JP2016140300A - トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物、ならびにその製造方法 - Google Patents

トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物、ならびにその製造方法 Download PDF

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【課題】トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物であって、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に由来する辛味が抑制され、摂取し易い組成物の提供。【解決手段】トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物の製造方法であって、該組成物において、カプサイシン類の量にして15〜30μgを含むトウガラシ抽出物の量、及び/又はジンゲロールの量にして1.5〜2.5mgを含むショウガ抽出物の量に対し、メントールが0.1〜22mg未満の割合で含まれるように配合する組成物の調整方法。【選択図】なし

Description

本発明は、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物、ならびにその製造方法に関する。
今日、トウガラシやショウガ等の香辛料の様々な作用(例えば、生理作用、薬理作用、抗菌作用、抗酸化作用、風味改善作用等)が明らかにされており、これら香辛料の抽出物を有効成分として含有する飲食品や医薬品等が開発・報告されている(特許文献1−5)。
しかしながら、トウガラシやショウガ等の所謂、辛味香辛料は摂取時に辛味が強く感じられ、また、辛味が摂取後も後味として残存するという課題があった。
そのため当該分野においては、辛味が抑制された、トウガラシ抽出物やショウガ抽出物を含有する飲食品や医薬品等が切望されていた。
メントールは、環式モノテルペンアルコールであり、ミント様の香りを有し、感覚神経に作用して、冷感刺激をもたらす。メントールは、ワサビ又はワサビ含有食品に添加することによって、ワサビの辛味を増強できること(特許文献6)、またカフェイン含有飲料に添加することによってカフェインの苦味を抑制できることが報告されているが(特許文献7)、トウガラシやショウガの辛味を抑制できることは知られていない。
WO00/041579 特開2010−195761号公報 特開2011−030535号公報 特開2013−034460号公報 特開2014−113144号公報 特開2011−019457号公報 特開平08−140641号公報
本発明は、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物であって、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に由来する辛味、特に後味の辛味が抑制され、摂取しやすい組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物において、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物と共に、メントールを配合することによって、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に由来する辛味、特に後味の辛味をマスキングできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
[1] トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物の製造方法であって、
該組成物において、カプサイシン類の量にして15μg〜30μgを含むトウガラシ抽出物の量、及び/又はジンゲロールの量にして1.5mg〜2.5mgを含むショウガ抽出物の量に対し、メントールが0.1mg超え、ないし22mg未満の割合で含まれるように配合することを含む、上記方法。
[2] 前記組成物が飲料である、[1]の方法。
[3] 前記飲料のpHを、2.5超え、ないし4未満とする、[2]の方法。
[4] トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物における、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に由来する辛味の抑制方法であって、
該組成物において、カプサイシン類の量にして15μg〜30μgを含むトウガラシ抽出物の量、及び/又はジンゲロールの量にして1.5mg〜2.5mgを含むショウガ抽出物の量に対し、メントールが0.1mg超え、ないし22mg未満の割合で含まれるように配合することを含む、上記方法。
[5] 前記組成物が飲料である、[4]の方法。
[6] 前記飲料のpHを、2.5超え、ないし4未満とする、[5]の方法。
[7] トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物ならびにメントールを含む組成物であって、
カプサイシン類の量にして15μg〜30μgのトウガラシ抽出物の量、及び/又はジンゲロールの量にして1.5mg〜2.5mgのショウガ抽出物の量に対し、メントールが0.1mg超え、ないし22mg未満の割合で含まれる、上記組成物。
[8] 前記組成物が飲料である、[7]の組成物。
[9] 前記飲料のpHが2.5超え、ないし4未満である、[8]の組成物。
本発明によれば、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物であって、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に由来する辛味、特に後味の辛味が抑制され、摂取しやすい組成物を提供することができる。
本発明は、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物、ならびにその製造方法、より詳細には、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に由来する辛味が抑制された当該組成物の製造方法、当該組成物におけるトウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に由来する辛味の抑制方法に関する。
「トウガラシ抽出物」は、トウガラシの果実部分を有機溶媒、水、超臨界流体又は亜臨界流体である溶媒により抽出して得られる。トウガラシ抽出物には、辛味受容体であるTRPV1受容体に作用して辛味を感じさせるカプサイシン類が含まれる。トウガラシ抽出物としては、溶媒による抽出液をそのまま使用することもできるし、抽出液を濃縮又は希釈したものを使用することもできるし、抽出液からカプサイシン類を精製又は粗精製したものを使用することもできる。抽出溶媒としてはカプサイシン類を抽出することができる溶媒であれば特に限定されないが、エタノールが好ましい。トウガラシ抽出物中にはカプサイシン類が通常およそ0.6〜0.9重量%含有される。トウガラシ抽出物中のカプサイシン類の量はHPLC法により測定することができる。なお、本発明では、カプサイシン及びジヒドロカプサイシンを総称して「カプサイシン類」と称し、「カプサイシン類の量」とは、カプサイシンとジヒドロカプサイシンの総量を意味する。
「ショウガ抽出物」は、ショウガの地下茎部分を有機溶媒、水、超臨界流体又は亜臨界流体である溶媒により抽出して得られる。ショウガ抽出物には、辛味受容体であるTRPV1受容体に作用して辛味を感じさせるジンゲロールが含まれる。ショウガ抽出物としては、溶媒による抽出液をそのまま使用することもできるし、抽出液を濃縮又は希釈したものを使用することもできるし、抽出液からジンゲロールを精製又は粗精製したものを使用することもできるし、精製されたジンゲロールを乳化して可溶化した製剤を使用することもできる。抽出溶媒としては、ジンゲロールを抽出することができる溶媒であれば特に限定されないが、二酸化炭素等の超臨界流体が好ましい。ショウガ抽出物中にはジンゲロールが通常1.5〜2.5重量%含有される。ショウガ抽出物中におけるジンゲロールの量はHPLC法により測定することができる。
「メントール」は、食品添加物として一般的に利用されるものであればよく、化学的に合成されたものであっても、植物の精油に由来するものであってもよい。好ましくは、メントールはl−メントールである。また、本明細書において、「メントール」には、その誘導体が含まれていてもよい。誘導体としては、メントールと同様に冷感・清涼感作用を持ち、食品添加物として一般的に利用されるものであればよく、例えば、メントールのエステル誘導体やエーテル誘導体が挙げられる(これらに限定はされない)。このような誘導体としては、特に限定はされないが、メンチルラクテート、メントキシエタノール、メントキシプロパノール、メントキシプロパンジオール、メントキシフラン、メンチルヒドロキシブチレート、メンチルグリセリルエーテル、メンチルグルコシド、モノメンチルサクシネート等が挙げられる。メントールは、単離・精製された形態であってもよいし、植物の精油の形態であってもよく、あるいはその他の成分と組み合わされてなる食品香料の形態であってもよい。植物の精油としては、例えば、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油等の1種以上を用いることができる。メントールの量はHPLC法により測定することができる。
トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物ならびにメントールは上記組成物中に、カプサイシン類の量にして15μg〜30μg、好ましくは18μg〜27μgを含むトウガラシ抽出物の量、及び/又はジンゲロールの量にして1.5mg〜2.5mg、好ましくは2〜2.5mgを含むショウガ抽出物の量に対し、メントールが0.1mg超え、ないし22g未満、好ましくは2mg〜13mg、より好ましくは4mg〜9mgの割合でそれぞれ含まれるようにそれぞれ配合する。ここで示される配合量は配合比(割合)であって、トウガラシ抽出物、ショウガ抽出物、及びメントールの配合量は上記配合比(割合)に合致する限り、適宜変更することができ、上記特定の数値範囲に限定されることを意味するものではなく、上記特定の数値範囲に任意の数値を掛けて得られた値を配合量とすることができる。
上記の割合でトウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物ならびにメントールを配合することによって、得られた組成物について、摂取時にトウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に起因して感じられる辛味、より詳細には後味の辛味、をマスキングして抑制することができる。
例えば、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物、好ましくはトウガラシ抽出物及びショウガ抽出物、ならびにメントールは最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、カプサイシン類の量にして7.5μg〜60μg、好ましくは9μg〜54μgを含むトウガラシ抽出物、及び/又はジンゲロールの量にして0.75mg〜5mg、好ましくは1〜5mgを含むショウガ抽出物、ならびにメントールを0.05mg超え、ないし44mg未満、好ましくは1mg〜26mg、より好ましくは2mg〜18mg配合することができる。より具体的には例えば、トウガラシ抽出物及びショウガ抽出物、ならびにメントールは最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、カプサイシン類の量にして18μg〜27μgを含むトウガラシ抽出物、及び/又はジンゲロールの量にして1.5mg〜2.5mgを含むショウガ抽出物、ならびにメントールを2mg〜13mg配合することができる。
ここで「一回の経口摂取量」とは、上記組成物が一度に経口摂取される量、あるいは短い時間間隔(例えば10分以下、好ましくは5分以下の時間)をおいて連続的に複数回で経口摂取される総量を意味する。当該組成物が液状組成物(半固形状(ゲル状、ゾル状等)を含む)の形態である場合には、例えば50ml〜200ml(典型的には50ml、100ml、150ml、200ml)がその量である。当該組成物が固形状の形態である場合には例えば5g〜200g(典型的には5g、10g、20g、30g、40g、50g、100g、150g、200g)がその量である。以下においても、「一回の経口摂取量」とはこの意味で用いる。
また、本発明の組成物にはトウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物ならびにメントールに加えて、カフェイン、アルギニン、サンショウ抽出物、及び炭酸より選択される一又は複数の成分を配合することができる。
カフェインとしては市販のカフェインを使用することができる。例えば、コーヒー豆から熱水抽出して製造される高濃度(例えば98.5重量%以上)のカフェインを使用することができる。カフェインの配合量は特に限定されないが、例えば、最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、10mg以上、好ましくは50mg以上、より好ましくは50〜300mgより選択される量とすることができる。
アルギニンとしてはL−アルギニンが好適に使用され、塩の形態であってもよい。アルギニンとしては市販のアルギニンを使用することができる。例えば、糖源から発酵法により製造された高濃度(例えば98.0重量%以上)のアルギニンを使用することができる。アルギニンの配合量は特に限定されないが、例えば、最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、50mg以上、好ましくは500mg以上、より好ましくは500〜1500mgより選択される量とすることができる。
サンショウ抽出物は、サンショウ属に属する植物の果実部分を有機溶媒、水、超臨界流体又は亜臨界流体である溶媒により抽出して得られる。サンショウ抽出物としては、溶媒による抽出液をそのまま使用することもできるし、抽出液を濃縮又は希釈したものを使用することもできるし、抽出液からサンショオールを精製又は粗精製したものを使用することもできるし、精製されたサンショオールを乳化して可溶化した製剤を使用することもできる。サンショウ抽出物の配合量は特に限定されない。
炭酸の配合量は特に限定されないが、上記組成物が液状の形態である場合には、20℃における内圧が0.5〜3.0kgf/cmとなるように、当該組成物が固形状の形態である場合には炭酸粉末(重曹及び酸味料)を最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、0.05g以上、好ましくは0.06g〜1gより選択される量とすることができる。炭酸によってもたらされる刺激は、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に起因する辛味を抑制することができることが知られている(特開2010−195761号公報)。
さらに、本発明の組成物には上記成分に加えて、飲食品、医薬品などの最終的な形態において許容される成分であって、経口摂取可能な成分を配合することができる。このような成分としては例えば、賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、果汁(リンゴ果汁、レモン果汁、オレンジ果汁、又はこれらの濃縮果汁等)、甘味料(果糖、ブドウ糖、液糖、グラニュー糖等の糖類、はちみつ、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の高甘味度甘味料)、酸味料(クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸等)、酸化防止剤(ビタミンC、カテキン、酵素処理ルチン等)、増粘剤(ジェランガム、キサンタンガム、ペクチン、グアーガム等の増粘多糖類)、食塩、香料、ビタミン類(ビタミンB1、ビタミンB6、ナイアシン等)、エキス類、環状オリゴ糖、その他の食品添加物等を挙げることができ、最終組成物の形態に応じて一又は複数の成分を適宜組み合わせて配合することができる。
本発明の組成物は、液状(半固形状(ゲル状、ゾル状等)も含む)の形態であってもよいし、固形状の形態であってもよい。
液状の組成物は、水を基調とする組成物、例えば水を80重量%以上の割合で含む組成物であり、上記成分を水と混合して製造することができる。各成分の配合比/配合量は上記したとおりである。
液状の組成物である場合、そのpH値は2.5超え、ないし4未満、好ましくは2.8以上、ないし3.8以下とすることができる。ここでpH値は品温20℃で測定された値を指す。pH値が2.5以下である場合には酸味が強く感じられる傾向があり、またpH値が4以上である場合にはトウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に起因する辛味が強く感じられる傾向があることから、pH値は上記範囲とすることが好ましい。pH値の調整は酸味料を用いて行うことができる。
液状の組成物は、飲料用容器として使用される容器に収容することができる。飲料用容器としてはポリエチレンテレフタレート(PET)製容器、所謂PETボトルや、金属缶容器等が挙げられる。容器の形態は特に限定されない。また、容器の容量は特に限定されないが、例えば50ml〜500ml(典型的には50ml、100ml、150ml、200ml、250ml、300ml、350ml、400ml、450ml又は500ml)、好ましくは50ml〜200mlとすることができる。液状の組成物を容器に収容する手段は任意である。
固形状の組成物は、上記成分(各成分の配合量は上記したとおりである)を賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の助剤と混合し、常法に従って成形し製造することができる。
例えば、本発明の組成物は、最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、カプサイシン類の量にして7.5μg〜60μg、好ましくは9μg〜54μgを含むトウガラシ抽出物、及び/又はジンゲロールの量にして0.75mg〜5mg、好ましくは1〜5mgを含むショウガ抽出物、ならびにメントールを0.05mg超え、ないし44mg未満、好ましくは1mg〜26mg、より好ましくは2mg〜18mg含む液状の組成物である。より具体的には例えば、本発明の組成物は、最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、カプサイシン類の量にして18μg〜27μgを含むトウガラシ抽出物、及びジンゲロールの量にして1.5mg〜2.5mgを含むショウガ抽出物、ならびにメントールを2mg〜13mg含む液状の組成物である。かかる組成を有する本発明の組成物においては、摂取時にトウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に起因して感じられる辛味、より詳細には後味の辛味、が抑制されている。好ましくは、本発明の組成物はさらに、カフェイン、アルギニン、サンショウ抽出物、及び炭酸を含む(各成分の配合量は上記したとおりである)。これらの成分をさらに有する本発明の組成物は、高い覚醒効果を有し、眠気防止作用を有する飲食品組成物または医薬品組成物として使用することができる(特開2010−195761号公報)。
(1)試験飲料の製造1
下記表1の配合(重量部)にしたがって原材料を撹拌混合し、100℃前後で加熱殺菌し、その後冷却して炭酸注入後に容器に充填密封し、再び加熱殺菌・冷却して、メントール配合量の異なる各種試験飲料を製造した。
Figure 2016140300
トウガラシ抽出物は、トウガラシ果実をエタノール抽出したもので、カプサイシン類の含量はおよそ0.6〜0.9重量%であるものを使用した。
ショウガ抽出物は、ショウガの根茎を二酸化炭素を溶媒とした超臨界抽出により得られた抽出物を精製・乳化した香辛料抽出物製剤で、ジンゲロール含量はおよそ1.5〜2.5重量%であるものを使用した。
メントールは、不斉合成法により製造した、市販品であるl−メントール(高砂香料工業社製)を使用した。
アルギニンは、糖源から発酵法により製造された、市販品であるL−アルギニンであり、含有量は98.0重量%以上であるものを使用した。
カフェイン原料は市販品である。コーヒー豆を原体とし、カフェイン含量は98.5重量%以上であるものを使用した。
上記試験飲料に含まれる「その他の原材料」の組成は同一である。具体的には、果糖ぶどう糖液糖、酸味料、環状オリゴ糖、増粘剤(ジェランガム、キサンタンガム)、甘味料、ビタミンB群、香料、及び炭酸が、それぞれ特定の比率で配合されている。そして表1に示すとおり、試験飲料には、この同一組成の「その他の原材料」が同一量含まれる。
上記試験飲料のpH値は、3.05とした。
(2)官能評価1
メントールの添加による、後味の辛味の感じ方について、調査を実施した(n=5)。試験方法は、上記試験飲料をそれぞれ飲んで感じた辛味レベルを、辛くない(1点)から、辛い(10点)までの10段階で評価した。各試験飲料の評価毎に、水を飲用して口の中をすすぎ、辛味等の刺激が無くなってから、次の試験飲料の評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 2016140300
メントールを0.002〜0.013重量部配合することによって、後味の辛味レベルが低く感じられ、後味の辛味のマスキング効果が得られた。特にメントールを0.004〜0.009重量部配合した場合に、後味の辛味の良好なマスキング効果が得られた。一方、メントールの配合量が0.022重量部になると、メントールに起因する苦味が感じられるようになり、比較例2の飲料においては苦味が強く感じられ、後味の辛味を評価することは困難であった。
(3)試験飲料の製造2
下記表3の配合(重量部)にしたがって原材料を撹拌混合し、100℃前後で加熱殺菌し、その後冷却して炭酸注入後に容器に充填密封し、再び加熱殺菌・冷却して、pH値の異なる各種試験飲料を製造した。
Figure 2016140300
トウガラシ抽出物、ショウガ抽出物、メントール、アルギニン、カフェインは上記のものを使用した。
pH値は酸味料を用いて所定の値に調整した。pH値は品温20℃で測定された値を指す。
上記試験飲料に含まれる「その他の原材料」の組成は同一である。具体的には、果糖ぶどう糖液糖、環状オリゴ糖、増粘剤(ジェランガム、キサンタンガム)、甘味料、ビタミンB群、香料、及び炭酸が、それぞれ特定の比率で配合されている。そして表3に示すとおり、試験飲料には、この同一組成の「その他の原材料」が同一量含まれる。
(4)官能評価2
メントールの添加による、pH値の異なる試験飲料の後味の辛味の感じ方について、調査を実施した(n=5)。試験方法は、上記と同様に、上記試験飲料をそれぞれ飲んで感じた辛味レベルを、辛くない(1点)から、辛い(10点)までの10段階で評価した。
結果を表4に示す。
Figure 2016140300
試験飲料のpH値が2.8、3.8の場合において、メントールを配合しないと、後味の辛味レベルが強く感じられた(比較例3、4)。一方、メントールを配合することによって、かかるpH値においても後味の辛味レベルが低く感じられ、後味の辛味のマスキング効果が得られた(実施例5、6)。
(5)結論
トウガラシ抽出物及びショウガ抽出物に起因する試験飲料の後味の辛味レベルは、メントールを配合することによって低く抑えることができ、後味の辛味のマスキング効果が得られることが確認された。

Claims (9)

  1. トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物の製造方法であって、
    該組成物において、カプサイシン類の量にして15μg〜30μgを含むトウガラシ抽出物の量、及び/又はジンゲロールの量にして1.5mg〜2.5mgを含むショウガ抽出物の量に対し、メントールが0.1mg超え、ないし22mg未満の割合で含まれるように配合することを含む、上記方法。
  2. 前記組成物が飲料である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記飲料のpHを、2.5超え、ないし4未満とする、請求項2に記載の方法。
  4. トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物を含む組成物における、トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物に由来する辛味の抑制方法であって、
    該組成物において、カプサイシン類の量にして15μg〜30μgを含むトウガラシ抽出物の量、及び/又はジンゲロールの量にして1.5mg〜2.5mgを含むショウガ抽出物の量に対し、メントールが0.1mg超え、ないし22mg未満の割合で含まれるように配合することを含む、上記方法。
  5. 前記組成物が飲料である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記飲料のpHを、2.5超え、ないし4未満とする、請求項5に記載の方法。
  7. トウガラシ抽出物及び/又はショウガ抽出物ならびにメントールを含む組成物であって、
    カプサイシン類の量にして15μg〜30μgのトウガラシ抽出物の量、及び/又はジンゲロールの量にして1.5mg〜2.5mgのショウガ抽出物の量に対し、メントールが0.1mg超え、ないし22mg未満の割合で含まれる、上記組成物。
  8. 前記組成物が飲料である、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記飲料のpHが2.5超え、ないし4未満である、請求項8に記載の組成物。
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