JP2004218002A - ベース材からの剥離面を利用した精密金属部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】ベース材に所望のパターンのレジストを付け、レジストの厚み以下の厚みの第一の金属の層をベース材の表面に接して電鋳法等で形成し、第一の金属の層と該レジストを覆うように、第二の金属の層を電鋳法等で形成し、ベース材及び該レジストを金属部品から剥離又は除去することからなり、除去により露出する第一の金属の層と第二の金属の層のいずれか一方を反射面、他方を非反射面等として反射型光学式エンコーダー用部品に利用する。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電鋳法やその他の薄膜形成法等による、所定パターンのレジストを付けた金属層形成用ベース材からの剥離面を利用して形成した金属層を有する精密金属部品の製造方法に関する。
【0002】
【用語の説明】
本願明細書において、「薄膜形成法」とは、電鋳法や蒸着を含めた、気相法、液相法、又は固相法等の徐々に厚みを増しながら金属層を形成する方法を意味するものとし、必ずしも金属層が薄い膜であるとは限らない。本発明に於いて「スリット板」とは、透過型光学式エンコーダー部品用の貫通したスリットを有する金属薄板のみならず、反射型光学式エンコーダー部品用の反射面と非反射面が交互に並んでいる金属薄板について用いる場合がある。
【0003】
【従来の技術】
光学式エンコーダー用の精密金属部品は、例えば特開2000−283794号に記載されるように、種々の方法で製作され得るが、工程中にレジストで選択的に覆われた金属面をエッチングすることを含んでいる方法が一般に用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エッチングを伴う方法は厚みとともにサイドエッチの量が増え、強度と厚みを必要とする部品の場合には精度に限界があるか、又はその限界を克服しようとすると少なくともある程度複雑な工程が必要となる。
【0005】
また、既に存在する金属プレートにエッチングでパターンを描く場合には、金属プレートの周囲までエッチングで除くわけではなく金属プレートの中心部の微細なパターンの部分のみエッチングするのであるから、所望の画像の原版を当てて露光することによりレジストを選択的に残す工程に於いて、画像の極めて精確な位置合わせが要求される。特に回転用に既に中心に大穴を有する円盤に放射状のスリットを設ける場合等には中心からのずれはあってはならない。
【0006】
本願発明者は、既存の金属プレートを用いるのではなく、電鋳法等でパターンを有する金属プレートを製作すれば、上記の課題の両方とも解決できることに着目し、種々研究を重ねた結果、レジストを所望のパターンに付けたベース材上で電鋳法等を用いて金属層を形成し、もっぱらベース材との接触面を光学的エンコーダー用の反射面等の精密部品の面として使用出来ることを発見し、本発明を完成させた。
【0007】
【課題を解決する手段】
即ち、本発明は主として以下の2つの構成により上記の課題を解決する。
1.ベース材の形成面上で所望のパターンにレジストを付ける段階と、該レジストの厚み即ち該形成面からの高さ以下の厚みの第一の金属の層を、該レジストで覆われていないベース材の表面に接して電鋳法又はその他の薄膜形成法により形成する段階と、該第一の金属の層と該レジストを覆うように、第二の金属の層を電鋳法又はその他の薄膜形成法により形成する段階と、該ベース材及び該レジストを、該第一の金属の層及び該第二の金属の層を含んでいる金属部品から剥離又は除去する段階とを含んでいる、該除去により露出する該第一の金属の層と該第二の金属の層のいずれか一方を反射面、他方を非反射面とするか、又は該第一の金属の層と該第二の金属の層とが異なる反射特性を有する反射面とする反射型光学式エンコーダー用部品の製造方法。この方法では、該ベース材を剥離又は除去する前に、該第二の金属層の表面に更に補強層を形成する段階を含むことができる。また例えば、該第一の金属をニッケル、該第二の金属を銅とし、金属の層の形成を電鋳法で行ない、該第二の金属の層の形成の為の銅メッキを、該レジストの頂面以下の位置にある該ニッケル表面から開始して、該レジストの頂面全部も覆って少なくとも銅が全面にわたりつながるまで成長させることにより製造出来る。そして該ニッケル層の表面を反射面とし、該銅層の露出面を黒化処理して非反射面としたり、該第一の金属をニッケルとし、該第二の金属の層を黒色ニッケルメッキ法により形成される金属の層とすることが出来る。
2.ベース材の形成面上で所望のパターンにレジストを付ける段階と、該レジストで覆われていないベース材の該形成面に接して電鋳法又はその他の薄膜形成法によりレジストの厚み以下の厚みの金属層を形成する段階と、該ベース材と該レジストとを除去する前に該金属層に接して補強部を設ける段階と、該金属層から該ベース材と該レジストとを剥離又は除去する段階とを含んでおり、該ベース材と該レジストとの除去により貫通部が形成されることがないことを特徴とする精密金属部品の製造方法。
いずれの方法においても、ベース材の形成面が鏡面を有し、ベース材の材質をステンレス製又は金属薄膜及び/又は剥離用コーティング膜を有することもあるガラス製とすることが出来る。
【0008】
【実施例】
以下図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の精密金属部品の製造方法の製造の各段階を部品の断面で示した工程図を示す。
段階1でベース材1上にレジスト2が所望のパターンで付けられる。レジスト2を選択的に付ける方法は周知である。
【0009】
ベース材の材質は、形成面として鏡面を有するステンレス製であるか又は金属薄膜を有するガラス製であればその上に電気メッキを行うことが出来る。ベース材が導電性であれば金属層3を電気メッキで形成するのに都合がよい。
【0010】
段階2で第一の金属の層3を例えば電鋳法(この場合にはベース材1は導電性である)で形成する。第一の金属の層3の厚みは、レジスト2の厚み以下にする。
【0011】
段階3及び4で第二の金属層4を例えば電鋳法で形成する。第一の金属の層3上にメッキされる第二の金属層4は、▲3▼、▲4▼で示されるようにレジスト2も覆って連続層を形成する。
【0012】
段階5で、第二の金属の層4の表面に補強層5を付けることが出来る。補強層5は金属であるのが好ましく、その場合電鋳法で形成出来るが、金属以外のものも考えられ得る。
【0013】
段階6でべース材1とレジスト2が剥離又は除去される。段階2で第一の金属の層3の厚みがレジスト2の厚み以下であったことによって、第一の金属の層3はレジストの存在していた位置には現われず、レジストの存在していた位置にはもっぱら第二の金属の層4が現われる。第一の金属の層3と第二の金属の層4とを、反射特性の異なるものとすることによって、又は第二の金属の層4の露出面を黒化処理面6とし非反射面とすることによって、第一の金属の層3の反射面と、第二の金属の層4又は黒化処理面6とが交互に並んだスリット板が得られる。
【0014】
図2は、本発明の精密金属部品の別の製造方法の製造の各段階を部品の断面で示した工程図を示す。この工程では、段階▲1▼と段階▲2▼は、図1の場合と同じであるが、図1の段階▲3▼、段階▲4▼に於ける第二の金属層4の形成が無く、金属層1は補強部14と密着させられる。補強部14は、精密部品の性能を維持するに十分な諸物性を有している、金属を含めた任意の剛性の材料でよい。
【0015】
図3は、ベース材を利用して、レジストを用いる電鋳法で金属板で出来た部品を製作する場合には、予め中心穴などを有する金属板からエッチングで製作する場合と比較して、中心穴や輪郭を含めてパターンを写真で決めることが出来るから、フィルム等の位置合わせの面倒を省くことが出来ることを説明する、部品製作工程の比較を示す。
【0016】
【効果】
精密な部分を形成する段階がエッチングで行われるものではないからサイドエッチの問題とは無縁であり、強度と厚みを必要とするものでも精密な部品を製造できる。
【0017】
部品全体を電鋳法で製造する場合には、部品の輪郭や中心に対する精密部分の相対的な位置あわせが、レジストを露光する際のマスクの精確な位置合わせによることなく、写真のフィルムなど、マスクの画像自体に輪郭と精密部分とを描くことにより実施出来るから、位置合わせの手間が省かれ、且つ精確なそのような相対的位置決めが可能である。
【0018】
従って、回転用の部品にあっては、中心穴に対し精密部分を精確に均一な半径方向距離に設けることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の精密金属部品の製造方法の製造の各段階を部品の断面で示した工程図を示す。
【図2】図2は、本発明の精密金属部品の別の製造方法の製造の各段階を部品の断面で示した工程図を示す。
【図3】図3は、ベース材を利用して、レジストを用いる電鋳法で金属板で出来た部品を製作する場合には、予め中心穴などを有する金属板からエッチングで製作する場合と比較して、中心穴や輪郭を含めてパターンを写真で決めることが出来るから、フィルム等の位置合わせの面倒を省くことが出来ることを説明する、部品製作工程の比較を示す説明図。
Claims (8)
- ベース材の形成面上で所望のパターンにレジストを付ける段階と、
該レジストの厚み即ち該形成面からの高さ以下の厚みの第一の金属の層を、該レジストで覆われていないベース材の表面に接して電鋳法又はその他の薄膜形成法により形成する段階と、
該第一の金属の層と該レジストを覆うように、第二の金属の層を電鋳法又はその他の薄膜形成法により形成する段階と、
該ベース材及び該レジストを、該第一の金属の層及び該第二の金属の層を含んでいる金属部品から剥離又は除去する段階と、
を含んでいる、該剥離又は除去により露出する該第一の金属の層と該第二の金属の層のいずれか一方を反射面、他方を非反射面とするか、又は該第一の金属の層と該第二の金属の層とが異なる反射特性を有する反射面とする反射型光学式エンコーダー用部品の製造方法。 - 該ベース材を剥離又は除去する前に、該第二の金属層の表面に更に補強層を形成する段階を含んでいる請求項1に記載の方法。
- 該第一の金属がニッケルであり、該第二の金属が銅であり、金属の層の形成が電鋳法で行われ、該第二の金属の層の形成の為の銅メッキを、該レジストの頂面以下の位置にある該ニッケル表面から開始して、該レジストの頂面全部も覆って少なくとも銅が全面にわたりつながるまで成長させる請求項1又は2に記載の方法。
- 該ニッケル層の表面が反射面をなし、該銅層の露出面が黒化処理されて非反射面をなす請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
- 該第一の金属がニッケルであり、該第二の金属の層が黒色ニッケルメッキ法により形成される金属の層である請求項1又は2に記載の方法。
- ベース材の形成面上で所望のパターンにレジストを付ける段階と、
該レジストで覆われていないベース材の該形成面に接して電鋳法又はその他の薄膜形成法によりレジストの厚み以下の厚みの金属層を形成する段階と、
該ベース材と該レジストとを除去する前に該金属層に接して補強部を設ける段階と、
該金属層から該ベース材と該レジストとを剥離又は除去する段階と
を含んでおり、該ベース材と該レジストとの剥離又は除去により貫通部が形成されることがないことを特徴とする精密金属部品の製造方法。 - 金属層の形成が電鋳法により行われる請求項6に記載の方法。
- 該ベース材が該形成面として鏡面を有し、該ベース材がステンレス製であるか又は金属薄膜及び/又は剥離用コーティング膜を有することもあるガラス製である請求項1〜8のいずれか一に記載の方法。
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JP2003006620A JP2004218002A (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | ベース材からの剥離面を利用した精密金属部品の製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008170286A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-24 | Mitsubishi Electric Corp | 光学式エンコーダ用スケールおよびその製造方法 |
JP2011089168A (ja) * | 2009-10-22 | 2011-05-06 | Seiko Instruments Inc | 電鋳体、その製造方法、及び時計部品 |
JP2011089169A (ja) * | 2009-10-22 | 2011-05-06 | Seiko Instruments Inc | 電鋳体とその製造方法 |
JP2016113688A (ja) * | 2014-12-17 | 2016-06-23 | キヤノン・コンポーネンツ株式会社 | めっき皮膜付樹脂製品及びその製造方法、並びにエンコーダ |
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2003
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