JPWO2017110839A1 - 粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents

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Abstract

本発明は、耐反発性に優れ、取り扱い性にも優れる粘着テープを得ることができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することを目的とする。本発明は、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物である。

Description

本発明は、耐反発性に優れ、取り扱い性にも優れる粘着テープを得ることができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープに関する。
粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープは簡便に接合が可能なことから各種産業分野に用いられている。電気電子分野では、例えばパソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の電子デバイス中で、モジュール組み立て、モジュール類の筐体への貼り合わせ等に粘着テープが用いられている。より具体的には、例えば、画像表示装置又は入力装置を搭載した携帯電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)において、組み立てのために両面粘着テープが用いられている。例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために両面粘着テープが用いられている。このような両面粘着テープは、例えば、額縁状等の形状に打ち抜かれ、表示画面の周辺に配置されるようにして用いられる(例えば、特許文献1、2)。また、車輌部品(例えば、車載用パネル)を車両本体に固定する用途にも、粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する両面粘着テープが用いられている。
近年の大型の携帯電子機器における部品の接着固定、車輌部品の接着固定等の用途においては、部品の小型化、薄化又は軽量化、或いは、省資源化へのニーズの増大に従って、従来よりも薄い粘着テープが要望されている。しかしながら、薄い粘着テープでは充分な粘着力が得られず、固定した部品の反り等の変形に対して高い接着信頼性を維持する、耐反発性の点で劣るという問題があった。
また、近年の携帯電子機器では、表示画面の周辺を狭くしてより広い画面を確保する、いわゆる狭額縁化が進んでおり、狭額縁化した携帯電子機器では画面の周辺部の幅が極めて狭いため、従来よりも線幅が狭い(接着面積が狭い)粘着テープが要望されている。しかしながら、このような狭い線幅に打ち抜こうとすると、打ち抜き刃に糊残りがして、効率よく正確に打ち抜けないという、取り扱い性の問題もあった。
特開2009−242541号公報 特開2009−258274号公報
本発明は、耐反発性に優れ、取り扱い性にも優れる粘着テープを得ることができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物を用いれば、耐反発性に優れ、取り扱い性にも優れる粘着テープを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、アルコール性水酸基を有する粘着付与樹脂(以下、単に「粘着付与樹脂」ともいう。)と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物を用いて粘着テープを製造した場合、粘着剤層中において、ポリマー鎖間や、ポリマー鎖と粘着付与樹脂との間が架橋される。この際、粘着付与樹脂として「アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂」を用いることにより高架橋されて、より高い耐反発性が発揮されるとともに、狭い線幅に打ち抜こうとするときにも、打ち抜き刃に糊残りがしにくく、効率よく正確に打ち抜けるようになるものと考えられる。
なお、本明細書においてアルコール性水酸基とは、架橋反応に関与できるsp混成軌道を有する炭素原子に結合した水酸基であって、フェノール性水酸基とは明確に区別される水酸基を意味する。
本発明の粘着剤組成物は、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分を含有する。架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを用いることにより、架橋剤を併用したときにポリマー鎖間や、ポリマー鎖と粘着付与樹脂との間が架橋され、耐反発性を発揮することができる。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、架橋性官能基を有するアクリル系モノマーを含むモノマー混合物を重合することにより得られる。
上記架橋性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、ニトリル基等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層のゲル分率の調整が容易であることから、水酸基又はカルボキシル基が好ましく、水酸基がより好ましい。
水酸基を有するモノマーとしては、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、架橋性官能基を有するアクリル系モノマーに由来する構成成分の含有量の好ましい下限が0.01重量%、好ましい上限が20重量%である。上記架橋性官能基を有するアクリル系モノマーに由来する構成成分の含有量をこの範囲内とすることにより、より高い耐反発性が発揮されるとともに、狭い線幅に打ち抜こうとするときにも、打ち抜き刃に糊残りがしにくく、効率よく正確に打ち抜けるようになる。上記架橋性官能基を有するアクリル系モノマーに由来する構成成分の含有量のより好ましい下限は0.05重量%、より好ましい上限は10重量%である。
上記モノマー混合物は、架橋性官能基を有するアクリル系モノマー以外の他のラジカル重合性モノマーを用いてもよい。上記他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、他の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、アミノ基、アミド基及びニトリル基等の他の極性官能基を有するアクリル系モノマーも用いることができる。更に、上記アクリル系モノマーに加えて、ビニル化合物をモノマーとして用いてもよい。
上記他の(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されず、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ビニル化合物は特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−アクリロイルモルフォリン、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらのビニル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー(以下、「リビングラジカル重合アクリル系ポリマー」ともいう。)であることが好ましい。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合によれば、例えばフリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有するポリマーが得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができるため、特に感熱接着力が高く、剥離時に糊残りしにくい粘着テープを得ることができる。
図1にリビングラジカル重合を説明する模式図を示した。リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合では、生長末端ラジカルが失活することなく、また反応中に新しくラジカル種が発生することもなく、反応が進行する。その反応途中では、全てのポリマー鎖が均一にモノマーと反応しながら重合し、全てのポリマーの組成は均一に近づく。そのため、架橋性官能基含有モノマー112は、得られるアクリル系ポリマー11の全てのポリマーに含まれる。このようなリビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー11に粘着付与樹脂と、架橋剤とを組み合わせれば、ほぼ全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋や、ポリマー鎖と粘着付与樹脂との架橋に関与することができる。図2に、リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図を示した。リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーでは、全てのポリマーの組成は均一であり、架橋性官能基含有モノマーを含むことから、すべてのポリマー鎖が架橋に関与している。なお、図2では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。
このように、ほとんど全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができることから、特に耐反発性が高く、打ち抜き字時に糊残りしにくい粘着テープを得ることができる。
このような効果は、従来のフリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー(以下、「フリーラジカル重合アクリル系ポリマー」ともいう。)を用いても得ることはできない。
図3にフリーラジカル重合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合では、反応中に連続的にラジカル種が発生してモノマーに付加し、重合が進行する。そのためフリーラジカル重合では、反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー123や、反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー124が生成する。そのため、架橋性官能基を含有するアクリル系ポリマーをフリーラジカル重合で製造すると、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーが生成してしまう。このようなフリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー12を、架橋剤を用いて架橋しても、架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーは、ポリマー鎖間での架橋に関与することができない。図4に、フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーでは、ポリマーの組成が不均一であり、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーを含むことから、架橋に関与できないポリマー鎖が存在している。なお、図4では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。両面粘着テープとして被着体に貼着したときに、架橋に関与できない架橋性官能基含有モノマーを含まない部位が剥離しやすいことから、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを用いた場合に比べると耐反発性が低下しやすく、打ち抜き時に糊残りしやすくなる。
このようにリビングラジカル重合アクリル系ポリマーは、フリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有し、低分子量成分の含有量が少なく、ほぼ全てのポリマーに架橋性官能基含有モノマーが含まれるという性質を有する。高い粘着力と糊残りなく剥離できる剥離性とを両立できるという本発明の効果は、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを用いた場合に特に優れたものとなる。
このようなリビングラジカル重合アクリル系ポリマーの特性は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していくというリビングラジカル重合という製造方法によるものである。しかしながら、重量平均分子量(Mw)や分子量分布(Mw/Mn)といったポリマー全体の平均値としてリビングラジカル重合アクリル系ポリマーの特性を間接的に表すことは可能であっても、含まれる個々のポリマーの鎖長や、個々のポリマー中のモノマー成分等の構造や特性を直接的に特定することは極めて困難である。上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを、その構造又は特性により直接特定することは、不可能であるか、又はおよそ実際的でないといわざるを得ない。従って、本発明においては、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを、「リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー」と、その物の製造方法により記載することは許容されるべきである。
リビングラジカル重合のなかでも、有機テルル重合開始剤を用いたリビングラジカル重合は、他のリビングラジカル重合とは異なり、水酸基やカルボキシル基のような極性官能基を有するラジカル重合性モノマーをいずれも保護することなく、同一の開始剤で重合して均一な分子量及び組成を有するポリマーを得ることができる。このため、極性官能基を有するラジカル重合性モノマーを容易に共重合することができる。
上記有機テルル重合開始剤は、リビングラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、有機テルル化合物、有機テルリド化合物等が挙げられる。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。これらの有機テルル化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n−プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n−ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t−ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機テルリド化合物として、例えば、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−sec−ブチルジテルリド、ジ−tert−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等が挙げられる。これらの有機テルリド化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリドが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記有機テルル重合開始剤に加えて、重合速度の促進を目的として重合開始剤としてアゾ化合物を用いてもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合においては、分散安定剤を用いてもよい。上記分散安定剤として、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0〜110℃が好ましい。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)の好ましい下限が30万、好ましい上限が200万である。上記重量平均分子量をこの範囲内とすることにより、より高い耐反発性を発揮することができる。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、分子量分布(Mw/Mn)の好ましい下限が1.05、好ましい上限が2.5である。上記分子量分布をこの範囲内とすることにより、より高い耐反発性を発揮することができる。上記分子量分布のより好ましい上限は2.0であり、更に好ましい上限は1.8である。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。
上記重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
上記ポリマー成分は、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー以外のポリマーを含有してもよい。
ただし、上記ポリマー成分中における上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーの含有量の好ましい下限は60重量%であり、ポリマー成分の全量(100重量%)が上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーであることが好ましい。ポリマー成分中の上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーの含有量を60重量%以上とすることにより、より高い感熱接着力を発揮することができる。
なお、粘着付与樹脂は、ポリマー成分には含まない。
本発明の粘着剤組成物は、アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂を含有する。上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーに、アルコール性水酸基を有する粘着付与樹脂と架橋剤を併用することにより、ポリマー鎖と粘着付与樹脂との間が架橋される。例えば、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーが水酸基を有する場合、架橋剤として例えばイソシアネート系架橋剤を用いることにより、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーとアルコール性水酸基を有する粘着付与樹脂の双方が架橋剤を介して反応して架橋する。アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂を用いることにより、高架橋されて、より高い耐反発性が発揮されるとともに、狭い線幅に打ち抜こうとするときにも、打ち抜き刃に糊残りがしにくく、効率よく正確に打ち抜けるようになる。上記粘着付与樹脂のアルコール性水酸基の水酸基価は、85mgKOH/g以上であることが好ましく、100mgKOH/g以上であることがより好ましい。
とりわけ、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーがリビングラジカル重合アクリル系ポリマーである場合、含有するほぼ全てのポリマーの組成が均一で、架橋性官能基を有することから、ほぼ全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋や、ポリマー鎖と粘着付与樹脂との架橋に関与することができる。
なお、上記アルコール性水酸基の水酸基価は、JIS K1557(無水フタル酸法)により測定できる。
上記粘着付与樹脂は、1分子中に含まれるアルコール性水酸基が1.6個以上であることが好ましい。これにより、80℃程度の温度をかけながら貼り合わせを行ったときの接着力(感熱接着力)が飛躍的に向上する一方、剥離時には糊残りなく剥離できるという優れた効果を発揮することができる。上記1分子中に含まれるアルコール性水酸基は1.7個以上であることがより好ましく、1.8個以上であることが更に好ましい。
1分子中に含まれるアルコール性水酸基が1.6個未満の粘着付与樹脂と比較し、化学構造上「1分子中に含まれるアルコール性水酸基が1.6個以上である」粘着付与樹脂は、アルコール性水酸基周辺の立体障害が減るため、粘着付与樹脂同士や、粘着付与樹脂と架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーとの反応性が高くなり、粘着層のバルク強度が向上する。感熱することで粘着剤組成物の流動性が向上して被着体との接着性が良くなり、感熱接着力が飛躍的に向上するとともに、剥離時における糊残りを防止できるのではないかと考えられる。
例えば、半導体ウエハを所定の厚さにまで研磨する工程においては、研磨機の定盤に固定された研磨材を用いて研磨が行われる。研磨材を研磨機の定盤に固定するためには、通常、両面粘着テープが使用される。この研磨材固定用両面粘着テープには、研磨中に研磨材が剥離しない程度に充分な接着力を有するとともに、使用した研磨材を交換する際には定盤から糊残りなく剥離できることが求められてきた。同様の用途としては、液晶ガラス基板の研磨材の固定、CMP(Chemical Mechanical Planarization:化学機械研磨パッド)の固定、ラビングクロスの固定等が挙げられる。上記粘着付与樹脂の1分子中に含まれるアルコール性水酸基を1.6個以上として、ポリプロピレン等の基材に対する感熱接着力が20N/25mmを超えるようにできれば、研磨材を固定する用途において、粘着テープに大きな応力がかかっても研磨中に研磨材が剥離してしまうのを確実に防止することができる。
上記1分子中に含まれるアルコール性水酸基の上限は特に限定されないが、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー及び架橋剤との反応性や、化学構造上の観点から、3個以下であることが好ましい。
なお、粘着付与樹脂の1分子中に含まれるアルコール性水酸基数は、例えば、以下のようにして測定される。
まず、粘着付与樹脂をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍に希釈して得られた希釈液を、フィルター(例えば、ポリテトラフルオロエチレンからなるポア径0.2μmのフィルター)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(GPC、例えばWaters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1mL/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算分子量を測定して、数平均分子量を求める。更に、JIS K1557(無水フタル酸法)により水酸基価を測定し、下記式(1)を用いて粘着付与樹脂の1分子中に含まれるアルコール性水酸基数を算出する。
水酸基数=(Mn×OHV)/56110 (1)
(Mn:粘着付与樹脂の数平均分子量、OHV:粘着付与樹脂のアルコール性水酸基の水酸基価(mgKOH/g))
上記粘着付与樹脂は、特に限定されないが、ロジンエステル系樹脂、水添テルペンフェノール系樹脂が好ましい。
上記ロジンエステル系樹脂とは、アビエチン酸を主成分とするロジン樹脂、不均化ロジン樹脂及び水添ロジン樹脂や、アビエチン酸等の樹脂酸の二量体(重合ロジン樹脂)等を、アルコール類によってエステル化させて得られる樹脂である。エステル化に用いたアルコール類の水酸基の一部がエステル化に使用されずに樹脂内に含有されてなることで、水酸基価が上記範囲に調整されるものである。
ロジン樹脂をエステル化したものがロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂をエステル化したものが不均化ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂をエステル化したものが水添ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂をエステル化したものが重合ロジンエステル樹脂である。上記エステル化に使用されるアルコール類としては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。
上記水添テルペンフェノール系樹脂とは、フェノールの存在下においてテルペンを重合させて得られたテルペンフェノール系樹脂において、樹脂内の不飽和二重結合の一部又は全てが適当な操作により水素添加された樹脂である。
これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着付与樹脂のアルコール性水酸基の水酸基価や1分子中に含まれるアルコール性水酸基数を制御する方法としては特に限定されないが、例えば粘着付与樹脂がロジンエステル系樹脂である場合には、原料となるロジン系樹脂酸とアルコール類とのエステル化反応の度合いを調整することにより制御することができる。具体的には例えば、アルコール類として多価アルコールを用い、エステル化の度合いを低くすることにより、高水酸基化された、分子中のアルコール性水酸基量の多いロジンエステル系樹脂を得ることができる。また、例えば粘着付与樹脂が水添テルペンフェノール系樹脂である場合には、原料となるテルペンフェノール系樹脂のフェノール共重合量と水添の度合いを調整することにより制御することができる。具体的には例えば、テルペンフェノール系樹脂のフェノール共重合量を増やしたり、テルペンフェノール系樹脂の分子量を大きくして水添の度合いを多くしたりすることにより、高水酸基化された、分子中のアルコール性水酸基量の多い水添テルペンフェノール系樹脂を得ることができる。
上記粘着付与樹脂は、軟化温度の好ましい下限が100℃、好ましい上限が180℃である。上記軟化温度がこの範囲内であると、特に優れた耐反発性を発揮することができる。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
上記粘着付与樹脂の含有量は、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記水酸基を有する粘着付与樹脂の含有量がこの範囲内とすることにより、特に優れた耐反発性を発揮することができ、また、打ち抜き時には糊残りなく打ち抜くことができる粘着剤層とすることができる。上記水酸基を有する粘着付与樹脂の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は45重量部である。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤を含有する。
上記架橋剤は特に限定されず、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーと、水酸基を有する粘着付与樹脂との組合せに応じて、これらを架橋可能な架橋剤を適宜選択する。
上記架橋剤は、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、基材に対する密着安定性に優れるため、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤として、例えば、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)、マイテックNY260A(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記架橋剤の配合量の含有量は、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー100重量部に対して好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が5重量部である。上記架橋剤の含有量をこの範囲内とすることにより、特に優れた耐反発性を発揮することができ、また、打ち抜き時には糊残りなく打ち抜くことができる粘着剤層とすることができる。また、上記架橋剤の種類又は量を適宜調整することによって、粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤等の添加剤等のその他の樹脂等を含有していてもよい。
本発明の粘着剤組成物を用いれば、耐反発性に優れ、取り扱い性にも優れる粘着テープを得ることができる。
本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープもまた、本発明の1つである。
本発明の粘着テープは、基材を有するサポートタイプであってもよいし、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。サポートタイプの場合には、基材の片面に粘着剤層が形成された片面粘着テープであってもよく、基材の両面に粘着剤層が形成された両面粘着テープであってもよい。
なお、本発明の粘着テープが基材の両面に粘着剤層が形成された両面粘着テープである場合、一方の面のみの粘着剤層が本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層であってもよく、両面の粘着剤層が本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層であってもよい。なかでも、より高い耐反発性が得られることから、両面の粘着剤層が本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層であることが好ましい。
上記粘着剤層は、ゲル分率が50重量%以下であることが好ましい。上記ゲル分率が50重量%を超えると、上記粘着剤層の架橋密度が高くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなり、耐反発性が低下することがある。
上記粘着剤層のゲル分率の下限は特に限定されないが、耐熱性等の点からは1重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましく、20重量%以上であることが更に好ましい。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。まず、両面粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記粘着剤層の厚みは用途によって設定されるので特に限定されないが、好ましい下限が1μm、好ましい上限が100μmである。上記厚みが1μm未満であると、粘着テープが剥がれやすくなり、高い耐反発性を発揮できないことがあり。上記厚みが100μmを超えると、薄い粘着テープが得られないことがある。上記厚みのより好ましい下限は5μm、より好ましい上限は75μmである。
上記基材は特に限定されないが、樹脂フィルム、樹脂発泡体、紙、不織布、ヤーンクロス布等が挙げられる。
上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、PETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム等が挙げられる。
上記樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム等が挙げられる。
上記ヤーンクロス布としては、例えば、ポリエチレンフラットヤーンを織ったものや、その表面に樹脂フィルムをラミネートしたもの等が挙げられる。
上記基材の厚みは用途によって設定されるので特に限定されないが、例えばフィルム基材の場合には1〜100μmが好ましく、5〜75μmがより好ましい。上記基材の厚みが1μm未満であると、粘着テープの機械的強度が低下することがある。上記基材の厚みが100μmを超えると、粘着テープの腰が強くなりすぎて、被着体の形状に沿って密着させて貼り合わせることが困難になることがある。
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー、粘着付与樹脂及び架橋剤と、必要に応じて配合するその他の成分とを混合し、攪拌して粘着剤組成物を調製し、続いて、この粘着剤組成物を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて粘着剤層を形成し、得られた粘着剤層を基材の片面又は両面に転着させる方法、基材に直接塗工乾燥させる方法等が挙げられる。粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて形成した粘着剤層を、基材なしでそのままノンサポートタイプの両面粘着テープとしてもよい。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、例えば、電子機器部品の固定や車載部品の固定に特に好適に用いることができる。具体的には、大型の携帯電子機器における電子機器部品の接着固定、車載部品(例えば、車載用パネル)の接着固定等に、本発明の粘着テープを用いることができる。
本発明の粘着テープからなる電子機器部品固定用両面粘着テープもまた、本発明の1つである。本発明の粘着テープからなる車載部品固定用両面粘着テープもまた、本発明の1つである。
本発明の電子機器部品固定用両面粘着テープ及び車載部品固定用両面粘着テープの形状は特に限定されないが、長方形、額縁状、円形、楕円形、ドーナツ型等が挙げられる。
本発明の両面粘着テープは、高い耐熱接着性を有することから、1mm以下の狭い線幅であっても、電子機器部品の固定や車載部品の固定に特に好適に用いることができる。
本発明の粘着テープは、半導体ウエハを所定の厚さにまで研磨する工程においては用いる研磨材を研磨機の定盤に固定や、液晶ガラス基板の研磨材の固定、CMP(Chemical Mechanical Planarization:化学機械研磨パッド)の固定、ラビングクロスの固定等の研磨材を固定する用途にも好適に用いることができる。
本発明の粘着テープからなる研磨材固定用両面粘着テープもまた、本発明の1つである。
本発明の研磨材固定用両面粘着テープの製造方法としては、例えば、まず一面に離型処理が施されてなる離型フィルム2枚と、定盤固定用粘着剤層用の粘着剤に溶剤(例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル等)を加えて形成された定盤固定用粘着剤層用の粘着剤液と、研磨材固定用粘着剤層用の粘着剤に溶剤(例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル等)を加えて形成された研磨固定用粘着剤層用の粘着剤液とを用意する。続いて、定盤固定用粘着剤層用の粘着剤溶液を一方の離型フィルムの離型処理面に塗布して、粘着剤溶液中の溶剤が完全に乾燥、除去することにより離型フィルムの離型処理面上に定盤固定用粘着剤層が形成させてなる定盤固定用粘着剤層積層フィルムを作製する。その一方、研磨材固定用粘着剤層用の粘着剤溶液を他方の離型フィルムの離型処理面に塗布して、粘着剤溶液中の溶剤を完全に乾燥、除去することにより離型フィルムの処理面上に研磨材固定用粘着剤層が形成されてなる研磨材固定用粘着剤層積層フィルムを作製する。
しかる後に、基材層となる基材フィルムを用意し、この基材フィルムの一面に上記定盤固定用粘着剤積層フィルムをその定盤固定用粘着剤層が基材フィルムに対向した状態となるように積層させる一方、上記基材フィルムの他面に上記研磨材固定用粘着剤層積層フィルムをその研磨材固定用粘着剤層が基材フィルムに対向した状態となるように積層させて積層体を作製する。
そして、この積層体をゴムローラなどによって厚み方向に加圧することによって、定盤固定用粘着剤層、基材層および研磨材固定用粘着剤層がこの順に積層一体化されてなり、且つ、その定盤固定用粘着剤層および研磨材固定用粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化されてなる研磨材固定用両面粘着テープを得ることができる。
本発明によれば、耐反発性に優れ、取り扱い性にも優れる粘着テープを得ることができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することができる。
リビングラジカル重合を説明する模式図である。 リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図である。 フリーラジカル重合を説明する模式図である。 フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図である。 実施例における耐反発性の試験方法を示した図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
<架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーの調製>
(ポリマー1)
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル−2−ブロモーイソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルを得た。
アルゴン置換したグローブボックス内で、反応容器中に、製造した2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチル19μL、V−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)1.4mg、酢酸エチル1mLを投入した後、反応容器を密閉し、反応容器をグローブボックスから取り出した。続いて、反応容器にアルゴンガスを流入しながら、反応容器内に、混合モノマー(アクリル酸2−エチルへキシル(2EHA)82重量部、アクリル酸ブチル(BA)10重量部、アクリル酸エチル(EA)5重量部、アクリル酸(AAc)2.9重量部、及び、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部)の合計100g、重合溶媒として酢酸エチル66.5gを投入し、60℃で20時間重合反応を行い、リビングラジカル重合されたアクリル系ポリマー含有溶液を得た。
得られたアクリル系ポリマー含有溶液をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。カラムとしてはGPC KF−806L(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(ポリマー2〜6)
2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルとV−60の仕込み量、及び、混合モノマーの組成物を表1に示したようにした以外はポリマー1と同様にして、リビングラジカル重合されたアクリル系ポリマー含有溶液を得て、得られたアクリル系ポリマーについて重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(ポリマー7)
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル50gを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。ついで、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.1gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、反応容器内に、混合モノマー(アクリル酸ブチル96.7重量部、アクリル酸3重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.3重量部)の合計100gを2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてV−60を0.08gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、5時間重合反応を行い、フリーラジカル重合されたアクリル系ポリマー含有溶液を得た。
得られたアクリル系ポリマーについて、ポリマー1と同様にして重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
Figure 2017110839
<粘着付与樹脂の調製>
(粘着付与樹脂1)
粘着付与樹脂1として、YSポリスターNH(ヤスハラケミカル社製、水添テルペンフェノール系樹脂、アルコール性水酸基価130mgKOH/g、1分子中に含まれるアルコール性水酸基2.8個、軟化点130℃)を用いた。
(粘着付与樹脂2)
5Lのステンレス製オートクレーブの中に、YSポリスターG150(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール系樹脂)を400g、2−プロパノールを2L、および粉末状の5%ルテニウム担持アルミナ触媒10.0gを仕込んだ。
次いで、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガス10kg/cmの圧力をかけながら導入した。そして攪拌しながら加熱し150℃となったところで、水素の圧力を40kg/cmとし、吸収された水素を補うことで圧力を40kg/cmに保ちながら14時間反応させた。その後、室温まで冷却し、得られた懸濁液に、エタノール500mLを追加し、ブフナーロートで吸引濾過を行い、触媒を濾別した。濾液を、最終的に150℃、真空度1mmHg以下で30分間かけて蒸留濃縮し、高粘度性の粘着付与樹脂2を380g得た。
得られた粘着付与樹脂2のアルコール性水酸基価は73mgKOH/g、1分子中に含まれるアルコール性水酸基は1.7個、軟化点147℃であった。
(粘着付与樹脂3)
YSポリスターT145(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール系樹脂)を用い、粘着付与樹脂2を得た水素添加法と同様にして、粘着付与樹脂3を得た。
得られた粘着付与樹脂3のアルコール性水酸基価は66mgKOH/g、1分子中に含まれるアルコール性水酸基は1.5個、軟化点145℃であった。
(粘着付与樹脂4)
粘着付与樹脂4として、アルコール性水酸基価が85mgKOH/g、1分子中に含まれるアルコール性水酸基が1.8個、軟化点が150℃であるロジン系樹脂を準備した。
(粘着付与樹脂5)
粘着付与樹脂5として、アルコール性水酸基価が75mgKOH/g、1分子中に含まれるアルコール性水酸基が1.6個、軟化点が150℃であるロジン系樹脂を準備した。
(粘着付与樹脂6)
粘着付与樹脂6として、ペンセルD135(荒川化学工業社製、重合ロジンエステル系樹脂、アルコール性水酸基価45mgKOH/g、1分子中に含まれるアルコール性水酸基0.7個、軟化点135℃)を用いた。
(粘着付与樹脂7)
粘着付与樹脂7として、スーパーエステルA115(荒川化学工業社製、ロジンエステル系樹脂、アルコール性水酸基価19mgKOH/g、1分子中に含まれるアルコール性水酸基0.25個、軟化点115℃)を用いた。
(粘着付与樹脂8)
粘着付与樹脂8として、マイティーエースG150(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール系樹脂、フェノール性水酸基価130mgKOH/g、1分子中に含まれるフェノール性水酸基3.0個、軟化点150℃)を用いた。
(粘着付与樹脂9)
粘着付与樹脂9として、アルコール性水酸基価が75mgKOH/g、1分子中に含まれるアルコール性水酸基が1.4個、軟化点が140℃であるロジン系樹脂を準備した。
(実施例1〜10、比較例1〜8)
得られたアクリル系ポリマー含有溶液の不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、得られた粘着付与樹脂、及び、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)を表2、3に示した配合量で添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤溶液を得た。厚み50μmの離型処理したPETフィルムに、得られた粘着剤溶液を、実施例1〜6及び比較例1〜4においては乾燥後に糊厚みが10μmとなるように塗工し、実施例7〜10及び比較例5〜8においては乾燥後に糊厚みが20μmとなるように塗工した後、100℃で10分間乾燥させ、ノンサポートタイプの両面粘着テープを得た。なお、粘着剤層の両側の表面には、粘着剤層を保護するための離型フィルムを積層した。
得られた両面粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
(評価)
実施例、比較例で得られた両面粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表2、3に示した。
(1)打ち抜き刃への糊残り性の評価
両面粘着テープを50mm×50mmのトムソン刃で30回打ち抜いたときに、トムソン刃へのシート状層間充填材料の付着(糊残り)発生の有無を目視により観察し、以下のように評価した。
○:打ち抜き刃への糊残りが全く認められなかった
△:打ち抜き刃への糊残りは認められたものの、継続使用に影響はない程度であった
×:打ち抜き刃への糊残りは認められ、継続使用は困難であった
(2)耐反発性試験
図5に耐反発性の試験方法を示した。図5に示したように、得られた両面粘着テープを横25mm×縦150mmの平面長方形状に裁断して試験片1を作製し、試験片1の両面に設けられている離型フィルムを剥離除去して粘着剤層を露出させた。
しかる後、試験片1の表面に横25mm×縦150mm×厚み0.3mmのアルミニウム板2を、試験片1の裏面に横25mm×縦200mm×厚み1mmのポリカーボネート樹脂板3を重ね合わせた。なお、試験片1がポリカーボネート樹脂板3の長さ方向の中央部に位置するように調整した。
次に、ポリカーボネート樹脂板3上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラを一往復させて、ポリカーボネート樹脂板3とアルミニウム板2とを試験片1を介して一体化させ、23℃で24時間に亘って静置することにより、試験片1を介してアルミニウム板2がポリカーボネート樹脂板3の縦方向の中央部に貼着一体化されてなる試験サンプル4を作製した。
続いて、図5に示したように、上記試験サンプル4を冶具5にセットし、試験サンプル4の縦方向に曲げ応力を加えることによって試験サンプル4をそのポリカーボネート樹脂板3の長さ方向の両端間の距離が180mmとなるように円弧状に反った状態に変形させ、この状態にて試験サンプル4を85℃のオーブンに入れて24時間に亘って静置した。
しかる後、試験サンプル4を円弧状に反った状態のままオーブンから取り出し、アルミニウム板2とポリカーボネート樹脂板3との間の浮きの高さH(mm)をノギスで測定し、この平均値を耐反発性の評価の値とした。
ここで、上記試験サンプル4のアルミニウム板2とポリカーボネート樹脂板3との間の浮きの高さH(mm)とは、冶具5の上面に対して垂直方向におけるアルミニウム板2とポリカーボネート樹脂板3との対向面間の間隔が最大値をとる位置を特定し、この位置にて、冶具5の上面に対して垂直方向において、アルミニウム板2とポリカーボネート樹脂板3との対向面間の間隔から試験片1の厚みを減じた値をいう。
○:浮きの高さが1.0mm以下
△:浮きの高さが1.0mmを超えるが2.5mm以下
×:浮きの高さが2.5mmより大きい
(3)定荷重剥離性の評価
幅20mm×50mmの裏打ちした粘着テープをポリカーボネート樹脂板に貼り、23℃50%湿度で一晩養生した後、85℃で90°の方向に50gの荷重を掛け、30分後の剥離距離(剥がれ長さ)を測定した。
(4)23℃における接着力の評価
幅25mm×75mmの裏打ちした粘着テープをポリカーボネート(PC)板に貼り、23℃、50%湿度で20分養生した。その後、JIS Z 0237:2009に従い、引張速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行い、23℃における接着力(N/25mm)を測定した。
(5)80℃における感熱接着力の評価
幅25mm×75mmの裏打ちした粘着テープを、ポリカーボネート(PC)板に貼り、更に、80℃で3時間加熱した。23℃に戻した後、JIS Z 0237:2009に従い、引張速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行い、感熱接着力(N/25mm)を測定した。
(6)糊残り性の評価
感熱接着力の評価後、粘着テープを剥離したポリカーボネート(PC)板の表面を目視にて観察して、糊残りが全く認められなかった場合を「◎」と、糊残りがわずかに認められた場合を「○」、糊残りが多く認められた場合を「×」と評価した。
Figure 2017110839
Figure 2017110839
本発明によれば、耐反発性に優れ、取り扱い性にも優れる粘着テープを得ることができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することができる。
11 リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー
111 架橋性官能基を含まないモノマー
112 架橋性官能基含有モノマー
12 フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー
121 架橋性官能基を含まないモノマー
122 架橋性官能基含有モノマー
123 反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー
124 反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー
1 試験片
2 アルミニウム板
3 ポリカーボネート樹脂板
4 試験サンプル
5 冶具
H アルミニウム板とポリカーボネート樹脂板との間の浮きの高さ(mm)

Claims (8)

  1. 架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂は、1分子中に含まれるアルコール性水酸基が1.6個以上であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂は、軟化温度が100〜180℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着剤組成物。
  4. 架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、架橋性官能基を有するアクリル系モノマーに由来する構成成分の含有量が0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着剤組成物。
  5. 架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、重量平均分子量が30万〜200万、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜2.5であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粘着剤組成物。
  6. 架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の粘着剤組成物。
  7. 架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー100重量部に対して、アルコール性水酸基の水酸基価が70mgKOH/g以上である粘着付与樹脂を5〜50重量部含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の粘着剤組成物。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープ。
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