JP2016110943A - 有機el表示パネル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクの流出が発生しにくい構造を有し、品質が安定した有機EL表示パネルを提供する。【解決手段】基板101と、基板101の上方に配置され、第1方向Xに間隙Gをおいて並ぶ第1下部電極111及び第2下部電極121と、間隙Gの上方にある第1部分105Fと、第1部分105Fの第1方向X両側に隣接し、第1下部電極111の上方又は第2下部電極121の上方にある第2部分105Sと、を有し、下部電極111、121の各上方の間を仕切る形状であって、電気絶縁性材料からなる隔壁105と、下部電極111、121の各上方にそれぞれ配置された有機発光層113、123と、有機発光層113、123の上方に配置された上部電極107と、を備え、第1部分105Fの底面105FBの少なくとも一部が、第2部分105Sの底面105SBよりも高い位置にある有機EL表示パネル10。【選択図】図4

Description

本発明は、有機EL表示パネルの製造方法及びその製造方法に関し、特に、隔壁の形成技術に関する。
近年、有機EL(Electroluminescence:電界発光)素子の発光を利用した有機EL表示パネルの実用化が進められている。有機EL表示パネルでは、支持材である基板の上面に沿った方向に複数の有機EL素子が配列されており、各有機EL素子の発光により画像を表示する。有機EL素子は、基板の上方に、下部電極と、有機発光材料を含む有機発光層と、上部電極と、をこの順に備え、下部電極及び上部電極から供給された正孔及び電子が有機発光層で再結合することにより有機発光材料が発光する。
有機発光層の形成方法のうち、有機発光材料が有機溶媒に溶解した溶液(以下、「インク」とする。)の塗布、乾燥により有機発光層を形成する湿式法は、有機発光層の形成精度、材料利用率などの点において優れた技術である。湿式法では、塗布されたインクの不要な濡れ広がりによる有機発光層の形成精度の低下を抑制するため、インクの塗布領域を仕切る形状の隔壁を用いる。
隔壁は電気絶縁性材料からなり、通常、当該電気絶縁性材料には樹脂材料が用いられる。樹脂材料からなる隔壁の形成方法としては、樹脂材料を塗布し、フォトリソグラフィ法などによりパターニングした後に、焼成(ポストベーク)する方法が一般的である(例えば、特許文献1、2、3参照)。上記焼成により、隔壁の下地層との密着性を向上させるとともに、隔壁の有機溶媒耐性を向上させることができ、隔壁に対する現像液やインクの浸食を抑制できる(例えば、特許文献1、2参照)。また、隔壁が撥液性成分を含む場合、焼成により、撥液性成分が表面側へ移動するため、隔壁表面の撥液性を向上させることができる(例えば、特許文献3参照)。
また、上記電気絶縁性材料には、酸化シリコンなどの無機材料を用いてもよく、この場合、隔壁は真空蒸着法やCVD法などの乾式法で形成されることが多い。
特開2008−287251号公報 特開2013−191483号公報 特開2014−75260号公報
表示パネルの分野では、画素の高精細化が進み、画素間隔が小さくなりつつあり、これによって、有機発光層を形成する際に、塗布されたインクが隔壁を越えて濡れ広がるインクの流出が発生しやすくなっている。インクの流出が発生すると、有機発光層の膜厚形成精度が低下し、画素の発色・輝度むらや滅点の発生、発光寿命の低下などにより、有機EL表示パネルの品質が低下する。
そこで、本発明の目的は、有機発光層を形成する際にインクが流出しにくい構造を有し、品質が安定した有機EL表示パネル及び当該有機EL表示パネルの製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルは、基板と、前記基板の上方に配置され、前記基板の上面に沿った第1方向に間隙をおいて並ぶ第1下部電極及び第2下部電極と、前記間隙の上方にある第1部分と、前記第1部分の前記第1方向両側に隣接し、前記第1下部電極の上方又は前記第2下部電極の上方にある第2部分と、を有し、前記第1下部電極の上方と前記第2下部電極の上方との間を仕切る形状であって、電気絶縁性材料からなる隔壁と、前記隔壁に仕切られた前記第1下部電極の上方、前記第2下部電極の上方にそれぞれ配置された第1有機発光層、第2有機発光層と、前記第1有機発光層及び前記第2有機発光層の上方に配置された上部電極と、を備え、前記第1部分の底面の少なくとも一部が、前記第2部分の底面よりも高い位置にある。
上記態様に係る有機EL表示パネルは、隔壁の第1部分の底面の少なくとも一部が、第2部分の底面よりも高い位置にあることで、隔壁を形成する際の第1部分における隔壁上面の沈み込みが抑制される。すなわち、当該有機EL表示パネルは、有機発光層を形成する際にインクの流出が発生しにくい構造を有し、品質が安定する。
有機EL表示装置1の全体構成を示すブロック図である。 有機EL表示パネル10の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。 (a)は図2の3A−3A線に沿った模式断面図であり、(b)は図2の3B−3B線に沿った模式断面図である。 図3の二点鎖線部を拡大した図である。 有機EL表示パネル10において、隔壁105を形成する前の状態を示す模式斜視図である。 有機EL表示パネル10の製造方法を示す模式断面図であって、(a)は層間絶縁層形成を示す図であり、(b)は凸状層形成を示す図であり、(c)は下部電極形成を示す図である。 有機EL表示パネル10の製造方法を示す模式断面図であって、(a)は画素絶縁層形成を示す図であり、(b)は隔壁形成を示す図であり、(c)は正孔輸送層形成を示す図である。 有機EL表示パネル10の製造方法を示す模式断面図であって、(a)は有機発光層形成におけるインク塗布を示す図であり、(b)は有機発光層形成におけるインク乾燥を示す図であり、(c)は電子輸送層及び上部電極形成を示す図である。 凸状層103の形成方法を示す模式断面図であって、(a)は樹脂材料の塗布を示す図であり、(b)は露光を示す図であり、(c)は現像を示す図である。 変形例に係る層間絶縁層202を示す模式断面図である。 層間絶縁層202の形成方法を示す模式断面図であって、(a)は樹脂材料の塗布を示す図であり、(b)は露光を示す図であり、(c)は現像を示す図である。 層間絶縁層202の形成方法を示す模式断面図であって、(a)は樹脂材料の塗布を示す図であり、(b)はドライエッチングを示す図であり、(c)はレジスト剥離を示す図である。 変形例に係る層間絶縁層302を示す模式断面図である。 変形例に係る凸状層403を示す模式斜視図である。 変形例に係る正孔注入層509を示す模式断面図である。 有機EL表示パネルにおけるインクの流出を説明するための模式断面図であって、(a)はパターニング直後の樹脂材料を示す図であり、(b)はインク塗布における隔壁形状の影響を示す図であり、(c)はインク塗布における画素間隔の影響を示す図である。
<本発明の一態様に至った経緯>
本願の発明者(以下、「本発明者」とする。)は、湿式法で形成された有機発光層を備える有機EL表示パネルの高精細化の検討を進める中で、隔壁の形状が問題となることを発見した。この問題について、図16を用いて説明する。図16は有機EL表示パネルにおけるインクの流出を説明するための模式断面図である。なお、以下では、各有機EL素子が赤色、青色、緑色のいずれかに発光する副画素を構成することで、画素がフルカラーを表現する有機EL表示パネルを例として説明する。
図16(a)、(b)では、隣接する副画素が並ぶ断面を示しており、層間絶縁層902が配置された基板901の上方に、第1下部電極911及び第2下部電極921が配置され、基板901の上面に沿った第1方向(紙面左右方向)に間隙Gをおいて第1下部電極911及び第2下部電極921が並んでいる。また、図16(b)に示すように、下部電極911、921の各上方は、間隙Gの上方に配置された隔壁905によって仕切られている。なお、隔壁905は、アライメント精度を考慮した形成マージンを取るため、間隙Gの上方にある部分だけでなく、当該部分の第1方向両側に隣接し、下部電極911、921の上方にある部分を有する。
ここで、図16(a)に示すように、隔壁905が樹脂材料905rからなる場合、フォトリソグラフィ法によってパターニングされた直後の樹脂材料905rの上面は、塗布時の形状を反映し、第1下部電極911の上方から、間隙Gの上方を介し、第2下部電極921の上方にかけて、平坦となっている。
しかし、図16(b)に示すように、本発明者は、樹脂材料905rを焼成すると、焼成後の隔壁905の上面は、隔壁905の底面の凹凸を反映した形状になることを発見した。具体的には、焼成により、樹脂材料905rの収縮が発生することで、隔壁905の上面が、間隙Gにおける隔壁905の底面の凹みを反映して、間隙Gの上方で沈み込み、凹形状となることを発見した。
この場合、隔壁905の最高点が、第1下部電極911及び第2下部電極921側に近づくため、隔壁905同士の間に塗布されたインク913i、923iが、隔壁905の最高点を越えやすくなる。また、隔壁905が凹形状の場合、最高点を越えたインク913i、923iはお互いに隔壁905の上面を広がって接触、結合し、容易に隔壁905を越えて濡れ広がる。このように、上面が凹形状の隔壁905では、インクの流出が発生しやすくなってしまう。
特に、高精細化が進む有機EL表示パネルにおいては、上記隔壁の凹形状がより問題となる。例えば、図16(c)は、同一の液面高さを有するインク913iの塗布における、画素間隔の影響を示している。具体的には、高精細化により画素間隔が狭くなることにより、図16(c)の右方の下部電極911bは、左方の下部電極911aよりも幅が小さくなっている。
図16(c)の左方では、インク913iの液面高さに対して、隔壁905の間隔が十分に確保されている。つまり、インク913iの液面と、隔壁905の最高点とを結んだ半楕円は、高さ方向が短軸、幅方向が長軸となり、インク913iの表面張力が、図の矢印に示すように、インク913iの内側に向かう方向に発生する。したがって、図16(c)の左方では、インク913iが隔壁905を越えにくい。
一方、図16(c)の右方では、インク913iの液面高さに対して、隔壁905の間隔が不足している。つまり、インク913iの液面と、隔壁905の最高点とを結んだ半楕円は、高さ方向が長軸、幅方向が長軸となり、インク913iの表面張力が、図の矢印に示すように、インク913iの外側に向かう方向に発生する。したがって、図16(c)の右方では、インク913iが隔壁905の最高点を越えやすくなり、インク913iの流出が発生しやすい。
このように、図16(c)の左方のように、これまで隔壁905の上面が凹形状であっても問題とならなかったインク913iの液面高さであっても、高精細化が進むことで、図16(c)の右方のようにインクの流出が発生する可能性が高まっている。
また、隔壁905の上面の凹形状は、樹脂材料905rからなる隔壁905にのみ形成されるのではなく、無機材料からなる隔壁905でも形成される。これは、無機材料からなる隔壁905は、乾式法により形成されるため、図16(a)とは異なり、パターニング(成膜)直後の時点で、隔壁905の上面が、底面の凹凸を反映して、間隙Gの上方で沈み込むためである。
したがって、間隙Gの上方にある部分と、当該部分の両側に隣接し、下部電極911、921の各上方にある部分とを有する隔壁905では、用いる材料が、樹脂材料でも無機材料でも、間隙Gの上方で、上面の沈み込みが発生し、上面が凹形状となる。
なお、インクの流出を抑制するためには、単純に膜厚を大きくし、隔壁全体を高くすることも考えられる。しかし、この方法では、間隙Gの上方における隔壁上面の沈み込みは回避できず、当該上面がインクの流出が発生しやすい凹形状のままであるため、インクの流出を抑制するためには、隔壁の高さを余分に大きくする必要がある。この場合、有機EL表示パネルとして薄型化が困難になる他、下部電極上面から隔壁の最高点にかけて短い距離で高低差が大きくなるため、上部電極などの上層部にクラックなどの段切れが発生しやすくなる。
以上のことから、本発明者は、有機EL表示パネルの高精細化をにらみ、インクの流出が発生しにくい構造、すなわち隔壁上面の沈み込みが抑制された有機EL表示パネルの実現を検討した結果、以下に説明する本発明の一態様に至った。
<本発明の一態様の概要>
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルは、基板と、前記基板の上方に配置され、前記基板の上面に沿った第1方向に間隙をおいて並ぶ第1下部電極及び第2下部電極と、前記間隙の上方にある第1部分と、前記第1部分の前記第1方向両側に隣接し、前記第1下部電極の上方又は前記第2下部電極の上方にある第2部分と、を有し、前記第1下部電極の上方と前記第2下部電極の上方との間を仕切る形状であって、電気絶縁性材料からなる隔壁と、前記隔壁に仕切られた前記第1下部電極の上方、前記第2下部電極の上方にそれぞれ配置された第1有機発光層、第2有機発光層と、前記第1有機発光層及び前記第2有機発光層の上方に配置された上部電極と、を備え、前記第1部分の底面の少なくとも一部が、前記第2部分の底面よりも高い位置にある。
上記態様に係る有機EL表示パネルは、隔壁の第1部分の底面の少なくとも一部が、第2部分の底面よりも高い位置にあることで、隔壁を形成する際の第1部分における隔壁上面の沈み込みが抑制される。すなわち、当該有機EL表示パネルは、インクの流出が発生しにくい構造を有し、品質が安定する。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、前記第1部分の前記第1方向中央部における底面が、前記第2部分の底面よりも高い位置にある。これにより、最も上面が沈み込みやすい第1部分の第1方向中央部における底面が、第2部分の底面よりも高い位置にあることにより、隔壁上面の沈み込みをより効果的に抑制できる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、さらに、電気絶縁性材料からなり、前記基板と、前記第1部分との間に、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも大きい膜厚を有する凸状層を備える。これにより、隔壁の下地が、第1部分の下方において、第2部分の下方よりも上方に突出する形状を有するため、凸状層上にある第1部分の底面を、第2部分の底面よりも高くすることができる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、さらに、樹脂材料からなり、前記基板の上方に配置され、上面が前記基板の上面に沿った形状の層間絶縁層を備え、前記凸状層が、前記樹脂材料からなり、前記第1下部電極、前記第2下部電極及び前記凸状層が、前記層間絶縁層上に配置されている。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、さらに、樹脂材料からなり、前記基板及び前記凸状層の上方に配置され、上面が前記基板の上面及び前記凸状層の上面に沿った形状の層間絶縁層を備え、前記凸状層が、前記樹脂材料からなり、前記第1下部電極、前記第2下部電極が、前記層間絶縁層上に配置されている。
上記態様に係る有機EL表示パネルでは、凸状層が、層間絶縁層と同じ樹脂材料からなり、凸状層の形成において、層間絶縁層の形成における材料、設備、技術などを流用でき、凸状層の追加による製造効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、さらに、樹脂材料からなり、前記基板の上方において、前記基板の上面に沿って配置された層間絶縁層を備え、前記層間絶縁層が、前記基板の上面に沿った形状の上面を有し、前記第1下部電極及び前記第2下部電極を配置する平坦部と、前記間隙に対応する前記平坦部上において、前記第1下部電極の上面及び前記第2下部電極の上面よりも上方に突出する凸状部と、を有する。これにより、隔壁の下地が、第1部分の下方において、第2部分の下方よりも上方に突出する形状を有するため、底面の少なくとも一部を、底面よりも高くすることができる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、前記基板の上面に沿って前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1下部電極、前記第2下部電極が、それぞれ複数並ぶことにより、第1下部電極列、第2下部電極列が構成され、前記第1有機発光層、前記第2有機発光層が、それぞれ前記第1下部電極列、前記第2下部電極列の上方において、前記第2方向に沿って延伸する形状であり、前記隔壁が、前記第1有機発光層と前記第2有機発光層との間において、前記第2方向に沿って延伸する形状であり、前記第2方向に渡った前記隔壁の横断面において、前記第1部分の底面の少なくとも一部が、前記第2部分の底面よりも高い位置にある。
上記態様に係る有機EL表示パネルでは、第2方向に渡って、隔壁を形成する際の第1部分における隔壁の上面の沈み込みが抑制される。すなわち、当該有機EL表示パネルは、第2方向に渡ってインクが流出しにくい構造を有し、さらに品質が安定する。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、さらに、電気絶縁性材料からなり、前記基板と前記第1部分との間に配置され、前記第2方向に沿って延伸する形状の凸状層を備え、前記凸状層の膜厚が、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも大きい。これにより、第2方向に渡って、隔壁の下地が、第1部分の下方において、第2部分の下方よりも上方に突出する。したがって、当該有機EL表示パネルでは、第2方向に渡った隔壁の横断面において、底面の少なくとも一部を、底面よりも高くすることができる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、さらに、電気絶縁性材料からなり、前記第1下部電極同士の間及び前記第2下部電極同士の間において、前記第1方向に沿って延伸する形状の画素絶縁層を備え、前記画素絶縁層の膜厚が、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも大きく、前記凸状層の膜厚よりも小さい。
上記態様に係る有機EL表示パネルは、画素絶縁層を備えることにより、隣接する第1下部電極間、第2下部電極間の電気絶縁性を向上しつつ、第1有機発光層、第2有機発光層の段切れ抑制、第1下部電極、第2下部電極と上部電極との間の電気絶縁性の向上などを図ることができる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、前記凸状層と、前記画素絶縁層と、が単一の層を構成する。これにより、凸状層を、画素絶縁層と同時に形成でき、凸状層の追加による製造効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、前記第1有機発光層の発光色と、前記第2有機発光層の発光色と、が異なる。これにより、膜厚形成精度の低下だけでなく、異なる有機発光材料を含むインクの混合(混色)の発生も抑制でき、画素の発色不良などの有機EL表示パネルの品質低下も抑制できる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、基板を準備し、前記基板の上方に、前記基板の上面に沿った第1方向に間隙をおいて第1下部電極及び第2下部電極を並べて形成し、電気絶縁性材料を用いて、前記間隙の上方にある第1部分と、前記第1部分の前記第1方向両側に隣接し、前記第1下部電極の上方又は前記第2下部電極の上方にある第2部分と、を有し、前記第1下部電極の上方と前記第2下部電極の上方との間を仕切る形状の隔壁を形成し、湿式法を用いて、前記隔壁に仕切られた前記第1下部電極の上方、前記第2下部電極の上方に第1有機発光層、第2有機発光層をそれぞれ形成し、前記第1有機発光層及び前記第2有機発光層の上方に上部電極を形成する、有機EL表示パネルの製造方法であって、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する。
上記製造方法では、隔壁を形成する際の第1部分における隔壁上面の沈み込みが抑制され、有機発光層を形成する際のインクの流出が発生しにくい。したがって、製造した有機EL表示パネルの品質が安定する。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、上記態様において、前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、樹脂材料を用いて、前記基板の上方において、前記基板の上面に沿った形状の上面を有する層間絶縁層を形成し、前記樹脂材料を用いて、前記層間絶縁層上において、前記基板の上面に沿って前記第1方向と交差する第2方向に延伸する形状の凸状層を形成し、前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状層の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する層間絶縁層上に、前記凸状層よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、上記態様において、前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、樹脂材料を用いて、前記基板の上方において、前記基板の上面に沿って前記第1方向と交差する第2方向に延伸する形状の凸状層を形成し、前記樹脂材料を用いて、前記基板及び前記凸状層の上方において、前記基板の上面及び前記凸状層の上面に沿った形状の上面を有する層間絶縁層を形成し、前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状層の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する層間絶縁層上に、前記凸状層よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する。
上記製造方法では、凸状層上にある第1部分の底面を、第2部分の底面よりも高くすることができる。また、凸状層を、層間絶縁層と同じ樹脂材料を用いて形成するため、凸状層の形成において、層間絶縁層の形成における材料、設備、技術などを流用でき、凸状層の追加による製造効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、上記態様において、前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、前記基板の上方において、上面が前記基板の上面に沿った形状となるように樹脂材料を塗布し、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法により、前記樹脂材料の一部の膜厚を小さくすることで、前記基板の上面に沿った形状の上面を有する平坦部と、前記平坦部上において上方に突出する凸状部と、を有する層間絶縁層を形成し、前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状部の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する平坦部上に、前記凸状部よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、上記態様において、前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、前記基板の上方において、上面が前記基板の上面に沿った形状となるように樹脂材料を塗布し、ドライエッチング法を用いたフォトリソグラフィ法により、前記樹脂材料の一部の膜厚を小さくすることで、前記基板の上面に沿った形状の上面を有する平坦部と、前記平坦部上において上方に突出する凸状部と、を有する層間絶縁層を形成し、前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状部の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する平坦部上に、前記凸状部よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する。
上記製造方法では、凸状部上にある第1部分の底面を、第2部分の底面よりも高くすることができる。また、凸状層を、層間絶縁層と同じ工程で形成するため、凸状層の形成において、層間絶縁層の形成における材料、設備、技術などを流用でき、凸状層の追加による製造効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、上記態様において、前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する際に、前記基板の上面に沿って前記第1方向と交差する第2方向に、前記第1下部電極、前記第2下部電極を複数並べることにより、第1下部電極列、第2下部電極列を形成し、前記隔壁を、前記間隙の上方において前記第2方向に沿って延伸する形状に形成し、前記第1有機発光層、前記第2有機発光層を、それぞれ前記第1下部電極列、前記第2下部電極列の上方において前記第2方向に沿って延伸する形状に形成し、前記第2方向に渡った前記隔壁の横断面において、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、上記態様において、前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、電気絶縁性材料を用いて、前記基板の上方において、前記第2方向に沿って延伸する形状の凸状層を形成し、前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状層の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する位置に、前記凸状層よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第2方向に渡った前記隔壁の横断面において、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する。
上記製造方法では、第2方向に渡って、隔壁を形成する際の第1部分における隔壁の上面の沈み込みが抑制され、有機発光層を形成する際、第2方向に渡ってインクの流出が発生しにくい。したがって、製造した有機EL表示パネルの品質がさらに安定する。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、上記態様において、前記隔壁を形成する前に、前記第1下部電極列及び前記第2下部電極列を形成した前記基板の上面に沿って、前記第1下部電極及び前記第2下部電極よりも大きい膜厚で樹脂材料を塗布し、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法により、前記第1下部電極の上方及び前記第2下部電極の上方の前記樹脂材料を除去するとともに、前記樹脂材料の一部の膜厚を小さくすることで、前記第1下部電極列と前記第2下部電極列との間において、前記第2方向に延伸する形状であって、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも膜厚が大きい凸状層と、前記第1下部電極同士の間及び前記第2下部電極同士の間において、前記第1方向に延伸する形状であって、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも膜厚が大きく、前記凸状層よりも膜厚が小さい画素絶縁層と、を形成することにより、前記第2方向に渡った前記隔壁の横断面において、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する。
上記製造方法では、画素絶縁層を形成することにより、隣接する第1下部電極間、第2下部電極間の電気絶縁性を向上しつつ、第1有機発光層、第2有機発光層の段切れ抑制、第1下部電極、第2下部電極と上部電極との間の電気絶縁性の向上などを図ることができる。また、上記製造方法では、凸状層を、画素絶縁層と同時に形成でき、凸状層の追加による製造効率の低下を抑制することができる。
なお、本願において「上」とは、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)を指すものではなく、有機EL表示パネルの積層構造における積層順を基に、相対的な位置関係により規定されるものである。具体的には、有機EL表示パネルにおいて、基板の主面に垂直な方向であって、基板から積層物側に向かう側を上方向とする。また、例えば「基板上」と表現した場合は、基板に直接接する領域のみを指すのではなく、積層物を介した基板の上方の領域も含めるものとする。また、例えば「基板の上方」と表現した場合、基板と間隔を空けた上方領域のみを指すのではなく、基板上の領域も含めるものとする。
<実施の形態>
以下では、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルについて、図面を参照しながら説明する。なお、図面は模式的なものを含んでおり、各部材の縮尺や縦横の比率などが実際とは異なる場合がある。
1.有機EL表示装置1の全体構成
図1は、有機EL表示装置1の全体構成を示すブロック図である。有機EL表示装置1は、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイ(電子看板、商業施設用大型スクリーン)などに用いられる表示装置である。有機EL表示装置1は、有機EL表示パネル10と、これに電気的に接続された駆動制御部20とを備える。
有機EL表示パネル10(以下、「パネル10」とする。)は、例えば上面が長方形状の画像表示面であるトップエミッション型の表示パネルである。パネル10では、画像表示面に沿って複数の有機EL素子(不図示)が配列され、各有機EL素子の発光を組み合わせて画像を表示する。なお、パネル10は、一例として、アクティブマトリクス方式を採用している。
駆動制御部20は、パネル10に接続された駆動回路21と、計算機などの外部装置又はアンテナなどの受信装置に接続された制御回路22とを有する。駆動回路21は、各有機EL素子に電力を供給する電源回路、各有機EL素子への供給電力を制御する電圧信号を印加する信号回路、一定の間隔ごとに電圧信号を印加する箇所を切り替える走査回路などを有する。制御回路22は、外部装置や受信装置から入力された画像情報を含むデータに応じて、駆動回路21の動作を制御する。
なお、図1では、一例として、駆動回路21がパネル10の周囲に4つ配置されているが、駆動制御部20の構成はこれに限定されるものではなく、駆動回路21の数や位置は適宜変更可能である。また、以下では説明のため、図1に示すように、パネル10上面の長辺に沿った方向をX方向、パネル10上面の短辺に沿った方向をY方向とする。
2.パネル10の構成
(1)平面構成
図2は、パネル10の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。パネル10では、一例として、赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する副画素100R、100G、100Bが行列状に配列されている。副画素100R、100G、100Bは、X方向に交互に並び、X方向に並ぶ一組の副画素100R、100G、100Bが、一つの画素Pを構成している。画素Pでは、階調制御された副画素100R、100G、100Bの発光輝度を組み合わせることにより、フルカラーを表現することが可能である。
また、Y方向においては、副画素100R、副画素100G、副画素100Bのいずれかのみが並ぶことでそれぞれ副画素列CR、副画素列CG、副画素列CBが構成されている。これにより、パネル10全体として画素Pが、X方向及びY方向に沿った行列状に並び、この行列状に並ぶ画素Pの発色を組み合わせることにより、画像表示面に画像が表示される。
副画素100R、100G、100Bには、それぞれ赤色、緑色、青色に発光する有機EL素子が配置されている。副画素100R、100G、100Bの発光色は、有機EL素子の発光色そのものでも良いし、有機EL素子の発光色をカラーフィルタによって補正したものであってもよい。
パネル10では、一例として、ラインバンク方式を採用している。すなわち、副画素列CR、CG、CBを1列ごとに仕切る形状の隔壁105がX方向に間隔をおいて複数配置され、各副画素列CR、CG、CBでは、副画素100R、100G、100Bが、有機発光層を共有している。ただし、各副画素列CR、CG、CBでは、副画素100R、100G、100B同士を絶縁する画素絶縁層104がY方向に間隔をおいて複数配置され、各副画素100R、100G、100Bは、独立して発光することが可能となっている。なお、図2では、画素絶縁層104及び隔壁105は点線で表されているが、これは、画素絶縁層104及び隔壁105が、画像表示面の表面に露出しておらず、画像表示面の内部に配置されていることを示している。
(2)断面構成
図3(a)は、図2の3A−3A線に沿った模式断面図であり、図3(b)は、図2の3B−3B線に沿った模式断面図である。なお、図3(a)では、副画素100G及び副画素100Bの断面構成を中心に、図3(b)では、副画素列CBの断面構成を示しているが、副画素100R及び副画素列CR、CGについても、図3(a)、(b)と同様の構成となっている。また、図3(a)、(b)では、紙面上方向をZ方向としている。
パネル10は、基板101と、基板101の上方に配置され、基板101の上面に沿ったX方向に間隙Gをおいて並ぶ第1下部電極111及び第2下部電極121と、第1下部電極111の上方及び第2下部電極121の上方との間を仕切る形状の隔壁105と、を備える。したがって、X方向は、本実施の形態において第1方向に相当し、以下では第1方向Xと記載する場合がある。また、パネル10は、隔壁105に仕切られた第1下部電極111の上方、第2下部電極121の上方にそれぞれ配置された第1有機発光層113、第2有機発光層123と、第1有機発光層113及び第2有機発光層123の上方に配置された上部電極107と、を備える。
ここで、図3の二点鎖線部を拡大した図4に示すように、隔壁105は、間隙Gの上方にある第1部分105Fと、第1部分105Fの第1方向X両側に隣接し、第1下部電極111の上方又は第2下部電極121の上方にある第2部分105Sと、を有する。なお、図3(a)及び図4に示す破線は、第1部分105Fと、第2部分105Sとの境界を示す。さらに、パネル10では、第1部分105Fの底面105FBの少なくとも一部が、第2部分105Sの底面105SBよりも高い位置にある。
また、パネル10は、その他の構成要素として、基板101と第1部分105Fとの間に、第1下部電極111の膜厚及び第2下部電極121の膜厚よりも大きい膜厚を有する凸状層103を備える。また、パネル10は、基板101の上方に配置され、上面が基板101の上面に沿った形状の層間絶縁層102を備え、第1下部電極111、第2下部電極121及び凸状層103は、層間絶縁層上に配置されている。また、パネル10は、第1下部電極111と第1有機発光層113との間、第2下部電極121と第2有機発光層123との間に、それぞれ配置された第1正孔輸送層112、第2正孔輸送層122と、第1有機発光層113及び第2有機発光層123と上部電極107との間に配置された電子輸送層106と、上部電極107上に配置された薄膜封止層108とを備える。また、パネル10は、図2及び図3(b)に示すように、第1下部電極111同士の間及び第2下部電極121同士の間において、第1方向Xに沿って延伸する形状の画素絶縁層104を備える。
上記において、下部電極、正孔輸送層、有機発光層における第1、第2の付番は、第1方向Xに隣接する電極同士及び層同士を区別するための便宜上のものである。したがって、第1、第2はそれぞれ副画素100G、100Bに一対一対応するものでなく、第1が副画素100Rや100B、第2が副画素100Rや100Gに対応してもよい。また、以下において、第1、第2を区別しない場合、「下部電極111、121」、「正孔輸送層112、122」、「有機発光層113、123」と記載する場合がある。
(3)各部の説明
a.基板101
基板101は、長方形平板状であって、パネル10を支持する支持材の役割を有する。なお、図示は省略するが、基板101上には、TFT(Thin Film Transistor)層が形成されている。
基板101には、例えば、電気絶縁性を有する材料が用いられる。このような材料の具体例としては、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英ガラスなどのガラス材料や、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などの樹脂材料、酸化アルミニウムなどの金属酸化物材料などが挙げられる。また、基板101は、アルミニウムやステンレスなどの金属材料の層上に、電気絶縁性を有する材料の層が積層された多層構造であってもよい。
なお、有機EL素子は一般に水分や酸素などと反応して劣化する場合があるため、基板101の水分透過度は低いことが好ましく、例えばガラス材料や金属材料などを用いることが好ましい。また、基板101に樹脂材料を用いる場合は、樹脂材料の層上に、例えば窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの水分透過度の低い層が積層された多層構造であることが好ましい。
TFT層は、有機EL素子への電力供給を制御する電子回路が配置された層である。TFT層では、半導体の層、導電体の層、電気絶縁体の層などが積層され、TFT素子、コンデンサ素子、配線などの電子回路素子が構成される。また、TFT層の最上部には、例えば、窒化シリコンや酸化アルミニウムなどの電気絶縁性及び低水分透過度を有する材料からなり、TFT層の電子回路素子全体を覆うパッシベーション層が配置される場合がある。
b.層間絶縁層102
層間絶縁層102は、樹脂材料からなり、TFT層を含む基板101上に配置された層であり、TFT層の電子回路素子や、有機EL素子を電気的に絶縁する役割を有する。また、層間絶縁層102は、基板101上のTFT層による凹凸を埋める役割も有し、層間絶縁層102の上面は、基板101の上面に沿って平坦化されている。
層間絶縁層102に用いられる樹脂材料の具体例としては、電気絶縁性を有するパターニング可能な材料、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂などが挙げられる。
c.凸状層103
凸状層103は、層間絶縁層102上に配置された、略四角錐台状の層である。凸状層103の材料としては、例えば、電気絶縁性材料を有する材料が用いられる。このような材料の具体例としては、層間絶縁層102の材料として例示した樹脂材料や、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機材料などが挙げられる。後述するように、層間絶縁層102と、凸状層103とが、同じ樹脂材料からなることが好ましい。
ここで、凸状層103の膜厚は、第1下部電極111の膜厚及び第2下部電極121の膜厚よりも大きい。この膜厚差により、第1下部電極111、第2下部電極121及び凸状層103により構成される隔壁105の下地が、第1部分105Fの下方において、第2部分105Sの下方よりも上方に突出する形状を有する。これにより、パネル10では、底面105FBの少なくとも一部を、底面105SBよりも高くすることができる。
また、隔壁105を形成する前の状態を示す模式斜視図である図5に示すように、凸状層103は、基板101の上面に沿って第1方向Xと交差するY方向に沿って延伸する形状である。ここで、Y方向は、本実施の形態において第2方向に相当し、以下では第2方向Yと記載する場合がある。凸状層103が上記Y方向に沿って延伸する形状であることにより、パネル10では、第2方向Yに渡って、隔壁105の下地が、第1部分105Fの下方において、第2部分105Sの下方よりも上方に突出する。したがって、パネル10では、第2方向Yに渡った隔壁105の横断面において、底面105FBの少なくとも一部を、底面105SBよりも高くすることができる。なお、横断面とは、一方向に延伸する形状において、当該延伸方向に対して垂直となる断面を指す。
d.画素絶縁層104
画素絶縁層104は、電気絶縁性材料からなり、図3(b)に示すように、各副画素列CR、CG、CB内で隣接する第1下部電極111同士又は第2下部電極121同士の端部を覆い、当該下部電極111、121同士を仕切る形状の層である。具体的には、図5に示すように、画素絶縁層104は、下部電極111、121同士の間において、第1方向Xに沿って延伸する形状である。また、画素絶縁層104の膜厚は、第1下部電極111の膜厚及び第2下部電極121の膜厚よりも大きく、凸状層103の膜厚よりも小さい、これにより、各副画素列CR、CG、CBにおける正孔輸送層112、122及び有機発光層113、123は、隔壁105よりも膜厚が小さい画素絶縁層104によっては仕切られず、正孔輸送層112、122及び有機発光層113、123を形成する際のインクの流動が妨げられない。
画素絶縁層104は、上記構造により、隣接する下部電極111、121間の電気絶縁性を向上しつつ、各副画素列CR、CG、CBにおける正孔輸送層112、122、有機発光層113、123の段切れ抑制、下部電極111、121と上部電極107との間の電気絶縁性の向上などの役割を有する。
画素絶縁層104に用いられる電気絶縁性材料の具体例としては、凸状層103の材料として例示した樹脂材料や無機材料などが挙げられる。また、上層となる正孔輸送層112、122を形成する際、インクが濡れ広がりやすいように、画素絶縁層104の表面はインクに対する親液性を有することが好ましい。
e.第1下部電極111、第2下部電極121
下部電極111、121は、基板101の上方において、第1方向X及び第2方向Yからなる行列状に配列された電極であり、有機発光層113、123に正孔を供給する陽極としての役割を有する。具体的には、下部電極111、121は、凸状層103の第1方向X両側に隣接する層間絶縁層102上に配置された複数の長方形平板状の部材である。また、各下部電極111、121は、有機EL素子の位置を規定しており、各副画素100R、100G、100Bと一対一に対応する。なお、図5に示すように、パネル10では、第2方向Yにおいて、第1下部電極111、第2下部電極121が、それぞれ複数並ぶことにより、第1下部電極列111C、第2下部電極列121Cが構成されている。以下、第1下部電極列111Cと第2下部電極列121Cを特に区別しない場合は、下部電極列111C、121Cと記載する場合がある。
なお、下部電極111、121はともに、材料が異なる二つの層を有する構成であり、下層側が金属材料からなる第1金属層111a、第2金属層121a、上層側が金属酸化物材料からなる第1酸化物層111b、第2酸化物層121bとなっている。
第1金属層111a、第2金属層121aに用いられる金属材料の具体例としては、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などが挙げられる。また、当該金属材料は、複数の金属材料を組み合わせた合金材料や、金属・合金材料の積層からなる材料を用いてもよい。
なお、正孔を供給する観点からは、第1金属層111a、第2金属層121aには仕事関数の高い材料を用いることが好ましい。また、トップエミッション型であるパネル10では、第1金属層111a、第2金属層121aは高い光反射性を有することが好ましい。
第1酸化物層111b、第2酸化物層121bに用いられる金属酸化物材料の具体例としては、Ag、Mo、Cr、W、Ni、バナジウム(V)、イリジウム(Ir)などの酸化物などが挙げられる。このような第1酸化物層111b、第2酸化物層121bを有することで、下部電極111、121から有機発光層113、123への正孔の供給(正孔注入)におけるエネルギー障壁が低下し、正孔注入の効率を向上する。すなわち、第1酸化物層111b、第2酸化物層121bは、正孔注入層としての役割を有する。
ただし、下部電極111、121は上記構成に限られず、例えば第1金属層111a、第2金属層121aのみで構成されていてもよいし、さらに異なる機能を有する層を含む構成であってもよい。例えば、第1金属層111aと第1酸化物層111bとの間、第2金属層121aと第2酸化物層121bとの間に、密着性向上や金属材料の酸化防止のために、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)などの透明導電性酸化物材料からなる層を配置してもよい。また、例えば、第1金属層111a、第2金属層121aの下方に、ウェットエッチングによる浸食や、下層への水素の拡散などを抑制するために、酸化タングステンなどの金属酸化物材料からなるバリアメタル層を配置してもよい。
また、第1金属層111a、第2金属層121aの代わりに、ITOやIZOなどの導電性酸化物材料からなる層、黒鉛、カーボンナノチューブなどの導電性炭素材料からなる層を配置してもよい。
f.第1正孔輸送層112、第2正孔輸送層122
正孔輸送層112、122は、下部電極111、121上にそれぞれ配置された層であって、下部電極111、121から供給された正孔の有機発光層113、123への輸送性を向上させる役割を有する。また、正孔輸送層112、122は、湿式法によって隔壁105に仕切られた領域に形成され、図3(b)に示すように、下部電極列111C、121C上及び画素絶縁層104上において、第2方向Yに沿って延伸する形状である。これにより、各副画素列CR、CG、CB内の副画素100R、100G、100Bは、正孔輸送層112、122を共有する。なお、正孔輸送層112、122は、発光効率や駆動電圧などの最適化の観点から、副画素列CR、CG、CBごとに異なる膜厚となっていてもよい。
正孔輸送層112、122の材料としては、例えば正孔の移動度が高い有機材料が用いられる。このような材料の具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)などが挙げられる。また、正孔輸送層112、122は、上記材料と他の材料との混合層であってもよい。さらに、正孔輸送層112、122は、発光効率や駆動電圧などの最適化の観点から、副画素列CR、CG、CBごとに異なる材料を用いてもよい。
g.第1有機発光層113、第2有機発光層123
有機発光層113、123は、有機発光材料を含み、正孔輸送層112、122上にそれぞれ配置された層であって、下部電極111、121及び上部電極107から供給された正孔及び電子の再結合による発光(電界発光現象)が行われる層である。また、有機発光層113、123は、湿式法によって隔壁105に仕切られた領域に形成され、図3(b)に示すように、第1下部電極列111C、第2下部電極列121Cの上方において、第2方向Yに沿って延伸する形状である。これにより、各副画素列CR、CG、CB内の副画素100R、100G、100Bは、有機発光層113、123を共有する。ただし、有機発光層113、123は、下部電極111、121の上方にある部分ごと、すなわち副画素100R、100G、100Bごとの独立発光が可能となっている。なお、有機発光層113、123は、発光効率や駆動電圧などの最適化の観点から、副画素列CR、CG、CBごとに異なる膜厚となっていてもよい。
有機発光層113、123が含む有機発光材料は、低分子材料であっても高分子材料であってもよい。有機発光材料の具体例としては、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物、アザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質(いずれも特開平5−163488号公報に記載)などの公知の蛍光物質、燐光物質が挙げられる。
また、有機発光層113、123は、有機発光材料と他の材料との混合層であってもよい。なお、パネル10では3色塗り分け方式を採用しており、副画素列CR、CG、CBでは、有機発光層113、123が、それぞれ赤色、緑色、青色に発光する有機発光材料を含む。したがって、第1方向Xに隣接する第1有機発光層113と、第2有機発光層123とでは、互いに発光色が異なる。
h.隔壁105
隔壁105は、下部電極111、121及び凸状層103を下地層とする壁状の部材であって、間隙G(凸状層103)ごとに配置される。隔壁105は、湿式法で形成された第1正孔輸送層112と第2正孔輸送層122との間及び第1有機発光層113と第2有機発光層123との間を仕切る形状であって、製造過程におけるインクの第1方向Xへの流出を抑制する役割を有する。また、隔壁105は第1方向Xに隣接する正孔輸送層112、122同士及び有機発光層113、123同士を電気的に絶縁する役割も有する。
さらに、図2に示すように、隔壁105は、第1方向Xに隣接する副画素列CR、CG、CBの間、より具体的には図3(a)に示すように、第1有機発光層113と、第2有機発光層123との間において、第2方向Yに延伸する、いわゆるラインバンク形状である。
隔壁105には、電気絶縁性材料が用いられる。電気絶縁性材料の具体例としては、凸状層103の材料として例示した樹脂材料や無機材料などが挙げられる。なお、樹脂材料を用いる際は、加工性の点から感光性を有することが好ましい。当該感光性は、ネガ型、ポジ型のいずれであってもよいが、ネガ型であることが好ましい。なお、隔壁105は、上記電気絶縁性材料と他の材料との混合層であってもよいし、上記に例示した材料の層を複数積層した多層構造であってもよい。
なお、隔壁105は、有機溶媒や熱に対する耐性を有することが好ましい。また、インクの流出を抑制するために、隔壁105の表面は撥液性を有することが好ましく、例えば、隔壁105に撥液性を有する材料を用いるか、隔壁105に撥液性を付与する表面処理を行うことが好ましい。
ここで、前述の通り、パネル10では、底面105FBの少なくとも一部が、底面105SBよりも高い位置にある。これにより、パネル10では、隔壁105を形成する際の第1部分105Fにおける隔壁105の上面105Tの沈み込みが抑制される。したがって、パネル10は、第1有機発光層113、第2有機発光層123を形成する際にインクが流出しにくい構造を有し、品質が安定する。
また、パネル10では、第2方向Yに渡った隔壁105の横断面において、底面105FBの少なくとも一部が、底面105SBよりも高い位置にある。これにより、第2方向Yに渡って、隔壁105を形成する際の第1部分105Fにおける隔壁105の上面105Tの沈み込みが抑制される。よって、パネル10は、第2方向Yに渡って、第1有機発光層113、第2有機発光層123を形成する際にインクが流出しにくい構造を有し、さらに品質が安定する。
i.電子輸送層106
電子輸送層106は、有機発光層113、123上に配置された層であって、上部電極107から供給された電子の有機発光層113、123への輸送性を向上させる役割を有する。なお、電子輸送層106は、図3(a)、(b)に示すように、隔壁105上にも配置されることにより、各副画素100R、100G、100Bに渡って連続する共有層となっている。
電子輸送層106には、例えば、電子の移動度が高い有機材料が用いられる。このような材料の具体例としては、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)、リンオキサイド誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、シロール誘導体、ジメシチルボロン誘導体、トリアリールボロン誘導体などが挙げられる。また、電子輸送層106は、上記材料と他の材料との混合層であってもよい。
j.上部電極107
上部電極107は、有機発光層113、123の上方、具体的には、電子輸送層106上を覆うように配置された電極であって、有機発光層113、123に電子を供給する陰極としての役割を有する。
上部電極107には、例えば、導電性を有する材料が用いられる。このような材料の例としては、下部電極111、121において例示した材料が挙げられる。なお、電子を供給する観点からは、上部電極107には仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。また、トップエミッション型であるパネル10では、上部電極107は高い光透過率を有することが好ましい。また、下部電極111、121及び上部電極107の両方に光反射性を付与し、共振器構造を形成すれば、出射する光の波長選択性が向上し、各副画素100R、100G、100Bの発光色の色純度を向上させることができる。
k.薄膜封止層108
薄膜封止層108は、上記の各部材が配置された基板101(層間絶縁層102)の上面全体を覆う層であり、各部材を、物理的な衝撃や外気中の水分や酸素などから保護する役割を有する。薄膜封止層108には、例えば、水分透過度の低い材料が用いられる。このような材料の具体例としては、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化炭素、窒化炭素、酸化アルミニウムなどの無機材料が挙げられる。また、トップエミッション型であるパネル10では、薄膜封止層108に、高い光透過性を有し、上部電極107との屈折率の差が小さい材料を用いることが好ましい。
3.パネル10の製造方法
(1)全体工程
以下に、本発明の一態様であるパネル10の製造方法について、全体工程を説明する。図6、図7及び図8は、パネル10の製造方法を示す模式断面図である。なお、図6、図7及び図8に示す断面は図3(a)に示す断面に相当するものである。
a.基板準備
最初に、基板101を準備する。具体的には、電気絶縁性材料を平板状に成形したものを基板101とする。また、この際、基板101上にTFT層及び必要に応じてパッシベーション層を形成する。
具体的には、例えば、まず、基板101上に半導体材料の層、導電体材料の層又は電気絶縁体材料の層を形成する。これらの層の形成方法には、各層の材料に応じて、例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相成長法などの乾式法や、印刷法、スピンコート法、インクジェット法、ディスペンス法、ダイコート法、スリットコート法などの湿式法を用いることができる。
この際、必要に応じてパターニングを行い、上記の層を所定の形状にする。パターニング法としては、例えば、層を形成する際、不要な箇所を覆うメタルマスクやプリントマスクを配置し、必要な箇所にのみ上記の層を形成する方法を用いることができる。また、パターニング法は、ドライエッチング法やウェットエッチング法などと組み合わせ、フォトリソグラフィ法などで、一旦上記の層を形成した後に、不要な箇所のみを除去する方法であってもよい。
また、必要に応じて、形成した層にプラズマ注入、イオン注入、ベーキングなどの処理を行ってもよい。
上記の層の形成を繰り返し、所定の電子回路を構成するように積層構造を形成すればTFT層を形成することができる。さらに、必要に応じて、TFT層を形成した基板101上を覆うようにパッシベーション層を形成してもよい。パッシベーション層の形成には、材料に応じて、上記に例示した乾式法や湿式法などを用いることができる。また、TFT層のTFT素子と下部電極111、121とを電気的に接続するため、パッシベーション層の所定の位置に開口(コンタクトホール)を形成する場合は、上記に例示したパターニング法などを用いることができる。
b.層間絶縁層形成
次に、図6(a)に示すように、樹脂材料を用いて、基板101の上方において、基板101の上面に沿った形状の上面を有する層間絶縁層102を形成する。具体的には、一定の流動性を有する樹脂材料を、例えば、ダイコート法により、基板101の上面に沿って、TFT層(不図示)による基板101上の凹凸を埋めるように塗布する。これにより、層間絶縁層102の上面は、基板101の上面に沿って平坦化した形状となる。また、パッシベーション層と同様に、層間絶縁層102の所定の位置に開口(コンタクトホール)を形成する場合は、上記に例示したパターニング法などを用いることができる。
c.凸状層形成
次に、図6(b)に示すように、層間絶縁層102上に、電気絶縁性材料を用いて、第2方向Yに延伸する形状の凸状層103を形成する。具体的な形成方法は後述する。
d.下部電極形成
次に、図6(c)に示すように、基板101の上方に、基板101の上面に沿った第1方向Xに間隙Gをおいて並べて、第1下部電極111及び第2下部電極121を形成する。これは、凸状層103の第1方向Xの一方側、他方側にそれぞれ隣接する層間絶縁層102上に、第1下部電極111、第2下部電極121を形成すればよい。また、図5に示すように、下部電極111、121を形成する際に、第2方向Yに、第1下部電極111、第2下部電極121を複数並べることにより、第1下部電極列111C、第2下部電極列121Cを形成する。
具体的には、例えば、まず、スパッタリング法で凸状層103を含む層間絶縁層102上に第1金属層111a、第2金属層121aの材料からなる金属薄膜を形成した後に、続けて反応性スパッタリング法で金属薄膜上に、第1酸化物層111b、第2酸化物層121bの材料からなる金属酸化物の薄膜を形成する。この際、成膜条件を調整し、金属薄膜の膜厚と金属酸化物の薄膜の膜厚との合計が、凸状層103の膜厚よりも小さくなるようにする。次に、金属酸化物の薄膜上にフォトレジスト材料を塗布した後に、フォトリソグラフィ法でフォトレジスト材料をパターニングし、凸状層103の第1方向X両側の副画素100R、100G、100Bに対応する部分にある金属酸化物の薄膜上にのみフォトレジスト材料を残す。次に、ドライエッチング法、ウェットエッチング法をこの順に続けて用い、フォトレジスト材料が配置されていない金属酸化物の薄膜、金属薄膜を連続してエッチングする。最後に、適切な洗浄液を用いて洗浄を行い、フォトレジスト材料及びエッチングなどで発生した残渣などを除去する。以上により、第1金属層111a、第2金属層121a及び第1酸化物層111b、第2酸化物層121bを積層した第1下部電極111、第2下部電極121を所定の位置に形成でき、第1下部電極列111C、第2下部電極列121Cを形成することができる。
ここで、上記のように金属酸化物の薄膜及び金属薄膜を連続してエッチングすることで、製造プロセスを効率化することができる。また、同一のフォトレジストを用いて、両薄膜をパターニングすることにより、第1下部電極111及び第2下部電極121の形成精度が向上する。
また、第1金属層111a、第2金属層121aの下方にバリアメタル層を配置する場合は、上記において、金属薄膜の形成前に金属酸化物の薄膜を形成しておき、金属薄膜をウェットエッチングした後に、さらに金属酸化物の薄膜をドライエッチングすればよい。また、下部電極111、121の形成は、金属酸化物の薄膜及び金属薄膜を連続してエッチングする方法に限定されず、第1金属層111a及び第2金属層121aを形成した後に、第1酸化物層111b、第2酸化物層121bを形成してもよい。
本製造方法では、第1下部電極111、第2下部電極121を、凸状層103よりも小さい膜厚で形成する。これにより、隔壁105を形成する前に、隔壁105の下地として、下部電極111、121と、下部電極111、121よりも膜厚が大きい凸状層103と、を形成できる。すなわち、隔壁105の下地が、間隙Gに対応する位置で上方に突出する形状となる。なお、下部電極111、121の膜厚及び凸状層103の膜厚は、パネル10の仕様・形状などに応じて適宜定めればよいが、例えば、下部電極111、121の膜厚が250nmの場合に、凸状層103の膜厚を500nmから1000nmとすることができる。
e.画素絶縁層形成
次に、図7(a)に示すように、第1下部電極111同士の間及び第2下部電極121同士の間において、第1方向Xに延伸する形状であって、下部電極111、121の膜厚よりも大きく、凸状層103の膜厚よりも小さい膜厚で、画素絶縁層104を形成する。なお、画素絶縁層104は、図7(a)において断面を示す位置には形成されず、当該断面の紙面奥側に形成されるため、図7(a)では、ハッチングを付さない画素絶縁層104により、当該断面の紙面奥側に形成される画素絶縁層104の表面を示している。これは図7(b)も同様である。
具体的な画素絶縁層104の形成方法としては、例えば、まず、ダイコート法により、下部電極111、121までを形成した基板101の上面に、樹脂材料を、下部電極111、121の膜厚よりも大きく、凸状層103の膜厚よりも小さい膜厚で塗布する。そして、フォトリソグラフィ法を用いて、第1下部電極111同士の間、第2下部電極121同士の間において、第1方向Xに延伸する形状に樹脂材料をパターニングすることにより、画素絶縁層104を形成することができる。
f.隔壁形成
次に、図7(b)に示すように、電気絶縁性材料を用いて、第1下部電極111の上方と第2下部電極121の上方との間を仕切る形状の隔壁105を形成する。なお、この際、図4に示すように、隔壁105を、間隙Gの上方にある第1部分105Fと、第1部分105Fの第1方向X両側に隣接し、第1下部電極111の上方又は第2下部電極121の上方にある第2部分105Sと、を有する形状に形成する。
具体的な隔壁105の形成方法としては、まず、ダイコート法により、画素絶縁層104までを形成した基板101の上面に、フッ素系化合物などの撥液性成分を含んだ樹脂材料を、凸状層103(凸状層103上の画素絶縁層104)の上面を覆う膜厚で塗布する。そして、フォトリソグラフィ法を用いて、間隙Gの上方と、隣接する第1下部電極111、第2下部電極121の端部同士の上方と、にある樹脂材料を残すよう、間隙Gの上方において第2方向Yに沿って延伸する形状に、樹脂材料をパターニングする。
さらに、パターニング後、熱風乾燥炉、ホットプレート、赤外線ランプなどにより、樹脂材料を焼成することにより、隔壁105を形成することができる。焼成の温度、時間などは樹脂材料に応じて適宜設定すればよいが、例えば、150〜250℃、30〜120分とすることができる。焼成により、下地層との密着性が向上するとともに、膜密度が増加し、強度及び有機溶媒耐性の向上した隔壁105を形成することができる。また、焼成により、隔壁105の表面側に撥液性成分が移動し、表面における撥液性に優れた隔壁105を形成することができる。また、焼成により、現像後に残った残渣を除去でき、上層の形成精度、形成品質を向上させることができる。なお、焼成後の基板101の上面全体に紫外線を照射すれば、不要な撥液性成分を分解でき、さらに上層の形成精度、形成品質を向上させることができる。
ここで、本製造方法では、前述のように、隔壁105を形成する前に、隔壁105の下地を間隙Gに対応する位置で上方に突出する形状に形成することにより、底面105FBの少なくとも一部を、第2部分105Sの底面105SBよりも高い位置に形成する。これにより、本製造方法では、隔壁105形成の際の焼成により、収縮が発生しても第1部分105Fにおける隔壁105の上面の沈み込みを抑制することができる。
なお、隔壁105に無機材料を用いる場合は、例えば、酸化シリコン膜を真空蒸着法などにより成膜すればよい。この際、フォトリソグラフィ法やメタルマスクを用いて、間隙Gの上方と、隣接する第1下部電極111、第2下部電極121の端部同士の上方とにある樹脂材料を残すよう、間隙Gの上方において第2方向Yに沿って延伸する形状に、樹脂材料をパターニングすれば隔壁105を形成することができる。
この場合も、本製造方法では、底面105FBの少なくとも一部を、第2部分105Sの底面105SBよりも高い位置に形成しているため、隔壁105が、下地の凹凸を反映した形状となっても、第1部分105Fにおける隔壁105の上面の沈み込みを抑制することができる。
g.正孔輸送層形成
次に、図7(c)に示すように、隔壁105に仕切られた第1下部電極111上、第2下部電極121上のそれぞれに、第1正孔輸送層112、第2正孔輸送層122を形成する。また、この際、図3(b)に示すように、正孔輸送層112、122を、下部電極列111C、121C上において第2方向Yに沿って延伸する形状に形成する。具体的な正孔輸送層112、122の形成方法は、後述する有機発光層113、123と同様にすればよい。
h.有機発光層形成
次に、湿式法を用いて、隔壁105に仕切られた第1下部電極111の上方、第2下部電極121の上方のそれぞれに、第1有機発光層113、第2有機発光層123を形成する。また、この際、図3(b)に示すように第1有機発光層113、第2有機発光層123を、それぞれ第1下部電極列111C、第2下部電極列121Cの上方において第2方向Yに沿って延伸する形状に形成する。
具体的には、まず図8(a)に示すように、例えばインクジェット法により、発光色が異なる有機発光材料を含むインク113i、123iを、隔壁105に仕切られた第1正孔輸送層112上、第2正孔輸送層122上に塗布する。また、この際、インク113i、123iは第1下部電極111同士の間及び第2下部電極121同士の間にある画素絶縁層104の上方においても連続するように塗布する。これにより、第2方向Yに沿ってインク113i、123iが流動可能となり、インク113i、123iの塗布むらを低減することができる。
ここで、前述のように、本製造方法で形成した隔壁105は、図4に示すように、上面の沈み込みが抑制されており、インク113i、123iが隔壁105を越えて流出しにくくなっている。これにより、本製造方法では、有機発光層113、123の形成精度が向上し、パネル10の品質が安定する。
そして、図8(b)に示すように、インク113i、123i塗布後の基板101を真空チャンバーなどの真空環境に置きながら加熱することにより、インク113i、123i中の有機溶媒を蒸発させる。これにより、有機発光層113、123を形成できる。
i.電子輸送層及び上部電極形成
次に、図8(c)に示すように、第1有機発光層113及び第2有機発光層123の上方に、電子輸送層106及び上部電極107を形成する。具体的には、例えば電子輸送層106及び上部電極107の材料に応じた乾式法により、有機発光層113、123までを形成した基板101上の全面に、電子輸送層106及び上部電極107を形成する。
j.薄膜封止層形成
最後に、図3(a)、(b)に示すように、上部電極107までを形成した基板101の上面を覆うように、薄膜封止層108を形成する。具体的には、反応性スパッタリング法を用いて、上部電極107までを形成した基板101の上面に渡って、無機材料の薄膜を形成すればよい。
上記a.からj.までの方法により、図3(a)、(b)に示す断面構成を有するパネル10を製造することができる。ただし、上記の方法は、あくまで例示であり、各部材の形成方法においては、他の乾式法、湿式法、パターニング法、乾燥法などを適宜用いてもよい。
(2)凸状層103の形成方法
以下に、凸状層103の形成方法の詳細を説明する。図9は、パネル10の凸状層の形成方法を示す模式断面図である。
a.樹脂材料塗布
まず、図9(a)に示すように、下部電極111、121を形成する前に、層間絶縁層102上に、樹脂材料103rを塗布する。具体的な塗布方法は、例えばスリットコート法などの上記に例示した湿式法を用いることができる。また、塗布後には、例えば、真空乾燥及び60℃〜120℃程度の低温加熱乾燥(プリベーク)などを行って不要な溶媒を除去するとともに、樹脂材料103rを層間絶縁層102に定着させることが好ましい。
なお、この際、樹脂材料103rは、層間絶縁層102に用いた樹脂材料と同じであることが好ましい。これにより、凸状層103の形成において、層間絶縁層102の形成における材料、設備、技術などを流用でき、凸状層103の追加による製造効率の低下を抑制することができる。
b.露光
次に、図9(b)に示すように、フォトマスクPM1を介して樹脂材料103rを露光する。具体的には、露光機などを用いて、樹脂材料103rを塗布した基板101の上方にフォトマスクPM1を配置し、フォトマスクPM1の上方から樹脂材料103rに対して光L0を照射する。
光L0には、通常ghi混合線(436nm、405nm、365nm)を用いるが、例えばg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)、エキシマレーザ、EUV、X線などを用いてもよい。用いる光L0は、樹脂材料103rの種類及び凸状層103の線幅に応じて設定する。また、光L0の露光量も樹脂材料103rの種類に応じて適宜設定するが、例えば、100mJ/cm2〜500mJ/cm2とすることができる。
フォトマスクPM1は、光L0を遮断する遮光部SHと、光L0を透過する透光部TRとを有している。図9(b)に示すように、例えば樹脂材料103rがポジ型の感光性を有する場合は、樹脂材料103rを残す箇所の上方を遮光部SH、除去する箇所の上方を透光部TRとする。具体的には、フォトマスクPM1において、第2方向Yに延伸する形状の遮光部SHを第1方向Xに間隔をあけて複数配置し、遮光部SH同士の間を透光部TRとすればよい。なお、この際、透光部TRの下方が下部電極111、121の形成領域に対応し、遮光部SHの下方が間隙Gとなる。
フォトマスクPM1を介して露光することにより、光L0は透光部TRのみを通過して、透光部TRの下方にある樹脂材料103rに到達する。そして、光L0によって、感光した樹脂材料103rの部分では、現像液に対する溶解性が増加する。
c.現像
次に、図9(c)に示すように、現像を行い、樹脂材料103rの感光領域を除去することにより、凸状層103を形成する。具体的な現像方法としては、例えば、露光後の基板101を、感光した樹脂材料103rを溶解させる有機溶媒やアルカリ液などの現像液に浸した後、純水などのリンス液で基板101を洗浄すればよい。これにより、層間絶縁層102上に、第2方向Yに延伸する形状の凸状層103を形成することができる。なお、凸状層103の密度向上や層間絶縁層102との密着性向上、残渣の除去などを目的として、現像後の凸状層103を焼成してもよい。具体的には、現像後の凸状層103を、ホットプレート、熱風乾燥炉、赤外線ランプなどで加熱すればよい。焼成温度及び焼成時間は樹脂材料103rに応じて適宜設定され、例えば、150〜250℃、30〜120分とすることができる。
4.備考
パネル10では、隔壁105において、底面105FBの少なくとも一部が、底面105SBよりも高い位置にあればよい。これにより、少なくとも底面105SBよりも高い位置にある底面105FBの部分で、上面105Tの沈み込みを抑制できる。なお、これにより、隔壁105の上面105Tにおいて凹凸が減少することで、電子輸送層106や上部電極107などの上層において膜のクラックの発生を低減することもできる。
また、パネル10では、有機発光層113、123だけでなく、正孔輸送層112、122も湿式法で形成される。よって、隔壁105の上面105Tの沈み込みが抑制されることにより、正孔輸送層112、122の形成時においてもインクが流出しにくく、正孔輸送層112、122の形成精度が向上し、よりパネル10の品質は安定する。
また、パネル10では、第1部分105Fの第1方向X中央部における底面105FBが、底面105SBよりも高い位置にあることが好ましい。凸状層103が無い場合、下部電極111、121の中間となる第1方向X中央部において、隔壁105の上面105Tの沈み込みが最も大きくなる。よって、最も上面が沈み込みやすい第1方向X中央部における底面105FBが、底面105SBよりも高い位置にあることにより、上面105Tの沈み込みをより効果的に抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の一態様として、パネル10及びパネル10の製造方法の実施の形態について説明したが、本発明は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の説明に何ら限定を受けるものではない。以下では、本発明の他の態様例である変形例を説明する。なお、以下において、上記説明に記載されたものと同じものについては、同じ符号を付して説明を簡略化又は省略する。
(1)層間絶縁層と凸状層の一体化
実施の形態では、層間絶縁層102と凸状層103とが異なる層であったが、層間絶縁層と凸状層とが単一の層であってもよい。図10は、変形例に係る層間絶縁層202を示す模式断面図である。層間絶縁層202は、樹脂材料からなり、基板101の上方において、基板101の上面に沿って配置された層である。また、層間絶縁層202は、基板101の上面に沿った形状の上面を有し、下部電極111、121を配置する平坦部202bと、間隙Gに対応する平坦部202b上において、下部電極111、121の各上面よりも上方に突出する凸状部202aと、を有する。
このとき、凸状部202aを有する層間絶縁層202により構成される隔壁105の下地は、第1部分105Fの下方において、第2部分105Sの下方よりも上方に突出する形状を有する。これにより、層間絶縁層202を備えるパネル10でも、底面105FBの少なくとも一部を、底面105SBよりも高くすることができる。
なお、層間絶縁層202の形成方法としては、例えば、以下のようにすることができる。図11は層間絶縁層202の形成方法を示す模式断面図である。まず、図11(a)に示すように、下部電極111、121を形成する前に、基板101上に、上面が基板101の上面に沿った形状となるように樹脂材料202rを塗布する。例えば、TFT層の凹凸に対して、一桁大きいなど十分大きな膜厚で樹脂材料202rを塗布すればよい。樹脂材料202rは、樹脂材料103rと同じ材料であり、ポジ型の感光性を有する。
次に、図11(b)に示すように、ハーフトーンマスクPM2を用いたフォトリソグラフィ法により、樹脂材料202rの一部を半感光させる。具体的には、例えば、フォトマスクPM1の透光部TRを、半透光部HTRに置き換えたハーフトーンマスクPM2を介して、樹脂材料202rを露光すればよい。これにより、露光時の光L0は、半透光部HTRによって減衰され、半透光部HTRの下方にある樹脂材料202rを半感光させることができる。なお、半感光させた樹脂材料202rの部分では、膜厚方向(図11(b)のZ方向)の上方部分のみが感光して現像液に対する溶解性が増加するが、膜厚方向の下方部分は感光せず、現像液に溶解しない。
次に図11(c)に示すように、半感光させた樹脂材料202rを現像する。これにより、半感光させた部分では、膜厚方向の上方部分のみが除去され、膜厚を小さくすることができる。したがって、基板101の上面に沿った形状の上面を有する平坦部202bと、平坦部202b上において上方に突出する凸状部202aと、を有する層間絶縁層202を形成することができる。
また、層間絶縁層202の形成方法は、例えば、以下のようにしてもよい。図12は層間絶縁層202の形成方法を示す模式断面図である。まず、図12(a)に示すように、 下部電極111、121を形成する前に、基板101上に、上面が基板101の上面に沿った形状となるように樹脂材料202rを塗布する。
次に、図12(b)に示すように、ドライエッチング法を用いたフォトリソグラフィ法により、樹脂材料の一部の膜厚を小さくする。具体的には、まずフォトリソグラフィ法を用いて、凸状部202aを形成する部分にのみ、フォトレジストPRを配置する。なお、この際、フォトレジストPRの材料は樹脂材料202rと同じくポジ型の感光性を有することが好ましく、これにより、凸状部202aを形成する部分を感光させてしまう可能性を低減できる。そして、例えばプラズマ化した四フッ化炭素(CF4)と酸素との混合ガスEGにより、フォトレジストPRが配置されていない部分の樹脂材料202rの上部を除去すればよい。
次に、図11(c)に示すように、剥離液などを用いてフォトレジストPRを基板101から剥離すれば、上記平坦部202bと、凸状部202aと、を有する層間絶縁層202を形成することができる。
また、その後のパネル10の製造方法としては、下部電極111、121を形成する際に、凸状部202aの第1方向X一方側、他方側にそれぞれ隣接する平坦部202b上に、凸状部202aと平坦部202bとの膜厚差よりも小さい膜厚で、第1下部電極111、前記第2下部電極121をそれぞれ形成すればよく、以降は実施の形態と同様である。
(2)層間絶縁層と凸状層の積層・形成順
実施の形態では、層間絶縁層102、凸状層103の順に形成することで、同順にこれらを積層した構成であったが、積層順、形成順は逆であってもよい。図13は、変形例に係る層間絶縁層302を示す模式断面図である。本変形例では、凸状層103が、基板101と、第1部分105Fとの間において、基板101の直上に配置される。
層間絶縁層302は、樹脂材料からなり、基板101及び凸状層103の上方に配置され、上面が基板101の上面及び凸状層103の上面に沿った形状となっている。また、下部電極111、121は、層間絶縁層302上に配置されている。
ここで、凸状層103の膜厚は、下部電極111、121の膜厚よりも大きいこと、層間絶縁層302は、基板101の上面及び凸状層103の上面に沿った形状の上面を有する。これにより、隔壁105の下地である層間絶縁層302は、第1部分105Fの下方において、第2部分105Sの下方よりも上方に突出する形状を有する。したがって、層間絶縁層302を備えたパネル10であっても、底面105FBの少なくとも一部を、底面105SBよりも高くすることができる。
なお、層間絶縁層302の形成方法としては、例えば、下部電極111、121を形成する前に、樹脂材料を用いて、基板101の上方において、第2方向Yに延伸する形状の凸状層103を形成し、凸状層103と同じ樹脂材料を用いて、基板101及び凸状層103の上方において、基板101の上面及び凸状層103の上面に沿った形状の上面を有する層間絶縁層302を形成すればよい。これは、例えば、凸状層103の膜厚に対して、同程度のオーダーの膜厚で層間絶縁層302を形成すればよい。なお、凸状層103の膜厚及び層間絶縁層302の膜厚は、パネル10の仕様・形状などに応じて適宜定めればよいが、例えば、凸状層103の膜厚が0.5μmから1μmの場合に、層間絶縁層302の膜厚を3μmから5μmとすることができる。具体的な凸状層103、層間絶縁層302の形成方法は、前述の層間絶縁層102、凸状層103の形成方法と同様にすればよい。
また、その後のパネル10の製造方法としては、下部電極111、121を形成する際に、凸状層103の第1方向X一方側、他方側にそれぞれ隣接する層間絶縁層302上に、凸状層103よりも小さい膜厚で、第1下部電極111、第2下部電極121をそれぞれ形成すればよく、以降は実施の形態と同様である。
(3)凸状層と下部電極との積層・形成順
実施の形態では、凸状層103、下部電極111、121の順に形成することで、同順にこれらを積層した構成であったが、積層順、形成順は逆であってもよい。図14は、変形例に係る凸状層403を示す模式斜視図である。なお、図14は、図5と同じく、隔壁105を形成する前の状態を示しており、本変形例では、隔壁105以降の層については実施の形態と同じである。
凸状層403は、凸状層103と同様に、電気絶縁性材料からなり、基板101と第1部分105Fとの間に配置され、第2方向Yに沿って延伸する形状であり、凸状層403の膜厚は、下部電極111、121の膜厚及び画素絶縁層104の膜厚よりも大きい。また、凸状層403は、画素絶縁層104と同一の層であり、下部電極111、121よりも後に積層され、隣接する第1下部電極111の端部及び第2下部電極121の端部を覆うように配置されている。
ここで、凸状層403の膜厚は、下部電極111、121の膜厚よりも大きいことから 下部電極111、121及び凸状層403により構成される隔壁105の下地は、第1部分105Fの下方において、第2部分105Sの下方(下部電極111、121上)よりも上方に突出する形状を有する。したがって、凸状層403を備えたパネル10であっても、底面105FBの少なくとも一部を、底面105SBよりも高くすることができる。
なお、凸状層403の形成方法としては、例えば、まず、隔壁105を形成する前に、電気絶縁性材料を用いて、下部電極列111C、121Cを形成した基板101の上面に、下部電極111、121よりも膜厚が大きい絶縁層を形成する。次に、フォトリソグラフィ法により、下部電極111、121の上方の絶縁層を除去するとともに、第1下部電極列111Cと第2下部電極列121Cとの間において、第2方向Yに延伸する形状の凸状層403と、第1下部電極111同士の間及び前記第2下部電極121同士の間において、第1方向Xに延伸する形状であって、凸状層403よりも膜厚が小さい画素絶縁層104と、を形成すればよい。なお、画素絶縁層104の膜厚を凸状層403の膜厚よりも小さく形成するには、フォトリソグラフィ法において、ハーフトーンマスクを用いればよい。具体的な方法としては、図11に示した層間絶縁層202の形成方法と同様にすればよい。
上記のように、凸状層403と、画素絶縁層104と、が単一の層を構成することにより、凸状層403を、画素絶縁層104と同時に形成でき、凸状層403の追加による製造効率の低下を抑制することができる。
(4)隔壁の下地層
実施の形態では、隔壁105の下地層が、凸状層103、画素絶縁層104及び下部電極111、121であったが、当該下地層はこれに限られない。図15は変形例に係る正孔注入層509を示す模式断面図である。本変形例では、実施の形態の第1金属層111a、第2金属層121aにそれぞれ相当する第1下部電極511、第2下部電極521と、実施の形態の第1酸化物層111b及び第2酸化物層121bの代替部材である正孔注入層509と、を備える。これにより、本変形例では、隔壁105の下地が、正孔注入層509となっている。
正孔注入層509は、第1酸化物層111b及び第2酸化物層121bと同じ材料、機能を有するが、いわゆるベタ膜となっており、凸状層103上、第1下部電極511上及び第2下部電極521上の全面に渡って配置されている。
また、正孔注入層509の膜厚は十分小さく(例えば、第1下部電極511、第2下部電極521の膜厚及び凸状層の膜厚が数百nmから数μmであるとき、正孔注入層509の膜厚は数十nm程度)、凸状層103の上面、第1下部電極511の上面及び第2下部電極521の上面により構成される凹凸を反映した形状となる。つまり、隔壁105の下地は、第1部分105Fの下方において、第2部分105Sの下方よりも上方に突出する形状を有する。したがって、正孔注入層509を備えたパネル10であっても、底面105FBの少なくとも一部を、底面105SBよりも高くすることができる。
また、正孔注入層509の形成方法としては、例えば、まず実施の形態の下部電極111、121の形成方法において、金属薄膜のみを成膜し、これをパターニングすることにより第1下部電極511及び第2下部電極521を形成する。次に、実施の形態と同様の方法で、金属酸化物の薄膜を成膜すれば、これを正孔注入層509とすることができる。
なお、図15に示すように、第1下部電極511、第2下部電極521は、凸状層103の斜面上にも配置されていてもよい。この場合であっても、凸状層103によって第1下部電極511と、第2下部電極521との間の電気絶縁性は確保される。また、このような形状を許容することで、第1下部電極511及び第2下部電極521のパターニング面積の公差範囲を大きくでき、アライメント精度に余裕を持たせることができる。
(5)その他
パネル10では、第1有機発光層113の発光色と、第2有機発光層123の発光色とが異なったが、これに限られず、第1有機発光層113の発光色と、第2有機発光層123の発光色とが同じであってもよい。具体的には、例えば、色変調方式やカラーフィルタ方式の有機EL表示パネルのように、第1有機発光層、第2有機発光層を含むすべての有機発光層の発光色が白色であってもよい。また、例えば、隔壁が各下部電極の上方を1つずつ仕切る格子状の形状(ピクセルバンク)であって、同じ発光色の副画素同士の間隙(パネル10のY方向に並ぶ下部電極同士の間隙)に凸状層103に相当する部材が配置されていてもよい。すなわち、パネル10の図3(b)のように同一発光色の副画素が並ぶ副画素列に沿った断面形状も、図3(a)に示す構造であってもよい。上記のように、第1有機発光層の発光色と、第2有機発光層の発光色とが同じであったとしても、その間を仕切る隔壁の第1部分における上面の沈み込みを抑制することで、インクの隔壁を越えた流出を抑制でき、有機発光層の膜厚形成精度を向上できる。
なお、パネル10のように、第1有機発光層113の発光色と、第2有機発光層123の発光色とが異なる場合は、膜厚形成精度の低下だけでなく、異なる有機発光材料を含むインクの混合(混色)の発生も抑制できる。すなわち、画素Pの発色不良などのパネル10の品質低下も抑制できる。
また、図5では、画素絶縁層104が、凸状層103上にも配置されたが、これに限られず、画素絶縁層104が、凸状層103同士の間にのみ配置されていてもよい。
また、パネル10では、図2に示すように、画素絶縁層104の延伸方向がパネル10の長軸(X)方向、隔壁105の延伸方向がパネル10の短軸(Y)方向であったが、画素絶縁層及び隔壁の延伸方向は、逆であってもよい。また、画素絶縁層及び隔壁の延伸方向は、パネル10の形状とは無関係な方向であってもよい。さらに、画素絶縁層と隔壁とは交差する関係にあればよく、90°以外の角度で交わってもよい。また、この場合、副画素列CR、CG、CBの配列方向は、隔壁の延伸方向と平行にすればよい。
また、パネル10では、第1酸化物層111b、第2酸化物層121b及び正孔注入層509の正孔注入機能を有する層の材料は、金属酸化物材料であったが、これに限られず、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの有機材料であってもよい。この場合、正孔注入層を湿式法で形成してもよい。
また、パネル10では、正孔輸送層112、122が湿式法で形成されていたが、これに限られず、乾式法で形成されていてもよい。また、乾式法で形成する場合は、正孔注入層509のように、隔壁105を越えて連続する層であってもよい。
また、パネル10では、電子輸送層106及び上部電極107が、隔壁105を越えて連続する層であったが、例えば、湿式法を用いるなどにより、副画素列CR,CG、CBごとに独立して配置されていてもよい。また、例えば、有機EL素子を構成する電極及び各機能層が、副画素100R、100G、100Bごとに独立して配置されていてもよい。
また、パネル10では、一例として画像表示面を長方形状としたが、画像表示面の形状に限定はなく、例えば、三角形、正方形、五角形などの多角形、円形、楕円形、またはこれらを組み合わせた形状であってもよい。なお、画像表示面における画像表示領域(副画素100R、100G、100Bの配置範囲)は、画像表示面に合わせた形状としてもよいし、異なる形状、例えば長方形状の画像表示面に対して画像表示領域が楕円形などであってもよい。さらに、基板の形状は、画像表示面の形状に対応した形状であってもよいし、画像表示面以外の面の形状が、画像表示面と異なる形状であってもよい。
また、パネル10では、下部電極111、121を長方形平板状の部材としたが、これに限られず、多角形平板状、円形平板状、楕円形平板状、これらの組み合わせなどであってもよい。また、下部電極111、121は、層間絶縁層102のコンタクトホールの形状に沿って凹部を有していてもよい。
また、パネル10では、赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する副画素100R、100G、100Bが配列されていたが、副画素の発光色はこれに限られず、例えば赤1色や、赤色、緑色、青色及び黄色の4色であってもよい。また、一つの画素Pにおいて、副画素は1色あたり1個に限られず、複数配置されてもよい。また、画素Pにおける副画素の配列は、図2に示すような、赤色、緑色、青色の順番に限られず、これらを入れ替えた順番であってもよい。
また、パネル10では、下部電極111、121を陽極、上部電極107を陰極としたが、これに限られず、下部電極を陰極、上部電極を陽極とする逆構造であってもよい。この場合、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層などの積層順も適宜修正される。
また、図2では、隔壁105同士の間には、副画素100R、100G、100Bのみが配列されていたが、この他に、上部電極107が有する抵抗成分による電圧降下の影響を低減するためのバスバー(補助電極)を配置してもよい。
また、パネル10が備える積層構成は、一例であって、この他に電子注入層、阻止層、バッファ層などが積層された構成であってもよい。また、上記の各層の一部が省略されていてもよい。また、電子注入輸送層のように、物理的に一つの層が、複数の機能を有していてもよい。また、各部材の保護材として、薄膜封止層108の上方に、ガラス材料などからなる封止板を配置してもよい。このとき、薄膜封止層108と封止板との間に、例えば硬化性樹脂材料などを充填すれば、薄膜封止層108と封止板との密着性が向上する。また、封止板の副画素100R、100G、100Bに対応する位置に、カラーフィルタを配置し、発光色を補正してもよい。また、封止板の副画素100R、100G、100B同士の間に対応する位置や、封止板の周縁領域にブラックマトリクスを配置し、外光の反射抑制、コントラスト向上などを図ってもよい。
また、パネル10では、トップエミッション型及びアクティブマトリクス方式を採用したが、これに限られず、例えばボトムエミッション型や、パッシブマトリクス方式を採用してもよい。
本発明に係る有機EL表示パネル及び有機EL表示パネルの製造方法は、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイなど様々な電子機器に用いられる表示パネルの製造方法として広く利用することができる。
10 有機EL表示パネル
101、901 基板
102、202、302、902 層間絶縁層
103、403 凸状層
104 画素絶縁層
105、905 隔壁
105F 第1部分
105FB、105SB 底面
105S 第2部分
107 上部電極
111、511、911 第1下部電極
111C 第1下部電極列
113 第1有機発光層
121、521、921 第2下部電極
121C 第2下部電極列
123 第2有機発光層
202a 凸状部
202b 平坦部
G 間隙
X 第1方向
Y 第2方向

Claims (19)

  1. 基板と、
    前記基板の上方に配置され、前記基板の上面に沿った第1方向に間隙をおいて並ぶ第1下部電極及び第2下部電極と、
    前記間隙の上方にある第1部分と、前記第1部分の前記第1方向両側に隣接し、前記第1下部電極の上方又は前記第2下部電極の上方にある第2部分と、を有し、前記第1下部電極の上方と前記第2下部電極の上方との間を仕切る形状であって、電気絶縁性材料からなる隔壁と、
    前記隔壁に仕切られた前記第1下部電極の上方、前記第2下部電極の上方にそれぞれ配置された第1有機発光層、第2有機発光層と、
    前記第1有機発光層及び前記第2有機発光層の上方に配置された上部電極と、
    を備え、
    前記第1部分の底面の少なくとも一部が、前記第2部分の底面よりも高い位置にある、
    有機EL表示パネル。
  2. 前記第1部分の前記第1方向中央部における底面が、前記第2部分の底面よりも高い位置にある、
    請求項1の有機EL表示パネル。
  3. さらに、電気絶縁性材料からなり、前記基板と、前記第1部分との間に、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも大きい膜厚を有する凸状層を備える、
    請求項1の有機EL表示パネル。
  4. さらに、樹脂材料からなり、前記基板の上方に配置され、上面が前記基板の上面に沿った形状の層間絶縁層を備え、
    前記凸状層が、前記樹脂材料からなり、
    前記第1下部電極、前記第2下部電極及び前記凸状層が、前記層間絶縁層上に配置されている、
    請求項3の有機EL表示パネル。
  5. さらに、樹脂材料からなり、前記基板及び前記凸状層の上方に配置され、上面が前記基板の上面及び前記凸状層の上面に沿った形状の層間絶縁層を備え、
    前記凸状層が、前記樹脂材料からなり、
    前記第1下部電極、前記第2下部電極が、前記層間絶縁層上に配置されている、
    請求項3の有機EL表示パネル。
  6. さらに、樹脂材料からなり、前記基板の上方において、前記基板の上面に沿って配置された層間絶縁層を備え、
    前記層間絶縁層が、前記基板の上面に沿った形状の上面を有し、前記第1下部電極及び前記第2下部電極を配置する平坦部と、前記間隙に対応する前記平坦部上において、前記第1下部電極の上面及び前記第2下部電極の上面よりも上方に突出する凸状部と、を有する、
    請求項1の有機EL表示パネル。
  7. 前記基板の上面に沿って前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1下部電極、前記第2下部電極が、それぞれ複数並ぶことにより、第1下部電極列、第2下部電極列が構成され、
    前記第1有機発光層、前記第2有機発光層が、それぞれ前記第1下部電極列、前記第2下部電極列の上方において、前記第2方向に沿って延伸する形状であり、
    前記隔壁が、前記第1有機発光層と前記第2有機発光層との間において、前記第2方向に沿って延伸する形状であり、
    前記第2方向に渡った前記隔壁の横断面において、前記第1部分の底面の少なくとも一部が、前記第2部分の底面よりも高い位置にある、
    請求項1の有機EL表示パネル。
  8. さらに、電気絶縁性材料からなり、前記基板と前記第1部分との間に配置され、前記第2方向に沿って延伸する形状の凸状層を備え、
    前記凸状層の膜厚が、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも大きい、
    請求項7の有機EL表示パネル。
  9. さらに、電気絶縁性材料からなり、前記第1下部電極同士の間及び前記第2下部電極同士の間において、前記第1方向に沿って延伸する形状の画素絶縁層を備え、
    前記画素絶縁層の膜厚が、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも大きく、前記凸状層の膜厚よりも小さい、
    請求項8の有機EL表示パネル。
  10. 前記凸状層と、前記画素絶縁層と、が単一の層を構成する、
    請求項9の有機EL表示パネル。
  11. 前記第1有機発光層の発光色と、前記第2有機発光層の発光色と、が異なる、
    請求項1の有機EL表示パネル。
  12. 基板を準備し、
    前記基板の上方に、前記基板の上面に沿った第1方向に間隙をおいて第1下部電極及び第2下部電極を並べて形成し、
    電気絶縁性材料を用いて、前記間隙の上方にある第1部分と、前記第1部分の前記第1方向両側に隣接し、前記第1下部電極の上方又は前記第2下部電極の上方にある第2部分と、を有し、前記第1下部電極の上方と前記第2下部電極の上方との間を仕切る形状の隔壁を形成し、
    湿式法を用いて、前記隔壁に仕切られた前記第1下部電極の上方、前記第2下部電極の上方に第1有機発光層、第2有機発光層をそれぞれ形成し、
    前記第1有機発光層及び前記第2有機発光層の上方に上部電極を形成する、
    有機EL表示パネルの製造方法であって、
    前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する、
    有機EL表示パネルの製造方法。
  13. 前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、
    樹脂材料を用いて、前記基板の上方において、前記基板の上面に沿った形状の上面を有する層間絶縁層を形成し、
    前記樹脂材料を用いて、前記層間絶縁層上において、前記基板の上面に沿って前記第1方向と交差する第2方向に延伸する形状の凸状層を形成し、
    前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状層の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する層間絶縁層上に、前記凸状層よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する、
    請求項12の有機EL表示パネルの製造方法。
  14. 前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、
    樹脂材料を用いて、前記基板の上方において、前記基板の上面に沿って前記第1方向と交差する第2方向に延伸する形状の凸状層を形成し、
    前記樹脂材料を用いて、前記基板及び前記凸状層の上方において、前記基板の上面及び前記凸状層の上面に沿った形状の上面を有する層間絶縁層を形成し、
    前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状層の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する層間絶縁層上に、前記凸状層よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する、
    請求項12の有機EL表示パネルの製造方法。
  15. 前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、
    前記基板の上方において、上面が前記基板の上面に沿った形状となるように樹脂材料を塗布し、
    ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法により、前記樹脂材料の一部の膜厚を小さくすることで、前記基板の上面に沿った形状の上面を有する平坦部と、前記平坦部上において上方に突出する凸状部と、を有する層間絶縁層を形成し、
    前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状部の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する平坦部上に、前記凸状部よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する、
    請求項12の有機EL表示パネルの製造方法。
  16. 前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、
    前記基板の上方において、上面が前記基板の上面に沿った形状となるように樹脂材料を塗布し、
    ドライエッチング法を用いたフォトリソグラフィ法により、前記樹脂材料の一部の膜厚を小さくすることで、前記基板の上面に沿った形状の上面を有する平坦部と、前記平坦部上において上方に突出する凸状部と、を有する層間絶縁層を形成し、
    前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状部の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する平坦部上に、前記凸状部よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する、
    請求項12の有機EL表示パネルの製造方法。
  17. 前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する際に、前記基板の上面に沿って前記第1方向と交差する第2方向に、前記第1下部電極、前記第2下部電極を複数並べることにより、第1下部電極列、第2下部電極列を形成し、
    前記隔壁を、前記間隙の上方において前記第2方向に沿って延伸する形状に形成し、
    前記第1有機発光層、前記第2有機発光層を、それぞれ前記第1下部電極列、前記第2下部電極列の上方において前記第2方向に沿って延伸する形状に形成し、
    前記第2方向に渡った前記隔壁の横断面において、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する、
    請求項12の有機EL表示パネルの製造方法。
  18. 前記第1下部電極及び前記第2下部電極を形成する前に、電気絶縁性材料を用いて、前記基板の上方において、前記第2方向に沿って延伸する形状の凸状層を形成し、
    前記第1下部電極、前記第2下部電極を、前記凸状層の前記第1方向一方側、他方側にそれぞれ隣接する位置に、前記凸状層よりも小さい膜厚で形成することにより、前記第2方向に渡った前記隔壁の横断面において、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する、
    請求項17の有機EL表示パネルの製造方法。
  19. 前記隔壁を形成する前に、
    前記第1下部電極列及び前記第2下部電極列を形成した前記基板の上面に沿って、前記第1下部電極及び前記第2下部電極よりも大きい膜厚で樹脂材料を塗布し、
    ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法により、前記第1下部電極の上方及び前記第2下部電極の上方の前記樹脂材料を除去するとともに、前記樹脂材料の一部の膜厚を小さくすることで、前記第1下部電極列と前記第2下部電極列との間において、前記第2方向に延伸する形状であって、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも膜厚が大きい凸状層と、前記第1下部電極同士の間及び前記第2下部電極同士の間において、前記第1方向に延伸する形状であって、前記第1下部電極の膜厚及び前記第2下部電極の膜厚よりも膜厚が大きく、前記凸状層よりも膜厚が小さい画素絶縁層と、を形成することにより、前記第2方向に渡った前記隔壁の横断面において、前記第1部分の底面の少なくとも一部を、前記第2部分の底面よりも高い位置に形成する、
    請求項17の有機EL表示パネルの製造方法。
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