JP5778950B2 - 有機el表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンス(EL;Electro Luminescence)現象を利用して発光する有機EL表示装置およびその製造方法に関する。
情報通信産業の発達が加速するにつれて、高度な性能を有する表示素子が要求されている。その中で、次世代表示素子として注目されている有機EL素子は自発発光型表示素子として視野角が広くてコントラストが優秀なだけでなく応答時間が速いという長所がある。
有機EL素子を形成する発光層等に用いられる材料は、低分子材料と高分子材料に大別される。一般に、低分子材料の方がより高い発光効率、長寿命を示すことが知られており、特に青色発光の性能は高いとされる。
また、その有機膜は、低分子材料では一般的に真空蒸着法等の乾式法(蒸着法)、高分子材料ではスピンコーティング方式、インクジェット方式またはノズルコート方式等の湿式法(塗付法)やフレキソ印刷、オフセット印刷等の印刷法により成膜されている。
真空蒸着法は、有機薄膜の形成材料を溶媒に溶解させる必要がなく、成膜後に溶媒を除去する工程が不要という利点がある。但し、真空蒸着法はメタルマスクによる塗り分けが難しく、特に大型のパネルの作製における設備製造コストが高いため、大画面基板への適用が難しく、量産にも難があるなどの欠点を有していた。そこで表示画面の大面積化が比較的容易な塗布法が注目されている。
近年、可溶性の低分子材料を湿式法により成膜する方法が探索されており、赤色および緑色発光層においては、高い発光効率および寿命特性を示すものが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、湿式法によって成膜された青色発光層では、低分子材料および高分子材料問わず発光輝度および寿命特性が低く、特に湿式法によるパターニングは困難とされていた。
そこで、上記塗布法あるいはレーザ等の光照射を用いた転写法によってパターニングした赤色発光層および緑色発光層の上部に、青色発光層以降の層を真空蒸着法で形成した表示装置が開発されている。このような構造とすることにより、青色発光層に対するパターニングが不要となり、大型化への実現性が高くなる。
一方、有機EL素子のさらなる改善点として発光効率がある。最近では、発光材料としてりん光材料を用いた有機EL素子が報告されている。りん光材料は、内部量子効率が75%以上、理論上では100%近い値を有し、りん光材料を用いることにより高効率且つ低消費電力な有機EL素子が得られると期待されている。例えば特許文献1では、りん光発光材料を含む素子ごとに設けられた発光層の上部に青色発光層を共通層として形成した表示装置が開示されている。
特開2006−140434号公報
IMID/IDMC/ASIA DISPLAY 2010 DIGEST 159
しかしながら、特許文献1の有機EL素子では、実際にはりん光材料を含む発光層の発光効率は低下し、更に電流密度依存性によって色度の変動が生じるという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、色度の変動を生じることなく発光効率を向上させることが可能な有機EL表示装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明による有機EL表示装置は、以下の(A)〜(F)の構成要素を備えたものである。
(A)基板に、青色の第1有機EL素子およびその他の色の第2有機EL素子の各々ごとに設けられた下部電極
(B)下部電極の上に第1有機EL素子および第2有機EL素子の各々ごとに設けられた正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層
(C)第2有機EL素子用の正孔注入・輸送層上に設けられたその他の色の第2有機発光層
(D)第2有機発光層および第1有機EL素子用の正孔注入・輸送層の全面に設けられると共に、式(1)または(2)で表わされる含窒素複素環式化合物を含み、三重項励起状態(T1H)が、第2有機発光層の三重項励起状態(T1E)よりも0.1eV以上高く、且つ、正孔注入・輸送層との基底状態のエネルギー差(接続層の基底状態(S0H)と正孔注入・輸送層との基底状態(S0I)との差)が0.4eV以下である接続層
(E)接続層の全面に設けられた青色の第1有機発光層
(F)第1有機発光層の全面に順に設けられた電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および上部電極
Figure 0005778950
(A1〜A3は芳香族炭化水素基、複素環基またはそれらの誘導体である。)

Figure 0005778950
(L1は2価の芳香族環基が2ないし6個結合した基である。具体的には2〜6個の芳香族環が連結した2価の基、またはその誘導体である。A6〜A9は、芳香族炭化水素基あるいは複素環基、またはその誘導体が1〜10個結合した基である。)
本発明による有機EL表示装置の製造方法は、以下の(A)〜(F)の工程を含むものである。なお、接続層は、三重項励起状態(T1H)が、第2有機発光層の三重項励起状態(T1E)よりも0.1eV以上高く、且つ、接続層の基底状態(S0H)と正孔注入・輸送層の基底状態(S0I)とのエネルギー差が0.4eV以下である。
(A)基板に下部電極を青色の第1有機EL素子およびその他の色の第2有機EL素子の各々ごとに形成する工程
(B)下部電極の上に正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層を第1有機EL素子および第2有機EL素子の各々ごとに塗布法により形成する工程
(C)第2有機EL素子用の正孔注入・輸送層の上にその他の色の第2有機発光層を塗布法により形成する工程
(D)第2有機発光層および第1有機EL素子用の正孔注入・輸送層の全面に上記式(1)または(2)で表わされる含窒素複素環式化合物を含む接続層を蒸着法により形成する工程
(E)接続層の全面に青色の第1有機発光層を蒸着法により形成する工程
(F)青色発光層の全面に電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および上部電極を順に形成する工程
本発明の有機EL表示装置では、青色の第1有機発光層とその他の色の第2有機発光層との間に上記式(1)または(2)で表わされる含窒素複素環式化合物を含むと共に、三重項励起状態(T1H)が、第2有機発光層の三重項励起状態(T1E)よりも0.1eV以上高く、且つ、正孔注入・輸送層との基底状態のエネルギー差(接続層の基底状態(S0H)と正孔注入・輸送層との基底状態(S0I)との差)が0.4eV以下である接続層を設けることにより、各有機発光層におけるエネルギーが保持される。
本発明の有機EL表示装置およびその製造方法によれば、青色の第1有機発光層とその他の色の第2有機発光層との間に上記式(1)または(2)で表わされる含窒素複素環式化合物を含むと共に、三重項励起状態(T1H)が、第2有機発光層の三重項励起状態(T1E)よりも0.1eV以上高く、且つ、正孔注入・輸送層との基底状態のエネルギー差(接続層の基底状態(S0H)と正孔注入・輸送層との基底状態(S0I)との差)が0.4eV以下である接続層を設けるようにしたので、各有機発光層におけるエネルギーの保持が可能となる。これにより、発光効率が向上すると共に、電流密度依存による色度変化が抑制され色純度が向上する。
本発明の第1の実施の形態に係る有機EL表示装置の構成を表す図である。 図1に示した画素駆動回路の一例を表す図である。 図1に示した表示領域の構成を表す断面図である。 本発明の各層の三重項エネルギーギャップの関係を表す図である。 図1に示した有機EL表示装置の製造方法の流れ図である。 図5に示した製造方法を工程順に表す断面図である。 図6に続く工程を表す断面図である。 図7に続く工程を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る有機EL表示装置の構成を表す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る有機EL表示装置の構成を表す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る有機EL表示装置の構成を表す断面図である。 上記実施の形態の表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。 上記実施の形態の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。 適用例3の外観を表す斜視図である。 適用例4の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して以下の順に詳細に説明する。
1.第1の実施の形態
(印刷法を用いて形成したりん光発光性低分子材料からなる第2発光層を有する有機EL表示装置)
全体構成
製造方法
2.変形例
(印刷以外の方法を用いて形成した第2発光層を有する有機EL表示装置)
3.第2の実施の形態
(りん光発光性低分子材料と高分子材料を含む第2発光層を有する有機EL表示装置)
4・第3の実施の形態
(りん光発光性高分子材料を含む第2発光層を有する有機EL表示装置)
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る有機EL表示装置1の構成を表すものである。この有機EL表示装置1は、有機ELテレビジョン装置などとして用いられるものであり、例えば、基板11の上に、表示領域110として、後述する複数の赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bがマトリクス状に配置されたものである。表示領域110の周辺には、映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が設けられている。
表示領域110内には画素駆動回路140が設けられている。図2は、画素駆動回路140の一例を表したものである。画素駆動回路140は、後述する下部電極14の下層に形成されたアクティブ型の駆動回路である。すなわち、この画素駆動回路140は、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2と、これらトランジスタTr1,Tr2の間のキャパシタ(保持容量)Csと、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において駆動トランジスタTr1に直列に接続された赤色有機EL素子10R(または緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10B)とを有する。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、一般的な薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により構成され、その構成は例えば逆スタガ構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガ構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。
画素駆動回路140において、列方向には信号線120Aが複数配置され、行方向には走査線130Aが複数配置されている。各信号線120Aと各走査線130Aとの交差点が、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bのいずれか一つ(サブピクセル)に対応している。各信号線120Aは、信号線駆動回路120に接続され、この信号線駆動回路120から信号線120Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、この走査線駆動回路130から走査線130Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。
また、表示領域110には、赤色の光を発生する赤色有機EL素子10Rと、緑色の光を発生する緑色有機EL素子10Gと、青色の光を発生する青色有機EL素子10Bとが、順に全体としてマトリクス状に配置されている。なお、隣り合う赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの組み合わせが一つの画素(ピクセル)を構成している。
図3は図1に示した表示領域110の断面構成を表したものである。赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bは、それぞれ、基板11の側から、上述した画素駆動回路140の駆動トランジスタTr1および平坦化絶縁膜(図示せず)を間にして、陽極としての下部電極14、隔壁15、後述する発光層16C(赤色発光層16CR,緑色発光層16CG,青色発光層16CB)および接続層16Dを含む有機層16および陰極としての上部電極17がこの順に積層された構成を有している。
このような赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bは、保護層30により被覆され、更にこの保護層30上に熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂などの接着層(図示せず)を間にしてガラスなどよりなる封止用基板40が全面にわたって貼り合わされることにより封止されている。
基板11は、その一主面側に赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bが配列形成される支持体であって、公知のものであって良く、例えば、石英、ガラス、金属箔、もしくは樹脂製のフィルムやシートなどが用いられる。この中でも石英やガラスが好ましく、樹脂製の場合には、その材質としてポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるメタクリル樹脂類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステル類、もしくはポリカーボネート樹脂などが挙げられるが、透水性や透ガス性を抑える積層構造、表面処理を行うことが必要である。
下部電極14は、基板11上に、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの各々ごとに設けられている。下部電極14は、例えば、積層方向の厚み(以下、単に厚みと言う)が10nm以上1000nm以下であり、クロム(Cr),金(Au),白金(Pt),ニッケル(Ni),銅(Cu),タングステン(W)あるいは銀(Ag)などの金属元素の単体または合金が挙げられる。また、下部電極14は、これらの金属元素の単体または合金よりなる金属膜と、インジウムとスズの酸化物(ITO)、InZnO(インジウム亜鉛オキシド)、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)との合金などの透明導電膜との積層構造を有していてもよい。なお、下部電極14が陽極として使われる場合には、下部電極14は正孔注入性の高い材料により構成されていることが望ましい。但し、アルミニウム(Al)合金のように、表面の酸化皮膜の存在や、仕事関数が大きくないことによる正孔注入障壁が問題となる材料においても、適切な正孔注入層16Aを設けることによって下部電極14として使用することが可能である。
隔壁15は、下部電極14と上部電極17との絶縁性を確保すると共に発光領域を所望の形状にするためのものである。更に、後述する製造工程においてインクジェット方式またはノズルコート方式等による塗布を行う際の隔壁としての機能も有している。隔壁15は、例えば、SiO2等の無機絶縁材料よりなる下部隔壁15Aの上に、ポジ型感光性ポリベンゾオキサゾール,ポジ型感光性ポリイミドなどの感光性樹脂よりなる上部隔壁15Bを有している。隔壁15には、発光領域に対応して開口が設けられている。なお、有機層16ないし上部電極17は、開口だけでなく隔壁15の上にも設けられていてもよいが、発光が生じるのは隔壁15の開口だけである。
赤色有機EL素子10Rの有機層16は、例えば、下部電極14の側から順に、正孔注入層16AR,正孔輸送層16BR,赤色発光層16CR,接続層16D,青色発光層16CB,電子輸送層16Eおよび電子注入層16Fを積層した構成を有する。緑色有機EL素子10Gの有機層16は、例えば、下部電極14の側から順に、正孔注入層16AG,正孔輸送層16BG,緑色発光層16CG,接続層16D,青色発光層16CB,電子輸送層16Eおよび電子注入層16Fを積層した構成を有する。青色有機EL素子10Bの有機層16は、例えば、下部電極14の側から順に、正孔注入層16AB,正孔輸送層16BB,接続層16D,青色発光層16CB,電子輸送層16Eおよび電子注入層16Fを積層した構成を有する。これらのうち接続層16D,青色発光層16CB,電子輸送層16Eおよび電子注入層16Fは、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの共通層として設けられている。
正孔注入層16AR,16AG,16ABは、各発光層16CR,16CG,16CBへの正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを防止するためのバッファ層であり、下部電極14の上に赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの各々ごとに設けられている。
正孔注入層16AR,16AG,16ABの厚みは例えば5nm〜100nmであることが好ましく、より好ましくは8nm〜50nmである。正孔注入層16AR,16AG,16ABの構成材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン、ポリキノキサリンおよびそれらの誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニン等)、カーボンなどが挙げられる。
正孔注入層16AR,16AG,16ABに用いられる材料が高分子材料である場合には、その高分子材料の重量平均分子量(Mw)は5000〜30万の範囲であればよく、特に1万〜20万程度が好ましい。また、2000〜1万程度のオリゴマーを用いてもよいが、Mwが5000未満では正孔輸送層以後の層を形成する際に、正孔注入層が溶解してしまう虞がある。また30万を超えると材料がゲル化し、成膜が困難になる虞がある。
正孔注入層16AR,16AG,16ABの構成材料として使用される典型的な導電性高分子としては、例えばポリアニリン、オリゴアニリンおよびポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などのポリジオキシチオフェンが挙げられる。この他、エイチ・シー・スタルク製Nafion(商標)で市販されているポリマー、または商品名Liquion(商標)で溶解形態で市販されているポリマーや、日産化学製エルソース(商標)や、綜研化学製導電性ポリマーベラゾール(商標)などがある。
赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gおよび青色有機EL素子10Bの正孔輸送層16BR,16BG,16BBは、赤色発光層16CR,緑色発光層16CG,青色発光層16CBへの正孔輸送効率を高めるためのものである。正孔輸送層16BR,16BG,16BBは、正孔注入層16AR,16AG,16ABの上に赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの各々ごとに設けられている。
正孔輸送層16BR,16BG,16BBの厚みは、素子の全体構成にもよるが、例えば10nm〜200nmであることが好ましく、さらに好ましくは15nm〜150nmである。正孔輸送層16BR,16BG,16BBを構成する高分子材料としては、有機溶媒に可溶な発光材料、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレン、ポリアニリン、ポリシランまたはそれらの誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールなどを用いることができる。
更に好ましくは、それぞれ上下に接する正孔注入層16AR,16AG,16ABおよび各色の発光層16CR,16CG、16CBとの密着性が良好であり、有機溶媒に可溶な性質を有する式(1)で表わされる高分子材料が挙げられる。
Figure 0005778950
(A1〜A4は、各々独立して芳香族炭化水素基またはその誘導体が1〜10個結合した基、あるいは複素環基またはその誘導体が1〜15個結合した基である。nおよびmは0〜10000の整数であり、n+mは10〜20000の整数である。)
また、n部およびm部の配列順序は任意であり、例えばランダム重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。更に、nおよびmは5〜5000の整数であることが好ましく、より好ましくは10〜3000の整数である。また、n+mは10〜10000の整数であることが好ましく、より好ましくは20〜6000の整数である。
更に、式(1)で表わされる化合物におけるA1〜A4が示す芳香族炭化水素基の具体例としては、例えばベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、あるいはこれらの誘導体、またはフェニレンビニレン誘導体、スチリル誘導体等が挙げられる。複素環基の具体例としては、例えばチオフェン、ピリジン、ピロール、カルバゾール、あるいはこれらの誘導体が挙げられる。
また式(1)で表わされる化合物におけるA1〜A4が置換基を有する場合、この置換基は、例えば炭素数1〜12の直鎖あるいは分岐のアルキル基、アルケニル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ビニル基、アリル基等であることが好ましい。
式(1)に示した化合物の具体例としては、例えば以下の式(1−1)〜式(1−3)に示した化合物、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4'−(N−(4−sec−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)](TFB,式(1−1))、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−co−(N,N'−ビス{4−ブチルフェニル}−ベンジジンN,N'−{1,4−ジフェニレン})](式(1−2))、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)](PFO,式(1−3))が好ましいが、この限りではない。
Figure 0005778950
なお、本実施の形態では、正孔注入層16AR,16AG,16AB,正孔輸送層16BR,16BG,16BBおよび赤色発光層16CR,緑色発光層16CGまでを塗布法を用いて形成する。このため、正孔注入層16AR,16AG,16AB,正孔輸送層16BR,16BGとしてはこれらを形成した後の熱処理等によって架橋し溶媒に不溶化する化合物を用いる必要がある。
赤色発光層16CR,緑色発光層16CGでは、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり発光する。赤色発光層16CR,緑色発光層16CGの厚みは、素子の全体構成にもよるが、例えば10nm〜200nmであることが好ましく、さらに好ましくは15nm〜150nmである。赤色発光層16CR,緑色発光層16CGはりん光を発する低分子材料により構成されている。従来用いられている蛍光発光材料は、励起状態、即ち一重項状態から直接基底状態に戻り、この際に発光する。一重項状態はエネルギーが高く不安定であるため、その寿命は短い。これに対し、りん光発光材料は、一重項状態からやや安定した中間状態、即ち三重項状態を経て基底状態に戻る。三重項状態は、一重項より遷移した状態であるため、りん光の寿命は蛍光と比較して長い。
なお、ここで低分子材料とは、低分子化合物が同じ反応または類似の反応を連鎖的に繰り返すことにより生じた高分子量の重合体または縮合体の分子からなる化合物以外のものであって、分子量が実質的に単一であるものを指す。また、上記低分子材料は加熱による分子間の新たな化学結合は生じず、単分子で存在する。このような低分子材料の重量平均分子量(Mw)は1万以下であることが好ましい。
赤色発光層16CR,緑色発光層16CGを構成する材料としては、具体的には、りん光性のドーパントを含有する下記の式(2)および式(3)で表わされるりん光ホスト材料が挙げられる。
Figure 0005778950
(Zは含窒素炭化水素基あるいはその誘導体である。L1は2価の芳香族環基が1ないし4個結合した基、具体的には1〜4個の芳香族環が連結した2価の基、またはその誘導体である。A5およびA6は、芳香族炭化水素基あるいは芳香族複素環基、またはその誘導体である。但し、A4およびA5は互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
Figure 0005778950
(R1〜R3は、各々独立に水素原子、1〜3個の芳香族環が縮合した芳香族炭化水素基あるいはそれらの誘導体、炭素数1〜6個の炭化水素基を有する1〜3個の芳香族環が縮合した芳香族炭化水素基あるいはそれらの誘導体、炭素数6〜12個の芳香族炭化水素基を有する1〜3個の芳香族環が縮合した芳香族炭化水素基あるいはそれらの誘導体である。)
式(2)に示した化合物の具体例としては、以下の式(2−1)〜式(2−96)などの化合物が挙げられる。なお、ここでL1に結合する含窒素炭化水素基として、例えばカルバゾール基やインドール基を有する化合物を挙げたがこれに限らない。例えばイミダゾール基を用いてもよい。
Figure 0005778950
Figure 0005778950
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式(3)に示した化合物の具体例としては、以下の式(3−1)〜式(3−11)などの化合物が挙げられる。
Figure 0005778950
上記りん光ホスト材料にドープするドーパントとしてはりん光性金属錯体化合物、具体的には、オルトメタル化金属錯体またはポルフィリン金属錯体が挙げられる。中心金属には周期表7〜11族から選ばれる金属、例えばルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),銀(Ag),レニウム(Re),オスミウム(Os),イリジウム(Ir),白金(Pt)および金(Au)を用いることが好ましい。なお、上記ドーパントは1種あるいは2種以上用いてもよい。また、中心金属が異なるドーパントを組み合わせてもよい。
オルトメタル化金属錯体としては、例えば式(4−1)〜式(4−12)に表わされる化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005778950
ポルフィリン金属錯体としては、例えば式(5−1)〜式(5−7)に表わされる化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005778950
接続層16Dは、上記赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CG内で形成される三重項励起子を赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CG内に閉じ込める共に、青色発光層16CBへの正孔の注入効率を向上させるためのものである。接続層16Dは、赤色発光層16CR,緑色発光層16CGおよび青色有機EL素子10B用の正孔輸送層16BBの全面に共通層として設けられている。共通正孔輸送層16Dの厚みは、素子の全体構成にもよるが、例えば1nm〜30nmであることが好ましく、さらに好ましくは1nm〜15nmである。
接続層16Dを構成する材料としては、以下の条件が挙げられる。まず第1に、接続層16Dを構成する材料の励起三重項エネルギーが上記赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGの励起三重項エネルギーよりも十分に大きい。具体的には、図4に示したように、接続層16Dの三重項励起状態(T1H)は、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGの三重項励起状態(T1E)(図4では緑色発光層16CGのみを示す)よりも0.1eV以上高いことが好ましい。これにより、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGで生じた三重項励起子の青色発光層16CBへの拡散を防ぎ高効率なりん光発光が得られる。なお、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGはホスト材料(ホストマトリックスス)とゲスト材料(りん光エミッター)との混合物からなる。ここで述べた赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGの三重項励起状態とは、上記材料のうち発光部を有する材料の三重項励起状態のことである。第2に、青色発光層16CBへの正孔の注入効率を向上させるために高い正孔輸送性能を有し、且つ上記青色有機EL素子用の正孔輸送層16BBとの間に大きな正孔注入障壁を生じさせない。具体的には、接続層の基底状態(S0H)と正孔輸送層16BBの基底状態(S0I)とのエネルギー差が0.4eV以下とすることにより青色発光層16CBへの正孔注入効率を保つことができる。
また、接続層16Dは蒸着法を用いて形成するため、低分子材料、特にモノマーを用いることが好ましい。オリゴマーまたは高分子材料のような重合された分子は蒸着中分解が起こる虞があるためである。なお、接続層16Dに用いる低分子材料は分子量の異なる2種以上の材料を混合して用いても、積層して用いてもよい。
接続層16Dに用いられる低分子材料としては、例えば、上記式(2−1)〜式(2−97)、式(3−1)〜式(3−11)で示したりん光性ホスト材料が挙げられる。また、上記以外のりん光性ホスト材料を用いることも可能である。但し、一般的にりん光性ホスト材料は三重項励起子のエネルギー準位(T1準位)が高いものが多いが、電子輸送性能が高い材料は除外することが好ましい。但し、電子輸送性能が高い材料であっても、正孔輸送性が高い材料と混合するか、あるいは、それぞれからなる層を積層することによって用いることができる。
この他、接続層16Dに用いられるりん光性ホスト材料以外の低分子材料としては、例えば、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリフェニレン、アザトリフェニレン、テトラシアノキノジメタン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキザゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベンあるいはこれらの誘導体、または、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物あるいはアニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマーまたはオリゴマーを用いることができる。
さらに具体的な材料としては、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、N,N,N’,N’−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4、4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ−p−トリルアミノスチルベンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
さらに好ましくは、下記の式(6),式(7)で表わされる低分子材料が挙げられる。
Figure 0005778950
(A7〜A9は芳香族炭化水素基、複素環基またはそれらの誘導体である。)
Figure 0005778950
(L2は2価の芳香族環基が2ないし6個結合した基である。具体的には2〜6個の芳香族環が連結した2価の基、またはその誘導体である。A10〜A13は、芳香族炭化水素基あるいは複素環基、またはその誘導体が1〜10個結合した基である。)
式(6)に示した化合物の具体例としては、以下の式(6−1)〜式(6−48)などの化合物が挙げられる。
Figure 0005778950
Figure 0005778950
Figure 0005778950
また、式(6)に示した化合物の中でも、ジベンゾフラン構造を有するアリール基およびカルバゾール構造を有するアリール基を含むアミン化合物を用いることが好ましい。これらアミン化合物は、一重項励起準位および三重項励起準位が大きく、青色発光層16CBの電子を効果的にブロックすることが可能である。このため、発光効率が向上すると共に、正孔輸送層16BBへの電子の注入が抑制されるため、寿命特性が向上する。更に、赤色および緑色発光層16CR,16CGの三重励起子を高い三重励起子準位を閉じ込めて発光効率を向上することがすることができる。
ジベンゾフラン構造を有するアリール基およびカルバゾール構造を有するアリール基を含むアミン化合物の具体例としては、以下の式(6−49)〜式(6−323)等の化合物が挙げられる。
Figure 0005778950
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式(7)に示した化合物の具体例としては、以下の式(7−1)〜式(7−45)などの化合物が挙げられる。
Figure 0005778950
Figure 0005778950
Figure 0005778950
Figure 0005778950
また、式(2−1)〜式(2−97)に示したりん光ホスト材料の他に、上記式(2)の一般式で表わされる下記の式(2−97)〜式(2−166)などの化合物も用いることができる。なお、ここでL1に結合する含窒素炭化水素基として、例えばカルバゾール基やインドール基を有する化合物を挙げたがこれに限らない。例えばイミダゾール基を用いてもよい。
Figure 0005778950
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Figure 0005778950
青色発光層16CBは、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生するものであり、接続層16D上の全面に設けられている。青色発光層16CBは、アントラセン化合物をホスト材料として青色もしくは緑色の蛍光性色素のゲスト材料がドーピングされており、青色もしくは緑色の発光光を発生する。
このうち、青色発光層16CBを構成するホスト材料は、式(8)に表わされる化合物をホスト材料として用いることが好ましい。
Figure 0005778950
(R4〜R9は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素数20以下のアルキル基、アルケニル基、カルボニル基を有する基、カルボニルエステル基を有する基、アルコキシル基を有する基、シアノ基を有する基、ニトロ基を有する基、あるいはそれらの誘導体、炭素数30以下のシリル基を有する基、アリール基を有する基、複素環基を有する基、アミノ基を有する基あるいはそれらの誘導体である。)
式(8)で表わされる化合物におけるR1〜R6が示すアリール基を有する基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、フルオレニル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、1−クリセニル基、6−クリセニル基、2−フルオランテニル基、3−フルオランテニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基等が挙げられる。
また、R1〜R6が示す複素環基を有する基としては、ヘテロ原子として酸素原子(O)、窒素原子(N)、硫黄原子(S)を含有する5員環または6員環の芳香環基であり、炭素数2〜20の縮合多環芳香環基が挙げられる。このような複素環基としては、例えばチエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾチアゾール基が挙げられる。代表的なものとしては,1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、などが挙げられる。
R1〜R6が示すアミノ基を有する基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基などのいずれでもよい。これらは、炭素数1〜6個の脂肪族炭化水素基および/または1〜4個の芳香環基を有することが好ましい。このような基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ビスビフェニリルアミノ基、ジナフチルアミノ基が挙げられる。なお、上記置換基は2以上の置換基からなる縮合環を形成していてもよく、さらにその誘導体でもよい。
式(8)に示した化合物の具体例としては、以下の式(8−1)〜式(8−51)などの化合物が挙げられる。
Figure 0005778950
Figure 0005778950
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一方、青色発光層16CBを構成する発光性ゲスト材料としては、発光効率が高い低分子蛍光材料、りん光色素あるいは金属錯体等の有機発光材料などが用いられる。
ここで青色の発光性ゲスト材料とは、発光の波長範囲が約400nm〜490nmの範囲にピークを有する化合物を示す。このよう化合物として、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、スチリルアミン誘導体、ビス(アジニル)メテンホウ素錯体などの有機物質が用いられる。なかでも、アミノナフタレン誘導体、アミノアントラセン誘導体、アミノクリセン誘導体、アミノピレン誘導体、スチリルアミン誘導体、ビス(アジニル)メテンホウ素錯体から選択されることが好ましい。なお、青色発光層に用いられる材料としては、上記蛍光材料に限らず、りん光を用いてもよい。その際には、上記接続層16Dは青色発光層16CBに対して正孔輸送層であるため、青色発光層16CBの三重項エネルギーよりも高い三重項エネルギーを持つように構成することが好ましい。
電子輸送層16Eは、赤色発光層16CR,緑色発光層16CG,青色発光層16CBへの電子輸送効率を高めるためのものであり、青色発光層16CBの全面に共通層として設けられている。電子輸送層16Eの厚みは素子の全体構成にもよるが、例えば5nm〜300nmであることが好ましく、さらに好ましくは10nm〜170nmである。
電子輸送層16Eの材料としては、優れた電子輸送能を有する有機材料を用いることが好ましい。発光層、特に赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGへの電子の輸送効率を高めることにより、後述する電界強度による赤色有機EL素子10Rおよび緑色有機EL素子10Gにおける発光色の変化が抑制される。このような有機材料としては、具体的には電子移動度が10-6cm2/Vs以上1.0×10-1cm2/Vs以下の含窒素複素環誘導体を用いることができる。
更に具体的な材料としては、下記の式(9)〜式(11)で表わされるベンゾイミダゾール誘導体(式(9)),ピリジルフェニル誘導体(式(10)),ビピリジン誘導体(式(11))が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005778950
(A14は水素原子あるいはハロゲン原子、炭素数1〜20個のアルキル基、3〜40個の芳香族環が縮合した多環芳香族炭化水素基を有する炭素数6〜60個の炭化水素基または含窒素複素環基あるいはそれらの誘導体である。Bは単結合、2価の芳香族環基あるいはその誘導体である。R10,11は各々独立して水素原子あるいはハロゲン原子、炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数6〜60個の芳香族炭化水素基、含窒素複素環基または炭素数1〜20個のアルコキシ基あるいはそれらの誘導体である。)
Figure 0005778950
(A2は芳香族環が2ないし5個縮合したn価の基である。具体的には3個の芳香族環が縮合したn価のアセン系芳香族環基、またはその誘導体である。R12〜R17は各々独立して水素原子あるいはハロゲン原子、A15またはR18〜R22のいずれか1つに結合する遊離原子価である。R18〜R22は各々独立して水素原子、ハロゲン原子またはR3〜8のいずれか1つに結合する遊離原子価である。nは2以上の整数であり、n個のピリジルフェニル基は同一でもよく、異なっていてもよい。)
Figure 0005778950
(A16は芳香族環が2ないし5個縮合したm価の基である。具体的には3個の芳香族環が縮合したn価のアセン系芳香族環基、またはその誘導体である。R23〜R27は各々独立して水素原子あるはハロゲン原子、A16またはR28〜R32のいずれか1つに結合する遊離原子価である。R38〜R32は各々独立して水素原子、ハロゲン原子またはR14〜18のいずれか1つに結合する遊離原子価である。mは2以上の整数であり、m個のビピリジル基は同一でもよく、異なっていてもよい。)
式(9)に示した化合物の具体例としては、以下の式(9−1)〜式(9−49)などの化合物が挙げられる。なお、Ar(α)は式(9)中のR1,R2を含むベンゾイミダゾール骨格に、Bは式(6)中のBに対応する。Ar(1)およびAr(2)は式(9)中のA1に対応し、Ar(1),Ar(2)の順にBに結合する。
Figure 0005778950
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式(10)に示した化合物の具体例としては、以下の式(10−1)〜式(10−81)などの化合物が挙げられる。
Figure 0005778950
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Figure 0005778950
Figure 0005778950
Figure 0005778950
式(11)に示した化合物の具体例としては、以下の式(11−1)〜式(11−17)などの化合物が挙げられる。
Figure 0005778950
なお、電子輸送層16Eに用いる有機材料は上記化合物のようにアントラセン骨格を有する化合物が好ましいが、これに限らない。例えばアントラセン骨格に変えて、ピレン骨格またはクリセン骨格を備えたベンゾイミダゾール誘導体、ピリジルフェニル誘導体、ビピリジル誘導体を用いてもよい。また、電子輸送層16Eに用いる有機材料は1種類だけでなく、複数種類を混合または積層して用いてもよい。更にまた、上記化合物は後述する電子注入層16Fに用いてもよい。
電子注入層16Fは、電子注入効率を高めるためのものであり、電子輸送層16Eの全面に共通層として設けられている。電子注入層16Fの材料としては、例えばリチウム(Li)の酸化物である酸化リチウム(LiO2)や、セシウム(Cs)の複合酸化物である炭酸セシウム(Cs2CO3)、さらにはこれらの酸化物及び複合酸化物の混合物を用いることができる。また、電子注入層16Fは、このような材料に限定されることはなく、例えば、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属、リチウム、セシウム等のアルカリ金属、さらにはインジウム(In)、マグネシウム(Mg)等の仕事関数の小さい金属、さらにはこれらの金属の酸化物及び複合酸化物、フッ化物等を、単体でまたはこれらの金属および酸化物及び複合酸化物、フッ化の混合物や合金として安定性を高めて使用してもよい。更に、上記電子輸送層16Eの材料として挙げた式(6)〜式(8)に示した有機材料を用いてもよい。
上部電極17は、例えば、厚みが2nm以上150nm以下であり、金属導電膜により構成されている。具体的には、Al,Mg,CaまたはNaの合金が挙げられる。中でも、マグネシウムと銀との合金(Mg−Ag合金)は、薄膜での導電性と吸収の小ささとを兼ね備えているので好ましい。Mg−Ag合金におけるマグネシウムと銀との比率は特に限定されないが、膜厚比でMg:Ag=20:1〜1:1の範囲であることが望ましい。また、上部電極17の材料は、AlとLiとの合金(Al−Li合金)でもよい。
更に、上部電極17は、アルミキノリン錯体、スチリルアミン誘導体、フタロシアニン誘導体等の有機発光材料を含有した混合層でもよい。この場合には、さらに第3層としてMgAgのような光透過性を有する層を別途有していてもよい。なお、上部電極17は、アクティブマトリックス駆動方式の場合、有機層16と隔壁15とによって、下部電極14と絶縁された状態で基板11上にベタ膜状に形成され、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの共通電極として用いられる。
保護層30は、例えば厚みが2〜3μmであり、絶縁性材料または導電性材料のいずれにより構成されていてもよい。絶縁性材料としては、無機アモルファス性の絶縁性材料、例えばアモルファスシリコン(α−Si),アモルファス炭化シリコン(α−SiC),アモルファス窒化シリコン(α−Si1-xx)、アモルファスカーボン(α−C)などが好ましい。このような無機アモルファス性の絶縁性材料は、グレインを構成しないため透水性が低く、良好な保護膜となる。
封止用基板40は、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの上部電極17の側に位置しており、接着層(図示せず)と共に赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bを封止するものである。封止用基板40は、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bで発生した光に対して透明なガラスなどの材料により構成されている。封止用基板40には、例えば、カラーフィルタおよびブラックマトリクスとしての遮光膜(いずれも図示せず)が設けられており、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bで発生した光を取り出すと共に、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10B並びにその間の配線において反射された外光を吸収し、コントラストを改善するようになっている。なお、上部電極17が反射電極であり、透明な下部電極14から発生した光を取り出す構成としてはこの限りではない。例えば、保護層30および封止用基板40は不透明な材料を用いてもよい。その際には、カラーフィルタおよびブラックマトリクスとしての遮光膜を下部電極14側の画素駆動回路140上に形成することにより上記効果と同様の効果を得ることができる。
カラーフィルタは、赤色フィルタ,緑色フィルタおよび青色フィルタ(いずれも図示せず)を有しており、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bに対応して順に配置されている。赤色フィルタ,緑色フィルタおよび青色フィルタは、それぞれ例えば矩形形状で隙間なく形成されている。これら赤色フィルタ,緑色フィルタおよび青色フィルタは、顔料を混入した樹脂によりそれぞれ構成されており、顔料を選択することにより、目的とする赤,緑あるいは青の波長域における光透過率が高く、他の波長域における光透過率が低くなるように調整されている。
更に、カラーフィルタにおける透過率の高い波長範囲と、共振器構造MC1から取り出したい光のスペクトルのピーク波長λとは一致している。これにより、封止用基板40から入射する外光のうち、取り出したい光のスペクトルのピーク波長λに等しい波長を有するもののみがカラーフィルタを透過し、その他の波長の外光が各色の有機EL素子10R,10G,10Bに侵入することが防止される。
遮光膜は、例えば黒色の着色剤を混入した光学濃度が1以上の黒色の樹脂膜、または薄膜の干渉を利用した薄膜フィルタにより構成されている。このうち黒色の樹脂膜により構成するようにすれば、安価で容易に形成することができるので好ましい。薄膜フィルタは、例えば、金属,金属窒化物あるいは金属酸化物よりなる薄膜を1層以上積層し、薄膜の干渉を利用して光を減衰させるものである。薄膜フィルタとしては、具体的には、Crと酸化クロム(III)(Cr23)とを交互に積層したものが挙げられる。
この有機EL表示装置は、例えば次のようにして製造することができる。
図5は、この有機EL表示装置の製造方法の流れを表したものであり、図6ないし図8は図5に示した製造方法を工程順に表したものである。まず、上述した材料よりなる基板11の上に駆動トランジスタTr1を含む画素駆動回路140を形成し、例えば感光性樹脂よりなる平坦化絶縁膜(図示せず)を設ける。
(下部電極14を形成する工程)
次いで、基板11の全面に例えばITOよりなる透明導電膜を形成し、この透明導電膜をパターニングすることにより、図6(A)に示したように、下部電極14を赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの各々ごとに形成する(ステップS101)。その際、下部電極14を、平坦化絶縁膜(図示せず)のコンタクトホール(図示せず)を介して駆動トランジスタTr1のドレイン電極と導通させる。
(隔壁15を形成する工程)
続いて、同じく図6(A)に示したように、下部電極14上および平坦化絶縁膜(図示せず)上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法により、S
iO2 等の無機絶縁材料を成膜し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、下部隔壁15Aを形成する。
そののち、同じく図6(A)に示したように、下部隔壁15Aの所定位置、詳しくは画素の発光領域を囲む位置に、上述した感光性樹脂よりなる上部隔壁15Bを形成する。これにより、上部隔壁15Aおよび下部隔壁15Bよりなる隔壁15が形成される(ステップS102)。
隔壁15を形成したのち、基板11の下部電極14および隔壁15を形成した側の表面を酸素プラズマ処理し、その表面に付着した有機物等の汚染物を除去して濡れ性を向上させる。具体的には、基板11を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、続いて大気圧下で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。
(撥水化処理を行う工程)
プラズマ処理を行ったのち、撥水化処理(撥液化処理)を行う(ステップS103)ことにより、特に上部隔壁15Bの上面及び側面の濡れ性を低下させる。具体的には、大気圧下で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基板11を室温まで冷却することで、上部隔壁15Bの上面及び側面を撥液化し、その濡れ性を低下させる。
なお、このCF4プラズマ処理においては、下部電極14の露出面および下部隔壁15Aについても多少の影響を受けるが、下部電極14の材料であるITOおよび下部隔壁15Aの構成材料であるSiO2などはフッ素に対する親和性に乏しいため、酸素プラズマ処理で濡れ性が向上した面は濡れ性がそのままに保持される。
(正孔注入層16AR,16AG,16ABを形成する工程)
撥水化処理を行ったのち、図6(B)に示したように、上部隔壁15Bに囲まれた領域内に、上述した材料よりなる正孔注入層16AR,16AG,16ABを形成する(ステップS104)。この正孔注入層16AR,16AG,16ABは、スピンコート法や液滴吐出法などの塗布法により形成する。特に、上部隔壁15Bに囲まれた領域に正孔注入層16AR,16AG,16ABの形成材料を選択的に配する場合には、液滴吐出法であるインクジェット方式や、ノズルコート方式を用いることが好ましい。なお、正孔注入層16AR,16AG,16ABの膜厚を同一に形成する場合には、スリットコート方式などを用いて領域内に一括して塗布することで工程数を削減することができる。
具体的には、例えばインクジェット方式により、正孔注入層16AR,16AG,16ABの形成材料であるポリアニリンやポリチオフェン等の溶液または分散液を下部電極14の露出面上に配する。その後、熱処理(乾燥処理)を行うことにより、正孔注入層16AR,16AG,16ABを形成する。
熱処理においては、溶媒または分散媒を乾燥後、高温で加熱する。ポリアニリンやポリチオフェン等の導電性高分子を用いる場合、大気雰囲気、もしくは酸素雰囲気が好ましい。酸素による導電性高分子の酸化により、導電性が発現しやすくなるためである。
加熱温度は、150℃〜300℃が好ましく、さらに好ましくは180℃〜250℃である。時間は、温度、雰囲気にもよるが、5分〜300分程度が好ましく、さらに好ましくは、10分〜240分である。この乾燥後の膜厚みは、5nm〜100nmが好ましい。さらに好ましくは、8nm〜50nmである。
(正孔輸送層16BR,16BG,16BBを形成する工程)
正孔注入層16AR,16AG,16ABを形成したのち、図6(C)に示したように、正孔注入層16AR,16AG,16ABの上に、上述した高分子材料を含む正孔輸送層16BR,16BG,16BBを赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gおよび青色有機EL素子10Bの各々ごとに形成する(ステップS105)。この正孔輸送層16BR,16BG,16BBは、スピンコート法や液滴吐出法などの塗布法により形成する。特に、上部隔壁15Bに囲まれた領域に正孔輸送層16BR,16BGの形成材料を選択的に配する必要上、液滴吐出法であるインクジェット方式や、ノズルコート方式を用いることが好ましい。
具体的には、例えばインクジェット方式により、正孔輸送層16BR,16BG,16BBの形成材料である高分子ポリマーおよび低分子材料の混合溶液または分散液を正孔注入層16AR,16AG,16ABの露出面上に配する。その後、熱処理(乾燥処理)を行うことにより、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gの正孔輸送層16BR,16BG,16BBを形成する。
熱処理においては、溶媒または分散媒を乾燥後、高温で加熱する。塗布する雰囲気や溶媒を乾燥、加熱する雰囲気としては、窒素(N2)を主成分とする雰囲気中が好ましい。
酸素や水分があると、作成された有機EL表示装置の発光効率や寿命が低下する虞がある。特に、加熱工程においては、酸素や水分の影響が大きいため、注意が必要である。酸素濃度は、0.1ppm以上100ppm以下が好ましく、50ppm以下であればより好ましい。100ppmより多い酸素があると、形成した薄膜の界面が汚染され、得られた有機EL表示装置の発行効率や寿命が低下する虞がある。また、0.1ppm未満の酸素濃度の場合、素子の特性は問題ないが、現状の量産のプロセスとして、雰囲気を0.1ppm未満に保持するための装置コストが多大になる可能性がある。
また、水分については、露点が例えば−80℃以上−40℃以下であることが好ましい。更に、−50℃以下であればより好ましく、−60℃以下であれば更に好ましい。−40℃より高い水分があると、形成した薄膜の界面が汚染され、得られた有機EL表示装置の発光効率や寿命が低下する虞がある。また、−80℃未満の水分の場合、素子の特性は問題ないが、現状の量産のプロセスとして、雰囲気を−80℃未満に保持するための装置コストが多大になる可能性がある。
加熱温度は、100℃〜230℃が好ましく、さらに好ましくは100℃〜200℃である。少なくとも、正孔注入層16AR,16AG,16AB形成時の温度よりも低いことが好ましい。時間は、温度、雰囲気にもよるが、5分〜300分程度が好ましく、さらに好ましくは、10分〜240分である。乾燥後の膜厚みは、素子の全体構成にもよるが、10nm〜200nmが好ましい。さらに、15nm〜150nmであればより好ましい。
(赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGを形成する工程)
赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gの正孔輸送層16BR,16BGを形成したのち、図6(D)に示したように、赤色有機EL素子の正孔輸送層16BRの上に上述したりん光性ドーパントを含有するりん光性ホスト材料よりなる赤色発光層16CRを形成する。また、緑色有機EL素子の正孔輸送層16BGの上にりん光性ドーパントを含有するりん光性ホスト材料よりなる緑色発光層16CGを形成する(ステップS106)。赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGは、スピンコート法や液滴吐出法などの塗布法により形成する。特に、上部隔壁15Bに囲まれた領域に赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGの形成材料を選択的に配する必要上、液滴吐出法であるインクジェット方式や、ノズルコート方式を用いることが好ましい。
具体的には、例えばインクジェット方式により、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGの形成材料であるりん光性ホスト材料にりん光性ドーパントを、例えば1重量%になるように、キシレンとシクロヘキシルベンゼンを2:8に混合した溶媒に溶解した混合溶液または分散液を正孔輸送層16BR,16BGの露出面上に配する。その後、上記赤色有機EL素子10Rおよび緑色有機EL素子10Gの正孔輸送層16BR,16BGを形成する工程で説明した熱処理(乾燥処理)と同様の方法および条件の熱処理を行うことにより、赤色発光層16BRおよび緑色発光層16BGを形成する。
(青色有機EL素子10Bの正孔輸送層16BBを形成する工程)
赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGを形成したのち、図7(A)に示したように、青色有機発光素子10B用の正孔注入層16ABの上に、上述した低分子材料よりなる正孔輸送層16BBを形成する(ステップS107)。正孔輸送層16BBは、スピンコート法や液滴吐出法などの塗布法により形成する。特に、上部隔壁15Bに囲まれた領域に正孔輸送層16BBの形成材料を選択的に配する必要上、液滴吐出法であるインクジェット方式や、ノズルコート方式を用いることが好ましい。
具体的には、例えばインクジェット方式により、正孔輸送層16BBの形成材料である低分子の溶液または分散液を正孔注入層16ABの露出面上に配する。その後、上記赤色有機EL素子10Rおよび緑色有機EL素子10Gの正孔輸送層16BR,16BGを形成する工程で説明した熱処理(乾燥処理)と同様の方法および条件の熱処理を行うことにより、正孔輸送層16BBを形成する。
(工程の順序について)
赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gの正孔輸送層16BR,16BGを形成する工程と、青色有機EL素子10Bの正孔輸送層16BBを形成する工程と、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGを形成する工程とは、いずれの順番で行ってもよいが、少なくとも、形成する層を展開する下地が先に形成されており、加熱乾燥各工程の加熱工程を経ていることが必要である。また、加熱工程時の温度が、前工程よりも少なくとも同等もしくは低い温度で行うように、塗布する必要がある。例えば、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGの加熱温度が、130℃であり、青色有機EL素子10B用の正孔輸送層16BBの加熱温度が同じ130℃である場合、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGの塗布を行い、乾燥せずに、続けて、青色有機EL素子10B用の正孔輸送層16BBの塗布をした後、赤色発光層16CR,緑色発光層16CGおよび青色有機EL素子10B用の正孔輸送層16BBの乾燥、加熱工程を行ってもよい。
なお、正孔輸送層16BR,16BGおよび16BBを同一材料および均一な膜厚とする場合には、上述したように、正孔輸送層16BR,16BGおよび16BBはスリットコート方式等を用いて領域内全面に共通層として一括して形成してもよい。これにより、工程数を削減することができる。具体的には、正孔輸送層16BR,16BGおよび16BBを共通層として正孔注入層16AR,16AGおよび16AB上の全面にスリットコート方式等の塗布法により形成したのち、上記正孔輸送層16BR,16BGを形成する工程で説明した熱処理(乾燥処理)と同様の方法および条件の熱処理を行う。その後、上述したように赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGを形成する。
更に、上記各工程において、乾燥と加熱とは別個の工程として分けて行うことが好ましい。理由として、乾燥工程では、塗布したウエット膜が、非常に流動しやすいために、膜ムラが起きやすいからである。好ましい乾燥工程は、常圧で均一に真空乾燥する方法であり、さらに、乾燥中に風などをあてずに乾燥させることが望ましい。加熱工程では、ある程度、溶媒が飛んで流動性が低下し、硬化した膜になっており、そこからゆっくりと、熱をかけることにより、微量に残存している溶媒を取り除いたり、発光材料や正孔輸送層の材料を分子レベルで再配列を起こさせることが可能となる。
(接続層26Dを形成する工程)
赤色発光層26CR,緑色発光層26CGまで形成したのち、図7(B)に示したように、蒸着法により、これら各色の発光層26CR,26CGの全面に、上述した低分子材料よりなる接続層26Dを共通層として形成する(ステップS108)。
(青色発光層16CBを形成する工程)
赤色発光層16CR、緑色発光層16CGおよび青色正孔輸送層16BBを形成したのち、図7(C)に示したように、蒸着法により、接続層16Dの全面に、上述した低分子材料よりなる青色発光層16CBを共通層として形成する(ステップS109)。
(電子輸送層16E,電子注入層16Fおよび上部電極17を形成する工程)
青色発光層16CBを形成したのち、図8(A),図8(B)および図8(C)に示したように、この青色発光層16CBの全面に、蒸着法により、上述した材料よりなる電子輸送層16E,電子注入層16Fおよび上部電極17を形成する(ステップS110,S111,S112)。
上部電極17を形成したのち、図3に示したように、下地に対して影響を及ぼすことのない程度に、成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法、例えば蒸着法やCVD法により、保護層30を形成する。例えば、アモルファス窒化シリコンからなる保護層30を形成する場合には、CVD法によって2〜3μmの膜厚に形成する。この際、有機層16の劣化による輝度の低下を防止するため、成膜温度を常温に設定すると共に、保護層30の剥がれを防止するために膜のストレスが最小になる条件で成膜することが望ましい。
接続層16D,青色発光層16CB,電子輸送層16E,電子注入層16F,上部電極17および保護層30は、微細なマスクを用いることなく全面にベタ膜として形成される。また、青色発光層16CB,電子輸送層16E,電子注入層16F,上部電極17および保護層30の形成は、望ましくは、大気に暴露されることなく同一の成膜装置内において連続して行われる。これにより大気中の水分による有機層16の劣化が防止される。
なお、下部電極14と同一工程で補助電極(図示せず)を形成した場合、補助電極の上部にベタ膜で形成された有機層16を、上部電極17を形成する前にレーザアブレーションなどの手法によって除去してもよい。これにより上部電極17を補助電極に直接接続させることが可能となり、接触性が向上する。
保護層30を形成したのち、例えば、上述した材料よりなる封止用基板40に、上述した材料よりなる遮光膜を形成する。続いて、封止用基板40に赤色フィルタ(図示せず)の材料をスピンコートなどにより塗布し、フォトリソグラフィ技術によりパターニングして焼成することにより赤色フィルタを形成する。続いて、赤色フィルタ(図示せず)と同様にして、青色フィルタ(図示せず)および緑色フィルタ(図示せず)を順次形成する。
そののち、保護層30の上に、接着層(図示せず)を形成し、この接着層を間にして封止用基板40を貼り合わせる。以上により図1ないし図3に示した有機EL表示装置1が完成する。
この有機EL表示装置1では、各画素に対して走査線駆動回路130から書き込みトランジスタTr2のゲート電極を介して走査信号が供給されると共に、信号線駆動回路120から画像信号が書き込みトランジスタTr2を介して保持容量Csに保持される。すなわち、この保持容量Csに保持された信号に応じて駆動トランジスタTr1がオンオフ制御され、これにより、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bに駆動電流Idが注入され、正孔と電子とが再結合して発光が起こる。この光は、下面発光(ボトムエミッション)の場合には下部電極14および基板11を透過して、上面発光(トップエミッション)の場合には上部電極17,カラーフィルタ(図示せず)および封止用基板40を透過して取り出される。
前述したように最近の有機EL表示装置では、発光材料として従来用いられていた蛍光発光材料よりも内部量子効率が高いりん光材料を用いたものが開発されている。しかしながら、実際にはりん光材料が本来有する内部量子効率を利用できておらず、発光効率の低下を招いていた。これは、上述したりん光の発光原理に関連している。りん光材料は一重項状態からややエネルギー準位の低い三重項状態を経て基底状態に戻る。このため、りん光発光を高効率に得るためには、りん光発光層中に含まれるホストマトリックスとなる材料およびりん光発光層に隣接する層の材料の励起三重項エネルギーが、ホストマトリックスと共にりん光発光層中に含まれるりん光エミッターの励起三重項エネルギーよりも大きいことが必要となる。
一般的に蛍光のホスト材料では、励起一重項エネルギーS1BHは蛍光ドーパント材料よりも大きいが、励起三重項エネルギーT1BHは必ずしも大きくないため、りん光発光層に隣接する層の材料としては適切ではない。例えば、前述の特許文献1に挙げたりん光発光材料を含む発光層の上部にアントラセン誘導体を含む青色発光層を共通層とした有機EL表示装置について説明する。アントラセン誘導体は、励起三重項エネルギーT1BHが1.9eV程度と比較的小さいため、500nm〜720nmの可視光領域の発光波長を有するりん光エミッターに対し、励起された三重項エネルギーを発光層内に閉じ込めることができない。このため、三重項エネルギーは青色発光層へ拡散し、りん光発光層の発光効率は低下していた。更に、青色発光層の発光量が変化することによって色度が変化するという問題も生じていた。
これに対して本実施の形態では、素子ごとに形成される赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGと、ベタ膜として形成される青色発光層16CBとの間に低分子材料からなる接続層16Dを設ける。これにより、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGで励起した発光材料の励起エネルギーを隣接する層、特に青色発光層16CBへの拡散を防ぎ、各発光層16CR,16CG内に保持することが可能となる。
このように本実施の形態の有機EL表示装置1では、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGと、青色発光層16CBとの間に低分子材料からなる接続層16Dを設けるようにしたので、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGで励起した発光材料の励起エネルギーを各発光層16CR,16CG内に閉じ込めることが可能となる。これにより、赤色発光層16CR,緑色発光層16CGの発光効率が向上する。また、青色発光層16CBへのエネルギーの拡散が防止されるため、青色発光層の発光量の変化による色度変化が抑制され色純度が向上する。
また、接続層16Dおよび正孔輸送層16BBの基底状態におけるエネルギー差を0.4eV以下とするようにしたので、青色発光層16CBへ正孔の注入効率が向上する。従って、電流密度依存性が抑制され、低電流時における色度の変化が抑制される。これにより、階調による色再現域の変動が抑えられた高品位のディスプレイを作製することが可能となる。
以下に、第1の実施の形態の変形例および第2および第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については同一符号を付してその説明は省略する。
[変形例]
図9は第1の実施の形態の変形例に係る有機EL表示装置2の断面構成を表したものである。本変形例における有機EL表示装置2は、赤色発光層26CRおよび緑色発光層26CGを蒸着およびレーザ転写により形成する点が第1の実施の形態と異なる。
具体的には、赤色有機EL素子20Rに対応する領域に開口部を有する、例えばストライプ状のマスクを形成し、赤色発光層26CRを蒸着により成膜する。続いて、緑色有機EL素子20Gに対応する領域に開口部を有するストライプ状のマスクを形成し、緑色発光層26CGを蒸着により成膜する。なお、レーザ転写等に代表される熱転写法を用いて形成する場合には、従来用いられている熱転写法を用いることができる。具体的には、例えば転写材料層が形成された転写用基板と、あらかじめ赤色有機EL素子20R,緑色有機EL素子20Gおよび青色有機EL素子20Bの正孔輸送層26BR,26BG,26BBまでが形成された被転写基板を対向配置し、光照射することにより、転写パターンに応じて、赤色発光層26CRおよび緑色発光層26CGを形成する。
赤色発光層26CRおよび緑色発光層26CGを形成したのち、接続層16D以降の層を上記第1の実施の形態と同様の方法を用いて形成することで、第1の実施の形態のEL表示素子1と同様の構成を有する有機EL表示装置2が完成する。
[第2の実施の形態]
図10は第2の実施の形態に係る有機EL表示装置3の断面構成を表したものである。本実施の形態における有機EL表示装置3は、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGが高分子材料にりん光発光性の低分子材料が添加された混合材料により構成されている点が第1の実施の形態と異なる。
赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGに用いられる高分子材料としては、発光部位を伴わない高分子材料が挙げられる。具体的には、例えば下記の式(12)に示したポリビニルカルバゾールは励起三重項準位が高いことから好ましい。なお、nは10以上5000以下の整数である。この他、発光部位を伴う高分子材料であっても添加する低分子材料の発光を阻害しない材料であれば用いることができる。具体的には、例えば、ポリフルオレンおよびその誘導体が挙げられる。
Figure 0005778950
なお、発光性部位を伴わない高分子材料を用いる際には、りん光発光性のドーパントを添加する必要がある。具体的には、上記第1の実施の形態で説明したりん光性金属錯体化合物、具体的には、オルトメタル化金属錯体またはポルフィリン金属錯体が挙げられる。例えば式(4−1)〜式(4−12)および、式(5−1)〜式(5−7)に表わされる化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更に、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGを構成する高分子材料に低分子材料を添加することによって、以下に説明する効果が得られる。
高分子材料のみから構成される赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGの上部に低分子材料からなる接続層16Dを形成した場合には、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGのエネルギー準位と、接続層16Dのエネルギー準位との差は大きい。このため、接続層16Dと赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CG各々との間の正孔または電子の注入効率は非常に低く、前述のように、本来の高分子材料からなる発光層が有する特性を十分に得ることができないという問題があった。本実施の形態では、この正孔または電子の注入特性を向上させるために、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGが有するエネルギー準位と、接続層16Dが有するエネルギー準位との差を小さくする低分子材料(モノマーまたはオリゴマー)を赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGに添加するものである。ここでは、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGの最高占有分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital;HOMO)準位および最低非占有分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital;LUMO)準位と、接続層16DのHOMO(最高占有分子軌道)準位および最低非占有分子軌道(LUMO)準位と赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGに添加する低分子材料のHOMO(最高占有分子軌道)準位および最低非占有分子軌道(LUMO)準位との関係を考慮する。具体的には、添加する低分子材料として、赤色発光層36CRまたは緑色発光層36CGそれぞれのLUMOより深い値を有すると共に、接続層16DのLUMOより浅い値を有し、かつ、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGそれぞれのHOMOより深い値を有すると共に、接続層16DのHOMOより浅い値を有する化合物を選択する。
但し、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGに用いる材料は、上記HOMOおよびLUMOの値による基準に必ずしも制限されない。また、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGに混合する低分子材料は単独で混合するとは限らず、エネルギー準位の異なる材料を複数種類混合して用いることにより、正孔および電子の輸送が円滑に行われる。
また、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGに添加する低分子材料は、低分子化合物が同じ反応または類似の反応を連鎖的に繰り返すことにより生じた高分子量の重合体または縮合体の分子からなる化合物以外のものであって、分子量が実質的に単一であるものを指す。また、上記低分子材料は加熱による分子間の新たな化学結合は生じず、単分子で存在する。このような低分子材料の重量平均分子量(Mw)は1万以下であることが好ましい。更に、高分子材料/低分子材料の分子量比が10以上であることが好ましい。これは分子量の大きい、例えば5万以上の材料に比べてある程度小さい分子量の材料のほうが多様な特性を有し、正孔または電子の移動度やバンドギャップあるいは溶媒への溶解度などを調整しやすいためである。また、低分子材料の添加量は、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGに用いられる高分子材料:低分子材料の混合比率が、その重量比で20:1以上1:9以下になるようにすることが好ましい。高分子材料:低分子材料の混合比率が20:1未満では、低分子材料の添加による効果が低くなるためである。また、この混合比率が1:9を超える場合には、発光材料としての高分子材料が有する特性が得られにくくなるためである。
上述のように、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGへ低分子材料を添加することにより、正孔および電子のキャリアバランスを調整することがより簡易になる。これにより、低分子材料からなる接続層16Dと、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGとの間の電子注入性の低下および正孔輸送性の低下が抑制される。即ち、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gおよび青色有機EL素子10Bの発光効率および寿命の低下、駆動電圧の上昇が抑制される。
このような低分子材料としては、上記式(5)〜式(7)で示した化合物が挙げられる。
本実施の形態では赤色発光層46CRおよび緑色発光層46CGに低分子材料を添加したポリビニルカルバゾール等の高分子材料を用いることにより、上記第1の実施の形態と同様に高い発光効率と色純度の高い表示装置が得られる。この他、本実施の形態のように低分子材料と高分子材料との混合材料を用いていることにより、第1の実施の形態のように低分子材料のみを用いた場合よりも結晶化が抑えられるため印刷が容易になるという効果を奏する。
[第3の実施の形態]
図11は第3の実施の形態に係る有機EL表示装置4の断面構成を表したものである。本実施の形態における有機EL表示装置4は、赤色発光層46CRおよび緑色発光層46CGが上記ポリビニルカルバゾール等の高分子材料と異なり、りん光発光性の発光ユニットを含有したりん光発光性の高分子材料を用いて構成されている点が第1の実施の形態と異なる。
赤色発光層46CRおよび緑色発光層46CGを構成する高分子材料(発光ユニット)としては、例えばポリフルオレン系高分子誘導体や、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体等の発光性高分子が挙げられる。なお、ここで用いられる高分子材料は共役系高分子だけに限らず、ペンダント形の非共役系高分子および色素混合型の非共役系高分子も含み、近年開発が進められている、中心にコアの分子を配しデンドロンと呼ばれる側鎖から構成されるデンドリマー型の高分子発光材料であってもよい。また、発光部位に関しては、一重項励起子から発光するもの、三重項励起子から発光するもの、あるいはその両者から発光するものがあるが、本実施の形態の赤色発光層46CRおよび緑色発光層46CGでは三重項励起子から発光するものを用いる。
三重項励起状態を伴う発光ユニットとしては、イリジウム金属錯体等の金属錯体を含む化合物が多いが、その他の金属を中心金属として含む金属錯体を用いてもよい。三重項励起状態から発光する高分子発光材料の具体例としては、赤色りん光発光材料としてRPP(式(13−1))、緑色りん光発光材料としてGPP(式(13−2))等が挙げられる。また、ポリビニル主鎖骨格の側鎖にりん光発光性の基の他に、正孔輸送性基(例えば、HMTPD)および電子輸送性基(例えば、TBPhB)を有するPP[Ir(tBuppy)3](式(14−1))およびPP[Ir(ppy)2acac](式(14−2))等が挙げられる。なお、n,m,x,y,zはそれぞれ10以上5000以下の整数である。
Figure 0005778950
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また、上述のように、正孔および電子のキャリアバランスの調整、特に接続層16Dから赤色発光層46CRおよび緑色発光層46CGへの電子の注入効率を向上させるために上記式(5)〜式(7)に示した低分子材料を添加することが好ましい。
本実施の形態では赤色発光層46CRおよび緑色発光層46CGに三重項励起子から発光する高分子材料を用いることにより、上記第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
(モジュールおよび適用例)
以下、上記実施の形態で説明した有機EL表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態の有機EL表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
(モジュール)
上記実施の形態の有機EL表示装置は、例えば、図12に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板11の一辺に、保護層30および封止用基板40から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
(適用例1)
図13は、上記実施の形態の有機EL表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態に係る有機EL表示装置により構成されている。
(適用例2)
図14は、上記実施の形態の有機EL表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態に係る有機EL表示装置により構成されている。
(適用例3)
図15は、上記実施の形態の有機EL表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態に係る有機EL表示装置により構成されている。
(適用例4)
図16は、上記実施の形態の有機EL表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態に係る有機EL表示装置により構成されている。
(適用例5)
図17は、上記実施の形態の有機EL表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態に係る有機EL表示装置により構成されている。
(実施例1)
赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gおよび青色有機EL素子10Bそれぞれについて、25mm×25mmの基板11で作製した。
まず、基板11としてガラス基板(25mm×25mm)を用意し、この基板11に、下部電極14として、厚み100nmのITOよりなる透明導電膜を形成した(ステップS101)。続いて、SiO2等の無機材料を用いて隔壁15Aをポリイミド・アクリル・ノボラック等の樹脂材料を用いて隔壁15Bを形成し、隔壁15とした(ステップS102)。次に隔壁15をプラズマ電源と電極を備えた装置に導入し、CF4等のフッ素系ガスを用いてプラズマ処理をすることにより隔壁15の表面を撥水処理した。
続いて、正孔注入層16AR,16AG,16ABとして、大気中でノズルコート方式により、ND1501(日産化学製ポリアニリン)を15nmの厚みで塗布したのち、220℃、30分間、ホットプレート上で熱硬化させた。
そののち、正孔注入層16AR、16AG、16ABの上に、キシレンもしくはキシレンより高い沸点の溶媒に式(1−1)に示した化合物を1wt%の比率で溶解させた溶液を正孔輸送層16BR、16BG、16BBとしてノズルコート方式により塗布した。厚みは、赤色有機EL素子10R用の正孔輸送層16BRは50nm、緑色有機EL素子10G用の正孔輸送層16BGは30nm、青色有機EL素子10B用の正孔輸送層18BBは20nmとした。次に、基板11を負圧の状態まで排気し、溶媒を真空乾燥させたのち、180℃、30分で加熱処理した。
続いて、正孔輸送層16BR,16BG,16BBを形成したのち、赤色有機EL素子10Rの正孔輸送層10BRの上に赤色発光層16CRを形成した。具体的には、例えばホスト材料として式(2−7)を、ゲスト材料として式(4−4)をキシレンもしくはキシレンより高い沸点の溶媒に溶解させ、60nmの厚みでノズルコート方式により塗訳印刷した。また、緑色有機EL素子10Gの正孔輸送層16BGの上に緑色発光層16CGを形成した。具体的には、例えばホスト材料として式(2−3)を、ゲスト材料として式(4−1)をキシレンもしくはキシレンより高い沸点の溶媒に溶解させ、50nmの厚みでノズルコート方式により塗訳印刷した。続いて、負圧の状態まで排気し、溶媒を真空乾燥させた後、130℃、30分で加熱処理した。
次に、基板11を真空蒸着機に移動させ、接続層16D以降の層を蒸着した。まず、接続層16Dとして、例えば式(6−22)を真空蒸着法により、10nmの厚みで蒸着させた。なお、接続層16Dを2種類の材料からなる積層構造とする場合には、5nmの厚みで各々形成し、合わせて10nmの厚みになるように形成した。接続層を共通で成形したのち、青色発光層として式(8−20)に示したADN(9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)と、式(15)に示した青色ドーパントとを重量比95:5の割合で合わせて25nmの厚みで共蒸着した。電子輸送層16Dとして、例えば式(9−50)に示した有機材料を真空蒸着法により、15nmの厚みで蒸着させた。続いて、同じく蒸着法により、電子注入層16EとしてLiFを0.3nmの厚みで成膜し、上部電極17としてAlを100nmの厚みで形成した。最後に、CVD法によりSiNよりなる保護層30を3μm形成し、エポキシ樹脂を用いて固体封止を行った。このようにして得られた赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bを組み合わせることによりフルカラー有機EL表示装置(実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−4)を得た。
Figure 0005778950
なお、上記第1の実施の形態および変形例と同様の材料構成を有し、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGを塗布法により形成した上記実施例1−1〜1−4および比較例1−1〜1−4の他に、実施例1−5、比較例1−5および実施例1−6,比較例1−6としてそれぞれ蒸着法およびレーザ転写法を用いて形成した。また、赤色、緑色および青色の他に黄色有機EL素子を追加した表示装置を実施例1−7として作製した。
実施例1−1〜1−7および比較例1−1〜1−6について、電流密度10mA/cm2での駆動時における発光効率(cd/A)、駆動電圧(V)および色度座標(x,y)を測定した。なお、上記測定は23±0.5℃で管理された環境下において行った。
表1は実施例1−1〜1−7および比較例1−1〜1−6における各層構成および材料の一覧を示したものである。表2は上記実施例および比較例の測定結果の一覧である。
Figure 0005778950
Figure 0005778950
表2からわかるように、接続層16Dを設けていない比較例1−1では、青色有機EL素子の発光効率および寿命について十分な特性が得られず、更に緑色有機EL素子および赤色有機EL素子においても十分な発光効率は得られておらず、色度の移動も見られた。これに対して、接続層16Dを設けた実施例1−1および1−2では、青色有機EL素子の寿命特性は比較例1−1と比較して8倍あるいは10倍以上に大きく向上した。更に、緑色有機EL素子および赤色有機EL素子における色度変化も抑制された。また、実施例1−3,1−4の結果からわかるように、適した材料を積層することにより、単独では接続層16Dとして十分機能しない材料も用いることが可能となる。
更に、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGをそれぞれ蒸着法またはレーザ転写を用いて形成した実施例1−5,1−6でも、青色有機EL素子の発光効率および寿命特性が実施例1−1〜1−4と同程度向上している。これに対して、接続層16Dを設けず、各発光層を蒸着法またはレーザ転写を用いて形成した比較例1−5,1−6では青色有機EL素子の発光効率おい寿命特性が依然として低い。このことから、接続層16Dを設けることによる各有機EL素子の素子特性の改善は、各層の製造プロセスにはよらないことがわかる。
また、本発明は上記実施の形態で説明したような赤(R),緑(G),青(B)の3サブピクセルだけでなく、実施例1−7のように黄色(Y)を加えた4サブピクセルにも適用でき、青色有機EL素子の発光効率および寿命特性を改善することができる。また、表2からわかるように、接続層16Dを設けることにより赤および緑色有機EL素子10R,10Gと同様に、黄色有機EL素子の色度変化も低減することができる。なお、RGBYの4サブピクセルは、視感度の高いYを活用することでディスプレイシステムとしての消費電力を低減することが可能となる。
(実施例2,3)
上記実施の形態2および実施の形態3と同様の材料構成を有する誘起EL表示装置2,3を上記実施例1と同様の方法を用いて作成した(実施例2−1〜2−3,比較例2−1および実施例3−1〜3−1,比較例3−1)。表3は実施例2−1〜2−3および比較例2−1における各層構成および材料の一覧を示したものである。表4は実施例1と同様の測定方法を用いた実施例2−1〜2−3および比較例2−1の測定結果の一覧である。表5は実施例3−1〜3−3および比較例3−1における各層構成および材料の一覧を示したものである。表4は実施例1と同様の測定方法を用いた実施例3−1〜3−3および比較例3−1の測定結果の一覧である。
Figure 0005778950
Figure 0005778950
Figure 0005778950
Figure 0005778950
表4からわかるように、赤色発光層36CRおよび緑色発光層36CGをりん光発光性の低分子材料と高分子材料とを用いて形成した場合においても、接続層36Dを設けることにより青色有機EL素子30Bの発光効率および寿命特性が向上した。更に、赤色有機EL素子30Rおよび緑色有機EL素子30Gの色度変化も抑制された。
また、表6からわかるように、赤色発光層46CRおよび緑色発光層46CGをりん光発光性の高分子材料を用いて形成した場合においても、接続層46Dを設けることにより青色有機EL素子40Bの発光効率および寿命特性が向上した。更に、赤色有機EL素子40Rおよび緑色有機EL素子40Gの色度変化も抑制された。また、実施例3−2,3−3のように、赤色発光層46CRおよび緑色発光層46CGに適切な低分子材料を添加することにより、より色度変化を抑制すると共に低電圧化が可能となる。
以上のことから、赤色発光層16CR,26CR,36CR,46CRおよび緑色発光層16CG,26CG,36CG,46CGと、青色発光層16CB,26CB,36CB,46CBとの間に低分子材料を含む接続層16D,26D,36D,46Dを設けることにより、青色有機EL素子10B,20B,30B,40Bの発光効率および寿命特性が向上する。更に、りん光性発光材料を赤色発光層および緑色発光層に用いた赤色有機EL素子10R,20R,30R,40Rおよび緑色有機EL素子10G,20G,30G,40Gは、りん光性発光材料の種類を問わず、電流密度依存性による色度変化が抑制される。
以上、第1〜第3の実施の形態、変形例および実施例1〜3を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
例えば、上記実施の形態および実施例において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
また、上記実施例1、2では青色正孔輸送層16BBとして低分子材料(モノマー)を用いたがこれに限らず、重合化されたオリゴマー材料や高分子材料を用いてもよい。なお、スピンコート方式やインクジェット方式等の塗付法において低分子材料を用いた場合には、一般的に塗布する溶液の粘度が小さくなってしまうため膜厚の調整範囲が限定されてしまうことがある。この問題は、分子量を増加させたオリゴマー材料やポリマー材料を用いることによって解決する。
また、上記第2および第3の実施の形態および実施例では赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGに低分子材料を添加して正孔輸送特性を向上させたが、赤色発光層16CRおよび緑色発光層16CGを構成する高分子材料として正孔輸送を担う構造部や置換基を有する高分子材料を用いることによっても同様の効果を得ることができる。
更に、上記実施の形態および実施例では、有機EL素子10R,10G,10Bの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。例えば青色有機EL素子16Bの正孔輸送層16BBを省き、正孔注入層16AB上に直接接続層16Dを設けてもよい。これにより製造工程数が削減されると共に、コストを抑えることも可能となる。また、上記実施の形態および実施例では、青色以外の有機EL素子として赤色,緑色および黄色の有機EL素子を備えた表示装置について説明したが、この他、白色の有機EL素子を用いてもよい。
更にまた、上記実施の形態等では、アクティブマトリクス型の表示装置の場合について説明したが、本発明はパッシブマトリクス型の表示装置への適用も可能である。更にまた、アクティブマトリクス駆動のための画素駆動回路の構成は、上記実施の形態で説明したものに限られず、必要に応じて容量素子やトランジスタを追加してもよい。その場合、画素駆動回路の変更に応じて、上述した信号線駆動回路120や走査線駆動回路130のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
また、上記実施例では、正孔注入層16AR,16AG,16AB、正孔輸送層16BR,16BG,16BBおよび赤色発光層16CR、緑色発光層16CGを、塗布法のうちノズルコート方式を用いて形成したが、これに限らず、スピンコート方式、インクジェット方式、スリットコート方式を用いてもよい。更に、例えばマイクロシリンジ等の各画素もしくは各画素間上を直接描画する吐出方式や凸版印刷,フレキソ印刷,オフセット印刷およびグラビア印刷に代表される版を用いた版方式を用いて形成してもよい。
10R,20R,30R,40R…赤色有機EL素子、10G,20G,30G,40G…緑色有機EL素子、10B,20B,30B,40B…青色有機EL素子、11…基板、14…下部電極、15…隔壁、16,26,36,46…有機層、16AR,16AG,16AB,26AR,26AG,26AB,36AR,36AG,36AB,46AR,46AG,46AB…正孔注入層、16BR,16BG,16BB,26BR,26BG,36BR,36BG,36BB,46BR,46BG,46BB…正孔輸送層、16CR,26CR,36CR,46CR…赤色発光層、16CG,26CG,36CG,46CG…緑色発光層、16CB,26CB,36CB,46CB…青色発光層、16D,26D,36D,46D…接続層、16E,26E,36E,46E…電子輸送層、16F,26F,36F,46F…電子注入層、17…上部電極、30…保護層、40…封止用基板

Claims (10)

  1. 基板に、青色の第1有機EL素子およびその他の色の第2有機EL素子の各々ごとに設けられた下部電極と、
    前記下部電極の上に前記第1有機EL素子および第2有機EL素子の各々ごとに設けられた正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層と、
    前記第2有機EL素子用の正孔注入・輸送層上に設けられたその他の色の第2有機発光層と、
    前記第2有機発光層および前記第1有機EL素子用の前記正孔注入・輸送層の全面に設けられると共に、式(1)または(2)で表わされる含窒素複素環式化合物を含む接続層と、
    前記接続層の全面に設けられた青色の第1有機発光層と、
    前記第1有機発光層の全面に順に設けられた電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および上部電極とを備え、
    前記接続層は、その三重項励起状態(T1H)が、前記第2有機発光層の三重項励起状態(T1E)よりも0.1eV以上高く、且つ、前記接続層の基底状態(S0H)と前記正孔注入・輸送層の基底状態(S0I)とのエネルギー差が0.4eV以下である
    有機EL表示装置。
    Figure 0005778950
    (A1〜A3は芳香族炭化水素基、複素環基またはそれらの誘導体である。)

    Figure 0005778950
    (L1は2価の芳香族環基が2ないし6個結合した基である。具体的には2〜6個の芳香族環が連結した2価の基、またはその誘導体である。A6〜A9は、芳香族炭化水素基あるいは複素環基、またはその誘導体が1〜10個結合した基である。)
  2. 前記第2有機発光層は、りん光発光性のオルトメタル化錯体またはポリフィン錯体を含有する、請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記オルトメタル化錯体の中心金属は、イリジウム(Ir),白金(Pt)またはパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1種である、請求項2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記電子注入・輸送層は、1.0×10-6cm2/Vs以上1.0×10-1cm2/Vs以下の電子移動度を有する、請求項1に記載の有機EL表示装置。
  5. 前記その他の色の第2有機EL素子は、赤色有機EL素子,緑色有機EL素子または黄色有機EL素子のうちの少なくとも1種である、請求項1に記載の有機EL表示装置。
  6. 前記正孔注入・輸送層は、前記第1有機EL素子および第2有機EL素子の下部電極上に共通層として全面に設けられている、請求項1に記載の有機EL表示装置。
  7. 基板に下部電極を青色の第1有機EL素子およびその他の色の第2有機EL素子の各々ごとに形成する工程と、
    前記下部電極の上に正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層を第1有機EL素子および第2有機EL素子の各々ごとに塗布法により形成する工程と、
    前記第2有機EL素子用の前記正孔注入・輸送層の上にその他の色の第2有機発光層を塗布法により形成する工程と、
    前記第2有機発光層および前記第1有機EL素子用の正孔注入・輸送層の全面に式(1)または(2)で表わされる含窒素複素環式化合物を含む接続層を蒸着法により形成する工程と、
    前記接続層の全面に前記青色の第1有機発光層を蒸着法により形成する工程と、
    前記青色発光層の全面に電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および上部電極を順に形成する工程とを含み、
    前記接続層は、その三重項励起状態(T1H)が、前記第2有機発光層の三重項励起状態(T1E)よりも0.1eV以上高く、且つ、前記接続層の基底状態(S0H)と前記正孔注入・輸送層の基底状態(S0I)とのエネルギー差が0.4eV以下である
    有機EL表示装置の製造方法。
    Figure 0005778950
    (A1〜A3は芳香族炭化水素基、複素環基またはそれらの誘導体である。)

    Figure 0005778950
    (L1は2価の芳香族環基が2ないし6個結合した基である。具体的には2〜6個の芳香族環が連結した2価の基、またはその誘導体である。A6〜A9は、芳香族炭化水素基あるいは複素環基、またはその誘導体が1〜10個結合した基である。)
  8. 前記正孔注入・輸送層は、前記第1有機EL素子および第2有機EL素子の下部電極上に共通層として塗布法により形成される、請求項7に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  9. 前記正孔注入・輸送層および前記第2有機発光層を、前記塗付法として、スピンコート方式、インクジェット方式、ノズルコート方式、スリットコート方式、印刷方式および噴霧方式、のうちのいずれかの方式を用いて塗り分けする、請求項7に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  10. 前記印刷方式は、吐出方式または版方式である、請求項9に記載の有機EL表示装置の製造方法。
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