JP2016161003A - 筒形防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フランジ部を外周へ大きく突出させることなく、インナ軸部材とアウタ筒部材の軸方向での相対変位量を制限するストッパ手段の特性を、大きな自由度でチューニングすることができる、新規な構造の筒形防振装置を提供すること。
【解決手段】インナ軸部材12が合成樹脂製のアウタ筒部材14の筒状部18に挿入されて本体ゴム弾性体16によって相互に弾性連結されていると共に、筒状部18の軸方向一方の端部には外周へ広がるフランジ部20が一体形成されて、フランジ部20の軸方向外面に緩衝ゴム24が固着された構造を有する筒形防振装置10であって、フランジ部20を形成された筒状部18の軸方向一方の端部30の内径寸法R1が筒状部18の軸方向他方の端部32の内径寸法R2よりも小さく(R1<R2)されていると共に、筒状部18の軸方向一方の端部30が筒状部18の軸方向他方の端部32よりも厚肉(t1>t2)とされている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車のエンジンマウントやサスペンションマウントなどに用いられる筒形防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に配設されて、それら部材を相互に防振連結する防振装置の一種として、筒形防振装置が知られている。筒形防振装置は、インナ軸部材がアウタ筒部材の筒状部に挿入されて、それらインナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって径方向で相互に弾性連結された構造とされている。
また、軽量化や製造の容易化などを目的として、昨今では、金属製であったアウタ筒部材を合成樹脂で形成することも提案されており、例えば、特開2001−74080号公報(特許文献1)などがある。
ところで、特許文献1の筒形防振装置のように、アウタ筒部材の軸方向一方の端部に外周へ広がるフランジ部が形成されて、フランジ部がインナ軸部材に取り付けられる車両ボデー等の部材と緩衝ゴムを介して軸方向に当接することで、インナ軸部材とアウタ筒部材の軸方向の相対変位量を制限するストッパ手段が構成される場合もある。
しかし、このようなストッパ手段では、特性のチューニング自由度を十分に確保し難いという問題があった。即ち、ストッパ手段の特性を調節するためには、フランジ部を大きくして実質的なストッパ当接面積を大きく確保することにより、緩衝ゴムの大きさや形状、配置などを調節することが有効であるが、フランジ部の外周への突出量は筒形防振装置の配設スペースによっては制限される場合もある。しかも、仮にフランジ部を外周へ大きく突出させ得たとしても、合成樹脂で形成されたアウタ筒部材では、ストッパ荷重によるフランジ部の亀裂などが生じ易くなって、結果的にストッパ手段の特性チューニングの自由度を大きく得ることができないおそれもあった。
特開2001−74080号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、フランジ部を外周へ大きく突出させることなく、インナ軸部材とアウタ筒部材の軸方向での相対変位量を制限するストッパ手段の特性を、大きな自由度でチューニングすることができる、新規な構造の筒形防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、インナ軸部材が合成樹脂で形成されたアウタ筒部材の筒状部に挿入されて、それらインナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって相互に弾性連結されていると共に、該筒状部の軸方向一方の端部には外周へ広がるフランジ部が一体形成されて、該フランジ部の軸方向外面に緩衝ゴムが固着されており、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向での相対変位量を制限するストッパ手段が該インナ軸部材と該フランジ部の該緩衝ゴムを介した軸方向の当接によって構成される筒形防振装置において、前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部の内径寸法が該筒状部の軸方向他方の端部の内径寸法よりも小さくされていると共に、該筒状部の軸方向一方の端部が該筒状部の軸方向他方の端部よりも厚肉とされていることを、特徴とする。
このような本発明の第一の態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、筒状部の軸方向一方の端部が厚肉とされていることにより、緩衝ゴムをフランジ部から筒状部の軸方向端面にかけて固着して設けることにより、緩衝ゴムの大きさや形状、配置などの調節自由度を大きくすることができる。これにより、インナ軸部材とフランジ部の軸方向外面を含むアウタ筒部材の軸方向端面とが緩衝ゴムを介して軸方向で当接した状態において、筒形防振装置の軸方向のばね特性を大きな自由度で設定することができて、目的とする防振性能を有利に実現することができる。
しかも、筒状部の軸方向一方の端部が軸方向他方の端部よりも内径寸法を小さくされることで厚肉とされて、アウタ筒部材の軸方向端面が径方向に大きく確保されることから、フランジ部の外周側への突出量を大きくすることなく、緩衝ゴムの固着面を大きく得ることができる。従って、緩衝ゴムの固着面を大きく得るために筒形防振装置の外径寸法を大きくする必要はなく、筒形防振装置の配設領域が特に外周側で制限されている場合にも、軸方向ばね特性のチューニング自由度を大きく確保することができる。
また、筒状部の軸方向他方の端部が一方の端部よりも内径寸法を大きくされていることから、緩衝ゴムの固着面積に影響しない軸方向他方の端部では、本体ゴム弾性体のゴムボリュームが大きく確保されて、軸直角方向やこじり方向での防振性能が有利に発揮されると共に、本体ゴム弾性体の耐久性の低下が防止される。加えて、筒状部の軸方向他方の端部が一方の端部よりも薄肉とされていることにより、本体ゴム弾性体の径方向でのゴムボリュームを大きく確保しても、筒状部の軸方向他方の端部が一方の端部に比して著しく大径となることもない。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された筒形防振装置において、前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部と他方の端部との厚さの差が5mm以下とされているものである。
第二の態様によれば、筒状部の厚さ寸法が軸方向で著しく変化するのを防ぐことができて、厚さの変化部分での応力集中による割れや、本体ゴム弾性体の形状が制限されることによる防振特性への悪影響などが回避されると共に、筒状部を容易に且つ安定した品質で製造することができる。
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された筒形防振装置において、前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部が該フランジ部よりも厚肉とされていると共に、該筒状部の軸方向一方の端部の厚さが該フランジ部の3倍以下とされているものである。
第三の態様によれば、フランジ部が比較的に薄肉とされることで、ストッパ手段の軸方向でのストッパクリアランスの調節幅を大きく確保し易くなると共に、緩衝ゴムの軸方向寸法も大きな自由度で調節することができる。
また、互いに繋がって一体形成される筒状部の軸方向一方の端部とフランジ部の厚さの差がある程度に抑えられることにより、筒状部と繋がるフランジ部の基端などにおいて、筒状部とフランジ部の変形剛性の差や成形後の収縮などに起因する割れが生じ難くなる。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか一つの態様に記載された筒形防振装置において、前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部と該筒状部の軸方向他方の端部の内径寸法の差が、該筒状部の軸方向一方の端部の内径寸法の0.2倍よりも小さくされているものである。
第四の態様によれば、筒状部の軸方向一方の端部と他方の端部の内径寸法の差が、アウタ筒部材のサイズに対して十分に小さくされていることにより、筒状部の内径寸法を軸方向で異ならせることによる防振特性への影響が抑えられて、優れた防振性能を得ることができる。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載された筒形防振装置において、前記筒状部の内周面の少なくとも一部が、前記フランジ部を形成された該筒状部の軸方向一方から該筒状部の軸方向他方に向かって次第に大径となるテーパ面とされているものである。
第五の態様によれば、筒状部の厚さおよび内径寸法がテーパ面によって軸方向で次第に変化することにより、振動荷重や車両への装着による径方向の入力に対して、筒状部の内周面における応力の集中が低減乃至は回避されて、筒状部の耐久性の向上が図られる。なお、筒状部の内周面を成形する金型を成形後に筒状部の軸方向他方へ抜くようにすれば、テーパ面によって優れた離型性も実現され得る。
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか一つの態様に記載された筒形防振装置において、前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部は、内径寸法が軸方向で一定のストレート部とされているものである。
第六の態様によれば、アウタ筒部材の内周面と軸方向一方の端面のなす角部が鋭角になるのを防ぐことができて、応力集中が緩和されることで耐久性の向上が図られる。なお、本体ゴム弾性体が筒状部の軸方向一方の端部の内周面を覆うように形成されて、緩衝ゴムが本体ゴム弾性体と一体形成されている場合には、本体ゴム弾性体がアウタ筒部材の内周面と軸方向一方の端面とのなす角部に触れることで裂けるのも防ぐことができて、本体ゴム弾性体の耐久性も向上し得る。
本発明によれば、アウタ筒部材の筒状部において軸方向一方の端部が他方の端部よりも厚肉とされていると共に、筒状部の内径寸法が軸方向一方の端部で他方の端部よりも小さくされている。これにより、アウタ筒部材の軸方向一方の端面が大きな面積で形成されて、アウタ筒部材の軸方向一方の端面に固着される緩衝ゴムが大きさや形状、配置などを大きな自由度で設定可能とされる。それ故、緩衝ゴムによって影響されるストッパ手段が当接した状態の軸方向ばね特性を、より大きな自由度で調節することができて、目的とする防振性能を有利に実現することができる。しかも、フランジ部を外周へより大きく突出させる必要はなく、筒形防振装置の大径化も回避される。
本発明の第一の実施形態としてのサスペンションブッシュを示す正面図。 図1のII−II断面図。 図2のIII−III断面図。 図1に示すサスペンションブッシュを構成するアウタ筒部材の縦断面図。 図1に示すサスペンションブッシュを車両への装着状態で示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜3には、本発明に従う構造とされた筒形防振装置の第一の実施形態として、自動車用のサスペンションブッシュ10が示されている。サスペンションブッシュ10は、インナ軸部材12とアウタ筒部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造を有している。
より詳細には、インナ軸部材12は、小径の筒状の部材であって、鉄やアルミニウム合金などの金属や、繊維補強された合成樹脂などで形成された高剛性の部材とされている。なお、インナ軸部材12は、後述する本体ゴム弾性体16の径方向寸法を大きく得るために、変形剛性や車両への取付強度が十分に確保される範囲で細くされていることが望ましい。また、インナ軸部材12の外周面は、略一定の外径寸法で軸方向に延びる円筒面とされているが、外周面に一体又は別体で凹凸を設けても良く、例えば、外周面に開口する凹所を設けることにより、本体ゴム弾性体16のゴムボリュームをより大きく確保できる一方、外周面に突出する凸部を設けることにより、軸直角方向のストッパを構成することができる。
アウタ筒部材14は、大径の円筒形状を有する筒状部18を備えていると共に、筒状部18の軸方向一方の端部には、外周側へ軸直角方向で突出するフランジ部20が、全周に亘って連続して一体形成されている。また、アウタ筒部材14は、高剛性の部材であって、例えば、ポリアミドやポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの合成樹脂で形成されており、好適には、ガラス繊維やカーボン繊維などで補強された繊維補強合成樹脂が採用される。なお、アウタ筒部材14の筒状部18は、円筒形状が望ましいが、例えば楕円筒形状なども採用され得る。
そして、インナ軸部材12がアウタ筒部材14の筒状部18に略同一中心軸上で挿入されて、インナ軸部材12とアウタ筒部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は、厚肉の略円筒形状を有するゴム弾性体であって、内周面がインナ軸部材12の外周面に加硫接着されていると共に、外周面がアウタ筒部材14の内周面に加硫接着されており、インナ軸部材12とアウタ筒部材14を備えた一体加硫成形品として形成されている。なお、インナ軸部材12は、アウタ筒部材14と本体ゴム弾性体16で弾性連結された状態において、軸方向両端部がアウタ筒部材14よりも軸方向外方へ突出していると共に、軸方向一方(図2中、右方)への突出量が他方(図2中、左方)への突出量よりも小さくされている。
さらに、本体ゴム弾性体16には、軸方向端面に開口するすぐり部22が、軸方向両側にそれぞれ形成されている。すぐり部22は、本体ゴム弾性体16の径方向中央部分を略一定の半円形断面で周方向に延びており、本実施形態では全周に亘って連続する環状の凹所とされている。
更にまた、アウタ筒部材14の軸方向外面には、緩衝ゴム24が固着されている。この緩衝ゴム24は、略一定断面で周方向に延びる環状とされており、アウタ筒部材14の軸方向外面を構成する筒状部18の軸方向一方の端面およびフランジ部20の軸方向外面に固着されている。本実施形態の緩衝ゴム24は、筒状部18よりも内周側で本体ゴム弾性体16と繋がっており、本体ゴム弾性体16と一体形成されている。
ここにおいて、アウタ筒部材14の筒状部18の内周面には、テーパ面26が設けられている。即ち、筒状部18の軸方向中央部分の内周面が、フランジ部20を設けられた軸方向一方へ向かって次第に小径となるテーパ面26とされており、これによって、筒状部18の軸方向中央部分は、軸方向他方から一方へ向かって次第に厚肉となるテーパ部28とされている。本実施形態では、筒状部18の外周面は、軸方向にストレートな筒状面とされており、略一定の外径寸法を有している。尤も、筒状部18の軸方向他方の端部は、後述するホルダ40への圧入を容易にするために、外周面が軸方向他方に向かって次第に小径となる案内面29とされている。
また、テーパ部28を挟んだ軸方向両側では、筒状部18の内径寸法が軸方向で略一定とされており、筒状部18におけるテーパ部28よりも軸方向一方側がストレート部としての厚肉部30とされていると共に、軸方向他方側が薄肉部32とされている。このように、フランジ部20を設けられる筒状部18の軸方向一方の端部が、内径寸法と外径寸法の両方が軸方向で略一定のストレート構造を有する厚肉部30とされていることで、厚肉部30の軸方向一方の端部の内周角部は、縦断面において鋭角になることなく略直角とされている。なお、本実施形態では、テーパ面26と厚肉部30および薄肉部32の内周面とが、縦断面において曲率半径の大きな円弧をなす湾曲面で滑らかに連続して繋がっている。
また、厚肉部30の厚さ寸法t1が薄肉部32の厚さ寸法t2よりも大きく(t1>t2)されている。更に、好適には、厚肉部30の厚さ寸法t1と薄肉部32の厚さ寸法t2の差t1−t2が5mm以下とされており、厚肉部30が薄肉部32に対して極端に厚肉とならないように設定されている。
さらに、本実施形態では、厚肉部30の厚さ寸法t1がフランジ部20の厚さ寸法t3よりも大きく(t1>t3)されている。より好適には、厚肉部30の厚さ寸法t1がフランジ部20の厚さ寸法t3の3倍以下(t1≦3*t3)とされており、厚肉部30がフランジ部20に対して極端に厚肉とならないように設定されている。なお、本実施形態では、薄肉部32の厚さ寸法t2が、フランジ部20の厚さ寸法t3よりも大きく(t2>t3)されており、厚肉部30と薄肉部32の厚さの差が、厚肉部30とフランジ部20の厚さの差よりも小さくされている。
更にまた、筒状部18の外径寸法が軸方向全長に亘って略一定とされて、厚肉部30と薄肉部32の外径寸法が互いに略同じとされていると共に、厚肉部30の内径寸法R1が、薄肉部32の内径寸法R2よりも小さく(R1<R2)されている。好適には、厚肉部30と薄肉部32の内径寸法の差R2−R1が、厚肉部30の内径寸法R1の0.2倍よりも小さく(R2−R1<0.2*R1)されており、アウタ筒部材14のサイズに対して厚肉部30と薄肉部32の内径寸法の差が制限されている。
また、本実施形態では、本体ゴム弾性体16の軸方向端面であるすぐり部22の内面が、内径寸法を軸方向で一定とされた厚肉部30又は薄肉部32の内周側に位置するように、テーパ部28の軸方向長さと軸方向の位置が設定されている。これにより、後述するサスペンションブッシュ10の車両装着状態において、例えば軸直角方向やこじり方向の荷重入力時に、本体ゴム弾性体16の軸方向端部に及ぼされる荷重の方向などがテーパ面26の傾斜角に応じて変化するのを防止できる。それ故、変形量が大きくなり易い本体ゴム弾性体16の軸方向端部において、耐久性などの特性に対するテーパ面26の影響を抑えることができる。
そして、アウタ筒部材14の軸方向一方の端面には緩衝ゴム24が固着されており、アウタ筒部材14における緩衝ゴム24の固着面が、フランジ部20の軸方向外面と、厚肉部30の軸方向外面とによって、構成されている。本実施形態では、緩衝ゴム24の外周端が、フランジ部20の外周端よりも内周側に位置している。
このような構造とされたサスペンションブッシュ10は、図5に示すように車両に装着される。即ち、インナ軸部材12の軸方向一方の端面が車両ボデー34に重ね合わされて、インナ軸部材12および車両ボデー34に挿通されるボルト36とそれに螺着されるナット38とによって、インナ軸部材12と車両ボデー34が相互に固定される。一方、アウタ筒部材14は、筒状部18がトレーリングアームなどに設けられた筒状のホルダ40に軸方向他方の端部から圧入されることにより、ホルダ40に固定される。本実施形態では、フランジ部20がホルダ40の軸方向一方の端部に軸方向で当接するまで圧入されることで、アウタ筒部材14とホルダ40が軸方向で位置決めされるようになっている。以上により、本実施形態に係るサスペンションブッシュ10が車両に装着されて、トレーリングアームなどのサスペンション側部材が車両ボデー34に防振連結される。なお、本実施形態の筒状部18は、厚肉部30によって径方向の変形剛性が高められていることから、筒状部18の外径寸法とホルダ40の内径寸法との差(圧入代)が比較的に小さくされていても、ホルダ40からの抜けに対する十分な抗力を得ることができる。
また、図5に示されているように、サスペンションブッシュ10の車両装着状態において、アウタ筒部材14のフランジ部20がインナ軸部材12に固定された車両ボデー34と軸方向に対向して配置されており、フランジ部20と車両ボデー34の軸方向対向面間に緩衝ゴム24が配されている。本実施形態では、振動荷重などの外力が作用しない静置状態において、緩衝ゴム24の軸方向外面が車両ボデー34に当接しており、緩衝ゴム24がフランジ部20と車両ボデー34の間で軸方向に予圧縮されている。
このようなサスペンションブッシュ10の車両装着状態では、車両ボデー34とサスペンションの間に入力される振動が、本体ゴム弾性体16の弾性変形によるエネルギー減衰作用や振動絶縁作用などに基づいて低減されて、路面側から入力された振動の車両ボデー34への伝達が低減される。
また、インナ軸部材12に固定された車両ボデー34と、アウタ筒部材14の厚肉部30およびフランジ部20とが、軸方向で対向して配置されており、緩衝ゴム24を介して相互に当接している。これにより、軸方向の入力によるインナ軸部材12のアウタ筒部材14に対する軸方向他方側への相対変位量が、それらインナ軸部材12に固定された車両ボデー34とアウタ筒部材14の緩衝ゴム24を介した軸方向での当接によって制限されるようになっており、もって本実施形態のストッパ手段42が構成されている。このようなストッパ手段42が設けられていることにより、軸方向入力に対する本体ゴム弾性体16の過大な剪断変形が防止されて、本体ゴム弾性体16の耐久性の向上が図られる。
ところで、サスペンションブッシュ10の軸方向のばね特性には、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の径方向間に配された本体ゴム弾性体16のばね成分だけでなく、フランジ部20と車両ボデー34の軸方向間に配された緩衝ゴム24のばね成分も影響する。特に、軸方向では、本体ゴム弾性体16のばねが主として剪断ばね成分によるのに対して、緩衝ゴム24のばねは主として圧縮ばね成分によるものであり、サスペンションブッシュ10の軸方向ばね特性に対する緩衝ゴム24の影響が大きい。しかも、本実施形態において、図5に示す車両装着状態のサスペンションブッシュ10は、振動が入力されていない静置状態であっても緩衝ゴム24が車両ボデー34に軸方向で当接しており、緩衝ゴム24のばねがサスペンションブッシュ10のばね特性に影響するようになっている。
そして、サスペンションブッシュ10では、緩衝ゴム24のばねを調節し易くなっており、サスペンションブッシュ10の軸方向でのばね特性が大きな自由度でチューニング可能とされている。
すなわち、サスペンションブッシュ10では、アウタ筒部材14の筒状部18の軸方向一端(厚肉部30)が、他端(薄肉部32)よりも径方向で厚肉(t1>t2)とされている。特に、アウタ筒部材14の厚肉部30は、薄肉部32よりも内径寸法が小さく(R1<R2)されて、厚肉部30が薄肉部32に対して内周側へ突出して厚肉となっていることから、フランジ部20の筒状部18から外周への突出量は従来と同等に確保されている。なお、本実施形態では、筒状部18の外径寸法が軸方向の全体に亘って略一定とされており、厚肉部30と薄肉部32の外径寸法が互いに略同じとされている。
これらにより、緩衝ゴム24を支持するアウタ筒部材14の軸方向一方の端面の面積が大きくされて、緩衝ゴム24の形状や大きさ、配置などの自由度が大きく確保される。従って、緩衝ゴム24のばね特性のチューニング自由度が大きくなって、緩衝ゴム24の圧縮ばねが影響するサスペンションブッシュ10の軸方向ばね特性を、調節し易くなる。
さらに、厚肉部30が薄肉部32に対して内周側へ厚肉とされて、アウタ筒部材14の軸方向一方の端面の面積が、フランジ部20の外径寸法を大きくすることなく、大きく確保されることから、サスペンションブッシュ10の配設領域が制限されて外周側にスペースがない場合にも、軸方向ばねのチューニング自由度を大きく確保できる。しかも、フランジ部20の外周への突出寸法を大きくする必要がないことから、フランジ部20の耐荷重性の低下も防止される。
また、筒状部18の軸方向他端部を構成する薄肉部32が厚肉部30に比して薄肉とされて、内径寸法を大きくされていることから、本体ゴム弾性体16のゴムボリュームが小さくなるのを抑えることができて、径方向やこじり方向での防振性能が十分に確保される。
また、厚肉部30の厚さ寸法t1と薄肉部32の厚さ寸法t2の差t1−t2が5mm以下とされていることにより、厚肉部30と薄肉部32の極端な寸法差に起因する応力の集中などが回避されて、アウタ筒部材14の製造の容易化や耐久性の向上などが図られる。加えて、成形後の冷却時に厚肉部30と薄肉部32の厚さの差による変形量の違いが低減されることから、筒状部18の厚さが軸方向で異なっていることによる樹脂成形性への悪影響が回避されて、厚肉部30と薄肉部32をそれぞれ所定の円筒形状に成形することができる。
さらに、厚肉部30の厚さ寸法t1がフランジ部20の厚さ寸法t3よりも大きく(t1>t3)されていることから、アウタ筒部材14の軸方向端面における緩衝ゴム24の固着面積を大きく確保できると共に、緩衝ゴム24の軸方向寸法やストッパ手段42のストッパクリアランスなどをより大きく調節することが可能となる。それ故、軸方向のばね特性に対する緩衝ゴム24の影響をより大きな自由度で調節可能となって、目的とする防振特性や耐久性を有利に実現できる。
しかも、厚肉部30の厚さ寸法t1がフランジ部20の厚さ寸法t3の3倍以下(t1≦3*t3)とされていることによって、厚肉部30がフランジ部20に対して極端に厚肉とならないようにされており、筒状部18とフランジ部20の接続部分において厚さの差に起因する応力集中が緩和されて、フランジ部20の基端等で割れなどの発生が防止される。
また、厚肉部30と薄肉部32の内径寸法の差R2−R1が、厚肉部30の内径寸法R1の0.2倍よりも小さく(R2−R1<0.2*R1)されており、サスペンションブッシュ10のサイズに対して厚肉部30と薄肉部32の差が十分に小さくされている。これにより、本体ゴム弾性体16を固着される筒状部18に設けられて内周側へ突出する厚肉部30がサスペンションブッシュ10の防振特性に及ぼす影響を抑えることができて、目的とする防振性能をばね特性の大幅なチューニング変更を要することなく実現できる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、アウタ筒部材14における筒状部18の内周面が、軸方向の全長に亘ってテーパ面26で構成されて。筒状部18の内径寸法および厚さ寸法が軸方向の全長に亘って変化していても良い。
さらに、厚肉部30と薄肉部32は、必ずしもテーパ面26(テーパ部28)によって形成される構造には限定されず、例えば、筒状部18が内周面に段差を有する段付き円筒形状とされて、内径寸法および厚さ寸法が段階的に変化する構造とされることにより、筒状部18の軸方向一方の端部が他方の端部よりも厚肉とされていても良い。
更にまた、筒状部18の外周面は、径方向寸法が軸方向で略一定とされたストレート形状であることが望ましいが、例えば、軸方向で外径寸法が次第に変化するテーパ形状なども採用され得る。
また、緩衝ゴム24は、部品点数を少なくするためには本体ゴム弾性体16と一体であることが望ましいが、例えば、緩衝ゴム24を本体ゴム弾性体16とは別体で形成して、緩衝ゴム24を本体ゴム弾性体16とは異なる形成材料で形成することにより、本体ゴム弾性体16に要求される特性と緩衝ゴム24に要求される特性とを、それぞれ有利に実現することができる。
また、緩衝ゴム24は、車両装着状態で必ずしもインナ軸部材12側(車両ボデー34)に当接している必要はなく、振動入力のない静置状態で離隔していると共に、軸方向の振動入力時に当接するようにしても良い。
本発明に係る筒形防振装置は、必ずしもサスペンションブッシュとして用いられるものではなく、エンジンマウントやメンバマウント、デフマウントなどにも好適に採用され得る。更に、本発明は、自動車用の筒形防振装置にのみ適用されるものではなく、例えば、自動二輪車や鉄道用車両、産業用車両などに用いられる筒形防振装置にも、適用可能である。
10:サスペンションブッシュ(筒形防振装置)、12:インナ軸部材、14:アウタ筒部材、16:本体ゴム弾性体、18:筒状部、20:フランジ部、26:テーパ面、30:厚肉部(ストレート部)、42:ストッパ手段

Claims (6)

  1. インナ軸部材が合成樹脂で形成されたアウタ筒部材の筒状部に挿入されて、それらインナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって相互に弾性連結されていると共に、該筒状部の軸方向一方の端部には外周へ広がるフランジ部が一体形成されて、該フランジ部の軸方向外面に緩衝ゴムが固着されており、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向での相対変位量を制限するストッパ手段が該インナ軸部材と該フランジ部の該緩衝ゴムを介した軸方向の当接によって構成される筒形防振装置において、
    前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部の内径寸法が該筒状部の軸方向他方の端部の内径寸法よりも小さくされていると共に、該筒状部の軸方向一方の端部が該筒状部の軸方向他方の端部よりも厚肉とされていることを特徴とする筒形防振装置。
  2. 前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部と他方の端部との厚さの差が5mm以下とされている請求項1に記載の筒形防振装置。
  3. 前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部が該フランジ部よりも厚肉とされていると共に、該筒状部の軸方向一方の端部の厚さが該フランジ部の3倍以下とされている請求項1又は2に記載の筒形防振装置。
  4. 前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部と該筒状部の軸方向他方の端部の内径寸法の差が、該筒状部の軸方向一方の端部の内径寸法の0.2倍よりも小さくされている請求項1〜3の何れか一項に記載の筒形防振装置。
  5. 前記筒状部の内周面の少なくとも一部が、前記フランジ部を形成された該筒状部の軸方向一方から該筒状部の軸方向他方に向かって次第に大径となるテーパ面とされている請求項1〜4の何れか一項に記載の筒形防振装置。
  6. 前記フランジ部を形成された前記筒状部の軸方向一方の端部は、内径寸法が軸方向で一定のストレート部とされている請求項1〜5の何れか一項に記載の筒形防振装置。
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