JP2014022221A - 表示パネルの製造方法 - Google Patents

表示パネルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014022221A
JP2014022221A JP2012160698A JP2012160698A JP2014022221A JP 2014022221 A JP2014022221 A JP 2014022221A JP 2012160698 A JP2012160698 A JP 2012160698A JP 2012160698 A JP2012160698 A JP 2012160698A JP 2014022221 A JP2014022221 A JP 2014022221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
functional layer
forming
mask
display panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012160698A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaomi Shibata
旬臣 芝田
Kenji Okumoto
健二 奥本
Gosuke Sakamoto
豪介 坂元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2012160698A priority Critical patent/JP2014022221A/ja
Publication of JP2014022221A publication Critical patent/JP2014022221A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】 表示パネルの製造方法において、マスクと機能層とが接触して機能層が損傷を受けることに起因して生じる発光不良を防止する
【解決手段】 基板11の第1領域に第1サブ画素形成用マスクM1の開口M1aを合わせ、且つ、第1サブ画素形成用マスクの下面M1cが基板の主面上の層形成下地面に実質的に当接するように第1サブ画素形成用マスクを配置した状態で、材料を順次積層して第1領域に堆積させることにより、複数の層からなる第1機能層50(R)を形成する工程と、第1機能層を形成する工程の後に、基板の第2領域に第2サブ画素形成用マスクM1の開口M1aを合わせ、且つ、第2サブ画素形成用マスクの下面M1cが第1の機能層に実質的に当接するように第2サブ画素形成用マスクを配置した状態で、材料を順次積層して第2領域に堆積させることにより、複数の層からなる第2機能層を形成する工程とを含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルおよびその製造方法に関する。
近年、表示装置として基板上に有機EL素子を配設した有機EL表示パネルが普及しつつある。有機EL表示パネルは、自己発光を行う有機EL素子を利用するため視認性が高く、さらに完全固体素子であるため耐衝撃性に優れるなどの特徴を有する。
有機EL表示パネルでは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する有機EL素子をそれぞれサブ画素とし、R、G、Bの3つのサブ画素の組み合わせ1画素を構成する。
有機EL素子は、電流駆動型の発光素子であり、陽極、陰極、及びそれらの電極対の間に生じるキャリア(電子、正孔)の再結合による電界発光現象を行う有機発光層等を積層してなる機能層を積層して構成される。機能層には、有機発光層の他に、電極(陰極)から電子を注入するための電子注入層や、電極(陽極)から正孔を注入するための正孔注入層、及び電子注入層から注入された電子を有機発光層まで運ぶ電子輸送層や、正孔注入層から注入された正孔を有機発光層まで運ぶ正孔輸送層が含まれる。このような機能層は、真空蒸着法やスパッタリング法等の気相成長法により、マスクを用いて形成される場合がある。
特許文献1には、真空蒸着法により全面に正孔輸送層を成膜した後、発光層用成膜マスクのマスク開口から真空蒸着法により発光色ごとに各色の有機発光層を順次成膜する有機EL多色ディスプレイの製造方法が開示されている。
特開2000−323277号公報 特開2004−165067号公報 特開平8−227276号公報
しかしながら、特許文献1に示す製造方法では、発光層形成時には、既に正孔輸送層が形成されており、発光層形成用に用いられるマスクの位置合わせに際しては、この正孔輸送層をマスクの端部が接する可能性がある。
本発明は、気相成長法により機能層を形成する際にマスクと当該機能層の下にある機能層とが接触することに起因して生じる不良を防止する表示パネルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様である表示パネルの製造方法は、第1機能層を有する第1サブ画素と、第2機能層を有する第2サブ画素とを備えた画素が複数配列された表示パネルの製造方法であって、基板の主面上の第1領域に第1サブ画素形成用マスクの開口を合わせ、且つ、前記第1サブ画素形成用マスクの下面が前記基板の主面上の層形成下地面に実質的に当接するように前記第1サブ画素形成用マスクを配置した状態で、第1機能層を形成するための材料を順次積層して前記第1領域に堆積させることにより、複数の層からなる第1機能層を形成する工程と、前記第1機能層を形成する工程の後に、前記基板の主面上の第2領域に第2サブ画素形成用マスクの開口を合わせ、且つ、前記第2サブ画素形成用マスクの下面が前記第1の機能層に実質的に当接するように前記第2サブ画素形成用マスクを配置した状態で、第2機能層を形成するための材料を順次積層して前記第2領域に堆積させることにより、複数の層からなる第2機能層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
表示パネルの製造方法において、気相成長法により機能層を形成する際にマスクと機能層とが接触して機能層が損傷を受けることに起因して生じる発光不良を防止することができる。
従来の表示パネルの製造方法において生じるマスク傷の発生原因示す説明図である。 従来の表示パネルの製造方法においてマスク傷に起因して発生する電極の断線の原因を示す説明図である。 実施の形態に係る表示装置1の構成を示す模式ブロック図である。 実施の形態に係る表示パネル10の一部拡大平面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の構成を示す図4におけるA−A線で切った断面を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である基板準備、電極形成工程、及び隔壁を形成する工程を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第1機能層形成のためのマスクM1の配置操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第1機能層を形成する工程を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第1機能層形成後のマスクM1の退避操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第2機能層形成のためのマスクM1の移動操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第2機能層形成のためのマスクM1の移動操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第2機能層形成のためのマスクM1の配置操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第2機能層を形成する工程を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第2機能層形成後のマスクM1の退避操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第3機能層形成のためのマスクM1の移動操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第3機能層形成のためのマスクM1の移動操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第3機能層形成のためのマスクM1の配置操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第3機能層形成工程を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第3機能層形成後のマスクM1の退避操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である共通能膜形成のためのマスクM2の配置操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である共通機能層を形成する工程を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である電極形成のためのマスクM3の配置操作を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である電極形成工程を示す模式断面図である。 実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である電極形成工程を示す模式断面図である。 実施の形態の変形例に係る表示パネル10の構成を示す模式断面図である。
≪本発明を実施するための形態に至った経緯について≫
真空蒸着やスパッタリング等の気相成長法によって機能層を積層して形成する際に、蒸着等に用いるマスクの位置合わせ時等にマスクと既に形成してなる機能層とが接触し、機能層が損傷することによって、機能層や電極層の一部が剥離して発光不良を引き起こす現象がある。この現象に対し各種の検討が行われている。
特許文献2では、有機層形成時の蒸着マスクの位置決め時に、個別電極の端部を覆う端部カバー絶縁層の外側に形成されたマスク支持絶縁層によって蒸着マスクを支持する有機電界発光パネルの製造方法が提案されている。当該マスク支持絶縁層によって、有機層が蒸着マスクと接触することが防止されており、機械的強度の低い有機層が蒸着マスクとの接触により剥離したり、ダストが発生したりすることを確実に防止することが記載されている。
また、特許文献3では、基板上に、表示電極の各々を囲み前記基板上に突出する電気絶縁性の隔壁を形成する工程と、隔壁内の表示電極を露出せしめる複数の開口を有するマスクを、隔壁の上面に配置し、有機エレクトロルミネッセンス媒体を開口を介して隔壁内の表示電極の各々上に堆積させ、少くとも1層の有機エレクトロルミネッセンス媒体の薄膜を形成する発光層形成工程を含む有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法が提案されている。本文献には、隔壁があるために成膜用マスクの位置合わせ、移動、配置して蒸着する際に、マスクによる有機EL媒体層を傷つけることがないとの記載がされている。
しかしながら、機能層が形成される下の層(成膜下地層)と蒸着マスクとの間に隙間が開いていると、蒸着する材料が隙間の中に回り込み、不要な領域にまで機能層が形成されてマスキング精度が低下する傾向がある。マスキング精度を高めるために、マスクは、マグネット等を用いて成膜下地層に密着するように配置することが望ましい。
真空蒸着法等の気相成長法に用いるマスクには、通常、SUS等の金属板をエッチングやレーザー等によりパターニングしたものや、レジストパターンを形成しめっきにより金属を堆積したものが用いられるが、その際に開口を取り囲むエッジ部に尖った部分やバリが生じることがある。一方、正孔輸送層を含め機能層は架橋等の化学的な結合により固まっていないため機械的強度が低い。両者が擦れた場合には、バリが生じている部分が機能層の上に配置され密着されると、マスクを取り除いたときに、マスクの下の機能層の表面に凹凸が形成され、機能層に傷(以後、マスク傷と称する)が付くことが、上記特許文献2に記載されている。
本発明者は、マスクと機能層とが接触して機能層が損傷して生じるマスク傷の発生原因と、マスク傷に起因する表示パネル上の各種現象との因果関係について、鋭意検討を行った。
図1は、発明者が実験した従来の表示パネルの製造方法において生じるマスク傷の発生原因示す説明図である。発明者はマスク傷の発生原因について実験検討する中で、図1に示すように、図示しない基板等に真空蒸着等の気相成長法によって形成された有機機能層6に、蒸着の際パターニングに用いるマスクが当接され密着している場合、後述する発光不良の原因となる比較的大きな傷は主としてパターニングのためのマスクの開口を取り囲むエッジ部が接触する箇所において、有機機能層6に傷が発生することを見出した。ここで、有機機能層6の厚みは約200(nm)であり、マスク傷によって生じる凹凸の高さは機能層の表面から数十(nm)である。
図2は、従来の表示パネルの製造方法においてマスク傷に起因して発生する電極の断線の原因を示す説明図であって、有機機能層6の上に図1に示すようにマスクを配置した状態で、真空蒸着法によって電子輸送層5を形成した後、マスクを取り除き、さらに、真空蒸着法によって電極層2を形成した状態を示す。ここで、電子輸送層5の厚みは約20(nm)であり、電極層2の厚みは約14(nm)である。電子輸送層5はマスクの開口の内部に形成されるので、有機機能層6に生じたマスク傷は電子輸送層5の周縁部の近傍に位置する。電極層2は、その構成上、周縁部の左方では有機発光層6に積層され、周縁部の右方では電子輸送層5に積層されるので、周縁部において下地層が入れ変わり、電子輸送層5の厚みに相当する段差を跨いで、異なる下地に対して積層される。このとき、電子輸送層5の周縁部の近傍に、マスク傷に起因する凹凸が存在すると、電極層2は当該凹凸の影響を受け不連続に形成され、断線が生じる場合がある。すなわち、電極層2の厚み(約14(nm))が、凹凸(高さ数十(nm))に比べて相対的に小さいために、電極層2が有機発光層6の凹凸を乗り超えることが出来ず、不連続部分が生じるためと考えられる。このような場合に、不連続部分が成膜当初から断線に至る場合や、成膜当初は断線には至っていない場合でも電界集中によって、通電途中に断線に至る場合も含め、表示パネルにおいて、発光不良の原因となることを実験検討により確認した。特に、トップエミッション構造で上部電極に金属電極を用いる場合、光を上部電極側から取り出すために上部電極をできるだけ薄く製膜しなくてはならないため、発光不良が発生しやすくなる。
発明者は、このような発光不良の原因となる大きなマスク傷を防止することができれば、マスク傷に起因する発光不良の発生を減少することができる点に着目し鋭意検討を行った。その結果、発光不良の原因となる大きなマスク傷は主としてマスクの開口部を取り囲むエッジ部が下地である機能層と接触する位置で生じ、マスクの下面と下地である機能層が接触した場合でも、上記エッジ部以外の部分においては、発光不良の原因となるような大きな凹凸を生むマスク傷は生じないことを見出した。そして、気相成長法により機能層を形成する工法において、マスキング精度を確保したうえで、マスクと機能層とが接触して機能層が損傷を受けることに起因して生じる発光不良を防止する本発明の実施の形態の一態様に至ったものである。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本発明を実施するための形態の一態様である表示パネルの製造方法は、第1機能層を有する第1サブ画素と、第2機能層を有する第2サブ画素とを備えた画素が複数配列された表示パネルの製造方法であって、基板の主面上の第1領域に第1サブ画素形成用マスクの開口を合わせ、且つ、前記第1サブ画素形成用マスクの下面が前記基板の主面上の層形成下地面に実質的に当接するように前記第1サブ画素形成用マスクを配置した状態で、第1機能層を形成するための材料を順次積層して前記第1領域に堆積させることにより、複数の層からなる第1機能層を形成する工程と、前記第1機能層を形成する工程の後に、前記基板の主面上の第2領域に第2サブ画素形成用マスクの開口を合わせ、且つ、前記第2サブ画素形成用マスクの下面が前記第1の機能層に実質的に当接するように前記第2サブ画素形成用マスクを配置した状態で、第2機能層を形成するための材料を順次積層して前記第2領域に堆積させることにより、複数の層からなる第2機能層を形成する工程と、ことを特徴とする。
ここで、「基板の主面」とは、表示パネルにおける表示面が形成される側の基板の面を指す。また、「層形成下地面」とは、第1機能層を形成するための材料が堆積する面を指す。また、「実質的に当接する」とは、マスクの下面の一部が一時的に接触する状態があることを指し、マスクの下面の一部が常時当接対象に接触していることを要しない。
また、別の態様では、前記第1サブ画素形成用マスクと前記第2サブ画素形成用マスクは同一のサブ画素形成用マスクであり、前記第1機能層を形成する工程の後、前記第2機能層を形成する工程の前に、前記サブ画素形成用マスクの下面が前記第1機能層と離間した状態で、前記第1領域から前記第2領域に前記開口が移動するよう、前記サブ画素形成用マスクを移動する構成であっても良い。
また、別の態様では、前記第2機能層を形成する工程の後に、前記第1機能層及び前記第2機能層の上に、共通機能層を形成するための材料を堆積させることにより、前記第1サブ画素及び前記第2サブ画素における共通機能層を形成する工程を含む構成であっても良い。
また、別の態様では、前記第1機能層を形成する工程においては、第1電子輸送層、第1発光層、及び第1正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第1領域に堆積させることにより前記第1機能層を形成し、前記第2機能層を形成する工程においては、第2電子輸送層、第2発光層、及び第2正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第2領域に堆積させることにより、前記第2機能層を形成し、前記共通機能層を形成する工程においては、第3正孔輸送層を形成するための材料を堆積させることにより、前記共通機能層を形成し、前記第3正孔輸送層は、前記第1電荷輸送層又は前記第2電荷輸送層よりも厚く形成される構成であっても良い。
また、別の態様では、前記第1機能層を形成する工程の前に、前記基板の主面上に、前記第1領域に含まれる第1開口と、前記第2領域に含まれる第2開口とを規定する隔壁を形成する工程を含む構成であっても良い。
また、別の態様では、前記第1機能層を形成する工程においては、第1電子輸送層、第1発光層、及び第1正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第1領域に堆積させることにより前記第1機能層を形成する構成であっても良い。
また、別の態様では、前記第1機能層を形成する工程においては、第1電子注入層、第1電子輸送層、第1発光層、及び第1正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第1領域に堆積させることにより前記第1機能層を形成する構成であっても良い。
また、別の態様では、前記第2機能層を形成する工程においては、第2電子輸送層、第2発光層、及び第2正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第2領域に堆積させることにより、前記第2機能層を形成する構成であっても良い。
また、別の態様では、前記第2機能層を形成する工程においては、第2電子注入層、第2電子輸送層、第2発光層、及び第2正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第2領域に堆積させることにより、前記第2機能層を形成する構成であっても良い。
また、別の態様では、前記共通機能層を形成する工程においては、正孔注入層を形成するための材料を堆積させることにより、前記共通機能層を形成する構成であっても良い。
また、別の態様では、前記共通機能層を形成する工程においては、第3正孔輸送層を形成するための材料を堆積させることにより、前記共通機能層を形成する構成であっても良い。
また、別の態様では、前記共通機能層を形成する工程においては、第3正孔輸送層、及び正孔注入層を形成するための材料を当該順序で積層して堆積させることにより、前記共通機能層を形成する構成であっても良い。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
≪実施の形態≫
<表示装置の全体構成>
実施の形態の一態様に係る表示パネルを備えた表示装置1の構成について図3を用いて説明する。図3は、実施の形態に係る表示装置1の構成を示す模式ブロック図である。図3に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、これに接続された駆動制御部20とを有し構成されている。表示パネル10は、有機材料の電界発光現象を利用したパネルであり、複数の有機EL素子が、例えば、マトリクス状に配列された構成となっている。駆動制御部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とから構成されている。
なお、表示パネル10に対する駆動制御部20の配置については、本態様に限られない。
<表示パネルの構成>
(表示パネルの全体構成)
表示パネル10の構成について、図4および図5を用いて説明する。図4は、表示パネル10の概略構成を示す一部拡大平面図である。図5は、表示パネル10の概略構成を示す部分断面図であり、図4におけるA−A線で切った断面を示す断面図である。表示パネル10は、図5の上側を表示面とする、いわゆるトップエミッション型である。以下、表示面側(基板11の機能層が形成されている側)を上、その反対側を下として説明する。
図4に示すように、表示パネル10は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの発光色に対応する有機発光層16(図5参照)を有する有機EL素子を、最少発光単位であるサブ画素100(R)、100(B)、100(G)(以下、「R、G、B」を付して区別する説明する必要がない箇所では単に「サブ画素100」と記載する。)とし、R、G、Bの色単位に列毎にマトリクス状に配列されており、同一列に属するサブ画素100は同色に対応する。サブ画素100(R)、100(B)、100(G)の3つのサブ画素の組み合わせにより1つの画素(画素)200が構成される。
隔壁13に設けられた開口部13aは、行列状に(XY方向に)配列されている。開口部13aの形状は、Y方向に長辺を有する長尺状であり、例えば、X方向に沿った辺が約50〜110[μm]、Y方向に沿った辺が約150〜250[μm]の寸法で形成されている。
図4に示すように、開口部13a(R)、開口部13a(G)、開口部13a(B)(以下、「R、G、B」を付して区別する説明する必要がない箇所では単に「開口部13a」と記載する。)には、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの発光色に対応する有機発光層16(R)、16(G)、16(B)(図5参照、(以下、「R、G、B」を付して区別する説明する必要がない箇所では単に「有機発光層16」と記載する。)を含む機能層50(R)、50(G)、50(B)(以下、「R、G、B」を付して区別する説明する必要がない箇所では単に「機能層50」と記載する。)が形成されている。開口部13a(R)、開口部13a(G)、開口部13a(B)は、各々機能層50(R)、50(G)、50(B)により覆われており、これらの層は、各々開口部13a(R)、開口部13a(G)、開口部13a(B)の外側にまではみ出して形成されている。そのため、図4においては、開口部13a(R)、開口部13a(G)、開口部13a(B)は、各々機能層50(R)、50(G)、50(B)よりも小さく破線で囲まれた領域として示している。
また、機能層50(R)、50(G)、50(B)が形成される領域は、各々サブ画素100(R)、100(B)、100(G)の内部に位置する。併せて、開口部13a(R)、13a(G)、13a(B)に対応する領域は、各々前記サブ画素100(R)、100(B)、100(G)の内部に位置する。
なお、図4においては、一部の開口部13aにのみ符号を付している。なお、図4においては、サブ画素100をわかりやすく図示するために、後述する陽極19を取り除いた状態で示している。
次に、図5に示すように、表示パネル10は、基板11をベースとして形成されている。そして、基板11上には、陰極12が互いに間隔を開けて形成されている。基板11および陰極12の上には、サブ画素100に対応する位置に複数の開口部13a(図4の破線で表した部分)が形成された隔壁13が設けられている。
開口部13a(R)、13a(B)、13a(B)の内部には、各々電子注入層14(R)、14(G)、14(B)、電子輸送層15(R)、15(G)、15(B)、有機発光層16(R)、16(G)、16(B)、及び正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)が、順次形成されている。そして、正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)を覆うように、共通正孔輸送層17b、および正孔注入層18が順次積層されている。なお、電子注入層14、電子輸送層15、有機発光層16、および正孔輸送層17aの積層体を、機能層50と呼ぶ。図5における、[t]で示した数値は、各々の層の膜厚(単位(nm))を例示した数値である。
開口部13aの内部には、電子注入層14が形成されているが、電子注入層14は、開口部13aの内部からはみ出してその周縁部上にも形成されている。電子注入層14の上には、電子輸送層15が形成されている。電子輸送層15の上には、R、G、Bのいずれか1色に対応する有機発光層16が形成されている。有機発光層16の上には、正孔輸送層17aが形成されている。本実施の形態においては、電子注入層14、電子輸送層15、有機発光層16、および正孔輸送層17aの平面視した場合における外周縁が一致する
そして、正孔輸送層17aの上面および側面を覆うように共通正孔輸送層17bが大面積のベタ膜として形成されている。即ち、共通正孔輸送層17bは、正孔輸送層17aよりも平面視した場合におけるサイズが大きく、電子注入層14、電子輸送層15、有機発光層16、および正孔輸送層17aの外周縁は、すべて共通正孔輸送層17bの外周縁の内側に存在する。共通正孔輸送層17bの上には、正孔注入層18が形成されている。本実施の形態においては、共通正孔輸送層17bと正孔注入層18の平面視した場合における外周縁が一致する。
そして、正孔注入層18の上に、複数のサブ画素を覆って陽極19が形成されている。
以下、表示パネル10を構成する各構成要素について説明する。
(基板)
基板11は表示パネル10における背面基板であり、その表面には、表示パネル10をアクティブマトリクス方式で駆動するためのTFT(薄膜トランジスタ)を含むTFT層(不図示)が形成されている。基板11は、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料をベース材料として形成される。TFT層には、各TFTに対して外部から電力を供給するための配線部が含まれるが、本実施の形態においては、説明をわかりやすくするために、陰極のみを取り出して図示している。
(陰極)
陰極12は、開口部13aに形成される一の有機発光層16毎に形成されている。表示パネル10はトップエミッション型であるため、陰極12の材料としては光反射性材料が選択されている。陰極12は、例えば、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、MoW(モリブデンとタングステンの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)等で形成されていても良い。なお、陰極12の表面には公知の透明導電膜を設けてもよい。透明導電膜の材料としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)を用いることができる
(隔壁)
隔壁13は、各色に分かれたサブ画素領域の規定、および陰極のエッジをカバーする役割を果たすとともに、真空蒸着法により有機発光層16を形成する際にメタルマスクを支持する台座の役割を果たす。隔壁13は、樹脂等の絶縁性を有する有機材料、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等で形成される。隔壁13は、有機溶剤耐性を有することが好ましく、また、エッチング処理、ベーク処理等がされることがあるので、それらの処理に対して変形、変質などしにくい材料で形成することが好ましい。隔壁13は、の高さは、充填する機能層の構成に応じて選択すればよい。例えば0.5μm以上2μm以下としても良く、より好ましくは、0.8μm以上1.2μm以下としてもよい。
(電子注入層)
電子注入層14は、陰極12から有機発光層16への電子の注入を促進させる目的で設けられる。電子注入層14は、例えば、リチウム、バリウム、カルシウム、カリウム、セシウム、ナトリウム、ルビジウム等の低仕事関数金属、フッ化リチウム等の低仕事関数金属塩、酸化バリウム等の低仕事関数金属酸化物、および上記低仕事関数金属、低仕事関数金属塩、または低仕事関数金属酸化物などを電子輸送性有機物(ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体、リンオキサイド誘導体、トリアゾール誘導体、トジアジン誘導体、シロール誘導体、ジメシチルボロン誘導体、トリアリールボロン誘導体など)に分散させた材料を用いることができる。
(電子輸送層)
電子輸送層15は、陰極12から注入された電子を有機発光層16へ輸送する機能を有する。電子輸送層15は、例えば、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)、リンオキサイド誘導体、トリアゾール誘導体、トジアジン誘導体、シロール誘導体、ジメシチルボロン誘導体、トリアリールボロン誘導体等を用いることができる。
(有機発光層)
有機発光層16は、キャリア(正孔と電子)の再結合による発光を行う部位であり、R、G、Bのいずれかの色に対応する光を発する有機材料を含むように構成されている。開口部13aRにはRに対応して発光する有機材料、開口部13aGにはGに対応して発光する有機材料、開口部13aBにはBに対応して発光する有機材料をそれぞれ含む有機発光層16が形成される。有機発光層16は、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質(いずれも特開平5−163488号公報に記載)等を用いることができる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層17a、及び共通正孔輸送層17bは、陽極19から注入された正孔を有機発光層16へ輸送する機能を有する。正孔輸送層17a、及び共通正孔輸送層17bは、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)等を用いることができる。
(正孔注入層)
正孔注入層18は、陽極19から有機発光層16への正孔の注入を促進させる機能を有する。正孔注入層18は、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、アザトリフェニレン誘導体、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)、MoOx(酸化モリブデン)、WOx(酸化タングステン)又はMoxWyOz(モリブデン−タングステン酸化物)等の金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物等を用いることができる。
(陽極)
陽極19は、表示パネル10がトップエミッション型であるため、材料として光透過性材料を用いて形成されている。陽極19は、導電性を有する材料を用いることができ、たとえば、アルミニウム、銀、ネオジウム−アルミニウム合金、金−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金といった金属や、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)等を用いることができる。また、多層膜で形成されてもよい。
(その他)
なお、図5には図示しないが、陽極19の上には、有機発光層16が水分や空気等に触れて劣化することを抑制する目的で封止層が設けられる場合がある。表示パネル10はトップエミッション型であるため、封止層の材料としては、例えばSiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)、有機物等の光透過性材料を選択する。さらに、アクリルまたはエポキシ系の樹脂と封止用基板を用いた封止を行う場合がある。
また、各開口部13aに形成される有機発光層16を、すべて同色の有機発光層とすることもできる。尚、記載した材料以外の材料を用いて各層を形成することも可能である。
なお、上記説明において、電子注入層14、電子輸送層15、および正孔輸送層17について、R、G、B各色用の有機発光層16が形成される予定の位置に形成されている電子注入層14、電子輸送層15、および正孔輸送層17を、便宜的にR、G、Bの添え字を付して、それぞれ電子注入層14(R)、14(G)、14(B)、電子輸送層15(R)、15(G)、15(B)、正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)とした。これら機能層に用いる材料は、R、G、B各色のサブ画素に共通である機能層を除き、R、G、B各色の有機発光層16に用いられる材料のエネルギー準位に応じ、適宜、採用することができる。しかしながら、電子注入層14(R)、14(G)、14(B)は、組成的には全て同じであってもよいし、電子輸送層15(R)、15(G)、15(B)も、組成的には全て同じであってもよく、同様に正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)も組成的には全て同じであってもよい。
また、電子注入層14(R)、電子輸送層15(R)、有機発光層16(R)、および正孔輸送層17a(R)の積層を総称して第1機能層50(R)と記載する。同様に、電子注入層14(G)、電子輸送層15(G)、有機発光層16(G)、および正孔輸送層17a(G)の積層を総称して第2機能層50(G)とし、電子注入層14(B)、電子輸送層15(B)、有機発光層16(B)、および正孔輸送層17a(B)の積層を総称して第3機能層50(B)とする。
以上、表示パネル10の構成等について説明した。
<表示パネルの製造方法>
次に、本実施形態の一態様に係る表示パネル10の製造方法について図6〜図24を用いて説明する。なお、図6〜図24は、表示パネル10の製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
ここで、図6〜図24においては、真空蒸着法による製造工程を示しているため、図5とは上下が逆になっている。しかし、説明の都合上、図6〜図24においても、基板11の機能層が形成されている側を上方、その反対側を下方として説明する。
(基板準備、電極形成工程)
図6は、実施の形態に係る表示パネルの製造工程の一部である基板準備、電極形成工程、及び隔壁を形成する工程を示す模式断面図である。基板11をスパッタ成膜装置のチャンバー内に配置する。そしてチャンバー内に所定のスパッタガスを導入し、反応性スパッタ法に基づき、厚み100(nm)程度の金属材料からなる陰極12を、図6に示すように成膜する。なお、陰極12は真空蒸着等の気相成長法でも形成することができ、また、スクリーン印刷やスピンコート法のウエットプロセスによっても形成することができる。
次に、陰極12に積層して、例えば真空蒸着法またはスパッタリング法を用いて、厚み20(nm)程度の図示しないITO層をする。ITO層の構成材料としては、透光性導電性材料であるITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)など公知の金属材料を用いることができる。尚、ITO層は陰極12上にのみ積層する。
(隔壁を形成する工程)
隔壁材料として、例えば感光性のレジスト材料を用意する。ここで感光性樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂などから構成される公知のレジスト材料を用いることができる。また、撥液剤としては、例えば、フッ素系化合物材料などの公知の撥液材料を用いることができる。この隔壁材料を基板11および陰極12上に、例えばスピンコート法を用いて、一様に塗布し、例えば、100℃程度の温度にて熱処理を施す。その後、開口部13aを形成できるようなパターンを有するマスクを重ねる。開口部13aのX方向(図5参照)に沿った幅W1は、例えば約30〜90[μm]に規定されている。そして、マスクの上から露光処理を行った後、例えば非水系の現像液として、例えばアルカリ性の現像液を用いてエッチングすることにより、未硬化の余分な隔壁材料を現像液で洗い出す。その後に純水で洗浄する。露光現像を行った後、残存隔壁材料に対して、例えば200℃の温度にて熱処理を施すことにより、表面に吸着した余分な溶液などを蒸発させて、図6に示すように隔壁13は完成する。以上のように、隔壁を形成する工程は行われる。その結果、最大高さが例えば0.5μm以上2μm以下程度、基板11の主面に水平な方法における平均厚さが1.0μm程度の隔壁13が形成される。
(第1機能層を形成する工程)
次に、電子注入層14(R)、電子輸送層15(R)、有機発光層16(R)、および正孔輸送層17a(R)から構成される第1機能層50(R)の形成工程について説明する。
[マスクM1の配置操作]
図7は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第1機能層形成のためのマスクM1の配置操作を示す模式断面図である。図7に示すように、マスクM1を隔壁13上に、第1機能層を形成する工程におけるR色の有機発光層16(R)が形成される箇所に開口M1aが位置するように配置する。ここで、マスクM1の開口M1aは、R、G、Bのいずれか1色に対応する有機発光層16が形成される予定の位置にのみ設けられている。図8においては、R色の有機発光層16(R)が形成される予定の位置にのみ開口M1aが設けられている。開口M1aのX方向に沿った幅W2は、例えば約40〜100[μm]に規定されている。
また、このとき、マスクM1の開口M1aを取り囲むエッジ部M1bも隔壁13上に位置している。隔壁13は、架橋されていて比較的固い物性を有するため、マスクM1の開口M1aを取り囲むエッジ部M1bのバリによって傷つきにくく隔壁13の上面には凹凸が生じにくい。また、たとえ隔壁13の上面に凹凸が生じても、図2において、説明したような断線を引き起こすような大きな凹凸は生じない。
[電子注入層14(R)の形成]
図8は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第1機能層を形成する工程を示す模式断面図である。図8に示すように、マスクM1を用いて、真空蒸着法により電子注入層14(R)を形成する。電子注入層14(R)の膜厚は、例えば約1(nm)である。このとき、マスクM1の開口M1aの幅(この場合、X軸方向における幅)W2は、隔壁13の開口部13aの幅W1よりも広いため、電子注入層14は、隔壁13の開口部13a内から隔壁13の上面にはみ出すように形成される。
[電子輸送層15(R)の形成]
次に、引き続きマスクM1を用いて、真空蒸着法により電子輸送層15(R)を形成する。電子輸送層15(R)の膜厚は、例えば約20(nm)である。このとき、マスクM1は、取り外しや交換は行わず、電子注入層14(R)形成時からそのまま連続して使用される。ここでも、マスクM1の開口M1aの幅W2は、隔壁13の開口部13aの幅W1よりも大きいため、電子輸送層15(R)は、隔壁13の開口部13a内から隔壁の上面にはみ出して形成された電子注入層14(R)の上に同様に形成される。
[有機発光層16(R)、正孔輸送層17a(R)の形成]
次に、引き続きマスクM1を用いて、真空蒸着法により有機発光層16(R)および正孔輸送層17a(R)を形成する。有機発光層16(R)の膜厚は、例えば約50(nm)、正孔輸送層17a(R)の膜厚は、例えば約75(nm)である。このとき、マスクM1は、取り外しや交換は行わず、電子輸送層15(R)形成時からそのまま連続して使用される。すなわち、電子注入層14(R)、電子輸送層15(R)、有機発光層16(R)、および正孔輸送層17a(R)の機能層を形成する工程間でマスクを交換する工程を挟まない。そのため、平面視した場合、機能層の外周縁が一致する。
電子注入層14、電子輸送層15、有機発光層16、および正孔輸送層17は、真空蒸着法により形成され、架橋等のプロセスを施されていないため隔壁13等と異なり比較的柔らかい。しかし、マスクの開口を取り囲むエッジ部が機能層の上に配置されず、マスクの開口を取り囲むエッジ部に存在するバリが機能層とは接触しない。このため、機能層の表面が傷つけられて凹凸が生じることが無い。
(第2機能層を形成する工程)
次に、電子注入層14(G)、電子輸送層15(G)、有機発光層16(G)、および正孔輸送層17a(G)から構成される第2機能層50(G)の形成工程について説明する。
[マスクM1の退避、移動、配置]
第2機能層を形成する工程では、先ず、第1機能層を形成する工程におけるR色の有機発光層16(R)が形成される箇所に開口M1aが位置する状態から、第2機能層を形成する工程におけるG色の有機発光層16(G)が形成される箇所に開口M1aが位置する状態に、マスクM1を配置するための操作を行う。
図9は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第1機能層形成後のマスクM1の退避操作を示す模式断面図である。ここでは、図8に示す第1機能層を形成する工程を終えた状態から、図9に示すようにマスクM1を上方に移動し、マスクM1が第1機能層を構成する電子注入層14(R)、電子輸送層15(R)、有機発光層16(R)、および正孔輸送層17a(R)と接触しない位置まで、マスクM1を退避させる。
図10、及び図11は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第2機能層形成のためのマスクM1の移動操作を示す模式断面図である。図10に示すように、G色の有機発光層16(G)を形成する箇所に開口M1aを移動させるために、図10の矢印の示す方向にマスクM1を移動させ、図11に示すようにG色の有機発光層16(G)が形成される箇所に開口M1aが位置した状態でマスクM1の移動を停止する。このとき、マスクM1の下面M1cが正孔輸送層17a(R)と接触しないよう、マスクM1が正孔輸送層17a(R)から離間した状態で、マスクM1の移動及び位置決め操作を行う。
図12は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第2機能層形成のためのマスクM1の配置操作を示す模式断面図である。ここでは、マスクM1を下方に移動させ、図12に示すように、マスクM1の下面M1cが第1機能層を形成する工程で形成した正孔輸送層17a(R)の上面に当接した状態でマスクM1の移動を停止する。図12に示すように、マスクM1の下面M1cと隔壁13との間には機能層50a(R)の厚みに相当する隙間が生じるが、本実施の形態の一態様では、当該厚みは約146(nm)と小さく、このような隙間が生じることで、蒸着する材料が隙間の中に回り込みマスキング精度が低下することはない。また、磁石を用いて基板とマスクを密着させることにより、エッジ部M1bを含め、マスクM1の下面M1cの一部は隔壁13上に当接され、146(nm)程度の隙間は無視できるくらいの隙間となる。以上によって、第2機能層を形成する工程におけるマスクM1の配置操作が完了する。
[電子注入層14(G)の形成]
図13は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第2機能層を形成する工程を示す模式断面図である。図13に示すように、マスクM1を用いて真空蒸着法により電子注入層14(G)を形成する。電子注入層14(G)の膜厚は、例えば約1(nm)である。このとき、マスクM1は、下面M1cが正孔輸送層17a(R)の最上面に密着するように配置されている。正孔輸送層17a(R)は、真空蒸着法により形成され、架橋等のプロセスを施されていないため隔壁13等と異なり比較的柔らかい。しかし、マスクM1が正孔輸送層17a(R)の最上面と接する部分には開口M1aが設けられていないので、開口M1aのバリによって正孔輸送層17a(R)の最上面に凹凸が形成されることはない。
[電子輸送層15(G)の形成]
次に、引き続きマスクM1を用いて、真空蒸着法により電子輸送層15(G)を形成する。電子輸送層15(G)の膜厚は、例えば約20(nm)である。このとき、マスクM1は、取り外しや交換は行わず、電子注入層14(G)形成時からそのまま連続して使用される。
[有機発光層16(G)、正孔輸送層17a(G)の形成]
さらに、引き続いてマスクM1を用いて、真空蒸着法により有機発光層16(G)および正孔輸送層17a(G)を形成する。有機発光層16(G)の膜厚は、例えば約40(nm)、正孔輸送層17a(G)の膜厚は、例えば約65(nm)である。このときも、マスクM1は、取り外しや交換は行わず、電子輸送層15(G)形成時からそのまま連続して使用する。このとき、電子注入層14(G)、電子輸送層15(G)、有機発光層16(G)、および正孔輸送層17a(G)の機能層を形成する工程間でマスクを交換する工程を挟まない。そのため、平面視した場合、機能層の外周縁が一致する。
尚、本実施の形態に係る表示パネルの製造方法では、マスクM1は、図8において第1機能層50(R)を形成するのに用いたマスクM1と同一のマスクを用いたが、マスクM1の開口M1aがGに対応する位置にのみ設けられているマスクを用いてもよい。
(第3機能層形成工程)
次に、電子注入層14(B)、電子輸送層15(B)、有機発光層16(B)、および正孔輸送層17a(B)から構成される第3機能層50(B)の形成工程について説明する。
[マスクM1のセット]
第3機能層形成工程では、先ず、第2機能層を形成する工程におけるG色の有機発光層16(G)が形成される箇所に開口M1aが位置する状態から、第3機能層形成工程におけるB色の有機発光層16(B)が形成される箇所に開口M1aが位置する状態に、マスクM1を配置する操作を行う。
図14は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第2機能層形成後のマスクM1の退避操作を示す模式断面図である。図13に示す第2機能層を形成する工程を終えた状態から、図14に示すようにマスクM1を上方に移動し、マスクM1が、第1機能層50(R)を構成する電子注入層14(R)、電子輸送層15(R)、有機発光層16(R)、正孔輸送層17a(R)、及び第2機能層50(G)を構成する電子注入層14(G)、電子輸送層15(G)、有機発光層16(G)、正孔輸送層17a(G)と接触しない位置まで、マスクM1を退避させる。
図15、及び図16は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第3機能層形成のためのマスクM1の移動操作を示す模式断面図である。図15に示すように、B色の有機発光層16(B)を形成する箇所に開口M1aを移動させるために、図15の矢印の示す方向にマスクM1を移動させ、図16に示すように、B色の有機発光層16(B)が形成される箇所に開口M1aが位置した状態でマスクM1の移動を停止する。このとき、マスクM1の下面M1cが正孔輸送層17a(R)及び正孔輸送層17a(G)と接触しないよう、マスクM1が正孔輸送層17a(R)及び正孔輸送層17a(G)から離間した状態で、マスクM1の移動及び位置決め操作を行う。
図17は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第3機能層形成のためのマスクM1の配置操作を示す模式断面図である。ここでは、マスクM1を下方に移動させ、図17に示すように、マスクM1の下面M1cが正孔輸送層17a(R)又は正孔輸送層17a(G)の上面に当接した状態でマスクM1の移動を停止する。図17に示すように、マスクM1の下面M1cと隔壁13との間には機能層50a(R)の厚みに相当する隙間が生じるが、本実施の形態の一態様では、当該厚みは約146(nm)と小さく、このような隙間が生じることで蒸着する材料が隙間の中に回り込みマスキング精度が低下することはない。また、磁石を用いて基板とマスクを密着させることにより、エッジ部M1bを含め、マスクM1の下面M1cの一部は隔壁13上に当接され、146(nm)程度の隙間は無視できるくらいの隙間となる。以上によって、第3機能層形成工程におけるマスクM1の配置が完了する。
[電子注入層14(B)、電子輸送層15(B)、有機発光層16(B)、正孔輸送層17a(B)の形成]
図18は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第3機能層形成工程を示す模式断面図である。図18に示すように、真空蒸着法により電子注入層14(B)、電子輸送層15(B)、有機発光層16(B)、および正孔輸送層17a(B)を、マスクM1の取り外しや交換を行わず、連続して形成する。電子注入層14(B)の膜厚は、例えば約1(nm)、電子輸送層15(B)の膜厚は、例えば約20(nm)、有機発光層16(B)の膜厚は、例えば約40(nm)、正孔輸送層17a(B)の膜厚は、例えば約20(nm)である。電子注入層14(B)、電子輸送層15(B)、有機発光層16(B)、および正孔輸送層17a(B)の機能層を形成する工程間でマスクを交換する工程を挟まないため、平面視した場合、機能層の外周縁が一致する。
また、このとき、マスクM1は、下面M1cが正孔輸送層17a(R)、17a(G)の最上面に密着するように正孔輸送層17a(R)、17a(G)上に配置されている。
ここで、マスクM1が正孔輸送層17a(R)、17a(G)の最上面と接する部分には開口M1aが設けられていないので、開口M1aのバリによって正孔輸送層17a(R)、17a(G)の最上面に凹凸が形成されることはない。
尚、本実施の形態に係る表示パネルの製造方法では、マスクM1は、図13において第2機能層50(G)を形成するのに用いたマスクM1と同一のマスクを用いたが、マスクM1の開口M1aがBに対応する位置にのみ設けられているマスクを用いてもよい。
(共通機能層を形成する工程)
図19は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である第3機能層形成後のマスクM1の退避操作を示す模式断面図である。図18に示す第3機能層形成工程を終えた状態から、図19に示すようにマスクM1を上方に移動し、マスクM1が第1機能層を構成する電子注入層14(B)、電子輸送層15(B)、有機発光層16(B)、および正孔輸送層17a(B)と接触しない位置まで、マスクM1を退避させる。次に、マスクM1を取り外す。
図20は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である共通能膜形成のためのマスクM2の配置操作を示す模式断面図である。マスクM2は、全ての機能層に対応する位置に開口M2aが設けられており、第1機能層50(R)、第2機能層50(G)、第3機能層50(B)を画素単位で覆うベタ膜として共通正孔輸送層17bを形成してもよい。あるいは、全ての画素における第1機能層50(R)、第2機能層50(G)、第3機能層50(B)を覆うひとつのベタ膜として形成してもよい。ここでは、第1機能層50(R)、第2機能層50(G)、第3機能層50(B)を画素単位で覆うベタ膜として共通正孔輸送層17bを形成する場合について、説明する。
図21は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である共通機能層を形成する工程を示す模式断面図である。図21に示すように、マスクM2を用いて真空蒸着法により正孔輸送層17(R)、正孔輸送層17(G)、および正孔輸送層17(B)の上に共通層として共通正孔輸送層17bを形成する。共通正孔輸送層17bの膜厚は、例えば約90(nm)である。マスクM2の開口M2aの幅(X軸方向の幅)W4は、画素200における第1機能層50(R)から第3機能層50(B)までの範囲を示す幅(X軸方向の幅)W3よりも広く設定されており、開口M2aのエッジ部M2bと機能層50の外周縁のうち前記エッジ部M2bに最も近接している部分との間には、隙間d1が存在する。平面視においてマスクM2の開口M2a内に第1機能層50(R)、第2機能層50(G)、第3機能層50(B)がそれぞれすっぽりと収まった状態で、マスクM2は隔壁13上に密着して配置されている。そのため、マスクM2の開口M2aのエッジ部M2bが第1機能層50(R)、第2機能層50(G)、第3機能層50(B)の何れとも接触しない。従って、エッジ部M2bのバリによって正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)に凹凸が形成されることがない。なお、ここでは、幅W3は、X軸方向において、第1機能層50(R)の外周縁と第3機能層50(B)の外周縁との間の距離のうち、最も遠い距離をW3としている。このように、共通正孔輸送層17bとして、R、G、Bのサブ画素に対して同時に成膜することにより、同じ膜厚を正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)として、R、G、Bのサブ画素に対して個別に成膜する場合よりも、全体として成膜に要する時間の削減、材料使用量の削減を図ることができる。
続いて、マスクM2を用いて図21に示すように、真空蒸着法により共通正孔輸送層17bの上に正孔注入層18を形成する。正孔注入層18の膜厚は、例えば約20(nm)である。このとき、マスクM2は、取り外しや交換は行わず、共通正孔輸送層17b形成時からそのまま連続して使用される。共通正孔輸送層17bと正孔注入層18とを形成する工程間でマスクを交換する工程を挟まないため、平面視した場合、各機能層の外周縁が一致する。
(電極形成工程)
図22は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である電極形成のためのマスクM3の配置操作を示す模式断面図である。マスクM2を取り外し、マスクM3を配置する。
図23は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程の一部である電極形成工程を示す模式断面図である。図23に示すように、マスクM3を用いて、真空蒸着法により陽極19を複数のサブ画素を覆って形成する。陽極19の膜厚は、例えば約15(nm)である。
なお、図示しないが、陽極19の成膜工程後に、SiN、SiON等の光透過性材料をスパッタ法、CVD法等で成膜し封止層を形成する工程や、アクリルまたはエポキシ系の樹脂と封止用基板を用いて封止を行う工程を実施する。
以上の工程を経ることにより、図24に示すように表示パネル10が完成する。
(マスク傷の防止に伴う発光不良を防止について)
本実施の形態の一態様では、上記したように、真空蒸着法やスパッタリング法等の気相成長法により機能層50を形成する表示パネルの製造方法において、マスクM1の下面M1cが基板11の主面上の層形成下地面に実質的に当接するようにマスクM1を配置し、マスクM1が機能層50の最上面と接する部分には開口M1aが設けられていない構成としたので、開口を取り囲むエッジ部M1bによって機能層50の最上面にマスク傷である凹凸が形成されることを防止できる。これにより、マスクM1と機能層50とが接触して機能層50が損傷を受けることに起因して生じる発光不良を防止することができる。
(電子注入層14を個別形成したことについて)
上記実施の形態の一態様によれば、電子注入層14が各サブ画素において、複数のサブ画素を覆う共通層とはならずに個別に成膜されることになるため、電子注入層14に導電性の高い材料を用いる場合であっても、隣接するサブ画素へ電流漏れが発生してしまうという問題を回避できる。
(共通正孔輸送層17b、正孔注入層18を共通に形成したことについて)
有機EL素子のリーク電流を防ぐために有機物積層の総膜厚は厚く形成する必要がある。上記実施の形態の一態様では、移動度が、例えば10-3(cm2/Vs)オーダーと、比較的高い正孔輸送性材料を用いた正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)、17b、または正孔注入層18を、材料の移動度が、例えば10-6〜10-5(cm2/Vs)オーダーと、比較的低い電子輸送材料を用いた電子輸送層15に対して厚く成膜する構成とした。これにより、駆動電圧の上昇を防止できる。また、厚く形成する正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)、17bのうち、17bを共通機能層とする構成とした。これにより、成膜に要する時間と材料使用量の削減ができる。また。共通に形成する共通正孔輸送層17bを、第1機能層、第2機能層、第3機能層の上に配置する構成とした。これにより、マスク傷に起因する発光不良を防止できる。
尚、電子輸送層15を共通機能層として同時に成膜する場合は、材料の移動度が低いために、駆動電圧の上昇を防止するために、膜厚を厚くすることが望ましくない。したがって、膜厚を厚く構成できない点で、電子輸送層15を共通機能層として同時に成膜する場合は、成膜に要する時間と材料使用量の削減する効果は、共通正孔輸送層17bを設けた場合に比べて、その効果は相対的に小さい。
また、成膜装置の誤作動や誤操作などのトラブル等によって、連続成膜とはならずマスクの移動・交換を挟んでしまった場合、マスクの再セット作業によってはアライメントズレが発生し、マスクの開口を取り囲むエッジ部が機能層の上に配置され機能層に凹凸が生じてしまう可能性がある。このような場合にも、上記実施の形態の一態様では、移動度が高く膜厚を厚く形成することができる正孔輸送層、及び正孔注入層が上部側に配置されているため、機能層の凹凸を正孔輸送性の電荷機能層の膜厚を厚くしてカバーすることで、その更に上部の層、例えば陽極の段切れを防止することが可能となる。
<変形例>
以上、実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例等が考えられる。
(1) 実施の形態では、各層の膜厚を図5に示すよう構成したが、各層の厚さはこれに限られない。例えば、図25に示す態様とすることもできる。実施の形態では、図5に示すように、正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)、及び共通正孔輸送層17bの膜厚が、各々、約75(nm)、約65(nm)、約20(nm)、及び約90(nm)であったところ、本変形例の一態様では、図25に示すように、正孔輸送層17a(R)、及び17a(G)の膜厚を、各々、約55(nm)、及び約45(nm)、及び正孔輸送層17a(B)は形成しない構成とし、共通正孔輸送層17bの膜厚を、約110(nm)とした。正孔輸送層17a及び共通正孔輸送層17bは、同一の材料で構成されているので、R、G、Bに対応する各サブ画素における正孔輸送層の総厚は、本変形例の一態様と実施の形態とで、同一である。本変形例の一態様では、正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)のうち、最も膜厚の薄い正孔輸送層17a(R)を形成せず、相当する厚みの部分を共通機能層である共通正孔輸送層17bに移行し、R、G、Bに対応する各サブ画素で同時に成膜する構成とした。これにより、本変形例の一態様では、正孔輸送層17a(R)、17a(G)、17a(B)、及び共通正孔輸送層17bのトータルの成膜に要する時間を、実施の形態に対して約84%に低減することができる。
(2)本変形例の一態様では、図示していないが、陽極19の上方には、各有機発光層16の位置に合わせて、R、G、B各々の色に対応するカラーフィルターが配設されている。カラーフィルターは、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させるために設けられる透明層である。カラーフィルターは、具体的には、例えば、複数の開口部を画素単位に行列状に形成した隔壁が設けられたカラーフィルター形成用の基板に対し、カラーフィルター材料および溶媒を含有したインクを塗布する工程により形成される。
(3)変形例の一態様では、開口部13aの形状を、正方形、円形、楕円形等の形状とすることとしてもよい。開口部13aの形状が「長尺状である」とは、開口部が長辺と短辺を有する形状であることを指し、必ずしも矩形状である必要はない。例えば、正方形、円形、楕円形等の形状とすることとしてもよい。
(4)開口部13aは、R、G、Bによって面積が異なる構成としてもよい。
(5)実施の形態では、図5において、基板11上に陰極12〜陽極19の各層が積層形成されてなる構成を示した。変形例の一態様においては、各層のうちの何れかの層を欠いている構成としてもよい。あるいは、1つの層が複数の層の機能を果たすように形成されている構成としてもよい。もしくは、例えば透明導電層などの他の層をさらに含む構成としてもよい。
(6)実施の形態では、陰極12を形成した基板11に隔壁13を形成し、隔壁13の開口部を含む領域に機能層を形成する構成とした。変形例の一態様においては、隔壁13を設けず機能層を構成したが、隔壁13を設けず陰極12を形成した基板11に機能層を形成する構成としても良い。
<まとめ>
以上、説明したとおり、本実施の形態の一態様では、気相成長法により機能層を形成する表示パネルの製造方法において、開口を取り囲むエッジ部によって機能層の最上面にマスク傷である凹凸が形成されることを防止できる。これにより、マスクと機能層とが接触して機能層が損傷を受けることに起因して生じる発光不良を防止することができる。
また、本発明の一態様に係る表示パネルの製造方法においては、複数の層からなる第1機能層を形成する第1機能層を形成する工程又は第2機能層を形成する工程において、マスクを交換する操作を挟まないため、第1機能層又は第2機能層を構成する各層の外周縁が一致する。また、マスクの開口を取り囲むエッジ部に存在するバリが開口内に位置する第1機能層とは接触しない。このため、第1機能層又は第2機能層の表面が傷つけられて凹凸が生じることが無い。従来の製造方法において、凹凸が形成された機能層の上に別の機能層が形成されると、凹凸部分の上に形成された機能層の膜厚が局所的に不均一となる。機能層に局所的に膜厚の不均一な部分が存在すると、その部分に電荷が集中して劣化が促進されるという問題が生じる。また、局所的に膜厚の不均一な部分が形成された場合には発光ムラの問題が生じる。しかし、本発明の一態様に係る表示パネルの製造方法では、上述したように、第1機能層、第2発光層および第2機能層の表面が傷つけられて凹凸が生じることが無いため、劣化促進や発光ムラの問題を防ぐことができる。
また、各層の界面にコンタミネーションが付着するという問題を防ぐことができる。有機EL素子において、層の界面の汚染は、しばしば有機EL素子の特性が不安定になり劣化するなどの問題を引き起こす原因となる。特に、発光層と発光層に隣接する層との界面がセンシティブであることが広く知られている。機能層を連続形成することで有機EL素子の特性劣化を防止できる。
また、第1機能層及び第2機能層の上に、共通機能層を形成するための材料を堆積させることにより、第1サブ画素及び第2サブ画素における共通機能層を形成する共通機能層を形成する工程においては、サブ画素形成マスクを用いて形成するのではなく、大開口のマスクを用いてベタ膜として形成するため、アラインメントが多少ずれた場合であっても、平面視した場合に、開口内に位置している第1機能層および第2機能層の外周縁とマスクの開口を取り囲むエッジ部との間には隙間が存在するために、マスクの開口を取り囲むエッジ部に存在するバリが開口内に位置する第1機能層および第2機能層とは接触せず、第1機能層および第2機能層の表面が傷つけられて凹凸が生じることが無い。また、共通機能層を形成する工程においては、R、G、Bで同じ材料の電荷機能層を用いる際に、R、G、Bそれぞれで個別に電荷機能層を成膜するのではなく、連続した一定膜厚を有する共通の電荷機能層とすることで、製造コスト、工程数を削減することができる。
また、共通機能層を形成する工程において成膜される各色について、同一の有機化合物材料からなる連続した一定膜厚を有する共通電荷機能層に加え、第1機能層を形成する工程および第2機能層を形成する工程において、第1機能層および第2機能層を形成するため、組み合わせにより各色それぞれの機能層は、それぞれ発光色(波長λ)に対応してそれぞれ異なる膜厚を有するようになる。これにより、共機能層並びに第1機能層、第2機能層の膜厚の設定によって各発光色の取り出しに最適な発光層の位置が画定でき、有機EL素子における発光色に対応したそれぞれ異なる光学距離を有する構成とすることができる。
なお、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
さらに、有機EL表示パネルにおいては電極のリード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路については発光素子、表示装置等の技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。尚、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
本発明の表示パネルの製造方等は、例えば、家庭用もしくは公共施設、あるいは業務用の各種表示装置、テレビジョン装置、携帯型電子機器用ディスプレイ等として用いられる表示パネルの製造方等に好適に利用可能である。
10 表示パネル
11 基板
12 陰極
13 隔壁
13a 隔壁開口部
14 電子注入層
15 電子輸送層
16 有機発光層
17 正孔輸送層
18 正孔注入層
19 陽極
100 サブ画素
200 画素
M1、M2、M3 マスク
M1a、M2a 開口
M1b、M2b エッジ部
M1c 下面

Claims (12)

  1. 第1機能層を有する第1サブ画素と、第2機能層を有する第2サブ画素とを備えた画素が複数配列された表示パネルの製造方法であって、
    基板の主面上の第1領域に第1サブ画素形成用マスクの開口を合わせ、且つ、前記第1サブ画素形成用マスクの下面が前記基板の主面上の層形成下地面に実質的に当接するように前記第1サブ画素形成用マスクを配置した状態で、
    第1機能層を形成するための材料を順次積層して前記第1領域に堆積させることにより、複数の層からなる第1機能層を形成する工程と、
    前記第1機能層を形成する工程の後に、前記基板の主面上の第2領域に第2サブ画素形成用マスクの開口を合わせ、且つ、前記第2サブ画素形成用マスクの下面が前記第1の機能層に実質的に当接するように前記第2サブ画素形成用マスクを配置した状態で、
    第2機能層を形成するための材料を順次積層して前記第2領域に堆積させることにより、複数の層からなる第2機能層を形成する工程と、
    を含む表示パネルの製造方法。
  2. 前記第1サブ画素形成用マスクと前記第2サブ画素形成用マスクは同一のサブ画素形成用マスクであり、
    前記第1機能層を形成する工程の後、前記第2機能層を形成する工程の前に、前記サブ画素形成用マスクの下面が前記第1機能層と離間した状態で、前記第1領域から前記第2領域に前記開口が移動するよう、前記サブ画素形成用マスクを移動する請求項1記載の表示パネルの製造方法。
  3. 前記第2機能層を形成する工程の後に、前記第1機能層及び前記第2機能層の上に、共通機能層を形成するための材料を堆積させることにより、前記第1サブ画素及び前記第2サブ画素における共通機能層を形成する工程を含む請求項1記載の表示パネルの製造方法。
  4. 前記第1機能層を形成する工程においては、第1電子輸送層、第1発光層、及び第1正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第1領域に堆積させることにより前記第1機能層を形成し、
    前記第2機能層を形成する工程においては、第2電子輸送層、第2発光層、及び第2正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第2領域に堆積させることにより、前記第2機能層を形成し、
    前記共通機能層を形成する工程においては、第3正孔輸送層を形成するための材料を堆積させることにより、前記共通機能層を形成し、
    前記第3正孔輸送層は、前記第1電荷輸送層又は前記第2電荷輸送層よりも厚く形成される請求項3記載の表示パネルの製造方法。
  5. 前記第1機能層を形成する工程の前に、前記基板の主面上に、前記第1領域に含まれる第1開口と、前記第2領域に含まれる第2開口とを規定する隔壁を形成する工程を含む請求項1記載の表示パネルの製造方法。
  6. 前記第1機能層を形成する工程においては、第1電子輸送層、第1発光層、及び第1正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第1領域に堆積させることにより前記第1機能層を形成する請求項1、又は3の何れかに記載の表示パネルの製造方法。
  7. 前記第1機能層を形成する工程においては、第1電子注入層、第1電子輸送層、第1発光層、及び第1正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第1領域に堆積させることにより前記第1機能層を形成する請求項1、又は3の何れかに記載の表示パネルの製造方法。
  8. 前記第2機能層を形成する工程においては、第2電子輸送層、第2発光層、及び第2正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第2領域に堆積させることにより、前記第2機能層を形成する請求項1又は3の何れかに記載の表示パネルの製造方法。
  9. 前記第2機能層を形成する工程においては、第2電子注入層、第2電子輸送層、第2発光層、及び第2正孔輸送層を形成するための材料を、当該順序で積層して前記第2領域に堆積させることにより、前記第2機能層を形成する請求項1又は3の何れかに記載の表示パネルの製造方法。
  10. 前記共通機能層を形成する工程においては、正孔注入層を形成するための材料を堆積させることにより、前記共通機能層を形成する請求項3記載の表示パネルの製造方法。
  11. 前記共通機能層を形成する工程においては、第3正孔輸送層を形成するための材料を堆積させることにより、前記共通機能層を形成する請求項3記載の表示パネルの製造方法。
  12. 前記共通機能層を形成する工程においては、第3正孔輸送層、及び正孔注入層を形成するための材料を当該順序で積層して堆積させることにより、前記共通機能層を形成する請求項3記載の表示パネルの製造方法。
JP2012160698A 2012-07-19 2012-07-19 表示パネルの製造方法 Pending JP2014022221A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012160698A JP2014022221A (ja) 2012-07-19 2012-07-19 表示パネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012160698A JP2014022221A (ja) 2012-07-19 2012-07-19 表示パネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014022221A true JP2014022221A (ja) 2014-02-03

Family

ID=50196870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012160698A Pending JP2014022221A (ja) 2012-07-19 2012-07-19 表示パネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014022221A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106169535A (zh) * 2015-05-19 2016-11-30 三星显示有限公司 掩模以及利用其使有机发光显示设备的像素图案化的方法
WO2022130107A1 (ja) * 2020-12-18 2022-06-23 株式会社半導体エネルギー研究所 発光デバイス、発光装置、電子機器、および照明装置
WO2023285903A1 (ja) * 2021-07-16 2023-01-19 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106169535A (zh) * 2015-05-19 2016-11-30 三星显示有限公司 掩模以及利用其使有机发光显示设备的像素图案化的方法
US10566533B2 (en) 2015-05-19 2020-02-18 Samsung Display Co., Ltd. Masks, method to inspect and adjust mask position, and method to pattern pixels of organic light-emitting display device utilizing the masks
CN106169535B (zh) * 2015-05-19 2020-10-20 三星显示有限公司 掩模以及利用其使有机发光显示设备的像素图案化的方法
US10916703B2 (en) 2015-05-19 2021-02-09 Samsung Display Co., Ltd. Masks, method to inspect and adjust mask position, and method to pattern pixels of organic light-emitting display device utilizing the masks
WO2022130107A1 (ja) * 2020-12-18 2022-06-23 株式会社半導体エネルギー研究所 発光デバイス、発光装置、電子機器、および照明装置
WO2023285903A1 (ja) * 2021-07-16 2023-01-19 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9818808B2 (en) Organic electroluminescence display panel and method of manufacturing the same
JP6291698B2 (ja) 有機el表示パネル、それを用いた表示装置および有機el表示パネルの製造方法
US10854839B2 (en) Organic el display panel and method of manufacturing organic el display panel
JP5677290B2 (ja) 有機el表示パネルとその製造方法
JP5543441B2 (ja) 有機発光素子とその製造方法、有機表示パネル、有機表示装置
US9153628B2 (en) Display panel having an inter-layer insulation layer with planar and protruding regions
JP5519537B2 (ja) 有機el表示パネル及びその製造方法
JP6232655B2 (ja) 有機el表示パネルおよびその製造方法
US8524328B2 (en) Methods for manufacturing organic EL display panel and organic EL display device
CN108417600B (zh) 有机el显示面板以及有机el显示面板的制造方法
JP6233888B2 (ja) 有機発光デバイスとその製造方法
US20110210348A1 (en) Organic light-emitting device and method of manufacturing the same
JP2019192594A (ja) 表示パネル、表示装置、および、表示パネルの製造方法
US8729535B2 (en) Organic EL display panel and method for producing same
US10559642B2 (en) Organic light-emitting device having a fluoride and metal based intermediate layer and production method
JP2014022221A (ja) 表示パネルの製造方法
JP2018133242A (ja) 有機el表示パネル、及び有機el表示パネルの製造方法
JP2013134847A (ja) 表示パネルの製造方法および表示パネル
JP2020030933A (ja) 有機el表示パネル、及び有機el表示パネルの製造方法
JP2018156882A (ja) 有機el表示パネル、及び有機el表示パネルの製造方法
WO2013094142A1 (ja) 表示パネルおよび表示装置
WO2019142360A1 (ja) 表示装置及びその製造方法
JP2019133835A (ja) 有機el表示パネル及び有機el表示パネルの製造方法
JP2018181460A (ja) 有機el表示パネル及び有機el表示パネルの製造方法
JP2018129264A (ja) 有機el表示パネル、及び有機el表示パネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20140606