JP2010086579A - 原盤及びそれから作製されたモールド構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラックピッチが70nm以下であり、かつアスペクト比が2以上の細線パターンであっても原盤からモールド構造体を剥離する工程で、剥離不良を生じることがない原盤及び該原盤から作製されたモールド構造体の提供。
【解決手段】円板状の基板と、該基板の一の表面に、該表面を基準として複数の凹部が配列されることによって形成された凹凸部を有し、モールド構造体を製造するための原盤であって、前記凹部が配列された方向における凹部の断面形状において、該凹部の底辺の両端の角部の曲率半径が1nm〜3nmであり、かつ該凹部の幅が8nm以上である原盤及びそれにより作製されたモールド構造体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、原盤からモールド構造体を剥離する剥離工程で剥離不良を生じることがない原盤及び該原盤から作製されたモールド構造体に関する。
近時、モールド構造体上に形成されたナノサイズパターンを基板上に塗布された樹脂層に正確に転写するナノインプリントとよばれるプロセス技術が注目されている(特許文献1参照)。
前記ナノインプリントとしては、UVインプリント方式、熱インプリント方式などの手法により、必要とされる樹脂や、モールド構造体の材料などが異なる。前記熱インプリント方式に用いられるNiモールド構造体を製造するプロセスの一つとしては、Si基板上に形成したレジスト層を電子線描画により露光し、現像した後、反応性イオンエッチング(RIE;Reactive Ion Etching)で凹凸パターンを微細加工した後、それを原盤として該原盤上に導電膜を形成し、Ni電鋳後、原盤から剥離してNiモールド構造体を作製(複製)していく技術がある。
このようなNiモールド構造体を作製する方法では、原盤からNiモールド構造体を剥離する工程があるが、トラックピッチが70nm以下の細線化に伴って剥離時にNi細線部が破壊してパターンが形成できないという問題があり、その速やかな解決が望まれているのが現状である。
特開2005−353164号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、トラックピッチが70nm以下であり、かつアスペクト比が2以上の細線パターンであっても原盤からモールド構造体を剥離する工程で、剥離不良を生じることがない原盤及び該原盤から作製されたモールド構造体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、細線部への応力集中を低減できる最適な凹凸パターン形状を有する原盤を用い、好ましくは電鋳中のパターン内結晶成長不良を低減できる導電膜の膜厚とし、界面密着性を低減するため原盤表面に有機薄膜を形成することにより、トラックピッチが70nm以下であり、かつアスペクト比が2以の細線パターンを剥離不良なく形成できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 円板状の基板と、該基板の一の表面に、該表面を基準として複数の凹部が配列されることによって形成された凹凸部を有し、モールド構造体を製造するための原盤であって、
前記凹部が配列された方向における凹部の断面形状において、該凹部の底辺の両端の角部の曲率半径が1nm〜3nmであり、かつ該凹部の幅が8nm以上であることを特徴とする原盤である。
<2> 凸部が配列された方向における凸部の断面形状において、該凸部の頂辺の両端の角部の曲率半径が1nm〜5nmである前記<1>に記載の原盤である。
<3> 凸部及び凹部のラインウィドスラフネス(LWR)が半値幅の30%以下であり、凸部のラインウィドスラフネス(LWR)R1と凹部のラインウィドスラフネス(LWR)R2とが、R1≧R2の関係を満たす前記<1>から<2>のいずれかに記載の原盤である。
<4> 凹部の壁角度が75度〜85度である前記<1>から<3>のいずれかに記載の原盤である。
<5> 凹凸部表面を被覆する導電膜の膜厚の変動が、凹部の底部から凸部の頂部まで10%以内である前記<1>から<4>のいずれかに記載の原盤である。
<6> 導電膜の膜厚が、凹部の幅の10%〜30%である前記<5>に記載の原盤である。
<7> 凹凸部表面に膜厚1nm〜3nmの有機薄膜を形成し、該有機薄膜上に導電膜を有する前記<5>から<6>のいずれかに記載の原盤である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の原盤を用いて作製されたことを特徴とするモールド構造体である。
<9> アスペクト比が2以上である前記<8>に記載のモールド構造体である。
<10> 前記<8>から<9>のいずれかに記載のモールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト組成物からなるインプリントレジスト層に押圧して前記モールド構造体に形成された凹凸部に基づく凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含むことを特徴とするインプリント方法である。
<11> 前記<10>に記載のインプリント方法を用いて、磁気記録媒体を製造することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、トラックピッチが70nm以下であり、かつアスペクト比が2以上の細線パターンであっても原盤からモールド構造体を剥離する工程で、剥離不良を生じることがない原盤及び該原盤から作製されたモールド構造体を提供することができる。
(原盤及びモールド構造体)
本発明の原盤は、本発明のモールド構造体の製造に用いられ、円板状の基板と、該基板の一の表面に、該表面を基準として複数の凹部が配列されることによって形成された凹凸部を有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。
本発明のモールド構造体は、本発明の前記原盤を用いて作製される。
図1に示すように、前記原盤1の凹凸形状と、前記モールド構造体20の凹凸形状とは、1対1に対応している。即ち、原盤の凹部はモールド構造体の凸部に対応し、原盤の凸部はモールド構造体の凹部に対応する。なお、図1中、13は導電膜、14は有機薄膜を示す。
ここで、図2は、本発明の原盤の一実施形態における構成を示す部分斜視図であり、図3は、図2のA−A線での概略断面図である。
図2に示すように、原盤1は、円板状をなす基板2の一の表面2a(以下、基準面2aということがある)に、該表面2aを基準として、複数の凸部3a及び凹部3bが同心円状に形成されてなる。この場合、凸部3aと、複数の凸部3a間に形成された凹部3bとを総称して凹凸部3とする。
前記凸部3a(凹部3b)の配列方向(凸部3a(凹部3b)が列設されている方向)における断面形状は、図2に示すように、例えば矩形などが挙げられる。なお、前記凸部3a(凹部3b)の断面形状は、矩形に限られず、目的に応じて、後述するエッチング工程を制御することにより、任意の形状を選択することができる。
また、基板2の厚みは、0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。
図3に示すように、前記凹部3bが配列された方向における凹部3bの断面形状において、該凹部3bの底辺の両端の角部11,11が丸みをおびており、その曲率半径が1nm〜3nmである。これにより、原盤からモールド構造体を剥離時にモールド構造体にかかる応力を低減することができる。
前記曲率半径が1nm未満であると、応力集中が緩和できず原盤から複版の剥離時にパターンを崩壊させることがあり、3nmを超えると、細線パターンに対し壁角度と半値幅の関係から決定される凹部(複版凸部)の線幅が規定値よりも外れるため、応力集中を緩和できず剥離時にパターンを崩壊させることがある。
また、前記凹部3bの幅Lは8nm以上であり、8.5nm〜13nmであることが好ましい。これにより、細線部への応力集中を軽減することができる。前記凹部の幅が8nm未満であると、応力集中を軽減することができず、またラフネスばらつきの下限値においては平坦形状を確保できず剥離時にパターンを崩壊させることがある。
前記曲率半径及び凹部の幅は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)による断面形状の観察から求めることができる。
前記凸部3aが配列された方向における凸部3aの断面形状において、該凸部の頂辺の両端の角部12,12が丸みをおびており、その曲率半径が1nm〜5nmであることが好ましく、2nm〜4.5nmがより好ましい。これにより、導電膜の膜厚を均一化でき、電鋳時の結晶成長を均一化でき、原盤からモールド構造体を剥離時にモールド構造体にかかる応力を低減することができる。
前記曲率半径が、1nm未満であると、電流密度が角部に集中することから電鋳時の結晶成長が角部で進むことにより、パターン内部が結晶成長する前に口を塞いでしまい、パターン内に空洞を生じさせることで結晶強度が低下し、剥離時にパターンを崩壊させることがあり、5nmを超えると、導電膜成膜時に導電膜が曲率に沿って成長されることから導電膜がパターンの口で厚くなり、電鋳時にパターン内部が結晶成長する前に口を塞いでしまい、パターン内に空洞を生じさせることで結晶強度が低下し、剥離時にパターンを崩壊させることがある。
前記曲率半径は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)による断面形状の観察から求めることができる。
本発明においては、凸部及び凹部のラインウィドスラフネス(LWR)が半値幅の30%以下が好ましく、0%〜15%であることがより好ましい。
前記ラインウィドスラフネス(LWR)が半値幅の30%を超えると、凹部の幅が細くなりすぎ、応力集中を招き剥離時にパターン崩壊を生じさせることがある。
前記ラインウィドスラフネス(LWR)は、パターン形成の際に生じるライン幅のバラツキを表し、CD−SEM測定から設定された輝度となる位置の幅を測定し、ライン上512ポイントの平均をとることにより求めることができる。
また、前記凸部のラインウィドスラフネス(LWR)R1と前記凹部のラインウィドスラフネス(LWR)R2とが、R1≧R2の関係を満たすことが好ましい。前記凸部のラインウィドスラフネス(LWR)R1と凹部のラインウィドスラフネス(LWR)R2とが、R1≧R2の関係を満たさないと、特に元々線幅が細く応力の集中する凹部で、原盤と複版の密着面積が上がることでアンカー効果により更に密着力が上がることと、ラフネスのばらつきの下限において設計値よりも更に細線になることで、応力集中を加速させ剥離時にパターン崩壊を生じさせることがある。
前記凸部のラインウィドスラフネス(LWR)R1及び前記凹部のラインウィドスラフネス(LWR)R2は、例えばCD−SEMの輝度の設定値を変えること、又は断面AFMなどにより測定することができる。
前記凹部3bの壁角度(凹部と凸部を結ぶ側壁の傾斜方向の鋭角)Dは、75度〜85度であること好ましく、80度〜82度がより好ましい。これにより、細線幅を維持し、電鋳時の剥離性を向上させことができる。
前記壁角度が、75度未満であると、凹部の線幅が細くなり、応力集中を招き剥離時にパターン崩壊を生じさせることがあり、85度を超えると、剥離時に摩擦力が上がり、パターン崩壊を生じさせることがある。
前記凹部3bの壁角度Dは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)による断面形状の観察から求めることができる。
前記モールド構造体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、石英、金属、及び樹脂のいずれかの材料が好適である。
前記金属としては、例えばNi、Cu、Al、Mo、Co、Cr、Ta、Pd、Pt、Au等の各種金属、又はこれらの合金を用いることができる。これらの中でも、Ni、Ni合金が特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、低融点フッ素樹脂などが挙げられる。
−有機薄膜−
前記原盤の凹凸部表面に、膜厚1nm〜3nmの有機薄膜を有することが好ましい。これにより、原盤からモールド構造体を剥離時の界面密着力を低減することができる。
前記有機薄膜の材料としては、例えば炭化水素系材料、フッ素系材料、フッ素系シランカップリング剤、などが挙げられる。
前記炭化水素系材料としては、例えばステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類;オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類;リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類;ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類;ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類;ステアリルアミン等のアミン類;などが挙げられる。
前記フッ素系材料としては、上記炭化水素系材料のアルキル基の一部又は全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した材料が挙げられる。前記パーフルオロポリエーテル基としては、パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレンオキシド重合体(CFCFCFO)n、パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF)CFO)n又はこれらの共重合体等である。
前記フッ素系シランカップリング剤としては、分子中に少なくとも1個、好ましくは1〜10個のアルコキシシラン基、クロロシラン基を有し、分子量が200〜500,000のものが好ましい。前記アルコキシシラン基としては、例えば−Si(OCH基、−Si(OCHCH基、などが挙げられる。前記クロロシラン基としては、-Si(Cl)基などが挙げられる。具体的には、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ-ハイドロデシルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルジメチルクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ-ハイドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ-ハイドロオクチルトリメトキシシラン、などが挙げられる。
前記有機薄膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば蒸着法、浸漬法などが挙げられる。
−導電膜−
前記導電膜は、その材料、形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記構造としては単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては用途等に応じて適宜選択することができる。
前記材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Ni、Nb、Ta、Ti、W、Cr、Co、Pt、Cu、Ir、Rh、Fe、Ru、又はこれらの合金、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記導電膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、蒸着法、などにより形成することができる。
前記導電膜の膜厚の変動は、凹部の底部から凸部の頂部まで10%以内であることが好ましい。前記膜厚の変動が10%を超えると、凸部の頂部の導電膜の膜厚が厚すぎると電鋳時の結晶成長不良を起こすことがあり、凹部の底部の導電膜の膜厚が薄すぎると電鋳材料と原盤材料の界面密着力が上昇し、いずれも剥離時にパターン形成不良を生じさせることがある。
また、前記導電膜の膜厚は、凹部の幅の10%〜30%であることが好ましい。これにより、原盤への電鋳時における結晶欠陥を低減することができる。前記導電膜の膜厚が凹部の幅の10%未満であると、原盤表面への被覆が不十分で原盤と電鋳複版の密着力を上昇させることがあり、30%を超えると、凸部の口が厚膜になり、電鋳時に結晶成長不良を引き起こすことがある。
前記原盤の凹凸形状を調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)描画パターン形成後、エッチング工程でのエッチングガス、エッチング加工条件を適宜調整する方法、(2)矩形のパターンを形成した後追加のエッチングプロセスで凸部及び凹部の角部を丸める方法、などが挙げられる。
<モールド構造体の製造方法>
ここで、図4及び図5は、本発明のモールド構造体の製造方法の一例を示す工程図であり、図4は原盤作製工程を示し、図5はモールド作製工程を示す。
図4(a)に示されるように、表面が平滑なシリコンウエハーである原板(Si基板)30を用意し、この原板30の上に、電子線レジスト液をスピンコート法等により塗布して、レジスト層32を形成し(図4(b)参照)、ベーキング処理(プレベーク)を行う。
次いで、高精度な回転ステージ又はX−Yステージを備えた不図示の電子ビーム露光装置のステージ上に原板30をセットし、原板30を回転させながら、サーボ信号、ディスクリートトラック、又はビットパターンドトラックに対応して変調した電子ビームを照射し、レジスト層32の略全面に所定のパターン33、例えば各トラックに回転中心から半径方向に線状に延びるサーボ信号に相当するパターンを円周上の各フレームに対応する部分に描画露光(電子線描画)する(図4(c)参照)。
次いで、図4(d)に示されるように、レジスト層32を現像処理し、露光(描画)部分を除去して、残ったレジスト層32による所望厚さの被覆層を形成する。この被覆層が次工程(エッチング工程)のマスクとなる。なお、原板30上に塗布されるレジストはポジ型、ネガ型のどちらでも使用可能であるが、ポジ型とネガ型では、露光(描画)パターンが反転することになる。この現像処理の後には、レジスト層32と原板30との密着力を高めるためにベーキング処理(ポストベーク)を行う。
次いで、図4(e)に示されるように、レジスト層32の開口部34より原板30を表面より所定深さだけ除去(エッチング)する。このエッチングにおいては、アンダーカット(サイドエッチ)を最小にすべく、異方性のエッチングが好ましい。このような、異方性のエッチングとしては、反応性イオンエッチング(RIE;Reactive Ion Etching)が好ましく採用できる。
次いで、図5(f)に示されるように、レジスト層32を除去する。レジスト層32の除去方法は、乾式法としてアッシングが採用でき、湿式法として剥離液による除去法が採用できる。以上のアッシング工程により、所望の凹凸状パターンの反転型が形成された原盤36が作製される。
ここで、原盤36を純水で洗浄し、乾燥する。
次いで、図5(g)に示されるように、原盤36の表面に均一厚さに導電層38を形成する。この導電層38の形成方法としては、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、イオンプレーティングを含む各種の金属成膜法等が適用できる。このように、導電膜の層(符号38)を1層形成すれば、次工程(電鋳工程)の金属の電着が均一に行えるという効果が得られる。導電層38としては、Niを主成分とする膜であることが好ましい。このようなNiを主成分とする膜は、形成が容易であり、かつ硬質であるため、導電膜として好ましい。
なお、導電膜形成においては最終品質(磁気記録媒体の品質)に影響を与えない範囲で剥離を補助する下地層(剥離層、無機・有機を問わない)を基板と導電膜の界面に付与してもよい。
次いで、図5(h)に示されるように、原盤36の表面に、電鋳により所望の厚さの金属(ここでは、Ni)による金属盤40を積層する(反転板形成工程)。この工程は、電鋳装置の電解液中に原盤36を浸し、原盤36を陽極とし、陰極との間に通電することにより行われるが、このときの電解液の濃度、pH、電流のかけ方等は、積層された金属盤40に歪みのない最適条件で実施されることが求められる。
そして、上記のようにして金属盤40の積層された原盤36が電鋳装置の電解液から取り出され、剥離槽(不図示)内の純水に浸される。
次いで、剥離槽内において、金属盤40を原盤36から剥離し(剥離工程)、図5(i)に示すような、原盤36から反転した凹凸状パターンを有する複製金属盤42を得る。
ここで、剥離後の原盤は、純水で洗浄し、乾燥して再生する。再生した原盤は導電化処理からの工程を繰り返すことで同一原盤から複数の金属盤が作製できる。
その後、複製金属盤42の内径及び外径を、所定のサイズに打抜き加工する。以上のプロセスにより、図5(i)に示すように、凹凸パターンを有するモールド構造体20が作製される。
モールド構造体20の表面には、凹凸パターンが形成される。また、図示を省略しているが、モールドの上にダイヤモンドライクカーボン等の保護膜(保護層)や、更に、保護膜上に潤滑剤層を設けてもよい。
また、導電層38と、保護層との密着性を強化するため、導電層38上にSi等の密着強化層を形成し、その後に保護層を形成してもよい。
本発明のモールド構造体は、DTM(ディスクリート・トラック・メディア)用インプリントモールド、及びBPM(ビット・パターンド・メディア)用インプリントモールドのいずれかに好適に用いられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<No.1のインプリント用モールド構造体の作製>
−原盤の作製−
直径8インチの円板状のSi基板上に電子線レジストを、スピンコート法を用いて100nmの厚さに塗布した。
その後、回転式電子線露光装置にてトラックピッチ70nmのラインアンドスペースを電子線露光し、現像することで、凹凸パターンを有する前記電子線レジストをSi基板上に形成した。
凹凸パターンを有する前記電子線レジストをマスクとして、前記Si基板に対して反応性イオンエッチング処理を行い、Si基板上に凹凸形状を形成した。
残存した前記電子線レジストを、可溶溶剤にて洗浄することで除去し、乾燥した後に原盤を作製した。
−モールド構造体の作製−
次に、原盤の表面にスパッタリング法により、Ni(ニッケル)導電性膜を膜厚9nmに形成した。導電膜が付与された原盤を、下記組成のNi電鋳浴に浸漬させて50rpm〜150rpmの回転速度で回転させながら、電鋳処理を行い、厚み300μmのNi盤を作製した。その後、このNi盤を原盤から剥離し、残留するレジスト膜を除去し、洗浄した。以上により、Niモールド構造体を作製した。
−Ni電鋳浴組成及び温度−
・スルファミン酸ニッケル・・・600g/L
・ホウ酸・・・40g/L
・界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)・・・0.15g/L
・pH=4.0
・温度=55℃
<No.2〜11のモールド構造体の作製>
No.1の原盤作製において、反応性イオンエッチング条件を変えた以外は、No.1と同様にして、No.2〜11のモールド構造体を作製した。
次に、得られた原盤、及びモールド構造体について、以下のようにして、原盤の形状、及びパターン形成性を評価した。結果を表1に示す。なお、Si原盤の形状とNiモールド構造体の形状はTEM観察による断面図からほぼ1対1に対応していることを確認した。
<凹部曲率、凹部幅、凸部曲率、凸部幅、アスペクト比、高さ、半値幅、壁角度、及び導電膜の膜厚の測定>
透過型電子顕微鏡(TEM)による断面形状の観察から、凹部曲率、凹部幅、凸部曲率、凸部幅、アスペクト比、高さ、半値幅、壁角度、及び導電膜の膜厚を求めた。
<凸部及び凹部のラインウィドスラフネスの測定>
CD−SEMにより測定ポイントに対応する輝度の条件を変更し、一部で断面AFMとの相関をとることにより求めた。
<剥離後のパターン形成性>
走査型電子顕微鏡(SEM)のトップビューから観察視野内のNi凸部の面積と、崩壊なくパターンが形成されているNi凸部の面積との比率を算出しした。なお、100%は剥離不良なし、0%は全面パターン崩壊であり、本発明においては、前記比率が80%以上を合格とした。
(実施例2)
<No.12のモールド構造体の作製>
No.1の原盤作製において、反応性イオンエッチングの条件を変えた以外は、No.1と同様にして、No.12のモールド構造体を作製した。
<No.13〜15のモールド構造体の作製>
No.12の原盤作製で得られた原盤の表面に有機薄膜(フッ化トリクロロシラン)を蒸着法により、表2に示す膜厚で形成した以外は、No.12と同様にして、No.13〜15のモールド構造体を作製した。
なお、有機薄膜の膜厚は、ベタ膜部での膜厚をエリプソメーターにて測定した。
次に、得られた原盤、及びモールド構造体について、以下のようにして、原盤の形状、及びパターン形成性を評価した。結果を表2に示す。なお、Si原盤の形状とNiモールド構造体の形状はTEM観察による断面図からほぼ1対1に対応していることを確認した。
(実施例3)
<No.16〜19のモールド構造体の作製>
No.1のモールド構造体の作製において、スパッタリングの条件を変えて、表3に示す導電膜の膜厚に変えた以外は、No.1と同様にして、No.16〜19のモールド構造体を作製した。
次に、得られた原盤、及びモールド構造体について、以下のようにして、原盤の形状、及びパターン形成性を評価した。結果を表3に示す。なお、Si原盤の形状とNiモールド構造体の形状はTEM観察による断面図からほぼ1対1に対応していることを確認した。
*凸部:凸部の頂辺の導電膜の膜厚
*凹部:凹部の底辺の導電膜の膜厚
(実施例4)
<No.20〜22のモールド構造体の作製>
No.1のモールド構造体の作製において、スパッタリングの条件を変えて、表3に示す導電膜の膜厚に変えた以外は、No.1と同様にして、No.20〜22のモールド構造体を作製した。
次に、得られた原盤、及びモールド構造体について、以下のようにして、原盤の形状、及びパターン形成性を評価した。結果を表4に示す。なお、Si原盤の形状とNiモールド構造体の形状はTEM観察による断面図からほぼ1対1に対応していることを確認した。
*壁上:凹部と凸部を結ぶ側壁の凸部側近傍の導電膜の膜厚
*壁下:凹部と凸部を結ぶ側壁の凹部側近傍の導電膜の膜厚
本発明の原盤及び該原盤により作製されたモールド構造体は、トラックピッチが70nm以下であり、かつアスペクト比が2以上の細線パターンであっても原盤からモールド構造体を剥離する工程で、剥離不良を生じることがないので、例えばディスクリートトラックメディア(DTM)の作製や、パターンドメディア(BPM)の作製に好適である。
図1は、本発明の原盤及びモールド構造体の一例を示す部分拡大図である。 図2は、本発明の原盤の一例を示す部分斜視図である。 図3は、図2のA−A線での断面図である。 図4は、本発明のモールド構造体の製造方法における原盤作製工程を示す工程図である。である。 図5は、本発明のモールド構造体の製造方法におけるモールド作製工程を示す工程図である。
符号の説明
1 原盤
2 基板
2a 一の表面
3a 凸部
3b 凹部
20 モールド構造体
30 原板
32 レジスト層
33 パターン
34 開口部
36 原盤
38 導電層
40 金属盤
42 複製金属盤

Claims (9)

  1. 円板状の基板と、該基板の一の表面に、該表面を基準として複数の凹部が配列されることによって形成された凹凸部を有し、モールド構造体を製造するための原盤であって、
    前記凹部が配列された方向における凹部の断面形状において、該凹部の底辺の両端の角部の曲率半径が1nm〜3nmであり、かつ該凹部の幅が8nm以上であることを特徴とする原盤。
  2. 凸部が配列された方向における凸部の断面形状において、該凸部の頂辺の両端の角部の曲率半径が1nm〜5nmである請求項1に記載の原盤。
  3. 凸部及び凹部のラインウィドスラフネス(LWR)が半値幅の30%以下であり、凸部のラインウィドスラフネス(LWR)R1と凹部のラインウィドスラフネス(LWR)R2とが、R1≧R2の関係を満たす請求項1から2のいずれかに記載の原盤。
  4. 凹部の壁角度が75度〜85度である請求項1から3のいずれかに記載の原盤。
  5. 凹凸部表面を被覆する導電膜の膜厚の変動が、凹部の底部から凸部の頂部まで10%以内である請求項1から4のいずれかに記載の原盤。
  6. 導電膜の膜厚が、凹部の幅の10%〜30%である請求項5に記載の原盤。
  7. 凹凸部表面に膜厚1nm〜3nmの有機薄膜を形成し、該有機薄膜上に導電膜を有する請求項5から6のいずれかに記載の原盤。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の原盤を用いて作製されたことを特徴とするモールド構造体。
  9. アスペクト比が2以上である請求項8に記載のモールド構造体。
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