JP5558549B2 - めっき膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂基体へのめっき膜の製造方法に関する。
めっき法は樹脂基体に導体膜や金属光沢膜を成膜できるため、プリント配線板の製造等に広く用いられている。
めっき法では、基体とめっき膜との密着性改善は重要な課題である。例えば、基体がABS樹脂の場合には、前処理として、クロム酸溶液にて基体の樹脂を部分的に溶解して表面に凹凸を形成することで物理的アンカー効果により、高い密着性が得られることが知られている。しかし、表面に大きな凹凸を形成すると表面粗さ(表面性)が劣化するため、光沢がなくなったり、所望の電気特性を満足できなくなったりすることがあった。
発明者らは、特開2004−315894号公報において、無電解めっきの前処理として、樹脂基体に、オゾンを含む溶液中で所定パターンの紫外線を照射することで、その所定パターンの部分に形成される無電解めっき膜の密着性が高いことを開示している。
また、発明者らは、特開2008−94923号公報において、化学的にも熱的にも安定なシクロオレフィンポリマーに前処理として、有酸素雰囲気下で紫外線を照射することにより、密着性の高い無電解めっき膜が成膜できることを開示している。
近年、ABS樹脂よりも軽い樹脂、例えば、ポリプロピレンが、リサイクル可能でコストパフォーマンスにも優れているため、自動車のインパネ、バンパー、ドアパネル、トリム、カウルパネル、サイドモール、ラジエターグリル、及びエアクリーナーをはじめとする様々な内外装部品、及びエンジン廻り部品等に大量に使われている。
しかし、ポリプロピレンは、炭素原子が飽和結合を介して直鎖を形成している。分子中に不飽和結合のない樹脂は、不飽和結合を有する樹脂と異なり、密着性の高いめっき膜を成膜することは特に容易ではなかった。
特開2004−315894号公報 特開2008−94923号公報
本発明の実施形態は、樹脂基体に密着性の高いめっき膜を成膜できるめっき膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態のめっき膜の製造方法は、樹脂基体を、有機溶剤に浸漬し膨潤する工程と、
平均径が0.1〜100μmのオゾンの気泡を含み、オゾン濃度が0.1〜2.0ppmのオゾン水に浸漬する工程と、前記樹脂基体にめっき触媒を付与する工程と、前記樹脂基体にめっき膜を成膜する工程と、を具備する。
本発明の実施形態によれば、樹脂基体に密着性の高いめっき膜を成膜できるめっき膜の製造方法を提供することができる。
第1実施形態のめっき膜の製造方法のフローチャートである。 第1実施形態のめっき膜の製造方法のオゾン水処理を説明するための模式図である。 第2実施形態のめっき膜の製造方法のフローチャートである。 第2実施形態のめっき膜の製造方法の紫外線照射処理を説明するための模式図である。
<第1実施形態>
以下、図1のフローチャートに沿って、第1実施形態のめっき膜の製造方法について説明する。
<ステップS11>基板準備
樹脂基体(以下、「基体」ともいう)10が準備される。本実施形態では、基体10はポリプロピレン(PP)を主成分とする。ポリプロピレンは、ガラス転移点が0℃付近にあるため耐熱性が低く、耐衝撃性等の機械的特性が良くはない。このため、基体10には、平均粒径が0.05〜1μmのゴム成分が添加されていることが好ましい。ゴム成分が前記下限未満では製造コストが高く、前記上限超では表面性が劣化するため光沢外観が得られにくい。なお、平均粒径は、レーザー法による粒径分布測定器(例えば、島津製作所:SALD−7100)で測定した。
ゴム成分としては、天然ゴム又は合成ゴムが挙げられる。合成ゴムとしては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−オクテン−1ゴム、エチレン−ブテン−1ゴム、エチレン−αオレフィンゴム等のオレフィン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。樹脂基体10には、更に、ポリフェニレンエーテル又はタルク等が添加されていてもよい。
なお、基体10の材料は、ポリプロピレンに限られるものではないが、本実施形態の方法では、特に、炭素原子が飽和結合を介して直鎖を形成している、不飽和結合を有しない、化学的に安定な樹脂であっても、高い密着性のめっき膜を得ることができる。
<ステップS12>膨潤処理
基体10が、温度75℃の有機溶剤であるキシレンに10分間浸漬され、キシレンを吸収した表面が膨潤する。膨潤処理には各種の有機溶剤を用いることができる。ポリプロピレンからなる基体10の場合には、効率的に処理を行うために、特に、キシレン、トルエン、テトラリン、又はジオキサンが好ましい。一方、四塩化エチレン、トリクロルエチレン、四塩化炭素、及び四塩化エタン等の塩素系溶媒は、膨潤効果があっても基体10に残留した場合に、無電解めっき触媒の触媒能を低下させるため好ましくない。
膨潤処理の条件は、基体の種類及び有機溶剤の種類に応じて決定される。例えば、ポリプロピレンを主成分とする基体10を安価なキシレンを用いて膨潤処理する場合には、50〜90℃のキシレンに、5〜60分間浸漬する。温度及び時間が前記下限未満では密着性が不十分であり、温度及び時間が前記上限超では、表面性が劣化する。
<ステップS13>オゾン水処理
本実施形態の方法では、温度が26℃のオゾン水20に、基体10が、10分間、浸漬された。図2に示すように、オゾン発生装置21は、高電圧を用いて無声放電を行い供給された酸素をオゾン化する。発生したオゾンは加圧され、フィルタ22を介してオゾン水20に微細気泡として放出される。例えば、多孔質からなるフィルタ22は、平均径が10μmの微細気泡を発生する。気泡の平均径(直径)は、レーザー法による粒径分布測定器(例えば、島津製作所:SALD−7100)で測定した。オゾン水20のオゾン濃度は加圧圧力を調整して1.2ppmとした。オゾン濃度は紫外線吸光型濃度計にて測定した。
オゾン水は、複雑な形状の基体であっても、均一な表面処理が可能であるため、殺菌、消毒等の用途に使用されている。しかし、従来のめっき方法では、10ppm超の濃度でなければ十分な効果が得られなかった。
これに対して本実施形態のめっき膜の製造方法に用いるオゾン水20のオゾン濃度は、0.1〜2.0ppmと低い。オゾン濃度が前記下限未満では十分な処理効果が得られず、前記上限超では基体10の表面性が劣化する。従来法と異なり、低オゾン濃度範囲で良好な結果が得られる原因は、平均径が0.1〜100μmのオゾンの微細気泡を含むオゾン水を使用しているためと考えられる。
微細気泡状態のオゾンは、長時間にわたって水に滞留する。このため、基体10の表面、特に凹凸形状があっても凹部の深部にも、ムラなく、十分に接触して改質処理を行うことができる。
気泡の平均径が前記下限以上であれば、微細気泡の生成効率が良く生産性が劣化するおそれがなく、前記上限以下であれば、気泡がオゾン水中に滞留する時間が長く適切な濃度に保持することが容易である。すなわち、平均径が小さいオゾン気泡は、大気中に拡散しにくいため、10ppm未満と低濃度でも十分な効果を得ることができる。
オゾン水の温度は15〜40℃、処理時間は1〜60分間が好ましい。温度及び処理時間は、前記下限未満では処理効果が少なく、上限超では、過剰処理となり表面性が劣化したりする。
従来の高濃度オゾン水を用いる方法と比較すると、低濃度オゾン水を用いる実施形態の方法は生産面及び環境面から取り扱いが容易であり、更に、過度の処理による表面性劣化のおそれがない。
<ステップS14>アルカリ処理
基体10が、アルカリ溶液(50g/L、NaOH溶液、60℃)に2分間浸漬される。アルカリ処理により、基体10の表面への触媒吸着が促進される。
なお、アルカリ処理は必須の工程ではない。また、特に界面活性剤を含有するアルカリ溶液に浸漬することで、より高い触媒活性化効果がある。界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、又はポリエチレングリコールドデシルエーテル等を用いる。
<ステップS15>触媒付与
基体10の表面に、めっき触媒が付与される。
触媒付与工程では、各種の方法、例えば、(a) Sn/Pd混合触媒処理、(b) 酸性イオンアクチベーター処理、(c) 塩化第1スズ−塩化Pd二段処理、及び、(d) アルカリ性アクチベーター処理を用いる。
(a)Sn/Pd混合触媒処理及び(b)酸性イオンアクチベーター処理では、最初に、カチオン系界面活性剤を含むコンディショニング剤(ロームアンドハース電子材料製CC−231)によるコンディショニング処理が行われる。コンディショニング処理により、界面活性剤の疎水基が基体10の表面に吸着し、触媒工程では基体10に吸着した界面活性剤の親水基にPdイオンが吸着する。
(a)Sn/Pd混合触媒処理では、コンディショニング処理の後に、更にプレディップ処理が行われる。プレディップ処理では、例えば、塩化ナトリウム水溶液に浸漬することで、基体10の親水基及びコンディショニング処理で表面に吸着した界面活性剤の親水基、にナトリウムイオン及び塩素イオンが吸着する。このため、表面電位等が、より平準化し、触媒が、より均一に付与する。そして、触媒工程では、Pd/Snコロイド溶液(キャタポジット44、ロームアンドハース社製)に浸漬後、100ml/L硫酸に浸漬する活性化処理(リデューサー処理)が行われる。
(b)酸性イオンアクチベーター処理では、コンディショニング処理の後に、0.3g/Lの塩化Pd溶液に浸漬し表面にPdイオンを吸着し、次に還元剤含有溶液、例えば、次亜リン酸塩溶液によりPdイオンを金属に還元するリデューサー処理が行われる。
(c)二段処理では、例えば、0.1g/Lの塩化第1Sn(すず)溶液に浸漬後、0.05g/Lの塩化Pd溶液に浸漬される。2価Snイオンが4価Snイオンに変化するため、基体に吸着したPdイオンは、金属に還元される。
(d)アルカリ性アクチベーター処理は、ネオガントB(アトテック社製)によるコンディショニング処理、ネオガント834(アトテック社製)によるPdイオンを吸着するアクチベーター処理と、ネオガントWA(アトテック社製)によるPdイオンを金属に還元するリデューサー処理とが順に行われる。
なお、触媒としては、触媒機能のある各種金属、例えば、金、白金、又は銅等を用いてもよい。
また、基体10を、オゾン水20又は触媒溶液等と接触するには、浸積法に限られるものではなく、スプレー法等も用いることができる。
<ステップS16>無電解めっき
以下の(表1)に示す無電解銅めっき浴に、基体10が浸漬され、基体10に無電解銅めっき膜が成膜される。なお、無電解めっき膜の膜厚は、0.05μm〜5μmであることが好ましい。膜厚が前記下限以上であれば、次の電気めっき工程での下地導電膜としての機能を十分に有し、前記上限以下であれば生産性に問題が生じない。
(表1)
<無電解NiPめっき浴>
硫酸ニッケル・六水和物 26.3g/L
クエン酸 38.4g/L
塩化アンモニウム 40.1g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物 21.2g/L
チオ尿素 2mg/L
pH調整剤 水酸化ナトリウム、硫酸
pH: 9.0
浴温: 45℃
膜厚: 0.2μm
なお、無電解めっき基本浴として、パラホルムアルデヒド、又は、グリオキシル酸を還元剤として用いることも可能である。グリオキシル酸は、ホルムアルデヒドと構造が類似しており、還元力は小さいが、人体への影響が少ない。
また、無電解銅めっきの析出反応促進のために、最初に薄い無電解ニッケル膜を析出させてから無電解銅めっき膜を成長させてもよい。更に無電解銅めっき浴にニッケルイオンを添加したCuNiP無電解めっき浴(表2)を用いてもよい。
(表2)
<無電解CuNiPめっき浴>
クエン酸三Na無水和物 15g/L
硫酸銅・五水和物 6g/L
硫酸ニッケル・六水和物 2g/L
ほう酸 10g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物 20g/L
水酸化ナトリウム 5g/L
pH: 9.0
浴温: 45℃
めっき時間: 7分間(膜厚:0.2μm)
<ステップS17>電気めっき
以下の(表3)に示す電気めっき浴を用い、無電解めっき膜を陰極として、膜厚20μmの電気銅めっき膜が成膜される。なお、電気銅めっき膜の膜厚は、例えば5μm〜100μmであり、配線板の仕様に応じて決定される。
(表3)
<電解銅めっき浴>
硫酸銅・五水和物 200g/L
硫酸 50g/L
光沢剤 適量
陽極:含りん銅板
電流密度:2A/dm2
浴温:室温
<ステップS18>熱処理
電気めっき後の基体10が、80℃、30分間、熱処理される。なお、無電解めっき工程後、電気銅めっき工程の前にも、例えば同じ、80℃、30分間の熱処理が行われても良い。
<評価>
めっき膜の密着強度は、JIS C 6481に準拠したピール強度測定により行った。具体的には、めっき膜に10mm幅の切れ込みをいれて、その10mm幅の短冊の端部を基体10に対して垂直に引き剥がすときの荷重を、試験器(東洋精機製作所、ストログラフE2−F)を用いて測定した。
本実施形態の製造方法で製造されためっき膜の密着強度は、1kN/m以上と実用上、問題のないレベルであった。
これに対して、膨潤処理(S12)、又はオゾン水処理(S13)を行わなかった場合の、密着強度は0.1kN/m以下であった。また、オゾン濃度が2.0ppm超の場合の密着強度は、0.2〜0.6kN/mであり、ばらつきが大きかった。
以上の説明のように、実施形態のめっき膜の製造方法は、樹脂基体10を有機溶剤に浸漬し膨潤する処理と、オゾン濃度が0.1〜2.0ppmのオゾン水に浸漬する処理と、めっき触媒を表面に付与する処理と、めっき膜を成膜する処理と、を具備する。特に、実施形態のめっき膜の製造方法は、ポリプロピレンを主成分とし平均粒径が0.05〜1μmのゴム成分を含む樹脂基体を50〜90℃のキシレンに5〜60分間浸漬する処理と、平均径が0.1〜100μmのオゾンの気泡を含みオゾン濃度が0.1〜2.0ppm、浴温15〜40℃のオゾン水に1〜60分間浸漬する処理と、パラジウム触媒を表面に付与する処理と、無電解NiPめっき膜を成膜する処理と、電気めっき膜を成膜する処理と、を具備することが好ましい。
実施形態のめっき膜の製造方法によれば、樹脂基体10に密着性の高いめっき膜を成膜できる。特に、炭素原子が飽和結合を介して直鎖を形成している樹脂、特にポリプロピレンを主成分とする樹脂からなる基体10であっても、密着性の高いめっき膜を成膜できる。
また、平均粒径が0.05〜1μmのゴム成分を含むポリプロピレンは、耐衝撃性等の機械的特性が優れているだけでなく、本実施形態のめっき法において、特に密着性のよいめっき膜が成膜可能であった。すなわち、ゴム成分を含まないポリプロピレンからなる樹脂基体10では、めっき膜の密着強度は、実用上、使用可能ではなるが、1kN/m未満であった。
<第2実施形態>
次に、図3のフローチャートに沿って、第2実施形態のめっき膜の製造方法について説明する。本実施形態は第1実施形態と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
<ステップS21、S22>
基体準備処理S21及び膨潤処理S22は、第1実施形態のステップS11、S12と同じである。
<ステップS23>
本実施形態のめっき膜の製造方法では、第1実施形態のオゾン水処理S13に替えて、紫外線照射工程を有する。すなわち、図4に示すように、低圧水銀ランプ31を備えたUV照射装置30(主波長:253.7nm、江東電気社製、KOL1−300)を用い、照射距離D:30mm、照射強度:60mW/cm2で、5分間、基体10に紫外線(UV)が照射される。
UV照射工程で用いる紫外線の主波長は、150〜300nmが好ましく、照射強度(紫外線の基体10の表面における強度)は、5〜100mW/cm2が好ましい。照射強度及び照射時間が前記下限以上であれば、生産効率がよく、前記上限以下であれば内部にまで変質が及び基体10の全体が脆くなるおそれがない。
また、紫外線の主波長が前記下限以上であれば、一般的な光源が使用可能であり、前記上限以下であれば光線透過率が小さいため、改質効果が得られやすい。より好ましい波長範囲は200〜300nmであり、更に好ましい波長範囲は250〜280nmである。
照射時間は照射強度との関係を考慮し決定されるが、1〜30分が好ましい。前記下限以上では制御が容易であり、前記上限以下では量産性に問題が生じない。
<ステップS24〜S28>
アルカリ浸漬処理S24〜熱処理S28は、第1実施形態のステップS14〜S18と同じである。
以上の説明のように、本実施形態のめっき膜の製造方法は、樹脂基体を、有機溶剤に浸漬する処理と、波長が150〜300nm、強度が5〜100mW/cm2の紫外線を、大気中で、1〜30分間照射する処理と、めっき触媒を表面に付与する処理と、めっき膜を成膜する処理と、を具備する。
本実施形態の製造方法で製造されためっき膜の密着強度は、1kN/m以上と実用上、問題のないレベルであった。これに対して、UV処理(S23)を行わなかった場合の、密着強度は0.1kN/m以下であった。また、膨潤処理(S22)を行わなかった場合の密着強度は、0.2〜0.6kN/mであり、ばらつきが大きかった。
本実施形態の製造方法は第1実施形態の製造方法と同様の効果を有する。更に、紫外線照射工程において、部分的に紫外線を照射することにより、照射部分にだけ密着性の高いめっき膜を成膜することが可能である。
<変形例>
第1実施形態及び第2実施形態の方法では、ステップS16、S26の無電解めっき工程に引き続いて、ステップS17、S27の電気めっき工程が行われた。言い換えれば、めっき工程が、無電解めっき膜を成膜する無電解めっき工程と、無電解めっき膜を導電膜として電気めっき膜を成膜する電気めっき工程と、を含んでいた。
これに対して、本変形例の方法では、めっき工程が、無電解めっき工程又は電気めっき工程のいずれかである。
すなわち、厚膜化が不要の場合等には、めっき工程は無電解めっき工程だけでもよい。
また、めっき工程が、電気めっき工程だけの場合には、いわゆるダイレクトプレーティングにより、触媒層を導電層として電気めっきが行われる。
変形例のめっき膜の製造方法は、第1実施形態及び第2実施形態の方法と同じ効果を有し、めっき工程が、より単純で生産性に優れている。
本発明は、上述した実施形態又は変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
10…樹脂基体
20…オゾン水
21…オゾン発生装置
22…フィルタ
30…照射装置
31…低圧水銀ランプ

Claims (4)

  1. 樹脂基体を、有機溶剤に浸漬し膨潤する工程と、
    平均径が0.1〜100μmのオゾンの気泡を含み、オゾン濃度が0.1〜2.0ppmのオゾン水に浸漬する工程と、
    前記樹脂基体にめっき触媒を付与する工程と、
    前記樹脂基体にめっき膜を成膜する工程と、を具備することを特徴とするめっき膜の製造方法。
  2. 前記有機溶剤が、キシレン、トルエン、テトラリン、又はジオキサンであることを特徴とする請求項に記載のめっき膜の製造方法。
  3. 前記樹脂基体が、炭素原子が飽和結合を介して直鎖を形成している不飽和結合を有しない樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項2に記載のめっき膜の製造方法
  4. 前記樹脂基体が、ポリプロピレンを主成分とすることを特徴とする請求項に記載のめっき膜の製造方法。
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