JP3714262B2 - 微細電鋳用金型とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の微細な平面形状を有する電極部の表面に選択的に、電鋳によって金属薄膜を生成したのち、はく離することで、上記電極部の平面形状に対応した微細な形状を有する金属製品を製造するための微細電鋳用金型と、当該微細電鋳用金型の製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電鋳法は、超精密加工ができる、基材と一体化して金属製品化できる、精密な模写ができるなどの利点があり、例えばプリント配線基板用銅箔、電気カミソリの外刃、精密スクリーン、時計の文字盤、コンパクトディスクの金型など、様々な金属製品の製造に適用されている。
特に近年の、電子機器の小型化に伴う内部部品の微小化に代表されるように、微細な、特にその寸法がミクロンオーダーの電鋳加工に対する要求が高まっている。
【0003】
微細電鋳加工においては、電鋳により、基材上に金属薄膜を形成して、上記のように基材と一体化した金属製品を製造する場合と、形成した金属薄膜をはく離して、独立した金属製品を得る場合とがある。
現在は、このうち前者が一般的であるが、今後、後者の金属製品に対する需要が増加することが期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
後者の金属製品は、詳しくは、所定の微細な平面形状を有する電極部と、その周囲を囲む絶縁部とを備えた微細電鋳用金型を用意し、この金型の電極部の表面に選択的に、電鋳によって金属薄膜を生成させたのち、はく離することで製造することができる。
かかる方法に使用する微細電鋳用金型としては、例えば金属板などの導電性基体の表面に、フォトリソグラフ法などによって、製造する金属製品の形状に対応した微細な平面形状を有する開口を多数、備えた絶縁性のレジスト膜を形成して絶縁部とし、かつ開口を通して露出した導電性基体の表面を電極部としたものなどが考えられる。
【0005】
しかし上記金型においては、主に樹脂等の有機物からなるレジスト膜が破損しやすい上、その厚みが、電鋳によって形成する金属薄膜の厚みよりもかなり大きいため、金型を1回の使いきりとして、金属薄膜をはく離する際には、レジスト膜ごとはく離する必要があり、電鋳を1回、行うごとに金型を新たに作り直さなければならないという問題があった。
そこで発明者は先に、電鋳に繰り返し使用できるように、金属板からなる導電性基体の表面に、製造する金属製品の平面形状に対応した先端面を有する微小な金属製の突起を、導電性基体と一体化した状態で多数、突出させて配置するとともに、各突起間の凹部に樹脂を流し込むなどしてレジスト膜よりも十分に厚い絶縁層を形成し、その表面を研磨して突起の先端面を露出させて電極部とした微細電鋳用金型について検討した。
【0006】
しかし上記金型を用いた場合は、金属薄膜の、型からのはく離が容易でないという問題があった。その原因は、型の表面と金属薄膜との間に、いわゆるアンカー(投錨)効果が生じることにあった。
つまり上記の金型では、金属と樹脂との、研磨時の摩耗されやすさの違いや、あるいは硬化性の樹脂の場合は硬化時の収縮などによって、突起の先端面が絶縁層の表面よりも突出した状態となる傾向がある。
【0007】
また、両者の膨張収縮率の違いや、あるいは上述した硬化性の樹脂の、硬化時の収縮などによって、突起の側面と絶縁層との間に隙間を生じることもある。
そして電鋳時に、これらの突出や隙間によって露出した突起の側面に、先端面から回りこむ形で金属薄膜が成長し、この回り込んだ金属薄膜がアンカー効果を生じて、突起の先端面側の金属薄膜のはく離が容易でなくなるのである。
また、上記のように金属薄膜のはく離が容易でないと、微小構造を有するがゆえに、金属製品は、はく離時の応力によって変形したり破損したりしやすくなり、その歩留まりが著しく低下するという問題も生じる。
【0008】
また金属薄膜を、強い力で無理にはく離しようとすると、金型にも無理な力が加わることになるため、当該金型の劣化も早くなる。
特に絶縁層は、たとえエポキシ樹脂等の硬化性の樹脂にて形成したとしても、金属製の突起に比べて、金属薄膜をはく離する際の応力などによって摩耗しやすく、摩耗が進行すると突起の側面がさらに大きく露出することになるため、前述したアンカー効果が増大して金属薄膜のはく離がさらに困難になる傾向がある。のみならず、突起の側面に回りこんだ金属薄膜が大きくなりすぎて、正しい形状を有する金属製品が得られなくなるという問題も生じる。
【0009】
また絶縁層が、上記応力などによって、広い面積にわたって導電性基体からはく離してしまって、金型が全く使えなくなるという問題を生じるおそれもある。
また、金属製品の生産性を向上するためには、1個の金型を用いて、1回の電鋳で製造できる金属製品の数をできるだけ多くするのが好ましい。
そのために上記の金型では、突起の数をできるだけ多くすることが求められるが、絶縁層の厚みを十分に確保するためには突起のアスペクト比、すなわち突起の径に対する高さの比を1よりも大幅に高くする必要があり、かかるアスペクト比の高い突起を多数、高密度で、一定面積の導電性基体の表面に形成することは、現在の精密加工技術をもってしても決して容易でない。
【0010】
このため上記の金型では、金属製品の生産性の向上に限界がある。
本発明の目的は、従来の、レジスト膜を用いて絶縁部を形成した金型と同程度に構造が簡単で製造が容易であり、しかもそれゆえに、金属製品の生産性を向上すべく、電極部のより一層、高密度な配置が可能である上、複数回の電鋳に使用可能であり、なおかつ金属製の突起と絶縁層とを組み合わせた金型よりも金属薄膜のはく離が容易であるとともに、当該金型と同程度またはそれ以上の耐久性を有する新規な微細電鋳用金型を提供することにある。
【0011】
また本発明の他の目的は、かかる微細電鋳用金型をより高精度に、しかもより簡単に製造するための製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、製造する金属製品の形状に対応した微細な平面形状を有する電極部と、その周囲を囲む絶縁部とを備え、上記電極部の表面に選択的に、電鋳によって金属薄膜を生成させたのちはく離して金属製品を製造するための微細電鋳用金型であって、導電性基体を、チタンまたはニッケル系耐食合金にて形成し、当該導電性基体の表面に、無機の絶縁材料からなり、上記金属製品の形状に対応した平面形状を有する開口を備えた、当該金属製品の厚みの1/2未満で、かつ10nm以上の厚みを有する絶縁層を形成して絶縁部とし、かつ絶縁層の開口を通して露出した導電性基体の表面を電極部としたことを特徴とする微細電鋳用金型である。
また、請求項4記載の発明は、製造する金属製品の形状に対応した微細な平面形状を有する電極部と、その周囲を囲む絶縁部とを備え、上記電極部の表面に選択的に、電鋳によって金属薄膜を生成させたのちはく離して金属製品を製造するための微細電鋳用金型であって、導電性基体の表面に、耐食性導電層を積層し、当該耐食性導電層の表面に、無機の絶縁材料からなり、上記金属製品の形状に対応した平面形状を有する開口を備えた、当該金属製品の厚みの1/2未満で、かつ10nm以上の厚みを有する絶縁層を形成して絶縁部とし、かつ絶縁層の開口を通して露出した耐食性導電層の表面を電極部としたことを特徴とする微細電鋳用金型である。
【0013】
上記請求項1、請求項4の構成では、金型は、無機の絶縁材料からなる絶縁層にて絶縁部を形成したこと以外は、従来の、レジスト膜を用いて絶縁部を形成した金型とほぼ同じ構造を有しており、構造が簡単で製造が容易である。
特に絶縁層は、例えばフォトリソグラフ法などによって、導電性基体の表面、または導電性基体の表面に形成した耐食性導電層の表面に、金属製品の形状に対応した平面形状にパターン化したレジスト膜を形成し、次いで気相成長法によって、全面に、絶縁層のもとになる無機薄膜を形成したのち、レジスト膜とその上の無機薄膜とを除去して開口を形成することなどによって製造できる。
【0014】
これらの加工技術によれば、たとえば電子機器などの分野で既に確立された技術レベルの範囲で、高精度化ならびに高精密化が可能である。
したがって請求項1、請求項4の構成によれば、前述した金属製の突起を有する金型に比べて、電極部のより一層、高密度な配置が可能であり、これまでよりも金属製品の生産性を向上することができる。
また絶縁層は、無機の絶縁材料からなり、なおかつその厚みが10nm以上に規定されるため、従来の、レジスト膜からなる絶縁層に比べて高硬度でかつ高強度であり、金属薄膜をはく離する際の応力などによって簡単に破損しない耐久性を有している。
【0015】
しかも絶縁層の厚みは、製造する金属製品の厚みの1/2未満に規定され、電鋳後は、絶縁層よりも金属薄膜が突出した状態となるため、絶縁層をはく離することなく、金属薄膜のみをはく離することができる。しかも金属薄膜のはく離に際しては、絶縁層の開口周縁部の段差面で強いアンカー効果を生じることなしに、より小さい応力ではく離することもできる。
また、導電性基体は、その全体が、チタンまたはニッケル系耐食合金にて形成される(請求項1)か、もしくは表面に耐食性導電層を積層した積層構造(請求項4)に形成され、耐食性に優れている。そのため、導電性基体が電鋳時に腐食して、その上の絶縁層がはく離して失われたり、あるいは浮き上がって、金属薄膜をはく離する際の応力などによって破損したりするのを防止することもできる。また、電極部の表面が腐食によって荒らされることもないため、その上にきれいな金属薄膜を形成することができるとともに、形成された金属薄膜を電極部からスムースにはく離することもできる。
したがって請求項1、請求項4の構成によれば、金型を、複数回の電鋳に使用することが可能となる。またはく離時の応力によって金属製品が変形したり破損したりすることを防止して、従来の、金属製の突起を有する金型よりも金属製品の歩留まりを向上することもできる。しかも、はく離時に絶縁層が破損することを防止して、金型を、上記従来の金型と同程度またはそれ以上の耐久性を有するものとすることもできる。
【0016】
絶縁層としては、薄膜化が可能な種々の無機材料からなり、しかも絶縁性である薄膜が、何れも採用可能であるが、より高強度でかつ高硬度の絶縁層を形成することを考慮すると、少なくともその表面を、ダイヤモンドに類似したカーボン薄膜、いわゆるダイヤモンドライクカーボン薄膜(以下「DLC薄膜」とする)のうち、絶縁性を有するものにて形成するのが好ましい。
すなわち請求項2記載の発明は、絶縁層の少なくとも表面を、絶縁性のDLC薄膜にて形成した請求項1記載の微細電鋳用金型である。
また、請求項5記載の発明は、絶縁層の少なくとも表面を、絶縁性のダイヤモンドライクカーボン薄膜にて形成した請求項4記載の微細電鋳用金型である。
【0017】
絶縁層は、その全体を、上述した絶縁性のDLC薄膜によって形成してもよいが、当該DLC薄膜の、金属板等の導電性基体に対する密着性を向上して、絶縁層の耐久性をさらに向上するためには、この両者の間に、ケイ素(Si)または炭化ケイ素(SiC)の薄膜からなる中間層を介挿するのが好ましい。
上記ケイ素または炭化ケイ素の薄膜は、例えばステンレス鋼などの金属との密着性に優れる上、その上に積層する絶縁性のDLC薄膜との界面においてSiCを形成して、当該DLC薄膜の密着性を向上する効果を有している。
【0018】
したがって請求項3記載の発明は、絶縁層を、絶縁性のDLC薄膜からなる表層と、当該表層と導電性基体との間に介挿した、ケイ素または炭化ケイ素の薄膜からなる中間層の2層構造とした請求項2記載の微細電鋳用金型である。
また、請求項6記載の発明は、絶縁層を、絶縁性のダイヤモンドライクカーボン薄膜からなる表層と、当該表層と耐食性導電層との間に介挿した、ケイ素または炭化ケイ素の薄膜からなる中間層の2層構造とした請求項5記載の微細電鋳用金型である。
導電性基体の表面に耐食性導電層を積層する請求項4記載の発明において、下地である導電性基体は、種々の導電性の材料によって形成することができるが、ある程度の耐食性を有しているのが好ましく、特にSUS316系のステンレス鋼にて形成するのが好ましい。
【0019】
すなわち請求項7記載の発明は、導電性基体を、SUS316系のステンレス鋼にて形成し、その表面に、耐食性導電層を積層した請求項4記載の微細電鋳用金型である。
【0020】
上記耐食性導電層の具体例としては、薄膜化が可能な種々の無機材料からなり、耐食性で、しかも導電性である薄膜が、何れも採用可能であるが、より高強度でかつ高硬度の耐食性導電層を形成することを考慮するとチタン薄膜が好ましい。
したがって請求項8記載の発明は、耐食性導電層を、チタン薄膜にて形成した請求項4記載の微細電鋳用金型である。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の微細電鋳用金型を製造する方法であって、
導電性基体の表面に、製造する金属製品の形状に対応した平面形状にパターン化したレジスト膜を形成する工程と、
気相成長法によって、導電性基体の表面全面に、絶縁層のもとになる無機薄膜を形成する工程と、
レジスト膜とその上の無機薄膜とを除去して、金属製品の形状に対応した平面形状を有する開口を形成する工程と、
を含むことを特徴とする微細電鋳用金型の製造方法である。
また、請求項10記載の発明は、請求項4〜8のいずれかに記載の微細電鋳用金型を製造する方法であって、
耐食性導電層の表面に、製造する金属製品の形状に対応した平面形状にパターン化したレジスト膜を形成する工程と、
気相成長法によって、耐食性導電層の表面全面に、絶縁層のもとになる無機薄膜を形成する工程と、
レジスト膜とその上の無機薄膜とを除去して、金属製品の形状に対応した平面形状を有する開口を形成する工程と、
を含むことを特徴とする微細電鋳用金型の製造方法である。
【0022】
請求項9、請求項10の構成によれば、先に述べたようにレジスト膜をフォトリソグラフ法などによって形成することで、従来の、レジスト膜を用いて絶縁部を形成した金型と同程度の、電子機器などの分野で既に確立された技術レベルの範囲での、高精度化ならびに高精密化が可能である。
しかも上記の製造方法によれば、フォトリソグラフ法などによる高精度の位置合わせを要する工程は、パターン化したレジスト膜を形成する際の1回のみであるため、上述した高精度の金型を、より簡単に製造することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。
(微細電鋳用金型)
図1(a)は、本発明の微細電鋳用金型Mの、実施の形態の一例を拡大して示す一部切り欠き斜視図、同図(b)は拡大断面図である。
図の例の微細電鋳用金型Mは、金属製品として、その平面形状が円形である平板状、すなわち円板状の金属粉末Pを製造するためのものであって、導電性基体1の表面に、無機の絶縁材料からなり、上記金属粉末Pの平面形状に対応した円形の、多数の開口21を備えた絶縁層2を形成して絶縁部とし、かつ絶縁層2の開口21を通して露出した導電性基体1の表面11を電極部としたものである。
【0024】
上記のうち導電性基体1は、良好な耐食性を付与するため、前記のようにその全体、チタンや、あるいはハステロイ(Ni−Cr−Mo合金)などのニッケル系耐食合金で形成される
【0025】
絶縁層2としては、先に述べたように、薄膜化が可能な種々の無機材料からなり、しかも絶縁性である薄膜が、何れも採用可能である。かかる薄膜としては、例えば酸化ケイ素(SiO2)薄膜、酸化アルミニウム(Al23)薄膜、絶縁性のDLC薄膜などがあげられ、特に前述したように高硬度でかつ高強度の絶縁層2を形成することを考慮すると、絶縁性のDLC薄膜が好ましい。
絶縁性のDLC薄膜の硬さは、金属薄膜をはく離する際の応力などによって簡単に摩耗したり損傷したりしない硬度と強度とを絶縁層2に付与することを考慮すると、ビッカース硬度Hvで表して1000以上であるのが好ましい。また上記絶縁性のDLC薄膜の比抵抗は、金型Mの表面の、電極部以外の領域を十分に絶縁することを考慮すると、1011Ω・cm以上であるのが好ましい。
【0026】
かかる絶縁性のDLC薄膜は、例えばイオンプレーティング法、スパッタリング法、プラズマCVD法などによって形成することができ、特にプラズマCVD法が好ましい。
プラズマCVD法で形成するDLC薄膜を絶縁性とするには、原料ガスとしてメタンガスなどの炭化水素ガスを使用すればよい。
絶縁層2は、図の例のように単層構造であってもよいが、例えば図2(a)に示すように絶縁性のDLC薄膜からなる表層2aと、当該表層2aと導電性基体1との間に介挿した、ケイ素または炭化ケイ素の薄膜からなる中間層2bとの2層構造とするのが好ましい。この理由は前述したとおりである。なお、電鋳用のめっき液としてアルカリ浴を用いる場合は、中間層2bを、上記の中でも耐アルカリ性に優れた炭化ケイ素の薄膜にて形成するのが好ましい。
【0027】
ケイ素の薄膜は、例えばイオンプレーティング法、スパッタリング法、プラズマCVD法などによって形成することができる。また炭化ケイ素の薄膜は、例えば反応性イオンプレーティング法、反応性スパッタリング法、プラズマCVD法などによって形成することができる。
絶縁層2の厚みT1は、製造する金属製品の厚みT2の1/2未満で、かつ10nm以上である必要がある。この理由は前述したとおりである。
【0028】
すなわち絶縁層2の厚みT1が10nm未満では、当該絶縁層2の硬度ならびに強度が低下し、金属薄膜をはく離する際の応力などによって破損しやすくなって、金型Mの耐久性が低下する。また絶縁層2の材質によっては、十分な絶縁性を確保することができない。
また逆に、絶縁層2の厚みT1が、製造する金属製品の厚みT2の1/2以上では、当該絶縁層2の開口周縁部の段差面で強いアンカー効果を生じ、金属薄膜のはく離が容易でなくなって、より大きな応力ではく離する必要が生じる。このため、はく離時の応力によって金属製品が変形したり破損したりする場合が増加して、金属製品の歩留まりが低下したり、あるいははく離時に絶縁層2が破損しやすくなって、金型Mの耐久性が低下したりする。
【0029】
なお絶縁層2の厚みT1は、上記の範囲内でも特に、製造する金属製品の厚みT2の1/3以下で、かつ10nm以上あるのが好ましい。
例えば後述する実施例のように、その厚みT2が1μmの金属粉末を金属製品として製造する場合、絶縁層2の厚みT1は、上記の規定に従えば、10nm以上、500nm未満である必要があり、10nm〜333nmであるのが好ましいことになる。
【0030】
このように絶縁層2の厚みT1の上限値は、金属製品の厚みT2との関係によってのみ規定され、その具体的な数値範囲は特に限定されない。ただし、絶縁層2の厚みT1があまりに大きすぎる場合には、膜中の残留応力が大きくなって、絶縁層2が、電鋳時や、あるいは電鋳後の金属薄膜の、はく離時の応力などによって導電性基体1からはく離しやすくなって、金型Mの耐久性が低下するおそれがある。
【0031】
したがって絶縁層2の厚みT1は、金属製品の厚みにかかわらず、5μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、以上で説明した絶縁層2の厚みT1は、図1(a)(b)の例のように絶縁層2が単層構造である場合は、それ自体の厚みである。また図2(a)の例のように、絶縁層2が表層2aと中間層2bの2層構造である場合は、両層の合計の厚みである。
【0032】
2層構造の絶縁層2における、絶縁性のDLC薄膜からなる表層2aの厚みt2aと、ケイ素または炭化ケイ素の薄膜からなる中間層2bの厚みt2bとは、両者の比t2a/t2bで表して2/8〜8/2であるのが好ましく、3/7〜7/3であるのがさらに好ましい。
この範囲より表層2aの厚みt2aが小さい場合には、当該表層2aによる、絶縁層2を高強度化、高硬度化する効果が不十分になり、また逆に、この範囲より中間層2bの厚みt2bが小さい場合には、当該中間層2bによる、表層2aの、導電性基体1への密着性を向上する効果が低下するため、このいずれの場合にも、絶縁層2の耐久性が低下するおそれがある。
【0033】
電性基体1は、図2(b)に示すように、その表面に、耐食性導電層3を有する積層構造に形成してもよい。この際、導電性基体1は、種々の導電性の材料によって形成することができるが、ある程度の耐食性を有しているのが好ましく、ステンレス鋼、特にSUS316系のステンレス鋼にて形成するのが好ましい。
かかる構成では、耐食性導電層3の、絶縁層2の開口21を通して露出した表面3aが電極部とされる。
耐食性導電層3としては、前述したようにチタン薄膜が好ましい。
チタン薄膜は、例えばイオンプレーティング法、スパッタリング法、プラズマCVD法などによって形成することができ、中でもスパッタリング法にて形成したチタン薄膜は耐食性に優れる上、ステンレス鋼との密着性にも優れ、高強度でかつ高硬度であるため特に好ましい。
【0034】
チタン薄膜などの耐食性導電層3の厚みは10nm〜10μmであるのが好ましく、50〜2μmであるのがさらに好ましい。
耐食性導電層3の厚みが10nm未満では、導電性基体1に耐食性を付与する効果が十分に得られないおそれがある。また厚みが10μmを超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、膜中の残留応力が大きくなって、耐食性導電層3が、電鋳時や、あるいは電鋳後の金属薄膜のはく離時などの応力によって導電性基体1からはく離しやすくなるため、金型Mの耐久性が低下するおそれがある。
【0035】
(微細電鋳用金型の製造方法)
図3(a)〜(e)はそれぞれ、上記本発明の微細電鋳用金型Mを、本発明の製造方法によって製造する工程の一例を示す断面図である。
まず図3(a)に示すように、導電性基体1の表面にフォトレジスト剤を塗布し、乾燥させてレジスト膜R′を形成する。
なお、導電性基体1の表面に耐食性導電層を積層する場合は、この工程以前に、あらかじめその積層工程を行っておく。
【0036】
次に図3(b)に示すように、レジスト膜R′の上に、製造する金属製品の形状に対応した平面形状がパターン形成されたマスクmを重ねた状態で、図中実線の矢印で示すように露光した後、所定の現像液で現像して、図3(c)に示すように、上記平面形状にパターン化されたレジスト膜Rを形成する。
次に、図3(d)に示すように、前述したイオンプレーティング法、スパッタリング法などの気相成長法によって、導電性基体1の表面全面に、絶縁層2のもとになる無機薄膜2′、2″を形成する。なお絶縁層2が、前記のように2層構造である場合は、この図3(d)の成膜工程を、それぞれの層について繰り返し行う。
【0037】
そして、レジスト膜Rとその上の無機薄膜2″とを除去すると、図3(e)に示すように、金属製品の形状に対応した平面形状を有する開口21を備えた絶縁層2が形成され、微細電鋳用金型Mが製造される。
【0038】
【実施例】
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
比較例1
図3(a)〜(e)に示す手順で、縦200mm×横300mmのステンレス(SUS316L)製鋼板(導電性基体)1の片面に、まずフォトリソグラフ法によって、円板状の金属粉末(ニッケル粉末)Pの平面形状に対応した直径30μmのレジスト膜Rが多数、分布したレジストパターンを形成した。レジスト膜Rの厚みは20μmであった。
【0039】
次に上記鋼板1の、レジストパターンを形成した側の表面全面に、スパッタリング法によって、絶縁層2のもとになる厚み0.2μmの酸化ケイ素(SiO2)薄膜(無機薄膜)2′、2″を形成した。
次に、上記鋼板1を5%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してレジスト膜Rを溶解することで、その上の酸化ケイ素薄膜2″とともに除去したのち水洗して乾燥させた。
【0040】
そしてそれにより、レジスト膜Rを除去した跡に、金属粉末Pの形状に対応した円形の、直径30μmの開口21を多数、有する、厚みT1が0.2μmの絶縁層2を形成して絶縁部とし、かつ絶縁層2の開口21を通して露出した鋼板1の表面11を電極部として微細電鋳用金型Mを製造した。この絶縁層2の厚みT1は、後述する金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2=1μm)の1/5であった。
【0041】
次に、上記金型Mと、下記組成のニッケルめっき液(pH=3)とを使用して、エアバブリング中、液温60℃の条件でニッケルの電鋳を行った。
(成 分) (濃 度)
硫酸ニッケル6水和物 200g/リットル
塩化ニッケル6水和物 40g/リットル
ホウ酸 30g/リットル
サッカリン 4g/リットル
電鋳は、金型Mを陰極とし、かつ陽極にニッケル板を使用して、直流10A/dm2で30秒間の通電を行うことによって実施し、それによって金型Mの電極部に選択的に、ニッケル薄膜を成長させた。
【0042】
そして電鋳後の金型Mにポリプロピレン製の不織布を押し付けてこすることによって、電極部上に形成されたニッケル薄膜をはく離してニッケル粉末を製造した。
得られたニッケル粉末を、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、いずれの粉末も欠陥や変形のない、直径30μm、厚み1μmの円板状粉末であることが確認された。また金型Mの表面への、ニッケル薄膜の残留も全く見られなかった。
【0043】
そこで次に、同じ金型Mを用いて、上記と同様の電鋳およびはく離操作を繰り返し行ったところ、9回目までは、金属製品であるニッケル粉末の形状に変化は見られない上、金型Mの表面へのニッケル薄膜の残留も全く見られず、しかも金型Mの損傷も確認されなかった。しかし10回目のはく離操作の際に、絶縁層2にはく離と割れが発生しているのが発見され、11回目の電鋳時には、このはく離と割れが発生した部分で、ニッケル粉末の形状に異常が確認されたため操作を終了した。
【0044】
比較例2
絶縁層2を、プラズマCVD法による、厚みT1が0.2μm〔金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2=1μm)の1/5〕の絶縁性のDLC薄膜(ビッカース硬度Hv:1100、比抵抗:1012Ω・cm)にて形成したこと以外は比較例1と同様にして、微細電鋳用金型Mを製造した。
そしてこの金型Mを使用したこと以外は比較例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を繰り返し行ったところ、19回目までは、金属製品であるニッケル粉末の形状に変化は見られない上、金型Mの表面へのニッケル薄膜の残留も全く見られず、しかも金型Mの損傷も確認されなかった。しかし20回目のはく離操作の際に、絶縁層2にはく離と割れが発生しているのが発見され、21回目の電鋳時には、このはく離と割れが発生した部分で、ニッケル粉末の形状に異常が確認されたため操作を終了した。
【0045】
比較例3
絶縁層2を、スパッタリング法による、ケイ素の薄膜からなる中間層2bと、プラズマCVD法による、絶縁性のDLC薄膜(ビッカース硬度Hv:1100、比抵抗:1012Ω・cm)からなる表層2aの、両層の合計の厚みが0.2μm〔金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2=1μm)の1/5〕の2層構造としたこと以外は比較例1と同様にして、微細電鋳用金型Mを製造した。
【0046】
なお表層2aの厚みt2aと、中間層2bの厚みt2bとの比t2a/t2bは1/3とした。
そしてこの金型Mを使用したこと以外は比較例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を繰り返し行ったところ、49回目までは、金属製品であるニッケル粉末の形状に変化は見られない上、金型Mの表面へのニッケル薄膜の残留も全く見られず、しかも金型Mの損傷も確認されなかった。しかし50回目のはく離操作の際に、絶縁層2にはく離と割れが発生しているのが発見され、51回目の電鋳時には、このはく離と割れが発生した部分で、ニッケル粉末の形状に異常が確認されたため操作を終了した。
【0047】
実施例1
導電性基体1としての、縦300mm×横200mmのステンレス(SUS316L)製鋼板の片面に、スパッタリング法によって、チタンの薄膜からなる耐食性導電層3を形成した。耐食性導電層3の厚みは100nmとした。
次にこの耐食性導電層3の上に、比較例3と同様にして、ケイ素の薄膜からなる中間層2bと、絶縁性のDLC薄膜(ビッカース硬度Hv:1100、比抵抗:1012Ω・cm)からなる表層2aの、2層構造を有する絶縁層2を形成して微細電鋳用金型Mを製造した。両層の合計の厚みは0.2μm〔金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2=1μm)の1/5〕、表層2aの厚みt2aと、中間層2bの厚みt2bとの比t2a/t2bは1/3とした。
【0048】
そしてこの金型Mを使用したこと以外は比較例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を繰り返し行ったところ、100回目まで、金属製品であるニッケル粉末の形状に変化は見られない上、金型Mの表面へのニッケル薄膜の残留も全く見られず、しかも金型Mの損傷も確認されなかった。
実施例2
導電性基体1として、縦300mm×横200mmのチタン板を用いたこと以外は比較例3と同様にして、その表面にケイ素の薄膜からなる中間層2bと、絶縁性のDLC薄膜(ビッカース硬度Hv:1100、比抵抗:1012Ω・cm)からなる表層2aの、2層構造を有する絶縁層2を有する微細電鋳用金型Mを製造した。両層の合計の厚みは0.2μm〔金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2=1μm)の1/5〕、表層2aの厚みt2aと、中間層2bの厚みt2bとの比t2a/t2bは1/3とした。
【0049】
そしてこの金型Mを使用したこと以外は比較例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を繰り返し行ったところ、100回目まで、金属製品であるニッケル粉末の形状に変化は見られない上、金型Mの表面へのニッケル薄膜の残留も全く見られず、しかも金型Mの損傷も確認されなかった。
比較例4
絶縁性のDLC薄膜からなる絶縁層2の厚みを0.35μm〔金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2=1μm)の1/2.9〕としたこと以外は比較例2と同様にして、微細電鋳用金型Mを製造した。
【0050】
そしてこの金型Mを使用したこと以外は比較例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を行ったところ、ニッケル薄膜の80%は、欠陥や変形等を生じることなくはく離することができた。しかし残り20%は全くはく離できなかったり、あるいははく離できたとしても欠陥や変形等が見られたりした。そしてこのことから、絶縁層2の厚みは、金属製品の厚みの1/3以下であるのがさらに好ましいことが確認された。
【0051】
比較例5
絶縁性のDLC薄膜からなる絶縁層2の厚みを0.5μm〔金属製品としてのニッケル粉末の厚み(T2=1μm)の1/2〕としたこと以外は比較例2と同様にして、微細電鋳用金型Mを製造した。
そしてこの金型Mを使用したこと以外は比較例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を行ったところ、ニッケル薄膜を全くはく離することができなかった。
【0052】
比較例6
酸化ケイ素薄膜からなる絶縁層2の厚みを8nmとしたこと以外は比較例1と同様にして、微細電鋳用金型Mを製造した。
そしてこの金型Mを使用したこと以外は比較例1と同様にして電鋳を行ったところ、絶縁層2の絶縁が不十分であるためか、特に開口21の周囲などにもニッケル薄膜がはみ出して成長しているのが確認された。またはく離操作を行ったところ、上記のようにニッケル薄膜がはみ出して成長していた個所などで、絶縁層2がはく離しているのが確認された。またはく離された金属製品は、上記のはみ出しによって変形しているのが見られた。
【0053】
比較例7
縦200mm×横300mmのステンレス(SUS316L)製鋼板の片面に、フォトリソグラフ法を用いたエッチングを行って、直径30μm、高さ7μmの円柱状の突起を多数、一体形成した基体を得た。
次にこの基体の、突起の間の凹部にエポキシ樹脂を流し込み、硬化させて厚み7μmの絶縁層を形成したのち、その表面を、番手2000番の研摩紙で研磨して突起の先端面を露出させて電極部とすることで、微細電鋳用金型を製造した。
【0054】
そしてこの金型Mを使用したこと以外は比較例1と同様にして、電鋳およびはく離操作を行ったところ、ニッケル薄膜のはく離は困難であった。そこで金属製のヘラを用いて、ニッケル薄膜を無理にはく離したところ、はく離されたニッケル粉末にはいずれも欠陥や変形が見られた。またニッケル薄膜を無理にはく離したあとの金型にも、絶縁層の削れや電極部表面の傷などが見られた。
なお、電鋳前の金型の表面を顕微鏡にて観察したところ、突起の先端面が絶縁層の表面より2μm以上も突出したところや、突起の側面と絶縁層との間に隙間を生じたところなどが多数、確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は、本発明の微細電鋳用金型の、実施の形態の一例を拡大して示す一部切り欠き斜視図、同図(b)は、上記例の拡大断面図である。
【図2】同図(a)、(b)はそれぞれ、本発明の微細電鋳用金型の変形例を示す拡大断面図である。
【図3】同図(a)〜(e)はそれぞれ、上記本発明の微細電鋳用金型を、本発明の製造方法によって製造する工程の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
M 微細電鋳用金型
1 導電性基体
11、3a 電極部
2 絶縁層(絶縁部)
21 開口

Claims (10)

  1. 製造する金属製品の形状に対応した微細な平面形状を有する電極部と、その周囲を囲む絶縁部とを備え、上記電極部の表面に選択的に、電鋳によって金属薄膜を生成させたのちはく離して金属製品を製造するための微細電鋳用金型であって、導電性基体を、チタンまたはニッケル系耐食合金にて形成し、当該導電性基体の表面に、無機の絶縁材料からなり、上記金属製品の形状に対応した平面形状を有する開口を備えた、当該金属製品の厚みの1/2未満で、かつ10nm以上の厚みを有する絶縁層を形成して絶縁部とし、かつ絶縁層の開口を通して露出した導電性基体の表面を電極部としたことを特徴とする微細電鋳用金型。
  2. 絶縁層の少なくとも表面を、絶縁性のダイヤモンドライクカーボン薄膜にて形成した請求項1記載の微細電鋳用金型。
  3. 絶縁層を、絶縁性のダイヤモンドライクカーボン薄膜からなる表層と、当該表層と導電性基体との間に介挿した、ケイ素または炭化ケイ素の薄膜からなる中間層の2層構造とした請求項2記載の微細電鋳用金型。
  4. 製造する金属製品の形状に対応した微細な平面形状を有する電極部と、その周囲を囲む絶縁部とを備え、上記電極部の表面に選択的に、電鋳によって金属薄膜を生成させたのちはく離して金属製品を製造するための微細電鋳用金型であって、導電性基体の表面に、耐食性導電層を積層し、当該耐食性導電層の表面に、無機の絶縁材料からなり、上記金属製品の形状に対応した平面形状を有する開口を備えた、当該金属製品の厚みの1/2未満で、かつ10nm以上の厚みを有する絶縁層を形成して絶縁部とし、かつ絶縁層の開口を通して露出した耐食性導電層の表面を電極部としたことを特徴とする微細電鋳用金型。
  5. 絶縁層の少なくとも表面を、絶縁性のダイヤモンドライクカーボン薄膜にて形成した請求項4記載の微細電鋳用金型。
  6. 絶縁層を、絶縁性のダイヤモンドライクカーボン薄膜からなる表層と、当該表層と耐食性導電層との間に介挿した、ケイ素または炭化ケイ素の薄膜からなる中間層の2層構造とした請求項5記載の微細電鋳用金型。
  7. 導電性基体を、SUS316系のステンレス鋼にて形成し、その表面に、耐食性導電層を積層した請求項4記載の微細電鋳用金型。
  8. 耐食性導電層を、チタン薄膜にて形成した請求項4記載の微細電鋳用金型。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載の微細電鋳用金型を製造する方法であって、
    導電性基体の表面に、製造する金属製品の形状に対応した平面形状にパターン化したレジスト膜を形成する工程と、
    気相成長法によって、導電性基体の表面全面に、絶縁層のもとになる無機薄膜を形成する工程と、
    レジスト膜とその上の無機薄膜とを除去して、金属製品の形状に対応した平面形状を有する開口を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする微細電鋳用金型の製造方法。
  10. 請求項4〜8のいずれかに記載の微細電鋳用金型を製造する方法であって、
    耐食性導電層の表面に、製造する金属製品の形状に対応した平面形状にパターン化したレジスト膜を形成する工程と、
    気相成長法によって、耐食性導電層の表面全面に、絶縁層のもとになる無機薄膜を形成する工程と、
    レジスト膜とその上の無機薄膜とを除去して、金属製品の形状に対応した平面形状を有する開口を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする微細電鋳用金型の製造方法。
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