JP2016151286A - 車両のブリーザ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のブリーザ構造に関し、渡渉性能を高めつつ、ブリーザホースの配索経路を短縮する。【解決手段】車両の下部に電動駐車ブレーキ装置を固定し、その内外を連通する大気開放用の第一配管51を接続する。また、ディファレンシャル装置27の内外を連通する大気開放用の第二配管52を第一配管51と合流部60で合流させる。合流部60よりも上流側に位置する大気開放端部55は、車両のダッシュパネル28に沿って上方に向かって配設する。また、合流部60よりも下流側における第一配管51,第二配管52の少なくとも何れか一方には、振動を吸収するホースを含ませる。【選択図】図4

Description

本発明は、電動駐車ブレーキ装置を搭載した車両のブリーザ構造に関する。
近年、車両の駐車ブレーキ装置(パーキングブレーキ)を電動化した電動駐車ブレーキ装置が普及しつつある。駐車ブレーキ装置とは、ブレーキペダルによる制動系とは別系統で設けられた制動装置であり、乗員の手動操作で牽引されるワイヤーケーブルを用いて車輪の摩擦制動機構を作動させるものである。一方、電動駐車ブレーキ装置では、そのワイヤケーブルが電動モータで牽引される(特許文献1参照)。
電動モータの作動状態は、例えばボタン操作やペダル操作,車両の停止状態等に応じて制御される。これにより、手軽に電動モータを作動させて車輪をロックすることができる。また、電動モータで発生する牽引力を弱めれば車輪のロックが解除されるため、坂道発進時におけるブレーキペダル踏み込み操作の代わりに使用することも可能である。なお、電動駐車ブレーキ装置の取付位置は、防水性や防塵性を考慮して、おもに車室内や車室のフロアパネル下面に設定される(特許文献2,3参照)。
特開2000-211485号公報 特開2002-242968号公報 特開2007-040442号公報
しかし、電動駐車ブレーキ装置をフロアパネル下面に固定すると、その作動音や振動が車室に伝達されやすくなってしまう。特に、近年の電動駐車ブレーキ装置は、アクセルペダルの踏み込み操作やブレーキペダルの踏み込み操作で車輪をロックし、あるいはロックを解除する機能を持つものが開発されている。このような電動駐車ブレーキ装置を使用した場合、立体駐車場内や渋滞路で車輪が頻繁にロックされ、あるいはこれが解除されることがある。そのため、電動駐車ブレーキ装置の作動音や振動によって、車室の静粛性が低下するおそれがある。
そこで、電動駐車ブレーキ装置を車室から離れた場所に取り付けて、車室の静粛性を高めることが検討されている。電動駐車ブレーキ装置の具体的な取付位置としては、例えば、車両のフレーム上に設定することが考えられる。しかしながら、車両のフレームは車体下部に配置されるため、電動駐車ブレーキ装置が冠水しやすく、装置内部に水が進入しやすくなるという課題が生じる。すなわち、河川の氾濫や大雨による路面冠水時に、電動駐車ブレーキ装置が水面下に水没すると、ワイヤケーブルに染み込んだ水分が装置内部に吸い込まれて電動駐車ブレーキ装置の正常な動作を阻害する場合がある。
このような課題に対し、電動駐車ブレーキ装置にブリーザホースを接続することで、内部圧力を外気圧と同一圧力に維持し、装置内部への水分の進入を防止することも考えられる。しかしこの場合、ブリーザホースの経路が長くなり、車体振動によるホースの変形,破損の可能性が高まるとともに、部品点数の増大によりコストが増加する。
本件は上記のような課題に鑑み創案されたものであり、車両の渡渉性能を高めつつ、ブリーザホースの配索経路を短縮することができるブリーザ構造を提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示する車両のブリーザ構造は、車両の下部に固定される電動駐車ブレーキ装置の内外を連通する大気開放用の第一配管を備える。また、前記第一配管と合流部で合流する形状に形成され、前記車両のディファレンシャル装置の内外を連通する大気開放用の第二配管を備える。
前記合流部よりも上流側に位置する大気開放端部は、前記車両のダッシュパネルに沿って上方に向かって配設される。また、前記合流部よりも下流側に位置する前記第一配管及び前記第二配管の少なくとも何れか一方は、振動を吸収するホースを有する。
前記第一配管,前記第二配管には、金属配管や樹脂パイプ,ゴムホースなどが含まれる。また「前記合流部よりも下流側」とは、前記第一配管のうち、前記合流部から前記電動駐車ブレーキまでの区間と、前記第二配管のうち、前記合流部から前記ディファレンシャル装置までの区間とを意味する。これらの何れかの区間に前記ホースが介装され、あるいは、これらの何れかの区間が前記ホースで形成される。
なお、前記電動駐車ブレーキ装置とは、乗員操作に応じて前記車両の駐車ブレーキを作動させ又は解除するモータを内蔵する電動式のパーキングブレーキ装置である。
(2)前記大気開放端部が、前記車両のカウルトップの下方に開放されることが好ましい。
(3)前記電動駐車ブレーキ装置が、フレームのうち車長方向(車両前後方向)に延設されたサイドメンバの外側に固定されることが好ましい。
なお、前記車両が、前記フレーム上にマウントを介してボディが載置されるフレーム車両であることが好ましい。
(4)前記第二配管が、前記車両の前輪に動力を伝達するフロントディファレンシャル装置のブリーザ配管であることが好ましい。
この場合、前記電動駐車ブレーキ装置が、前記フロントディファレンシャル装置の近傍であって、前記車両の前輪よりも後方に配置されることが好ましい。例えば、前記サイドメンバに固定されて前記フレームの振動を抑制するダンパ装置を備えることが好ましい。また、前記電動駐車ブレーキ装置が、車幅方向に前記ダンパ装置と対置されることが好ましい。
開示の車両のブリーザ構造によれば、車両の下部に固定された電動駐車ブレーキ装置及びディファレンシャル装置のブリーザ配管を一本に合流させることで、トータルの配管経路を短縮することができる。これにより、車体振動やエンジン振動による配管の変形,破損,脱落を抑制しつつ、ブリーズ機能を満足させることができ、車両の渡渉性能を高めることができる。また、ブリーザホースの経路が簡素化されることから、部品点数を削減することができ、コストを低減させることができる。
また、ダッシュパネルに沿ってブリーザホースを固定することで、比較的高い位置まで開放端を持ち上げることができ、ブリーザホースからの水の進入を回避しやすくすることができる。これに加えて、ブリーザホースが車室内に開放されないため、車室の防音性を高めることができるとともに、電動駐車ブレーキ装置の防水性を高めることができる。
さらに、合流部よりも下流側の第一配管,第二配管の何れかに振動を吸収するホースが含まれるため、電動駐車ブレーキ装置とディファレンシャル装置との間の相対的な振動を吸収することができ、第一配管,第二配管の変形,破損,脱落をより確実に抑制することができる。
実施形態のブリーザ構造が適用された車両の分解斜視図である。 図1の車両のフレーム(フロアパネル下)を示す上面図である。 電動駐車ブレーキ装置を示す右側面図(図2のA矢視図)である。 電動駐車ブレーキ装置及びフロントディファレンシャル装置のブリーザホースを示す斜視図である。
図面を参照して、実施形態としての車両のブリーザ構造について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.構成]
[1−1.フレーム]
本実施形態のブリーザ構造が適用された車両10を図1に例示する。この車両10は、マウント4を介してフレーム1上にボディ11が載置されたフレーム車両であり、フレーム1とボディ11とが分離したセパレートフレーム構造を備える。図1では、車両10のパワートレイン装置や懸架装置等の記載を省略して、フレーム1とボディ11とを分離させた状態を模式的に示す。
フレーム1は、車両10の骨格をなす構造部材であり、車両10に作用する荷重を支えるものである。図1中に示すフレーム1は、一対のサイドメンバ2と複数のクロスメンバ3とを梯子状に連結してなるラダーフレームであり、車長方向(車両前後方向)が長手となるように配置される。サイドメンバ2は、車両10の前端部から後端部までのほぼ全長に渡って車長方向に延設される部材であり、車幅方向に間隔を空けて左右に一対設けられる。
サイドメンバ2の断面形状は、例えば閉断面形状(円形,角形等)やコの字型(溝形,チャンネル形)に形成される。左右のサイドメンバ2は、車両10の全体でほぼ左右対称形状となるように配置される。また、これらのサイドメンバ2の間隔は、ボディ11の形状や車両10に搭載される各種装置のレイアウトに合わせて、場所によって車幅方向に拡幅,狭窄される。例えば図2に示すように、サイドメンバ2は、前輪12と干渉しないようにホイールハウスの近傍での間隔が狭く形成される。また、後輪13の近傍では、車軸を避けるようにその上側に湾曲した形状に形成される。以下、二つのサイドメンバ2の個々を区別する場合には、それぞれを右サイドメンバ21,左サイドメンバ23と呼ぶ。
クロスメンバ3は、一対のサイドメンバ2の間を車幅方向に接続する部材であり、車長方向に間隔を空けて複数本設けられる。クロスメンバ3の断面形状は、サイドメンバ2と同様に、閉断面形状やコの字型に形成される。図1に示す車両10には、六本のクロスメンバ3が設けられる。以下、これらのクロスメンバ3を区別する場合には、前方から順に第一クロスメンバ31,第二クロスメンバ32,…,第六クロスメンバ36と呼ぶ。
図1に示すように、第一クロスメンバ31は、車両10の前端部で左右のサイドメンバ2を接続する。また、第二クロスメンバ32,第三クロスメンバ33は、前輪12の車軸を挟んでその前後に配置される。一方、第四クロスメンバ34は、フレーム1の全体で車長方向の中央部付近に配置される。また、第五クロスメンバ35,第六クロスメンバ36は、後輪13の車軸を挟んでその前後に配置される。
フレーム1上には、複数のマウント4を介してボディ11が載置,支持される。マウント4は、ボディ11に伝達される振動や衝撃を緩和する緩衝装置であり、例えばラバーマウントやビスカスマウント等である。マウント4の取付箇所は、右サイドメンバ21,左サイドメンバ23のそれぞれに六箇所ずつ設定される。図1に示す例では、前輪12の車軸を挟む前後の二箇所,後輪13の車軸を挟む前後の二箇所,車室62の下方における一箇所,サイドメンバ2における後端部近傍の一箇所に配置される。以下、前輪12の直後方に配置されたマウント4のうち、右サイドメンバ21に固定されたものを第一マウント41と呼び、左サイドメンバ23に固定されたものを第二マウント42と呼ぶ。
[1−2.各種搭載品]
図2に示すように、車両10のパワートレイン装置は、一対のサイドメンバ2の間に配置される。これらのパワートレイン装置は、マウントや弾性部材を介して車両10のフレーム1に取り付けられる。エンジン16,変速機17は、第三クロスメンバ33よりも前方側で、車幅方向の中央付近に配置される。また、変速機17の後方にはパワートランスファユニット25が配置される。パワートランスファユニット25では、エンジン16で発生した駆動力が前輪12と後輪13とに分配される。
パワートランスファユニット25の後方にはリアプロペラシャフト18が延設され、前方にはフロントプロペラシャフト26が延設される。リアプロペラシャフト18の後端部は、後輪13の車軸の近傍においてリアディファレンシャル装置19に接続される。同様に、フロントプロペラシャフト26の前端部は、前輪12の車軸の近傍においてフロントディファレンシャル装置27に接続される。これらのディファレンシャル装置19,27は、例えばスプリングやダンパーなど緩衝機構を介してフレーム1に固定される。各々のプロペラシャフト18,26とディファレンシャル装置19,27との間には、ユニバーサルジョイントやスリーブヨークが介装される。
リアプロペラシャフト18よりも右側には、エンジン16の排気系装置20(排気管,排気触媒装置,消音装置等)が配置される。一方、リアプロペラシャフト18よりも左側には、エンジン16の燃料タンク15が配置される。燃料タンク15の位置は、上面視で第四クロスメンバ34と第五クロスメンバ35とに挟まれた範囲内に設定される。本実施形態では、第四クロスメンバ34,第五クロスメンバ35,左サイドメンバ23のそれぞれに対して燃料タンク15が固定される。また、リアプロペラシャフト18を挟んで燃料タンク15の右側には、消音装置(マフラー)が配置される。
左サイドメンバ23の外面24には、フレーム1の振動を抑制するためのダイナミックダンパ8(ダンパ装置)が取り付けられる。ダイナミックダンパ8は、フレーム1の振幅が比較的大きくなりやすい中央部付近(例えば、第三クロスメンバ33と第四クロスメンバ34との間)に配置され、フレーム1の共振を抑制するおもりとして機能する。また、ダイナミックダンパ8の位置は、第二マウント42よりも後方に設定される。つまり、ダイナミックダンパ8と前輪12との間に第二マウント42を配置する。これにより、前輪12からダイナミックダンパ8への飛び石(チッピング)が抑制される。
[1−3.電動駐車ブレーキ装置]
この車両10には、駐車ブレーキの作動,解除を電子制御する電動駐車ブレーキ装置5(EPB,Electric Parking Brake)が搭載される。電動駐車ブレーキ装置5は、ブレーキペダルによる通常の制動系とは別系統で設けられた制動装置であり、例えば後輪13に内蔵された摩擦制動機構(ドラムブレーキ装置,ディスクブレーキ装置等)をワイヤケーブル7で牽引することにより、後輪13の回転をロックする(拘束する)機能を持つ。
電動駐車ブレーキ装置5には、バッテリ駆動のモータ6が内蔵される。モータ6の作動状態は、乗員の操作に応じて制御される。例えば、モータ6を正回転させる操作がなされると、ワイヤケーブル7が牽引され、後輪13がロックされる。また、モータ6を逆回転させる操作がなされた場合には、ワイヤケーブル7の牽引力が弱められ、後輪13のロックが解除される。これらの操作は、例えばボタン操作やアクセルペダルの踏み込み操作,車両10の停止状態等に対応付けられる。
左右の後輪13に伝達されるワイヤケーブル7の牽引力は、イコライザ9(分配器)で均等に分配される。イコライザ9は、電動駐車ブレーキ装置5とともに、電動駐車ブレーキ装置5に隣接してサイドメンバ2に固定される。イコライザ9から伸びる二本のワイヤケーブル7は、フレーム1上に配索されて、左右の後輪13のそれぞれに対して接続される。
本実施形態の電動駐車ブレーキ装置5及びイコライザ9は、車室62のフロアパネル14の下方において、サイドメンバ2における車両外側の側面に固定される。すなわち、図3に示すように、電動駐車ブレーキ装置5及びイコライザ9は、右サイドメンバ21の外面22に固定される。電動駐車ブレーキ装置5及びイコライザ9は、フロアパネル14とは非接触とされる。また、電動駐車ブレーキ装置5及びイコライザ9は、ダイナミックダンパ8と同様に、フレーム1の振幅が比較的大きくなりやすい中央部付近(例えば、第三クロスメンバ33と第四クロスメンバ34との間)に配置される。
つまり、電動駐車ブレーキ装置5,イコライザ9は、上面視でリアプロペラシャフト18を挟んでダイナミックダンパ8と対向するように配置され、ダイナミックダンパ8と車幅方向に対置される。これにより、電動駐車ブレーキ装置5及びイコライザ9は、フレーム1の共振を抑制するおもりとして機能する。なお、電動駐車ブレーキ装置5及びイコライザ9の配設位置は、サイドメンバ2の外側であることから、車両10の燃料タンク15に対して車長方向に見て重ならない位置となる。
また、電動駐車ブレーキ装置5及びイコライザ9の固定位置は、第一マウント41よりも後方に設定される。つまり、第一マウント41は、電動駐車ブレーキ装置5及びイコライザ9と前輪12との間に配置される。これにより、図3中に斜線領域として示すように、前輪12からの飛び石(チッピング)が電動駐車ブレーキ装置5,イコライザ9に衝突しにくくなり、電動駐車ブレーキ装置5,イコライザ9の保護性が向上する。
[1−4.ブリーザホース]
電動駐車ブレーキ装置5には、その内外を連通するブリーザホースが接続される。図3に示す例では、モータ6が内蔵された電動駐車ブレーキ装置5の手動開放装置54とケース本体58との間に緊急解除用ケーブル53が接続されるとともに、手動開放装置54からブリーザホース51が延設される。これらのブリーザホース51,緊急解除用ケーブル53は、電動駐車ブレーキ装置5の内外を連通する大気開放用の通路(第一配管)として機能する。
手動開放装置54は、緊急時に車両10の外部から駐車ブレーキを解除するための装置である。手動開放装置54の取付位置は、車両10の右側面からアクセスしやすいように、電動駐車ブレーキ装置5の近傍に設定される。なお、密閉されている手動開放装置54の蓋を開けて緊急解除用ケーブル53を押し引きすることで、ワイヤケーブル7を緩めて後輪13のロックを解除することができる。
ブリーザホース51,緊急解除用ケーブル53は、ともに耐水性の被覆で覆われたホースである。ブリーザホース51の一端は手動開放装置54の蓋の内側に開放され、他端は車両10のエンジンルーム61内に開放される。ブリーザホース51は、図3に示すように、右サイドメンバ21の外面22に沿って、車室62のフロアパネル14よりも下方で車長方向に配設される。また、ブリーザホース51の前方側は、ダッシュパネル28(エンジンルーム61側の表面)に沿って上方に向かって配設され、カウルトップ29の下方に開放される。
カウルトップ29は、ダッシュパネル28の上端部において車幅方向に張設された面状の部材であり、ダッシュパネル28よりも前方のエンジンルーム61に向かって張り出した形状とされる。ブリーザホース51の開放端55は、カウルトップ29の翼下に配置される。したがって、例えば雨水がフロントガラス56を伝ってガーニッシュ30とボンネット57との隙間からエンジンルーム61内に進入したとしても、開放端55からの水の吸い込みが防止される。あるいは、河川の渡渉時における開放端55への水掛かりも防止される。
図4に示すように、フロントディファレンシャル装置27にも、その内外を連通する大気開放用の通路(第二配管)としてのブリーザホース52が接続される。このブリーザホース52は、フロントディファレンシャル装置27を始点として、前輪12の車軸に沿って車幅方向に延設された後、右サイドメンバ21に沿って車両後方に延設され、ダッシュパネル28の表面に向かって上向きに配設される。また、ブリーザホース52は、ダッシュパネル28の表面近傍において、電動駐車ブレーキ装置5のブリーザホース51と合流するように接続される。したがって、開放端55(合流により共通化された大気開放端部)は、ブリーザホース52の大気開放口でもあり、ブリーザホース51の大気開放口でもある。ブリーザホース52,51は、その合流部60を含む複数箇所で、ダッシュパネル28に対して固定される。
ここで、大気開放用の通路全体のうち、合流部60から電動駐車ブレーキ装置5までの区間を第一区間と呼び、合流部60からフロントディファレンシャル装置27までの区間を第二区間と呼ぶ。また、合流部60から開放端55までの区間を第三区間と呼ぶ。本実施形態におけるブリーザ構造は、第一区間,第二区間,第三区間が合流部60で三つ股に連結された構造を持つ。
本実施形態のブリーザホース51,52は、ともに振動を吸収する弾性を持ったゴム製や軟質樹脂製のホースであるが、部分的に金属製,硬質樹脂製の配管材(パイプ)で接続されている。第一区間,第二区間はおもにホースで形成され、第三区間はおもにパイプで形成される。したがって、第一区間,第二区間の双方において、車体振動を吸収しうる構造となっている。なお、第一区間,第二区間にパイプを使用する場合には、少なくとも第一区間と第二区間との何れか一方に、振動を吸収するホースを介装することが好ましい。あるいは、少なくとも第一区間と第二区間との何れか一方を、振動を吸収するホースで形成することが好ましい。
電動駐車ブレーキ装置5は、車両10のサイドメンバ2に固定されるため、車体振動の影響を受けて変位しうる。一方、フロントディファレンシャル装置27は、トランスファ装置25及びフロントプロペラシャフト26を介して変速機17に接続されているため、車体振動だけでなくエンジン16の振動の影響を受けて変位しうる。このような振動特性の相違は、大気開放用の通路の変形,破損,脱落を招く要因の一つとなる。
しかしながら、少なくとも第一区間と第二区間との何れか一方にホースを含ませることで、このような振動特性の相違がホースで吸収され、電動駐車ブレーキ装置5とフロントディファレンシャル装置27との間の相対的な振動が抑制される。したがって、第一区間及び第二区間における配管材の変形,破損,脱落が効果的に抑制される。
[2.作用,効果]
(1)上記の車両10のブリーザ構造では、フロントディファレンシャル装置27のブリーザホース52と電動駐車ブレーキ装置5のブリーザホース51とが合流するように設けられる。一方、フロントディファレンシャル装置27,電動駐車ブレーキ装置5は、ともに車両10のフレーム1(すなわち、サイドメンバ2,クロスメンバ3)に対して固定される。
このように、同一のフレーム1に固定された装置のブリーザホース51,52を合流させて一体化することで、ホースの配索経路を短縮させつつ、車体振動やエンジン振動によるホースの変形,破損を抑制することができる。したがって、フロントディファレンシャル装置27,電動駐車ブレーキ装置5のブリーザ機能をともに十分に満足させることができ、車両10の渡渉性能を向上させることができる。また、ブリーザ経路が簡素化されることから、部品点数を削減することができ、コストを低減させることができる。
なお、上記のような大気開放用のブリーザホースは、フロントディファレンシャル装置27,電動駐車ブレーキ装置5だけでなく、変速機17やパワートランスファユニット25等にも接続される。しかし、変速機17,パワートランスファユニット25は、エンジン16の動力伝達経路上に配置されるものであることから、エンジン16の振動の影響を受ける。これは、パワートレイン装置がマウント,弾性部材を介してフレーム1に取り付けられる理由の一つである。そのため、変速機17,パワートランスファユニット25のブリーザホースと電動駐車ブレーキ装置5のブリーザホース51とを合流させてしまうと、振動状態の相違によりホースの変形,破損が生じるおそれがある。一方、同一のフレーム1に対して固定されるフロントディファレンシャル装置27,電動駐車ブレーキ装置5のブリーザホース52,51を合流させた場合には、このような不具合の発生を回避することができる。
(2)上記のブリーザ構造では、図4に示すように、ブリーザホース52,51がダッシュパネル28に沿って固定される。これにより、開放端55を比較的高い位置まで持ち上げることができ、開放端55からの水分の進入を回避しやすくすることができる。
また、ブリーザホース52,51は、ダッシュパネル28のエンジンルーム61側に配置される。つまり、車室62のフロアパネル14には大気開放用の貫通穴を穿孔する必要がないため、車室62の防音性や防水性を高めることができる。
(3)上記のブリーザ構造では、少なくとも第一区間と第二区間との何れか一方に、振動を吸収するホースが含まれる。これにより、電動駐車ブレーキ装置5とフロントディファレンシャル装置27との間の相対的な振動を吸収することができ、ブリーザホース51,ブリーザホース52,緊急解除用ケーブル53の変形や破損,脱落をより確実に抑制することができる。
(4)上記のブリーザ構造では、図3に示すように、ブリーザホース52,51の開放端55がカウルトップ29の下方に開放される。これにより、ガーニッシュ30とボンネット57との隙間から水が進入した場合であっても、開放端55からの水の吸い込みや開放端55への水掛かりを防止することができる。
(5)上記の電動駐車ブレーキ装置5は、ボディ11から分離したサイドメンバ2に固定される。これにより、電動駐車ブレーキ装置5とフロントディファレンシャル装置27との距離が短くなる。したがって、電動駐車ブレーキ装置5を車室62の内部に配置した場合と比較して、ブリーザホース51の経路長さを短縮することができる。また、電動駐車ブレーキ装置5の作動に伴って生じうる騒音,振動がボディ11に伝わりにくくなり、車室62の防音性,防振性を高めることができる。
また、車室62はマウント4を介してフレーム1に支持されることから、電動駐車ブレーキ装置5の取付箇所にも防振ゴムを介装する必要がなく、コストを削減することができる。さらに、電動駐車ブレーキ装置5の質量でフレーム1の振動を抑制することができ、車両10の振動に対する安定性や静粛性を高めることができる。
(6)上記のブリーザ構造では、フロントディファレンシャル装置27のブリーザホース52と電動駐車ブレーキ装置5のブリーザホース51とが一体に接続される。電動駐車ブレーキ装置5は、図2に示すように、フロントディファレンシャル装置27の近傍であって、車両10の前輪12よりも後方に配置される。これにより、例えばリアディファレンシャル装置19のブリーザホースと電動駐車ブレーキ装置5のブリーザホース51とを一体に接続したような場合と比較して、ホース長をより短縮することができる。
(7)上記の電動駐車ブレーキ装置5の固定位置は、サイドメンバ2のうち車両外側の側面(外面22)に設定される。これにより、ブリーザホース51の点検・整備や部品交換が容易となり、メンテナンス性を高めることができる。
また、上記の電動駐車ブレーキ装置5は、図2に示すように、車幅方向にダイナミックダンパ8と対置するように設けられる。これにより、フレーム1の車長方向の振動を効率的に抑制することができ、車両10の振動に対する静粛性や車体安定性を向上させることができる。したがって、ブリーザホース51,52の変形,破損をより効果的に抑制することができる。
[3.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、梯子形のラダーフレームが適用された車両10のブリーザ構造について詳述したが、他のフレームを車両10に適用することも可能である。例えば、ペリメータフレーム(車両の外周を囲むように配置されるフレーム)や、トラスフレーム(三角形の骨組みを基本形状としたトラス構造のフレーム)を適用することができる。
また、上記のブリーザ構造は、マウント4を介してフレーム1上にボディ11が載置されたフレーム車両だけでなく、アンセパレートフレーム車両やモノコック車両にも適用可能である。少なくとも、ディファレンシャル装置(フロントディファレンシャル装置27又はリアディファレンシャル装置19)と電動駐車ブレーキ装置5とがともにフレーム1に固定された車両10であれば、上記のブリーザ構造を適用することで、上述の実施形態と同様の効果を獲得することができる。
なお、上述の実施形態では、フロントディファレンシャル装置27のブリーザホース52と電動駐車ブレーキ装置5のブリーザホース51とを合流させているが、フロントディファレンシャル装置27の代わりにリアディファレンシャル装置19のブリーザホースを合流させてもよい。この場合、電動駐車ブレーキ装置5の近傍でこれらのブリーザホースを合流させてダッシュパネル28の前方まで延長すれば、上述の実施形態と同様に、カウルトップ29の下方に開放端55を配置することができる。
5 電動駐車ブレーキ装置
10 車両
27 フロントディファレンシャル装置
28 ダッシュパネル
29 カウルトップ
51 ブリーザホース(第一配管)
52 ブリーザホース(第二配管)
53 緊急解除用ケーブル(第一配管)
55 開放端
60 合流部

Claims (4)

  1. 車両の下部に固定される電動駐車ブレーキ装置の内外を連通する大気開放用の第一配管と、
    前記第一配管と合流部で合流する形状に形成され、前記車両のディファレンシャル装置の内外を連通する大気開放用の第二配管とを備え、
    前記合流部よりも上流側に位置する大気開放端部が、前記車両のダッシュパネルに沿って上方に向かって配設されるとともに、
    前記合流部よりも下流側に位置する前記第一配管及び前記第二配管の少なくとも何れか一方が、振動を吸収するホースを有する
    ことを特徴とする、車両のブリーザ構造。
  2. 前記大気開放端部が、前記車両のカウルトップの下方に開放される
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両のブリーザ構造。
  3. 前記電動駐車ブレーキ装置が、フレームのうち車長方向に延設されたサイドメンバの外側に固定される
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両のブリーザ構造。
  4. 前記第二配管が、前記車両の前輪に動力を伝達するフロントディファレンシャル装置のブリーザ配管である
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両のブリーザ構造。
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