JP2016103000A - 帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】感光体ドラム表面の帯電むらの発生を抑制しつつ、小型化及び高速化が可能な帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供すること。【解決手段】感光体ドラム310Yの表面を帯電させる帯電装置311Yであって、複数の突起部612を有し、感光体ドラム310Yの表面に電圧を印加して該表面を帯電させる放電電極610と、放電電極610と感光体ドラム310Yとの間で感光体ドラム310Yの表面を臨むように配設され、該表面の帯電電位を制御する、多孔板状のグリッド電極670と、を備え、グリッド電極670は、感光体ドラム310Yの回転方向と直交する方向と略平行に複数の領域に分割され、複数の領域は、感光体ドラム310Yと近接する中流領域672の開口率が上流領域671及び下流領域673の開口率よりも大きいことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、感光体ドラムを帯電させる帯電装置、該帯電装置を有するプロセスカートリッジ及び該プロセスカートリッジを備える画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体としての感光体ドラムの表面を一様に帯電させるために帯電装置が用いられており、このような帯電装置として、スコロトロン帯電装置が知られている。
スコロトロン帯電装置は、感光体ドラムに対してコロナ放電を行い、感光体ドラムを帯電させる放電電極と、放電電極によって感光体ドラムの表面に付与される電荷量を制御するためのグリッド電極と、これらを収容するシールドケースと、を備えており、グリッド電極が感光体ドラム表面の帯電電位をほぼ正確に制御できることから、感光体ドラムに対する帯電装置として広く使用されている。
中でも、ステンレス鋼などからなる金属板(グリッド基材)に多数の貫通孔が網目状又はスリット状に形成された多孔板状のグリッド電極と、複数の先鋭状突起部を有する放電電極と、を組み合わせたスコロトロン帯電装置は、グリッド電極への汚れの付着が少なく、感光体ドラムの表面を均一に帯電させることができることから注目を集め、様々な改良が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−251310号公報
ここで、上述したスコロトロン帯電装置は、一般に、感光体ドラムの帯電性能と、感光体ドラムの長手方向における均一性及び制御性と、のバランスを取りながら、シールドケースの幅及びグリッド電極の開口率等が設計される。一方、昨今においては、画像形成装置のさらなる小型化及び高速化が望まれており、スコロトロン帯電装置も小型化及び高速化する必要がある。
しかしながら、スコロトロン帯電装置を小型化するためシールドケースの幅を小さくし、且つ高速化するためにグリッド電極の開口率を大きくすると、前述した感光体ドラムの帯電性能と、感光体ドラムの長手方向における均一性及び制御性と、を両立させることが困難となり、感光体ドラムの表面に帯電むらが発生してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、感光体ドラム表面の帯電むらの発生を抑制しつつ、小型化及び高速化が可能な帯電装置、該帯電装置を有するプロセスカートリッジ及び該プロセスカートリッジを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、感光体ドラムの表面を臨むように配設され、前記感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置であって、コロナ放電を行い、前記感光体ドラムの表面に電圧を印加して該表面を帯電させる放電電極であって、複数の先鋭状突起部を有する鋸刃状のものと、前記放電電極と前記感光体ドラムとの間で前記感光体ドラムの表面を臨むように配設され、該表面の帯電電位を制御する、多孔板状のグリッド電極と、を備え、前記グリッド電極は、前記感光体ドラムの回転方向に沿う方向に複数の領域に分割され、前記複数の領域は、前記感光体ドラムと近接する領域の開口率が他の領域の開口率よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明は、感光体ドラムの表面を臨むように配設され、前記感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置であって、コロナ放電を行い、前記感光体ドラムの表面に電圧を印加して該表面を帯電させる放電電極であって、ワイヤ状のものと、前記放電電極と前記感光体ドラムとの間で前記感光体ドラムの表面を臨むように配設され、該表面の帯電電位を制御する、多孔板状のグリッド電極と、を備え、前記グリッド電極は、前記感光体ドラムの回転方向に沿う方向に複数の領域に分割され、前記複数の領域は、前記感光体ドラムと近接する領域の開口率が他の領域の開口率よりも大きいことを特徴とする。
ことを特徴とする。
また、本発明は、プロセスカートリッジにおいて、前記帯電装置と、前記帯電装置により帯電される感光体ドラムと、露光装置により前記感光体ドラムに形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、画像形成装置において、前記プロセスカートリッジと、前記露光装置と、前記感光体ドラム上に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、シートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着手段と、を有する画像形成部と、前記画像形成部にシートを給送するシート給送部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、感光体ドラム表面の帯電むらの発生を抑制しつつ、小型化及び高速化が可能な帯電装置、該帯電装置を有するプロセスカートリッジ及び該プロセスカートリッジを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の第1実施形態に係るプリンタを模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係るプリンタの機能を概略的に示すブロック図である。 第1実施形態に係る帯電装置を模式的に示す斜視図である。 図3に示す帯電装置の正面図である。 第1実施形態に係るグリッド電極を模式的に示す図である。 第2実施形態に係るグリッド電極を模式的に示す図である。 第3実施形態に係るグリッド電極を模式的に示す図である。 本発明の第1乃至3の実施形態に係る帯電装置及びその周辺を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る帯電装置及びその周辺示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係るプロセスカートリッジを模式的に示す断面図である。
本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等であり、以下においては、画像形成装置の一例として、プロセス速度320〜375mm/秒程度の高速での画像形成が可能な電子写真方式のレーザビームプリンタ(以下、単に「プリンタ」という)を用いて説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るプリンタ100について、図1から図5を参照しながら説明する。まず、第1実施形態に係るプリンタ100の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るプリンタ100を模式的に示す断面図である。図2は、第1実施形態に係るプリンタ100の機能を概略的に示すブロック図である。
図1に示すように、プリンタ100は、シートを給送するシート給送部10と、シートを手差し給送可能な手差し給送部20と、シート給送部10又は手差し給送部20により給送されたシートに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成されたシートを機外に排出するシート排出部40と、これらを制御する制御部50と、を備えている。
シート給送部10は、シートを積載収容する給送シート積載部11と、給送シート積載部11に積載されたシートを1枚ずつ分離給送する分離給送部12と、を備えている。給送シート積載部11は、回動軸13を中心に回動する中板14を備えており、中板14は、シートを給送する際に回動してシートを上方に持ち上げる(図1に示す2点鎖線の状態)。分離給送部12は、中板14に持ち上げられたシートを給送するピックアップローラ15と、ピックアップローラ15に圧接する分離パッド16と、を備えている。
手差し給送部20は、シートを積載可能な手差しトレイ21と、手差しトレイ21に積載されたシートを1枚ずつ分離しながら給送可能な分離給送部22と、を備えている。手差しトレイ21は、プリンタ本体101に回動自在に支持されており、手差し給送する際には、回動させることでシートを積載可能になる(図1に示す2点鎖線の状態)。分離給送部22は、手差しトレイ21に積載されたシートを給送する給送ローラ23と、給送ローラ23に圧接する分離パッド24と、を備えている。
画像形成部30は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の画像を形成する4つのプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)31Y〜31Bと、後述する感光体ドラム310Y〜310Bの表面を露光する露光装置32と、感光体ドラム310Y〜310Bの表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写部(転写手段)33と、シートに転写された未定着トナー像を定着させる定着部34(定着手段)と、を備えている。本実施形態においては、画像形成部30は、プロセス速度が320〜375mm/秒程度の高速での画像形成が可能となるように設定されている。
4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Bのそれぞれは、プリンタ本体101から着脱可能に構成されており、交換可能となっている。なお、4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Bは、形成する画像の色が異なること以外は同じ構成であるため、イエロー(Y)の画像を形成するプロセスカートリッジ31Yの構成を説明することで、プロセスカートリッジ31M〜31Kの説明は省略する。また、符号の最後に付すアルファベット(Y、M、C、B)は、それぞれの色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を示すものとする。
プロセスカートリッジ31Yは、像担持体としての感光体ドラム310Yと、感光体ドラム310Yを帯電させるスコロトロン帯電装置(以下、単に「帯電装置」という)311Yと、感光体ドラム310Y上に形成された静電潜像を現像する現像装置312Yと、感光体ドラム310Yの表面に残留するトナーを除去するクリーナユニット313Yと、を備えている。
感光体ドラム310Yは、略円筒状に形成されており、不図示の駆動手段により軸線周りに回転駆動可能に支持されている。また、感光体ドラム310Yは、導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層と、を有している。導電性基体は、円筒状、円柱状、薄膜状などの形状をとることができ、本実施形態においては、円筒状に形成されている。感光層は、電荷発生物質を有する電荷発生層と、電荷輸送物質を有する電荷輸送層と、を積層することにより形成されており、電荷発生層と電荷輸送層との間に下引き層を設けるのが好ましい。帯電装置311Yは、感光体ドラム310Yの表面を臨み、感光体ドラム310Yの長手方向に沿って配設されている。なお、帯電装置311Yについては、後に詳しく説明する。
現像装置312Yは、感光体ドラム310Yの回転方向における帯電装置311Yの下流側において、感光体ドラム310Yの表面を臨むように配設されており、感光体ドラム310Yの表面に形成される静電潜像をトナーで現像する現像装置本体314Yと、現像装置本体314Yにトナーを供給するトナーカートリッジ315Yと、を備えている。トナーカートリッジ315Yは、現像装置本体314Yに着脱可能に構成されており、収容されたトナーが無くなると、現像装置本体314Yから取り外して、交換することができるようになっている。クリーナユニット313Yは、感光体ドラム310Yの回転方向における現像装置312Yの下流側に配設されている。
露光装置32は、レーザ光を出射する光源320と、レーザ光を感光体ドラム310Y〜310Bの表面に導く複数のミラー321等と、を備えている。
転写部33は、感光体ドラム310Y〜310Bに形成されたトナー像を担持する一次転写ベルト330と、感光体ドラム310Y〜310Bに形成されたトナー像を一次転写ベルト330に一次転写する一次転写ローラ331Y〜331Bと、一次転写ベルト330が担持するトナー像をシートに二次転写する二次転写ローラ332と、一次転写ベルト330に残留するトナーを除去するクリーナユニット333と、を備えている。一次転写ベルト330は、駆動ローラ334及び従動ローラ335に掛け渡されており、一次転写ローラ331Y〜331Bによって、感光体ドラム310Y〜310Bに押し付けられている。二次転写ローラ332は、駆動ローラ334とで一次転写ベルト330をニップしており、ニップ部Nで一次転写ベルト330が担持するトナー像をシートに転写する。
定着部34は、シートを加熱する加熱ローラ340と、加熱ローラ340に圧接する加圧ローラ341と、を備えている。シート排出部40は、排出ローラ対41を備えており、排出ローラ対41は、正逆回転可能な排出ローラ42と、排出ローラ42に従動回転する従動ローラ43と、を備えている。
図2に示すように、制御部50は、シート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及びシート排出部40を駆動制御するCPU50aと、各種プログラムや各種情報等を記憶するメモリ50bと、を備えている。制御部50は、これらを用いてシート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及びシート排出部40の動作を統合して制御し、シートに画像を形成させる。
次に、上述のように構成されたプリンタ100による画像形成動作(制御部50による画像形成制御)について説明する。本実施形態においては、外部PCから入力された画像情報に基づいて、給送シート積載部11に積載されたシートSに画像を形成する画像形成動作を用いて説明する。
外部PCからプリンタ100に画像情報が入力されると、入力された画像情報に基づいて、露光装置32が感光体ドラム310Y〜310Bに向けてレーザ光を照射する。このとき感光体ドラム310Y〜310Bは、帯電装置311Y〜311Bにより予め帯電されており、レーザ光が照射されることで感光体ドラム310Y〜310B上に静電潜像が形成される。その後、現像装置312Y〜312Bにより静電潜像が現像され、感光体ドラム310Y〜310B上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(B)のトナー像が形成される。感光体ドラム310Y〜310B上に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ331Y〜331Bにより、矢印A方向に回転する一次転写ベルト330に順次重畳転写され、重畳転写されたトナー像(フルカラーのトナー像)は、一次転写ベルト330によりニップ部Nまで搬送される。
上述の画像形成動作に並行して、給送シート積載部11に積載されたシートが、分離給送部12により1枚ずつシート搬送路102に給送される。そして、シート搬送路102の下流にあるレジストローラ対103で、斜行が補正されると共に所定の搬送タイミングでニップ部Nに搬送され、ニップ部Nで一次転写ベルト330上のトナー像が転写される。トナー像が転写されたシートは、定着部34で加熱及び加圧されることでトナー像が溶融定着され、排出ローラ対41により機外に排出される。機外に排出されたシートは、プリンタ本体101の上面に設けられた排出シート積載部104に積載される。
なお、シートの両面(第1面及び第2面)に画像を形成する場合には、第1面(表面)に画像が形成されたシートが排出シート積載部104に排出される前に、排出ローラ42を逆回転させてシートを両面搬送路105に搬送し、両面搬送路105を介して画像形成部30に再搬送する。そして、第1面と同様に、第2面(裏面)に画像を形成し、機外に排出する。
次に、上述した帯電装置311Yについて、図3から図5を参照しながら具体的に説明する。まず、帯電装置311Yの概略構成について、図3から図5を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る帯電装置311Yを模式的に示す斜視図である。図4は、図3に示す帯電装置311Yの正面図である。図5は、第1実施形態に係るグリッド電極を模式的に示す図である。
図3及び図4に示すように、帯電装置311Yは、放電電極610と、保持部材620と、清掃部材630a,630bと、支持部材640と、移動用部材650と、シールドケース660と、グリッド電極670と、を備えている。
放電電極610は、例えば、ステンレス鋼製の薄板状部材であり、一方向に長く伸びる平板部611と、平板部611の短手方向の一端部から短手方向に突出するように形成される先鋭状の突起部(先鋭状突起部)612と、を備えている。本実施形態においては、平板部611の短手方向の長さL1は10mm、突起部612の突出方向の長さL2は2mm、突起部612の先端の曲率半径Rは40μm、突起部612が形成されるピッチTPは2mmに形成されている。放電電極610には図示しない電源が電気的に接続され、電源からの電圧の印加によって、感光体ドラム310Y表面に対してコロナ放電を行う。本実施形態では、感光体ドラム310Yを帯電させる動作中には、放電電極610に5kV程度の電圧が印加され、コロナ放電が行われる。
放電電極の形状はコロナ放電を行うものであればよく、鋸歯状、針状の他に、ワイヤ電極であってもよい。
放電電極610は、例えば、化学研磨工程、水洗工程、酸浸漬工程、水洗工程及び純水浸漬工程を含む製造方法によって製造される。化学研磨工程では、板金にマスキング及びエッチングを行うことにより、板金に複数の針形状が形成される。エッチングは公知の方法に従って実施でき、例えば、塩化第2鉄水溶液などのエッチング液を板金に噴霧する方法などが挙げられる。ここで、板金の材料になる金属としては、針状電極形状の加工が可能であり、且つめっき可能なものを使用でき、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、銅、鉄などが挙げられる。これらの中でも、ステンレス鋼が好ましい。ステンレス鋼の具体例としては、例えば、SUS304、SUS309、SUS316などが挙げられ、これらの中でもSUS304が好ましい。板金の厚さは特に制限されないが、好ましくは0.05〜1.0mm、さらに好ましくは0.05〜0.3mmである。化学研磨工程で得られる針形状が形成された板金を、水洗工程、酸浸漬工程、水洗工程及び純水浸漬工程において、水洗、酸洗浄又は純水洗浄することによって、その表面から異物が除去され、針状電極基板が得られる。この針状電極基板は、そのまま放電電極610として使用できる。
放電電極610の表面には、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含むニッケル層(以下、「ニッケルPTFE複合層」という)を形成してもよい。以下では、ポリテトラフルオロエチレンのことを「PTFE」と称す。ポリテトラフルオロエチレン粒子を含むニッケル層を形成することによって、放電電極による放電の際に副生する窒素酸化物がグリッド電極に付着するのが防止される。このため、グリッド電極670が安定的に放電量制御機能を発揮し、長期間にわたって、放電電流量の増加を伴うことなく、感光体ドラム310Y表面を均一に帯電させることができる。また、放電電極610の少なくとも一方の表面に、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含むニッケル層を形成することによって、放電電極610の先端への付着物が簡単な構造の清掃部材などによって容易に除去することができ、放電電極610の放電量が長期にわたって変化することがなく、感光体ドラム310表面を安定的に帯電させ得る。
ニッケルPTFE複合層は、好ましくはめっき法によって形成できる。例えば、針状電極基板にニッケルめっき及びニッケルPTFEめっきを順次施すことによって、ニッケルPTFE複合めっき層が形成される。なお、ニッケルめっきは必須ではなく、ニッケルPTFE複合めっきのみを行ってもよい。ニッケルめっきは公知の方法に従って実施できるが、後にニッケルPTFE複合めっき層を形成することを考慮すると、電気めっきを行うのが好ましい。また、ニッケルめっき層の層厚も特に制限されないが、好ましくは0.03〜3.0μm、さらに好ましくは0.5〜1.5μm、特に好ましくは1.0μm程度である。ニッケルPTFE複合めっきは、好ましくは、触媒ニッケルめっき法(カニゼン法)などの無電解ニッケルめっき法に従って実施できる。
ここで、めっき浴としては、例えば、次亜リン酸又はその塩及びニッケル塩を含む水溶液に、さらにポリテトラフルオロエチレンが添加されてなるめっき浴を使用できる。めっき浴のpHは、通常は5.0〜5.5の範囲に調整される。ここで、使用されるPTFEは粒子状であり、その粒子径は、形成しようとするめっき層の厚みより小さければ特に制限はないが、好ましくは10〜20体積%である。形成されるニッケルPTFE複合めっき層の層厚は特に制限はないが、好ましくはPTFE粒子の粒子径以上、さらに好ましくはPTFE粒子の粒子径の2倍〜20μm、特に好ましくはPTFE粒子の粒子径の2倍〜10μmである。厚さがPTFE粒子の粒子径未満では、PTFE粒子の粒子径の欠落によるピンホールが発生しピンホールを核とした腐食や異物の付着が起こり帯電むらにつながる。
また、粒子径1μmのPTFE粒子を含むニッケルPTFE複合層では、粗大な2次凝集体の生成がなく、PTFE粒子が均一に分散する層が得られる。一方、粒子径0.2μmのPTFE粒子を含むではニッケルPTFE複合層では、放電電極610のコロナ放電性能に悪影響を及ぼす粗大なPTFEの2次凝集体が発生し、分散状態が不均一になる。その結果、ニッケルPTFE複合層表面から2次凝集体が欠落することによるピンホールが発生する。ピンホールが核になって腐食、異物の付着などが起こり、帯電むらの原因になる。これらのことから、PTFE粒子の粒子径は0.7μm以上であることが好ましい。
一方、20μmを大幅に超えると、ストレスによってニッケルPTFE複合層の剥離が生じ易くなるおそれがある。めっき浴のPTFE含有量は特に制限されないが、好ましくはめっき浴全量の0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜1.0重量%である。このようなめっき浴は市販されており、その具体例としては、例えば、カニフロンS(商品名、日本カニゼン(株)製)、ニムフロン(商品名、上村工業(株)製)、トップニコジット(商品名、奥野製薬工業(株)製)などが挙げられる。このようなめっき浴に、浴温80℃以上(好ましくは90℃以上)で、表面にニッケル層が形成された針状電極基板を浸漬して無電解めっきを行うことによって、該基板の表面にニッケルPTFE複合めっき層が形成される。めっき浴の浴温を80℃以上にすることによって、めっき層の表面に鍾乳洞の壁面のような凹凸がある表面または粒状の表面が形成されるのが低減化され、滑らかな表面が形成される。表面に凹凸があるか又は粒状であると、放電電極610の先端に異物が付着する。この付着物は、合成樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレートなど)製のシート小片などからなり、放電電極表面を摺擦して清浄化する後述の清掃部材630a,630bをもってしても除去しきれず、帯電不良を引き起こす。したがって、めっき層表面を滑らかにすれば、帯電不良の発生を一層防止できる。さらに、滑らかな表面に付着するものは、清掃部材630a,630bによって容易に除去できる。
保持部材620は、放電電極610と同様に一方向に長く延び、長手方向と直交する断面が逆T字状の部材であり、放電電極610を保持する。保持部材620は、例えば、合成樹脂によって構成される。放電電極610は、その長手方向の両端部付近において、保持部材620の突出部分の一側面に、ねじ部材621によってねじ止めされる。
清掃部材630a,630bは、放電電極610に対して相対的に移動可能に設けられ、移動時に放電電極610を擦過することによって放電電極610の表面を清掃する板状部材である。清掃部材630a,630bは平面投影形状が略T字状であり、厚さtが20〜40μmである。厚さtが20μm未満では、放電電極610に当接する際に容易に変形するけれども、変形に伴う反力である放電電極610に対する押圧力が弱くなるので、放電電極610に付着する汚染物質を充分に除去できない。一方、厚さtが40μmを超えると、放電電極610に付着する汚染物質を充分に除去できるけれども、剛性が高くなって放電電極610に対する押圧力が強くなり過ぎるので、放電電極610の突起部612の先端を変形破損するおそれがある。
この結果、清掃部材630a,630bの厚さtが20〜40μmの範囲を外れると、帯電不良による画像むらなどが発生する可能性がある。清掃部材630a,630bは、例えば、りん青銅、普通鋼、ステンレス鋼などの弾性を有する金属材料から構成される。これらの中でも、清掃部材630a,630bがコロナ放電によって発生するオゾン雰囲気中で使用されることを考慮すると、耐酸化性に基づく耐久寿命の観点から、ステンレス鋼が好ましい。ステンレス鋼としては特に制限されないが、日本工業規格(JIS)G4305に規定されるオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS304、フェライト系ステンレス鋼であるSUS430などを好ましく使用できる。
清掃部材630a,630bの硬さは、米国材料試験協会(ASTM)規格D785に規定されるロックウェル硬さMスケールで115以上であることが望ましい。ロックウェル硬さが115未満では、軟質にすぎるので、放電電極610に当接させて擦過するとき、清掃部材630a,630bが必要以上に変形し過ぎて清掃効果が得られない。清掃部材630a,630bの硬さの上限は、ASTM規格D785での上限が130に設定されることから、130である。清掃部材630a,630bの、放電電極610と当接する部分であるT字の縦棒部分における幅寸法w、すなわち清掃部材630a,630bの移動方向に対して垂直方向かつ突起部612が延びる方向に対して垂直方向における清掃部材630a,630bの幅寸法wは、耐用寿命を長くするという観点からは、好ましくは3.5mm以上、さらに好ましくは3.5〜10mmである。幅寸法wが3.5mm未満では、放電電極610に押圧されて変形する際に生じる力の単位面積あたりの値が大きくなるので、繰返し変形に対する疲労破壊を起こしやすくなり、耐久寿命が低下する。
また、耐用寿命の延長とともに、装置の大型化を防止するという観点から、幅寸法wの上限を10mmとするのが好ましい。なお、清掃部材630a,630bと放電電極610とは、清掃部材630a,630bに対する放電電極610の突起部612の食込み量dが、0.2〜0.8mmになるように配置されるのが好ましい。ここで、食込み量dは、清掃部材630a,630bと突起部612とを、清掃部材630a,630bが放電電極610に対して相対的に移動する方向に垂直な仮想平面に投影させた状態で、清掃部材630a,630bと突起部612とが、突起部612の延びる方向に重なり合う長さを意味する。食込み量dが0.2mm未満では、清掃部材630a,630bの変形に伴う反力である放電電極610に対する押圧力が弱くなり、放電電極610に付着する汚染物質を充分に除去できないので、帯電むらが発生するおそれがある。食込み量dが0.8mmを超えると、放電電極610に付着する汚染物質は充分に除去できるけれども、清掃部材630a,630bの変形に伴う反力(放電電極610に対する押圧力)が強くなり過ぎるので、放電電極610の突起部612先端を変形破損し、帯電むらが発生するおそれがある。
支持部材640は、清掃部材630a,630bを支持する逆L字状の形状を有する部材であり、その梁状部分に、T字状を有する清掃部材630a,630bの腕部分が装着される。2枚の清掃部材630a,630bは、放電電極610に対して相対的に移動する方向に関して予め定められる間隔L3を有するように設けられる。間隔L3は、一方の清掃部材630aが放電電極610に当接して変形するとき、他方の清掃部材630bが変形している清掃部材630aに当たることのない距離に選ばれ、装着される支持部材640の梁状部分の厚みで調整できる。この間隔L3は、清掃部材630a,630bを構成する素材によって変形状態が変化するので、該素材の変形状態を事前に試験して定めるのが望ましい。清掃部材630a,630bが、例えば、厚さtが30μmのステンレス鋼からなるとき、間隔L3は2mmが好ましい。2枚の清掃部材630a,630bに間隔L3を設けることによって、一方の清掃部材630aが放電電極610を擦過する間中、他方の清掃部材630bによってその変形を阻害されることなく好適範囲の押圧力を維持できるので、放電電極610の突起部612を変形損傷させることなく充分に清掃できる。
移動用部材650は、支持部材640の柱状部分において放電電極610の延びる方向と平行に形成される貫通孔641に挿通するように設けられる。移動用部材650は、貫通孔641に挿通される部位で支持部材640に固定されるので、移動用部材650を放電電極610の延びる方向に牽引することによって、支持部材640は、溝部601に対して摺動し、かつ溝部601に案内されて放電電極610の延びる方向に移動できる。すなわち、支持部材640に支持される清掃部材630a,630bを放電電極610に当接させて擦過できる。移動用部材650は糸状またはワイヤ状の部材であり、シールドケース660に形成される孔または隙間からシールドケース660の外方に延び、シールドケース660の外面またはプリンタ100の機体に設けられる滑車602a,602bを介してその端部が垂下される。
なお、滑車602a,602bと移動用部材650との端部は、図4では省略している。移動用部材650の端部は、帯電装置311Yが装着されるプリンタ100の機体外方にまで延長するのが好ましい。これにより、帯電装置311Yをプリンタ100から取外すことなく又はプリンタ100を開放することなく、放電電極610の清掃を実施できる。移動用部材650の牽引により清掃部材630a,630bを放電電極610に当接させて清掃するとき、放電電極610に対する清掃部材630a,630bの押圧力は、10〜30gfになるように調整するのが好ましい。押圧力が10gf未満では、放電電極610に付着するトナー、紙粉などの汚染物質を充分に除去できないおそれがあり、30gfを超えると、放電電極610の突起部612の先端が変形破損するおそれがある。
放電電極610に対する清掃部材630a,630bの押圧力は、例えば、次のようにして調整できる。移動用部材650の一方の端部に錘を吊り下げた状態で、清掃部材630a又は清掃部材630bに負荷される力の大きさを測定する。測定は、例えば、清掃部材650a又は清掃部材650bにばね秤を接続して行われる。そして、清掃部材650a又は清掃部材650bに負荷される力が10〜30gfになる錘を選定し、放電電極610を清掃するに際して、予め選定した錘を移動用部材650の端部に吊り下げることによって、所定の押圧力で清掃できる。また、移動用部材650の端部に回転トルクを調整した電動機を接続し、所定の押圧力を負荷できるようにしてもよい。
シールドケース660は、感光体ドラム310Yの表面を臨む面が開放されて開口部が形成され、側壁661と、感光体ドラム310Yの表面を臨む面と対向する面(底面662)と、によって形成される内部空間を有する略直方体状の容器状部材である。シールドケース660の内部空間には、放電電極610、保持部材620、清掃部材630a,630b及び支持部材640が収容される。また、シールドケース660は、放電電極610と同一方向に長く延び、長手方向と直交する方向の断面形状が略U字状に形成されている。シールドケース660の底面662には、保持部材620が装着される。また、シールドケース660の側壁661と保持部材620とによって形成される溝部601には、支持部材640の柱状部分の端部が摺動可能に挿入される。シールドケース660は、例えば、ステンレス鋼などによって構成される。
シールドケース660の内壁面の一部または全面に、絶縁性層または半導電性層を形成してもよい。絶縁性層を形成する絶縁性材料としては、この分野で常用されるものを使用できる。また、半導電性層は、シート抵抗が1×10の5乗〜1×10の13乗Ω/□であるものが好ましく、例えば、合成樹脂とカーボンブラックとを含む樹脂組成物からなる層、酸化スズと酸化アルミニウムとの複合体(Sn−Al−O)からなる層などを使用できる。絶縁性層は、絶縁性材料を含む樹脂組成物からなるシートを接着剤などによって貼着すること、該シートを熱融着させること、絶縁性材料を含む樹脂組成物を適切な溶剤に溶解または分散させてなる塗料を塗布して乾燥させることなどによって形成できる。半導電性層も、絶縁性材料に代えて半導電性材料を用いる以外は、絶縁性層と同様にして形成できる。
シールドケース660の内壁面の一部または全面に絶縁性層または半導電性層を形成することによって、放電電極610による放電効率が向上し、これらの層を形成しない場合よりも少ない放電電流量で感光体ドラム表面を均一に帯電させ得る。
なお、シールドケースは、感光体ドラム310Yの回転方向のおける上流側にある側壁の感光体ドラム310Yに近接する部分に切欠き部を形成してもよい。切欠き部を形成することで帯電性能を向上させることができる。切欠き部の幅は特に制限はないが、例えば、切欠き部を形成しない側の側壁及び底面の寸法が15mmの場合、切欠き部を1mmとすることができる。
グリッド電極670は、放電電極610と感光体ドラム310Yとの間に、放電電極610と同一方向に延びるように設けられる多孔板状部材である。グリッド電極670は、感光体ドラム310Y表面の帯電状態のばらつきを調整し、帯電電位を均一化する。
グリッド電極670は、感光体ドラム310Yの回転方向と略直交する方向(感光体ドラムの軸方向)と略平行な境界で複数の領域に分割されている。本実施形態においては、グリッド電極670は、図5(a)に示すように、感光体ドラム310Yの回転方向における上流側に位置する上流領域671と、上流領域671の下流側に位置する中流領域672と、中流領域672の下流側に位置する下流領域673と、に分割されており、上流領域671、中流領域672及び下流領域673は、金属フレーム674内に設けられている。
また、中流領域672は、感光体ドラム310Yの表面(感光層)と最も近接するように配置されており、上流領域671及び下流領域673は、感光体ドラム310Yに対してほぼ等距離に位置している。
更に、上流領域671、中流領域672及び下流領域673には、金属薄板が所定のピッチで配列されており、金属薄板の配列ピッチ(グリッド電極670の長手方向における1つの金属薄板とそれに隣り合う金属薄板との間隔。以下、単に「配列ピッチ」という)と、金属薄板幅(グリッド電極670の長手方向における1つの金属薄板の幅。以下、単に「金属薄板幅」という)と、を適宜変更することで、開口率(%)が調整されている。なお、開口率(%)とは、配列ピッチを、配列ピッチと金属薄板幅との合計で除した値をいう。また、多孔形状としては、本実施形態においては、メッシュ状に形成したが、例えば、スリット状や網目状に形成してもよい。
また、グリッド開口率の領域は上流、中流、下流の3領域に限るものではなく、例えば5領域(最上流、上流、中流、下流、最下流)でも構わない。
図5(b)に示すように、中流領域672の開口率は、上流領域671及び下流領域673の開口率よりも大きくなるように形成されている。すなわち、上流領域671及び下流領域673の開口率は、中流領域672の開口率よりも小さくなるように形成されている。なお、中流領域672と、上流領域671及び下流領域673と、の開口率の差は、10〜25%が好ましい。また、上流領域671の開口率と下流領域673の開口率とは、同じであってもよいが、大きさを変える場合には、双方の差が10%以内が好ましい。
上流領域671、中流領域672及び下流領域673の開口率は、画像形成装置の性能に応じて適宜選択できるが、例えば、上流領域671は65〜85%、中流領域672は80〜90%、下流領域673は65〜85%の範囲から選択するのが好ましい。本実施形態においては、中流領域672の開口率は90%に形成され、上流領域671及び下流領域673の開口率は、それぞれ75%に形成されている。
また、グリッド電極670は、帯電装置311Yに対して着脱自在に設けられている。グリッド電極670の帯電装置311Yに対する着脱機構は特に制限されないが、本実施形態においては、グリッド電極670の長手方向の両端部に嵌合孔675a,675bを形成し、嵌合孔675a,675bをシールドケース660の内部空間に設けられる不図示の支持部材に嵌合することによって、グリッド電極670を帯電装置311Yに対して着脱可能にしている。
グリッド電極670を長手方向と平行な境界で複数の領域に分割し、感光体ドラム310Yと近接する中流領域672の開口率が上流領域671及び下流領域673の開口率よりも大きくなるように構成し、かつ、上流領域671、中流領域672及び下流領域673の開口率を適宜調整すれば、画像形成速度などのスペックが異なる各種画像形成装置に適用可能になる。即ち、帯電装置311Yをプラットフォーム化し、画像形成装置のスペックに合わせてグリッド電極670を選択することが可能になる。
また、グリッド電極670には不図示の電源が電気的に接続されており、不図示の電源は、感光体ドラム310Yの表面を帯電させる帯電動作時に、グリッド電極670に電圧を印加する。グリッド電極670は、例えば、放電電極610と同様の金属材料を用いて構成され、マスキング及びエッチングにより製造できる。グリッド電極670における上流領域671、中流領域672及び下流領域673の少なくとも感光体ドラム310Yに臨む表面には、ニッケルPTFE複合層を形成するのが好ましい。ニッケルPTFE複合層は、放電電極610の表面にニッケルPTFE複合層を形成するのと同様に実施できる。
以上説明したように、第1実施形態に係るプリンタ100の帯電装置311Yは、グリッド電極670への投影面で見た場合、グリッド電極670を感光体ドラム310Yの回転方向のグリッド電極670への投影面への投影線と平行な方向の線を境界線として複数の領域に分割するのではなく(つまり、感光体ドラム310Yの回転軸と平行な線に沿って並ぶような複数の領域に分割するのではなく)、感光体ドラム310Yの回転方向と直交する方向の線を境界線として複数の領域に分割する(つまり、感光体ドラム310Yの回転方向のグリッド電極670への投影面への投影線に沿って並ぶような複数の領域に分割する)。そして、感光体ドラム310Yと最も近接する中流領域672の開口率を上流領域671及び下流領域673の開口率よりも大きくしている。
そのため、感光体ドラム310Yの表面は帯電の初期から終了時点まで連続的な切れ目のない放電に晒されるとともに、中流領域672により帯電の初期において最も多い放電に晒されておおまかに帯電し、その後、上流領域671及び下流領域673により帯電の初期よりも少ない放電に晒されて帯電が不充分な部分にも電荷が付与させることができる。
これにより、感光体ドラム310Yの表面がほぼ均一な帯電状態になる前に放電が途切れることがなく、常に放電に晒されるので、感光体ドラム310Yの回転方向上流側及び下流側のグリッド電極670の放電量を減らしても、帯電の不充分な部分への電荷付与も可能になる。また、感光体ドラム310Yの回転方向上流側及び下流側は、放電量を減じ得るので、放電量ひいては放電電流量をほとんど増加させることなく、感光体ドラム310Y表面を帯電させる能力が向上させることができる。
その結果、感光体ドラム表面の帯電むらの発生を抑制しつつ、小型化及び高速化を図ることが可能になる。例えば、プロセス速度320〜375mm/秒程度の高速で画像形成を行うプリンタ(以下、「高速機」という)に用いた場合でも、感光体ドラム310Yを好適に帯電させることができる。
特に、感光体ドラム310Yと最も近接する中流領域672の開口率を上流領域671及び下流領域673の開口率よりも大きくすることで、放電電流量の増加を抑制しつつ、帯電装置311Yにおける帯電能力の一層の向上を図ることができ、感光体ドラム310Y表面の帯電状態のより一層の均一化が実現される。
また、320mm/秒以下の低速機では、帯電能力の一層の向上が図れるので、より小型化が図れる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るプリンタ100Aについて、図1から図4を援用すると共に、図6を参照しながら説明する。第2実施形態に係るプリンタ100Aは、帯電装置のグリッド電極が第1実施形態と相違する。そのため、ここでは、第1実施形態と相違する点、即ち、グリッド電極を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。図6は、第2実施形態に係るグリッド電極670Aを模式的に示す図である。
図6に示すように、グリッド電極670Aは、感光体ドラム310Yの回転方向における上流側に位置する上流領域671Aと、上流領域671Aの下流側に位置する中流領域672Aと、中流領域672Aの下流側に位置する下流領域673Aと、に分割されており、上流領域671A、中流領域672A及び下流領域673Aは、金属フレーム674内に設けられている。
また、中流領域672Aは、感光体ドラム310Yの表面(感光層)と最も近接するように配置されており、上流領域671A及び下流領域673Aは、感光体ドラム310Yに対してほぼ等距離に位置している。
更に、中流領域672Aの開口率は、上流領域671A及び下流領域673Aの開口率よりも大きく、上流領域671Aの開口率は、下流領域673Aの開口率よりも大きくなるように形成されている。
以上説明したように、第2実施形態に係るプリンタ100Aのグリッド電極670Aは、中流領域672Aの開口率が上流領域671A及び下流領域673Aの開口率よりも大きいことに加え、上流領域671Aの開口率が、下流領域673Aの開口率よりも大きくなるように形成されている。
このように構成した場合においても、感光体ドラム310Yの回転方向上流側及び下流側のグリッド電極670の放電量を減らしても、帯電の不充分な部分への電荷付与も可能になる。また、感光体ドラム310Yの回転方向上流側及び下流側は、放電量を減じ得るので、放電量ひいては放電電流量をほとんど増加させることなく、感光体ドラム310Y表面を帯電させる能力が向上させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るプリンタ100Bについて、図1から図4を援用すると共に、図7を参照しながら説明する。第3実施形態に係るプリンタ100Bは、帯電装置のグリッド電極が第1実施形態と相違する。そのため、ここでは、第1実施形態と相違する点、即ち、グリッド電極を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。図7は、第3実施形態に係るグリッド電極670Bを模式的に示す図である。
図7に示すように、グリッド電極670Bは、感光体ドラム310Yの回転方向における上流側に位置する上流領域671Bと、上流領域671Bの下流側に位置する中流領域672Bと、中流領域672Bの下流側に位置する下流領域673Bと、に分割されており、上流領域671B、中流領域672B及び下流領域673Bは、金属フレーム674内に設けられている。
また、中流領域672Bは、感光体ドラム310Yの表面(感光層)と最も近接するように配置されており、上流領域671B及び下流領域673Bは、感光体ドラム310Yに対してほぼ等距離に位置している。
更に、中流領域672Bの開口率は、上流領域671B及び下流領域673Bの開口率よりも大きく、下流領域673Bの開口率は、上流領域671Bの開口率よりも大きくなるように形成されている。
以上説明したように、第3実施形態に係るプリンタ100Bのグリッド電極670Bは、中流領域672Bの開口率が上流領域671B及び下流領域673Bの開口率よりも大きいことに加え、下流領域673Bの開口率が、上流領域671Bの開口率よりも大きくなるように形成されている。
このように構成した場合においても、感光体ドラム310Yの回転方向上流側及び下流側のグリッド電極670の放電量を減らしても、帯電の不充分な部分への電荷付与も可能になる。また、感光体ドラム310Yの回転方向上流側及び下流側は、放電量を減じ得るので、放電量ひいては放電電流量をほとんど増加させることなく、感光体ドラム310Y表面を帯電させる能力が向上させることができる。
<第4の実施形態>
第1から第3の実施形態においては、図8に示すように、ノコ歯状の放電電極610を利用した。これに対して、第4の実施の形態においては、図9に示すようにワイヤ状の放電電極680を利用する。
<第5の実施形態>
第5の実施形態では、図10の断面図に示すような断面形状を有する画像形成装置を利用する。現像装置本体314は、内部に、2つのオーガスクリュ351及び353、現像ロール357並びに現像剤層厚規制部材359を含む。
図10に示す、2つのオーガスクリュのうちの一方351は、紙面奥の方向に現像剤を撹拌しながら搬送し、他方353は紙面手前の方向に現像剤を撹拌しながら搬送する。また、一方のオーガスクリュ351の出口に達した現像剤は他方のオーガスクリュ353に入り口まで搬送され、同様に、他方のオーガスクリュ353の出口に達した現像剤は一方のオーガスクリュ351に入り口まで搬送されるため、現像装置本体314の内部では、現像剤が循環される。現像ロール357は、循環している現像剤を汲み上げて、自身が含む現像スリーブ上で現像剤を搬送し、感光体ドラム310に付着させる。現像剤層厚規制部材359は、現像スリーブ上における現像剤の層厚を規制し、これにより、感光体ドラム310に付着するトナーの量を制限する。
図10に示すような作像ユニットの構成では、現像剤層厚規制部材359に対して現像剤が圧密されるため、現像剤の凝集が発生し易くなり、該凝集した現像剤は現像ロール356に含まれるマグネットローラ357の磁気拘束力に対して、現像スリーブ358の回転による遠心力が大きくなり、現像剤層厚規制部材359を通過した際に帯電ユニット311側へ飛翔してしまう。
また、鋸歯電極610には集塵作用がある為、現像ユニット314から飛翔してきた凝集現像剤はグリッド電極670へ付着し易くなり、グリッド電極670の現像剤汚れが助長される。
しかし、本願のグリッド電極670を用いた現像ユニット314の構成にすることで、グリッド電極670への現像剤汚れを抑制し、延いては、感光体ドラム310表面の帯電むらの発生を抑制しつつ、小型化及び高速化が可能な作像ユニットを提供できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
例えば、本実施形態においては、感光体ドラム310Yに最も近接する領域として、中流領域672を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上流領域671を感光体ドラム310Yと最も近接する領域としてもよい。このように構成することで、感光体ドラム310Yの回転方向中流側及び下流側のグリッド電極670の放電量を減らしても、帯電の不充分な部分への電荷付与も可能になる。また、感光体ドラム310Yの回転方向中流側及び下流側は、放電量を減じ得るので、放電量ひいては放電電流量をほとんど増加させることなく、感光体ドラム310Y表面を帯電させる能力が向上させることができる。
また、例えば、下流領域673を感光体ドラム310Yと最も近接する領域としてもよい。このように構成することで、感光体ドラム310Yの回転方向上流側及び中流側のグリッド電極670の放電量を減らしても、帯電の不充分な部分への電荷付与も可能になる。また、感光体ドラム310Yの回転方向上流側及び中流側は、放電量を減じ得るので、放電量ひいては放電電流量をほとんど増加させることなく、感光体ドラム310Y表面を帯電させる能力が向上させることができる。
本実施形態では、放電電極として、図8に示すように、先端状突起部を有する鋸刃状の金属を利用するが、図9に示すように、ワイヤ状の金属を利用することもできる。また、ワイヤ状の放電電極の数は、図9では1であるが、2以上であってもよい。
また、図10に示すような形態で、帯電装置を画像形成装置に組み込むことができる。
次に、実施例1から10及び比較例1から7を用いて、本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
図8にあるように放電電極は、複数の先鋭状突起部を有する鋸刃状の金属を放電電極として利用することができる。
ステンレス鋼(SUS304)からなる板金(寸法20mm×310mm×厚さ0.1mm)にマスキング処理及びエッチング処理を行い、放電電極基板を作製した。具体的には、エッチングは、ステンレス鋼の板金に、30重量%塩化第2鉄水溶液を液温90℃で2時間噴霧することによって行った。エッチング後、放電電極基板をエッチング液から取り出し、水洗及び純水による洗浄を行い、放電電極基板を作製した。この放電電極基板の表面に、電気めっきにより厚さ0.5μmのNiめっき層を形成した。
次に、このNiめっき層を形成した放電電極基板を、仕上がりめっき層としてPTFE粒子含有が18体積%になるように、粒径1μmのPTFE粒子を分散した後、脱気処理(減圧:1/10気圧、脱気時間:10分)されたニッケルPTFE複合めっき浴中(浴温90℃)に30分浸漬し、表面に厚さ6μmのニッケルPTFE複合めっき層が形成された放電電極を製造した。なお、ニッケルPTFEめっき浴としては、上村工業株式会社製のニムフロン(商品名)に、前記のようにPTFE粒子含有量の調整及び脱気処理を施しためっき浴を用いた。めっき終了後、放電電極をめっき浴から取り出し、水洗及び純水による洗浄を行い、乾燥させて放電電極を製造した。形成されたニッケルPTFE複合めっき層表面を走査型電子顕微鏡(商品名:リアルサーフェスビュー、キーエンス株式会社製)で観察したところ、PTFE粒子の2次凝集体は認められず、PTFE粒子が均一に分散しており、ピンホールも観察されなかった。
次に、ステンレス鋼(SUS304)からなる板金(寸法20mm×310mm×厚さ0.1mm)にマスキング処理及びエッチング処理を行い、長手方向と略平行な境界で分割され、且つメッシュ状に形成された上流領域、中流領域及び下流領域を有するグリッド電極を製造した。
上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。また、このグリッド電極を電子写真方式の画像形成装置に装着した場合に、感光体ドラムの回転方向上流側に位置(最上流側)する上流領域は、配列ピッチ0.30mm、金属薄板幅0.1mm、開口率75%であった。上流領域に隣接する下流側に位置する中流領域は、配列ピッチ0.90mm、金属薄板0.1mm、開口率90%であった。中流領域と隣接する下流側に位置(最下流側)する下流領域は、配列ピッチ0.30mm、金属薄板0.1mm、開口率75%であった。
更に、このグリッド電極を写真方式の画像形成装置に用いる際に、感光体ドラムを臨む表面に、上述と同様にして、厚さ0.5μmのNiめっき層及び仕上がりめっき層としてPTFE粒子含有量が18体積%となるように粒径1μmのPTFE粒子が分散され、脱気処理されたニッケルPTFE複合めっき浴中(浴温90℃)に15分浸漬し、Niめっき層表面に層厚さ3μmのニッケルPTFEめっき層を形成した。ニッケルPTFE複合めっき層表面を走査型電子顕微鏡(商品名:リアルサーフェスビュー、キーエンス株式会社製)で観察したところ、PTFE粒子の2次凝集は観察されず、PTFE粒子が均一に分散しており、ピンホールも観察されなかった。
上述で得られた放電電極及びグリッド電極を、市販の画像形成装置(商品名:MX3500、シャープ株式会社製)をプロセス速度320〜375mm/秒の高速機に改造した評価装置における、帯電装置の放電電極及びグリッド電極と交換した。この画像形成装置を用いてハーフトーン画像を複写し、このときの帯電性能を測定し、得られたハーフトーン画像の目視による観察を行った。評価基準は、帯電性能については、次の基準で行った。◎:非常に良好、○:良好、△:やや良好、×:不良。また、画像均一性については、次の基準で行った。○:目視では画像むらを発見できなかった、△:僅かな画像むらと思われる部分が認識された、×:画像の一部に白筋、黒筋などの画像むらが認識された。総合評価としては、次の基準で行った。◎:非常に良好、○:良好、△:やや良好。×:不良。評価結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.19mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率65%の上流領域、配列ピッチ0.90mm、金属薄板0.1mm及び開口率90%の中流領域、及び配列ピッチ0.19mm、金属薄板0.1mm及び開口率65%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.30mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率75%の上流領域、配列ピッチ0.57mm、金属薄板0.1mm及び開口率85%の中流領域、及び配列ピッチ0.30mm、金属薄板0.1mm及び開口率75%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.40mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率80%の上流領域、配列ピッチ0.90mm、金属薄板0.1mm及び開口率90%の中流領域、及び配列ピッチ0.23mm、金属薄板0.1mm及び開口率70%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.23mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率70%の上流領域、配列ピッチ0.90mm、金属薄板0.1mm及び開口率90%の中流領域、及び配列ピッチ0.40mm、金属薄板0.1mm及び開口率80%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.30mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率75%の上流領域、配列ピッチ0.90mm、金属薄板0.1mm及び開口率90%の中流領域、及び配列ピッチ0.30mm、金属薄板0.1mm及び開口率75%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が5.0mm、中流領域が3.0mm、下流領域が5.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.30mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率75%の上流領域、配列ピッチ0.90mm、金属薄板0.1mm及び開口率90%の中流領域、及び配列ピッチ0.30mm、金属薄板0.1mm及び開口率75%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.5mm、中流領域が4.0mm、下流領域が4.5mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例8>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.90mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率90%の上流領域、配列ピッチ0.40mm、金属薄板0.1mm及び開口率80%の中流領域、及び配列ピッチ0.23mm、金属薄板0.1mm及び開口率70%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が3.0mm、中流領域が4.0mm、下流領域が5.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が0.8mm、中流領域が1.1mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例9>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.23mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率70%の上流領域、配列ピッチ0.40mm、金属薄板0.1mm及び開口率80%の中流領域、及び配列ピッチ0.90mm、金属薄板0.1mm及び開口率90%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が5.0mm、中流領域が4.0mm、下流領域が3.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が1.1mm、下流領域が0.8mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例10>
実施例10は、実施例1と同一のグリッド電極を用いたものである。実施例1では、放電電極として、複数の先鋭状突起部を有する鋸刃状のものを用いるのに対して、実施例10では、ワイヤ状のものを用いる点において、実施例10は、実施例1と異なる。
図9にあるように放電電極は、感光体の軸方向に張られたワイヤ(チャージワイヤ)を放電電極として利用することができる。このワイヤの素材は、金属であればどのような金属でもよく、たとえばここではタングステンである。放電電極として利用するワイヤの太さは直径が30μm〜100μmであることが好ましい。直径を下限値以上とすることによって、電極に機械的な強度を持たせることができるという利点があり、直径を上限値以下とすることによって、電界を集中させ放電の効率を上げることができるという利点がある。たとえばここでは直径50μmである。
更に、チャージワイヤにメッキを施し、汚染防止を図ってもよい。
更に、チャージワイヤは1本に限らず、複数本を使用してもよい。
このチャージワイヤと実施例1と同様のグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.57mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率85%の上流領域、配列ピッチ0.23mm、金属薄板0.1mm及び開口率70%の中流領域、及び配列ピッチ0.57mm、金属薄板0.1mm及び開口率85%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.23mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率70%の上流領域、配列ピッチ0.40mm、金属薄板0.1mm及び開口率80%の中流領域、及び配列ピッチ0.90mm、金属薄板0.1mm及び開口率90%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例3>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.90mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率90%の上流領域、配列ピッチ0.40mm、金属薄板0.1mm及び開口率80%の中流領域、及び配列ピッチ0.23mm、金属薄板0.1mm及び開口率70%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例4>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.40mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率80%の上流領域、中流領域及び下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例5>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.30mm、金属薄板幅1.1mm及び開口率75%の上流領域、中流領域及び下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例6>
実施例1と同様の放電電極を製造した。また、実施例1と同様にして、配列ピッチ0.90mm、金属薄板幅2.1mm及び開口率90%の上流領域、中流領域及び下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例7>
比較例7は、比較例1と同一のグリッド電極を用いたものである。比較例1では、放電電極として、複数の先鋭状突起部を有する鋸刃状のものを用いるのに対して、比較例7では、ワイヤ状のものを用いる点において、比較例7は、比較例1と異なる。
実施例7と同様のワイア放電電極を製造した。また、実施例10と同様にして、配列ピッチ0.57mm、金属薄板幅0.1mm及び開口率85%の上流領域、配列ピッチ0.23mm、金属薄板0.1mm及び開口率70%の中流領域、及び配列ピッチ0.57mm、金属薄板0.1mm及び開口率85%の下流領域を有するグリッド電極を製造した。このグリッド電極の上流領域、中流領域及び下流領域の長手方向と直交する幅方向の長さは、上流領域が4.0mm、中流領域が5.0mm、下流領域が4.0mmであり、感光体ドラムとの距離は、上流領域が1.4mm、中流領域が0.8mm、下流領域が1.4mmであった。
この放電電極及びグリッド電極を用いて、実施例1と同様の測定及び目視による評価を行った。評価結果を表1に示す。
<結び>
実施例1乃至7においては、中流のグリッド電極と感光体ドラムとの間の距離は、上流のグリッド電極と感光体ドラムとの間の距離及び下流のグリッド電極と感光体との間の距離よりも短く設定されている。また、上流のグリッド電極と感光体ドラムとの間の距離は、下流のグリッド電極と感光体との間の距離と等しい。これは、帯電装置の短手方向で見て、帯電装置の中心が感光体ドラムに最接近するように帯電装置が設置されていることを示す。そして、中流のグリッド電極の開口率は、上流のグリッド電極の開口率及び下流のグリッド電極の開口率よりも高い。これらの実施例では、帯電性能及び画像均一性について、「非常に良好」又は「良好」の結果を得ている。
実施例8においては、上流のグリッド電極と感光体ドラムとの間の距離は、中流のグリッド電極と感光体ドラムとの間の距離よりも短く、中流のグリッド電極と感光体との間の距離は、下流のグリッド電極と感光体ドラムとの間の距離よりも短く設定されている。これは、帯電装置の短手方向で見て、帯電装置の中心よりも上流側が感光体ドラムに最接近するように帯電装置が設置されていることを示す。そして、上流のグリッド電極の開口率は、中流のグリッド電極の開口率よりも高く、中流のグリッド電極の開口率は、下流のグリッド電極の開口率よりも高い。この実施例では、帯電性能及び画像均一性について、「良好」の結果を得ている。
実施例9は、実施例8と比較して、上流と下流とが入れ替わったものである。この実施例でも、帯電性能及び画像均一性について、「良好」の結果を得ている。
実施例10は、上述したように、実施例1と同一のグリッド電極を用いたものである。実施例1では、放電電極として、複数の先鋭状突起部を有する鋸刃状のものを用いるのに対して、実施例10では、ワイヤ状のものを用いる点において、実施例10は、実施例1と異なる。実施例10は、実施例1と同様な帯電性能及び画像均一性についての結果を得ている。
放電電極がノコ歯状のものであるか、又は、ワイヤ状のものであるかの相違は、帯電装置の長手方向で見た場合に形状の相違を生ずるが、帯電装置の短手方向で見た場合には形状の相違をほとんど生じない。そして、実施例1乃至9は、帯電装置の短手方向で見た場合の数値を変えたものであり、実施例1乃至9は、帯電装置の長手方向で見た場合には、相違はない。従って、実施例1と実施例10との帯電性能及び画像均一性についての結果が同一であるならば、実施例2乃至9と比較して、放電電極をノコ歯状のものからワイヤ状のものに変更した点のみが異なる実施例を設けるならば、それらの実施例からはそれぞれ実施例2乃至9と同様な結果が得られることが推測できる。従って、実施例2乃至9に対応する実施例11乃至18を省略した。
比較例1乃至3においては、実施例1乃至5と同様に、中流のグリッド電極と感光体ドラムとの間の距離は、上流のグリッド電極と感光体ドラムとの間の距離及び下流のグリッド電極と感光体との間の距離よりも短く設定されている。また、比較例1乃至3においては、実施例1乃至5と同様に、上流のグリッド電極と感光体ドラムとの間の距離は、下流のグリッド電極と感光体との間の距離と等しい。これは、帯電装置の短手方向で見て、帯電装置の中心が感光体ドラムに最接近するように帯電装置が設置されていることを示す。そして、比較例1乃至3においては、実施例1乃至5とは異なり、中流のグリッド電極の開口率は、上流のグリッド電極の開口率及び下流のグリッド電極の開口率より低い。これらの比較例では、帯電性能及び画像均一性について、少なくとも1つは「不良」又は「やや良好」に留まるような結果を得ている。
比較例4乃至6においては、実施例1乃至10及び比較例1乃至3と異なり、グリッド電極の開口率は、上流、中流及び下流で同一である。これらの比較例では、帯電性能及び画像均一性について、少なくとも1つは「不良」又は「やや良好」に留まるような結果を得ている。
比較例7は、上述したように、比較例1と同一のグリッド電極を用いたものである。比較例1では、放電電極として、複数の先鋭状突起部を有する鋸刃状のものを用いるのに対して、比較例7では、ワイヤ状のものを用いる点において、実施例7は、比較例1と異なる。比較例7は、比較例1と同様な帯電性能及び画像均一性についての結果を得ている。
実施例1と実施例10との帯電性能及び画像均一性についての結果が同一であるならば、実施例2乃至9と比較して、放電電極をノコ歯状のものからワイヤ状のものに変更した点のみが異なる実施例を設けるならば、それらの実施例からはそれぞれ実施例2乃至9と同様な結果が得られることが推測できることと同様な理由を比較例1乃至6に対して適用することができる。従って、比較例2乃至6に対応する比較例8乃至12を省略した。
実施例1乃至10及び比較例1乃至7より、放電電極の形状がノコ歯状であるかワイヤ状であるかにかかわらず、グリッド電極として、感光体ドラムの回転方向に沿う方向に複数の領域に分割したものを選択し、複数の領域を、前記感光体ドラムと近接する領域の開口率が他の領域の開口率よりも大きいように設定することにより、帯電性能及び画像均一性を高めることができることを確認することができた。
従って、表1に示すように、本発明の画像形成装置においては、非常に高速で画像形成を行うにもかかわらず、感光体ドラムが均一に帯電することによって、画像むら(ハーフトーンむら)が発生が著しく抑制されたことが分かる。
10 シート給送部
30 画像形成部
31Y〜31B プロセスカートリッジ
32 露光装置
33 転写部(転写手段)
34 定着部(定着手段)
50 制御部
100 レーザビームプリンタ(画像形成装置)
310Y 感光体ドラム
311Y スコロトロン帯電装置(帯電装置)
312Y 現像装置
610 放電電極(鋸刃状)
612 突起部(先鋭状突起部)
670 グリッド電極
671 上流領域
672 中流領域
673 下流領域
680 放電電極(ワイヤ状)

Claims (18)

  1. 感光体ドラムの表面を臨むように配設され、前記感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置であって、
    コロナ放電を行い、前記感光体ドラムの表面に電圧を印加して該表面を帯電させる放電電極であって、複数の先鋭状突起部を有する鋸刃状のものと、
    前記放電電極と前記感光体ドラムとの間で前記感光体ドラムの表面を臨むように配設され、該表面の帯電電位を制御する、多孔板状のグリッド電極と、を備え、
    前記グリッド電極は、前記感光体ドラムの回転方向に沿う方向に複数の領域に分割され、
    前記複数の領域は、前記感光体ドラムと近接する領域の開口率が他の領域の開口率よりも大きいように設定されている、
    ことを特徴とする帯電装置。
  2. 前記放電電極に対して相対的に移動可能に設けられ、移動時に前記放電電極の少なくとも一部を擦過することによって前記放電電極の少なくとも一部の表面を清掃する清掃部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  3. 感光体ドラムの表面を臨むように配設され、前記感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置であって、
    コロナ放電を行い、前記感光体ドラムの表面に電圧を印加して該表面を帯電させる放電電極であって、ワイヤ状のものと、
    前記放電電極と前記感光体ドラムとの間で前記感光体ドラムの表面を臨むように配設され、該表面の帯電電位を制御する、多孔板状のグリッド電極と、を備え、
    前記グリッド電極は、前記感光体ドラムの回転方向に沿う方向に複数の領域に分割され、
    前記複数の領域は、前記感光体ドラムと近接する領域の開口率が他の領域の開口率よりも大きいように設定されている、
    ことを特徴とする帯電装置。
  4. 前記複数の領域は、前記感光体ドラムの回転方向上流側に位置する上流領域と、回転方向下流側に位置する下流領域と、前記上流領域と前記下流領域との間に位置する中流領域と、を有し、
    前記中流領域が前記感光体ドラムに近接配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の帯電装置。
  5. 前記中流領域の開口率と、前記上流領域及び前記下流領域の開口率との差が、10〜25%である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の帯電装置。
  6. 前記上流領域と前記下流領域とは、開口率が同じである、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の帯電装置。
  7. 前記上流領域の開口率が前記下流領域の開口率よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の帯電装置。
  8. 前記下流領域の開口率が前記上流領域の開口率よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の帯電装置。
  9. 前記上流領域と、前記下流領域と、の開口率との差が10%以内である、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の帯電装置。
  10. 放電電極は複数備わり、前記グリッド電極の前記複数の領域の各々に対して少なくとも1つの放電電極が対応する、
    ことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の帯電装置。
  11. 前記放電電極は、少なくとも一方の面に、ポリテトラフルオロエチレンを含むニッケル層が設けられる、
    ことを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の帯電装置。
  12. 前記感光体ドラムを臨む面が開放され、側壁と前記感光体ドラムを臨む面に対向する面とによって囲まれる内部空間に前記放電電極と前記グリッド電極とを収容する容器状部材を有し、
    前記容器状部材は、前記感光体ドラムの回転方向上流側における側壁の前記感光体ドラムに近接する部分に、切り欠き部が形成される、
    ことを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の帯電装置。
  13. 前記容器状部材は、該容器状部材の内壁面の一部または全面に、絶縁性層または半導電性層が形成される、
    ことを特徴とする請求項12に記載の帯電装置。
  14. 前記グリッド電極は、着脱自在に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の帯電装置。
  15. 請求項1から14の何れか1項に記載の帯電装置と、
    前記帯電装置により帯電される感光体ドラムと、
    露光装置により前記感光体ドラムに形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、を備えた、
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  16. 請求項15に記載のプロセスカートリッジと、前記露光装置と、前記感光体ドラム上に形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、シートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着手段と、を有する画像形成部と、
    前記画像形成部にシートを給送するシート給送部と、を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  17. 感光体ドラムと、
    前記感光体ドラムの表面を臨むように配設され、前記感光体ドラムの表面を帯電させるための帯電ユニットと、
    帯電された前記感光体ドラムの表面に形成された潜像を現像することにより前記感光体ドラムの表面にトナー像を形成するための現像ユニットと、
    を備える画像形成装置であって、
    前記現像ユニットは、
    現像剤を表面に担持し、前記現像剤に含まれるトナーを前記感光体ドラムに付着させるための、現像スリーブを含む現像ロールと、
    前記感光体ドラムに付着するトナー量を調整するために、前記現像スリーブにおける前記現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材と、
    を備え、
    前記現像剤は、自重と前記現像スリーブの前記現像剤層厚規制部材に向かう回転に起因する力により圧密され、圧密された前記現像剤が前記現像剤層厚規制部材により膜厚が規制され、
    前記帯電ユニットは、
    コロナ放電を行い、前記感光体ドラムの表面に電圧を印加して該表面を帯電させる放電電極であって、複数の先鋭状突起部を有する鋸刃状のものと、
    前記放電電極と前記感光体ドラムとの間で前記感光体ドラムの表面を臨むように配設され、該表面の帯電電位を制御する、多孔板状のグリッド電極と、を備え、
    前記グリッド電極は、前記感光体ドラムの回転方向に沿う方向に複数の領域に分割され、
    前記複数の領域は、前記感光体ドラムと近接する領域の開口率が他の領域の開口率よりも大きいように設定されている、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  18. 感光体ドラムと、
    前記感光体ドラムの表面を臨むように配設され、前記感光体ドラムの表面を帯電させるための帯電ユニットと、
    帯電された前記感光体ドラムの表面に形成された潜像を現像することにより前記感光体ドラムの表面にトナー像を形成するための現像ユニットと、
    を備える画像形成装置であって、
    前記現像ユニットは、
    現像剤を表面に担持し、前記現像剤に含まれるトナーを前記感光体ドラムに付着させるための、現像スリーブを含む現像ロールと、
    前記感光体ドラムに付着するトナー量を調整するために、前記現像スリーブにおける前記現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材と、
    を備え、
    前記現像剤は、自重と前記現像スリーブの前記現像剤層厚規制部材に向かう回転に起因する力により圧密され、圧密された前記現像剤が前記現像剤層厚規制部材により膜厚が規制され、
    前記帯電ユニットは、
    コロナ放電を行い、前記感光体ドラムの表面に電圧を印加して該表面を帯電させる放電電極であって、ワイヤ状のものと、
    前記放電電極と前記感光体ドラムとの間で前記感光体ドラムの表面を臨むように配設され、該表面の帯電電位を制御する、多孔板状のグリッド電極と、を備え、
    前記グリッド電極は、前記感光体ドラムの回転方向に沿う方向に複数の領域に分割され、
    前記複数の領域は、前記感光体ドラムと近接する領域の開口率が他の領域の開口率よりも大きいように設定されている、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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