JP2018002999A - 粘着テープ及び研磨材固定用両面粘着テープ - Google Patents

粘着テープ及び研磨材固定用両面粘着テープ Download PDF

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彩葉 小栗
泰志 石堂
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泰志 石堂
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Tomoki Toda
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Abstract

【課題】高い粘着力と糊残りなく剥離できる剥離性とを両立した粘着テープ、及び、該粘着テープを用いた研磨材固定用両面粘着テープを提供する。【解決手段】架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、前記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂は、1分子中に含まれる水酸基が1.6個以上である粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は、高い粘着力と糊残りなく剥離できる剥離性とを両立した粘着テープ、及び、該粘着テープを用いた研磨材固定用両面粘着テープに関する。
粘着テープは簡便に接合が可能なことから各種産業分野に用いられている。建築分野では養生シートの仮固定、内装材の貼り合わせ等に、自動車分野ではシート、センサー等の内装部品の固定、サイドモール、サイドバイザー等の外装部品の固定等に、電気電子分野ではモジュール組み立て、モジュールの筐体への貼り合わせ等に粘着テープが用いられている。
具体的には例えば、半導体ウエハを所定の厚さにまで研磨する工程においては、研磨機の定盤に固定された研磨材を用いて研磨が行われる。研磨材を研磨機の定盤に固定するためには、通常、両面粘着テープが使用される。この研磨材固定用両面粘着テープには、研磨中に研磨材が剥離しない程度に充分な接着力を有するとともに、使用した研磨材を交換する際には定盤から糊残りなく剥離できることが求められてきた。同様の用途としては、液晶ガラス基板の研磨材の固定、CMP(Chemical Mechanical Planarization:化学機械研磨)パッドの固定、ラビングクロスの固定等が挙げられる。
特許文献1には、プラスチックフィルムの一方の面にニトリルゴム系粘着剤からなる粘着剤層を設け、他方の面に再剥離性の粘着剤層を設けてなる研磨材固定用両面粘着テープが開示されている。特許文献1に開示されている研磨材固定用両面粘着テープは、ニトリルゴム系粘着剤からなる粘着剤層側を研磨材に接着し、再剥離性の粘着剤層側を定盤に接着して使用する。特許文献1の実施例では、再剥離性の粘着剤層を構成する粘着剤として、アクリル酸と、アクリル酸ブチルと、酢酸ビニルとを共重合させてなる共重合体を使用している。特許文献1に開示されている研磨材固定用両面粘着テープは、両面をアクリル粘着剤とした場合に比べて、酸化セリウム微粉末の20%溶液に50℃で5日間浸漬した後も高い粘着力を維持できる。
特許文献2には、プラスチックフィルム支持体の一方の面にアクリル系ポリマーを主成分とする粘着剤層と該粘着剤層上にポリエステル又はポリウレタンからなる熱活性粘着剤層が積層一体化された層を設け、他方の面に再剥離性の粘着剤層を設けてなる研磨材固定用両面粘着テープが開示されている。特許文献2に開示されている研磨材固定用両面粘着テープは、熱活性粘着剤層を研磨材に接着させて使用する。特許文献2に開示されている研磨材固定用両面粘着テープは、両面ともアクリル粘着剤層を用いた場合と比べて、水酸化カリウムでpH10に調整した50℃の水溶液に5日間浸漬した場合にも、高い粘着力を維持できる。
しかしながら、高い粘着力と糊残りなく剥離できる剥離性とはトレードオフの関係にある。とりわけ、半導体ウエハの研磨等の用途においては、研磨材を研磨機の定盤に固定する両面粘着テープに大きな応力がかかるところ、研磨中に研磨材が剥離しない充分な接着力を付与した場合には、糊残りなく剥離することが困難であった。そこで、高い粘着力と糊残りなく剥離できる剥離性とをより高いレベルで両立した粘着テープが求められていた。
特開平6−145611号公報 特開平6−172721号公報
本発明は、上記現状に鑑み、高い粘着力と糊残りなく剥離できる剥離性とを両立した粘着テープ、及び、該粘着テープを用いた研磨材固定用両面粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、前記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂は、1分子中に含まれる水酸基が1.6個以上である粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤層を有する粘着テープにおいて、粘着付与樹脂として水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂を用い、その水酸基数を特定の範囲とすることにより、80℃程度の温度をかけながら貼り合わせを行ったときの接着力(感熱接着力)が飛躍的に向上する一方、剥離時には糊残りなく剥離できることを見出し、本発明を完成した。
粘着剤層において、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂と、架橋剤とを組み合わせることにより、ポリマー鎖間や、ポリマー鎖と粘着付与樹脂との間が架橋される。1分子中に含まれる水酸基が1.6個未満の粘着付与樹脂と比較し、化学構造上「1分子中に含まれる水酸基が1.6個以上である」粘着付与樹脂は水酸基の数が多いため、水酸基を有する粘着付与樹脂同士や、水酸基を有する粘着付与樹脂と架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーとの反応性が高くなり、粘着剤層のバルク強度が向上する。感熱することで粘着剤層の流動性が向上して被着体との接着性が良くなり、感熱接着力が飛躍的に向上するとともに、剥離時における糊残りを防止できるのではないかと考えられる。例えば、ポリプロピレン等の基材に対する感熱接着力が20N/25mmを超えるようにできれば、研磨材を固定する用途において、粘着テープに大きな応力がかかっても研磨中に研磨材が剥離してしまうのを確実に防止することができる。
なお、本明細書において水酸基とは、架橋反応に関与できるアルコール性水酸基を意味する。
上記粘着剤層は、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分を含有する。架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを用いることにより、架橋剤を併用したときにポリマー鎖間や、ポリマー鎖と粘着付与樹脂との間が架橋される。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、架橋性官能基を有するアクリル系モノマーを含むモノマー混合物を重合することにより得られる。
上記架橋性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、グリジシル基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層のゲル分率の調整が容易であることから、水酸基又はカルボキシル基が好ましく、水酸基がより好ましい。
水酸基を有するモノマーとしては、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いた場合、その含有量は特に限定されないが、上記モノマー混合物中の好ましい上限は30重量%である。上記含有量が30重量%を超えると、上記粘着剤層のゲル分率が高くなりすぎて粘着テープが剥がれやすくなり、充分な感熱接着力を発揮できないことがある。
上記カルボキシル基を有するモノマーを用いる場合、その含有量は特に限定されないが、上記モノマー混合物中の好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限は10重量%である。上記含有量が0.1重量%未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて、上記含有量が10重量%を超えると、上記粘着剤層が硬くなりすぎて、充分な感熱接着力を発揮できないことがある。
上記モノマー混合物は、架橋性官能基を有するアクリル系モノマー以外の他のラジカル重合性モノマーを用いてもよい。上記他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、他の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、アミノ基、アミド基及びニトリル基等の他の極性官能基を有するアクリル系モノマーも用いることができる。更に、上記アクリル系モノマーに加えて、ビニル化合物をモノマーとして用いてもよい。
上記他の(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されず、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ビニル化合物は特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−アクリロイルモルフォリン、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらのビニル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー(以下、「リビングラジカル重合アクリル系ポリマー」ともいう。)であることが好ましい。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合によれば、例えばフリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有するポリマーが得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができるため、特に感熱接着力が高く、剥離時に糊残りしにくい粘着テープを得ることができる。
図1にリビングラジカル重合を説明する模式図を示した。リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合では、生長末端ラジカルが失活することなく、また反応中に新しくラジカル種が発生することもなく、反応が進行する。その反応途中では、全てのポリマー鎖が均一にモノマーと反応しながら重合し、全てのポリマーの組成は均一に近づく。そのため、架橋性官能基含有モノマー112は、得られるアクリル系ポリマー11の全てのポリマーに含まれる。このようなリビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー11に水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂と、架橋剤とを組み合わせれば、ほぼ全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋や、ポリマー鎖と粘着付与樹脂との架橋に関与することができる。図2に、リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図を示した。リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーでは、全てのポリマーの組成は均一であり、架橋性官能基含有モノマーを含むことから、すべてのポリマー鎖が架橋に関与している。なお、図2では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。
このように、ほとんど全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができることから、特に感熱接着力が高く、剥離時に糊残りしにくい粘着テープを得ることができる。
図3にフリーラジカル重合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合では、反応中に連続的にラジカル種が発生してモノマーに付加し、重合が進行する。そのためフリーラジカル重合では、反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー123や、反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー124が生成する。そのため、架橋性官能基を含有するアクリル系ポリマーをフリーラジカル重合で製造すると、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーが生成してしまう。このようなフリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー12を、架橋剤を用いて架橋しても、架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーは、ポリマー鎖間での架橋に関与することができない。図4に、フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーでは、ポリマーの組成が不均一であり、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーを含むことから、架橋に関与できないポリマー鎖が存在している。なお、図4では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。両面粘着テープとして被着体に貼着したときに、架橋に関与できない架橋性官能基含有モノマーを含まない部位が剥離しやすいことから、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを用いた場合に比べると感熱接着力が低下しやすく、剥離時に糊残りしやすくなる。
このようにリビングラジカル重合アクリル系ポリマーは、フリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有し、低分子量成分の含有量が少なく、ほぼ全てのポリマーに架橋性官能基含有モノマーが含まれるという性質を有する。高い粘着力と糊残りなく剥離できる剥離性とを両立できるという本発明の効果は、フリーラジカル重合アクリル系ポリマーを用いた場合にでも充分に発揮されるが、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを用いた場合に特に優れたものとなる。
このようなリビングラジカル重合アクリル系ポリマーの特性は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していくというリビングラジカル重合という製造方法によるものである。しかしながら、重量平均分子量(Mw)や分子量分布(Mw/Mn)といったポリマー全体の平均値としてリビングラジカル重合アクリル系ポリマーの特性を間接的に表すことは可能であっても、含まれる個々のポリマーの鎖長や、個々のポリマー中のモノマー成分等の構造や特性を直接的に特定することは極めて困難である。上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを、その構造又は特性により直接特定することは、不可能であるか、又はおよそ実際的でないといわざるを得ない。従って、本発明においては、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを、「リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー」と、その物の製造方法により記載することは許容されるべきである。
リビングラジカル重合のなかでも、有機テルル重合開始剤を用いたリビングラジカル重合は、他のリビングラジカル重合とは異なり、水酸基やカルボキシル基のような極性官能基を有するラジカル重合性モノマーをいずれも保護することなく、同一の開始剤で重合して均一な分子量及び組成を有するポリマーを得ることができる。このため、極性官能基を有するラジカル重合性モノマーを容易に共重合することができる。
上記有機テルル重合開始剤は、リビングラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、有機テルル化合物、有機テルリド化合物等が挙げられる。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。これらの有機テルル化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n−プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n−ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t−ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機テルリド化合物として、例えば、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−sec−ブチルジテルリド、ジ−tert−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等が挙げられる。これらの有機テルリド化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリドが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記有機テルル重合開始剤に加えて、重合速度の促進を目的として重合開始剤としてアゾ化合物を用いてもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合においては、分散安定剤を用いてもよい。上記分散安定剤として、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0〜110℃が好ましい。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)の好ましい下限が20万、好ましい上限が200万である。上記重量平均分子量をこの範囲内とすることにより、より高い感熱接着力を発揮することができる。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、分子量分布(Mw/Mn)の好ましい下限が1.05、好ましい上限が2.5である。上記分子量分布をこの範囲内とすることにより、より高い感熱接着力を発揮することができる。上記分子量分布の好ましい上限は2.0であり、より好ましい上限は1.8である。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。
上記重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
上記ポリマー成分は、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー以外のポリマーを含有してもよい。
ただし、上記ポリマー成分中における上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーの含有量の好ましい下限は60重量%であり、ポリマー成分の全量(100重量%)が上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーであることが好ましい。ポリマー成分中の上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーの含有量を60重量%以上とすることにより、より高い感熱接着力を発揮することができる。
なお、粘着付与樹脂は、ポリマー成分には含まない。
上記粘着剤層は、水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂を含有する。粘着付与樹脂が水酸基を有することで、より少ない粘着付与樹脂の使用量で所望の粘着力を得ることができる。また、粘着付与樹脂をアクリル系オリゴマーとすることで、ロジンエステル等の他の粘着付与樹脂を用いた場合と比べて、得られる粘着テープの透明性が向上し、80℃程度の温度をかけながら貼り合わせを行った場合でも粘着テープの着色を防ぐことができる。更に、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂を用いることで得られる粘着テープの耐久性を向上させることができる。
なお、本明細書においてオリゴマーとは、数平均分子量(Mn)が500〜6000の重合体又は共重合体を意味する。
上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーに、水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂と架橋剤を併用することにより、ポリマー鎖とアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂との間が架橋される。
例えば、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーが水酸基を有する場合、架橋剤として例えばイソシアネート系架橋剤を用いることにより、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーと水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の双方が架橋剤を介して反応して架橋する。とりわけ、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーがリビングラジカル重合アクリル系ポリマーである場合、含有するほぼ全てのポリマーの組成が均一で、架橋性官能基を有することから、ほぼ全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋や、ポリマー鎖とアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂との架橋に関与することができる。
上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂は、1分子中に含まれる水酸基が1.6個以上である。これにより、80℃程度の温度をかけながら貼り合わせを行ったときの接着力(感熱接着力)が飛躍的に向上する一方、剥離時には糊残りなく剥離できるという優れた効果を発揮することができる。上記1分子中に含まれる水酸基は1.7個以上であることが好ましく、1.8個以上であることがより好ましい。
上記1分子中に含まれる水酸基の上限は特に限定されないが、アクリル系ポリマーおよび架橋剤との反応性や、化学構造上の観点から、3個以下であることが好ましい。
なお、上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の1分子中に含まれる水酸基数は、例えば、以下のようにして測定される。
まず、水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍に希釈して得られた希釈液を、フィルター(例えば、ポリテトラフルオロエチレンからなるポア径0.2μmのフィルター)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(GPC、例えばWaters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1mL/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算分子量を測定して、数平均分子量を求める。更に、JIS K1557(無水フタル酸法)により水酸基価を測定し、下記式(1)を用いて粘着付与樹脂の1分子中に含まれる水酸基数を算出する。
水酸基数=(Mn×OHV)÷56110 (1)
(Mn:粘着付与樹脂の数平均分子量、OHV:粘着付与樹脂の水酸基価)
上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位を有する共重合体が挙げられる。なかでも、2−ヒドロキシエチルアクリレートに由来する構成単位を有する共重合体が好適である。
上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂は、更に、フルオロアルキル基を有することが好ましい。粘着付与樹脂がフルオロアルキル基を有することで、アクリル系ポリマーとの親和性が低下して粘着剤層の表面に偏在するようになり、感熱接着力、特に定荷重を掛けたときの感熱接着力が向上する。
フルオロアルキル基を有する場合、上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂としては、例えば、上記水酸基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位に加えてフルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位を有する共重合体が挙げられる。
上記フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーとして、例えば、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート等の炭素数2〜8のフルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーが挙げられる。なかでも、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレートが好適である。
上記フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合は特に限定されないが、上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂における好ましい下限は1重量%、好ましい上限は40重量%である。上記割合が1重量%未満であると、柔らかすぎて充分な感熱接着力を発揮できないことがある。上記割合が40重量%を超えると、硬くてタックがなくなり、充分な感熱接着力を発揮できないことがある。上記割合のより好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は30重量%である。
なお、上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂における構成単位の割合は、例えば、高分解能NMRにより測定することができる。このとき、少量の水酸基の場合は水酸基をトリメチルシリル化して感度を上げた状態にして分析してもよい。また、上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の重合前のモノマー混合物中のモノマーの含有量から算出してもよい。
上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂は、上記水酸基を有するアクリル系モノマー、及び、好ましくは上記フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーを含むモノマー混合物を重合することにより得られる。
上記モノマー混合物は、上記水酸基を有するアクリル系モノマー及び上記フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマー以外の他のラジカル重合性モノマーを含有してもよい。上記他のラジカル重合性モノマーとしては、上述した架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーにおいて用いられる他のラジカル重合性モノマーと同様のモノマーを用いることができる。
上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂は、軟化温度の好ましい下限が70℃、好ましい上限が170℃である。上記軟化温度がこの範囲内であると、特に優れた感熱接着力を発揮することができる。上記軟化温度のより好ましい下限は120℃である。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の含有量は、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー100重量部に対する好ましい下限が10重量部、好ましい上限が70重量部である。上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の含有量がこの範囲内とすることにより、特に優れた感熱接着力を発揮することができ、また、剥離時には糊残りなく剥離できる粘着剤層とすることができる。上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は50重量部である。
上記粘着剤層は、架橋剤を含有する。
上記架橋剤は特に限定されず、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーと、水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂との組合せに応じて、これらを架橋可能な架橋剤を適宜選択する。
上記架橋剤は、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、基材に対する密着安定性に優れるため、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤として、例えば、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)、マイテックNY260A(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記架橋剤の配合量の含有量は、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー100重量部に対して好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が5重量部である。
上記架橋剤の種類又は量を適宜調整することによって、上記粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
上記粘着剤層は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤等の添加剤、キシレン樹脂等のその他の樹脂等を含有していてもよい。
上記粘着剤層の厚みは用途によって設定されるので特に限定されないが、好ましい下限が1μm、好ましい上限が160μmである。上記粘着剤層の厚みが1μm未満であると、粘着テープが剥がれやすくなり、高い感熱接着力を発揮できないことがある。上記厚みのより好ましい下限は5μm、より好ましい上限は100μmである。
本発明の粘着テープは、基材を有するサポートタイプであってもよいし、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。サポートタイプの場合には、基材の片面に粘着剤層が形成された片面粘着テープであってもよく、基材の両面に粘着剤層が形成された両面粘着テープであってもよい。
なお、本発明の粘着テープが基材の両面に粘着剤層が形成された両面粘着テープである場合、一方の面のみの粘着剤層が上記粘着剤層であってもよく、両面の粘着剤層が上記粘着剤層であってもよい。なかでも、より高い感熱接着力が得られることから、両面の粘着剤層が上記粘着剤層であることが好ましい。
上記基材は特に限定されないが、樹脂フィルム、樹脂発泡体、紙、不織布、ヤーンクロス布等が挙げられる。
上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム等が挙げられる。
上記樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム等が挙げられる。
上記ヤーンクロス布としては、例えば、ポリエチレンフラットヤーンを織ったものや、その表面に樹脂フィルムをラミネートしたもの等が挙げられる。
上記基材としては、なかでも樹脂フィルムが好ましく、耐薬品性、強度を求める場合には、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、研磨材との密着性に優れ、研磨材や被研磨物のうねりへの追従しやすさを求めるのであれば、2軸延伸ポリプロピレンフィルムが好ましい。
上記基材の厚みは用途によって設定されるので特に限定されないが、例えばフィルム基材の場合には1〜200μmが好ましく、5〜75μmがより好ましい。上記基材の厚みが1μm未満であると、粘着テープの機械的強度が低下することがある。上記基材の厚みが200μmを超えると、粘着テープの腰が強くなりすぎて、被着体の形状に沿って密着させて貼り合わせることが困難になることがある。
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、上記架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー、上記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂及び架橋剤と、必要に応じて配合するその他の成分とを混合し、攪拌して粘着剤溶液を調製し、続いて、この粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて粘着剤層を形成し、得られた粘着剤層を基材の片面又は両面に転着させる方法、基材に直接塗工乾燥させる方法等が挙げられる。粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて形成した粘着剤層を、基材なしでそのままノンサポートタイプの両面粘着テープとしてもよい。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、例えば、半導体ウエハ用研磨材を研磨機の定盤へ固定する用途や、液晶ガラス基板の研磨材の固定、CMP(Chemical Mechanical Planarization:化学機械研磨)パッドの固定、ラビングクロスの固定といった研磨材を固定する用途に特に好適に用いることができる。
このような本発明の粘着テープからなる研磨材固定用両面粘着テープもまた、本発明の1つである。
研磨材固定用両面粘着テープの製造方法としては、例えば、まず一面に離型処理が施されてなる離型フィルム2枚と、定盤固定用粘着剤層用の粘着剤に溶剤(例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル等)を加えて形成された定盤固定用粘着剤層用の粘着剤液と、研磨材固定用粘着剤層用の粘着剤に溶剤(例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル等)を加えて形成された研磨固定用粘着剤層用の粘着剤液とを用意する。続いて、定盤固定用粘着剤層用の粘着剤溶液を一方の離型フィルムの離型処理面に塗布して、粘着剤溶液中の溶剤が完全に乾燥、除去することにより離型フィルムの離型処理面上に定盤固定用粘着剤層が形成させてなる定盤固定用粘着剤層積層フィルムを作製する。その一方、研磨材固定用粘着剤層用の粘着剤溶液を他方の離型フィルムの離型処理面に塗布して、粘着剤溶液中の溶剤を完全に乾燥、除去することにより離型フィルムの処理面上に研磨材固定用粘着剤層が形成されてなる研磨材固定用粘着剤層積層フィルムを作製する。
しかる後に、基材層となる基材フィルムを用意し、この基材フィルムの一面に上記定盤固定用粘着剤積層フィルムをその定盤固定用粘着剤層が基材フィルムに対向した状態となるように積層させる一方、上記基材フィルムの他面に上記研磨材固定用粘着剤層積層フィルムをその研磨材固定用粘着剤層が基材フィルムに対向した状態となるように積層させて積層体を作製する。
そして、この積層体をゴムローラなどによって厚み方向に加圧することによって、定盤固定用粘着剤層、基材層および研磨材固定用粘着剤層がこの順に積層一体化されてなり、且つ、その定盤固定用粘着剤層および研磨材固定用粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化されてなる研磨材固定用両面粘着テープを得ることができる。
本発明によれば、高い粘着力と糊残りなく剥離できる剥離性とを両立した粘着テープ、及び、該粘着テープを用いた研磨材固定用両面粘着テープを提供することができる。
リビングラジカル重合を説明する模式図である。 リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図である。 フリーラジカル重合を説明する模式図である。 フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーの調製)
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル−2−ブロモ−イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルを得た。
アルゴン置換したグローブボックス内で、反応容器中に、得られた2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチル19μL、V−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)34mg、酢酸エチル1mLを投入した後、反応容器を密閉し、反応容器をグローブボックスから取り出した。続いて、反応容器にアルゴンガスを流入しながら、反応容器内に、混合モノマー(アクリル酸ブチル96.7重量%、アクリル酸3重量%、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.3重量%)の合計100g、重合溶媒として酢酸エチル66.5gを投入し、60℃で20時間重合反応を行い、リビングラジカル重合されたアクリル系ポリマー含有溶液を得た。
得られたアクリル系ポリマー含有溶液をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定したところ重量平均分子量(Mw)は120万、分子量分布(Mw/Mn)は1.7であった。なお、カラムとしてはGPC KF−806L(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂Aの製造)
内容積1リットルの4つ口フラスコに、酢酸ブチル78.6重量部とV−601 1.8重量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、シクロヘキシルメタクリレート42重量部、イソボロニルメタクリレート45重量部、ヒドロキシエチルメタリレート13重量部、V−601 33重量部、酢酸ブチル35.7重量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン6000重量部に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、軟化点157℃、1分子中に含まれる水酸基数1.6個のアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂Aを得た。
(粘着テープの製造)
得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂A20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.3重量部を添加して攪拌し、不揮発分25重量%の粘着剤溶液を得た。
厚み50μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、得られた粘着剤溶液を、乾燥後に糊厚みが20μmとなるように塗工した後、100℃で10分間乾燥させ、粘着剤層を得た。得られた粘着剤層を38μmのコロナ処理したPET基材に転写した後、同様の操作で基材の反対側の面にも粘着剤層を準備し、基材両面に片面当たりの厚みが20μmの粘着剤層が積層一体化された両面粘着テープを作製した。作製した両面粘着テープを40℃2日間養生した。この積層体をゴムローラによって厚み方向に加圧することによって、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(実施例2)
モノマー組成比をシクロヘキシルメタクリレート40重量部、イソボロニルメタクリレート43重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート17重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂B(軟化点155℃、1分子中に含まれる水酸基数2.1個)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂B20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.7重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(実施例3)
モノマー組成比をシクロヘキシルメタクリレート40重量部、イソボロニルメタクリレート38重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート22重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂C(軟化点149℃、1分子中に含まれる水酸基数2.7個)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂C20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)3.0重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(実施例4)
モノマー組成比を2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート30重量部、シクロヘキシルメタクリレート27重量部、イソボロニルメタクリレート30重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート13重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂D(軟化点137℃、1分子中に含まれる水酸基数1.6個、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が30重量%)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂D20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.3重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(実施例5)
モノマー組成比を2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート30重量部、シクロヘキシルメタクリレート25重量部、イソボロニルメタクリレート28重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート17重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂E(軟化点135℃、1分子中に含まれる水酸基数2.1個、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が30重量%)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂E20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.9重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(実施例6)
モノマー組成比を2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート30重量部、シクロヘキシルメタクリレート22重量部、イソボロニルメタクリレート26重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート22重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂F(軟化点130℃、1分子中に含まれる水酸基数2.7個、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が30重量%)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂F20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)3.2重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(実施例7)
モノマー組成比を2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート2重量部、シクロヘキシルメタクリレート41重量部、イソボロニルメタクリレート44重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート13重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂G(軟化点153℃、1分子中に含まれる水酸基数1.6個、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が2重量%)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂G20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.3重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(実施例8)
モノマー組成比を2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート40重量部、シクロヘキシルメタクリレート22重量部、イソボロニルメタクリレート25重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート13重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂H(軟化点124℃、1分子中に含まれる水酸基数1.6個、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が40重量%)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂H20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.3重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(実施例9)
モノマー組成比を2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート50重量部、シクロヘキシルメタクリレート17重量部、イソボロニルメタクリレート20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート13重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂I(軟化点120℃、1分子中に含まれる水酸基数1.6個、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が50重量%)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂I20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.3重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(実施例10)
(アクリル系ポリマーの調製)
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル50gを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。ついで、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.1gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、反応容器内に、混合モノマー(アクリル酸ブチル96.7重量%、アクリル酸3重量%、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.3重量%)の合計100gを2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤として、0.08gのV−60を酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、5時間重合反応を行い、フリーラジカル重合されたアクリル系ポリマー含有溶液を得た。
得られたアクリル系ポリマー含有溶液をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(ポリテトラフルオロエチレンからなるポア径0.2μmのフィルター)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1mL/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定したところ重量平均分子量(Mw)は100万、分子量分布(Mw/Mn)は5.8であった。
(粘着テープの製造)
得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂A20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.1重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(比較例1)
モノマー組成比をシクロヘキシルメタクリレート49.5重量部、イソボロニルメタクリレート44重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート6.5重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂J(軟化点157℃、1分子中に含まれる水酸基数0.8個)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂J20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)0.8重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(比較例2)
モノマー組成比をシクロヘキシルメタクリレート53重量部、イソボロニルメタクリレート44重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート3重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂K(軟化点158℃、1分子中に含まれる水酸基数0.31個)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂K20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)0.4重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(比較例3)
モノマー組成比を2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート30重量部、シクロヘキシルメタクリレート30.5重量部、イソボロニルメタクリレート33重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート6.5重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂L(軟化点141℃、1分子中に含まれる水酸基数0.8個、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が30重量%)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂L20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.0重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(比較例4)
モノマー組成比を2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート30重量部、シクロヘキシルメタクリレート33重量部、イソボロニルメタクリレート34重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート3重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂M(軟化点144℃、1分子中に含まれる水酸基数0.31個、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が30重量%)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂M20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)1.7重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(比較例5)
モノマー組成比を2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート30重量部、シクロヘキシルメタクリレート40重量部、イソボロニルメタクリレート30重量部とした以外は、実施例1の「アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂の製造」と同様にしてアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂N(軟化点151℃、1分子中に含まれる水酸基数0個、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が30重量%)を得た。
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂N20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)1.4重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(参考例)
実施例1で得られたアクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、ロジンエステル粘着付与樹脂(軟化点150℃、1分子中に含まれる水酸基数1.8個)20重量部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)2.5重量部を添加して攪拌した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層の表面に離型フィルムが剥離可能に積層一体化された両面粘着テープを製造した。
(評価)
実施例、比較例、及び、参考例で得られた両面粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表1及び2に示した。
(1)23℃における接着力の評価
幅25mm×75mmの裏打ちした粘着テープをポリカーボネート(PC)板に貼り、23℃、50%湿度で20分養生した。その後、JIS Z 0237:2009に従い、引張速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行い、23℃における接着力(N/25mm)を測定した。
(2)80℃感熱接着力の評価
幅25mm×75mmの裏打ちした粘着テープを、ポリカーボネート(PC)板に貼り、更に、80℃で3時間加熱した。23℃に戻した後、JIS Z 0237:2009に従い、引張速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行い、感熱接着力(N/25mm)を測定した。
(3)85℃定荷重剥離長さ
幅20mm×50mmの裏打ちした粘着テープをポリカーボネート板に貼り、23℃50%湿度で一晩養生した後、85℃の環境下にてテープの端部に90°の方向に50gの荷重を掛け、24時間後の剥離距離を測定した。
(4)糊残り性の評価
感熱接着力の評価後、粘着テープを剥離したポリカーボネート(PC)板の表面を目視にて観察して、糊残りが全く認められなかった場合を「◎」と、糊残りがわずかに認められた場合を「○」、糊残りが少し認められた場合を「△」、糊残りが多く認められた場合を「×」と評価した。
(5)加熱後の着色の評価
(2)80℃感熱接着力の評価後の粘着テープを目視にて観察し、着色が見られなかったものを「○」着色が見られたものを「×」として加熱後の着色の有無を評価した。
Figure 2018002999
Figure 2018002999
本発明によれば、高い粘着力と糊残りなく剥離できる剥離性とを両立した粘着テープ、及び、該粘着テープを用いた研磨材固定用両面粘着テープを提供することができる。
11 リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー
111 架橋性官能基を含まないモノマー
112 架橋性官能基含有モノマー
12 フリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマー
121 架橋性官能基を含まないモノマー
122 架橋性官能基含有モノマー
123 反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー
124 反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー

Claims (7)

  1. 架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを含有するポリマー成分と、水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、
    前記水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂は、1分子中に含まれる水酸基が1.6個以上である
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. 水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂は、更に、フルオロアルキル基を有することを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
  3. 水酸基を有するアクリル系オリゴマー粘着付与樹脂は、フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマーに由来する構成単位の割合が1〜40重量%であることを特徴とする請求項2記載の粘着テープ。
  4. 架橋性官能基を有するアクリル系ポリマー100重量部に対して、アクリル系オリゴマー粘着付与樹脂を10〜70重量部含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着テープ。
  5. 架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、重量平均分子量が20万〜200万、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜2.5であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粘着テープ。
  6. 架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーは、リビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の粘着テープ。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の粘着テープからなることを特徴とする研磨材固定用両面粘着テープ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022191229A1 (ja) * 2021-03-10 2022-09-15 積水化学工業株式会社 仮固定剤、及び、仮固定用品

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