本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1を参照して、プリンタ1の概略構成を説明する。以下では、図1の上方、下方、右下方、左上方、右上方、及び左下方を、各々、プリンタ1の上方、下方、右方、左方、後方、及び前方と定義して説明する。
図1に示すように、プリンタ1は、印刷媒体であるTシャツ等の布帛(図示外)に対して、液体であるインクを吐出することで印刷を行うインクジェットプリンタである。プリンタ1は、紙等を印刷媒体としてもよい。本実施形態のプリンタ1は、互いに異なる5種のインク(ホワイト(W)、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M))を下方へ向けて吐出することで、印刷媒体にカラー画像を印刷できる。
プリンタ1は、筐体2、プラテン駆動機構6、プラテン5、トレイ4、枠体10、ガイドシャフト9、レール11、キャリッジ20、支持部(図示略)、ヘッドユニット100,200、駆動ベルト101、及び駆動モータ19を主に備える。
筐体2は、左右方向を長手方向とする略直方体状である。筐体2の右部の前側には、プリンタ1の操作を行うための操作部(図示略)が設けられている。操作部は、ディスプレイ及び操作ボタンを備える。ディスプレイは、各種情報を表示する。操作ボタンは、作業者がプリンタ1の各種動作に関する指示を入力する際に操作される。
プラテン駆動機構6は、前後方向に延びる一対のガイドレール(図示略)を内部に備える。一対のガイドレールは、プラテン5及びトレイ4を前後方向に搬送可能に支持する。プラテン駆動機構6は、後端部に設けられたモータ(図示外)を駆動源として、プラテン5及びトレイ4を、一対のガイドレールに沿って筐体2の前後方向に移動する。プラテン5は、筐体2の前後方向を長手方向とする平面視略長方形状の板状である。プラテン5は、後述する枠体10の下方に設けられている。プラテン5の上面には、例えばTシャツ等の布帛である印刷媒体が載置される。トレイ4は、平面視矩形状であり、プラテン5の下方に設けられている。トレイ4は、作業者がTシャツ等をプラテン5に載置する際に、Tシャツのそで等を受けることで、そで等が筐体2内部に落ちないように保護する。
枠体10は、平面視略長方形状の枠状である。枠体10は、筐体2の上部に設置される。枠体10は、ガイドシャフト9と、レール11とを内側において夫々支持する。ガイドシャフト9は、左右方向に延びる軸部材である。レール11は、ガイドシャフト9に対向して配置され、左右方向に延びる棒状部材である。ガイドシャフト9とレール11とは、互いに前後方向に離間している。
キャリッジ20は、ガイドシャフト9に沿って左右方向に搬送可能に支持されている。ヘッドユニット100,200は、キャリッジ20に搭載される。ヘッドユニット100,200夫々の底面には、ヘッド部(図示略)が設けられている。該ヘッド部は複数個の微細なノズルを備えており、圧電素子の駆動によりノズルから下向きにインクの液滴を吐出する。
駆動ベルト101は、枠体10の内側において、左右方向に沿って架け渡される帯状である。駆動ベルト101は、可撓性を有する樹脂製である。駆動モータ19は、枠体10の内側の前方右側に設けられる。駆動モータ19は、前後方向においてガイドシャフト9とレール11との間に設けられる。駆動モータ19は、正逆回転可能であり、駆動ベルト101を介して、キャリッジ20と連結されている。駆動モータ19が駆動ベルト101を駆動させると、キャリッジ20が左右方向(主走査方向)に往復移動し、ヘッドユニット100,200夫々のヘッド部が左右方向に往復移動する。プラテン5が印刷媒体を前後方向(搬送方向、副走査方向)に搬送しながら、左右方向に往復移動するヘッド部からインクが吐出されることで、プリンタ1による印刷媒体への印刷が行われる。
プリンタ1の右側には、カートリッジ装着部8が設けられている。カートリッジ装着部8は、図示略の筐体によって支持されている。ヘッドユニット100,200の夫々のヘッド部には、カートリッジ装着部8に装着されたカートリッジ3からインクが供給される。カートリッジ装着部8には、複数(本実施形態では、6つ)のカートリッジ3をセット可能である。カートリッジ装着部8の前部に設けられた枠部38には、カートリッジ3を出し入れ可能な上下方向に3列、左右方向に2列の開口部120が設けられている。カートリッジ3がカートリッジ装着部8に装着されると、カートリッジ3に収容された液体収容体31の口栓7(図2参照)に配置されたゴム栓(図示略)に、液体収容体31から液体を導出するための中空針(図示略)が刺さる。これによって、カートリッジ3はカートリッジ装着部8にセットされる。
カートリッジ3を説明する。以下では、図2の上方、下方、右下方、左上方、右上方、及び左下方を、各々、カートリッジ3の上方、下方、前方、後方、右方、及び左方と定義して説明する。図9は液体収容袋13の図示を省略している。図11は、軸部43の軸支部431及び連結軸436を仮想線で示している。図2及び図3に示すように、カートリッジ3は、液体収容体31と、液体収容体31を内部に収容するケース32とを備えている。
図4及び図5に示すように、液体収容体31は液体収容袋13及び口栓7を備えている。液体収容袋13は、可撓性を有する長方形状の樹脂性の二枚のシート13A,13Bを、夫々の一面同士が対向した状態で重ね合わせ、周縁部分を熱溶着(熱シール)によって接続することで形成された袋状の容器である。液体収容袋13は前後方向に延びる。以下の説明において、液体収容袋13の前端部を第一端部131という。液体収容袋13の後端部を第二端部132という。
液体収容袋13は、液体収容部133、及び延伸部134を備えている。液体収容部133の内部には、液体が収容される。液体には、インク、及び、布帛が染められた色を脱色する抜染材等、種々の液体を用いることができる。本実施形態の液体はインクである。延伸部134は、液体収容袋13におけるインクを収容しない部位である。延伸部134は、液体収容袋13の第二端部132に設けられ、且つ液体収容部133から後方向に延びる。第一端部131におけるシート13A,13Bの間には、口栓7の挿通部76が挿通されている。第一端部131には、挿通部76に沿って湾曲することでシート13A,13Bが互いに離れる方向(上下方向)に湾曲して形成された湾曲領域146が設けられている。湾曲領域146は、挿通部76よりも後方向に延びる。
口栓7は、液体収容袋13の第一端部131に接続され、前後方向に延びる。口栓7は、先端部713、第一口栓突出部83、第二口栓突出部85、及び挿通部76を備えている。先端部713は、口栓7の前側に設けられ、且つ前後方向に延びる円筒状である。口栓7において、先端部713の正面視中央から後方に向けて、中空部712が設けられている。中空部712は、液体収容部133の内部と口栓7の外部とを連通する。中空部712は、その内部に配置されたゴム栓(図示外)によって、液体収容部133内のインクが漏れないように封止されている。
第一口栓突出部83及び第二口栓突出部85は、先端部713の後側に設けられている。第一口栓突出部83は、口栓7の右部に設けられている。第一口栓突出部83は、下方に延びた後、右斜め下方に延び、下端が下方に延びる。第一口栓突出部83の下端部の右部には、右方に突出する第一係合爪834が設けられている。第二口栓突出部85は、口栓7の左部に設けられている。第二口栓突出部85は、板状部材によって形成されており、口栓7に向かう右方に弾性変形する。第二口栓突出部85は、下方に延び、下端部で屈曲して上側に延びる。第二口栓突出部85の左側面には、左方に突起する第二係合爪856が設けられている。
ホルダ90は、口栓7の上部に設けられ、電気基板98を保持する。ホルダ90の後側には、載置部75が設けられている。載置部75は口栓7の周囲から外側に突出する鍔状である。挿通部76は、口栓7の後端部に設けられている。挿通部76は、前後方向に延びる円筒状であり、二枚のシート13A,13Bの間に配置されて液体収容部133の内部に挿通される。シート13A,13Bは、挿通部76に熱溶着される。なお、電気基板98はホルダ90に装着されていなくてもよい。
ケース32を説明する。図2及び図3に示すように、ケース32は、全体として前後方向に長い箱状の外観を有する。ケース32は、第一ケース33、第二ケース60、軸部43、弾性部材45、検出部46(図12参照)、切替部材205(図6参照)等を備えている。第一ケース33は、液体収容体31を支持する。第二ケース60は、第一ケース33の上側に配置される。第二ケース60は、第一ケース33に対して前後方向にスライド移動可能である。
第一ケース33を説明する。図6に示すように、第一ケース33は、支持壁部34、口栓支持部37、一対の側壁51,52、前壁部333、及び後壁部334等を備えている。支持壁部34は、前後左右方向に延びる壁部であり、且つ前後方向に長い矩形状である。支持壁部34の上面及び下面を夫々、第一内面344及び第一外面345という。一対の側壁51,52は夫々、支持壁部34の左辺部及び右辺部から上方に延びる、第一ケース33の左右両側の側壁である。後壁部334は、支持壁部34の後辺部に沿って上方に延びる、第一ケース33の後側の側壁である。後壁部334の左右両端部には、後壁部334の上端から下方に延びるスリット351,352が設けられている。
図6及び図9に示すように、左側の側壁51は、第一部位511、第二部位512、第三部位513、及び下支持部514を備えている。第一部位511は、第一内面344の左辺部から上方に延びる、側壁51の下側部分を構成する壁部である。第二部位512は、第一部位511の上端から左方に突出する部位である。第三部位513は、第二部位512の左端部から上方に延びる、側壁51の上側部分を構成する壁部である。第二部位512の後端部には、第二部位512から上方に突出する壁部である規制壁512A(図13(B)参照)が設けられている。
右側の側壁52は、第一部位521、第二部位522、第三部位523、及び下支持部524を備えている。第一部位521は第一内面344の右辺部から上方に延びる、側壁52の下側部分を構成する壁部である。第二部位522は、第一部位521の上端から右方に突出する部位である。第三部位523は、第二部位522の右端部から上方に延びる、側壁52の上側部分を構成する壁部である。第二部位522の後端部には、第二部位522から上方に突出する壁部である規制壁522Aが設けられている。
下支持部514,524は、互いに左右対称に設けられた、上向きに配置された複数の歯が前後方向に連続して並ぶラックギアである。下支持部514は、第二部位512の右縁部に設けられている。下支持部524は、第二部位522の左縁部に設けられている(図7参照)。下支持部514,524は夫々、後壁部334の若干前側から口栓支持部37の若干後側まで延びている。
図7及び図8に示すように、支持壁部34の前端部には、正面視矩形状の前壁部333が設けられている。前壁部333は、第一内面344の前端部における左右方向中央から、第一部位511,521の上端部と略同じ高さ位置まで上方に延びている。前壁部333の左右方向中央には、前壁部333の上辺部から円弧状に下方に凹む部位である逃がし部333Aが形成されている。
第一外面345には、上方に凹む二つの溝部361,362が設けられている。溝部361は、前壁部333の左側に設けられ、支持壁部34の前端部から後端部のやや前側まで延びる。溝部362は、前壁部333の右側に設けられ、支持壁部34の前端部から後端部のやや前側まで延びる。第一内面344における溝部361,362の上側の部位は、上方に突出して前後方向に延びる突出部363,364である(図9参照)。突出部363,364の上面には板状ゴムである滑止部材360が夫々貼り付けられているが、詳細は後述する。
図7に示すように、口栓支持部37は、支持壁部34の前縁部に設けられた、口栓7を支持する部位である。口栓支持部37は、第一開口部371,372、第二開口部391,392、開口壁部381,382、第一支持部346、及び第二支持部347を備えている。第一支持部346は、前壁部333の後方に設けられている。第一支持部346は、第一内面344から上方に突出した、平面視でT字状の板状部材である。第一支持部346は、正面視で逃がし部333Aよりも若干下側にある。第二支持部347は、第一支持部346の後側、且つ二つの溝部361,362の間に設けられている。第二支持部347は、支持壁部34から上方に延びる左右方向に長い壁部である。第二支持部347には、正面視でその上辺部から略半円状に下方に凹んだ凹部348が設けられている。凹部348は、正面視で逃がし部333Aよりも若干上側にある。
第一開口部371,372は夫々、第一支持部346の左右両側に設けられた、平面視矩形状の開口部である。第一開口部371は、溝部361及び突出部363に設けられ、支持壁部34を上下方向に貫通する。第一開口部372は、溝部362及び突出部364に設けられ、支持壁部34を上下方向に貫通する。開口壁部381は、第一開口部371の輪郭に沿って突出部363から上方に延び、且つ第一開口部371を上方から覆う板状部材である。開口壁部381は、右方に開口する側面視矩形状の第二開口部391を有する。第一開口部371及び第二開口部391は、開口壁部381内で連通している。開口壁部382は、第一開口部372の輪郭に沿って突出部364から上方に延び、且つ第一開口部372を上方から覆う板状部材である。開口壁部382は、左方に開口する側面視矩形状の第二開口部392を有する。第一開口部372及び第二開口部392は、開口壁部382内で連通している。
ケース凹部335は、突出部363,364の間の下方に凹む凹部である。ケース凹部335は、口栓支持部37の後側から支持壁部34の後端部の前側まで延びる。図8に示すように、ケース凹部335(図7参照)における口栓支持部37の後側には、支持壁部34を上下方向に貫通する開口部である装着開口部339が設けられている。装着開口部339の若干上側に、二つの凸部337を備えた装着板(図示外)が設けられている。二つの凸部337は、底面視で装着開口部339から露出し、且つ装着板(図示外)から左右に並んで下方に突出する。
図8に示すように、第一外面345の後端部には、外面凹部349が設けられている。外面凹部349は、底面視で左右方向に長い凹部である。作業者はカートリッジ3を開口部120(図1参照)から取り外す場合、例えば外面凹部349に指を掛けることで、カートリッジ3を開口部120から容易に引き出すことができる。
図6及び図8に示すように、第一部位511の右面の下端部に沿って、二つのスリット353が設けられている。二つのスリット353は、夫々、支持壁部34の前後方向略中央を挟んだ前後両側に設けられている。同様に、第一部位521の左面の下端部に沿って、二つのスリット354が設けられている。二つのスリット354は、二つのスリット353と左右対称に設けられている。各スリット353,354は、前後方向に延び、且つ支持壁部34を上下方向に貫通している。各スリット353,354は夫々、後述の押え板210,220を上下移動可能に支持する。なお、各スリット353,354は、後述の押え板210,220のバネ位置に応じて設けられればよい。
図6及び図7に示すように、第二支持部347の左右両側には、係止壁388,389が設けられている。係止壁388は、第一内面344から上方に延び、且つ第二支持部347と第一部位511との間を左右方向に延びる。係止壁389は、第一内面344から上方に延び、且つ第二支持部347と第一部位521との間を左右方向に延びる。係止壁388,389には、保持部398が設けられる。保持部398は、係止壁388の右端部及び係止壁389の左端部から夫々後方に延びる一対の板状体であり、後述の付勢部材230が固定される。後壁部334には、保持部399が設けられている。保持部399は、後壁部334の左右方向中央部から前方に突出する一対の板状体であり、後述の付勢部材240が固定される。
係止壁389の右端部上側には、スリット355が設けられている。第一部位521の後端部左側にも、スリット355が設けられている。これらのスリット355は、押え板310の前後両端部を上下移動可能に支持する。図示しないが、係止壁388の左端部上側には、スリットが設けられている。第一部位511の後端部右側にも、スリットが設けられている。これらのスリットは、押え板210の前後両端部を上下移動可能に支持する。
切替部材205を説明する。図6に示すように、切替部材205は押え板210,220及び付勢部材230,240を有する。押え板210は、上下前後方向に延びる枠状板である。押え板210の上下方向長さは、側壁51の上下方向長さよりも若干短い。押え板210の前後方向長さは、後壁部334から係止壁388(図7参照)までの前後方向距離と略等しい。押え板210には、スライド開口212、上支持部213、退避部214,215、二つの脚部216、及び係止孔217,218が設けられている。
スライド開口212は、側面視で押え板210の内側に設けられた、前後方向に延びる略矩形状の開口部である。スライド開口212は、押え板210を左右方向に貫通し、且つ押え板210の後端縁から前端縁まで延びている。スライド開口212の上辺部及び下辺部は、上下方向に対向して略平行に延びている。スライド開口212の上辺部のうちで、スライド開口212の前後方向両端部を除いた部位に、上支持部213が設けられている。
上支持部213は、下向きに配置された複数の歯が前後方向に連続して並ぶラックギアである。スライド開口212の下辺部から上支持部213までの上下方向距離は、後述の回転ギア431A(図9参照)の直径よりも若干大きい。スライド開口212の前後方向両端部には、退避部214,215が夫々設けられている。退避部214,215におけるスライド開口212の上辺部は、上支持部213よりも上方にある。退避部214,215の上下方向長さ及び左右方向長さは、何れも回転ギア431Aの直径よりも若干大きい。回転ギア431Aはスライド開口212内を前後方向に移動可能である。
二つの脚部216は、押え板210の前後方向略中央を挟んだ位置から下方に夫々突出する板状突起である。先述の二つのスリット353(図8参照)は、二つの脚部216に対応する位置に設けられる。二つの脚部216は二つのスリット353に挿脱可能である。係止孔217,218は夫々、押え板210の前後両側の下縁端に設けられた、前後方向に延びるスリットである。
押え板220は、押え板210と同一部材であり、スライド開口222、上支持部223、退避部224,225、二つの脚部226、及び係止孔227,228が設けられている。従って、回転ギア432Aはスライド開口222を前後方向に移動可能である。二つの脚部226は、二つのスリット354(図8参照)に対応する位置に設けられ、且つ二つのスリット354に挿脱可能である。
付勢部材230,240は、押え板210,220を第一ケース33に取り付けるための部材である。付勢部材230,240は、略左右方向に延びる同一の板バネであり、夫々保持部398,399に対して取り付けられる。付勢部材230の中央部には、前方に突出する固定用突起231が設けられている。付勢部材240の中央部には、後方に突出する固定用突起241が設けられている。
図6及び図9に示すように、押え板210は、第一部位511の右面に沿って、後壁部334と係止壁388(図7参照)との間に配置される。二つの脚部216は、夫々対応する二つのスリット353に挿入される。押え板220は、第一部位521の左面に沿って、後壁部334と係止壁389(図7参照)との間に配置される。二つの脚部226は、夫々対応する二つのスリット354に挿入される。これにより押え板210,220は夫々、第一部位511,521と左右方向に並んで配置される。
固定用突起231が保持部398に係止されることで、付勢部材230は左右方向にずれないように位置決めされる。保持部398は、固定用突起231とは反対側から付勢部材230を固定する爪部(図示外)を備える。保持部398の爪部によって、付勢部材230は前後方向にずれないように位置決めされる。付勢部材230の両端部は夫々、係止孔217,227に挿入される。保持部398は、係止孔217,227よりも下方で固定用突起231を保持する。従って付勢部材230は、正面視で中央部から両端部に向けて上方に湾曲する姿勢で保持される。係止孔217,227に挿入された付勢部材230の両端部は、湾曲した付勢部材230の弾性力によって、押え板210,220を下方に付勢する。
同様に、固定用突起241が保持部399に係止されることで、付勢部材240は左右方向にずれないように位置決めされる。保持部399は、固定用突起241とは反対側から付勢部材240を固定する爪部(図示外)を備える。保持部399の爪部によって、付勢部材240は前後方向にずれないように位置決めされる。付勢部材240の両端部は夫々、係止孔218,228に挿入される。保持部399は、係止孔218,228よりも下方で固定用突起241を保持する。従って付勢部材240は、正面視で中央部から両端部に向けて上方に湾曲する姿勢で保持される。係止孔218,228に挿入された付勢部材240の両端部は、湾曲した付勢部材240の弾性力によって、押え板210,220を下方に付勢する。
これにより押え板210,220は、第一内面344に接触した状態に保持される。二つの脚部216は二つのスリット353を介して、第一ケース33の下方に突出する。二つの脚部226は二つのスリット354を介して、第一ケース33の下方に突出する。押え板210,220は、各脚部216,226が下方から押圧されると、付勢部材230,240の弾性力に抗って上方に移動可能である。
軸部43を説明する。図6及び図9に示すように、軸部43は、軸本体430、軸支部431,432、及び連結軸436を備える。軸本体430は、左右方向に延びる円筒状である。軸本体430は、外周面433、軸凹部434、及び軸孔435を備える。本実施形態では、外周面433に滑り止め加工が施されている。滑り止め加工は、外周面433を滑り止め用の樹脂シートで覆ったり、外周面433に滑り止め用の表面加工を施こしたり、軸本体430自体が弾性部材(例えば、ゴム)であることが例示される。なお、外周面433に滑り止め加工が施されていなくてもよい。
軸凹部434は、外周面433の左右方向中央部に設けられ、外周面433よりも軸本体430の内側に若干凹む溝状である。軸孔435は、軸本体430の断面中心(回転中心)を左右方向に貫通する孔である。連結軸436は、軸孔435に挿通されている。軸孔435に挿通された連結軸436の両端部は、軸孔435から左右両側に突出する。軸本体430は、軸孔435に挿通された連結軸436の周りで回転可能である。
軸支部431,432は夫々、軸本体430の左右両端に設けられ、且つ軸本体430の回転中心と略同軸の部材である。軸支部431は、回転ギア431A及び突出部431Bを備える。回転ギア431Aは、下支持部514及び後述の上支持部213に噛み合うことが可能な複数の歯が周方向に形成された円盤状のギアである。回転ギア431Aの回転中心に、連結軸436の左端部が連結固定されている。突出部431Bは、回転ギア431Aの回転中心から左方に突出する、回転ギア431Aよりも小径の円柱体である。
同様に軸支部432は、回転ギア432A及び突出部432Bを備える。回転ギア432Aは、下支持部524及び後述の上支持部223に噛み合うことが可能な複数の歯が周方向に形成された円盤状のギアである。回転ギア432Aの回転中心に、連結軸436の右端部が連結固定されている。突出部432Bは、回転ギア432Aの回転中心と同軸で回転ギア432Aから右方に突出する、回転ギア432Aよりも小径の円柱体である。
なお、軸支部431は、連結軸436の左端部が挿入される連結孔を有する。軸支部432は、連結軸436の右端部が挿入される連結孔を有する。連結軸436の両端部には、平面部が夫々形成されている。軸支部431,432の各連結孔は、連結軸436の平面部に対応する断面形状を有する。軸支部431,432の各連結穴は、回転ギア431A,432Aが同位相となる状態でのみ、連結軸436の両端部を挿入可能である。
図9に示すように、第一ケース33内では、軸本体430が押え板210,220の間に配置される。下支持部514は、スライド開口212を介して右側に露出している。軸支部431は、軸本体430の左端から側壁51に向けて左方に突出して、スライド開口212に右側から挿入されている。回転ギア431Aは、スライド開口212内に配置され、かつ下支持部514に対して噛み合っている。第二部位512の上面には、前後方向に延びるリブ515が設けられている。突出部431Bは、リブ515の上側に配置されている。
同様に、下支持部524は、スライド開口222を介して左側に露出している。軸支部432は、軸本体430の右端から側壁52に向けて右方に突出して、スライド開口222に左側から挿入されている。回転ギア432Aは、スライド開口222内に配置された状態で、下支持部524に対して噛み合っている。第二部位522の上面には、前後方向に延びるリブ525が設けられている。突出部432Bは、リブ525の上側に配置されている。これにより軸部43は、外周面433が第一内面344よりも若干上側にある状態で、リブ515,525によって下方から支持される。回転ギア431A,432Aは、僅かにバックラッシがある状態で下支持部514,524に夫々噛み合っているため、軸部43の移動に伴って滑らかに回転可能である。なお、バックラッシがある状態とは回転ギア431A,432Aと下支持部514,524がはまりあって回転ギア431A,432Aが移動する際に、その移動を妨げないように、回転ギア431A,432Aと下支持部514,524の間に隙間を設けている状態のことである。
弾性部材45を説明する。図3及び図6に示すように、弾性部材45は、ケース凹部335の内側に配置された、定荷重又は変動荷重の板バネである。弾性部材45の前端部には、左右方向に並ぶ二つの丸孔部451が設けられている。ケース凹部335に配置された弾性部材45の前端部は、装着板(図示外)と装着開口部339との隙間に後方から挿入される。二つの凸部337が二つの丸孔部451内に嵌め込まれることで、弾性部材45の前端部は装着板(図示外)に固定される(図8参照)。装着板(図示外)から後方に延びる弾性部材45の後端部は、軸部43の軸凹部434に巻回される。弾性部材45は、前方に復元力を生じるように付勢されるため、軸本体430を介して軸部43全体を前方に付勢する。
第二ケース60を説明する。図6、図9及び図10に示すように、第二ケース60は、上壁部64、一対の側壁61,62、第一壁部65,66、溝部611,612、及び第二壁部67,68を備えている。上壁部64は前後左右方向に延びる壁部であり、且つ前後方向に長い矩形状である。上壁部64の上面及び下面を夫々、第二外面645及び第二内面644という。第二外面645の後端部には、下方に凹む部位である外面凹部641が設けられている。外面凹部641は、平面視で左右方向に長い矩形状である。作業者は、第二ケース60を第一ケース33に対してスライド移動させる場合、例えば外面凹部641に指を入れて第二ケース60を移動させる。
図10に示すように、第二ケース60の前端部には、前方に開口する開口部642が設けられている。第二ケース60の後端部には、後方に開口する開口部643が設けられている。一対の側壁61,62は夫々、上壁部64の左辺部及び右辺部に沿って下方に延びる、第二ケース60の左右両側の側壁である。一対の側壁61,62の下端部には、夫々、先端壁部613,623が複数設けられている。複数の先端壁部613,623は夫々、側壁61,62の各下端部から、第二ケース60の内側に向けて突出する。
第一壁部65は、側壁61の右側に側壁61に対向して設けられた壁部である。第一壁部66は、側壁62の左側に側壁62に対向して設けられた壁部である。第一壁部65,66は、液体収容袋13(図12参照)を中心に左右対称に設けられ、第二内面644から下方に延びる。第一壁部65,66は、上壁部64の後端部から前端部のやや後側まで延びる。第一壁部65,66の各下端部は、複数の先端壁部613,623よりも上方にある。
溝部611は、第一壁部65と側壁61との間に形成された、上方に凹む溝である。溝部612は、第一壁部66と側壁62との間に形成された、上方に凹む溝である。第一壁部65,66は夫々、液体収容袋13を中心として左右対称に設けられた第二壁部67,68に接続している。第二壁部67は、第一壁部65の前端部右側から前方に延びる壁部である。第二壁部68は、第一壁部66の前端部左側から前方に延びる壁部である。
図10及び図11に示すように、第一壁部65の前側下端部には、作用部171が設けられている。第一壁部65の下辺部651は、第一壁部65の後端部から作用部171まで直線状に延びる。作用部171は、下辺部651よりも下方に突出している。作用部171の後辺部は、下辺部651の前端部から前側下方に向けて、側面視で略円弧状に延びる。作用部171の上下方向長さは、少なくとも突出部431Bの半径よりも大きい。第二壁部67には、係止部173が設けられている。係止部173は、第二壁部67の右面から右方に突出し、且つ前後方向に延びる突起である。係止部173は、下辺部651よりも上方に設けられている。
なお、第一壁部66には、液体収容袋13を中心として第一壁部65の作用部171と左右対称に、作用部172が夫々設けられている。第二壁部68には、液体収容袋13を中心として第二壁部67の係止部173と左右対称に、係止部174が設けられている。
図9及び図10に示すように、例えば作業者が第二ケース60を第一ケース33に装着する場合、第二ケース60を第一ケース33に対して前側からスライド移動させる。これにより、第二ケース60が第一ケース33を上方から覆う。詳細には、一対の側壁61,62は夫々、一対の側壁51,52の外側に配置される。先端壁部613,623は夫々、第二部位512,522に係合する。第三部位513,523は夫々、溝部611,612の内側に配置される。第一ケース33の第一内面344と第二ケース60の第二内面644とは、上下方向に対向する。
図11に示すように、押え板210,220は、第二ケース60が第一ケース33に対して前側からスライド移動されると、係止部173は退避部214(図6参照)に進入し、且つ係止部174は退避部224に進入する。これにより、係止部173,174はスライド開口212,222内に夫々配置される。押え板210の左面は、係止部173よりも上側で、第二壁部67に面接触する。押え板220の右面は、係止部174よりも上側で、第二壁部68に面接触する。突出部431Bは、下辺部651の下側、且つ作用部171の後方に配置される。回転ギア431Aは、第二壁部67の後方、且つ第一壁部65よりも右側に配置される。回転ギア432Aは、作用部172の後方に配置される。
検出部46を概略的に説明する。図6及び図12に示すように、検出部46は、第一側板部47、第二側板部48、及び巻バネ461を備えている。第一側板部47は、その前端部に第一表示部473を備えている。第二側板部48は、その前端部に第二表示部483を備えている。巻バネ461は、第一側板部47と第二側板部48とに係合して、第一側板部47と第二側板部48を付勢する。
後述するように軸部43は、液体収容袋13を巻き取ってインクを口栓7へ向けて集めながら前方に進む。液体収容部133内のインクの残量が少ないほど、軸部43はより前側に移動する。軸部43の前方移動に伴って、突出部432B(図9参照)が第一側板部47と第二側板部48とに当接する。これにより、第一表示部473と第二表示部483との上下方向位置が移動する。検出部46は、第一表示部473と第二表示部483との上下方向位置によって、インクの残量を表示できる。
作業者がケース32に液体収容体31を装着する作業を説明する。図13は、ケース32に液体収容体31が装着されていない状態を示す。図14〜図16は、ケース32に液体収容体31が装着された状態を示す。図13〜図16において、図示外の回転ギア431A、突出部432B、作用部172、係止部173、上支持部213、退避部214,215、スリット353、第二部位522、及び規制壁522Aは、夫々、図中の回転ギア432A、突出部431B、作用部171、係止部174、上支持部223、退避部224,225、スリット354、第二部位512、及び規制壁512Aと、液体収容袋13を中心として左右対称に設けられている。図13(C)では、側面視で軸本体430を仮想線で示している。
図13に示す例では、ケース32に液体収容体31が装着されておらず、且つ、第二ケース60が閉鎖位置にある。図13(A)に示すように、閉鎖位置は、第二ケース60が第一ケース33の略全体を上方から覆う位置である。図13(B),(C)に示すように、第二壁部67,68は側面視で保持部398(図6参照)の若干後方に配置される。係止部173,174は、退避部214,224内に夫々配置される。作用部171,172は、側面視で退避部214,224の若干後側に夫々配置される。
図13(B)に示すように、軸部43は弾性部材45(図6参照)の付勢力によって、軸部43の可動範囲の前端部である第一位置まで移動している。第一位置は、軸部43の突出部431B,432Bが、閉鎖位置にある第二ケース60の作用部171,172に後方から夫々接触する位置である。第一位置にある軸部43は、突出部431B,432Bと接触する作用部171,172によって、前方への移動が規制される。回転ギア431A,432Aは夫々、退避部214,224の後側に配置され、下支持部514,524に噛み合う。
図13(C)に示すように、ケース32が平面上(例えば、テーブル上)に置かれていないため、脚部216,226が第一ケース33の下方に突出している。押え板210,220は、付勢部材230,240(図6参照)の付勢力によって下降位置に保持される。下降位置は、押え板210,220が第一内面344(図6参照)に上方から接触する位置である。本実施形態では、係止部173,174が夫々、退避部214,224にある場合、又は退避部215,225にある場合に、押え板210,220は下降位置に移動可能である。
押え板210が下降位置にある場合、係止部173はスライド開口212内で上支持部213よりも上方に配置され、且つ、上支持部213は回転ギア431Aの上端部よりも下方に配置される。同様に、係止部174はスライド開口222内で上支持部223よりも上方に配置され、且つ、上支持部223は回転ギア432Aの上端部よりも下方に配置される。図13(C)に示す例では、上支持部213,223の各前端部は、退避部214,224の後側において、回転ギア431A,432Aに上側から夫々噛み合うが、その作用は後述する。
図13(C)に示す例では、係止部173は退避部214内に配置され、且つ係止部173の前後は退避部214によって囲まれる。係止部174は退避部224内に配置され、且つ係止部174の前後は退避部224によって囲まれる。この状態で、第二ケース60を後方に付勢する外力が加えられた場合、係止部173,174が退避部214,224の周縁部に前方から夫々接触する(図11参照)。係止部173,174の後方移動が規制されるため、第一ケース33に対する第二ケース60の後方移動が規制される。
まず作業者は、図13に示すケース32を平面上に置く。本実施形態では、付勢部材230,240が押え板210,220を下方に付勢する付勢力は、少なくともケース32の自重よりも小さい。従って脚部216,226は、ケース32が置かれた平面に接触して、付勢部材230,240の弾性力に抗って上方に移動して、第一ケース33の内部に進入する。
これにより、押え板210,220は下降位置から上昇位置に移動する。上昇位置は、押え板210,220が第一内面344から上方に離れる位置である(図15(B),(C)参照)。押え板210が上昇位置にある場合、係止部173はスライド開口212内で上支持部213よりも下方に配置され、且つ、上支持部213は回転ギア431Aの上端部よりも上方に配置される。押え板220が上昇位置にある場合、係止部174はスライド開口222内で上支持部223よりも下方に配置され、且つ、上支持部223は回転ギア432Aの上端部よりも上方に配置される。
作業者は、押え板210,220が上昇位置にある状態で、第二ケース60を第一ケース33に対して後方にスライド移動させる。このとき、スライド開口212内では、係止部173が上支持部213の若干下側を通って、退避部214から後方に移動する。同様にスライド開口222内では、係止部174が上支持部223の若干下側を通って、退避部224から後方に移動する(図16(C)参照)。つまり、押え板210,220が上昇位置にある場合、第二ケース60の後方移動に対する規制が解除される。
作用部171,172は夫々、第二ケース60と連動して後方に移動し、突出部431B,432Bを後方に押圧する。これにより、突出部431Bは下辺部651と第二部位512の間を通って後方に移動する。同様に突出部432Bは、第二部位522の上側を通って後方に移動する。これにより、回転ギア431A,432Aは夫々、下支持部514,524と噛み合った状態で、回転しながら後方に移動する。回転ギア431A,432Aは、上支持部213,223の下側を通って移動するため、上支持部213,223と干渉しない。回転ギア431A,432Aの後方移動に伴って、軸本体430も後方に移動する。このとき軸本体430は、弾性部材45の付勢力によって回転しながら、後方に移動する。
なお、第二ケース60が閉鎖位置と後述の開放位置との間で前後方向にスライド移動する場合、第二ケース60の第一壁部65、66(図10参照)が、第一ケース33のスリット351,352(図6参照)の内側を夫々通過する。
図14(A)に示すように、作業者は第二ケース60を開放位置まで後方に移動させる。図14(B),(C)に示すように、第二ケース60が開放位置にある場合、第二壁部67,68は側面視で保持部399(図6参照)の若干前側に配置される。係止部173,174は、退避部215,225内に夫々配置される。作用部171,172は、側面視で規制壁512A,522Aの若干前側に夫々配置される。
図14(B),(D)に示すように、軸部43(図7参照)は弾性部材45の付勢力に抗って、軸部43の可動範囲の後端部である第二位置まで移動している。第二位置は、作用部171,172によって前側から押圧されている突出部431B,432Bが、第一ケース33の規制壁512A,522Aの前端部に夫々接触する位置である。第二位置にある軸部43は、突出部431B,432Bと接触する規制壁512A,522Aによって、後方への移動が規制される。回転ギア431A,432Aは夫々、退避部215,225内に配置され、下支持部514,524に噛み合う。
図14に示すように、作業者は第二ケース60を開放位置まで移動させたのち、ケース32を平面上(例えば、テーブル上)から持ち上げる。脚部216,226が第一ケース33の下方に突出することで、押え板210,220は下降位置に移動する。図14(C)に示す例では、係止部173は退避部215内に配置され、且つ係止部173の前後は退避部215によって囲まれる。係止部174は、退避部225内に配置され、且つ係止部174の前後は退避部225によって囲まれる。この状態で、第二ケース60を前方に付勢する外力が加えられた場合、係止部173,174が退避部215,225の周縁部に後方から夫々接触する。係止部173,174の前方移動が規制されるため、第一ケース33に対する第二ケース60の前方移動が規制される。
次に作業者は、図14に示すように、第一ケース33内に液体収容体31を収容する。具体的には、図7及び図12に示すように、作業者は液体収容袋13を、第一ケース33における口栓支持部37の後方に配置する。作業者は、第二口栓突出部85を口栓7側に弾性変形させながら、口栓7を第一支持部346及び第二支持部347に上方から配置する。このとき作業者は、第一口栓突出部83を第一開口部372に挿入して、第一係合爪834を溝部362に係合する。作業者は、弾性変形した第二口栓突出部85の第二係合爪856(図5参照)を、第二開口部391に係合する。これにより、口栓7が口栓支持部37に支持される。液体収容袋13のシート13B(図5参照)は、第一内面344上に載置され、且つ、左右に並ぶ二つの滑止部材360と面接触する。
なお、第一開口部371,372は、第一支持部346を中心として左右対称に設けられている。第二開口部391,392は、第一支持部346を中心として左右対称に設けられている。例えば第一支持部346に対して、第一口栓突出部83を左側に配置し、且つ第二口栓突出部85を右側に配置した場合、第一口栓突出部83の第一係合爪834は第一開口部371に係合し、且つ第二口栓突出部85の第二係合爪856は第二開口部392に係合する。
次に作業者は、図14に示すケース32を平面上に置く。先述と同様に、押え板210,220は下降位置から上昇位置に移動する。図15(A)に示すように、作業者は、押え板210,220が上昇位置にある状態で、第二ケース60を第一ケース33に対して前方にスライド移動させる。図15(C)に示すように、スライド開口212内では、係止部173が上支持部213の若干下側を通って、退避部215から前方に移動する。同様にスライド開口222内では、係止部174が上支持部223の若干下側を通って、退避部225から前方に移動する。つまり、押え板210,220が上昇位置にある場合、第二ケース60の前方移動に対する規制が解除される。
図15(B),(D)に示すように、作用部171,172は夫々、第二ケース60と連動して前方に移動する。これに伴って、軸本体430は弾性部材45の付勢力によって、第二位置から前方に回転しながら移動する。これにより、突出部431Bは下辺部651と第二部位512の間を通って前方に移動する。同様に、突出部432Bは第二部位522の上側を通って前方に移動する。図15(C)に示すように、回転ギア431A,432Aは夫々、下支持部514,524と噛み合った状態で、回転しながら前方に移動する。このとき、回転ギア431A,432Aは、上支持部213,223の下側を通って移動するため、上支持部213,223と干渉しない。
図15(D)に示すように、第二位置から前方に回転しながら移動する軸本体430は、液体収容袋13を第二端部132から前側に向けて巻き取る。軸本体430は、インクが配置されていない延伸部134を巻き取った後、液体収容部133を後方から巻取る。液体収容部133内のインクは、液体収容部133の巻取りに伴って、口栓7に向かって前方に押される。軸部43は、弾性部材45の付勢力と、液体収容部133の反発力とが等しくなる位置で停止する。
図15(C)に示すように、第二ケース60が閉鎖位置と開放位置との間にある場合、係止部173,174は上支持部213,223の直下に夫々配置される。この状態でケース32が平面から離れた場合、上昇位置から下方に移動する押え板210,220は、係止部173,174によって下方から支持される。係止部173,174は、回転ギア431A,432Aよりも上側で、上支持部213,223を夫々支持する。つまり第二ケース60が閉鎖位置と開放位置との間にある状態では、上支持部213,223が回転ギア431A,432Aに干渉しないため、軸部43は前後方向に移動可能である。
仮に第二ケース60のスライド移動中に軸部43の移動が規制された場合、軸部43の突出部431B,432Bが第二ケース60の作用部171,172を係止して、第二ケース60のスライド移動を妨げる虞がある。上記のように本実施形態では、第二ケース60のスライド移動中は軸部43の移動は規制されないため、第二ケース60のスライド移動が妨げられる虞がない。
図16(A)に示すように、作業者は第二ケース60を閉鎖位置まで前方に移動させる。図16(B),(C)に示すように、第二壁部67,68は保持部398(図6参照)よりも若干後方に配置される。係止部173,174は、退避部214,224内に夫々配置される。作用部171,172は、側面視で退避部214,224の若干後側に夫々配置される。以上により、液体収容体31がケース32に装着されたカートリッジ3が完成する。
その後、作業者は、カートリッジ3を平面から持ち上げる。押え板210,220は上昇位置から下降位置に移動する。図16(C)に示すように、係止部173は退避部214内に配置され、且つ係止部173の前後は退避部214によって囲まれる。係止部174は退避部224内に配置され、且つ係止部174の前後は退避部224によって囲まれる。これにより、先述と同様に、第一ケース33に対する第二ケース60のスライド移動が規制される。
更に図16(C)に示すように、上支持部213,223は回転ギア431A,432Aに夫々噛み合う。つまり、上支持部213及び下支持部514は、回転ギア431Aを上下方向から挟む。上支持部223及び下支持部524は、回転ギア432Aを上下方向から挟む。これにより、回転ギア431A,432Aの回転(つまり、軸部43の前後移動)が規制される。
例えば、ケース32に加えられた外力(ケース32の振動等)が、軸部43を移動させるように作用する場合がある。液体収容部133内に満たされたインクの反発力が、軸部43を移動させるように作用する場合がある。このような場合でも、上記の構造によって軸部43の移動が規制される。また、回転ギア431A,432Aは同位相で回転するように、ラックギアである下支持部514,524と夫々噛み合っている。従って、ケース32に加えられた外力が加えられた場合でも、軸部43の軸線方向(連結軸436の延伸方向)が、適正な軸線方向(本実施形態では左右方向)からズレることを抑制できる。
以上のように、完成後のカートリッジ3がテーブルから離れると、カートリッジ3が自然に開放することが防止され、且つ軸部43の移動が規制される。従って作業者は、カートリッジ3を安定して持ち運びできる。例えば作業者はカートリッジ3をカートリッジ装着部8に装着する前に、カートリッジ3を揺動する。この場合、第二ケース60のスライド移動と軸部43の移動とを防止しつつ、液体収容部133内のインクが撹拌される。
その後、作業者は、カートリッジ3の前端側から開口部120に挿し込み、カートリッジ3をカートリッジ装着部8に装着する(図1参照)。カートリッジ3がカートリッジ装着部8内の底面に接触することで、押え板210,220は下降位置から上昇位置に移動する。軸部43の移動規制が解除される。前述したように、カートリッジ3に収容された液体収容体31の口栓7に配置されたゴム栓(図示略)に、液体収容体31から液体を導出するための中空針(図示略)が刺さる。なお、仮に前壁部333を高くすると、中空針はゴム栓に刺さる前に前壁部333に当たる虞がある。本実施形態では、前壁部333に形成された逃がし部333Aによって、中空針が前壁部333に当たることが抑制される。前壁部333は、中空針が刺されたゴム栓から漏れるインクがケース32の外部に流出することを抑制する。
プリンタ1(図1参照)で印刷動作が行われると、液体収容部133内のインクが中空針を介して液体収容体31の外部に導出され、プリンタ1のノズルから吐出される。液体収容部133からインクが導出されるのに伴って、軸部43は弾性部材45の付勢力によって、液体収容部133を巻き取りながら前方に移動する(図16(D)参照)。湾曲領域146(図4参照)は、湾曲領域146より後側の部位より巻き取り難いので、湾曲領域146において軸部43の移動が停止する。軸部43が停止した位置が、軸部43の移動の終了位置となる。
本実施形態では、左右に並ぶ二つの滑止部材360(図7参照)が、第一ケース33に収容された液体収容袋13のシート13B(図5参照)を下方から支持する。液体収容袋13のシート13Bと滑止部材360の摺動摩擦が大きくなるので、液体収容袋13が第一ケース33内部で前後左右方向にずれにくい。液体収容袋13が前後左右方向にずれにくいため、軸部43が前後左右方向にずれることも抑制される。従って軸部43は、液体収容体31を確実に巻き取ることができる。
更に、各滑止部材360は、第一ケース33に収容された液体収容体31を、湾曲領域146の若干後側から延伸部134の若干前側までの範囲で夫々支持する(図6参照)。軸本体430が液体収容部133を巻き取るのに伴って、巻き取られた液体収容部133を含む軸本体430の直径が増大する。仮に湾曲領域146の若干後側よりも前側に各滑止部材360が設けられた場合、軸本体430に巻き取られた液体収容部133と各滑止部材360との摺動摩擦が大きくなり、軸部43の移動を妨げる虞がある。本実施形態では、湾曲領域146の若干後側よりも前側には、各滑止部材360が設けられていない。軸本体430が液体収容部133の前端部まで巻き取ると、巻き取られた液体収容部133を含む軸本体430の全体は、各滑止部材360から前方に離れる。従って軸部43は、各滑止部材360によって阻害されることなく、液体収容部133の前端部をスムーズに巻き取りできる。
以上説明したように、本実施形態のケース32は、第一ケース33、軸部43、下支持部514,524、上支持部213,223、及び切替部材205を備える。第一ケース33は、液体収容体31を支持する支持壁部34、支持壁部34の前端部に設けられて口栓7を支持する口栓支持部37、支持壁部34に支持される液体収容体31を挟んで支持壁部34の両側に配置される側壁51,52を備える。左右方向に延びる軸部43は、軸部43の端部から軸部43と略同軸で側壁51,52に向けて突出する軸支部431,432を有する。軸部43は、後方へ復元力を生じるように付勢される弾性部材45の後端部と係合して、弾性部材45の付勢力で前方へ移動可能である。下支持部514,524は、側壁51,52に設けられ、前後方向に延びて軸支部431,432を支持する。上支持部213,223は、軸支部431,432を挟んで下支持部514,524とは反対側に設けられ、下支持部514,524との間で軸支部431,432を挟持可能である。切替部材205は、上支持部213,223が設けられ、上支持部213,223が下支持部514,524との間で軸支部431,432を狭持する作用位置と、上支持部213,223が軸支部431,432から離隔する解除位置との間で、上支持部213,223の位置を切り替える。
これによれば、上支持部213,223が作用位置に切り替えられた場合、軸部43の移動が規制される。この場合、ケース32に外力が加えられても、軸部43のズレが生じにくい。一方、上支持部213,223が解除位置に切り替えられた場合、軸部43の移動規制が解除される。この場合、弾性部材45によって付勢される軸部43は、ケース32内部に収容された液体収容体31を巻き取り可能である。従ってケース32は、外力が加えられた場合でも液体収容体31を適正に巻き取り可能である。
切替部材205は、押え板210,220、付勢部材230,240、及び脚部216,226を有する。押え板210,220は、側壁51,52と左右方向に並んで配置され、上支持部213,223が作用位置である下降位置と、上支持部213,223が解除位置である上昇位置との間で移動可能である。付勢部材230,240は、押え板210,220を付勢することで、押え板210,220を下降位置に保持する。脚部216,226は、押え板210,220が下降位置にある場合に、第一ケース33に形成された開口部を介して、第一ケース33から突出する。押え板210,220は、脚部216,226が押圧された場合、付勢部材230,240の付勢力に抗って下降位置から上昇位置に移動する。これによれば、開口部を介して第一ケースから脚部216,226が突出した状態である非押圧状態と、開口部を介して第一ケースから突出した脚部216,226を押圧した状態である押圧状態に応じて、押え板210,220を下降位置及び上昇位置に切り替えることで、上支持部213,223を作用位置と解除位置とに容易に切り替えできる。
押え板210,220は、前後方向に延びる開口であるスライド開口212,222を備える。軸支部431,432は、スライド開口212,222の内部において前後方向に移動可能である。上支持部213,223は、軸支部431,432と対向するスライド開口212,222の上辺部に設けられる。これによれば、押え板210,220の設置スペース内に上支持部213,223を配置できるため、ケース32の全体サイズを小型化できる。
付勢部材230,240は、板バネである。第一ケース33は、支持壁部34に設けられた、付勢部材230,240の第一部分が係合される保持部398,399を有する。押え板210,220は、付勢部材230,240の第二部分が係合される係止孔217,218,227,228を有する。これによれば、板バネを用いた簡易な構造で、押え板210,220を下降位置に付勢して、上支持部213,223を作用位置に保持できる。
付勢部材230,240が押え板210,220を付勢する付勢力は、少なくともケース32の自重よりも小さい。これにより、脚部216,226が平面に接触するようにカートリッジ3を置くことで、押え板210,220を上昇位置に移動させて、上支持部213,223を解除位置に切り替えできる。
軸支部431,432は、周方向に複数の歯が形成されたギアである。上支持部213,223及び下支持部514,524は、軸支部431,432が係合可能な複数の歯が前後方向に並んで形成されたラックである。これにより、上支持部213,223が作用位置に切り替えられた場合、軸支部431,432の回転を確実に規制できる。その結果、軸部43の回転及びズレを、より確実に防止できる。
なお、上支持部213,223及び下支持部514,524のうちの何れかが、軸支部431,432が係合可能な複数の歯が前後方向に並んで形成されたラックでもよい。この場合であっても、上支持部213,223が作用位置に切り替えられた場合、軸支部431,432の回転を確実に規制できる。また、上記実施形態において、上支持部213,223及び下支持部514,524が、軸部43が移動可能な前後方向の範囲に渡って形成される。そのため、液体収容部133内のインク残量によって軸部43がどの位置に移動していても、上支持部213,223が作用位置に切り替えられた場合、軸支部431,432の回転を確実に規制できる。
第二ケース60は、第一ケース33に対して前後方向にスライド移動する。係止部173,174は、第二ケース60に設けられ、押え板210,220に向けて突出する。退避部214,215,224,225は、押え板210,220に設けられた、係止部173,174を係止可能な部位である。押え板210,220が下降位置にある場合、退避部214,215,224,225が係止部173,174に接触することで、第二ケース60のスライド移動が規制される。押え板210,220が上昇位置にある場合、退避部214,215,224,225が係止部173,174から離隔することで、第二ケース60のスライド移動が可能になる。これにより、軸部43の回転が規制されている状態で、第二ケース60がスライド移動されることを防止できる。作業者は、上支持部213,223が解除位置に切り替えられた場合に、第二ケース60をスライド移動できる。
第二ケース60がスライド移動の開始位置と終了位置の間の位置にある場合、係止部173,174は解除位置にある上支持部213,223を支持する。第二ケース60がスライド移動の開始位置及び終了位置(例えば、開放位置及び閉鎖位置)の少なくとも一つにある場合、係止部173,174は上支持部213,223から離隔する。これにより、第二ケース60がスライド移動中である場合、上支持部213,223が解除位置から作用位置に切り替えられることを防止できる。第二ケース60のスライド移動中は軸部43の移動は規制されないため、第二ケース60のスライド移動が妨げられる虞がない。
上記実施形態において、ケース32は本発明の「カートリッジケース」の一例である。支持壁部34は本発明の「底壁」の一例である。口栓支持部37は本発明の「支持部」の一例である。側壁51,52は本発明の「側壁」の一例である。第一ケース33は本発明の「ケース本体」の一例である。軸部43は本発明の「軸部」の一例である。軸支部431,432は夫々、本発明の「軸支部」の一例である。下支持部514,524は夫々、本発明の「第一支持部」の一例である。上支持部213,223は夫々、本発明の「第二支持部」の一例である。切替部材205は、本発明の「切替部材」の一例である。押え板210,220は夫々、本発明の「可動体」の一例である。付勢部材230,240は夫々、本発明の「付勢部材」の一例である。脚部216,226は夫々、本発明の「突出部」の一例である。スライド開口212,222は夫々、本発明の「スライド開口」の一例である。保持部398,399は夫々、本発明の「第一バネ係合部」の一例である。係止孔217,218,227,228は夫々、本発明の「第二バネ係合部」の一例である。第二ケース60は本発明の「ケース蓋」の一例である。係止部173,174は夫々、本発明の「第一係止部材」の一例である。退避部214,215,224,225は夫々、本発明の「規制部」の一例である。係止部173,174は夫々、本発明の「第二係止部材」の一例である。滑止部材360は本発明の「滑止部材」の一例である。
本発明は、上記実施形態に限定されず、各種変形が可能である。以下の第一〜第三変形例の説明では、上記実施形態に対応する構成は同一符号を用いて説明を省略し、上記実施形態と異なる点を説明する。図7及び図17を参照して、第一変形例に係るケース32を説明する。第一変形例のケース32は、押え板210,220(図6参照)、及び付勢部材230,240(図6参照)を備えていない。第一変形例の第二ケース60は、第一壁部65,66(図10参照)及び第二壁部67,68(図10参照)を備えていない。
第一変形例のケース32では、上記実施形態と同様に、液体収容体31がケース32内に収容される。突出部431B,432Bは夫々、リブ515,525の各上側に配置されている。回転ギア431A,432Aは同位相で回転するように、ラックギアである下支持部514,524と夫々噛み合っている。軸部43は弾性部材45の付勢力によって、液体収容部133(図4参照)を巻き取りながら前方に移動する。
第一変形例によれば、軸支部431,432は、周方向に複数の歯が形成されたギアである。下支持部514,524は、軸支部431,432が係合可能な複数の歯が前後方向に並んで形成されたラックである。ケース32に外力が加えられた場合であっても、水平方向の外力や多少の振動であれば、軸部43が前後方向にずれるのを防止できる。従ってケース32は、外力が加えられた場合でも確実に液体収容部133を巻き取り可能である。
なお、第一変形例のケース32は、第二ケース60を備えなくてもよい。第一変形例の第二ケース60は、第一壁部65,66(図10参照)及び第二壁部67,68(図10参照)を備えてもよい。第一壁部65,66及び第二壁部67,68と下支持部514,524の間に軸支部431,432を配置することで、ケース32に外力が加えられた場合であっても、より確実に軸部43がずれるのを防止できる。
図18を参照して、第二変形例に係るケース32を説明する。第二変形例のケース32は、第一壁部65,66(図10参照)を備えていない。この場合でも、第二変形例のケース32は、押え板210,220を備えているので、上記実施形態と同様の効果を奏する。即ち、上支持部213,223(図6参照)が作用位置に切り替えられた場合、軸部43の移動が規制されるため、ケース32に外力が加えられても軸部43のズレが生じにくい。上支持部213,223が解除位置に切り替えられた場合、弾性部材45によって付勢される軸部43は、ケース32に外力が加えられた場合でも液体収容体31(図12参照)を適正に巻き取り可能である。
図19及び図20を参照して、第三変形例に係るケース32を説明する。第三変形例の第二ケース60では、第一ケース33の支持壁部34に対向する第二内面644に、板状ゴムである滑止部材370が貼り付けられている。滑止部材370は、第二内面644の左右方向略中央において前後方向に延びる。滑止部材370は、第一ケース33に収容された液体収容体31に対して、湾曲領域146の若干後側から延伸部134の若干前側までの範囲で対向する。なお、回転ギア431A,432Aは、滑らかな周面を有する円盤状でもよい。下支持部514,524は、前後方向に延びる平板状でもよい。
第三変形例のケース32は、上記実施形態と同様に滑止部材360を備えているので、液体収容袋13(図12参照)が第一ケース33内部で前後左右方向にずれにくい。また、例えば作業者は、液体収容部133(図4参照)内のインクを撹拌するために、ケース32の上下方向を反転させてカートリッジ3を振る場合がある。この場合、第一ケース33内部では、液体収容袋13が支持壁部34から浮き上がり、第二内面644にある滑止部材370に接触する。このとき滑止部材370は、液体収容袋13が前後左右方向にずれることを防止するため、軸部43が前後左右方向にずれることも抑制される。従って軸部43は、液体収容体31を確実に巻き取ることができる。第三変形例において、第二内面644は本発明の「上壁」の一例である。滑止部材360,370は夫々、本発明の「第一滑止部材」及び「第二滑止部材」の一例である。
なお、上記実施形態及び変形例において、以下のような変形も可能である。ケース32の左側で軸部43の移動を規制する機構(上支持部213、下支持部514、回転ギア431A等)と、ケース32の右側で軸部43の移動を規制する機構(上支持部223、下支持部524、回転ギア432A等)のうち、何れか一つのみを設けてもよい。ケース32の左側で第二ケース60のスライド移動を規制する機構(退避部214,215、係止部173等)と、ケース32の右側で第二ケース60のスライド移動を規制する機構(退避部224,225、係止部174等)のうち、何れか一つのみを設けてもよい。
上支持部213は、ラックに限定されず、回転ギア431Aの回転を規制可能な部材(例えば、ゴム、樹脂等の弾性部材)でもよい。上支持部223も同様である。下支持部514は、ラックに限定されず、回転ギア431Aを支持可能な部材(例えば、前後方向に延びる平板)でもよい。下支持部524も同様である。回転ギア431Aは、円盤状のギアに限定されず、下支持部514に沿って移動可能な部材(例えば、滑らかな周面を有する円盤又は円柱)でもよい。回転ギア432Aも同様である。
ケース32は、係止部173,174を備えなくてもよい。この場合、第二ケース60が閉鎖位置と開放位置との間にある場合でも、ケース32が平面から離れた場合は、押え板210,220は下降位置に移動して、第二ケース60のスライド移動が規制される。
係止部173に代えて、第一係止部及び第二係止部を別々に設けてもよい。第一係止部は、第二ケース60が閉鎖位置と開放位置との間にある場合に、押え板210が下降位置に移動しないように係止する部位である。第二係止部は、第二ケース60が閉鎖位置又は開放位置にある場合に、第二ケース60のスライド移動を係止する部位である。係止部173に代えて、第一係止部及び第二係止部の少なくとも一つを設けてもよい。係止部174も同様である。
脚部216は、押え板210に一つ設けてもよいし、押え板210に三つ以上設けてもよい。脚部216は、ケース32の下方に突出するのに代えて、ケース32の上方、前方、後方、左方、右方の何れかに突出してもよい。例えば脚部216がケース32の前方に突出する場合、作業者が脚部216を上下方向に操作するのに応じて、押え板210が上昇位置と下降位置とに変位してもよい。脚部226も同様である。
上支持部213は、押え板220に設けられなくてもよい。例えば上支持部213は、独立した単独の部材として設けられてもよいし、押え板220とは異なる部材に設けられてもよい。上支持部213は、ケース32の側面に設けられたボタン(図示外)の操作に応じて、機械的又は電動的な機構によって作用位置及び解除位置に移動されてもよい。上支持部223も同様である。
付勢部材230,240は、板バネではなく、他の弾性体(例えば、コイルバネ)でもよい。付勢部材230,240は、第一ケース33とは別体でなく、第一ケース33と一体成形されてもよい。軸支部431は、回転ギア431A及び突出部431Bのうち、回転ギア431Aのみを備えてもよい。軸支部432は、回転ギア432A及び突出部432Bのうち、回転ギア432Aのみを備えてもよい。