分子中に含まれるアルコール性水酸基が0.8個以上である」粘着付与樹脂は、アルコール性水酸基周辺の立体障害が減る。このため、上記粘着付与樹脂と上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーとの上記架橋剤を介しての反応性が高くなる。これにより、上記粘着層のバルク強度が向上することで粘着テープの粘着力が向上し、定荷重がかかったときにより剥がれにくくなる。上記1分子中に含まれるアルコール性水酸基は0.9個以上であることがより好ましく、1.0個以上であることが更に好ましい。上記1分子中に含まれるアルコール性水酸基の上限は特に限定されないが、上記粘着付与樹脂Bと上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーとの上記架橋剤を介しての反応性の観点、及び、化学構造上の観点から、3.0個以下であることが好ましい。
まず、粘着付与樹脂Bをテトラヒドロフラン(THF)によって100倍に希釈して得られた希釈液を、フィルター(例えば、ポリテトラフルオロエチレンからなるポア径0.2μmのフィルター)で濾過する。得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(GPC、例えばWaters社製、2690 Separations Module)に供給して、サンプル流量1mL/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算分子量を測定して、数平均分子量を求める。更に、JIS K0070(無水酢酸法)により水酸基価を測定し、下記式(1)を用いて粘着付与樹脂Bの1分子中に含まれるアルコール性水酸基数を算出する。
水酸基数=(Mn×OHV)/56110 (1)
(Mn:粘着付与樹脂Bの数平均分子量、OHV:粘着付与樹脂Bのアルコール性水酸基の水酸基価(mgKOH/g))
上記ロジンエステル系樹脂とは、アビエチン酸を主成分とするロジン樹脂、不均化ロジン樹脂及び水添ロジン樹脂や、アビエチン酸等の樹脂酸の二量体(重合ロジン樹脂)等を、アルコール類によってエステル化させて得られる樹脂である。上記ロジンエステル系樹脂は、エステル化に用いたアルコール類の水酸基の一部がエステル化に使用されずに樹脂内に含有されてなることで、1分子中に含まれるアルコール性水酸基数が上記範囲に調整される。
ロジン樹脂をエステル化したものがロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂をエステル化したものが不均化ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂をエステル化したものが水添ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂をエステル化したものが重合ロジンエステル樹脂である。上記エステル化に使用されるアルコール類としては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。
上記水添テルペンフェノール系樹脂とは、フェノールの存在下においてテルペンを重合させて得られたテルペンフェノール系樹脂において、樹脂内の不飽和二重結合の一部又は全てが適当な操作により水素添加された樹脂である。
これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着付与樹脂Bの含有量をこの範囲内とすることにより、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーと上記粘着付与樹脂Bとが架橋剤により架橋された架橋構造が充分に構築され、粘着力と耐剥離性をより両立しやすくすることができる。上記粘着付与樹脂Bの含有量のより好ましい下限は7重量部、より好ましい上限は28重量部である。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
上記イソシアネート系架橋剤として、例えば、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートHL(東ソー社製)、マイテックNY260A(三菱化学社製)等が挙げられる。上記エポキシ系架橋剤として、例えば、テトラッドX(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
また、上記架橋剤の種類又は量を適宜調整することによって、粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
ただし、全ポリマー成分中の上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーの含有量の好ましい下限は60重量%であり、ポリマー成分の全量(100重量%)が上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーであることが好ましい。全ポリマー成分中の上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーの含有量を60重量%以上とすることにより、粘着テープの粘着力が充分なものとなる。
なお、粘着付与樹脂は、ポリマー成分には含まない。
上記ゲル分率が15重量%以上であると、上記粘着剤層の粘着性が高まり、より粘着力と耐剥離性に優れた粘着テープとすることができる。上記ゲル分率が55重量%以下であると、上記粘着剤層の架橋密度が高くなりすぎず、より粘着力と耐剥離性に優れた粘着テープとすることができる。
同様の観点から、上記ゲル分率のより好ましい下限は20重量%、更に好ましい下限は25重量%、より好ましい上限は50重量%、更に好ましい上限は40重量%である。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。
粘着テープの粘着剤層のみを0.1gこそぎ取って酢酸エチル50ml中に浸漬し、振とう機で温度23度、120rpmの条件で24時間振とうする(以下、こそぎ取った粘着剤層のことを粘着剤組成物という)。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した粘着剤組成物を分離する。分離後の粘着剤組成物を110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物の重量を測定し、下記式を用いて粘着剤層のゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=100×(W1-W2)/W0
(W0:初期粘着剤組成物重量、W1:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物重量、W2:金属メッシュの初期重量)
なお、本発明の粘着テープが基材の両面に粘着剤層が形成された両面粘着テープである場合、一方の面のみの粘着剤層が上述したような粘着剤層であってもよく、両面の粘着剤層が上述したような粘着剤層であってもよい。なかでも、粘着テープの粘着力がより向上し、定荷重がかかったときにより剥がれにくくなることから、両面の粘着剤層が上述したような粘着剤層であることが好ましい。
上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、PETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム等が挙げられる。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体やエチレン-アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム等が挙げられる。
上記樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム等が挙げられる。
上記ヤーンクロス布としては、例えば、ポリエチレンフラットヤーンを織ったものや、その表面に樹脂フィルムをラミネートしたもの等が挙げられる。
本発明の粘着テープの形状は特に限定されないが、長方形、額縁状、円形、楕円形、ドーナツ型等が挙げられる。本発明の粘着テープは、優れた粘着力を有し、定荷重がかかったときに剥がれにくいことから、1mm以下の狭い線幅であっても、電子機器部品の固定や車載部品の固定に特に好適に用いることができる。
重合開始剤6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル-2-ブロモ-イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチルを得た。
アルゴン置換したグローブボックス内で、反応容器中に、製造した2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチル19μL、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル1.4mg、酢酸エチル1mLを投入した後、反応容器を密閉し、反応容器をグローブボックスから取り出した。続いて、反応容器にアルゴンガスを流入しながら、反応容器内に、混合モノマーの合計100gを投入した。混合モノマーは、アクリル酸2-エチルへキシル(2EHA)82重量部、アクリル酸ブチル(BA)10重量部、アクリル酸エチル(EA)5重量部、アクリル酸(AAc)2.9重量部、及び、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部とした。重合溶媒として酢酸エチル66.5gを投入し、60℃で20時間重合反応を行い、リビングラジカル重合アクリル系ポリマー含有溶液を得た。
なお、原料は以下のものを用いた。
重合開始剤:Tellurium、金属テルル、40メッシュ、アルドリッチ社製
n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液:アルドリッチ社製
2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル:V-65、和光純薬工業社製
ゲルパミエーションクロマトグラフ:2690 Separations Model、Waters社製
カラム:GPC KF-806L、昭和電工社製
検出器:示差屈折計
サンプル流量:1mL/min
カラム温度:40℃
溶出液:THF
(粘着付与樹脂1の調製)
ロジン系樹脂 5gを酢酸エチルに溶解させ、架橋剤を1.0g加え、バットの中に流し入れた。そのバットを110℃のオーブンに1時間入れ、酢酸エチルで溶解させ、粘着付与樹脂1の酢酸エチル溶液を得た。得られた粘着付与樹脂1の重量平均分子量(Mw)を求めたところ、30万であった。なお、ロジン系樹脂、架橋剤及び重量平均分子量の測定条件は以下の通りとした。
ロジン系樹脂:D135(荒川化学社製)
架橋剤:コロネートL-45(日本ポリウレタン工業社製)
(測定条件)
ゲルパミエーションクロマトグラフ:2690 Separations Model、Waters社製
カラム:GPC KF-806L、昭和電工社製
検出器:示差屈折計
サンプル流量:1mL/min
カラム温度:40℃
溶出液:THF
粘着付与樹脂D135 5gと架橋剤コロネートL-45 1gを酢酸エチル15mlに加えた。その後、110℃で5時間加熱攪拌し、粘着付与樹脂2の酢酸エチル溶液を得た。上記粘着付与樹脂1と同様の方法で粘着付与樹脂2の重量平均分子量(Mw)を求めたところ、15万であった。
架橋剤量を0.5gにした以外は粘着付与樹脂2と同様にして粘着付与樹脂3を得た。上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーと同様の方法で粘着付与樹脂3の重量平均分子量(Mw)を求めたところ、9万であった。
架橋剤量を0.2gにした以外は粘着付与樹脂2と同様にして粘着付与樹脂4を得た。上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーと同様の方法で粘着付与樹脂4の重量平均分子量(Mw)を求めたところ、0.8万であった。
(粘着付与樹脂5の調製)
架橋剤量を0.01gにし、加熱時間を0.5時間にした以外は粘着付与樹脂2と同様にして粘着付与樹脂5を得た。上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーと同様の方法で粘着付与樹脂5の重量平均分子量(Mw)を求めたところ、5000であった。
粘着付与樹脂6、7は以下のものをそのまま用いた。
粘着付与樹脂6:ロジンエステル系樹脂D135(荒川化学社製)、重量平均分子量:2000、1分子中に含まれるアルコール性水酸基の数(水酸基数):0.8
粘着付与樹脂7:ロジンエステル系樹脂D125(荒川化学社製)、重量平均分子量:2000、1分子中に含まれるアルコール性水酸基の数(水酸基数):0.5
(イソシアネート系架橋剤)
コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)を用いた。
テトラッドX(三菱ガス化学社製)を用いた。
得られたアクリル系ポリマー含有溶液の不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、表1、2に示すように粘着付与樹脂A(固形分量)、粘着付与樹脂B(固形分量)及び架橋剤を添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤溶液を得た。厚み50μmの離型処理したPETフィルムに、得られた粘着剤溶液を、乾燥後に粘着剤層の厚みが10μmとなるように塗工した後、100℃で10分間乾燥させ、ノンサポートタイプの両面粘着テープを得た。なお、粘着剤層の両側の表面には、粘着剤層を保護するための離型フィルムを積層した。
得られた粘着テープの粘着剤層のみを0.1gこそぎ取って酢酸エチル50ml中に浸漬し、振とう機で温度23度、120rpmの条件で24時間振とうした(以下、こそぎ取った粘着剤層のことを粘着剤組成物という)。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した粘着剤組成物を分離した。分離後の粘着剤組成物を110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物の重量を測定し、下記式を用いて粘着剤層のゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W1-W2)/W0
(W0:初期粘着剤組成物重量、W1:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物重量、W2:金属メッシュの初期重量)
実施例、比較例で得られた両面粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表1、2に示した。
幅20mm×75mmの裏打ちした粘着テープをポリカーボネート(PC)板に貼り、23℃、50%湿度で20分養生した。その後、JIS Z 0237:2009に従い、引張速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行い、23℃における接着力(N/20mm)を測定した。
幅20mm×50mmの裏打ちした粘着テープをポリカーボネート樹脂板に貼り、外気温23℃、湿度50%下で一晩養生した後、85℃で90°の方向に50gの荷重を掛け、24分後の剥離長さ(20mm幅)を測定した。また、狭幅での評価として幅1mm×50mmの裏打ちした粘着テープをポリカーボネート樹脂板に貼り、外気温23℃、湿度50%下で一晩養生した後、85℃で90°の方向に3gの荷重を掛け、24分後の剥離長さ(1mm幅)を測定した。
上記定荷重剥離長さを測定する際、どこからの剥離が起きているかを観察した。ポリカーボネートから剥離している場合を「〇」、裏打ち面から剥離している場合を「△」としてアンカー性を評価した。
111 架橋性官能基を含まないモノマー
112 架橋性官能基含有モノマー
12 フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー
121 架橋性官能基を含まないモノマー
122 架橋性官能基含有モノマー
123 反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー
124 反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー
Claims (6)
- 粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー、架橋剤、重量平均分子量が8000~50万の粘着付与樹脂A及び重量平均分子量が500~5000の粘着付与樹脂Bを含有し、前記粘着付与樹脂Aの含有量が、前記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー100重量部に対して0.05重量部以上4重量部以下である、粘着テープ。
- 前記粘着付与樹脂A又は前記粘着付与樹脂Bの少なくとも一方はロジン系樹脂である、請求項1記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層はゲル分率が15重量%以上55重量%以下である、請求項1又は2記載の粘着テープ。
- 前記粘着付与樹脂Bは1分子中にアルコール性水酸基を有し、前記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは水酸基を有し、前記架橋剤はイソシアネート系である、請求項1、2又は3記載の粘着テープ。
- 前記粘着付与樹脂Bの1分子中に含まれるアルコール性水酸基の数が0.8個以上である、請求項4に記載の粘着テープ。
- 前記粘着付与樹脂Bの含有量が、前記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー100重量部に対して5重量部以上35重量部以下である、請求項1、2、3、4又は5記載の粘着テープ。
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