JP2016142391A - 針状ころ軸受 - Google Patents

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修光 前田
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Abstract

【課題】針状ころところ止め部との接触部で発生する油膜切れを防ぎ、油膜厚さを確保することのできる、針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】針状ころ軸受は、複数の針状ころ(10)と、円環形状の一対のリング部(11,11)、該一対のリング部(11,11)を相互に連結する複数の柱部(12,12)及び隣り合う柱部(12)の間に針状ころ(10)を収容する複数のポケット部(13,13)を有する保持器と、を備える。柱部12の壁面12aには、少なくとも一つのころ止め部(19,20)が形成され、該少なくとも一つのころ止め部(19,20)の中央部に、径方向に沿って延びる少なくとも一つの溝部(21,22)が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、針状ころ軸受に関し、特に、自動車用トランスミッション、エンジンのコンロッド等に使用される針状ころ軸受に関する。
従来より、自動車用オートマチックトランスミッションの遊星歯車やアイドラー、およびオートバイ用エンジンのコンロッド大端用軸受等には、ころと、該ころを保持する保持器とで構成されるケージ&ローラタイプの針状ころ軸受が採用されることが多い。このような軸受は、例えば、特開2000−274439号公報(特許文献1)に記載されている。
特許文献1には、針状ころと、該針状ころを収容するための複数のポケット部を有する保持器と、を備える針状ころ軸受が記載されている。針状ころ軸受の保持器のポケット部には、ころ止め部が設けられており、針状ころが、ころ止め部によってポケット部内から外れることなく保持されている。
特開2000−274439号公報
ところで、特許文献1に記載の針状ころ軸受は、潤滑油が潤沢に存在しない環境下で使用される傾向にある。そのため、針状ころ軸受における潤滑油量が少なく、また、潤滑油の粘度が小さいため、潤滑の条件によっては、潤滑不足に起因する、ピーリング等の損傷が発生する場合がある。
また、かかる針状ころ軸受の保持器の形状の場合、軸受の使用時に、針状ころの転動面と保持器のころ止め部とが接触し続けるため、針状ころの転動面における潤滑油が、保持器のころ止め部との摩擦により掻き出されてしまう。その結果、針状ころの転動面上に存在する油量が減少し、針状ころの転動面上の油膜厚さが小さくなる。このため、針状ころの転動面と軌道面との金属部分同士が直接接触し易くなり、ピーリング等の損傷が発生しやすくなる、といった問題がある。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、針状ころところ止め部との接触部で発生する油膜切れを防ぎ、油膜厚さを確保することのできる、針状ころ軸受を提供することを目的とする。
本発明に係る針状ころ軸受は、複数の針状ころと、円環形状の一対のリング部、該一対のリング部を相互に連結する複数の柱部及び隣り合う前記柱部の間に前記針状ころを収容する複数のポケット部を有する保持器と、を備える針状ころ軸受であって、前記柱部の壁面には、少なくとも一つのころ止め部が形成され、該少なくとも一つのころ止め部の中央部に、径方向に沿って延びる少なくとも一つの溝部が形成されている、ことを特徴とする。
上記構成の針状ころ軸受によれば、少なくとも一つのころ止め部の中央部に、径方向に沿って延びる少なくとも一つの溝部が形成されているため、ころ止め部の溝部が設けられた箇所は、針状ころの転動面と接触せず、針状ころの転動面における潤滑油が保持器のころ止め部との摩擦により掻き出されにくくなる。
また、溝部内に潤滑油を溜めることができることから、使用中溝部に溜められた潤滑油が転動面を潤滑することで、針状ころの転動面ところ止め部との接触部における油膜厚さを確保することができる。このため、針状ころの転動面と軌道面との金属部分同士が直接接触しにくくなり、ピーリング等の損傷が発生しにくくなる。
本発明の一態様として、前記柱部は、軸方向中央部領域で相対的に径方向内側に位置する柱中央部、軸方向端部領域で相対的に径方向外側に位置する一対の柱端部、および前記柱中央部と前記一対の柱端部それぞれとの間に位置する一対の柱傾斜部を含み、前記複数の針状ころの転動面に対面するのが好ましい。
上記構成の針状ころ軸受によれば、ころ止め部は、柱中央部、一対の柱端部及び一対の柱傾斜部の壁面の少なくとも何れかに形成されることができる。そのため、ころ止め部の溝部内に潤滑油を溜める領域が増えることから、使用中溝部に溜められた潤滑油が転動面を潤滑することで、針状ころの転動面ところ止め部との接触部における油膜厚さをより確保することができる。これにより、針状ころの転動面と軌道面との金属部分同士が直接接触しにくくなり、ピーリング等の損傷がより発生しにくくなる。
本発明の他態様として、前記ころ止め部は、前記溝部の軸方向一方側に隣接する第一のころ止め部と、前記溝部の軸方向他方側に隣接する第二のころ止め部とを含むのが好ましい。
上記構成の針状ころ軸受によれば、第一のころ止め部及び第二のころ止め部によって、針状ころの転動面ところ止め部との接触面積を確保しつつ、針状ころの転動面ところ止め部との接触部における油膜厚さを確保することができる。
本発明の他態様として、前記少なくとも一つの溝部は、径方向に前記ころ止め部を貫通して延びるように形成されているのが好ましい。
上記構成の針状ころ軸受によれば、溝部は、ころ止め部を径方向に貫通して延びるように形成されているため、針状ころの転動面における潤滑油量を確保しつつ、潤滑油が、貫通された溝部を通って、針状ころの転動面及び軌道面に亘って流れることができ、針状ころの転動面ところ止め部との接触部における油膜厚さをより確保することができる。
本発明のさらに他の態様として、前記少なくとも一つの溝部は、径方向に前記ころ止め部を未貫通であるのが好ましい。
上記構成の針状ころ軸受によれば、上記針状ころ軸受と同程度の効果を奏することができる。
本発明の別の態様として、前記保持器の前記ポケット部端面の略中央に軸方向に沿った貫通溝が形成されているのが好ましい。
上記構成の針状ころ軸受によれば、潤滑油が、保持器のポケット部端面の略中央に設けられた貫通溝にも流れることができ、潤滑油が、径方向のみならず、貫通溝を通って軸方向に針状ころ軸受全体に行き渡ることができる。このため、針状ころ軸受における油膜厚さの減少を抑制でき、油膜厚さをさらに確保することができる。
そして、針状ころの転動面、軌道面及び針状ころ軸受における油膜厚さが保たれることにより、針状ころの転動面と軌道面との金属部分同士が直接接触しにくくなり、ピーリング等の発生をさらに抑制できる。
本発明のさらに別の態様として、前記保持器の前記ポケット部端面の両端に軸方向に沿った貫通溝が形成されているのが好ましい。
上記構成の針状ころ軸受によれば、潤滑油が、保持器のポケット部端面の両端に設けられた貫通溝にも流れることができ、潤滑油が、径方向のみならず、貫通溝を通って軸方向に針状ころ軸受全体に行き渡ることができる。このため、針状ころ軸受における油膜厚さの減少を抑制でき、油膜厚さをさらに確保することができる。
そして、針状ころの転動面、軌道面及び針状ころ軸受における油膜厚さが保たれることにより、針状ころの転動面と軌道面との金属部分同士が直接接触しにくくなり、ピーリング等の発生をさらに抑制できる。
本発明のさらに別の態様として、前記保持器が、SCM415、S15CK、SPCC、STKM12Cからなる群より選択される金属材料で形成されているのが好ましい。
本発明のさらに別の態様として、前記保持器が、ポリアミド46、ポリアミド66からなる群より選択されるポリアミド樹脂で形成されているのが好ましい。
以上のように、本発明の針状ころ軸受によれば、針状ころところ止め部との接触部で発生する油膜切れを防ぎ、油膜厚さを確保することができる。その結果、針状ころの転動面、軌道面及び針状ころ軸受における油膜厚さが保たれることにより、針状ころの転動面と軌道面との金属部分同士が直接接触しにくくなり、ピーリング等の表面起点型損傷の発生を抑制できる。
本発明の第一の実施形態に係る保持器の概略構成を示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る針状ころ軸受の概略構成を示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る保持器の柱部の拡大断面図であって、針状ころが保持器に収容された様子を示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る保持器の柱部の拡大断面図であって、ころ止め部の径方向の略中央に貫通溝が形成された様子を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る保持器の柱部の拡大断面図であって、ころ止め部の径方向の略中央に未貫通溝が形成された様子を示す図である。 本発明の別の実施形態に係る保持器のポケット部の拡大図であって、ポケット部端面の略中央に貫通溝が形成された様子を示す図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る保持器のポケット部の拡大図であって、ポケット部端面の両端に貫通溝が形成された様子を示す図である。
以下、本発明の第一の実施形態に係る針状ころ軸受について、図1〜4を参照して説明する。
(第一の実施形態)
本実施形態に係る針状ころ軸受は、例えば、自動車用トランスミッションの遊星歯車の歯車軸や、トランスミッションのアイドラー、及びエンジンのコンロッド等を回転自在に支持するためのものである。
図1及び2に示すように、本実施形態に係る針状ころ軸受50は、複数の針状ころ10,10・・・と、円環形状の一対のリング部11,11、該一対のリング部11,11を相互に連結する複数の柱部12,12・・・及び隣り合う柱部12の間に各針状ころ10を収容する複数のポケット部13,13・・・を有する保持器30と、を備える。
本実施形態における複数の針状ころ10のそれぞれは、ポケット部13内に、円環形状の一対のリング部11,11の円周方向に略等間隔をあけて設けられている。本実施形態における複数の針状ころ10のそれぞれは、ポケット部13内に、円環形状の一対のリング部11,11の円周方向に略等間隔をあけて設けられているが、これに限定されるものではない。
本実施形態における保持器30は、SCM415、S15CK、SPCC、STKM12Cからなる群より選択される金属材料で形成されている。
保持器30において、円環形状の一対のリング部11,11は、複数の柱部12,12・・・のそれぞれの長手方向(軸方向)一方側及び他方側端部と接続されている。また、保持器30は、柱部12との接続位置から径方向内側に延びる鍔部14を有する。
複数の柱部12,12・・・のそれぞれは、軸方向中央部領域で相対的に径方向内側に位置する柱中央部15と、軸方向端部領域で相対的に径方向外側に位置する一対の柱端部16,16と、柱中央部15と一対の柱端部16,16のそれぞれとの間に位置し、柱中央部15及び一対の柱端部16,16のそれぞれと接続される一対の柱傾斜部17,17と、を含む。なお、柱部12の形状は、これに限定されるものではなく、所望の形状を有することができる。
柱部12における柱中央部15、柱端部16及び柱傾斜部17、及びリング部11、鍔部14、(以下、これらを総称して「直線部分」という)の肉厚は、実質的に等しく設定されている。なお、柱端部16と鍔部14との接続位置には、鍔部14が内側に折り込まれるように凹部14aが形成されている。
一方、柱部12における柱中央部15と柱傾斜部17との境界部分、柱端部16と柱傾斜部17との境界部分、及びリング部11と鍔部14との境界部分分(以下、これらを総称して「境界部分」という)の肉厚は、直線部分の肉厚より厚くなっている。
これにより、境界部分の強度が相対的に向上する。その結果、軸受回転時の応力が境界部分に集中しても保持器30の破損を有効に防止することができる。
また、複数の柱部12,12・・・のそれぞれには、径方向の略中央に貫通する溝部18が形成されている。より具体的には、溝部18は、複数の柱部12,12・・・のそれぞれの柱中央部15の径方向の略中央に貫通するように形成されている。本実施形態においては、柱部12の径方向の略中央に貫通する溝部18が一つ形成されているが、これに限定されるものではない。
次に、図3および図4に示すように、ポケット部13に対面する柱部12の壁面12a、すなわち、針状ころ10がポケット部13に収容された状態で、針状ころ10の転動面に対面する柱部12の壁面12aには、針状ころ10の脱落を防止する少なくとも一つのころ止め部と、針状ころ10の回転を案内する案内面15a,16a,17aと、が形成されている。
本実施形態において、ころ止め部19,20は、一対の柱端部16,16のそれぞれに一つずつ形成されている。そして、ころ止め部19,20は、針状ころ10の径方向外側への脱落を防止する。
また、ころ止め部19,20の略中央部に、径方向に沿って延びる少なくとも一つの溝部が形成されている。
より具体的には、ころ止め部19,20の略中央部に、それぞれ、径方向に沿って延びる溝部21,22が形成されている。溝部21,22は、径方向にころ止め部19,20を貫通して延びるように形成されている。
そして、上記溝部21,22によって、ころ止め部19,20は、溝部21、22の軸方向一方に隣接する第一のころ止め部19a,20aと、溝部21、22の軸方向他方に隣接する第二のころ止め部19b,20bと、を含む。
本実施形態において、案内面15a,16a,17aは、それぞれ、柱中央部15,一対の柱端部16,一対の柱傾斜部17に設けられている。
より具体的には、案内面15aは、上述の溝部18の軸方向に隣接する領域に設けられている。案内面16aは、一対の柱端部16,16のそれぞれに形成された第一のころ止め部19及び第二のころ止め部20の軸方向に隣接する領域に設けられている。案内面17aは、一対の柱傾斜部17,17の壁面12aの全域に亘って設けられている。また、案内面15a,16a,17aは、同一の平面を構成している。
以上のように、本実施形態に係る針状ころ軸受50においては、第一のころ止め部19及び第二のころ止め部20の溝部21,22が設けられた箇所は、針状ころ10の転動面と接触せず、針状ころ10の転動面における潤滑油が保持器30のころ止め部19,20との摩擦により掻き出されにくくなる。
また、溝部21,22内に潤滑油を溜めることができることから、使用中溝部21,22に溜められた潤滑油が針状ころ10の転動面を潤滑することで、針状ころ10の転動面ところ止め部19,20との接触部における油膜厚さを確保することができる。このため、針状ころ10の転動面と軌道面との金属部分同士が直接接触しにくくなり、ピーリング等の損傷が発生しにくくなる。
また、ころ止め部は、柱中央部15、一対の柱端部16,16及び一対の柱傾斜部17,17の壁面12aの少なくとも何れかに形成されることができる。そのため、ころ止め部の溝部内に潤滑油を溜める領域が増えることから、使用中溝部に溜められた潤滑油が転動面を潤滑することで、針状ころ10の転動面ところ止め部との接触部における油膜厚さを確保することができる。
また、第一のころ止め部19及び第二のころ止め部20によって、針状ころ10の転動面ところ止め部19,20との接触面積を確保しつつ、針状ころ10の転動面ところ止め部との接触部における油膜厚さを確保することができる。
また、針状ころ10の転動面における潤滑油量を確保しつつ、潤滑油が、貫通された溝部21,22を通って、針状ころ10の転動面及び軌道面に亘って流れることができ、針状ころ10の転動面ところ止め部19,20との接触部における油膜厚さをより確保することができる。
以下、本発明の第二の実施形態に係る針状ころ軸受について、図5を参照して説明する。
(第二の実施形態)
本実施形態に係る針状ころ軸受では、上記第一の実施形態におけるころ止め部の少なくとも一つの溝部が、径方向に未貫通であること以外は、第一の実施形態の構成と同様である。そのため、第一の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を繰り返さない。
本実施形態では、図5に示すように、ころ止め部19,20における溝部31,32が、ころ止め部19,20を径方向に未貫通に形成されている。
本実施形態に係る針状ころ軸受50においては、保持器30のころ止め部19,20に設けられた未貫通の溝部31,32により、上記第一の実施形態に係る針状ころ軸受と同程度の効果を奏することができる。
尚、本発明の針状ころ軸受は、上記第一及び第二の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し得ることは勿論のことである。
上記第一及び第二の実施形態において、保持器は、SCM415、S15CK、SPCC、STKM12C)からなる群より選択される金属材料で形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、保持器は、ポリアミド46、ポリアミド66からなる群より選択されるポリアミド樹脂で形成されていてもよい。
上記第一及び第二の実施形態において、ころ止め部は、一対の柱傾斜部に形成されるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ころ止め部は、柱中央部、一対の柱端部及び一対の柱傾斜部の少なくとも一つに形成されるようにしてもよい。
上記第一及び第二の実施形態において、ころ止め部の径方向の中央部に少なくとも一つの溝部が形成されるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ころ止め部の径方向の略中央部に複数の溝部が形成されるようにしてもよい。
この場合、溝部によって形成されるころ止め部の数は、溝部の数に応じて、例えば、溝部が2つの場合、2つの溝部の間に形成される第一のころ止め部と、一方の溝部の径方向外側に形成される第二のころ止め部と、他方の溝部の径方向外側に形成される第三のころ止め部との、3つのころ止め部が形成されるようになる。
すなわち、複数の溝部によって、ころ止め部は、隣り合う溝部間に形成される複数のころ止め部と、径方向の一端側の溝部の径方向外側に形成されるころ止め部と、径方向の他端側の溝部の径方向外側に形成されるころ止め部と、によって構成される。
要は、針状ころとの接触面積を確保しつつ、ころ止め部における潤滑油量を確保し、油切れを防ぐ(油量を確保する)ことができる構成であればよい。ころ止め部の径方向の略中央に貫通溝又は未貫通溝が形成される場合の何れにおいても同様である。
上記第一及び第二の実施形態において、図6に示すように、保持器30のポケット部13端面13aの略中央に軸方向に沿った貫通溝33が形成されるようにしてもよい。なお、貫通溝33の数は限定されるものではない。
あるいは、上記第一及び第二の実施形態において、図7に示すように、保持器30のポケット部13端面13aの両端に軸方向に沿った貫通溝43が形成されようにしてもよい。なお、貫通溝43の数は限定されるものではない。
何れの場合においても、潤滑油が、保持器30のポケット部13端面13aの軸方向に設けられた貫通溝33又は貫通溝43にも流れることができ、潤滑油が、径方向のみならず、貫通溝33又は貫通溝43を通って軸方向に針状ころ軸受50全体に行き渡ることができる。このため、針状ころ軸受50における油膜厚さの減少を抑制でき、油膜厚さをさらに確保することができる。
そして、針状ころ10の転動面、軌道面及び針状ころ軸受50における油膜厚さが保たれることにより、針状ころ10の転動面と軌道面との金属部分同士が直接接触しにくくなり、ピーリング等の発生をさらに抑制できる。
本発明の針状ころ軸受は、自動車用トランスミッションの遊星歯車の歯車軸や、トランスミッションのアイドラー、及びエンジンのコンロッド等を回転自在に支持する場合に有効に利用される。
10 複数の針状ころ、11 一対のリング部、12 複数の柱部、12a 壁面、13 複数のポケット部、13a 端面、14 鍔部、15 柱中央部、16 一対の柱端部、17 一対の柱傾斜部、15a,16a,17a 案内面、18 溝部、19,20 ころ止め部、21,22 溝部、 30保持器、31,32 溝部、33,43 貫通溝、50 針状ころ軸受。


Claims (9)

  1. 複数の針状ころと、
    円環形状の一対のリング部、該一対のリング部を相互に連結する複数の柱部及び隣り合う前記柱部の間に前記針状ころを収容する複数のポケット部を有する保持器と、を備える針状ころ軸受であって、
    前記柱部の壁面には、少なくとも一つのころ止め部が形成され、
    該少なくとも一つのころ止め部の中央部に、径方向に沿って延びる少なくとも一つの溝部が形成されている、針状ころ軸受。
  2. 前記柱部は、軸方向中央部領域で相対的に径方向内側に位置する柱中央部、軸方向端部領域で相対的に径方向外側に位置する一対の柱端部、および前記柱中央部と前記一対の柱端部それぞれとの間に位置する一対の柱傾斜部を含み、前記複数の針状ころの転動面に対面する、請求項1に記載の針状ころ軸受。
  3. 前記ころ止め部は、前記溝部の軸方向一方側に隣接する第一のころ止め部と、前記溝部の軸方向他方側に隣接する第二のころ止め部とを含む、請求項1に記載の針状ころ軸受。
  4. 前記少なくとも一つの溝部は、径方向に前記ころ止め部を貫通して延びるように形成されている、請求項1に記載の針状ころ軸受。
  5. 前記少なくとも一つの溝部は、径方向に前記ころ止め部を未貫通である、請求項1に記載の針状ころ軸受。
  6. 前記保持器の前記ポケット部端面の略中央に径方向に沿った貫通溝が形成されている、請求項1〜5の何れかに記載の針状ころ軸受。
  7. 前記保持器の前記ポケット部端面の両端に径方向に沿った貫通溝が形成されている、請求項1〜6の何れかに記載の針状ころ軸受。
  8. 前記保持器がSCM415,S15CK,SPCC,STKM12Cからなる群より選択される金属材料で形成されている、請求項1〜7の何れかに記載の針状ころ軸受。
  9. 前記保持器がポリアミド46、ポリアミド66からなる群より選択されるポリアミド樹脂で形成されている、請求項1〜7の何れかに記載の針状ころ軸受。
JP2015020540A 2015-02-04 2015-02-04 針状ころ軸受 Pending JP2016142391A (ja)

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