以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る収納装置は、開口を有する収納室を備えた収納部と、前記開口に設けられ当該開口を開閉自在とする蓋部と、を備え、前記蓋部が、前記収容室内外を隔てるマジックミラーを備え、前記収納部が、前記収納室内を照らす照明装置を備える。
これにより、収納室内に設けられた照明装置が収納室内を照らすため、蓋部が閉じたままでも、マジックミラーを通して、収納室内を視認することが可能となり、使用者は蓋部を開閉することなく、簡便に収納物の確認が可能となる。
また、マジックミラーの光透過率を、50%以下としてもよい。これにより、照明装置が点灯していないときは収納室内を視認することができず、一方、照明装置が点灯したときには収納室内を視認することが可能となる。
また、物体を検知するセンサを備え、照明装置が、センサの検知情報を得て点灯又は消灯してもよい。これにより、使用者による照明装置の点灯及び消灯の動作を省くことができるため、簡便に収納物の確認が可能となる。
また、センサが、収納部の外側の側面に設けられていてもよい。これにより、例えば使用者が蓋部を開けて収納室内を見るという動作に合わせることができる。または、使用者の手の軌跡上にセンサがあるので、使用者に新たな動作をさせることを省くことができる。具体的には、使用者の手が蓋部に近づいた時にセンサが使用者の手を検知して照明装置が点灯し、使用者は収納室内を見ることができる。
また、照明装置の点灯又は消灯を制御する制御部を備え、制御部が、センサの検知情報を得て、照明装置を点灯又は消灯してもよい。これにより、検知情報に応じて適切に、照明装置の点灯及び消灯を制御することが可能となる。
また、照明装置が点灯している間、制御部が、所定の時間(例えば5秒)、センサの検知情報を検出しないときには、照明装置を消灯してもよい。これにより、照明装置は所定の時間経過後、自動的に消灯されて、使用者の照明装置の消灯の動作を省くことができるため、使用者の手間が省ける。また照明装置の消し忘れを抑制することができ、省エネに資する。
また、収納室が複数の区画に分かれており、照明装置が、複数の区画をそれぞれ照らす複数の照明器具を有していてもよい。これにより、照明装置に照らされる範囲が広くなり、収納室内がより視認しやすくなる。
また、本発明の一実施の形態に係る洗面装置は、前記収納装置と、洗面台と、を備えることを特徴とする。これにより、収納室内を照明装置が照らすため、蓋部が閉じていても、マジックミラーを通して、収納室内を視認することが可能となり、使用者は蓋部を開閉する必要がなく、簡便に収納物の確認が可能となる。
また、前記収納装置と、洗面台と、を備え、センサが、収納部の外側の側面の内、洗面台と対面する面に設けられてもよい。これにより、例えば使用者が蓋部を開けて収納室内を見るという動作に合わせることができる。または、使用者の手の軌跡上にセンサがあるので、使用者に新たな動作をさせることを省くことができる。具体的には、使用者の手が蓋部に近づいた時にセンサが使用者の手を検知して照明装置が点灯し、使用者は収納室内を見ることができる。また、使用者は、手を低い位置で検知させることにより収納室内の照明装置を点灯させ、収納室内を確認することができ、利便性が向上する。
本発明の実施例に係る収納装置及び洗面装置について図1〜8を参照して以下説明する。図1は、本発明の実施例に係る洗面装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1の洗面装置が備える本発明の実施例に係る収納装置の概略構成を示す正面図である。
本実施例の洗面装置1は、洗面ボウル2aを備える洗面台2と、洗面台2の上側に設けられ、収納部及び鏡として機能する収納装置3と、を備えている。なお、本実施例においては、使用者に面する側を「前」、その反対側を「後」とする。また、本実施例において上下左右とは、図2の正面図上での上下左右を示す。
収納装置3は、筐体30と、主鏡4と、主鏡4の左右に設けられた袖鏡5L,5Rと、不図示の制御部と、収納装置3の前方であり筐体30の開口の上側に設けられた照明10と、筐体30の下方に連続して形成され、洗面台2と連結する略長方形の正面板31と、を備えている。なお、主鏡4と、袖鏡5L,5Rと、は本発明における蓋部の一例である。
筐体30は、前方が開口した偏平な箱形状であり、前記箱形状の一面を構成する背板32と、背板32の4辺から前方に立設し、略長方形の開口を形成する4枚の板状部材33a,33b,33c,33dから構成される張り出し部33と、から構成される。筐体30は、背板32及び張り出し部33により、前面に開口を有する収納室を備えており、本発明における収納部を構成する。筐体30は、中央収納室34及び左右収納室36L,36R内を照射する照明装置37a,37bを備えている。収納室は、中央収納室34と、仕切板35L,35Rにより中央収納室34と仕切られた左右収納室36L,36Rと、から成る。
中央収納室34及び左右収納室36L,36Rには、取り外し可能な棚34a,36aが複数段設けられており、中央収納室34及び左右収納室36L,36Rは、棚34a,36aにより、それぞれ複数の区画に分けられている。中央収納室34及び左右収納室36L,36Rは、前側が開口しており、この開口から洗顔料やハミガキ等の収納物を収納したり、取り出したりすることができる。
照明装置37は、中央収納室34及び左右収納室36L,36R内に設けられた複数の区画を照射する照明器具37a,37b,37cを有する。図3は、棚34aに設けられた照明器具37aを下側から見た斜視図である。照明器具37aは、棚34aの下側の面の略中央部に設けられており、一方、照明器具37bは、棚36aの下側の面の略中央部に設けられている。照明器具37a,37b,37cとしては、例えば、発光ダイオード(LED)などが挙げられる。
主鏡4は、略長方形の鏡41と、鏡41の上部及び下部に設けられ鏡41を支持する鏡支持部42と、を備える。主鏡4は、中央収納室34の開口を塞ぐように張り出し部33の前面に設けられている。主鏡4は、右側からの解放が可能に、回動自在に取り付けられ、開閉扉の役割を果たしている。鏡41は、マジックミラーから構成されており、主鏡4を閉じることにより、鏡41が中央収納室34の内側と外側とを隔てた状態となる。
袖鏡5L,5Rは、略長方形の表面を有しており、略長方形の鏡51L,51Rと、鏡51L,51Rの上部及び下部に設けられ鏡51L,51Rを支持する鏡支持部52L,52Rと、を備える。袖鏡5L,5Rは、左右収納室36L,36Rの開口を塞ぐように張り出し部33の前面に設けられている。また、鏡51L,51Rは、マジックミラーから構成されており、袖鏡5L,5Rを閉じることにより、鏡51L,51Rがそれぞれ、左右収納室36L,36Rの内側と外側とを隔てた状態となる。
主鏡4には、その表面形状である略長方形を形成する辺のうちの上下方向に延びる辺の左側の辺の近傍に、上下に延びる辺と平行な回動軸43aが設けられている。また、袖鏡5L,5Rには、その表面形状である略長方形を形成する辺のうちの主鏡4とは反対側の辺(左右方向外側の辺)近傍に、上下に延びる辺と平行で、かつ互いに平行な回動軸53a,53aが設けられている。主鏡4及び袖鏡5L,5Rは、回動軸43a,53aを中心として回動し、開閉自在となっている。
また、回動軸43a,53aが設けられた辺とは反対側の辺の近傍には、それぞれ、回動軸43a,53aと平行な軸43b,53bが設けられている。なお、「近傍」とは、それぞれの回動軸を中心として主鏡4及び袖鏡5L,5Rを回動させて開閉させるのに支障ない位置の範囲をいう。
図4は、主鏡4の左側に配された袖鏡5Lの右側の軸53bが解放されて、袖鏡5Lの右側から開かれた状態を、収納装置3の左側の下方から見た斜視図である。なお、以降、主として左側の袖鏡5Lを対象として説明するが、主鏡4及び右側の袖鏡5Rについても同様の構造である。
袖鏡5Lは、閉時、張り出し部33のうち上下の辺を構成する板状部材33a,33cの前面(先端部分)に設けられたラッチ機構9が、軸53bを拘束することにより閉じた状態となっている。板状部材33cの下面33e及び下部側の鏡支持部42,52L,52Rの各前面には、後述する近接接触センサ(本発明に言う「センサ」の一例)6が配されている。
図5は、ラッチ機構9の内部構造を抜き出して、後方上側から見た斜視図(鏡支持部52Lより上方の構成を省略)であり、図6はその上面図であり、図7はさらにラッチ機構9周辺を拡大して下方から見た斜視図である。なお、図5〜7の説明においても、左右の定義は既述の通りであり、図7上では左右が逆になっている。
以下、ラッチ機構9について説明する。ラッチ機構9は、モータ91と、モータ91の駆動力を伝達する複数のピニオン92と、ピニオン92のうちの一つとかみ合うラック93aと、ラック93aの歯が設けられたのとは逆の辺に備えられL字状に形成されたL字状部材93bと、L字状部材93bに係合するアーム94と、センサを備える。
制御部からの制御信号に基づいて、モータ91が回転し、ピニオン92を介してラック93aに伝達され、回転力が直線運動に変換され、ラック93aが左右方向に移動する。このラック93aの左右方向への駆動力がアーム94に伝達される際に、アーム94が軸53bを解放又は拘束するための駆動力に変換される。
アーム94は、図7に示されるように、一端が略片口スパナの形状に形成されており、当該片口スパナの頭部の上顎部分94eが袖鏡5Lの左右方向中央側となるように、他端側の当該片口スパナの柄の末端部分94fがL字状部材93bの突出部分に回動軸94aを介して係合されている。また、アーム94は、上顎部分94eに、筐体30に間接的に固定された回動軸94bが設けられている。つまり、アーム94は、回動軸94a及び回動軸94bの2本の回動軸を中心として回動可能に構成されている。
回動軸94aは、ラック93aの左右方向の移動に追従して、回動軸94bを中心として回動し、円弧状の経路94d内を円弧を描いて移動するように構成されている。アーム94の一端側には、軸53bが挿し込まれて嵌合する口部94cが形成されている。口部94cは、アーム94全体の傾斜角度より主鏡4側に傾斜するように設けられている。
回動軸存在検知センサ(不図示)は、ラッチ機構9の所定範囲内に軸53bが存在することを検知すると、回動軸存在検知情報を制御部(不図示)へ出力する。なお、ここでいう「所定範囲」とは、ラッチ機構9を駆動し、アーム94を回動させて、口部94cの上顎部分94eの先端を軸53bに引っかけることにより、軸53bを口部94c内に挿し込み嵌合させる(留める)ことが可能な範囲を意味する。
ラッチ機構9の所定範囲内に軸53bが存在することの検知は、袖鏡5Lの開き角度や、軸53bのラッチ機構9への接触に基づいて行うこと等が挙げられる。例えば、袖鏡5Lの開き角度が所定の角度以下である場合に、回動軸存在検知センサは、回動軸存在検知情報を制御部へ出力する。
ラッチ機構9は軸53bを口部94cに留めることによって、軸53bを拘束する。ラッチ機構9が、軸53bを拘束しているとき、袖鏡5Lは閉じた状態となっている(図5参照)。一方、ラッチ機構9は、軸53bを口部94cから外すことにより、軸53bを解放する。
近接接触センサ6は、例えば、物体の近接及び物体の接触を検知して、その検知情報を制御部へ出力する。なお、物体の近接の検知とは、例えば、人の接近や人の手の接近が挙げられ、また、物体の接触とは、物体の接触や人の手の接触が挙げられる。近接接触センサ6としては、例えば、静電容量型センサが挙げられる。近接接触センサ6は、主鏡4の下方に設けられる第1センサ6a、並びに、袖鏡5Lの下方に設けられる第2センサ6b及び袖鏡5Rの下方に設けられる第3センサ(不図示)の3つのセンサから構成される。
第1センサ6aは、鏡支持部42の前面の下側に左右方向に4つ、及び、張り出し部33の中央収納室34を構成する面とは反対側の面(下面)33eの前端付近であって、前記4つの第1センサ6aに対応した位置に左右方向に沿って4つ並んで設けられている(図4参照)。また、第2センサ6bは、袖鏡5Lの下部を支持する鏡支持部52Lの前面の下側に左右方向に4つ、及び、張り出し部33の収納室36Lを構成する面とは反対側の面(下面)33eの前端付近であって、前記4つのセンサに対応した位置に左右方向に沿って4つ並んで設けられている(図4参照)。
なお、第3センサについても、第2センサ6bと同様に、袖鏡5Rの下部を支持する鏡支持部52Rの前面の下側に左右方向に4つ、及び、張り出し部33の収納室36Rを構成する面とは反対側の面(下面)33eの前端付近であって、前記4つのセンサに対応した位置に左右方向に沿って4つ並んで設けられているが、図4において不図示である。以下、袖鏡5Rの開閉機構や構造並びに機能は、袖鏡5Lと反転していることを除き同様であり、袖鏡5Lにおける説明を以て袖鏡5Rにおける説明を省略する場合がある。
制御部は、照明器具37a,37bの点灯及び消灯を制御する。具体的には、制御部は、第1センサ6aから物体が近づいたことを知らせる近接検知情報が入力されると、制御信号を照明器具37aに出力し、照明器具37aを点灯する。一方、制御部は、第2センサ6bから物体の近接検知情報が入力されると、制御信号を照明器具37bに出力し、照明器具37bを点灯する。
照明器具37aの点灯の後、制御部は、第1センサ6aから物体の近接検知情報の入力が所定時間ないと、制御信号を照明器具37aに出力し、照明器具37aを消灯する。一方、照明器具37bの点灯の後、制御部は、第2センサ6bから物体の近接検知情報の入力が所定時間ないと、制御信号を照明器具37bに出力し、照明器具37bを消灯する。ここで、「物体の近接検知情報の入力がない」とは、例えば、最後に入力された近接検知情報が入力された時間から所定の時間、近接検知情報の入力がなかった場合が挙げられる。この所定時間としては、例えば、最後の近接検知情報の入力から5秒経過した後とする。この所定時間は、適宜設計すればよい。
さらに、制御部は、ラッチ機構(左側の袖鏡5Lにおいては符号9)における、軸(左側の袖鏡5Lにおいては符号53b)の拘束又は解放をそれぞれ制御する。具体的には、制御部は、第2センサ6bから物体が第2センサ6bに接触したという物体の接触検知情報が入力されると、制御信号を、軸53bを拘束するラッチ機構9に出力し、軸53bを解放する。一方、制御部は、第1センサ6aから物体の接触検知情報が入力されると、制御信号を、軸43bを拘束するラッチ機構に出力し、軸43bを解放する。さらに、制御部は、これらラッチ機構に設けられた回動軸存在検知センサから回動軸存在検知情報が入力されると、制御信号を各ラッチ機構に出力し、軸43b,53bを拘束する。
次に、本実施例に係る収納装置3における照明器具37a,37bの点灯及び消灯動作、並びにラッチ機構の解放及び拘束動作について説明する。
まず、照明器具37a,37bの点灯及び消灯動作について説明する。使用者が第1センサ6aに手をかざすと、第1センサ6aは、物体の近接を検知して、その物体の近接検知情報を制御部に出力する。制御部は、物体の近接検知情報が入力されると、制御信号を照明器具37aに出力し、照明器具37aを点灯する。一方、使用者が第2センサ6bに手をかざすと、第2センサ6bは、物体の近接を検知して、その物体の近接検知情報を制御部に出力する。制御部は、物体の近接検知情報が入力されると、制御信号を照明器具37bに出力し、照明器具37bを点灯する。制御部は、最後に入力された近接検知情報が入力された時間から所定の時間、近接検知情報の入力がなかった場合には、照明器具37a,37bを消灯する。
次に、ラッチ機構9の解放動作について説明する。ここでは、左側の袖鏡5Lを対象として説明する。先ず、初期状態を示す図5において、ラッチ機構9は軸53bを拘束しており、袖鏡5Lは閉じた状態となっている。このとき、ラック93a及びL字状部材93bは袖鏡5Lにおける左右方向の最も中央側に位置し、回動軸94a(アーム94の柄の末端部分)は、経路94dの同中央側に位置している。また、アーム94は、他端側の末端部分94fを含む片口スパナの柄の部分が同中央側に向かって傾斜しており、一端側の口部94cは袖鏡5Lにおける左右方向の外側に向かって開口している。このため、口部94cに挿し込まれて嵌合した軸53bは、口部94cから外れることなく口部94cに拘束されている。
この状態において、使用者が第2センサ6bに手を接触させると、第2センサ6bは、物体の接触を検知して、その物体の接触検知情報を制御部に出力する。制御部は、物体の接触検知情報が入力されると、制御信号をラッチ機構9に出力し、ラッチ機構9のモータ91を駆動する。ラッチ機構9のモータ91が駆動すると、ピニオン92を介して、ラック93a及びL字状部材93bが右側(図6における左側)に移動する。これにより、回動軸94bを中心としてアーム94が回動し、回動軸94aが、経路94dの最も右側(図6における左側)の位置に達したときに、モータ91は駆動を停止する。アーム94は回動に伴って、口部94cの下顎部分94gで軸53bを前方(図6における上方)に押し出す。これにより、軸53bは口部94cから解放され(図6及び7)、袖鏡5Lを右側から開けることができる。
次に、拘束動作について説明する。袖鏡5Lの右側が開いた状態において、使用者が当該袖鏡5Lの右側を後方(図6において下方)に押すと、軸53bがアーム94の所定範囲内に進入する。回動軸存在検知センサは、アーム94の所定範囲内に軸53bが存在すると検知すると、制御部に回動軸存在検知情報を出力する。制御部は、回動軸存在検知情報が入力されると、制御信号をラッチ機構9に出力し、ラッチ機構9のモータ91を駆動する。ラッチ機構9のモータ91が駆動すると、ピニオン92を介して、ラック93a及びL字状部材93bが左側(図6における右側)に移動する。これにより、回動軸94bを中心としてアーム94が回動し、アーム94は、口部94cの上顎部分94eで軸53bを引っかけて、軸53bを引き込むように口部94c内に挿し込まれ嵌合し拘束され、袖鏡5Lが閉じた状態になる。
次に、本実施例の収納装置3の動作を図8のフローチャートを用いて説明する。ここでも、左側の袖鏡5Lを対象として説明する。図8は、収納装置3の制御部の、照明器具37bの点灯及び消灯並びにラッチ機構9の解放を制御する制御動作の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、制御動作が開始すると、ステップS11において、制御部は、第2センサ6bが物体の近接を検知したか否かの判断を行う。制御部は、第2センサ6bが物体の近接を検知した場合、つまり、第2センサ6bから物体の近接検知情報が入力された場合には、ステップS12に移行し、そうでない場合にはステップS11の前に戻る。
ステップS12において、第2センサ6bから物体の近接検知情報が入力された場合制御部は、照明器具37bを点灯する。
ステップS13において、制御部は、第2センサ6bが物体の接触を検知したか否かの判断を行う。制御部は、第2センサ6bが物体の接触を検知した場合、つまり、第2センサ6bから物体の接触検知情報が入力された場合には、ステップS14に移行し、そうでない場合にはステップS15に移行する。
ステップS14において、第2センサ6bから物体の接触検知情報が入力された制御部は、ラッチ機構9のモータ91を駆動して、軸53bを拘束するラッチ機構9を解放する。これにより、軸53bは口部94cから解放され(図6及び7)、袖鏡5Lを右側から開けることができるようになる。
袖鏡5Lの開閉に関わらず、ステップS15において、制御部は、第2センサ6bが物体の近接を検知しないか否かの判断を行う。制御部は、第2センサ6bが物体の近接を検知しない場合、つまり、第2センサ6bから物体の近接検知情報の入力が所定の時間なかった場合には、ステップS16に移行し、そうでない場合にはステップS15の前に移行する。
ステップS16において、第2センサ6bからの物体の近接検知情報の入力が所定の時間なかった場合における制御部は、照明器具37bを消灯し、制御動作を終了する。
なお、袖鏡5Lが開いた状態となっている場合には、使用者が手でこれを当該袖鏡5Lの右側を後方(図6において下方)に押すと、回動軸存在検知センサが所定範囲内に軸53bが存在すると検知し、制御部が制御信号をラッチ機構9に出力して、アーム94が軸53b拘束し、袖鏡5Lが閉じた(閉塞)状態になる。
以上の図8のフローチャートを用いて、第2センサ6bの検知により、左側の収納室36L内を照射する照明器具37bの点灯乃至消灯、並びに、左側の袖鏡5Lの解放(及び閉塞)の各動作が為されることを説明したが、中央収納室34や右側の収納室36Rについても同様の構成で各動作が為される。即ち、第1センサ6aの検知により、中央収納室34内を照射する照明器具37aの点灯乃至消灯、並びに、左主鏡4の解放(及び閉塞)の各動作が、第3センサ(不図示)の検知により、右側の収納室36R内を照射する照明器具37cの点灯乃至消灯、並びに、左側の袖鏡5Rの解放(及び閉塞)の各動作が、それぞれ為される。
本実施例の収納装置3によれば、中央収納室34及び左右収納室36L,36R内を照射する照明装置37a,37b,37cを備え、中央収納室34及び左右収納室36L,36Rの開口に設けられた開閉自在の主鏡4及び袖鏡5L,5Rが、中央収納室34及び左右収納室36L,36R内外を閉時隔てるマジックミラー(鏡41,51L,51R)を備えている。これにより、主鏡4及び袖鏡5L,5Rが閉じたままでも、中央収納室34及び左右収納室36L,36R内を照明装置が照らすことにより、マジックミラーを通して中央収納室34及び左右収納室36L,36R内を視認することが可能となるため、使用者は主鏡4及び袖鏡5L,5Rを開閉することなく、簡便に収納物を確認することが可能となる。
また、本実施例における収納装置3によれば、物体の近接及び物体の接触を検知する第1センサ6a,第2センサ6b及び第3センサ(不図示)を備え、照明装置37a,37b,37cが、これらセンサへの物体の近接検知情報を得て、消灯乃至点灯する。これにより、使用者は、照明装置を点灯乃至消灯させるための動作を省くことができるため、簡便に収納物の確認が可能となる。
さらに、本実施例における収納装置3によれば、照明装置37a,37b,37cの点灯乃至消灯を制御する制御部を備え、制御部が、第1センサ6a,第2センサ6b,第3センサ(不図示)の、物体の近接検知情報を得て照明装置37a,37b,37cを点灯する。これにより、使用者による照明装置37a,37b,37cの点灯及び消灯の動作を省くことができるため、簡便に収納物の確認が可能となる。
また、本実施例における収納装置3によれば、照明装置37a,37b,37cが点灯している際に、制御部が、所定の時間、第1センサ6a,第2センサ6b,第3センサ(不図示)の検知情報をそれぞれ検出しないときには、照明装置37a,37b,37cをそれぞれ消灯する。これにより、照明装置37は所定の時間経過後、自動的に消灯されるため、使用者の照明装置37a,37b,37cの消灯の動作を省くことができるため、使用者の手間が省ける。また照明装置37の消し忘れを抑制することができ、省エネに資する。
また、本実施例における収納装置3によれば、中央収納室34及び左右収納室36L,36Rが複数の区画に分かれており、照明装置37が、複数の区画をそれぞれ照らす照明器具37a,37b,37cを有している。これにより、照明装置に照らされる範囲が広くなり、収納室内がより視認しやすくなる。
また、本実施例における収納装置3によれば、照明器具37が、中央収納室34及び左右収納室36L,36Rのそれぞれの位置に対応した、第1センサ6a及び第2センサ6bの検知情報を得て、点灯又は消灯する。これにより、収納室内の所望の区画を照明装置37a,37b,37cによりそれぞれ照らすことができ、利便性が向上する。なお、センサをさらに増設し、それぞれのセンサにより近接情報を検知して、棚により仕切られた上中下の各区画をそれぞれ照射する各照明装置の点灯乃至消灯を別々に制御することにしてもよい。これにより、必要な区画のみ照明装置を点灯させて、マジックミラー越しに中を確認することができる。
本実施例の洗面装置1は、収納装置3と、洗面台2とを備えている。これにより、使用者が洗面台2に向き合った際、主鏡4及び袖鏡5L,5Rが閉じたままでも、中央収納室34及び左右収納室36L,36R内を照明装置が照らすことにより、マジックミラーを通して中央収納室34及び左右収納室36L,36R内を視認することが可能となるため、使用者は主鏡4及び袖鏡5L,5Rを開閉することなく、簡便に収納物の確認が可能となる。
上記実施例における収納装置3の構成は、特に限定されるものではないが、以下のような構成とすることが好ましい。
主鏡4及び袖鏡5L,5Rにおけるマジックミラーの光透過率は、50%以下であることが好ましい。光透過率が50%以下であれば、照明器具37が点灯していない間は、中央収納室34及び左右収納室36L,36R内を視認することができず、照明装置37が点灯したときに収納部30A内を視認することが可能となるからである。なお、光透過率の下限としては、照明器具37が点灯していない間の鏡としての機能を考慮すると約7%であることが好ましい。
また、本実施例において、第1センサ6aは、主鏡4の鏡支持部42の前面の下側に左右方向に4つ、及び、下面部33eの先端付近であって前記鏡支持部42に設けられた4つのセンサに対応した位置に左右方向に4つ沿って並んで設けられている構成としたが、これに限定されることはない。例えば、鏡支持部42の前面の下側のみに設けてもよく、また、下面部33eの先端付近のみに設けてもよい。第1センサ6aを、下面部33eの先端付近のみに設けた場合には、センサが使用者から見えにくい位置に配置されるため、収納装置3及び洗面装置1の外観の意匠性が向上する。また、使用者は、手を低い位置で検知させることにより扉を開けることができ、利便性が向上する。第2センサ6bや第3センサ(不図示)についても同様である。
本実施例においては、主鏡4を構成する鏡41はマジックミラーで構成されているとしたが、中央収納室34内が視認できればこれに限定されることはなく、鏡41のうち一部がマジックミラーで形成されている構成としてもよい。袖鏡5L,5Rにおいても同様である。勿論、いずれの鏡においても、全面をマジックミラーとすることが、照明器具の点灯時に収納室内全体を視認することができる為、好ましい。
本実施例においては、照明器具37a,37b,37cとして、LEDを例に挙げて説明したが、中央収納室34及び左右収納室36L,36R内を照射できるものであれば、特に限定されることはない。LEDの他に照明器具37a,37b,37cとしては、例えば、一般的な白熱ランプや蛍光灯の他、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)など、照明に用いることができる各種光源を採用することができる。
本実施例においては、照明器具37a,37b,37cは、棚34a,36aの下側の面の略中央部に設けられる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、下面側に複数設けてもよく、中央部でなくてもよい。さらに、照明器具を、中央収納室34及び左右収納室36L,36R内(張り出し部33の内側)に設けてもよい。
本実施例においては、中央収納室34及び左右収納室36L,36Rが複数の区画に分かれていたが、これに限定されることはなく、1つの区画となっていてもよい。また、中央収納室34と左右収納室36L,36Rが一つの収納室を形成していてもよく、その収納室を複数の区画に分けてもよい。さらに、照明装置37の照明器具37a,37b,37cは2つに限定されることはなく、3以上であってもよい。
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、当該実施例に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の収納装置又は洗面装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
例えば、前述した実施例においては、中央収納室34及び左右収納室36L,36Rのそれぞれに照明装置37の照明器具37a,37b,37cを備え、これらをそれぞれ別個に制御するセンサ乃至制御部を備える構成としたが、いずれか1つの収納室内に照明装置を備え、かつ、その収納室の内外を閉時隔てるマジックミラーを備えさえすれば、その収納室内を照明装置によってマジックミラー越しに照らし出すことができる。
また、前述した実施例においては、センサが収納装置に設けられた構成を例に挙げて説明しているが、センサの設置場所はこれに限られるものではない。収納装置や洗面台とは別個に、例えば、これらが設置される部屋(洗面所)の天井や壁、さらには出入口等に設置してもよい。このとき、設置するセンサをいわゆる人感センサとすることで、使用者が部屋(洗面所)に入室したことを、あるいは、洗面台に近づいたこと乃至対面したこと、を検知して、収納室内の照明装置を点灯させることもできる。この場合には、例えば、使用者が蓋部を開けたり、その場を離れたりした際、あるいは、所定時間経過後に、照明装置を消灯するように制御する構成とすることができる。
さらに、そもそもセンサを備えず、照明装置のスイッチを備えることとしても構わない。この場合には、使用者が、収納室内における、中を覗きたい区画(場所)に対応するスイッチを入れることで、直接所望の照明装置を点灯させ、マジックミラー越しに中を確認することができる。
本発明において、照明装置やセンサ(スイッチ)は、複数備えることに限定されず、収納室内に1つの照明装置のみが配されて、1つのセンサ乃至スイッチでこれを点灯乃至消灯するように構成されていても構わない。
本実施例においては、蓋部として開き扉状の主鏡4、及び、袖鏡5L,5Rを例に挙げているが、本発明における蓋部は扉状のものに限定されず、例えば、引き戸やシャッター形状の物、さらにはアコーディオン形状の物であってもよい。開閉可能な蓋部であって、その少なくとも一部にマジックミラーが設けられ、収納室内外を隔てることができればその構成は限定されない。