JP2016148058A - アウトガス発生量が少ないポリアリーレンスルフィド及びその製品 - Google Patents

アウトガス発生量が少ないポリアリーレンスルフィド及びその製品 Download PDF

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Abstract

【課題】低い温度でも優れた加工性を示し、アウトガスとバリ発生量を減少させて、これによって高い成型精密度が要求される製品を良好に成型できるポリアリーレンスルフィドを提供する。【解決手段】ポリアリーレンスルフィドは、アリーレンスルフィド繰り返し単位:アリーレンジスルファイド繰り返し単位の重量比が1:0.0001乃至1:0.05であり、数分散度が2.0乃至4.0であるポリアリーレンスルフィド樹脂である。アリーレンスルフィド繰り返し単位は、ポリアリーレンスルフィド全体の重量に対して95乃至99.99重量%含まれ、前記アリーレンジスルファイド繰り返し単位は、ポリアリーレンスルフィド全体の重量に対して0.01乃至5重量%含まれる。回転円板粘度計で融点+20℃で測定した溶融粘度は、1100乃至4000poiseである。【選択図】なし

Description

本発明は、低い温度で優れた加工性を示し、アウトガス(outgassing)とバリ(flashまたはburr)発生量を減少させ、これによって成型精密度が要求される製品を良好に成型することができるポリアリーレンスルフィド及びその製品に関する。
現在、ポリアリーレンスルフィドは代表的なエンジニアリングプラスチック(Engineering Plastic)であって、高い耐熱性と耐薬品性、耐火炎性(flame resistance)、電気絶縁性によって、高温と腐食性環境および電子製品の用途として需要が大きい。その主な用途は、コンピュータ付属品、自動車部品、腐食性化学物質が接触する部分のコーティング、産業用耐薬品性繊維などに使用される。
ポリアリーレンスルフィドの中で商業的に販売されるものは、現在、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide;以下、「PPS」という)が唯一である。現在、PPSの商業的生産工程は、全てパラ−ジクロロベンゼン(p−dichlorobenzene;以下、「pDCB」という)と硫化ナトリウム(sodium sulfide)を原料として、N−メチルピロリドン(N−methylpyrrolidone)等の極性有機溶媒で反応させる方法である。この方法はメクコラム工程(Macallum process)と知られており、基本工程が米国特許第2,513,188号および第2,583,941号に開示されている。使用する極性溶媒はいくつかの種類が提案されているが、現在最も多く使われるものはN−メチルピロリドンである。この工程は原料として全て二塩化芳香族化合物(dichloro aromatic compound)を使用し、副産物として塩化ナトリウム(NaCl)が生じる。
一方、このようなメクコラム工程で得られるPPSは、一般に高温で流動性が良くて、低い圧力下でも製品の成型が可能で、作業性が良いと知られている。しかし、各種コンピュータ部品、または電子製品のような高い精密度を要求するか、または平たい形状を有する製品を製作する場合、成型された製品に形成されたバリ(flashまたはburr)によって、精密部品の製造に適用されるのには限界があった。また、精密部品に適用して、流動性を良くするためには、高温で成型加工をしなければならないので、そのために発生する多量のアウトガスによって作業者の健康を害する恐れがあると指摘されており、また、発生したアウトガスによる大気汚染問題も指摘されてきた。
本発明の目的は、低い温度でも優れた加工性を示し、アウトガスとバリ発生量を減少させて、これによって高い成型精密度が要求される製品を良好に成型できるポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide)を提供することにある。
また、本発明は他の目的は、上記のようなポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、このようなポリアリーレンスルフィドを成型して製造される成型品、フィルム、シート、または繊維を提供することにある。
本発明は、アリーレンスルフィド繰り返し単位およびアリーレンジスルファイド繰り返し単位を含み、前記アリーレンスルフィド繰り返し単位:アリーレンジスルファイド繰り返し単位の重量比が1:0.0001乃至1:0.05であるポリアリーレンスルフィドを提供する。
本発明は、また、(a)ジヨード芳香族化合物と硫黄化合物を含む反応物を重合反応させる段階;および(b)前記重合反応段階を行いながら、前記反応物に含まれている硫黄化合物100重量部に対して、0.1乃至20重量部の硫黄化合物を追加的に加える段階を含む前記のようなポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供する。
本発明は、また、前記ポリアリーレンスルフィドを成型して製造される製品を提供する。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の発明者らは、低い温度でも優れた加工性を示しながらも、バリなどを発生させずに、成型精密度が要求される製品を良好に成型できるポリアリーレンスルフィドに関する研究を重ねて本発明を完成した。
上述のように、従来に知られたポリアリーレンスルフィドで成型精密度が要求されるコンピュータ部品または電子製品などを成型すれば、高い加工温度で高い流動性を有するポリアリーレンスルフィドが成型のための金型の隙に入り込んで成型された製品の周囲にバリ(flashまたはburr)を発生させる問題点が指摘されてきた。このようなバリの除去のために、従来の方法は別途にバリ除去工程を行わなければならないので、成型工程が複雑になる短所が指摘されており、また、前記バリの発生によって製品の成型不良を招く恐れがあると指摘されてきた。
参考的に、上記のバリ(flashまたはburr)とは、金型の被覆面で溶融樹脂が漏れ出て、材料が薄い膜状態で成型品にくっついていることを称す。このようなバリは、射出圧力が過度に高かったり、金型に問題があるなど、射出条件と関して現れ、根本的には樹脂の流動性が良過ぎる場合現れる。本明細書の全体において、バリは後者の問題点によって現れる場合と定義する。
そして、従来の方法の場合、精密部品の成型のために高温で加工時、成型添加剤である滑剤(lubricant)などとポリアリーレンスルフィドに含まれている低沸点化合物がガス化されて作業空間に拡散することで、作業者の健康を害し、大気環境を汚染させる問題点が指摘されてきた。
一方、本発明の発明者らは、後述する方法によって、一般的なポリアリーレンスルフィドの繰り返し単位のアリーレンスルフィド繰り返し単位だけでなく、アリーレンジスルファイド繰り返し単位を一定水準の含有量で含むポリアリーレンスルフィドが得られることを確認した。
このようなポリアリーレンスルフィドにおいては、アリーレンジスルファイド繰り返し単位のジスルファイド構造が、ポリアリーレンスルフィドに含まれている種々の高分子鎖と平衡反応である硫黄交換反応を起こせる。したがって、このような硫黄交換反応によって、ポリアリーレンスルフィドに含まれている高分子鎖の分子量が均一化でき、高分子鎖の中で過度に大きいか、または小さい分子量を有する高分子鎖の含有量が減ることができる。つまり、ポリアリーレンスルフィドに含まれている高分子鎖の分子量の分布が対称的にできる。
そのため、ポリアリーレンスルフィドの流動性が適切になり、低い温度でも優れた加工性を示すだけでなく、過度に小さい分子量を有する高分子鎖の含有量が低くなることによって、ポリアリーレンスルフィドの流動性が過度に大きくなるか、または成型の際にバリなどが発生する現象を減らすようになる。
また、上記アリーレンジスルファイド繰り返し単位の存在によって、ポリアリーレンスルフィドの融点が低くなりうるため、ポリアリーレンスルフィドの加工性がさらに優秀になる。これに加えて、上記ポリアリーレンスルフィドの融点が低くなって成型時の加工温度が低くなれるので、アウトガスの発生量を減らしてポリアリーレンスルフィドの物性をさらに向上させることが分かった。したがって、上記ポリアリーレンスルフィドは、優れた物性および加工性を示しながらも、バリなどの発生量を最小化することができるので、成型精密度が要求される製品を良好に成型することができる。
このような本発明の一具体例によるポリアリーレンスルフィドは、アリーレンスルフィド繰り返し単位およびアリーレンジスルファイド繰り返し単位を含み、前記アリーレンスルフィド繰り返し単位:アリーレンジスルファイド繰り返し単位の重量比が1:0.0001乃至1:0.05である。前記アリーレンスルフィド繰り返し単位に対する一定の重量比のアリーレンジスルファイド繰り返し単位が含まれているポリアリーレンスルフィドは、融点が低くて成型作業の温度を低くすることができ、また、成型時に優れた加工性を示しながらも、バリなどを発生させないので、高い成型精密度が要求される製品を良好に成型することができる。
この時、上記アリーレンスルフィド繰り返し単位は、ポリアリーレンスルフィド全体の重量に対して95乃至99.99重量%で含まれる。また、上記アリーレンジスルファイド繰り返し単位はポリアリーレンスルフィド全体の重量に対して0.01乃至5重量%で含まれる。
本発明者らの実験の結果、このようなポリアリーレンスルフィドは流動性が適切で、以前に知られたことと同様であるか、またはそれ以上の加工性を示すことができ、これと同時に、ポリアリーレンスルフィドの成型中にバリ(flashまたはburr)などを発生させることなく、高い成型精密度が要求されるか、または平たい形状を有する製品の良好な成型を可能にすることが確認された。
そして、このようなポリアリーレンスルフィドは、数平均分子量が3,000乃至1,000,000であり、好ましくは3,000乃至50,000でありうる。
また、このようなポリアリーレンスルフィドは、数平均分子量に対する重量平均分子量と定義される分散度が2.0乃至4.0、好ましくは2.0乃至3.5と、比較的に均一な分散度を有するポリアリーレンスルフィドでありうる。このような数平均分子量、および/または分散度値を有するポリアリーレンスルフィドは、分子量または溶融粘度によって多様な製品形態に製作されて応用可能である。
一方、上述のように、本発明の具体例によるポリアリーレンスルフィドは、一定の含有量のアリーレンジスルファイド繰り返し単位を含み、同一分子量下の共重合体のように純粋なアリーレンスルフィド繰り返し単位だけからなるポリアリーレンスルフィドに比べて、低い融点を有し、そのために加工可能な温度が低くなって、成型加工時の副産物であるアウトガスの発生量も少なく、最終生成されるポリアリーレンスルフィドの物性も優れている。この時、ポリアリーレンスルフィドの融点は265乃至285℃でありうる。
そして、このような融点を有するポリアリーレンスルフィドは、回転円板粘度計で融点+20℃で測定した溶融粘度が300乃至4000poiseでありうる。
本発明は、上記融点および溶融粘度特性によって、最低射出温度を低くすることができる。
一方、本明細書の全体において、「最低射出温度」とは、高分子を射出成型できる最低の温度と定義される。また、この表現は後述する実験例の「最低射出温度の測定方法」に記載された通り、樹脂の計量時にスクリューが逆方向に回転して、溶融樹脂がバレルに充填できる最低温度を意味し、連続射出が可能な温度と実験的に決定する。
そして、上述した具体例によるポリアリーレンスルフィドは、精密部品の成型時に作業性を良くしながらも、バリ発生量を最少化するために、適切な程度の流動性を有するように改善した製品であり、また、低い融点によって作業温度も低くすることができるので、製品の成型加工時のアウトガス発生量も減らせる製品である。具体的に、前記ポリアリーレンスルフィドは、上記ポリアリーレンスルフィドを射出器内で溶融させた後、最大射出圧1600kgf/cm、射出充填量20ml、射出速度30mm/s、射出時保圧1550kgf/cm、最低射出温度条件下で、流路半径3mm、流路長さ150cmのスパイラルモールドから射出した射出物の長さが50cm以下であるものを含む。
このような最適化した流動性により、本発明によれば、精密度が要求されるコンピュータ部品または電子部品のための成型時にもバリ(flash、burr)などが生成されないなど、高い成型精密度が要求される製品の成型時に有用に利用することができる。
一方、本発明の他の具体例により、ジヨード芳香族化合物と硫黄化合物を含む反応物を重合反応させる段階;および前記重合反応段階を行いながら、前記反応物に含まれている硫黄化合物100重量部に対して、0.1乃至20重量部の硫黄化合物を追加的に加える段階を含む、上述した具体例によるポリアリーレンスルフィドを製造する方法を提供する。
このような製造方法では、反応中に微量の硫黄化合物が追加的に加えられることによって、高分子内にジスルファイド系結合が形成できる。このようなジスルファイド系結合はポリアリーレンスルフィドに含まれている高分子鎖と平衡反応である硫黄交換反応を続けて起こしながら、ポリアリーレンスルフィドに含まれている高分子鎖の分子量を大体均一化することができる。特に、前記平衡反応の硫黄交換反応によって、全体的な反応物の重合程度が均一化されるので、過度に大きいとか小さい分子量を有するポリアリーレンスルフィド高分子鎖の形成が抑制できる。
これによって、上述した具体例によるアリーレンスルフィド繰り返し単位およびアリーレンジスルファイド繰り返し単位の特定重量比を有するポリアリーレンスルフィドが製造できる。
また、本発明において、ジヨード芳香族化合物は、重合前に投入される硫黄化合物100重量部に対して1000乃至1400重量部で用いることができる。上記ジヨード芳香族化合物の含有量が1000重量部未満であれば、副反応を招くことがあり、1400重量部を超えれば、反応器の内温を所望の温度まで上昇させることができない問題がある。
好ましくは、上記反応物中ジヨード芳香族化合物は、硫黄化合物1モルに対し0.9モル以上含まれる。
一方、重合反応中の硫黄化合物の追加時点は、重合が進行する条件であれば、時点の限定なしに投与することができるが、好ましくは重合が30乃至99%行われた時点で硫黄化合物を追加的に加えることができる。このような時点に投与する場合、ポリアリーレンスルフィド内に適正重量比率のアリーレンジスルファイド繰り返し単位が含まれる。また、このような硫黄化合物の追加段階は、重合段階中に一回だけ進行してもよいが、場合によっては一回以上、つまり、多段で進行することも可能である。この場合、多段で追加される総硫黄化合物の量は、初期反応物に含まれている硫黄化合物100重量部に対して、0.1乃至20重量部の範囲内で反応によって調節することができるが、好ましくは反応物に含まれている硫黄化合物100重量部に対して0.1乃至15重量部、さらに好ましくは反応物に含まれている硫黄化合物100重量部に対して1乃至13重量部、最も好ましくは反応物に含まれている硫黄化合物100重量部に対して10重量部で追加することができる。また、多段で硫黄化合物を追加時、前記含有量範囲を満足する程度であれば、その回数が限定されないが、好ましくは1回以上乃至4回に分割して硫黄化合物を添加することができる。
一方、上記(a)のジヨード芳香族化合物と硫化合物の反応物を重合反応させる段階で、重合停止剤を共に追加的に投与することができる。この時、重合停止剤の含有量範囲は、好ましくは反応物に含まれている硫黄化合物100重量部に対して1乃至20重量部で含まれる。重合停止剤の含有量が1未満であれば、重合停止剤添加による効果が微々たるものであり、20重量部を超える場合、過度に分子量が低いポリアリーレンスルフィドが製造できる。好ましくは、重合停止剤は反応物に含まれている硫黄化合物100重量部に対して1乃至13重量部、さらに好ましくは反応物に含まれている硫黄化合物100重量部に対して1乃至10重量部で含まれる。
上記重合停止剤は、重合される高分子に含まれるヨード基を除去して重合を中止させることができる化合物であれば、その構成の限定はないが、好ましくはジフェニルスルフィド(diphenyl sulfide)、ジフェニルエーテル(diphenyl ether)、ビフェニル(biphenyl:or diphenyl)、ベンゾフェノン(benzophenone)、ジベンゾチアジルジスルファイド(dibenzothiazyl disulfide)、モノヨードアリール化合物(monoiodoaryl compound)、ベンゾチアゾール(benzothiazole)類、ベンゾチアゾールスルフェンアミド(benzothiazolesulfenamide)類、チウラム(thiuram)類、ジチオカルバメート(dithiocarbamate)類、およびジフェニルジスルファイドからなる群より選択される1種以上とすることができる。さらに好ましくは、上記重合停止剤は、ヨードビフェニル(iodobiphenyl)、ヨードフェノール(iodophenol)、ヨードアニリン(iodoaniline)、ヨードベンゾフェノン(iodobenzophenone)、2−メルカプトベンゾチアゾール(2−mercaptobenzothiazole)
、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)、N−シクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(N−cyclohexylbenzothiazole−2−sulfenamide)、2−モルホリノチオベンゾチアゾール(2−morpholinothiobenzothiazole)、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(N,N−dicyclohexylbenzothiazole−2−sulfenamide)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(tetramethylthiuram monosulfide)、テトラメチルチウラムジジスルフィド(tetramethylthiuram disulfide)、亜鉛ジメチルジチオカルバメート(Zinc dimethyldithiocarbamate)、亜鉛ジエチルジチオカルバメート(Zinc diethyldithiocarbamate)、ジベンゾチアジルジスルファイド(Dibenzothiazyl Disulfide:同意語benzothiazyl Disulfide)、およびジフェニルジスルファイド(diphenyldisulfide)からなる群より選択される1種以上とすることができる。
一方、上記のようなポリアリーレンスルフィドの重合反応に使用可能なジヨード芳香族化合物は、ジヨード化ベンゼン(diiodobenzene;DIB)、ジヨード化ナフタレン(diiodonaphthalene)、ジヨード化ビフェニル(diiodobiphenyl)、ジヨード化ビスフェノール(diiodobisphenol)、およびジヨード化ベンゾフェノン(diiodobenzophenone)からなる群より選択される1種以上を用いることができるが、これに限定されず、これら化合物にアルキル基(alkyl group)やスルホン基(sulfone group)などが置換基として結合しているか、またはアリール化合物に酸素や窒素などの原子を含む形態のジヨード芳香族化合物も用いることができる。この時、上記ジヨード芳香族化合物は、ヨード原子が結合した位置によって種々のジヨード化合物の異性体(isomer)があるが、この中で最も好ましいものは、pDIB、2,6−ジヨードナフタレン、またはp,p’−ジヨードビフェニルのように分子の両端に最も遠い距離に対称的にヨードが結合している化合物である。
そして、本発明で使用可能な硫黄化合物の形態には制限がない。通常、硫黄は常温で原子8個が連結された環状(cyclooctasulfur;S8)で存在するが、そうではなくても商業的に使用可能な固体または液体状態の硫黄であれば構成の限定がない。
一方、上記のような重合段階において、ジヨード芳香族化合物と硫黄化合物を含む反応物の重合が開示される条件であれば、その重合反応条件はその構成の限定がない。好ましくは、重合段階は昇温減圧反応条件で行うことができるが、この場合、温度180乃至250℃および圧力50乃至450torrの初期反応条件で温度上昇および圧力降下を行って、最終反応条件の温度270乃至350℃および圧力0.001乃至20torrに変化させて、1乃至30時間行うことができる。
一方、上述した具体例によるポリアリーレンスルフィドの製造方法は、上記重合段階前に、ジヨード芳香族化合物と硫黄化合物を含む反応物を溶融混合する段階を追加的に含むことができる。上述した重合段階は、有機溶媒の非存在下で行われる溶融重合反応段階であるが、このような溶融重合反応の進行のために、ジヨード芳香族化合物を含む反応物を予め溶融混合した後、重合反応を行うことができる。このような溶融混合は上述した反応物が全て溶融混合できる条件であれば、その構成の限定はないが、好ましくは130℃乃至200℃の温度で行うことができる。
このように重合前に溶融混合段階を行うことによって、溶融重合反応がより容易に行える。
一方、上述した具体例によるポリアリーレンスルフィドの製造方法において、重合反応はニトロベンゼン系触媒の存在下で行える。また、上述のように重合反応前に溶融混合段階を経る場合、上記触媒は溶融混合段階で追加できる。ニトロベンゼン系触媒の種類としては、1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン、または1−ヨード−4−ニトロベンゼンなどが挙げられるが、上述した例に限定されることではない。
そして、上述した方法によって製造されたポリアリーレンスルフィドは、アリーレンスルフィド繰り返し単位およびアリーレンジスルファイド繰り返し単位を含み、上記アリーレンスルフィド繰り返し単位:アリーレンジスルファイド繰り返し単位の重量比が1:0.0001乃至1:0.05である。
本発明は、また、上記ポリアリーレンスルフィドを成型して製造される製品を提供し、前記製品は成型品、フィルム、シート、または繊維形態とすることができる。特に成型品の場合、特に高い成型精密度が要求される携帯電話機コネクタ、トランジスタ部品、DVDプレーヤ部品、センサー関連部品などの成型品とすることができる。
本発明のポリアリーレンスルフィドは、射出成型、押出成型などの方法によって、各種成型品に加工して利用することができる。成型品としては、射出成型品、押出成型品、ブロー成型品とすることができる。射出成型する場合の金型温度としては、結晶化の観点から、30℃以上が好ましく、60℃以上がさらに好ましく、80℃以上が最も好ましい。また、試験片の変形の観点から、射出成型時の金型温度は190℃以下が好ましく、170℃以下がさらに好ましく、160℃以下が最も好ましい。
一方、上述した具体例によるポリアリーレンスルフィドおよび上述した具体例の製造方法によって重合されたポリアリーレンスルフィドは、低い融点および融点と比較して比較的低い溶融粘度特性によって、射出温度を低くすることができる。具体的に、本発明は融点+20℃以下の温度でも射出成型が可能で、このような射出温度で流動性も適切で、バリ発生量も最少化できる。本発明では精密品の成型が可能であり、また、低い射出温度で作業が可能であるので、アウトガスの含有量も減らせる長所がある。
また、これら物品は、電気・電子部品、建築部材、自動車部品、機械部品、日用品などとして利用することができる。そして、これら射出成型品はガラス繊維(glass fiber)や無機充填剤(mineral filler)などのような充填物と共にコンパウンディングされた後成型できる。この時、上記充填物の包含量は限定されないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂の優れた物性を維持しながらも、引張強度などの機械的強度などを高めるために、全体コンパウンディング組成物内に10乃至70重量%、好ましくは30乃至65重量%で含まれる。その他に、成型品には、通常使用される滑剤や酸化安定剤などの添加剤が含まれてもよく、その種類と含有量は限定されない。
上記成型品が、フィルム、またはシートとして提供される場合、未延伸、1軸延伸、2軸延伸などの各種フィルム、シートに製造することができる。上記成型品が繊維である場合、未延伸糸、延伸糸、超延伸糸などの各種繊維にし、織物、編物、不織布(スポンボンド、メルトブロー、ステープル)、ロープ、ネットとして利用することができる。
本発明のポリアリーレンスルフィドは、低い温度でも優れた加工性を示し、アウトガスとバリ発生量を減少させ、これによって高い成型精密度が要求される製品を良好に成型することができるので、ポリアリーレンスルフィドの製造およびこれを利用した成型品の製作に関する産業分野に有用に応用することができる。
以下、実施例および比較例を通して、本発明についてさらに具体的に説明するが、下記例に本発明の範疇が限定されることではない。
[比較例]
ポリアリーレンスルフィドの重合
1.比較例1のポリアリーレンスルフィド
Ticona社の0205P4 gradeのポリアリーレンスルフィドを準備した。高分子の溶融粘度(melt viscosity、以下、「MV」)は700ポアズであり、融点(以下、「Tm」)は282℃であった。
2.比較例2のポリアリーレンスルフィド
比較例1とMVだけが異なって、同様の方法で重合されたグレード(grade)のポリアリーレンスルフィドであって、ChevronPhilips社のRyton P6
gradeを準備した。高分子のMVは1100ポアズであり、Tmは281℃であった。
3.比較例3のポリアリーレンスルフィド重合
比較例1とMVだけが異なって、同様の方法で重合されたグレード(grade)のポリアリーレンスルフィドであって、Deyang社のhb gradeを準備した。高分子のMVは2000ポアズであり、Tmは280℃であった。
ポリアリーレンスルフィドの重合
1.実施例1のポリアリーレンスルフィド重合
4000gのパラジヨードベンゼン、重合停止剤(ベンゾチアジルジスルファイド)10g、340gの硫黄と5gの触媒(1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン)を含む反応物を180℃で溶融混合させた。上記の混合された混合物を180℃から300℃まで温度を高め、常圧で10torrまで減圧させながら重合反応を行った。重合が開始した以後、5時間が経過した時点で(重合が95%行われた時点)硫黄5gを追加的に投与した後、3時間さらに重合反応を行って高分子を得た。生成された高分子はMV700ポアズ、Tm280℃であった。
2.実施例2のポリアリーレンスルフィド重合
4000gのパラジヨードベンゼン、重合停止剤(ベンゾチアジルジスルファイド)10g、340gの硫黄と10gの触媒(1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン)を含む反応物を180℃で溶融混合させた。上記の混合された混合物を180℃から300℃まで温度を高め、常圧で10torrまで減圧させながら重合反応を行った。重合が開始した以後、5時間が経過した時点で(重合が95%行われた時点)硫黄10gを追加的に投与した後、3時間さらに重合反応を行って高分子を得た。生成された高分子はMV1100ポアズ、Tm278℃であった。
3.実施例3のポリアリーレンスルフィド重合
4000gのパラジヨードベンゼン、重合停止剤(ベンゾチアジルジスルファイド)10g、340gの硫黄と15gの触媒(1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン)を含む反応物を180℃で溶融混合させた。上記の混合された混合物を180℃から300℃まで温度を高め、常圧で10torrまで減圧させて重合反応を行った。重合が開始した以後、5時間が経過した時点で(重合が95%行われた時点)硫黄15gを追加的に投与した後、3時間さらに重合反応を行って高分子を得た。生成された高分子はMV2000ポアズ、Tm275℃であった。
4.実施例4のポリアリーレンスルフィド重合
4000gのパラジヨードベンゼン、重合停止剤(ベンゾチアジルジスルファイド)10g、350gの硫黄と15gの触媒(1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン)を含む反応物を180℃で溶融混合させた。上記の混合された混合物を180℃から300℃まで温度を高め、常圧で10torrまで減圧させて重合反応を行った。重合が開始した以後、5時間が経過した時点で(重合が95%行われた時点)硫黄15gを追加的に投与した後、3時間さらに重合反応を行って高分子を得た。生成された高分子はMV2000ポアズ、Tm273℃であった。
5.実施例5のポリアリーレンスルフィド重合
4000gのパラジヨードベンゼン、重合停止剤(ベンゾチアジルジスルファイド)10g、355gの硫黄と15gの触媒(1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン)を含む反応物を180℃で溶融混合させた。上記の混合された混合物を180℃から300℃まで温度を高め、常圧で10torrまで減圧させて重合反応を行った。重合が開始した以後、5時間が経過した時点で(重合が95%行われた時点)硫黄15gを追加的に投与した後、3時間さらに重合反応を行って高分子を得た。生成された高分子はMV2000ポアズ、Tm270℃であった。
一方、上述した比較例の高分子の製造会社、実施例の重合反応の反応物および添加量、並びに重合中に追加的に投与される硫黄化合物の投与量および投与時点などを整理して、下記表1に示した。
Figure 2016148058
(注)* 上記触媒は1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼンを用いる。
** 上記重合停止剤としてベンゾチアジルジスルフィド(Benzothiazyl disulfide)を用いる。
*** 追加的にSが投入される時点は、重合反応開始後に、経過時間を意味する。
6.比較例1乃至3のポリアリーレンスルフィド射出
比較例1、2、3の高分子を305℃と最低射出温度でそれぞれ射出して、流動性とバリ測定および射出物に対するアウトガス含有量を評価した。
7.実施例1乃至5のポリアリーレンスルフィド射出
実施例1、2、3、4、5の高分子を305℃と最低射出温度でそれぞれ射出して、流動性とバリ測定および射出物に対するアウトガス含有量を評価した。
一方、305℃で射出した試料に対して測定した流動性、バリ発生量およびアウトガス含有量を表2に表し、最低射出温度で射出した試料に対して測定した流動性、バリ発生量およびアウトガス含有量を表3に示した。そして、上述のように、「最低射出温度」とは、高分子を射出成型できる最低の温度と定義され、一般に、高分子の融点対比20℃高い温度でありうる。ただし、融点以外に射出成型時の溶融粘度なども考慮して、融点対比20℃高い温度で高分子の溶融粘度が比較的低い場合、最低射出温度は融点+20℃より低い温度と測定されることもある。最低射出温度は実験値で決定した。各試料の最低射出温度は下記表3の通りであり、最低射出温度の測定方法は下記実験例の通りである。
[実験例]
比較例および実施例のポリアリーレンスルフィドの物性測定
1.ジスルファイドの重量%分析
少量の試料(約2mg)をAQF(Automatic Quick Furnace)で1000℃で燃焼させて、硫酸ガスを吸収溶液(過酸化水素水)で捕集、イオン化した後、IC(Ion Chromatography)測定法を利用してコラムで硫黄イオンを分離し、硫黄イオン標準物質(K2SO4)で硫黄含有量を定量した。理論硫黄含有量対比、分析した硫黄含有量の差を、全てジスルファイド(disulfide)に計算して、結果を表3に示した。
2.溶融粘度(Melt Viscosity)分析
比較例および実施例によって合成された高分子の物性分析において、溶融粘度は回転円板粘度計(rotating disk viscometer)でTm+20℃で測定した。周波数掃引(Frequency sweep)方法で測定するにあたり、角周波数(angular frequency)を0.6から500rad/sまで測定し、1.0rad/sでの粘度を溶融粘度と定義した。測定値は表3の通りである。
3.融点(Tm)測定
示差走査熱量分析器(Differential Scanning Calorimeter;DSC)を利用して、30℃から320℃まで10℃/minの速度で昇温後、30℃まで冷却後に、さらに30℃から320℃まで10℃/minの速度で昇温しながら融点を測定した。測定値は表2の通りである。
4.高分子の流動性測定(スパイラルテスト)
反応重合された高分子の流動性を測定するために普遍的に使用されるスパイラルテスト(Spiral test)方法が使用された。下記のテストを行うために、ペレットタイプの形態のPPSを射出器内で溶融させた後、最大射出圧1600kgf/cm、射出充填量20ml、射出速度30mm/s、射出時の保圧の大きさ1550kgf/cmに一定にし、射出時の温度は305℃でバレル(barrel基準)温度を変化させた。
一方、前記流動性テスト(スパイラルテスト)に使用されるモールドは、道路のトンネルのように円筒の半分だけが存在する形状をしているスパイラル状の流路ができたモールドであって、流路の半径は3mmであり、流路の全長は150cmである。高分子は中間部から射出された後、半径が次第に大きくなるが、流動性が優れているほど遠い距離まで流れる。
スパイラルテスト後、スパイラル状態のモールドから分離された成型品の最終長さを測定して、高分子の流動性を測定し、測定値は表2の通りである。また、各樹脂の最低射出温度にもそれ以外の条件は同一にした後、スパイラルテストを行った。最低射出温度で射出したスパイラルテスト結果は表3の通りである。一方、各試料の最低射出温度は後述する「7.最低射出温度の測定方法」に示した通りであり、最低射出温度が各樹脂の適正射出温度となる。そして、上記で使用された射出器はNissei社のモデル名FN2000である。
5.成型品製作時に形成されたバリ測定
比較例および実施例の高分子を利用して、305℃および最低射出温度でスパイラルテスト(spiral test)に使用されたモールドの主な形態を除いては、モールドの前板と後板の間に挿入された薄い部分に対して切断してバリ発生量を測定し、その結果を下記表2および表3に示した。
6.アウトガス発生量測定
実施例および比較例による差を評価するために、スパイラル射出試片の一定量(2g)の試料を20mL密封バイアルに密封させた後、ヘッドスペース(HS(Head Space))を180℃で30分間加熱した後、発生したガスを自動的にGC/MS(Gas chromatography−Mass Spectrometer)に送った。次に、各成分をキャピラリコラムで分離した後に定性分析して、標準物質(Benzothiazole)を用いて試料内の各成分の含有量を代替定量分析した。この時に用いられた試料はバリを測定するための成型品であり、その測定結果は下記表2および表3に示した。
7.最低射出温度の測定方法
最低射出温度は、一般にPPS融点対比20℃内外の温度でありうる。ただし、融点以外に射出成型時の溶融粘度なども考慮して、融点に対して20℃高い温度で先ず射出してみた後、融点に対して20℃高い温度で溶融粘度が低い場合、最低射出温度はさらに低くすることができ、下記のような実験を3回以上繰り返して各試料の最低射出温度を決定した。比較例および実施例の樹脂の測定された最低射出温度は下記表3の通りである。
この時、最低射出温度は、樹脂を計量時、スクリューが逆方向に回転して溶融樹脂がバレル(barrel)に充填できる最低温度と実験的に決定したが、この温度で連続射出が可能でなければならない。参考的に、バレル温度が低すぎて樹脂が十分に溶けなければ、計量ができないか、または連続射出が行われない。
Figure 2016148058
Figure 2016148058
上記表2から、同一の射出温度の305℃で射出時、比較例及び実施例において流動性およびバリ発生量は類似しているが、アウトガス発生量は実施例で少なくなることを確認することができる。
また、表3から、実施例のようにジスルファイド(disulfide)繰り返し単位を含むポリアリーレンスルフィド樹脂は最低射出温度を低くすることができ、また、このような最低射出温度で製品を成型時に、過度な流れを減少させることができ、これによってバリ発生量が減少し、また、アウトガス発生量も比較例に比べて著しく低下させることができることが確認された。

Claims (7)

  1. アリーレンスルフィド繰り返し単位およびアリーレンジスルファイド繰り返し単位を含み、
    前記アリーレンスルフィド繰り返し単位:アリーレンジスルファイド繰り返し単位の重量比が1:0.0001乃至1:0.05であり、数平均分子量に対する重量平均分子量と定義される分散度が2.0乃至4.0であり、
    前記アリーレンスルフィド繰り返し単位は、ポリアリーレンスルフィド全体の重量に対して95乃至99.99重量%含まれ、
    前記アリーレンジスルファイド繰り返し単位は、ポリアリーレンスルフィド全体の重量に対して0.01乃至5重量%含まれ、
    回転円板粘度計で融点+20℃で測定した溶融粘度が1100乃至4000poiseであるポリアリーレンスルフィド。
  2. 数平均分子量が3,000乃至1,000,000である、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  3. 融点が265乃至285℃である、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか一項によるポリアリーレンスルフィドの射出物である製品。
  5. 前記ポリアリーレンスルフィドの射出物は、285乃至293℃または305℃の最低射出温度条件下で射出して得られる、請求項4に記載の製品。
  6. 前記ポリアリーレンスルフィドの射出物のアウトガス発生量が285乃至293℃の最低射出温度では120乃至310ppmであり、305℃の最低射出温度では510乃至710ppmであり、
    前記アウトガス発生量は、スパイラル射出試片2gを20mL密封バイアルに密封させた後、ヘッドスペース(HS(Head Space))を180℃で30分間加熱した後、発生したガスを自動的にGC/MS(Gas chromatography−Mass Spectrometer)に送った後、キャピラリコラムで分離した後に定性分析して、標準物質としてベンゾチアゾール(Benzothiazole)を用いて試料内の含有量を定量分析する条件で測定される、請求項5に記載の製品。
  7. 前記製品は、成型品、フィルム、シート、または繊維形態である、請求項6に記載の製品。

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