JP2016160452A - 表面被覆が形成されたチタン銅合金材及びその製造方法 - Google Patents

表面被覆が形成されたチタン銅合金材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐応力緩和性を維持しながら、優れた強度、耐摩耗性、耐疲労特性を具備したCu−Ti系銅合金材を提供する。
【解決手段】Cu−Ti系銅合金材において、Ti:1.0〜4.8質量%、残部:Cuおよび不可避的不純物から成る組成の母相の表面にCuTiO層が形成され、前記CuTiO層上にTiC層が形成される。本発明によれば、強度、耐摩耗性、耐疲労特性に優れたCu−Ti系銅合金材を得ることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コネクター、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気・電子部品に適したCu−Ti系銅合金材であって、特に高強度と優れた耐応力緩和性を維持しながら、耐摩耗性と耐疲労特性を呈する銅合金材およびその製造法、さらにこの銅合金材を用いたコネクター端子およびその製造法に関する。
電気・電子部品を構成するコネクター、リードフレーム、リレー、スイッチなどの部品に使用される材料には、電気・電子機器の組立時や作動時に付与される応力に耐え得る高い「強度」が要求される。また、電気・電子部品間の接触信頼性を確保するために、接触圧力が時間とともに低下する現象(応力緩和)に対する耐久性、すなわち「耐応力緩和性」に優れることが要求される。さらに、ジャックなど繰返し挿抜が必要な電気・電子部品間の接触信頼性を確保するために、「耐摩耗性」と「耐疲労特性」に優れることも要求される。
特に近年、電気・電子部品は高集積化、小型化および軽量化が進む傾向にあり、それに伴って素材である銅および銅合金には薄肉化の要求が高まっている。そのため、素材に要求される「強度」のレベルは一層厳しいものとなっている。
また、電気・電子部品が過酷な環境で使用される用途の増加に伴い「耐応力緩和性」に対する要求も厳しくなっている。例えば、自動車用コネクターのように高温に曝される環境下で使用される場合は「耐応力緩和性」が特に重要となる。
さらに、「強度」の増大に伴い、ジャックなど繰返し挿抜や、リレーなど摺動が必要な電気・電子部品間の接触信頼性を確保するために、「耐摩耗性」と「耐疲労特性」に優れることも要求される。
Cu−Ti系銅合金は、銅合金中でCu−Be系合金に次ぐ高強度を有し、Cu−Be系合金を凌ぐ耐応力緩和性を有する。また、コストと環境負荷の視点からCu−Be系合金より有利である。このためCu−Ti系銅合金は、一部のCu−Be系合金の代替材としてコネクター材などに使用されている。しかし、Cu−Ti系合金は、Cu−Be系合金と比べて、「強度」、「耐摩耗性」、「耐疲労特性」がまだ及ばないことが一般に知られている。
例えば、代表的なCu−Be系銅合金C17200(Cu−2.0wt%Be−0.2wt%Co)は、最高強度がビッカース硬さでHV350〜400に達するが、代表的なCu−Ti系銅合金C19900(Cu−3.2wt%Ti)は、最高強度がHV300〜350に留まる。したがって、Cu−Be系銅合金の代替材となるCu−Ti系合金の代替性を向上させるためには、Cu−Ti系合金の強度を向上させることが求められる。
従来のCu−Ti系合金の強度向上手段として、特許文献1には、銅合金の表層部にTiの炭化物が形成され、内部にTiの析出相が分散している曲げ加工性に優れた銅合金の提案がある。その製造方法として、特許文献1には、時効処理前の銅合金を塩浴浸炭剤中で加熱処理して表層部に炭素を拡散させる旨の記載がある。また、特許文献1には、材料表層部に析出成分と反応する元素を拡散させ、上記材料表層部に拡散元素と析出成分との化合物を形成させることにより、材料の時効処理を行った際に表層部に析出相が生成しない、曲げ加工性に優れた銅合金およびその製造方法を開発したとの記載がある。
その他に、特許文献2では、黄銅の表面を浸炭処理して表面改質し、耐摩耗性高強度銅合金部品を得ることが提案されている。また、特許文献3では、チタンなどの金属を溶体化処理した後にプラズマ浸炭を行う方法において、マイクロパルス電源を用いてプラズマ浸炭処理と時効処理を同時に進行させる方法が開示されている。
特開平8−53751号公報 特開2001−11551号公報 特開2004−10979号公報
しかしながら、Cu−Ti系合金において、母相のTi含有量が過剰(5.0質量%以上)になると、溶解鋳造中のTi酸化や熱間と冷間加工過程中に割れが発生しやすく、生産性の低下を招きやすい。例えば、板厚0.3mm以下の板状製品を製造するのが困難となる。また、溶体化処理が可能な温度域が狭くなり良好な特性を引き出すことが困難になる。
さらに、Ti含有量が過剰になると、結晶粒界に沿って不連続析出、いわゆる「粒界反応型析出」が発生しやすい。「粒界反応型析出」が生じた部分は、非常に弱い部分であるため、銅合金強度の低下を招く。また、疲労破壊や曲げ割れの起点となり、総合特性を著しく損壊する。
特に、銅合金材を電子部品材料として用いる場合、Ti含有量が3質量%前後のものが使用されるため、この組成領域で表面硬度を確保できることが好ましい。
Cu−Be系合金のほとんどは、Co,Niを添加することにより、添加元素が粒界に偏析し、「粒界反応型析出」が抑制される。しかしながら、Cu−Ti系銅合金では、Tiが他の添加元素と非常に反応しやすい活性化元素であるので、ほとんどの添加元素と化合物を生成し、「粒界反応型析出」による抑制効果が低い。また、Cu−Ti系銅合金の強化は、主に固溶Tiの変調構造(スピノーダル構造)に因るものであるため、多量な元素を添加すれば、Cu−Ti系銅合金の良さを相殺してしまう。
したがって、高強度Cu−Be系合金を代替できる、同等以上の「強度」、「耐摩耗性」、「耐疲労特性」を達成できる銅合金材がまだ無いのが現状である。
例えば、特許文献1の銅合金材は、高温の塩浴により炭素を拡散させるために母相の強度が低くなることが避けられない。また、炭素と析出成分との化合物が材料表層部に厚く形成され、膜の応力により表層部の化合物が剥離するおそれがある。
また、特許文献2の銅合金材は、黄銅を用いた合金材であり、高強度Cu−Be系合金に対して母相の強度が不十分である。また、特許文献3の合金材は、母材をチタンとする合金材であり、高強度Cu−Be系合金に対して導電率が低く、曲げ加工性に劣る。
本発明はこのような現状において、「高強度」、「耐摩耗性」、「耐疲労特性」を同時に改善できるCu−Ti系銅合金材を提供することを目的とする。
本願発明者らは、詳細な検討の結果、所定成分のCu−Ti系銅合金に対し、プラズマ浸炭処理を施して、合金表面に硬質なTiC層を被覆することで、「高強度」、「耐摩耗性」、「耐疲労特性」を同時に達成できることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明では、Ti:1.0〜4.8質量%、残部:Cuおよび不可避的不純物から成る組成の母相の表面にCuTiO層が形成され、前記CuTiO層上にTiC層が形成されたチタン銅合金材が提供される。
前記TiC層は、50nm〜1000nmであっても良い。前記CuTiO層は、100nm〜3000μmであっても良い。
上記銅合金母相の組成において、さらに、Ni、Co、Fe、Sn、Zn、Mg、Zr、Al、Si、P、B、Cr、Mn、Vの1種以上を合計で0.01質量%以上、1.0質量%以下の範囲で含有する組成を有していても良い。
試験荷重を10gとして評価したマイクロビッカース硬さ(表面硬さ)がHV200以上であっても良い。母相の硬さはHV150以上であっても良い。
別の観点による本発明によれば、Ti:1.0〜4.8質量%、残部:Cuおよび不可避的不純物から成る鋳片に対して、950〜500℃での熱間圧延、冷間圧延、750〜1000℃での溶体化処理を順次施し、プラズマ処理炉の炉圧を0.1Pa以下とした状態で、炉温が750〜900℃となるまで加熱し、加熱された炉内を炭化水素系ガス雰囲気にした後、プラズマ電圧を100〜1000V、処理時間を1〜10時間として前記溶体化処理された被処理体のプラズマ浸炭処理を行う、チタン銅合金材の製造方法が提供される。
必要に応じさらに、400〜500℃で1〜100時間の時効処理を施す工程を備えていても良い。
また、曲げ加工性に対する要求が厳しい電気・電子部品について、前記溶体化処理後の柔らかい状態で、プレス成形加工を行い、その後に、プラズマ浸炭処理を行うこともできる。
また、別の観点による本発明によれば、上記のチタン銅合金材を用いたコネクター端子が提供される。
また、別の観点による本発明によれば、コネクター端子の製造方法であって、Ti:1.0〜4.8質量%、残部:Cuおよび不可避的不純物から成る鋳片に対して、950〜500℃での熱間圧延、冷間圧延、750〜1000℃での溶体化処理を順次施し、その後、プレス成形加工を行い、プラズマ処理炉の炉圧を0.1Pa以下とした状態で、炉温が750〜900℃となるまで加熱し、加熱された炉内を炭化水素系ガス雰囲気(ガス雰囲気圧力100〜500Pa)にした後、プラズマ電圧を100〜1000V、処理時間を1〜10時間として前記プレス成形加工された被処理体のプラズマ浸炭処理を行う工程を経て製造される、コネクター端子の製造方法が提供される。
コネクター端子の製造方法において、前記プラズマ浸炭処理後に、前記被処理体に対して400〜500℃で1〜100時間の時効処理を施しても良い。
本発明によれば、コネクター、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気・電子部品に必要な基本特性を具備するCu−Ti系銅合金材が、高強度(例えば、表面硬さHV200以上)を有し、かつ優れた「耐摩耗性」と「耐疲労特性」を同時に有することが可能となる。さらに、優れた成形性(特に曲げ加工性)も同時に達成することが可能である。このような高強度レベルを維持しながら「耐摩耗性」と「耐疲労特性」及び曲げ加工性を安定して顕著に向上させることは、従来のCu−Ti系銅合金製造技術では困難であった。
本発明は、今後ますます進展が予想される電気・電子部品の小型化、薄肉化のニーズに対応し得るものである。
実施例2の試験片の断面TEM像を示す図である。 図1に示す試験片の表面近傍の拡大図である。
本実施形態に係る銅合金材は、主としてCu−Ti系銅合金板材の表面にプラズマ浸炭処理により硬質なTiC層を被覆することによって、「強度」、「耐応力緩和性」、「耐摩耗性」、「耐疲労特性」の同時改善を可能にするものである。
以下、本実施形態に係る銅合金板材の構成について説明する。
《TiC膜》
切削工具や金型などの硬度と耐摩耗性が要求される機械部品には,鋼に比べて硬く耐摩耗性の高いTiC膜などの炭化物系硬質被膜が広く用いられている。TiCは、極めて高い強度(硬度:HV2500〜4000)を有し、導電性があり(TiNの2倍以上)、高耐熱性(耐熱温度:600℃以上)を有し、銅合金材料の「耐摩耗性」と「耐疲労特性」を格段に向上できる。
銅合金板材の最表面のTiC層の厚さは、50nm〜1000nmとすることが好ましく、100nm〜500nmの範囲に調整することが一層好ましい。TiC層の厚さが薄すぎると、上記作用を十分に発揮することができず、厚すぎると、母相との密接性が弱くなり、TiC層が剥離しやすくなる。
《過渡層》
銅合金板材の最表面のTiC層の下に、TiCとCu−Ti系銅合金母相の間の強度を有する過渡層が必要である。この過渡層がないと、TiCとCu−Ti系銅合金母相の強度差があまりにも大きくなり、応力負荷下において界面に応力集中が発生しやすく、TiC層が剥離しやすくなる。
この過渡層は、Cu−Ti−Oの化合物(CuTiO)で構成される。母相とTiC層との間にCuTiO層が形成されることにより、TiC層が母相表面に直接形成される場合に比べ、表面硬さを大きくすることが可能となる。CuTiO層の厚さは、100nm〜3000nmとすることが好ましく、300nm〜2000nmの範囲に調整することが一層好ましい。CuTiO層の厚さが薄すぎると、TiC層とCu−Ti系銅合金母相との接合強度が弱くなりやすく、厚すぎると、母相との密接性が弱くなり、TiC層が剥離しやすくなる。
《母相合金組成》
本発明では、Cu−Tiの2元系基本成分に、必要に応じてNi、Co、Fe等、あるいはその他の合金元素を配合したCu−Ti系銅合金を採用する。
Tiは、Cuマトリックスにおいて時効硬化作用が高い元素であり、強度上昇および耐応力緩和性向上に寄与する。また、母相に固溶Ti原子が存在すると、表面プラズマ浸炭処理において、Cイオンが表面から浸透し、断面(板材の厚さ方向)に沿ってTiと連続的にTiCが生成される。Ti含有量が1.0質量%未満では、上記効果を十分に引き出すことが難しい。一方、Ti含有量が5.0質量%以上になると、熱間と冷間加工過程中に割れが発生しやすく、生産性の低下を招きやすい。また、溶体化処理が可能な温度域が狭くなり良好な特性を引き出すことが困難になる。種々検討の結果、Ti含有量は4.8質量%以下とする必要がある。したがって、Ti含有量は1.0〜4.8質量%に規定される。Ti含有量は、2.0〜4.8質量%とすることがより好ましく、2.5〜4.0質量%とすることが更に好ましく、2.5〜3.5質量%の範囲に調整することが一層好ましい。
さらに、必要に応じ、Ni、Co、Fe、Sn、Zn、Mg、Zr、Al、Si、P、B、Cr、Mn、Vの1種以上を含有させることができる。例えば、Ni、Co、Fe、Zr、CrはCu−Ti系銅合金の「粒界反応型析出」を抑制する効果がある。Sn、Zn、Mg、Al、Mnは固溶強化効果がある。また、B、P、Zr、Vは鋳造組織の微細化効果を有し、熱間加工性の改善に寄与しうる。
Ni、Co、Fe、Sn、Zn、Mg、Zr、Al、Si、P、B、Cr、Mn、Vの1種以上を含有させる場合は、各元素の作用を十分に得るためにこれらの総量が0.01質量%以上となるように含有させることが効果的である。ただし、多量に含有させると、熱間または冷間加工性に悪影響を与える。したがって、Ni、Co、Fe、Sn、Zn、Mg、Zr、Al、Si、P、B、Cr、Mn、Vの合計含有量は、1.0質量%以下に抑えることが望ましく、0.5質量%以下に抑えることが更に望ましい。
《特性》
「表面硬さ」
表面硬さが高いほど銅合金板材の全体強度が高くなる。特に耐摩耗性や疲労強度は格段に高くなる。マイクロビッカース硬さ試験で、試験荷重を10gとして評価した表面硬さはHV200以上であることが好ましく、HV300以上であることがより好ましく、HV350以上であることが一層好ましい。
「母相硬さ」
母相硬さは通常のCu−Ti系銅合金と同等以上の強度を有することが好ましい。具体的には、母相硬さはHV150以上であることが好ましく、HV170以上であることがより好ましく、HV200以上であることが一層好ましい。
《製造法》
以上のような本実施形態に係る銅合金板材は、銅合金の一般的な製造方法、例えば以下のような製造工程により作ることができる。
「溶解・鋳造→熱間圧延(熱間加工)→冷間圧延(冷間加工)→溶体化処理」
ただし、後述のようにいくつかの工程での製造条件を工夫することが重要である。なお、上記工程中には記載していないが、溶解・鋳造後には必要に応じて均熱処理(又は熱間鍛造)が行われ、熱間圧延後には必要に応じて面削が行われ、各熱処理後には必要に応じて酸洗、研磨、あるいはさらに脱脂が行われる。
上記溶体化処理に続いて、溶体化処理された銅合金板材のプラズマ浸炭処理を行う。これにより、銅合金板材の強度を高めることができる。強度要求がさらに高い用途に対しては、プラズマ浸炭処理後に、さらに時効処理を行っても良い。
以下、各工程について説明する。
〔溶解・鋳造〜溶体化処理〕
まず、連続鋳造、半連続鋳造等により鋳片を製造する。Tiの酸化を防止するためには、不活性ガス雰囲気または真空溶解炉で溶解を行うのがよい。
次に、製造された鋳片を一般的な熱間圧延工程により熱間圧延する。鋳片を熱間圧延する際には、再結晶が発生しやすい700℃以上の高温域で最初の圧延パスを実施することによって、鋳造組織が破壊され、成分と組織の均一化を図ることができる。また、熱間圧延工程中における完全再結晶の発生を確実に行うためには、950℃〜500℃の温度域で圧延率60%以上の熱間圧延を行うことが有効である。これによって組織の均一化が一層促進される。なお、圧延工程では多パス圧延が実施されるが、析出物の生成と粗大化を防止するためには、熱間圧延の最終パス温度は600℃以上であることが効果的である。
また、熱間圧延後には、被圧延材を水冷することが望ましい。
続いて、熱間圧延後の被圧延材が目標板厚となるまで冷間圧延を行う。冷間圧延率の上限はミルパワー等により必然的に制約を受けるので、特に規定する必要はないが、エッジ割れなどを防止する観点から概ね99%以下でよい。また、下限は90%以上であることが好ましい。なお、必要に応じて、冷間圧延の中間に高温軟化熱処理を行ってもよい。
続いて、冷間圧延後の被圧延材を処理炉において溶体化処理する。溶体化処理は、溶質元素のマトリックス中への再固溶を主目的として、該当合金組成の固溶線(平衡状態図で確定できる)よりも30℃以上高い炉温で行うことが必要である。炉温が低すぎると溶質元素の固溶が不十分であり、炉温が高すぎると結晶粒が粗大化してしまう。具体的には、本発明で規定する化学組成の合金では、750〜1000℃の炉温で5sec〜5min保持する加熱条件において適正条件を設定できる。溶体化処理後の冷却は、冷却途中にTiの析出を防止するために急冷却することが好ましい。また、溶体化処理後の平均結晶粒
径を8〜15μmとすることが好ましい。
〔プラズマ浸炭処理〕
次に、溶体化処理が施された被処理体のプラズマ浸炭処理を行う。まず、プラズマ処理炉内を圧力0.1Pa以下の真空状態とし、炉内温度を750〜900℃の温度範囲まで加熱する。この昇温時において、炉内の真空度が0.1Paを超える低真空であると、銅合金板材が酸化しやすく、良好なTiC層が得られにくい。その後、炉内にメタンやエタン等の炭化水素系ガスを供給し続け、炉内のガス雰囲気圧力を100〜500Paとする。そして、その状態の炉内において、プラズマ電圧を100〜1000V、処理時間を1〜10時間としてプラズマ浸炭処理を行う。
プラズマ浸炭処理時の温度、ガス雰囲気の圧力とプラズマ電圧はTiC層の生成に重要である。温度、ガス雰囲気の圧力またはプラズマ電圧が低すぎると、TiC層とCu−Ti−O化合物の過渡層が生成しないか、または膜厚が目標層厚さとなるまで長時間を要してしまう。
一方で、温度、ガス雰囲気の圧力またはプラズマ電圧が高すぎると、TiC層の生成速度が速く、均一かつ緻密なTiC膜が得られにくく、表面硬さの低下を招きやすい。また、TiC膜厚とCu−Ti−O化合物の過渡層の厚さのバランスをコントロールしにくい。そのため、プラズマ浸炭処理温度は、750〜900℃の範囲にある炉温で行うことが望ましく、800〜850℃の範囲が一層好ましい。特に、ガス雰囲気の圧力が高過ぎると、Cu−Ti−O化合物の過渡層が生成しなくなる。Cu−Ti−O化合物生成の機構はまだ調査中であるが、母相表面層付近に残留した微量のTi−O化合物が特定の表面ガス雰囲気の圧力下にしかCu−Ti−O化合物に変換しないと推測される。そのため、ガス雰囲気の圧力が100〜500Paであることが好ましい。また、プラズマ電圧が100〜1000Vであることが好ましく、300〜700Vであることが一層好ましい。
〔時効処理〕
前記溶体化処理後にプラズマ浸炭処理した場合、母相の硬さはHV150以上に達する。母相の強度として更なる高強度が要求される場合、プラズマ浸炭処理後に、400〜500℃で1〜100時間程度の時効処理を行うことが好ましい。この温度範囲内で時効処理する場合、母相の強度を向上できると同時に、TiC層とCu−Ti−O化合物の過渡層にほとんど影響を与えない。時効処理中における表面酸化膜の形成を極力抑制する場合には、水素、窒素またはアルゴン雰囲気を使うことが好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、銅合金材を製造する方法として、板材を例に挙げて説明したが、銅合金材は線材であっても良い。
また、一部の複雑な曲げ加工が必要な電子部品を製造する際には、溶体化処理後の軟質な状態でプレス・曲げ加工により銅合金板材を加工した後、プラズマ浸炭処理およびさらに時効処理を行っても良い。その後、従来の方法を用いて、コネクター端子を製造しても良い。
本発明に係る銅合金材の特性評価を行うため、下記の方法で銅合金板材を製造した。なお、本実施例の実験条件は一例であり、本発明は以下の実験条件に限定されるものではない。
まず、Ti:3.2質量%、残部Cuおよび不可避的不純物からなる組成の銅合金を溶製し、縦型半連続鋳造機を用いて鋳造した。得られた鋳片を950℃に加熱したのち抽出して、熱間圧延を開始した。熱間圧延の最終パス温度は600℃〜500℃の間にあり、熱間圧延終了後は水冷した。熱間圧延開始からのトータルの熱間圧延率は約95%である。熱間圧延後、被圧延材の表層の酸化層を機械研磨により除去(面削)し、厚さ10mmの圧延板が得られた。次いで、その圧延板に対して圧延率97.8%で冷間圧延を行った後、得られた厚さ0.22mmの板材に900℃×1minで溶体化処理して、プラズマ浸炭処理に供した。溶体化処理後の平均結晶粒径は約10μmであった。また、各供試材の組成を確認のため分析したところ、Tiの含有率は実施例1が3.22質量%、実施例2が3.18質量%、比較例1が3.20質量%であった。なお、平均結晶粒径は、供試材の圧延方向に垂直に切断した断面を研磨したのちエッチングし、その面を光学顕微鏡で観察し、JISH0501の切断法で測定した。
プラズマ浸炭処理においては、まず、真空度が圧力0.1Paの処理炉において、850℃(実施例1)と800℃(実施例2)の2温度水準まで加熱した後、メタンガスを供給し、ガス雰囲気圧力200Paとした。その後、プラズマ電圧500Vで6時間プラズマ浸炭処理を実施して供試材を得た。なお、比較例として、プラズマ浸炭処理前の供試材(比較例1)を準備した。
実施例1,2と比較例1の各供試材から試験片を採取して、断面における各分層部の厚さと結晶構造(実施例2のみ記録)、及び、表面硬さと母相硬さを調べた。
試験片の組織、特性の調査は以下の方法で行った。
〔断面観察〕
プラズマ浸炭した試験片表面層を集束イオンビーム加工にて断面の薄膜化を行い、透過型電子顕微鏡(TEM)にて25000〜30000倍で観察した。また、電子線回折図形解析より、各分層部の結晶構造を同定した。
〔表面硬さと母相硬さ〕
試験片の表面硬さはマイクロビッカース硬さ試験により評価した。試験荷重を10g、荷重負荷時間を10sとした。室温で10点の測定を行って、その平均値を表面硬さとした。試験片の断面中心付近の母相においては、試験荷重を300g、荷重負荷時間を10sで測定したビッカース硬さを母相硬さとした。
試験片の組織、特性の調査結果は以下の通りである。
図1,図2には、実施例2の試験片の断面TEM像を示す。図1,図2に示す通り、試験片の最表面は、厚さ約250nmのTiC層(立方晶: 格子定数a=0.422nm)であり、その直下が厚さ約1.4μmのCuTiO層(立方晶: a=1.124nm)であった。一方、比較例1の断面TEM像には、TiC層とCuTiO層が観察されなかった。
以上の結果をまとめると表1のようになる。なお、実施例1の試験片にもTiC層とCuTiO層が形成されていたが、膜厚は測定していない。
表1に示す通り、試験片の母相表面にCu3Ti3O層が形成され、Cu3Ti3O層上にTiC層が形成されている場合(実施例1,2)には、Cu3Ti3O層とTiC層が形成されていない場合(比較例1)よりも、表面硬さが硬くなることがわかる。
本実施例の結果によれば、Cu−Ti系銅合金材のTi含有量が少なくても、表面にTiC層とCu3Ti3O層が形成されることにより、銅合金材の表面硬さ、ひいては耐摩耗性、耐疲労特性を向上させられることがわかる。
本発明に係る銅合金材は、コネクター、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気・電子部品の材料として用いることができる。

Claims (12)

  1. Ti:1.0〜4.8質量%、残部:Cuおよび不可避的不純物から成る組成の母相の表面にCuTiO層が形成され、前記CuTiO層上にTiC層が形成されたチタン銅合金材。
  2. 前記TiC層は、50nm〜1000nmである、請求項1に記載のチタン銅合金材。
  3. 前記CuTiO層は、100nm〜3000nmである、請求項1又は2に記載のチタン銅合金材。
  4. 前記母相は、さらに、Ni、Co、Fe、Sn、Zn、Mg、Zr、Al、Si、P、B、Cr、Mn、Vの1種以上を合計で0.01質量%以上、1.0質量%以下の範囲で含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のチタン銅合金材。
  5. 試験荷重を10gとして評価したマイクロビッカース硬さ(表面硬さ)がHV200以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のチタン銅合金材。
  6. 母相の硬さがHV150以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のチタン銅合金材。
  7. 板材または線材であることを特徴とする、請求項1〜6にいずれか一項に記載のチタン銅合金材。
  8. Ti:1.0〜4.8質量%、残部:Cuおよび不可避的不純物から成る鋳片に対して、950〜500℃での熱間圧延、冷間圧延、750〜1000℃での溶体化処理を順次施し、プラズマ処理炉の炉圧を0.1Pa以下とした状態で、炉温が750〜900℃となるまで加熱し、加熱された炉内を炭化水素系ガス雰囲気(ガス雰囲気圧力100〜500Pa)にした後、プラズマ電圧を100〜1000V、処理時間を1〜10時間として前記溶体化処理された被処理体のプラズマ浸炭処理を行う、チタン銅合金材の製造方法。
  9. 前記プラズマ浸炭処理後に、400〜500℃で1〜100時間の時効処理を施す、請求項8に記載のチタン銅合金材の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のチタン銅合金材を用いたコネクター端子。
  11. コネクター端子の製造方法であって、Ti:1.0〜4.8質量%、残部:Cuおよび不可避的不純物から成る鋳片に対して、950〜500℃での熱間圧延、冷間圧延、750〜1000℃での溶体化処理を順次施し、その後、プレス成形加工を行い、プラズマ処理炉の炉圧を0.1Pa以下とした状態で、炉温が750〜900℃となるまで加熱し、加熱された炉内を炭化水素系ガス雰囲気(ガス雰囲気圧力100〜500Pa)にした後、プラズマ電圧を100〜1000V、処理時間を1〜10時間として前記プレス成形加工された被処理体のプラズマ浸炭処理を行う工程を経て製造される、コネクター端子の製造方法。
  12. 前記プラズマ浸炭処理後に、前記被処理体に対して400〜500℃で1〜100時間の時効処理を施す、請求項11に記載のコネクター端子の製造方法。
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