JP2016113688A - めっき皮膜付樹脂製品及びその製造方法、並びにエンコーダ - Google Patents

めっき皮膜付樹脂製品及びその製造方法、並びにエンコーダ Download PDF

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Abstract

【課題】高い位置精度で、所望のパターンに従って平滑な表面又は微細な粗面上にめっき皮膜を形成する。【解決手段】樹脂製品110の表面の第1の領域130及び第2の領域140を改質する。改質後の表面の第1の領域130にレーザを照射する。第2の領域140にめっき皮膜150が析出するようにレーザ照射後の樹脂製品110に対して無電解めっきを行う。【選択図】図1

Description

本発明は、めっき皮膜付樹脂製品及びその製造方法、並びにエンコーダに関する。
樹脂製品と、樹脂製品上に設けられた所定のパターンを有するめっき皮膜と、を備えるめっき皮膜付樹脂製品は、配線板又はロータリーエンコーダのコードホイール等として使用可能である。このため、樹脂製品上に所望のパターンを有するめっき皮膜を容易に形成する方法が求められている。
このようなめっき皮膜付樹脂製品の製造方法として、特許文献1には、レーザによる樹脂表面の粗面化とめっきとを組み合わせて用いる方法が開示されている。特許文献1の方法によれば、まず、波長193〜400nmのレーザを照射することにより、めっき皮膜を析出させる部分が、粗度が100μm〜150μm程度となるように粗面化される。その後、粗面に無電解めっき触媒を吸着させてから無電解めっきを行うことにより、レーザ照射部にめっき皮膜が析出する。
一方で特許文献2には、樹脂製品に紫外線ランプからの紫外線を照射することにより、無電解めっきによりめっき皮膜が析出するように樹脂製品の表面を改質する方法が開示されている。
特開2012−136769号公報 特開2008−094923号公報
特許文献1の方法によれば、めっき皮膜が形成される樹脂製品の表面は、μmのオーダの粗さにまで粗面化される。このため、形成されるめっき皮膜の表面も粗面となる。このような粗面を有するめっき皮膜は、例えば配線として用いる場合に、表皮効果のために高周波領域の信号の信号損失が大きくなるという課題があった。
一方で、特許文献2の方法を応用して、樹脂製品の所望の部分にマスクを介して紫外線を照射しようとした場合、以下のような課題が生じうることを本願発明者らは見出した。すなわち、紫外線ランプからの光は拡散光であって直進性が高くないために、望まない部分が改質されることがある。また、紫外線を継続して照射すると、マスクと樹脂製品との双方が熱膨張するが、マスクと樹脂製品との熱膨張係数の相違により、照射部位のずれが発生する可能性がある。
本発明は、高い位置精度で、所望のパターンに従って平滑な表面又は微細な粗面上にめっき皮膜を形成することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法は以下の構成を備える。すなわち、
めっき皮膜が設けられていない第1領域とめっき皮膜が設けられた第2領域とを表面に有するめっき皮膜付樹脂製品の製造方法であって、
樹脂製品の表面の前記第1領域及び前記第2領域を改質する改質工程と、
前記改質後の表面の前記第1領域にレーザを照射する照射工程と、
前記第2領域にめっき皮膜が析出するように前記レーザ照射後の前記樹脂製品に対して無電解めっきを行うめっき工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高い位置精度で、所望のパターンに従って平滑な表面又は微細な粗面上にめっき皮膜を形成することができる。
実施形態1に係るめっき皮膜付樹脂製品の製造方法を説明する図。 実施形態2に係るめっき皮膜付樹脂製品の製造方法を説明する図。 実施形態3に係るめっき皮膜付樹脂製品の製造方法を説明する図。 コードホイールの一例を説明する図。 実施形態1に係るめっき皮膜付樹脂製品の製造方法のフローチャート。 実施形態1に係るめっき皮膜付樹脂製品の製造方法のフローチャート。 実施形態1に係るめっき皮膜付樹脂製品の製造方法のフローチャート。 実験1,2,5,6で得られためっき皮膜の反射率を示す図。
以下、本発明を適用できる実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されない。
[実施形態1]
図1(D)に示すように、本発明の実施形態1に係るめっき皮膜付樹脂製品100は、樹脂製品110と、樹脂製品110の表面上に設けられためっき皮膜150と、を備える。樹脂製品110の表面には、めっき皮膜150が設けられていない第1の領域130と、めっき皮膜150が設けられた第2の領域140と、が存在する。
(樹脂製品)
樹脂製品110は、紫外線照射部に選択的にめっきが析出するように改質可能な樹脂材料を表面に有するものであれば特に限定されない。樹脂材料の例としては、シクロオレフィンポリマー若しくはポリスチレンのようなポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニルのようなビニル樹脂、又はポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
樹脂製品110の形状は特に限定されず、樹脂製品110は任意の3次元形状を有しうる。例えば、樹脂製品110はフィルム状であってもよいし、板状であってもよい。樹脂製品110の厚さも特に限定されない。
(めっき皮膜)
めっき皮膜150の材料は特に限定されない。めっき皮膜の材料としては金属材料を用いることができ、例えばニッケル、銅、銅−ニッケル等の他、酸化亜鉛のようなセラミック材料も用いることができる。めっき皮膜付樹脂製品100が配線板である場合、めっき皮膜150の材料としては導電性を有する材料が用いられる。また、めっき皮膜付樹脂製品100がエンコーダに用いられる場合、例えばロータリーエンコーダのコードホイールである場合、めっき皮膜150の材料としては所望の光学特性を有するものが用いられる。めっき皮膜150の具体的な例としては、限定されるわけではないが、銅若しくはニッケル等、又は銅−ニッケル等の合金が挙げられる。
めっき皮膜150は、複数の金属層による積層構造を有していてもよい。例えば、めっき皮膜150は、無電解めっき等の第1の方法で第1の金属層を形成した後に、電解めっき等の第2の方法で第2の金属層を形成することにより得られていてもよい。電解めっきにより設けられる金属層の材料としては、限定されるわけではないが、例としては、銅、ニッケル、銅−ニッケル合金、酸化亜鉛、亜鉛、銀、カドミウム、鉄、コバルト、クロム、ニッケル−クロム合金、スズ、スズ−鉛合金、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−銅合金、金、白金、ロジウム、パラジウム、又はパラジウム−ニッケル合金等が挙げられる。また、めっき皮膜150には、置換めっきにより銀等が析出していてもよい。
めっき皮膜150の形状は任意である。一実施形態において、めっき皮膜150は、樹脂製品110上に所定のパターンに従って配置されている。所定のパターンは、特に限定されないが、メッシュ状、ストライプ状、正方形状、長方形状、菱形状、ハニカム状、曲線状、又は不定形状でありうる。例えば、めっき皮膜付樹脂製品100が配線板である場合、めっき皮膜150は細長い導電線状でありうる。
めっき皮膜150の厚さは特に限定されないが、一実施形態においては0.02μm以上であり、別の実施形態においては5.0μm以上である。また、一実施形態においては100μm以下であり、別の実施形態においては20μm以下である。めっき皮膜150が薄いことによりパターンの線幅を細かくすることが容易となり、めっき皮膜150を厚くすることにより例えば十分に低い抵抗を実現することができる。ここで、めっき皮膜150の厚さとは、樹脂製品110の表面に垂直な方向に沿っためっき皮膜150の厚さを指す。
樹脂製品110の表面には、めっき皮膜150が設けられていない第1の領域130と、めっき皮膜150が設けられた第2の領域140とが存在する。第1の領域130と第2の領域140とは、一実施形態においては樹脂製品110の同一の表面に存在し、別の実施形態においては樹脂製品110の同一の平面に存在する。また、一実施形態において、第1の領域130と第2の領域140とは隣接している。さらなる実施形態において、樹脂製品110の1つの面は、第1の領域130と第2の領域140とにより構成されている。
一実施形態において、第2の領域140における、すなわちめっき皮膜150との界面における樹脂製品110の表面粗さは、第1の領域130の表面粗さよりも小さい。このように、本実施形態に係るめっき皮膜付樹脂製品100においては、表面粗さが比較的小さい第2の領域140上にめっき皮膜150が設けられている。このような構成は、めっき皮膜150の高周波信号伝播特性を向上させるために有利である。本明細書において、表面粗さは、JIS B0601:2001により定義される、算術平均粗さRaのことを指す。表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いた測定を行い、断面解析を行うことにより算出できる。
第2の領域140の表面粗さは、一実施形態においては1.0μm以下であり、別の実施形態においては100nm以下であり、さらなる実施形態においては10nm以下である。第2の領域140の表面粗さが小さいことにより、めっき皮膜150の高周波信号伝播特性が向上する。また、第2の領域140の表面粗さは、一実施形態においては0.1nm以上であり、別の実施形態においては1.0nm以上であり、さらなる実施形態においては2.0nm以上である。第2の領域140の表面粗さが大きいことにより、樹脂製品110に対するめっき皮膜150の密着性が向上する。
第1の領域130の表面粗さは、一実施形態においては1.0μm以下であり、別の実施形態においては100nm以下であり、さらなる実施形態においては10nm以下である。第1の領域130の表面粗さが小さいことにより、第1の領域130における樹脂製品110の光透過度が向上する。めっき皮膜150が形成されていない部分における光透過度が十分に高いことは、めっき皮膜付樹脂製品100を透過型のロータリーエンコーダのコードホイールとして使用する際に有利である。また、第1の領域130の表面粗さは、一実施形態においては0.1nm以上であり、別の実施形態においては1.0nm以上であり、さらなる実施形態においては2.0nm以上である。
(製造方法)
本実施形態に係るめっき皮膜付樹脂製品100の製造方法は特に限定されず、例えばフォトリソグラフィー法、蒸着法、及びめっき法等を適宜組み合わせることにより製造することができる。以下には、本実施形態に係るめっき皮膜付樹脂製品100の製造方法の一例(以下、本実施形態に係る製造方法と呼ぶ)について説明する。本実施形態に係る製造方法は、改質工程と、照射工程と、めっき工程と、を有する。以下に、これらの工程について、図5のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
(改質工程)
改質工程(S510)においては、樹脂製品110の、第1の領域130及び第2の領域140を含む表面を改質する。改質方法は特に制限されず、例えば光励起アッシング処理、プラズマアッシング処理、化学薬品を用いた酸化処理、又は紫外線の照射による酸化処理等が挙げられる。図1(B)に示すように、改質工程により、樹脂製品110の第1の領域130及び第2の領域140には、改質部120が形成される。以下では、簡便に行うことのできる紫外線を用いる方法について説明する。
具体的には、紫外線を照射することにより、樹脂製品110の表面を改質することができる。図1(A)は、樹脂製品110の表面に紫外線190を照射する様子を示す。一実施形態において、紫外線は、第1の領域130及び第2の領域140を含む、樹脂製品110の1つの面の全体に対して照射される。改質工程においては、マスクを用いて紫外線の照射部分を制限することは必須ではない。しかしながら、別の一実施形態において、第1の領域130及び第2の領域140を含む樹脂製品110の表面の一部に対してのみ紫外線が照射されてもよい。すなわち、樹脂製品110の1つの面には、紫外線が照射される領域と紫外線が照射されない領域が含まれていてもよい。
紫外線の照射方法は特に限定されないが、一実施形態においては、酸素とオゾンとの少なくとも一方を含む雰囲気下で紫外線が照射される。例えば、紫外線の樹脂製品110への照射は、大気中で行われうる。
具体的には、紫外線を照射すると、雰囲気中の酸素は分解されてオゾンが生成する。さらに、オゾンが分解する過程で活性酸素が発生する。また、樹脂製品110の表面において、樹脂製品110を構成する分子中の結合も切断される。このとき、樹脂製品110を構成する分子と活性酸素とが反応し、樹脂製品110の表面が酸化され、すなわち樹脂製品110の表面にC−O結合、C=O結合、C(=O)−O結合(カルボキシル基の骨格部分)等が形成される。このような親水性基は、樹脂製品110とめっき皮膜150との化学的吸着性を増大させる。また、樹脂製品110表面の酸化により、微細な粗面が形成される。この粗面のために、投錨効果により樹脂製品110とめっき皮膜150との物理的吸着性が増大する。さらに、改質された部分については、無電解めっきを行う際に触媒イオンを選択的に吸着させることができる。
特定波長のフォトンのエネルギーは次の式で表せる。
E=Nhc/λ(KJ・mol−1
N=6.022×1023mol−1(アボガドロ数)
h=6.626×10−37KJ・s(プランク定数)
c=2.988×10m・s−1(光速)
λ=光の波長(nm)
ここで、酸素分子の結合エネルギーは490.4KJ・mol−1である。フォトンのエネルギーの式から、この結合エネルギーを光の波長へと換算すると約243nmとなる。このことは、雰囲気中の酸素分子は、波長243nm以下の紫外線を吸収し分解することを示している。これによりオゾンOが発生する。さらに、オゾンが分解する過程で活性酸素が発生する。このとき、波長310nm以下の紫外線が存在すると、効率よくオゾンが分解され、活性酸素が発生する。さらには、波長254nmの紫外線がオゾンを最も効率よく分解する。
+hν(243nm以下)→O(3P)+O(3P)
+O(3P)→O(オゾン)
+hν(310nm以下)→O+O(1D)(活性酸素)
O(3P):基底状態酸素原子
O(1D):励起酸素原子(活性酸素)
一方で、別の実施形態において、紫外線の樹脂製品110への照射は、例えばアンモニアのようなアミン化合物ガス雰囲気下又はアミド化合物ガス雰囲気下等の、他の気体雰囲気下で行うこともできる。アミン化合物ガス雰囲気下又はアミド化合物ガス雰囲気下で照射を行うことにより、樹脂製品110の表面を酸化する、すなわち樹脂製品110の表面に窒素原子を含む結合を生成することができる。すなわち、樹脂製品110の表面が窒素原子を含むように改質され、めっき層との吸着性が向上するため、照射部分に選択的なめっきを行うことが可能となる。加工対象物を、常圧大気中から隔離し、圧力を変え又は化合物ガスを封入して紫外線による改質を行う場合には、反応に適した波長を適宜選択することができる。一方で、酸素を含む大気中で243nm以下の波長を有する紫外線を照射することは、低コストに改質を行うことができる点で有利である。
また、一実施形態においては、継続的に紫外線を放出するデバイスからの紫外線が、樹脂製品110の表面に対して照射される。例えば、紫外線ランプ又は紫外線LEDからの紫外線を、樹脂製品110の表面に対して照射することができる。これらのデバイスからの紫外線の強度は、紫外線レーザと比較すると低いため、第2の領域140が過度に粗面化されることを防ぐことができる。照射される紫外線の主波長についてのエネルギー密度は、改質が進行するのであれば特に限定されず、例えば1.0×10−3W/cm以上であってもよく、1.0×10W/cm以下であってもよい。
紫外線ランプの例としては、低圧水銀ランプ及びエキシマランプ等が挙げられる。低圧水銀ランプは、波長185nm及び254nmの紫外線を照射することができる。また、参考として、大気中で使用できるエキシマランプの例を以下に挙げる。エキシマランプとしては、一般的にはXeエキシマランプが用いられている。
Xeエキシマランプ :波長172nm
KrBrエキシマランプ:波長206nm
KrClエキシマランプ:波長222nm
KrFエキシマランプ:波長248nm
紫外線を樹脂製品110へと照射する際には、照射量が所望の値となるように、紫外線の照射が制御される。照射量は、照射時間を変えることにより制御することができる。また、照射量は、紫外線ランプの出力、本数、又は照射距離等を変えることにより制御することもできる。
紫外線の照射条件は、後述するめっき工程において第2の領域140にめっき皮膜150が析出するように、選択される。一般的には、紫外線の照射量が多くなるほど、樹脂製品110は大きく改質され、めっき皮膜が析出しやすくなる傾向がある。一実施形態においては、主波長についての積算照射量が400mJ/cm以上となるように、紫外線が照射される。また、一実施形態においては、処理時間を短くする観点から、主波長についての積算照射量が1000mJ/cm以下となるように、紫外線が照射される。以下、特に断りがない限り、紫外線の照射量及び照射強度は、主波長における値を指す。本明細書において、主波長とは、250nm以下の領域においてもっとも強度が高い波長のことを指す。具体的には、低圧水銀ランプであれば主波長は185nmである。
もっとも、めっきの析出条件は、めっき液の種類、樹脂製品110の種類、樹脂製品110表面の汚染度、めっき液の濃度、温度、pH、及び経時劣化、並びに紫外線ランプ等の出力の変動等により変化しうる。この場合には、上述の数値を参考に、紫外線の照射量を適宜決定すればよい。
(照射工程)
照射工程(S520)においては、改質工程において改質された後の樹脂製品110の表面の第1の領域130に、レーザを照射する。第1の領域130に対してレーザを照射することにより、図1(C)に示されるように、第1の領域130における改質部120が除去され、微細な凹部が形成される。レーザは位相の揃った直進性の高いコヒレント光であるから、高い精度で第1の領域130に対して選択的にレーザを照射することができる。また、レーザを用いた改質部120の除去は短時間で行うことができるため、マスクを介してレーザを照射する場合であっても、マスクと樹脂製品110との熱膨張係数の相違による照射部位のずれが発生しにくい。このため、本実施形態によれば、微細なパターンに従ってめっき皮膜150を形成することが容易である。
レーザの強度は、改質部120を除去できるのであれば特に限定されず、樹脂製品110の種類等に応じて適宜選択できる。一方で、レーザのエネルギー密度又は照射量を抑えることにより、レーザ照射後の第1の領域130の表面粗さを抑えることができるとともに、第1の領域130が荒れすぎることにより第1の領域130にめっき皮膜150が析出することを抑えることができる。
照射工程において照射されるレーザの、主波長についてのエネルギー密度は、一実施形態においては1.0×10W/cm以上であり、別の実施形態においては1.0×10W/cm以上であり、さらなる実施形態においては1.0×10W/cm以上である。一方で、一実施形態においては1.0×1015W/cm以下であり、別の実施形態においては1.0×1010W/cm以下であり、さらなる実施形態においては1.0×10W/cm以下である。単一波長レーザを用いる場合には、レーザの波長が主波長となる。
照射工程において照射されるレーザの、1パルス当たりの照射面エネルギー密度は、一実施形態においては0.1mJ/cm以上であり、別の実施形態においては0.3mJ/cm以上である。一方で、一実施形態においては5000mJ/cm以下であり、別の実施形態においては100mJ/cm以下であり、さらなる実施形態においては10mJ/cm以下である。
照射工程において照射されるレーザの積算照射量は、一実施形態においては0.5mJ/cm以上であり、別の実施形態においては1.0mJ/cm以上であり、さらなる実施形態においては3.0mJ/cm以上である。一方で、一実施形態においては50000mJ/cm以下であり、別の実施形態においては1000mJ/cm以下であり、さらなる実施形態においては100mJ/cm以下である。
一実施形態において、レーザはパルス状に樹脂製品110の所望部分に照射される。短時間、パルス状のレーザを照射することにより、樹脂製品110の熱膨張を抑止することができる。一実施形態において、パルス幅は10ns以上100ns以下である。高い強度のパルスレーザは、光共振器内でレーザ光を往復させ、ある程度の時間が経ったところでレーザ光を取り出すことにより得られる。
レーザの波長も、改質部120を除去できるのであれば特に限定されず、樹脂製品110の種類等に応じて適宜選択できる。一実施形態においては、レーザとしては紫外線レーザが用いられる。紫外線レーザを短時間照射することにより、第1の領域130が過度に粗面化されることを抑えながら改質部120を除去することができる。レーザとして可視光線レーザ等を用いる場合には、第1の領域130が過度に粗面化されないようにレーザの照射が制御される。
照射されるレーザの波長は、一実施形態においては400nm以下であり、別の実施形態においては300nm以下であり、他の実施形態においては248nm以下である。改質部120の除去を促進するために、樹脂製品110の表面を形成する材料によってレーザが吸収されるように、レーザの波長を選択することができる。例えば、改質部120において樹脂製品110によって少なくとも部分的に吸収される波長のレーザを照射することができる。一例として、樹脂製品110の表面がシクロオレフィンポリマーのようなポリオレフィン樹脂である場合、200nm以下の波長のレーザを用いることにより効率的に改質部120を除去することができる。また、193nm以下の波長のレーザを用いることにより、さらに効率的に改質部120を除去することができる。一方で、樹脂製品110の表面がポリカーボネート樹脂である場合、248nm以下の波長のレーザを用いることにより効率的に改質部120を除去することができる。
紫外線レーザとしては、ガスレーザの一種であるエキシマレーザを用いることが可能である。エキシマレーザにおいては、不活性ガスとハロゲンガスとの混合ガスに高い電圧を瞬間的にかけることで励起状態が作り出され、高い出力のパルス発振が行われる。
エキシマレーザを発生させるために用いる不活性ガスとハロゲンガスとの組合せにより、レーザの波長は変化する。以下に、ガスの組み合わせと、レーザの波長との関係を示す。
エキシマレーザ :波長157nm
ArFエキシマレーザ :波長193nm
KrClエキシマレーザ:波長222nm
KrFエキシマレーザ:波長248nm
一実施形態においては、ArFエキシマレーザが紫外線レーザとして用いられる。ArFエキシマレーザは比較的短い波長を有するため、改質部120の除去がより効率的に行われる。また、ArFエキシマレーザはFエキシマレーザと比べれば空気中の酸素による吸収が少ないため、取り扱いが容易である。
もっとも、KrClエキシマレーザ又はKrFエキシマレーザを用いることもできる。これらのレーザは、空気中の酸素による吸収がArFエキシマレーザよりも少ないため、取り扱いがより容易である。
エキシマレーザからのレーザビームは、放電領域の形状を反映した、例えば20×10mm程度の長方形のビーム形状を有しうる。ビームが太く、パルスエネルギーも大きいために、エキシマレーザを用いる場合、比較的高い照射強度で比較的大きな面積を一括処理することができる。また、適切なレンズを使用することにより、レーザビームをライン状に変形することができる。集光レンズを用いることにより、スポット状にビームを照射することも可能である。
例えば、図1(B)に示すように、第1の領域130にレーザ170が照射され、第2の領域140にはレーザ170が照射されないように、マスク180を介してレーザ170を樹脂製品110へと照射することができる。マスク180は、光透過部181と光不透過部182とを有し、光透過部181の形状は第1の領域130の形状に対応している。エキシマレーザを用いることにより、樹脂製品110及びマスク180の熱膨張が大きくならないように、樹脂製品110の表面の改質をできるだけ短時間で行うことができる。
一方で、第1の領域130に予め定められた回数だけレーザビームが照射されるように、レーザビームで樹脂製品110を走査することもできる。
樹脂製品110が立体的形状を有する場合も、第1の領域130に対応する光透過部を有するマスクを樹脂製品110にフィットさせ、その上から紫外線レーザを照射することができる。一実施形態を示すと、第1の領域130に対応する形状の穴を有する薄い金属板をマスクとして用い、樹脂製品110にフィットするようにこの金属板を折り曲げることにより、この金属板を介して第1の領域130に選択的に紫外線レーザを照射することができる。別の方法として、第1の領域130を直接走査しながら紫外線レーザを照射してもよい。
(めっき工程)
めっき工程(S530)においては、照射工程においてレーザが照射された後の樹脂製品110に対して無電解めっきが行われる。このめっき工程により、図1(D)に示すように、第2の領域140にめっき皮膜150が析出する。
具体的な無電解めっきの方法については、特に限定されない。採用可能な無電解めっきの例としては、ホルマリン系無電解めっき浴を用いた無電解めっき、及び析出速度は遅いがホルマリンより使いやすい次亜リン酸を還元剤として用いた無電解めっき等が挙げられる。また、より厚いめっき膜を形成するために、高速無電解めっき法によりめっき皮膜150を形成してもよい。無電解めっきのさらなる具体例としては、無電解ニッケルめっき、無電解銅めっき、無電解銅ニッケルめっき等があげられる。
めっき皮膜150は、無電解めっきのみにより形成されてもよい。しかしながら、無電解めっきにより形成されるめっき皮膜150は薄いことが多い。そこで、めっき皮膜150の抵抗を下げるために、無電解めっきの後に、樹脂製品110に対してさらに電解めっきを行ってもよい。電解めっきにより、無電解めっきにより得られた無電解めっき皮膜の上に、さらなる電解めっき皮膜が析出する。電解めっき法によれば、無電解めっき法と比べて、厚いめっき皮膜を容易に析出させることができる。この場合、電解めっき皮膜が、又は無電解めっき皮膜と電解めっき皮膜との双方が、めっき皮膜150として働く。
一実施形態において、無電解めっきは以下の方法で行うことができる。
1.(アルカリ処理)樹脂製品110をアルカリ溶液に浸漬し、脱脂を行い、親水性を高める。アルカリ溶液の例としては、水酸化ナトリウム水溶液等が挙げられる。
2.(コンディショナ処理)樹脂製品110と触媒イオンとのバインダーを含有する溶液に樹脂製品110を浸漬する。バインダーの例としては、カチオンポリマー等が挙げられる。
3.(アクチベーター処理)樹脂製品110を触媒イオン入りの溶液に浸漬する。触媒イオンの例としては、塩酸酸性パラジウム錯体のようなパラジウム錯体等が挙げられる。
4.(アクセレレーター処理)還元剤を含有する溶液に樹脂製品110を浸漬し、触媒イオンを還元及び析出させる。還元剤の例としては、水素ガス、ジメチルアミンボラン及び水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
5.(無電解めっき処理)析出した触媒上にめっき皮膜150を析出させる。
このような方法に従う無電解めっきは、例えばJCU社製Cu−Niめっき液セット「AISL」等の無電解めっき液セットを用いて行うことができる。
別の実施形態においては、触媒イオンとして、改質部120に付着しやすい、少なくとも一部に正電荷を有するパラジウム錯体が用いられる。改質部120への付着性が向上するように、一実施形態においては、溶液中で正電荷を有しているパラジウム錯体イオンを含む溶液が用いられる。少なくとも一部に正電荷を有するパラジウム錯体の一例としては、アミン系の配位子が配位結合している錯体が挙げられる。また、少なくとも一部に正電荷を有するパラジウム錯体の別の例としてはパラジウムの塩基性アミノ酸錯体が挙げられる。
この場合、樹脂製品110をバインダー溶液に浸漬することにより、樹脂製品110と触媒イオンとの親和性を高めることは必須ではない。パラジウムの塩基性アミノ酸錯体とは、パラジウムイオンと塩基性アミノ酸との錯体である。パラジウムイオンとしては、限定されるわけではないが、2価のパラジウムイオンがよく用いられる。塩基性アミノ酸は、天然アミノ酸であっても人工アミノ酸であってもよい。一実施形態において、アミノ酸はα−アミノ酸である。塩基性アミノ酸としては、側鎖にアミノ基又はグアニジル基等の塩基性置換基を有するアミノ酸が挙げられる。塩基性アミノ酸の例としては、リシン、アルギニン又はオルニチン等が挙げられる。
パラジウムの塩基性アミノ酸錯体の具体例としては、下式(I)に表されるものが挙げられる。
Figure 2016113688
上式(I)において、L及びLはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立にアミノ基又はグアニジル基を表す。炭素数1以上10以下のアルキレン基としては、メチレン基、1,2−エタンジイル基、1,3−プロパンジイル基又はn−ブタン−1,4−ジイル基等の直鎖アルキレン基等が挙げられる。上式(I)において、2つのアミノ基はトランス位に配位しているが、2つのアミノ基がシス位に配位していてもよい。また、パラジウムの塩基性アミノ酸錯体は、シス体とトランス体との混合物であってもよい。
改質工程において、樹脂製品110の第2の領域140にはナノレベルの凹凸が生じている。この凹凸のために、析出しためっき皮膜150と樹脂製品110との密着性が向上するため、樹脂製品110からのめっき皮膜150の剥離が抑えられる。一方で、樹脂製品110の第1の領域130からは改質部120が除去されている。このため、第1の領域130にはめっき皮膜150が析出しにくくなる。一実施形態において、めっき工程において第1の領域130にめっき皮膜150は析出しない。このように、本実施形態によれば、めっき皮膜の形成後にエッチング等の方法でめっき皮膜をパターニングすることは必須ではない。
本実施形態に係る製造方法によれば、めっき皮膜150が形成される第2の領域140にレーザを照射することは必須ではない。このため、第2の領域140の表面粗さを低く保つことが容易であり、良好な高周波伝播特性を有する平滑なめっき皮膜150を得ることができる。
また、めっき皮膜150が形成されない第1の領域130に対してはレーザが照射されるが、改質部120が除去されればよく、本実施形態に係る製造方法においては第1の領域130の表面粗さをμmオーダとするような強力なレーザを用いる必要はない。また、樹脂製品110の全面にめっき皮膜を積層した後に第1の領域130上のめっき皮膜をフォトリソグラフィー及びエッチングにより除去する場合、第1の領域130の表面粗さはかなり大きくなると考えられる。このため、第1の領域130において光が散乱しやすくなり、光透過度が低下することが予想される。このように、本実施形態に係る製造方法によれば、第1の領域130の表面粗さを比較的低く保つことが容易であり、透明な樹脂製品110を用いる場合に第1の領域130における光透過性を高く保つことができる。
[実施形態2]
今日では、高機能な光学素子を容易に製造する方法が求められている。例えば、互いに異なる反射率を有する複数種類のめっき皮膜が設けられためっき皮膜付樹脂製品は、エンコーダにおいて使用可能である。実施形態2では、このように互いに異なる反射率を有する複数種類のめっき皮膜を容易に形成する方法について説明する。
図2(D)に示すように、本発明の実施形態2に係るめっき皮膜付樹脂製品200は、樹脂製品210と、樹脂製品210の表面上に設けられためっき皮膜250及びめっき皮膜255と、を備える。樹脂製品210の表面には、めっき皮膜255が設けられた第1の領域230と、めっき皮膜250が設けられた第2の領域240と、が存在する。樹脂製品210の表面には、第1の領域230及び第2の領域240以外のさらなる領域が存在していてもよい。また、樹脂製品210の表面の第1の領域230における表面粗さは、樹脂製品210の表面の第2の領域240における表面粗さよりも大きい。
樹脂製品210は、実施形態1の樹脂製品110と同様である。また、第1の領域230及び第2の領域240の定義も、実施形態1の第1の領域130及び第2の領域140と同様である。
さらに、めっき皮膜250及びめっき皮膜255も、実施形態1のめっき皮膜150と同様である。しかしながら、表面粗さの違いのために、樹脂製品側におけるめっき皮膜250の反射率は、樹脂製品側におけるめっき皮膜255の反射率とは異なる。一実施形態において、樹脂製品210のめっき皮膜250,255とは反対の面からめっき皮膜250,255が視認できるように、樹脂製品210の表面は透明な材料により形成されている。もっとも、樹脂製品210の表面が完全に透明な材料により形成されている必要はなく、樹脂製品210の表面は光透過性を有する材料により形成されていてもよい。この場合、樹脂製品210のめっき皮膜250,255とは反対の面からめっき皮膜250,255の反射率を測定すると、めっき皮膜250とめっき皮膜255との反射率は異なる。
樹脂製品210の表面粗さが大きいほど、樹脂製品上に形成されためっき皮膜の反射率は低下する傾向にある。すなわち、一実施形態において、樹脂製品210側におけるめっき皮膜250の反射率は、樹脂製品210側におけるめっき皮膜255の反射率よりも大きい。本明細書において、反射率が異なるとは、380nmから780nmまでの光の反射スペクトルが異なっていることを指す。また、反射率が大きいとは、波長550nmにおける反射率が大きいことを指す。
一実施形態において、樹脂製品210のめっき皮膜250,255とは反対の面からめっき皮膜250,255を見た場合に、めっき皮膜250の色は、めっき皮膜255の色とは異なっている。
さらなる一実施形態において、樹脂製品210のめっき皮膜250,255とは反対の面からめっき皮膜250,255を見た場合に、めっき皮膜250は金属光沢を呈する一方で、めっき皮膜255は黒色を呈している。めっき皮膜250が金属光沢を呈するように、めっき皮膜250が設けられている樹脂製品210の表面の第2の領域240における表面粗さは、一実施形態においては1.5nm未満であり、別の実施形態においては1.3nm未満である。また、めっき皮膜255が黒色を呈するように、めっき皮膜255が設けられている樹脂製品210の表面の第1の領域230における表面粗さは、一実施形態においては1.5nm以上であり、別の実施形態においては2.0nm以上である。
透明な樹脂材料の例としては、シクロオレフィンポリマー及びポリスチレンのようなポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、並びにポリ塩化ビニルのようなビニル樹脂等、又はポリカーボネート樹脂等が挙げられる。一実施形態において、透明な樹脂材料の全光線透過率(JIS K7361−1:1997)は、80%以上である。
(製造方法)
本実施形態に係るめっき皮膜付樹脂製品200の製造方法は特に限定されないが、以下にはその一例(以下、本実施形態に係る製造方法と呼ぶ)について説明する。本実施形態に係る製造方法は、改質工程と、めっき工程と、を有する。以下に、これらの工程について、図6のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
改質工程(S610,S620)においては、樹脂製品210の、第1の領域230及び第2の領域240を含む表面を改質する。この改質工程において、第1の領域230の改質には、第2の領域240の改質とは異なる方法が用いられる。第1の領域230と第2の領域240とに対して異なる方法で改質を行うことにより、第1の領域230の表面粗さと第2の領域240の表面粗さとを異ならせることができる。このため、めっき工程(S630)において、樹脂製品210側における反射率が、第1の領域230上に形成されためっき皮膜255と第2の領域240上に形成されためっき皮膜250との間で異なるように、めっき皮膜250及びめっき皮膜250が形成される。
改質工程における改質方法は特に限定されない。以下では一例として、第1の領域230に選択的な改質処理を行った後に、第1の領域230と第2の領域240との双方に同時に別の改質処理を行う方法について説明する。以下の例では、第1の照射工程(S610)により、第1の領域230に選択的な改質処理が行われる。また、第2の照射工程(S620)により、第1の領域230と第2の領域240との双方に同時に改質処理が行われる。すなわち、第1の領域230に対しては第1の照射工程及び第2の照射工程による改質が行われ、第2の領域240に対しては第2の照射工程による改質が行われる。
第1の照射工程(S610)においては、第1の領域230に対してレーザが照射される。第1の照射工程は、実施形態1の照射工程(S520)と同様に行うことができる。例えば、図2(A)に示すように、マスク280を介して、レーザ270を第1の領域230に対して選択的に照射することができる。このマスク280は、光透過部281と光不透過部282とを有し、光透過部281の形状は第1の領域230の形状に対応している。第1の照射工程による処理後の樹脂製品210を図2(B)に示す。なお、第1の照射工程(S610)の前に、実施形態1の改質工程(S510)と同様に、第1の領域230と第2の領域240とを含む樹脂製品210の表面に対する改質処理を行ってもよい。このような改質処理により、後述する第2の照射工程(S620)における処理時間を短くすることができる。
第2の照射工程(S620)においては、第1の領域230及び第2の領域240の双方に対して紫外線が照射される。第2の照射工程(S620)は、実施形態1の改質工程(S510)と同様に行うことができる。例えば、図2(B)に示すように、第1の領域230と第2の領域240とを含む樹脂製品210の表面に対して紫外線290を照射することができる。第2の照射工程による処理後の樹脂製品210を図2(C)に示す。図2(C)に示すように、第1の領域230と第2の領域240との双方に改質部220が形成される。一方で、第1の領域230に対する改質方法と、第2の領域240に対する改質方法とは異なる。具体的には、第1の領域230に対しては第1の照射工程(S610)でレーザが照射されているが、第2の領域240に対してはレーザが照射されていない。このため、第1の領域230の表面粗さは、第2の領域240の表面粗さよりも大きい。もちろん、第2の照射工程において紫外線を照射する代わりに、別の方法で第1の領域230及び第2の領域240の双方に対してめっきが析出するように改質処理を行ってもよい。
めっき工程(S630)においては、改質工程(S610,S620)における改質後の樹脂製品210に対して無電解めっきが行われる。図2(D)に示されるように、無電解めっきにより、第1の領域230にめっき皮膜255が析出するとともに、第2の領域240にめっき皮膜250が析出する。めっき工程(S630)は、実施形態1のめっき工程(S530)と同様に行うことができる。
本実施形態に係る製造方法によれば、1回の無電解めっき処理により、互いに反射率の異なるめっき皮膜250,255を一度に形成することができる。また、第1の領域230に対する処理は、直進性の高いレーザを用いて短時間に行われるので、高い精度で所望の形状のめっき皮膜255を形成することができる。同様の方法を用いて、互いに反射率の異なる3種以上のめっき皮膜を一度に形成することも可能である。
[実施形態3]
図3(E)に示すように、本発明の実施形態3に係るめっき皮膜付樹脂製品300は、樹脂製品310と、樹脂製品310の表面上に設けられためっき皮膜350及びめっき皮膜355と、を備える。樹脂製品310の表面には、めっき皮膜が設けられていない第1の領域330が存在する。また、樹脂製品310の表面には、めっき皮膜350が設けられた第2の領域340と、めっき皮膜355が設けられた第3の領域335と、も存在する。
図3(E)の例において、樹脂製品310の表面の第3の領域335における表面粗さは、樹脂製品310の表面の第2の領域340における表面粗さとは異なる。このため、実施形態2と同様に、樹脂製品310側におけるめっき皮膜350の反射率は、樹脂製品310側におけるめっき皮膜355の反射率とは異なる。具体的には、樹脂製品310の表面の第3の領域335における表面粗さは、樹脂製品310の表面の第2の領域340における表面粗さよりも大きい。すなわち、樹脂製品310側におけるめっき皮膜350の反射率は、樹脂製品310側におけるめっき皮膜355の反射率よりも大きい。
樹脂製品310は、実施形態2の樹脂製品210と同様である。また、第1の領域330及び第2の領域340の定義も、実施形態2の第1の領域230及び第2の領域240と同様である。さらに、めっき皮膜350及びめっき皮膜355も、実施形態2のめっき皮膜250及びめっき皮膜255と同様である。
(製造方法)
本実施形態に係るめっき皮膜付樹脂製品200の製造方法は特に限定されないが、以下にはその一例(以下、本実施形態に係る製造方法と呼ぶ)について説明する。本実施形態に係る製造方法は、改質工程と、照射工程と、追加改質工程と、めっき工程と、を有する。以下に、これらの工程について、図7のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
改質工程(S710)においては、樹脂製品310の、第1の領域330、第2の領域340、及び第3の領域335を含む表面を改質する。改質工程(S710)は、実施形態1における改質工程(S510)と同様に行うことができる。図3(A)は、樹脂製品310の表面に紫外線390を照射する様子を示す。改質工程による処理後の樹脂製品310を図3(B)に示す。図3(B)に示すように、改質工程により樹脂製品310の表面に改質部320が形成される。
照射工程(S720)においては、改質工程(S710)において改質された後の樹脂製品110の表面の第1の領域330及び第3の領域335に、レーザが照射される。照射工程(S720)は、実施形態1における照射工程(S520)と同様に行うことができる。例えば、図3(B)に示すように、マスク380を介して、レーザ370を第1の領域330及び第3の領域335に対して選択的に照射することができる。このマスク380は、光透過部381と光不透過部382とを有し、光透過部381の形状は第1の領域330及び第3の領域335の形状に対応している。照射工程による処理後の樹脂製品310を図3(C)に示す。図3(C)に示すように、第1の領域330及び第3の領域335においては改質部320が除去される。
追加改質工程(S730)においては、第3の領域335がさらに改質される。本実施形態においては、第1の領域330が改質されないように、追加改質工程は行われる。例えば、図3(C)に示すように、マスク385を介して、紫外線395を第3の領域335に対して選択的に照射することができる。このマスク385は、光透過部386と光不透過部387とを有し、光透過部386の形状は第3の領域335の形状に対応している。追加改質工程による処理後の樹脂製品310を図3(D)に示す。図3(D)に示すように、第3の領域335には再度改質部320が形成される。
以上のように、第3の領域335に対する改質方法と、第2の領域340に対する改質方法とは異なる。具体的には、第3の領域335に対しては照射工程(S720)でレーザが照射されているが、第2の領域340に対してはレーザが照射されていない。このため、第3の領域335の表面粗さは、第2の領域340の表面粗さよりも大きい。
めっき工程(S740)においては、追加改質工程(S730)における改質後の樹脂製品310に対して無電解めっきが行われる。図3(E)に示されるように、無電解めっきにより、第3の領域335にめっき皮膜355が析出するとともに、第2の領域340にめっき皮膜350が析出する。めっき工程(S740)は、実施形態1のめっき工程(S530)と同様に行うことができる。第3の領域335の表面粗さと第2の領域340の表面粗さとは異なるため、樹脂製品310側における反射率は、めっき皮膜355とめっき皮膜350との間で異なる。
本実施形態に係る製造方法によれば、1回の無電解めっき処理により、互いに反射率の異なるめっき皮膜350,355を一度に形成することができるとともに、第1の領域330においては樹脂を露出させることができる。
[その他の実施形態]
上述のように、実施形態1〜3に係るめっき皮膜付樹脂製品100,200,300は、配線板又はエンコーダの部品として用いることができる。ロータリーエンコーダに用いられるコードホイールの例を図4に示す。図4に示すコードホイール400は、光透過部410と、光反射部420とを有する。例えば、めっき皮膜付樹脂製品100を、このようなコードホイール400として用いることができる。この場合、第1の領域130は光透過部410に対応し、第2の領域140は光反射部420に対応する。前述の通り、めっき皮膜150が設けられている、樹脂製品110の光反射部420の表面粗さを十分に低くすることにより、めっき皮膜150の反射率を高くすることができる。また、樹脂製品の光透過部410の表面粗さを十分に低くすることにより、光透過部410における光透過性を向上させることができる。
特に、近赤外線を用いるエンコーダの場合、めっき皮膜150の材料としては近赤外線を反射する材料が用いられる。このような材料の例としては、例えば、銅又は銅−ニッケル等が挙げられる。
また、図4に示すコードホイール400は、光透過部410の代わりに光吸収部(不図示)を有していてもよい。めっき皮膜付樹脂製品200を、このようなコードホイール400として用いることができる。この場合、第1の領域230は光吸収部に対応し、第2の領域240は光反射部420に対応する。前述の通り、めっき皮膜250が設けられている、樹脂製品210の光反射部420の表面粗さを十分に低くすることにより、めっき皮膜250の反射率を高くすることができる。また、めっき皮膜255が設けられている、樹脂製品210の光吸収部の表面粗さを十分に大きくすることにより、めっき皮膜255の反射率を低くすることができる。
[実験1]
無電解めっき用基板として、樹脂材料であるシクロオレフィンポリマー材(日本ゼオン株式会社製,ゼオノアフィルムZF−16,膜厚100μm,表面粗さ1.01nm)を用いた。
まず、表面改質を行う前に、基板表面の洗浄を目的として以下の処理を行った。
1.50℃の純水で3分間超音波洗浄
2.50℃のアルカリ洗浄液(水酸化ナトリウム3.7%含有)に3分間浸漬
3.50℃の純水で3分間超音波洗浄
4.乾燥
次に、紫外線ランプ(低圧水銀ランプ)からの紫外線を大気中で基板に10分間照射することにより、基板を改質した。紫外線ランプ(低圧水銀ランプ)の詳細について以下に示す。
低圧水銀ランプ:サムコ社製UV−300(主波長185nm,254nm)
照射距離:3.5cm
照射距離3.5cmにおける照度:5.40mW/cm(254nm)
1.35mW/cm(185nm)
次に、紫外線を照射した基板に対し、無電解めっきを行った。無電解めっき液としては、JCU社製Cu−Niめっき液セット「AISL」を使用した。めっき工程における具体的な処理を表1に示す。
Figure 2016113688
表1に示す工程に従って無電解めっきを行ったところ、紫外線を照射した部位に無電解めっきによるめっき皮膜が形成された。得られた基板をめっき皮膜が形成されていない側から見ると、めっき皮膜は黒色を呈していた。
コンディショナ処理後に改質部分の表面粗さRaを測定したところ、表面粗さRaは2.42nmであった。また、アクチベーター処理(触媒イオン付与処理)及びアクセレレーター処理(触媒析出処理)によっては表面粗さRaは変化しなかった。したがって、めっき皮膜が析出している領域における基板の表面粗さRaは、2.42nmと考えられる。表面粗さRaの測定には、原子間力顕微鏡(AFM)(ブルカー・エイエックスエス社製,NanoScopeV/Dimension Icon,測定モード:タッピングモード,測定範囲:10μm×10μm,測定点数512×512、走査速度:1.0Hz)を用いた。そして、得られた測定データを用いて断面解析を行うことにより、表面粗さRaを算出した。
[実験2]
紫外線の照射条件を変えたことを除き、実験1と同様に無電解めっきを行った。紫外線ランプ(低圧水銀ランプ)の詳細について以下に示す。
低圧水銀ランプ:サムコ社製UV−300(主波長185nm,254nm)
照射距離:1.0cm
照射距離1.0cmにおける照度:
最高照度地点:7.30mW/cm(254nm)
1.83mW/cm(185nm)
最低照度地点:0.64mW/cm(254nm)
0.16mW/cm(185nm)
以上のような照度分布を有するチャンバ内の試料台に基板を設置し、UV−300の付属機能である試料台回転機能を使用して回転させつつ、4分15秒間紫外線を照射した。その後、表1に示す工程に従って無電解めっきを行ったところ、紫外線を照射した部位に無電解めっきによるめっき皮膜が形成された。
実験1と同様にコンディショナ処理後に改質部分の表面粗さRaを測定したところ、表面粗さRaは1.25nmであった。得られた基板をめっき皮膜が形成されていない側から見ると、めっき皮膜は黒色を呈しておらず、金属特有の光沢が視認された。
[実験3]
紫外線ランプの代わりに紫外線レーザを大気中で基板に照射することにより基板を改質したことを除き、実験1と同様に無電解めっきを行った。紫外線レーザの詳細について以下に示す。
紫外線レーザ:ArFエキシマレーザ(主波長193nm)
紫外線レーザ照射機:コヒレント社製LPXpro305
照射条件:周波数50Hz,パルス幅25ns
1パルス当たりの照射面エネルギー密度が1000mJ/cmであるレーザを2、10若しくは20パルス、又は100mJ/cmであるレーザを20、100若しくは200パルス照射した。しかしながら、いずれの条件においてもレーザが照射された部分にめっき皮膜は析出しなかった。
[実験4]
紫外線ランプの代わりに、紫外線レーザと紫外線ランプとの組み合わせを用いたことを除き、実験1と同様に無電解めっきを行った。
具体的には、まず紫外線レーザを大気中で基板に照射することにより基板を改質した。使用した紫外線レーザ及び照射条件は実験2と同様であった。
次に、紫外線ランプ(低圧水銀ランプ)からの紫外線を大気中で基板に照射することにより、基板をさらに改質した。使用した紫外線ランプ及び照射条件は実験1と同様であった。
1パルス当たりの照射面エネルギー密度が100mJ/cmであるレーザを20又は200パルス照射した後に、紫外線ランプからの紫外線を1分間照射すると、無電解めっきによりめっき皮膜が析出することが確認された。また、1パルス当たりの照射面エネルギー密度が1000mJ/cmであるレーザを2又は20パルス照射した後に、紫外線ランプからの紫外線を1分間又は3分間照射すると、無電解めっきによりめっき皮膜が析出することが確認された。
また、1パルス当たりの照射面エネルギー密度が1000mJ/cmであるレーザを2又は20パルス照射した後に、紫外線ランプからの紫外線を1分間又は3分間照射すると、無電解めっきによりめっき皮膜が析出することが確認された。
[実験5]
1パルス当たりの照射面エネルギー密度が1000mJ/cmであるレーザを1パルス照射した後に、紫外線ランプからの紫外線を3分30秒間照射したことを除き、実験4と同様に無電解めっきを行った。この場合にも、無電解めっきによりめっき皮膜が析出することが確認された。得られた基板をめっき皮膜が形成されていない側から見ると、めっき皮膜は黒色を呈していた。実験1と同様にコンディショナ処理後に改質部分の表面粗さRaを測定したところ、表面粗さRaは4.47nmであった。
[実験6]
また、1パルス当たりの照射面エネルギー密度が2000mJ/cmであるレーザを10パルス照射した後に、紫外線ランプからの紫外線を3分30秒間照射したことを除き、実験4と同様に無電解めっきを行った。この場合にも、無電解めっきによりめっき皮膜が析出することが確認された。得られた基板をめっき皮膜が形成されていない側から見ると、めっき皮膜は黒色を呈していた。実験1と同様にコンディショナ処理後に改質部分の表面粗さRaを測定したところ、表面粗さRaは2.28nmであった。
実験1,2,5,6で得られためっき皮膜付樹脂製品について、めっき皮膜が形成されていない側から、樹脂製品を介しためっき皮膜の反射率を、顕微分光システム(テクノ・シナジー社製,DF−1037)を用いて測定した。測定結果を図8に示す。
[実施例1]
樹脂製品110としては、ポリカーボネート材の透明な樹脂基板(三菱ガス化学社製,商品名ユーピロンシート,膜厚300μm)を用いた。
まず、樹脂製品110の表面全体に対して、大気中で紫外線を照射した。紫外線の照射条件は以下の通りであった。
低圧水銀ランプ:サムコ社製UV−300(主波長185nm,254nm)
照射距離:3.5cm
照射距離3.5cmにおける照度:5.40mW/cm(254nm)
1.35mW/cm(185nm)
照射時間:10分間
この際の積算露光量は、1.35mW/cm×600秒=810mJ/cmであった。
次に、樹脂製品110の第1の領域130に対してレーザを照射した。本実施例においては、第1の領域130にのみレーザが照射されるように、大気中でマスクを介して紫外線レーザを照射した。レーザの照射条件は以下の通りであった。
紫外線レーザ:KrFエキシマレーザ(主波長248nm)
紫外線レーザ照射機:リプスワークス社製,製品名プレシス
照射条件:パルス幅30ns,10パルス
1パルス当たりの照射面エネルギー密度:0.5mJ/cm
次に、紫外線を照射した樹脂製品110に対してバインダー付与処理を行った。具体的には、JCU社製Cu−Niめっき液セット「AISL」で使用されるコンディショナ液を用い、50℃に加熱して樹脂製品110を2分間浸漬した。その後、樹脂製品110を50℃の純水中で洗浄した。
次に、コンディショナ処理後の樹脂製品110に対して触媒イオン付与処理を行った。具体的には、JCU社製Cu−Niめっき液セット「AISL」で使用されるアクチベーター液を用い、50℃に加熱して樹脂製品110を2分間浸漬した。その後、樹脂製品110を50℃の純水中で洗浄した。
次に、触媒イオン付与処理後の樹脂製品110に対して還元処理を行った。具体的には、JCU社製Cu−Niめっき液セット「AISL」で使用されるアクセレレーター液を用い、50℃に加熱して樹脂製品110を2分間浸漬した。その後、樹脂製品110を50℃の純水中で洗浄した。
次に、還元処理後の樹脂製品110に対して、無電解Cu−Niめっきを行った。具体的には、JCU社製Cu−Niめっき液セット「AISL」で使用される無電解Cu−Ni液を用い、60℃に加熱して樹脂製品110を5分間浸漬した。その後、樹脂製品110を50℃の純水中で洗浄した。
この処理により、樹脂製品110のうちレーザが照射されていない第2の領域140に銅ニッケルめっき皮膜であるめっき皮膜150が形成された。一方で、第1の領域130には、めっき皮膜150は形成されなかった。
[実施例2]
樹脂製品210としては、ポリカーボネート材の透明な樹脂基板(三菱ガス化学社製,商品名ユーピロンシート,膜厚300μm)を用いた。
まず、樹脂製品210の表面全体に対して、大気中で紫外線を照射した。紫外線の照射条件は以下の通りであった。
低圧水銀ランプ:サムコ社製UV−300(主波長185nm,254nm)
照射距離:3.5cm
照射距離3.5cmにおける照度:5.40mW/cm(254nm)
1.35mW/cm(185nm)
照射時間:10分間
この際の積算露光量は、1.35mW/cm×600秒=810mJ/cmであった。
次に、樹脂製品210の第1の領域230に対してレーザを照射した。本実施例においては、第1の領域230にのみレーザが照射されるように、大気中でマスクを介して紫外線レーザを照射した。レーザの照射条件は以下の通りであった。
紫外線レーザ:KrFエキシマレーザ(主波長248nm)
紫外線レーザ照射機:リプスワークス社製,製品名プレシス
照射条件:パルス幅30ns,10パルス
1パルス当たりの照射面エネルギー密度:0.5mJ/cm
さらに、樹脂製品210の表面全体に対して、大気中で紫外線を照射した。紫外線の照射条件は以下の通りであった。
低圧水銀ランプ:サムコ社製UV−300(主波長185nm,254nm)
照射距離:3.5cm
照射距離3.5cmにおける照度:5.40mW/cm(254nm)
1.35mW/cm(185nm)
照射時間:10分間
この際の積算露光量は、1.35mW/cm×600秒=810mJ/cmであった。
その後、実施例1と同様に、バインダー付与処理、触媒イオン付与処理、還元処理、及び無電解Cu−Niめっきを行った。以上の処理により、樹脂製品210のうちレーザが照射されていない第2の領域240に銅ニッケルめっき皮膜であるめっき皮膜250が形成された。また、レーザが照射された第1の領域230にも、銅ニッケルめっき皮膜であるめっき皮膜255が形成された。めっき皮膜250及び255について、めっき皮膜が形成されていない側から、樹脂製品を介しためっき皮膜の反射率を測定したところ、反射率は互いに異なっていた。具体的には、第2の領域240に形成されためっき皮膜250の反射率は、第1の領域230に形成されためっき皮膜255の反射率よりも高かった。
[実施例3]
レーザ照射条件及びレーザ照射後の紫外線照射条件を変更したことを除き、実施例2と同様の処理を行った。具体的には、実施例3においては、第1の領域330及び第3の領域335にレーザを照射した。また、第3の領域335にのみ紫外線が照射されるように、マスクを介して紫外線を照射した。
無電解めっきを行ったところ、樹脂製品310のうちレーザが照射されていない第2の領域340に銅ニッケルめっき皮膜であるめっき皮膜350が形成された。また、レーザが照射された後に紫外線が照射された第3の領域335にも、銅ニッケルめっき皮膜であるめっき皮膜355が形成された。めっき皮膜350及び355について、めっき皮膜が形成されていない側から、樹脂製品310を介しためっき皮膜の反射率を測定したところ、反射率は互いに異なっていた。具体的には、めっき皮膜350の反射率は、めっき皮膜355の反射率よりも高かった。一方で、レーザが照射された第1の領域330には、めっき皮膜は形成されなかった。第1の領域330は、高い光透過性を有していた。
100 めっき皮膜付樹脂製品
110 樹脂製品
130 第1の領域
140 第2の領域
150 めっき皮膜
170 レーザ
335 第3の領域
S510 改質工程
S520 照射工程
S530 めっき工程
S730 追加改質工程

Claims (15)

  1. めっき皮膜が設けられていない第1の領域とめっき皮膜が設けられた第2の領域とを表面に有するめっき皮膜付樹脂製品の製造方法であって、
    樹脂製品の表面の前記第1の領域及び前記第2の領域を改質する改質工程と、
    前記改質後の表面の前記第1の領域にレーザを照射する照射工程と、
    前記第2の領域にめっき皮膜が析出するように前記レーザ照射後の前記樹脂製品に対して無電解めっきを行うめっき工程と、
    を含むことを特徴とする、めっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  2. 前記めっき皮膜付樹脂製品は、めっき皮膜が設けられた第3の領域を表面にさらに有し、
    前記改質工程においては、前記樹脂製品の表面の前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域が改質され、
    前記照射工程においては、前記改質後の表面の前記第1の領域及び前記第3の領域にレーザが照射され、
    前記めっき皮膜付樹脂製品の製造方法は、前記照射工程の後、めっき工程の前に、前記第3の領域を改質する追加改質工程をさらに含み、
    前記めっき工程では、前記第2の領域及び前記第3の領域にめっき皮膜が析出するように前記樹脂製品に対して無電解めっきを行う
    ことを特徴とする、請求項1に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  3. 前記改質工程においては紫外線を照射することにより改質が行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  4. めっき皮膜が設けられた第1の領域と第2の領域とを表面に有するめっき皮膜付樹脂製品の製造方法であって、
    樹脂製品の表面の第1の領域及び第2の領域を、前記第1の領域に対する改質方法と前記第2の領域に対する改質方法とが異なるように改質する改質工程と、
    前記第1の領域及び前記第2の領域にめっき皮膜が析出するように前記改質後の前記樹脂製品に対して無電解めっきを行うめっき工程と、
    を含むことを特徴とする、めっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  5. 前記めっき工程において、前記めっき皮膜の前記樹脂製品側における反射率が異なるように、前記第1の領域及び前記第2の領域に無電解めっきを行うことを特徴とする、請求項4に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  6. 前記改質後の前記樹脂製品の表面粗さは前記第1の領域の方が前記第2の領域より大きく、前記めっき皮膜の前記樹脂製品側における反射率は前記第1の領域の方が前記第2の領域より小さいことを特徴とする、請求項5に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  7. 前記改質工程において、前記第1の領域に対してはレーザを照射してから紫外線を照射することにより改質が行われ、前記第2の領域に対しては紫外線を照射することにより改質が行われることを特徴とする、請求項4乃至6の何れか1項に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  8. 前記紫外線の主波長は243nm以下であり、前記紫外線は酸素とオゾンとの少なくとも一方を含む雰囲気下で照射されることを特徴とする、請求項3又は7に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  9. 前記紫外線はランプ又はLEDから照射されることを特徴とする、請求項3、7、又は8に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  10. 前記レーザの波長は、前記樹脂製品の前記表面を形成する材料により前記レーザが吸収されるように選択されることを特徴とする、請求項1乃至3及び7乃至9の何れか1項に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  11. 前記樹脂製品は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、及びポリカーボネート樹脂のうちの少なくとも1つを前記表面に有することを特徴とする、請求項1乃至10の何れか1項に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法。
  12. 請求項1乃至11の何れか1項に記載のめっき皮膜付樹脂製品の製造方法により製造されためっき皮膜付樹脂製品。
  13. 樹脂製品と、前記樹脂製品の表面上に設けられためっき皮膜と、を備えるめっき皮膜付樹脂製品であって、
    前記樹脂製品の表面は、前記めっき皮膜が設けられていない第1の領域と、前記めっき皮膜が設けられた第2の領域と、を有し、
    前記第2の領域の表面粗さが、前記第1の領域の表面粗さよりも小さい
    ことを特徴とする、めっき皮膜付樹脂製品。
  14. 樹脂製品と、前記樹脂製品の表面の第1の領域に設けられた第1めっき皮膜と、前記樹脂製品の表面の第2の領域に設けられた第2めっき皮膜と、を備えるめっき皮膜付樹脂製品であって、
    前記第1の領域の表面粗さが、前記第2の領域の表面粗さとは異なることを特徴とする、めっき皮膜付樹脂製品。
  15. 請求項12乃至14の何れか1項に記載のめっき皮膜付樹脂製品を備えることを特徴とするエンコーダ。
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