JP2017042995A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体を収容する液体収容体に設けられる注入口を閉塞する閉塞部材及び注入口を覆うカバーを備えつつも手間がかかることなく液体収容体に液体を注入できる記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置12は、用紙に対してインクを吐出することで記録を行う記録ヘッドと、少なくとも記録ヘッドを収容するケース15と、ケース内を露出する開き位置と露出させない開じ位置との間で開閉可能な読取装置13と、記録ヘッドに供給されるインクを収容する液体収容室33及びその液体収容室内に外部からインクを注入可能とする注入口34を有する液体収容体30と、注入口に接触することで注入口を閉塞する閉塞部材52と、注入口を露出させる開位置と露出させない閉位置との二位置間で開閉可能に設けられるカバー50と、を備え、閉塞部材は、カバーに取り付けられている。
【選択図】図10

Description

本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの記録装置に関する。
従来から、媒体の一例である用紙に対して液体の一例であるインクを吐出することで記録を行う記録ヘッドを備えたインクジェット式のプリンター(記録装置)が知られている。そして、このようなプリンターのなかには、記録ヘッドに供給されるインクを収容するインクタンク(液体収容体)を備えるものがある。例えば、特許文献1には、インクタンクに設けられた液体注入口を介してインクタンク内にインクを注入することが可能なインクタンクを備えたプリンターが記載されている。
特開2012−20495号公報
ところで、特許文献1のプリンターが備えるインクタンクには、インクタンクに収容されるインクが液体注入口から漏れ出すことを抑制するために、液体注入口を閉塞するゴム製の栓部材(閉塞部材)が設けられている。また、液体注入口を閉塞する栓部材が、インクタンクの内圧の上昇や外部からの衝撃などによって不意に脱落してしまう虞を低減するために、栓部材が装着された液体注入口を覆うカバーを開閉可能に備える構成が一般的に知られている。しかし、液体注入口を閉塞する栓部材に加えて液体注入口を覆うカバーも備える構成においては、インクタンクにインクを注入する際に、カバーを開けたうえで液体注入口から栓部材を取り外す必要があるため、インクの注入に手間がかかるという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体を収容する液体収容体に設けられる注入口を閉塞する閉塞部材及び注入口を覆うカバーを備えつつも手間がかかることなく液体収容体に液体を注入できる記録装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する記録装置は、媒体に対して液体を吐出することで記録を行う記録ヘッドと、少なくとも前記記録ヘッドを収容する筐体と、前記筐体内を露出する開き位置と露出させない閉じ位置との間で開閉可能な開閉部材と、前記記録ヘッドに供給される前記液体を収容する液体収容室及びその液体収容室内に外部から前記液体を注入可能とする注入口を有する液体収容体と、前記注入口に接触することで前記注入口を閉塞する閉塞部材と、前記注入口を露出させる開位置と露出させない閉位置との二位置間で開閉可能に設けられるカバーと、を備え、前記閉塞部材は、前記カバーに取り付けられている。
この構成によれば、液体収容体の注入口を覆うカバーの開閉動作に連動して、注入口を閉塞する閉塞部材の注入口に対する接触動作及び離間動作が行われる。すなわち、カバーを開けると、注入口から閉塞部材が離間するため、カバーを開ける動作だけで液体収容室内に液体を注入することが可能となる。したがって、液体を収容する液体収容体に設けられる注入口を閉塞する閉塞部材及び注入口を覆うカバーを備えつつも手間がかかることなく液体収容体に液体を注入できる。
上記記録装置において、前記閉塞部材は、前記カバーに対して着脱可能に取り付けられていることが好ましい。
この構成によれば、例えば閉塞部材が劣化した場合などに、その閉塞部材を適宜交換することができる。
上記記録装置において、前記閉塞部材は、弾性変形可能な弾性部材で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、閉塞部材は、液体収容体の注入口に対して弾性変形を伴って接触できるため、シール機能が向上され、好適に注入口を閉塞できる。
上記記録装置においては、前記液体収容体が複数設けられ、前記カバーには、複数の前記液体収容体における前記注入口と対応する複数の前記閉塞部材が取り付けられていることが好ましい。
この構成によれば、カバーを開けることで、複数の注入口をそれぞれ閉塞している複数の閉塞部材を一度に注入口から離間させることができるため、複数の液体収容体に液体を注入する際の手間を低減できる。
上記記録装置においては、前記液体収容体が複数設けられ、前記カバーには、複数の前記液体収容体における複数の前記注入口を閉塞可能な一つの閉塞部材が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、カバーを開けることで、複数の注入口を一括して閉塞している一つの閉塞部材を全ての注入口から同時に離間させることができるため、複数の液体収容体に液体を注入する際の手間を低減できる。
上記記録装置において、前記筐体は、少なくとも前記液体収容体の一部をさらに収容し、前記カバーは、前記筐体に対して回動可能に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、例えばスライドさせることでカバーを開閉するような構成と比較して、容易にカバーを開閉させることができる。
上記記録装置において、前記カバー及び前記筐体の何れか一方には、係合部が設けられ、他方には、前記係合部と係合可能な被係合部が設けられ、前記係合部は、前記カバーが閉位置にあるときに被係合部と係合することが好ましい。
この構成によれば、係合部が被係合部に係合することで、衝撃や振動等により容易にカバーが開いてしまう虞を低減できる。
上記記録装置において、前記筐体には、前記筐体内において前記記録ヘッドにより記録された前記媒体が前記筐体外へ排出される排出口が開口され、前記液体収容体は、前記筐体内において前記排出口が設けられる側であって且つ前記筐体内の隅となる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、筐体内のスペースを有効に活用でき、筐体内に配置される液体収容体に液体を注入し易い構成とすることができる。
上記記録装置において、前記筐体には、記録装置の操作を行うための操作部が設けられ、前記液体収容体は、前記筐体内において前記操作部が設けられる側であって且つ前記筐体内の隅となる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、筐体内のスペースを有効に活用でき、筐体内に配置される液体収容体に液体を注入し易い構成とすることができる。
上記記録装置において、前記筐体は、前記液体収容体の前記液体収容室内に収容されている前記液体の液量を視認可能な視認部を備えることが好ましい。
この構成によれば、視認部により液体収容室内に収容されている液体の残量を確認できるため、適切なタイミングで液体収容体に液体を注入することができる。
複合機の一実施形態を示す斜視図。 読取装置が開き位置に位置する状態の複合機を示す斜視図。 読取装置が開き位置に位置する状態の複合機を一部破断して示す側面図。 カバーを示す斜視図。 複数の閉塞部材のうち一の閉塞部材を取り外した状態のカバーを示す斜視図。 カバーの軸を示す図2の一部拡大図。 カバーの係合部を示す図2の一部拡大図。 読取装置が閉じ位置に位置する状態の複合機を一部破断して示す側面図。 読取装置が開き位置に位置した状態でカバーが開位置に位置するときの複合機を示す斜視図。 読取装置が開き位置に位置した状態でカバーが開位置に位置するときの複合機を一部破断して示す側面図。 カバーの変形例を示す図。 カバーの変形例を示す図。 カバーの変形例を示す図。 閉塞部材の変形例を示す図。 カバーの変形例を示す図。 複合機の変形例を示す図。
以下、記録装置の一種であるインクジェット式プリンターを備える複合機について図を参照して説明する。
図1に示すように、複合機11は、媒体の一例である用紙Pに記録を行う記録装置12と、画像の読み取りを行う読取装置13とを備えている。記録装置12は、複合機11の操作を行うための操作部14が一面に設けられた直方体状のケース(筐体)15を備え、鉛直方向Zにおいてこのケース15の上方に、読取装置13が配置されている。また、複合機11において操作部14が設けられた側である前面側とは反対側となる複合機11の背面側にはヒンジ部16が設けられ、このヒンジ部16を介して、記録装置12及び読取装置13は、互いに連結されている。なお、操作部14は、記録装置12の記録動作や、読取装置13の読取動作など、各種動作を複合機11に行わせるために、例えば電源ボタン、操作ボタンなどを備える。
操作部14が設けられるケース15の前面であって、操作部14の下方には、記録装置12により記録が行われた用紙Pが排出される排出口17が開口している。さらに、排出口17の下方には、記録装置12の前方に向けて引き出し可能な排出トレイ18が設けられている。一方、ケース15の背面には、ケース15内に用紙Pを給送するための給送口が設けられている(不図示)。この給送口からケース15内に給送された用紙Pは、ケース15内で記録が行われた後、排出口17から排出され、排出トレイ18に載置される。すなわち、記録装置12の背面から前面に向かう方向が、用紙Pの搬送方向Yとなっている。
ケース15の前面であって、排出口17と隣り合う位置(図1において右側)には、ガラスやプラスチック等の透明な材料によりケース15の外装の一部を構成することでケース15内の一部を視認可能とする視認部19が設けられている。そして、この視認部19により外部から視認可能となる位置、すなわちケース15内であって、記録装置12の前面寄り且つ端部寄り(図1において右端)となる位置には、液体の一例であるインクを収容する液体収容体30が設けられている。この液体収容体30は、記録装置12の長手方向(図1において左右方向)に沿って複数並んで設けられている(本実施形態においては二つ)。すなわち、液体収容体30はケース15に収容されている。具体的には、ケース15内において、操作部14及び排出口17が設けられる側であるケース15の前面側であって、且つ直方体状をなすケース15の隅となる位置に液体収容体30が配置されている。
液体収容体30は、箱形状を有する容器であって、記録装置12が用紙Pに対して記録を行う際に用いるインクを収容する所謂インクタンクとして構成されている。また、液体収容体30は、透明もしくは半透明の樹脂で形成され、収容するインクの残量を確認可能に構成されている。そして、ケース15内において視認部19と対向する液体収容体30の前面には、液体収容体30が収容可能なインクの上限量を示す上限目盛31が形成されている。複合機11において、この上限目盛31は、視認部19を介してケース15の外側から視認可能となっている。
図2に示すように、読取装置13は、記録装置12に対してヒンジ部16を支点に回動可能に設けられ、ケース15内(すなわち記録装置12内部)を露出する開き位置と、ケース15内を露出しない閉じ位置との二位置間で開閉可能に構成されている。つまり、読取装置13は、ケース15に対して開閉する開閉部材として機能する。そして、複合機11の前面側であって、複合機11の長手方向において液体収容体30が配置されている側とは反対側の端部寄り(図1において左側)となる位置には、記録装置12に対して読取装置13を支持するリンク部20が、記録装置12と読取装置13との間に設けられている。このリンク部20により、開き位置に位置する読取装置13は、記録装置12に対して傾斜した姿勢が維持されている。本実施形態における複合機11においては、読取装置13を持ち上げることに連動してリンク部20が立ち上がる。
ケース15内には、用紙Pに対して記録を行う記録部40が設けられている。記録部40は、用紙Pの搬送方向Yと交差する走査方向Xに沿って延びるガイド軸41に沿って往復移動可能に設けられるキャリッジ42と、キャリッジ42の下面に取り付けられ、キャリッジ42に対向する用紙Pに対してインクを吐出する記録ヘッド43とを含んで構成されている。すなわち、記録装置12は、キャリッジ42が走査方向Xに沿って移動し、記録ヘッド43がインクを吐出することで、搬送される用紙Pに対して文字や画像等の記録を行う。なお、搬送方向Yと交差する走査方向Xは、複合機11の長手方向と一致する。
また、記録部40には、インクが流れる供給チューブ32が接続されている。ケース15内を延びる供給チューブ32は、その一端が記録部40に接続される一方で、その他端が液体収容体30に接続されている。すなわち、記録部40と液体収容体30は、供給チューブ32を介して接続され、この供給チューブ32により、液体収容体30に収容されているインクが、記録部40に供給される。なお、供給チューブ32は、液体収容体30に対してそれぞれ一本ずつ接続されているが、図の簡略化のために一本のみを図示している。
図2及び図3に示すように、ケース15内に配置される液体収容体30は、インクを収容する液体収容室33と、鉛直方向Zにおいて液体収容室33から上方に延びる注入口34とを備えている。注入口34は、液体収容体30の上部に開口して液体収容体30の外部と内部(=液体収容室33)とを連通している。すなわち、液体収容体30は、この注入口34を介して、液体収容室33内にインクを注入可能な構成となっている。なお、液体収容体30は、注入口34が記録装置12のケース15から露出可能な位置に設けられている。そして、液体収容室33内には、板状のリブ部材35が複数設けられている。このリブ部材35により、液体収容室33内に収容されるインクが供給チューブ32を介して記録部40に供給される際、リブ部材35に沿ってインクが流れることでインクが撹拌され、液体収容室33内におけるインクの滞留が抑制される。
液体収容体30の上方であって、注入口34と対向する位置には、注入口34を上方から覆うカバー50が設けられている。このカバー50は、記録装置12を上面視した際に、液体収容体30の注入口34が露出する開位置(図10参照)と、注入口34が露出しない閉位置(図2及び図3参照)との二位置間で開閉可能に設けられている。
カバー50は、閉位置に位置する状態においてケース15の前面と面一になって記録装置12の外装の一部を構成する外装面51を有している。そして、そのカバー50が閉位置に位置する状態において注入口34と対向するカバー50の一面には、注入口34に対して接触することで注入口34を閉塞する閉塞部材52が取り付けられている。すなわち、図3において注入口34と対向しているカバー50の一面は、閉塞部材52が取り付けられる取付面53となっている。閉塞部材52は、この取付面53から下方に向けて突出する突出部54に取り付けられている。すなわち、カバー50が閉位置に位置する状態において、閉塞部材52は、カバー50と注入口34とに挟まれるよう位置している。
図2、図4及び図5に示すように、カバー50は、外装面51と反対側となる背面側が開口した箱形状をしている。そして、カバー50の取付面53に取り付けられる閉塞部材52は、ケース15に収容される液体収容体30の数に応じて複数(本実施形態では二つ)設けられている。すなわち、閉塞部材52は、液体収容体30が有する注入口34の数に対応してカバー50に複数設けられ、一の閉塞部材52が一の注入口34をそれぞれ閉塞する構成である。また、閉塞部材52が複数設けられることに伴い、取付面53から突出する突出部54もまた複数設けられている(本実施形態においては二つ)。この突出部54は、円筒形状を有している。
そして、突出部54にそれぞれ取り付けられる閉塞部材52は、略半球形状となるドーム形状をなし、弾性変形可能な弾性部材(例えば、ゴム等のエラストマー)で構成されている(図3参照)。また、閉塞部材52は、突出部54に対して着脱可能に設けられている。
カバー50において、閉塞部材52が取り付けられる取付面53とは反対側となる面には、ユーザーが指を掛けるための指掛部55が切り欠き形成されている。すなわち、カバー50において指掛部55が形成される面は、指掛形成面56となっていて、この指掛形成面56において走査方向Xの中央且つカバー50の開口寄りとなる位置に指掛部55が形成されている。また、指掛形成面56は、指掛部55から外装面51側に向かって傾斜する傾斜面を含んでいる。
図4及び図5に示すように、走査方向Xにおいて、指掛部55を挟んだカバー50の両端には、カバー50から走査方向Xの一方側及び他方側に向かってそれぞれ突出する係合部57が形成されている。この係合部57は、走査方向Xにおいて指掛形成面56を挟んだカバー50の両側面において、カバー50の外装面51とは反対側で且つ指掛形成面56寄りとなる位置から突出している。
そして、同じくカバー50の両側面において、係合部57と対角をなす位置、すなわちカバー50の外装面51寄りで且つ取付面53寄りとなる位置には、走査方向Xに沿って延びる円柱状の軸58が形成されている。
図2及び図6に示すように、ケース15において、カバー50が有する軸58に対応する位置、すなわち記録装置12の前面寄り且つ端部寄り(図2において右端)となる位置には、ケース15を貫通する円形状の孔が、軸58の軸受21として形成されている。この軸受21は、軸58を回転可能に支持することで、軸58を中心にカバー50をケース15に対して回動可能に支持している。すなわち、カバー50が複合機11の前方に向けて回動することで、カバー50は閉位置から開位置に変位する(図9及び図10参照)。また、カバー50の軸58には巻きばね59が設けられていて、この巻きばね59によりカバー50は、常に開位置から閉位置に向かう方向に付勢されている。
図2及び図7に示すように、ケース15において、カバー50が有する係合部57に対応する位置、すなわち記録装置12の前面寄り且つ端部寄り(図2において右端)となる位置には、ケース15からカバー50側に向かって延びるように被係合部22が形成されている。カバー50が閉位置に位置する状態において、この被係合部22は、カバー50が有する係合部57と鉛直方向Zにおいて係合している。すなわち、係合部57が被係合部22に対して係合することで、閉位置に位置するカバー50は、開位置への変位が規制されている。
次に、上記のように構成された複合機11について、特に記録装置12が備える液体収容体30の注入口34を覆うカバー50の作用について説明する。
図8に示すように、複合機11は、記録装置12における紙ジャムの解消やメンテナンス等でケース15内にアクセス可能とされる必要があるため、読取装置13がヒンジ部16により記録装置12に対して回動可能とされている。そのため、記録装置12内部にアクセスする必要がない場合、読取装置13は閉じ位置に位置する。このとき、閉じ位置に位置する読取装置13は、液体収容体30の注入口34を覆うように閉位置に位置するカバー50の指掛形成面56に上方から接触し、カバー50を鉛直方向Zの下方に押圧する。カバー50が下方に押圧されることに伴い、カバー50の取付面53に取り付けられた閉塞部材52もまた下方に押圧される。すなわち、閉じ位置に位置する読取装置13は、カバー50を介して、カバー50に設けられた閉塞部材52を注入口34に対して押圧する。
閉塞部材52は、弾性変形可能な弾性部材で構成されているため、注入口34に向けて押圧されることで注入口34に密着し、注入口34に対するシール機能が向上したうえで注入口34を閉塞する。また、図6に示すように、カバー50は、軸58に設けられた巻きばね59により、閉塞部材52を注入口34に向かって押圧するように付勢されているため、より閉塞部材52の注入口34に対するシール機能が向上する。さらに、図7に示すように、閉位置に位置するカバー50は、係合部57が被係合部22に対して係合しているため、たとえ読取装置13が開き位置に位置する状態であったとしても、外部からの衝撃等によってカバー50が不意に閉位置から開位置に変位してしまう虞が抑制されている。すなわち、閉塞部材52による注入口34の閉塞状態が維持される。閉塞部材52が注入口34を閉塞することで、液体収容体30の液体収容室33内に収容されるインクの乾燥や、注入口34からのインクの漏れ、液体収容室33への塵埃の混入等が抑制される。
図3に示すように、記録装置12の紙ジャム解消やメンテナンス等を行うために、ケース15内にアクセスする必要が生じた際には、閉じ位置に位置する読取装置13を開き位置に変位させ、ケース15内を露出させる。なお、液体収容体30にインクを注入する場合も同様に読取装置13を開き位置に変位させる。
図9及び図10に示すように、液体収容体30の液体収容室33にインクを注入する際には、読取装置13を開き位置に位置させたうえで、閉位置に位置するカバー50を開位置に変位させる。カバー50を開位置に変位させる際には、指掛部55に指を掛け、記録装置12の前方に向かって引くことで、カバー50は軸58(軸受21)を中心に回動し、液体収容体30の注入口34が露出する。なお、閉位置に位置するカバー50は、係合部57が被係合部22と係合しているが、所定以上の力でカバー50を前方に引くと、係合部57が被係合部22を乗り上げ、係合部57と被係合部22とによる係合状態が解除される。
このとき、カバー50が開位置に変位することに伴い、注入口34に接触していた閉塞部材52が注入口34から離間し、注入口34が開放される。すなわち、カバー50を開ける動作一つで、液体収容体30の注入口34を覆うカバー50と、注入口34を閉塞する閉塞部材52とが共に注入口34から離間し、注入口34が開放され、液体収容室33内にインクを注入可能となる。
そして、液体収容体30へのインクの注入が完了した際には、インクの乾燥や空気中の塵埃が注入口34を介して液体収容室33内のインクに混入することを抑制するため、注入口34を閉塞部材52で閉塞し、閉塞された注入口34をカバー50で覆うことが好ましい。注入口34を閉塞可能な閉塞部材52は、カバー50に取り付けられているため、注入口34を閉塞するために閉塞部材52を接触させようとすると、これに連動してカバー50が開位置から閉位置に変位する。すなわち、カバー50を閉じる動作一つで、カバー50が注入口34を覆うとともに閉塞部材52が注入口34に接触し、注入口34が閉塞される。したがって、複合機11が備える記録装置12は、液体収容体30の注入口34を覆うカバー50の開閉動作に連動して、閉塞部材52による注入口34の開放及び閉塞が行われる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)液体収容体30の注入口34を覆うカバー50の開閉動作に連動して、注入口34を閉塞する閉塞部材52の注入口34に対する接触動作及び離間動作が行われる。すなわち、カバー50を開けると、注入口34から閉塞部材52が離間するため、カバー50を開ける動作だけで液体収容室33内にインクを注入することが可能となる。したがって、液体を収容する液体収容体30に設けられる注入口34を閉塞する閉塞部材52及び注入口34を覆うカバー50を備えつつも手間がかかることなく液体収容体30に液体を注入できる。
(2)カバー50の取付面53に取り付けられる閉塞部材52は着脱可能であるため、例えば閉塞部材52が劣化した場合などに、その閉塞部材52を適宜交換することができる。
(3)閉塞部材52は、液体収容体30の注入口34に対して弾性変形を伴って接触できるため、シール機能が向上され、好適に注入口34を閉塞できる。
(4)カバー50を開けることで、複数の注入口34をそれぞれ閉塞している複数の閉塞部材52を一度に注入口34から離間させることができるため、複数の液体収容体30に液体を注入する際の手間を低減できる。
(5)軸58を中心に回動することで開閉動作を行うカバー50は、例えばスライドさせることで開閉するような構成と比較して、容易にカバー50を開閉させることができる。
(6)係合部57が被係合部22に係合することで、衝撃や振動等により容易にカバー50が開いてしまう虞を低減できる。
(7)視認部19により液体収容室33内に収容されているインクの残量を確認できるため、適切なタイミングで液体収容体30にインクを注入することができる。
(8)巻きばね59により、注入口34に対する閉塞部材52のシール機能をより向上させることができる。
(9)液体収容体30に形成された上限目盛31によって、液体収容室33が収容可能なインクの上限を確認できる。そのため、注入口34を介して液体収容室33にインクを注入する際に、インクの入れ過ぎによって注入口34からインクが溢れ出すことを抑制できる。
(10)直方体状をなすケース15内において、液体収容体30が、ケース15の前面側且つ走査方向Xにおいて端部(図1においては右端)となる隅に配置されることで、ケース15内のスペースを有効に活用でき、また液体収容体30にインクを注入し易い構成とすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図11に示すように、上記実施形態において、カバー50は、閉塞部材52を注入口34に接触させる閉位置から軸58を中心に記録装置12の背面に向けて回動させることで開閉可能な構成でもよい。
・図12に示すように、上記実施形態において、カバー50は、ケース15において鉛直方向Zに長尺に設けられた軸受21に沿って上下にスライドさせることで開位置と閉位置の二位置間を変位可能な構成でもよい。
・図13に示すように、上記実施形態において、液体収容体30が有する注入口34は、記録装置12の斜め前方に延びる構成でもよい。また、カバー50は、板形状を有するものであってもよく、特定の形状を有するカバー50に限定されない。
・図14に示すように、上記実施形態において、カバー50に取り付けられる閉塞部材52は、複数の注入口34を閉塞可能な一の閉塞部材52で構成されていてもよい。例えば、閉塞部材52を走査方向Xにおいて長尺に設けることで一の閉塞部材52で複数の注入口34を閉塞できる。この構成によれば、カバー50を開けることで、複数の注入口34を一括して閉塞している一つの閉塞部材52を全ての注入口から同時に離間させることができるため、複数の液体収容体30にインクを注入する際の手間を低減できる。
・図15に示すように、上記実施形態において、液体収容体30の数に応じて、カバー50が複数設けられていてもよい。一のカバー50に対して一の閉塞部材52が取り付けられる構成とすることでインクの注入が必要な液体収容体30の注入口34だけを開放することができ、その他のインクの注入が不要な液体収容体30に収容されるインクの乾燥や塵埃の混入などを抑制できる。
・図16に示すように、上記実施形態において、液体収容体30は、記録装置12とは別途設けられる液体収容体保持部70に収容される構成であってもよい。液体収容体保持部70に収容される液体収容体30は、記録装置12の内外を貫く供給チューブ32が接続されている。
・上記実施形態において、閉塞部材52は、注入口34に対して挿入されることで閉塞するような栓部材であってもよい。
・上記実施形態において、カバー50は、ケース15に対して着脱されることで開位置と閉位置との二位置間を変位可能な構成であってもよい。
・上記実施形態において、ケース15に軸58、カバー50に軸受21を形成することでカバー50が回動可能に設けられる構成であってもよい。
・上記実施形態において、記録装置12が備える液体収容体30は、二つに限らず、一つだけ設ける構成であっても、三つ以上設ける構成であってもよい。また、カバー50が備える閉塞部材52の数も二つに限らず、一つだけであっても、三つ以上であってもよい。
・上記実施形態において、液体収容体30は、樹脂製でなくともよい。少なくとも、液体収容体30の液体収容室33に収容されるインクの液量を視認可能な材料で形成されていれば、視認部19を介してインクの液量を確認できる。
・上記実施形態において、ケース15内を露出可能に開閉する開閉部材は、画像を読み取り可能な読取装置13に限らず、単なる蓋部材であってもよい。
・上記実施形態において、液体収容体30は、その一部がケース15に収容される構成であってもよい。
・上記実施形態において、記録部40は、用紙Pに対して走査方向Xに移動するシリアルヘッド方式に限らず、走査方向Xにおいて長尺に設けられるラインヘッド方式でもよい。
・上記実施形態において、記録装置12は、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体を含む)を噴射したり吐出したりして記録を行う流体噴射装置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して記録を行う液状体噴射装置であってもよい。また、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。なお、本明細書において「流体」とは、気体のみからなる流体を含まない概念であり、流体には、例えば液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、液状体、流状体などが含まれる。
11…複合機、12…記録装置、13…読取装置(開閉部材)、14…操作部、15…ケース(筐体)、16…ヒンジ部、17…排出口、19…視認部、20…リンク部、22…被係合部、30…液体収容体、33…液体収容室、34…注入口、35…リブ部材、43…記録ヘッド、50…カバー、51…外装面、52…閉塞部材、53…取付面、54…突起部、56…指掛形成面、57…係合部、70…液体収容体保持部、P…用紙(媒体)、X…走査方向、Y…搬送方向、Z…鉛直方向。

Claims (10)

  1. 媒体に対して液体を吐出することで記録を行う記録ヘッドと、
    少なくとも前記記録ヘッドを収容する筐体と、
    前記筐体内を露出する開き位置と露出させない開じ位置との間で開閉可能な開閉部材と、
    前記記録ヘッドに供給される前記液体を収容する液体収容室及びその液体収容室内に外部から前記液体を注入可能とする注入口を有する液体収容体と、
    前記注入口に接触することで前記注入口を閉塞する閉塞部材と、
    前記注入口を露出させる開位置と露出させない閉位置との二位置間で開閉可能に設けられるカバーと、を備え、
    前記閉塞部材は、前記カバーに取り付けられていることを特徴とする記録装置。
  2. 前記閉塞部材は、前記カバーに対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記閉塞部材は、弾性変形可能な弾性部材で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記液体収容体が複数設けられ、
    前記カバーには、複数の前記液体収容体における前記注入口と対応する複数の前記閉塞部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置。
  5. 前記液体収容体が複数設けられ、
    前記カバーには、複数の前記液体収容体における複数の前記注入口を閉塞可能な一つの閉塞部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置。
  6. 前記筐体は、少なくとも前記液体収容体の一部をさらに収容し、
    前記カバーは、前記筐体に対して回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置。
  7. 前記カバー及び前記筐体の何れか一方には、係合部が設けられ、他方には、前記係合部と係合可能な被係合部が設けられ、前記係合部は、前記カバーが閉位置にあるときに被係合部と係合することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記筐体には、前記筐体内において前記記録ヘッドにより記録された前記媒体が前記筐体外へ排出される排出口が開口され、
    前記液体収容体は、前記筐体内において前記排出口が設けられる側であって且つ前記筐体内の隅となる位置に配置されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記筐体には、記録装置の操作を行うための操作部が設けられ、
    前記液体収容体は、前記筐体内において前記操作部が設けられる側であって且つ前記筐体内の隅となる位置に配置されていることを特徴とする請求項6乃至請求項8のうち何れか一項に記載の記録装置。
  10. 前記筐体は、前記液体収容体の前記液体収容室内に収容されている前記液体の液量を視認可能な視認部を備えることを特徴とする請求項6乃至請求項9のうち何れか一項に記載の記録装置。
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