JP2003239094A - 微細電鋳用金型とその製造方法 - Google Patents

微細電鋳用金型とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で製造が容易であり、しかも複数
回の電鋳に使用可能で、なおかつ高い耐久性を有する新
規な微細電鋳用金型と、その高精度でかつ簡単な製造方
法とを提供する。 【解決手段】 微細電鋳用金型Mは、導電性基体1の表
面に、無機の絶縁材料からなり、製造する金属製品Pの
1/2未満でかつ10nm以上の厚みを有し、かつ上記
金属製品Pの平面形状に対応した開口21を有する絶縁
層2を形成することによって、上記開口21の部分で露
出した導電性基体1の表面11を、電鋳によって金属薄
膜を形成したのちはく離して金属製品を製造するための
電極部とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の微細な平面
形状を有する電極部の表面に選択的に、電鋳によって金
属薄膜を生成したのち、はく離することで、上記電極部
の平面形状に対応した微細な形状を有する金属製品を製
造するための微細電鋳用金型と、当該微細電鋳用金型の
製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電鋳法は、超精密加工ができる、基材と
一体化して金属製品化できる、精密な模写ができるなど
の利点があり、例えばプリント配線基板用銅箔、電気カ
ミソリの外刃、精密スクリーン、時計の文字盤、コンパ
クトディスクの金型など、様々な金属製品の製造に適用
されている。特に近年の、電子機器の小型化に伴う内部
部品の微小化に代表されるように、微細な、特にその寸
法がミクロンオーダーの電鋳加工に対する要求が高まっ
ている。
【0003】微細電鋳加工においては、電鋳により、基
材上に金属薄膜を形成して、上記のように基材と一体化
した金属製品を製造する場合と、形成した金属薄膜をは
く離して、独立した金属製品を得る場合とがある。現在
は、このうち前者が一般的であるが、今後、後者の金属
製品に対する需要が増加することが期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】後者の金属製品は、詳
しくは、所定の微細な平面形状を有する電極部と、その
周囲を囲む絶縁部とを備えた微細電鋳用金型を用意し、
この金型の電極部の表面に選択的に、電鋳によって金属
薄膜を生成させたのち、はく離することで製造すること
ができる。かかる方法に使用する微細電鋳用金型として
は、例えば金属板などの導電性基体の表面に、フォトリ
ソグラフ法などによって、製造する金属製品の形状に対
応した微細な平面形状を有する開口を多数、備えた絶縁
性のレジスト膜を形成して絶縁部とし、かつ開口を通し
て露出した導電性基体の表面を電極部としたものなどが
考えられる。
【0005】しかし上記金型においては、主に樹脂等の
有機物からなるレジスト膜が破損しやすい上、その厚み
が、電鋳によって形成する金属薄膜の厚みよりもかなり
大きいため、金型を1回の使いきりとして、金属薄膜を
はく離する際には、レジスト膜ごとはく離する必要があ
り、電鋳を1回、行うごとに金型を新たに作り直さなけ
ればならないという問題があった。そこで発明者は先
に、電鋳に繰り返し使用できるように、金属板からなる
導電性基体の表面に、製造する金属製品の平面形状に対
応した先端面を有する微小な金属製の突起を、導電性基
体と一体化した状態で多数、突出させて配置するととも
に、各突起間の凹部に樹脂を流し込むなどしてレジスト
膜よりも十分に厚い絶縁層を形成し、その表面を研磨し
て突起の先端面を露出させて電極部とした微細電鋳用金
型について検討した。
【0006】しかし上記金型を用いた場合は、金属薄膜
の、型からのはく離が容易でないという問題があった。
その原因は、型の表面と金属薄膜との間に、いわゆるア
ンカー(投錨)効果が生じることにあった。つまり上記
の金型では、金属と樹脂との、研磨時の摩耗されやすさ
の違いや、あるいは硬化性の樹脂の場合は硬化時の収縮
などによって、突起の先端面が絶縁層の表面よりも突出
した状態となる傾向がある。
【0007】また、両者の膨張収縮率の違いや、あるい
は上述した硬化性の樹脂の、硬化時の収縮などによっ
て、突起の側面と絶縁層との間に隙間を生じることもあ
る。そして電鋳時に、これらの突出や隙間によって露出
した突起の側面に、先端面から回りこむ形で金属薄膜が
成長し、この回り込んだ金属薄膜がアンカー効果を生じ
て、突起の先端面側の金属薄膜のはく離が容易でなくな
るのである。また、上記のように金属薄膜のはく離が容
易でないと、微小構造を有するがゆえに、金属製品は、
はく離時の応力によって変形したり破損したりしやすく
なり、その歩留まりが著しく低下するという問題も生じ
る。
【0008】また金属薄膜を、強い力で無理にはく離し
ようとすると、金型にも無理な力が加わることになるた
め、当該金型の劣化も早くなる。特に絶縁層は、たとえ
エポキシ樹脂等の硬化性の樹脂にて形成したとしても、
金属製の突起に比べて、金属薄膜をはく離する際の応力
などによって摩耗しやすく、摩耗が進行すると突起の側
面がさらに大きく露出することになるため、前述したア
ンカー効果が増大して金属薄膜のはく離がさらに困難に
なる傾向がある。のみならず、突起の側面に回りこんだ
金属薄膜が大きくなりすぎて、正しい形状を有する金属
製品が得られなくなるという問題も生じる。
【0009】また絶縁層が、上記応力などによって、広
い面積にわたって導電性基体からはく離してしまって、
金型が全く使えなくなるという問題を生じるおそれもあ
る。また、金属製品の生産性を向上するためには、1個
の金型を用いて、1回の電鋳で製造できる金属製品の数
をできるだけ多くするのが好ましい。そのために上記の
金型では、突起の数をできるだけ多くすることが求めら
れるが、絶縁層の厚みを十分に確保するためには突起の
アスペクト比、すなわち突起の径に対する高さの比を1
よりも大幅に高くする必要があり、かかるアスペクト比
の高い突起を多数、高密度で、一定面積の導電性基体の
表面に形成することは、現在の精密加工技術をもってし
ても決して容易でない。
【0010】このため上記の金型では、金属製品の生産
性の向上に限界がある。本発明の目的は、従来の、レジ
スト膜を用いて絶縁部を形成した金型と同程度に構造が
簡単で製造が容易であり、しかもそれゆえに、金属製品
の生産性を向上すべく、電極部のより一層、高密度な配
置が可能である上、複数回の電鋳に使用可能であり、な
おかつ金属製の突起と絶縁層とを組み合わせた金型より
も金属薄膜のはく離が容易であるとともに、当該金型と
同程度またはそれ以上の耐久性を有する新規な微細電鋳
用金型を提供することにある。
【0011】また本発明の他の目的は、かかる微細電鋳
用金型をより高精度に、しかもより簡単に製造するため
の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1記載の発明は、製造する金属製品の形状に対応した微
細な平面形状を有する電極部と、その周囲を囲む絶縁部
とを備え、上記電極部の表面に選択的に、電鋳によって
金属薄膜を生成させたのちはく離して金属製品を製造す
るための微細電鋳用金型であって、導電性基体の表面
に、無機の絶縁材料からなり、上記金属製品の形状に対
応した平面形状を有する開口を備えた、当該金属製品の
厚みの1/2未満で、かつ10nm以上の厚みを有する
絶縁層を形成して絶縁部とし、かつ絶縁層の開口を通し
て露出した導電性基体の表面を電極部としたことを特徴
とする微細電鋳用金型である。
【0013】上記請求項1の構成では、金型は、無機の
絶縁材料からなる絶縁層にて絶縁部を形成したこと以外
は、従来の、レジスト膜を用いて絶縁部を形成した金型
とほぼ同じ構造を有しており、構造が簡単で製造が容易
である。特に絶縁層は、例えばフォトリソグラフ法など
によって、導電性基体の表面に、金属製品の形状に対応
した平面形状にパターン化したレジスト膜を形成し、次
いで気相成長法によって、導電性基体の表面全面に、絶
縁層のもとになる無機薄膜を形成したのち、レジスト膜
とその上の無機薄膜とを除去して開口を形成することな
どによって製造できる。
【0014】これらの加工技術によれば、たとえば電子
機器などの分野で既に確立された技術レベルの範囲で、
高精度化ならびに高精密化が可能である。したがって請
求項1の構成によれば、前述した金属製の突起を有する
金型に比べて、電極部のより一層、高密度な配置が可能
であり、これまでよりも金属製品の生産性を向上するこ
とができる。また絶縁層は、無機の絶縁材料からなり、
なおかつその厚みが10nm以上に規定されるため、従
来の、レジスト膜からなる絶縁層に比べて高硬度でかつ
高強度であり、金属薄膜をはく離する際の応力などによ
って簡単に破損しない耐久性を有している。
【0015】しかも絶縁層の厚みは、製造する金属製品
の厚みの1/2未満に規定され、電鋳後は、絶縁層より
も金属薄膜が突出した状態となるため、絶縁層をはく離
することなく、金属薄膜のみをはく離することができ
る。しかも金属薄膜のはく離に際しては、絶縁層の開口
周縁部の段差面で強いアンカー効果を生じることなし
に、より小さい応力ではく離することもできる。したが
って請求項1の構成によれば、金型を、複数回の電鋳に
使用することが可能となる。またはく離時の応力によっ
て金属製品が変形したり破損したりすることを防止し
て、従来の、金属製の突起を有する金型よりも金属製品
の歩留まりを向上することもできる。しかも、はく離時
に絶縁層が破損することを防止して、金型を、上記従来
の金型と同程度またはそれ以上の耐久性を有するものと
することもできる。
【0016】絶縁層としては、薄膜化が可能な種々の無
機材料からなり、しかも絶縁性である薄膜が、何れも採
用可能であるが、より高強度でかつ高硬度の絶縁層を形
成することを考慮すると、少なくともその表面を、ダイ
ヤモンドに類似したカーボン薄膜、いわゆるダイヤモン
ドライクカーボン薄膜(以下「DLC薄膜」とする)の
うち、絶縁性を有するものにて形成するのが好ましい。
すなわち請求項2記載の発明は、絶縁層の少なくとも表
面を、絶縁性のDLC薄膜にて形成した請求項1記載の
微細電鋳用金型である。
【0017】絶縁層は、その全体を、上述した絶縁性の
DLC薄膜によって形成してもよいが、当該DLC薄膜
の、金属板等の導電性基体に対する密着性を向上して、
絶縁層の耐久性をさらに向上するためには、この両者の
間に、ケイ素(Si)または炭化ケイ素(SiC)の薄
膜からなる中間層を介挿するのが好ましい。上記ケイ素
または炭化ケイ素の薄膜は、例えばステンレス鋼などの
金属との密着性に優れる上、その上に積層する絶縁性の
DLC薄膜との界面においてSiCを形成して、当該D
LC薄膜の密着性を向上する効果を有している。
【0018】したがって請求項3記載の発明は、絶縁層
を、絶縁性のDLC薄膜からなる表層と、当該表層と導
電性基体との間に介挿した、ケイ素または炭化ケイ素の
薄膜からなる中間層の2層構造とした請求項2記載の微
細電鋳用金型である。絶縁層の耐久性を左右する別の要
因に、下地である導電性基体の、電鋳に対する耐食性が
あげられる。すなわち導電性基体が電鋳時に腐食する
と、その上の絶縁層がはく離して失われたり、あるいは
浮き上がって、金属薄膜をはく離する際の応力などによ
って破損しやすくなったりする。また、電極部の表面が
腐食によって荒らされると、その上にきれいな金属薄膜
を形成できなかったり、あるいは形成された金属薄膜を
電極部からはく離できなくなったりするおそれもある。
したがって導電性基体は、導電性を有し、しかも耐食性
にも優れた材料にて形成するのが好ましく、特にSUS
316系のステンレス鋼にて形成するのが好ましい。
【0019】すなわち請求項4記載の発明は、導電性基
体を、SUS316系のステンレス鋼にて形成した請求
項1記載の微細電鋳用金型である。また、上記SUS3
16系のステンレス鋼からなる導電性基体の耐食性をさ
らに向上するためには、当該導電性基体の表面に、耐食
性を有し、なおかつ導電性である層を積層して、導電性
基体を保護するのが好ましい。したがって請求項5記載
の発明は、導電性基体の表面に、耐食性導電層を積層し
た請求項4記載の微細電鋳用金型である。
【0020】上記耐食性導電層の具体例としては、薄膜
化が可能な種々の無機材料からなり、耐食性で、しかも
導電性である薄膜が、何れも採用可能であるが、より高
強度でかつ高硬度の耐食性導電層を形成することを考慮
するとチタン薄膜が好ましい。したがって請求項6記載
の発明は、耐食性導電層を、チタン薄膜にて形成した請
求項5記載の微細電鋳用金型である。
【0021】また導電性基体の全体を、導電性を有する
とともに、上記耐食性導電層と同程度の耐食性を有する
チタン、またはニッケル系耐食合金にて形成してもよ
い。すなわち請求項7記載の発明は、導電性基体を、チ
タンまたはニッケル系耐食合金にて形成した請求項1記
載の微細電鋳用金型である。また請求項8記載の発明
は、上記請求項1〜7のいずれかに記載の微細電鋳用金
型を製造する方法であって、導電性基体の表面に、製造
する金属製品の形状に対応した平面形状にパターン化し
たレジスト膜を形成する工程と、気相成長法によって、
導電性基体の表面全面に、絶縁層のもとになる無機薄膜
を形成する工程と、レジスト膜とその上の無機薄膜とを
除去して、金属製品の形状に対応した平面形状を有する
開口を形成する工程と、を含むことを特徴とする微細電
鋳用金型の製造方法である。
【0022】請求項8の構成によれば、先に述べたよう
にレジスト膜をフォトリソグラフ法などによって形成す
ることで、従来の、レジスト膜を用いて絶縁部を形成し
た金型と同程度の、電子機器などの分野で既に確立され
た技術レベルの範囲での、高精度化ならびに高精密化が
可能である。しかも上記の製造方法によれば、フォトリ
ソグラフ法などによる高精度の位置合わせを要する工程
は、パターン化したレジスト膜を形成する際の1回のみ
であるため、上述した高精度の金型を、より簡単に製造
することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。 (微細電鋳用金型)図1(a)は、本発明の微細電鋳用金
型Mの、実施の形態の一例を拡大して示す一部切り欠き
斜視図、同図(b)は拡大断面図である。図の例の微細電
鋳用金型Mは、金属製品として、その平面形状が円形で
ある平板状、すなわち円板状の金属粉末Pを製造するた
めのものであって、導電性基体1の表面に、無機の絶縁
材料からなり、上記金属粉末Pの平面形状に対応した円
形の、多数の開口21を備えた絶縁層2を形成して絶縁
部とし、かつ絶縁層2の開口21を通して露出した導電
性基体1の表面11を電極部としたものである。
【0024】上記のうち導電性基体1は、その少なくと
も表面が導電性を有していればよいが、構造を簡略化す
るためには全体を金属板などによって一体形成するのが
好ましく、特に耐食性などを考慮すると、前記のように
SUS316系のステンレス鋼製の板材などによって形
成するのが好ましい。またSUS316系のステンレス
鋼としては、特に耐食性にすぐれたSUS316Lが最
も好ましい。また導電性基体1は、前記のようにその全
体を、チタンや、あるいはハステロイ(Ni−Cr−M
o合金)などのニッケル系耐食合金などで形成すること
もでき、その場合には耐食性をさらに向上することがで
きる。
【0025】絶縁層2としては、先に述べたように、薄
膜化が可能な種々の無機材料からなり、しかも絶縁性で
ある薄膜が、何れも採用可能である。かかる薄膜として
は、例えば酸化ケイ素(SiO2)薄膜、酸化アルミニ
ウム(Al23)薄膜、絶縁性のDLC薄膜などがあげ
られ、特に前述したように高硬度でかつ高強度の絶縁層
2を形成することを考慮すると、絶縁性のDLC薄膜が
好ましい。絶縁性のDLC薄膜の硬さは、金属薄膜をは
く離する際の応力などによって簡単に摩耗したり損傷し
たりしない硬度と強度とを絶縁層2に付与することを考
慮すると、ビッカース硬度Hvで表して1000以上で
あるのが好ましい。また上記絶縁性のDLC薄膜の比抵
抗は、金型Mの表面の、電極部以外の領域を十分に絶縁
することを考慮すると、1011Ω・cm以上であるのが
好ましい。
【0026】かかる絶縁性のDLC薄膜は、例えばイオ
ンプレーティング法、スパッタリング法、プラズマCV
D法などによって形成することができ、特にプラズマC
VD法が好ましい。プラズマCVD法で形成するDLC
薄膜を絶縁性とするには、原料ガスとしてメタンガスな
どの単価水素ガスを使用すればよい。絶縁層2は、図の
例のように単層構造であってもよいが、例えば図2(a)
に示すように絶縁性のDLC薄膜からなる表層2aと、
当該表層2aと導電性基体1との間に介挿した、ケイ素
または炭化ケイ素の薄膜からなる中間層2bとの2層構
造とするのが好ましい。この理由は前述したとおりであ
る。なお、電鋳用のめっき液としてアルカリ浴を用いる
場合は、中間層2bを、上記の中でも耐アルカリ性に優
れた炭化ケイ素の薄膜にて形成するのが好ましい。
【0027】ケイ素の薄膜は、例えばイオンプレーティ
ング法、スパッタリング法、プラズマCVD法などによ
って形成することができる。また炭化ケイ素の薄膜は、
例えば反応性イオンプレーティング法、反応性スパッタ
リング法、プラズマCVD法などによって形成すること
ができる。絶縁層2の厚みT1は、製造する金属製品の
厚みT2の1/2未満で、かつ10nm以上である必要
がある。この理由は前述したとおりである。
【0028】すなわち絶縁層2の厚みT1が10nm未
満では、当該絶縁層2の硬度ならびに強度が低下し、金
属薄膜をはく離する際の応力などによって破損しやすく
なって、金型Mの耐久性が低下する。また絶縁層2の材
質によっては、十分な絶縁性を確保することができな
い。また逆に、絶縁層2の厚みT1が、製造する金属製
品の厚みT2の1/2以上では、当該絶縁層2の開口周
縁部の段差面で強いアンカー効果を生じ、金属薄膜のは
く離が容易でなくなって、より大きな応力ではく離する
必要が生じる。このため、はく離時の応力によって金属
製品が変形したり破損したりする場合が増加して、金属
製品の歩留まりが低下したり、あるいははく離時に絶縁
層2が破損しやすくなって、金型Mの耐久性が低下した
りする。
【0029】なお絶縁層2の厚みT1は、上記の範囲内
でも特に、製造する金属製品の厚みT2の1/3以下
で、かつ10nm以上あるのが好ましい。例えば後述す
る実施例のように、その厚みT2が1μmの金属粉末を
金属製品として製造する場合、絶縁層2の厚みT1は、
上記の規定に従えば、10nm以上、500nm未満で
ある必要があり、10nm〜333nmであるのが好ま
しいことになる。
【0030】このように絶縁層2の厚みT1の上限値
は、金属製品の厚みT2との関係によってのみ規定さ
れ、その具体的な数値範囲は特に限定されない。ただ
し、絶縁層2の厚みT1があまりに大きすぎる場合に
は、膜中の残留応力が大きくなって、絶縁層2が、電鋳
時や、あるいは電鋳後の金属薄膜の、はく離時の応力な
どによって導電性基体1からはく離しやすくなって、金
型Mの耐久性が低下するおそれがある。
【0031】したがって絶縁層2の厚みT1は、金属製
品の厚みにかかわらず、5μm以下であるのが好まし
く、1μm以下であるのがさらに好ましい。なお、以上
で説明した絶縁層2の厚みT1は、図1(a)(b)の例のよ
うに絶縁層2が単層構造である場合は、それ自体の厚み
である。また図2(a)の例のように、絶縁層2が表層2
aと中間層2bの2層構造である場合は、両層の合計の
厚みである。
【0032】2層構造の絶縁層2における、絶縁性のD
LC薄膜からなる表層2aの厚みt 2aと、ケイ素または
炭化ケイ素の薄膜からなる中間層2bの厚みt2bとは、
両者の比t2a/t2bで表して2/8〜8/2であるのが
好ましく、3/7〜7/3であるのがさらに好ましい。
この範囲より表層2aの厚みt2aが小さい場合には、当
該表層2aによる、絶縁層2を高強度化、高硬度化する
効果が不十分になり、また逆に、この範囲より中間層2
bの厚みt2bが小さい場合には、当該中間層2bによ
る、表層2aの、導電性基体1への密着性を向上する効
果が低下するため、このいずれの場合にも、絶縁層2の
耐久性が低下するおそれがある。
【0033】とくにステンレス鋼からなる導電性基体1
の表面には、さらに図2(b)に示すように耐食性導電層
3を形成してもよい。かかる構成では、耐食性導電層3
の、絶縁層2の開口21を通して露出した表面3aが電
極部とされる。耐食性導電層3としては、前述したよう
にチタン薄膜が好ましい。チタン薄膜は、例えばイオン
プレーティング法、スパッタリング法、プラズマCVD
法などによって形成することができ、中でもスパッタリ
ング法にて形成したチタン薄膜は耐食性に優れる上、ス
テンレス鋼との密着性にも優れ、高強度でかつ高硬度で
あるため特に好ましい。
【0034】チタン薄膜などの耐食性導電層3の厚みは
10nm〜10μmであるのが好ましく、50〜2μm
であるのがさらに好ましい。耐食性導電層3の厚みが1
0nm未満では、導電性基体1に耐食性を付与する効果
が十分に得られないおそれがある。また厚みが10μm
を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、膜
中の残留応力が大きくなって、耐食性導電層3が、電鋳
時や、あるいは電鋳後の金属薄膜のはく離時などの応力
によって導電性基体1からはく離しやすくなるため、金
型Mの耐久性が低下するおそれがある。
【0035】(微細電鋳用金型の製造方法)図3(a)〜
(e)はそれぞれ、上記本発明の微細電鋳用金型Mを、本
発明の製造方法によって製造する工程の一例を示す断面
図である。まず図3(a)に示すように、導電性基体1の
表面にフォトレジスト剤を塗布し、乾燥させてレジスト
膜R′を形成する。なお、導電性基体1の表面に耐食性
導電層を積層する場合は、この工程以前に、あらかじめ
その積層工程を行っておく。
【0036】次に図3(b)に示すように、レジスト膜
R′の上に、製造する金属製品の形状に対応した平面形
状がパターン形成されたマスクmを重ねた状態で、図中
実線の矢印で示すように露光した後、所定の現像液で現
像して、図3(c)に示すように、上記平面形状にパター
ン化されたレジスト膜Rを形成する。次に、図3(d)に
示すように、前述したイオンプレーティング法、スパッ
タリング法などの気相成長法によって、導電性基体1の
表面全面に、絶縁層2のもとになる無機薄膜2′、2″
を形成する。なお絶縁層2が、前記のように2層構造で
ある場合は、この図3(d)の成膜工程を、それぞれの層
について繰り返し行う。
【0037】そして、レジスト膜Rとその上の無機薄膜
2″とを除去すると、図3(e)に示すように、金属製品
の形状に対応した平面形状を有する開口21を備えた絶
縁層2が形成され、微細電鋳用金型Mが製造される。
【0038】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 図3(a)〜(e)に示す手順で、縦200mm×横300m
mのステンレス(SUS316L)製鋼板(導電性基
体)1の片面に、まずフォトリソグラフ法によって、円
板状の金属粉末(ニッケル粉末)Pの平面形状に対応し
た直径30μmのレジスト膜Rが多数、分布したレジス
トパターンを形成した。レジスト膜Rの厚みは20μm
であった。
【0039】次に上記鋼板1の、レジストパターンを形
成した側の表面全面に、スパッタリング法によって、絶
縁層2のもとになる厚み0.2μmの酸化ケイ素(Si
2)薄膜(無機薄膜)2′、2″を形成した。次に、
上記鋼板1を5%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して
レジスト膜Rを溶解することで、その上の酸化ケイ素薄
膜2″とともに除去したのち水洗して乾燥させた。
【0040】そしてそれにより、レジスト膜Rを除去し
た跡に、金属粉末Pの形状に対応した円形の、直径30
μmの開口21を多数、有する、厚みT1が0.2μm
の絶縁層2を形成して絶縁部とし、かつ絶縁層2の開口
21を通して露出した鋼板1の表面11を電極部として
微細電鋳用金型Mを製造した。この絶縁層2の厚みT 1
は、後述する金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T
2=1μm)の1/5であった。
【0041】次に、上記金型Mと、下記組成のニッケル
めっき液(pH=3)とを使用して、エアバブリング
中、液温60℃の条件でニッケルの電鋳を行った。 (成 分) (濃 度) 硫酸ニッケル6水和物 200g/リットル 塩化ニッケル6水和物 40g/リットル ホウ酸 30g/リットル サッカリン 4g/リットル 電鋳は、金型Mを陰極とし、かつ陽極にニッケル板を使
用して、直流10A/dm2で30秒間の通電を行うこ
とによって実施し、それによって金型Mの電極部に選択
的に、ニッケル薄膜を成長させた。
【0042】そして電鋳後の金型Mにポリプロピレン製
の不織布を押し付けてこすることによって、電極部上に
形成されたニッケル薄膜をはく離してニッケル粉末を製
造した。得られたニッケル粉末を、走査型電子顕微鏡を
用いて観察したところ、いずれの粉末も欠陥や変形のな
い、直径30μm、厚み1μmの円板状粉末であること
が確認された。また金型Mの表面への、ニッケル薄膜の
残留も全く見られなかった。
【0043】そこで次に、同じ金型Mを用いて、上記と
同様の電鋳およびはく離操作を繰り返し行ったところ、
9回目までは、金属製品であるニッケル粉末の形状に変
化は見られない上、金型Mの表面へのニッケル薄膜の残
留も全く見られず、しかも金型Mの損傷も確認されなか
った。しかし10回目のはく離操作の際に、絶縁層2に
はく離と割れが発生しているのが発見され、11回目の
電鋳時には、このはく離と割れが発生した部分で、ニッ
ケル粉末の形状に異常が確認されたため操作を終了し
た。
【0044】実施例2 絶縁層2を、プラズマCVD法による、厚みT1が0.
2μm〔金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2
1μm)の1/5〕の絶縁性のDLC薄膜(ビッカース
硬度Hv:1100、比抵抗:1012Ω・cm)にて形
成したこと以外は実施例1と同様にして、微細電鋳用金
型Mを製造した。そしてこの金型Mを使用したこと以外
は実施例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を繰り
返し行ったところ、19回目までは、金属製品であるニ
ッケル粉末の形状に変化は見られない上、金型Mの表面
へのニッケル薄膜の残留も全く見られず、しかも金型M
の損傷も確認されなかった。しかし20回目のはく離操
作の際に、絶縁層2にはく離と割れが発生しているのが
発見され、21回目の電鋳時には、このはく離と割れが
発生した部分で、ニッケル粉末の形状に異常が確認され
たため操作を終了した。
【0045】実施例3 絶縁層2を、スパッタリング法による、ケイ素の薄膜か
らなる中間層2bと、プラズマCVD法による、絶縁性
のDLC薄膜(ビッカース硬度Hv:1100、比抵
抗:1012Ω・cm)からなる表層2aの、両層の合計
の厚みが0.2μm〔金属製品としてのニッケル粉末の
厚み(T2=1μm)の1/5〕の2層構造としたこと
以外は実施例1と同様にして、微細電鋳用金型Mを製造
した。
【0046】なお表層2aの厚みt2aと、中間層2bの
厚みt2bとの比t2a/t2bは1/3とした。そしてこの
金型Mを使用したこと以外は実施例1と同様にして、電
鋳およびはく離操作を繰り返し行ったところ、49回目
までは、金属製品であるニッケル粉末の形状に変化は見
られない上、金型Mの表面へのニッケル薄膜の残留も全
く見られず、しかも金型Mの損傷も確認されなかった。
しかし50回目のはく離操作の際に、絶縁層2にはく離
と割れが発生しているのが発見され、51回目の電鋳時
には、このはく離と割れが発生した部分で、ニッケル粉
末の形状に異常が確認されたため操作を終了した。
【0047】実施例4 導電性基体1としての、縦300mm×横200mmの
ステンレス(SUS316L)製鋼板の片面に、スパッ
タリング法によって、チタンの薄膜からなる耐食性導電
層3を形成した。耐食性導電層3の厚みは100nmと
した。次にこの耐食性導電層3の上に、実施例3と同様
にして、ケイ素の薄膜からなる中間層2bと、絶縁性の
DLC薄膜(ビッカース硬度Hv:1100、比抵抗:
1012Ω・cm)からなる表層2aの、2層構造を有す
る絶縁層2を形成して微細電鋳用金型Mを製造した。両
層の合計の厚みは0.2μm〔金属製品としてのニッケ
ル粉末の厚み(T2=1μm)の1/5〕、表層2aの
厚みt2aと、中間層2bの厚みt2bとの比t2a/t2b
1/3とした。
【0048】そしてこの金型Mを使用したこと以外は実
施例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を繰り返し
行ったところ、100回目まで、金属製品であるニッケ
ル粉末の形状に変化は見られない上、金型Mの表面への
ニッケル薄膜の残留も全く見られず、しかも金型Mの損
傷も確認されなかった。 実施例5 導電性基体1として、縦300mm×横200mmのチ
タン板を用いたこと以外は実施例4と同様にして、その
表面にケイ素の薄膜からなる中間層2bと、絶縁性のD
LC薄膜(ビッカース硬度Hv:1100、比抵抗:1
12Ω・cm)からなる表層2aの、2層構造を有する
絶縁層2を有する微細電鋳用金型Mを製造した。両層の
合計の厚みは0.2μm〔金属製品としてのニッケル粉
末の厚み(T2=1μm)の1/5〕、表層2aの厚み
2aと、中間層2bの厚みt2bとの比t2a/t2bは1/
3とした。
【0049】そしてこの金型Mを使用したこと以外は実
施例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を繰り返し
行ったところ、100回目まで、金属製品であるニッケ
ル粉末の形状に変化は見られない上、金型Mの表面への
ニッケル薄膜の残留も全く見られず、しかも金型Mの損
傷も確認されなかった。 実施例6 絶縁性のDLC薄膜からなる絶縁層2の厚みを0.35
μm〔金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2=1
μm)の1/2.9〕としたこと以外は実施例2と同様
にして、微細電鋳用金型Mを製造した。
【0050】そしてこの金型Mを使用したこと以外は実
施例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を行ったと
ころ、ニッケル薄膜の80%は、欠陥や変形等を生じる
ことなくはく離することができた。しかし残り20%は
全くはく離できなかったり、あるいははく離できたとし
ても欠陥や変形等が見られたりした。そしてこのことか
ら、絶縁層2の厚みは、金属製品の厚みの1/3以下で
あるのがさらに好ましいことが確認された。
【0051】比較例1 絶縁性のDLC薄膜からなる絶縁層2の厚みを0.5μ
m〔金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2=1μ
m)の1/2〕としたこと以外は実施例2と同様にし
て、微細電鋳用金型Mを製造した。そしてこの金型Mを
使用したこと以外は実施例1と同様にして、電鋳および
はく離操作を行ったところ、ニッケル薄膜を全くはく離
することができなかった。
【0052】比較例2 酸化ケイ素薄膜からなる絶縁層2の厚みを8nmとした
こと以外は実施例1と同様にして、微細電鋳用金型Mを
製造した。そしてこの金型Mを使用したこと以外は実施
例1と同様にして電鋳を行ったところ、絶縁層2の絶縁
が不十分であるためか、特に開口21の周囲などにもニ
ッケル薄膜がはみ出して成長しているのが確認された。
またはく離操作を行ったところ、上記のようにニッケル
薄膜がはみ出して成長していた個所などで、絶縁層2が
はく離しているのが確認された。またはく離された金属
製品は、上記のはみ出しによって変形しているのが見ら
れた。
【0053】比較例3 縦200mm×横300mmのステンレス(SUS31
6L)製鋼板の片面に、フォトリソグラフ法を用いたエ
ッチングを行って、直径30μm、高さ7μmの円柱状
の突起を多数、一体形成した基体を得た。次にこの基体
の、突起の間の凹部にエポキシ樹脂を流し込み、硬化さ
せて厚み7μmの絶縁層を形成したのち、その表面を、
番手2000番の研摩紙で研磨して突起の先端面を露出
させて電極部とすることで、微細電鋳用金型を製造し
た。
【0054】そしてこの金型Mを使用したこと以外は実
施例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を行ったと
ころ、ニッケル薄膜のはく離は困難であった。そこで金
属製のヘラを用いて、ニッケル薄膜を無理にはく離した
ところ、はく離されたニッケル粉末にはいずれも欠陥や
変形が見られた。またニッケル薄膜を無理にはく離した
あとの金型にも、絶縁層の削れや電極部表面の傷などが
見られた。なお、電鋳前の金型の表面を顕微鏡にて観察
したところ、突起の先端面が絶縁層の表面より2μm以
上も突出したところや、突起の側面と絶縁層との間に隙
間を生じたところなどが多数、確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は、本発明の微細電鋳用金型の、実施
の形態の一例を拡大して示す一部切り欠き斜視図、同図
(b)は、上記例の拡大断面図である。
【図2】同図(a)、(b)はそれぞれ、本発明の微細電鋳用
金型の変形例を示す拡大断面図である。
【図3】同図(a)〜(e)はそれぞれ、上記本発明の微細電
鋳用金型を、本発明の製造方法によって製造する工程の
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
M 微細電鋳用金型 1 導電性基体 11、3a 電極部 2 絶縁層(絶縁部) 21 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細江 晃久 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製造する金属製品の形状に対応した微細な
    平面形状を有する電極部と、その周囲を囲む絶縁部とを
    備え、上記電極部の表面に選択的に、電鋳によって金属
    薄膜を生成させたのちはく離して金属製品を製造するた
    めの微細電鋳用金型であって、導電性基体の表面に、無
    機の絶縁材料からなり、上記金属製品の形状に対応した
    平面形状を有する開口を備えた、当該金属製品の厚みの
    1/2未満で、かつ10nm以上の厚みを有する絶縁層
    を形成して絶縁部とし、かつ絶縁層の開口を通して露出
    した導電性基体の表面を電極部としたことを特徴とする
    微細電鋳用金型。
  2. 【請求項2】絶縁層の少なくとも表面を、絶縁性のダイ
    ヤモンドライクカーボン薄膜にて形成した請求項1記載
    の微細電鋳用金型。
  3. 【請求項3】絶縁層を、絶縁性のダイヤモンドライクカ
    ーボン薄膜からなる表層と、当該表層と導電性基体との
    間に介挿した、ケイ素または炭化ケイ素の薄膜からなる
    中間層の2層構造とした請求項2記載の微細電鋳用金
    型。
  4. 【請求項4】導電性基体を、SUS316系のステンレ
    ス鋼にて形成した請求項1記載の微細電鋳用金型。
  5. 【請求項5】導電性基体の表面に、耐食性導電層を積層
    した請求項4記載の微細電鋳用金型。
  6. 【請求項6】耐食性導電層を、チタン薄膜にて形成した
    請求項5記載の微細電鋳用金型。
  7. 【請求項7】導電性基体を、チタンまたはニッケル系耐
    食合金にて形成した請求項1記載の微細電鋳用金型。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の微細電鋳
    用金型を製造する方法であって、 導電性基体の表面に、製造する金属製品の形状に対応し
    た平面形状にパターン化したレジスト膜を形成する工程
    と、 気相成長法によって、導電性基体の表面全面に、絶縁層
    のもとになる無機薄膜を形成する工程と、 レジスト膜とその上の無機薄膜とを除去して、金属製品
    の形状に対応した平面形状を有する開口を形成する工程
    と、を含むことを特徴とする微細電鋳用金型の製造方
    法。
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