JP5082276B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に用いられる現像装置に関し、特に、磁性一成分現像剤を使用する現像装置の改良に関するものである。
電子写真方式等を適用したプリンタ、複写機等の画像形成装置において採用される現像装置として、磁性トナーのみからなる磁性一成分現像剤に代表される磁性現像剤を使用する一成分現像装置がある。
このような一成分現像装置は、一般に、図9に例示するように、磁性現像剤109を収容するハウジング110に、内部空間にマグネット部材が設置されて回転する円筒状の現像ロール120と、この現像ロール120の外周面に圧接される弾性体等からなる層規制部材130とを少なくとも設けた構成になっている。また、この現像装置による現像動作は、ハウジング110内の磁性現像剤109を回転する現像ロール120にむけて供給して磁気力で担持させながら層規制部材130との圧接部を規制するように通過させることにより摩擦帯電させるとともに薄層状態に形成した後、その現像ロール120の感光体等の像担持体(200)と対向する現像領域(DE)まで搬送し、最後にその現像領域においてスリーブ上の現像剤を静電潜像が形成された像担持体側へ静電的作用により移行させてその潜像部分に選択的に付着させることにより行われている。
ところで、このような現像装置においては、その現像動作を行った後の現像ロール(実際にはスリーブ)上には、静電潜像に対応して現像剤が消費された部分と消費されなかった部分とが存在する現像履歴が生じる。この現像履歴は、通常、現像ロール上において次の現像剤の供給工程及び現像剤層の規制工程が行われることで解消されるが、場合によっては、現像後に現像剤が消費されなかった部分(非画像部に相当)では現像剤が現像ロール上に固着されやすくその現像剤層の表層側にある一部の現像剤のみが次の新たな現像剤と入れ替わるだけで、その現像剤が消費された部分(画像部に相当)のようにほぼ全量の現像剤が入れ替われることがない現象を誘発することがある。
そして、このように現像ロール上で部分的に入れ替わる量が異なる現像剤層が次の現像工程に至ると、その現像効率について、前の現像工程で現像剤が消費されて新たな現像剤にほぼ全量入れ替わった部位の方が前の現像工程で現像剤が消費されずに一部の現像剤のみが入れ替わる部位よりも高くなって差異が生じるようになり、この結果、周知のゴースト(現像履歴に起因した濃度差)が発生することがある(特にベタ画像を形成した後にそのベタ画像よりも広いハーフトーン画像を形成した際に顕著に確認される)。
従来においても、このゴースト対策を施した現像装置として、例えば本出願人が提案したような現像装置が知られている(特許文献1)。これは、現像ロールとして、その周面に現像剤の粒径より大きな凹凸と小さな凹凸とで構成される樹脂層をコーティングにより形成し、その大きな凹凸についてはその算術平均粗さ(Ra)が1.3〜1.8μmとなり、その小さな凹凸については有効線長さ(SRIr)が104%以下とした現像ロールを使用するようにした現像装置である。
しかし、この現像装置の場合は、小さな凹凸を現す有効線長さが例えば凹凸間隔とそれぞれのピークの高さが異なっていても同様の数値が算出される可能性があることから、その現像ロールの表面粗さの適切な数値を表しにくく、ゴースト対策として不十分な面があった。
そこで、本出願人は、このような事情などに鑑みて種々研究した末に、新たなゴースト対策として、現像ロールのような現像剤担持体の表面における微小な凹凸を滑らかにするような構成を採用した現像装置の提案(特許出願:本出願時未公開)を行っている。
これは、現像剤担持体として算術平均粗さ(Ra)が1.5μm以上であり、かつ、算術平均傾斜(Δa)が0.1以上0.4以下である表面粗さからなるものを使用するようにした現像装置である。これにより、現像剤担持体による現像剤の搬送性が損なわれることなく、その担持体周面への現像剤の固着を抑制することができ、例えば凝集性の高い現像剤を使用してもゴーストの発生を抑制することができるというものである。
特開2004−347641号公報
しかしながら、従来の現像装置においても次のような問題がある。
例えば、現像剤担持体の表面が長期使用によって削れて滑らかな状態になった場合や、上述したようにゴースト対策のために現像剤担持体の小さな凹凸部を滑らかな状態にした場合は、特に低温低湿の環境において層規制部材を通過した後の現像剤担持体上に形成される現像剤の薄層(層厚)が波のごとく変動して搬送される波状搬送が発生し、その搬送むらの波状態が現像画像にも濃度むらとなって現れるという現像不良を引き起こすことがある。このような波状搬送は、現像剤として比較的小径(例えば平均粒径が8μm以下)のものを使用したり、あるいは、比較的低融点のポリエステル樹脂等のバイダーからなる低温定着性が良好な現像剤を使用した場合に、さらに発生しやすくなる。
この波状搬送は、主に次のようなメカニズムで発生している。
即ち、図10に例示するように、現像剤担持体120において非画像部(背景部など)となる部分が続いて現像剤が消費されない部位が連続して存在すると、その部位にある現像剤109は層規制部材130を何回も通過することによりその帯電量が上昇するとともに現像剤担持体120上に押し付けられるようになるため、その現像剤担持体130の周面に静電的作用や物理的要因で強く付着する現像剤が増加するようになり、これにより、その部位に相対的に多めの現像剤が担持されるようになって現像剤の搬送量も増えるようになる。図中の層規制部材130は、現像剤担持体120に圧接させるゴム材131を支持板132の先端部に固定した構造のものである。
この結果、まず、その搬送量が増えた現像剤層の部分が層規制部材130(ゴム材131)を通過する際に現像剤担持体120に圧接される層規制部材130を押し上げて現像剤の通過空間を広げてしまうため(図中の二点鎖線で示す層規制部材130A)、その層規制部材130Aを通過した後の現像剤担持体120に担持される現像剤109の層が厚い状態(109a)になる。次に、その押し上げられて弾性変形した状態の層規制部材130はその弾性的な復元力により現像剤担持体120に圧接する方向に変位して現像剤の通過空間を狭めるため、現像剤担持体120に担持される現像剤109がスリップして通過せずその層が薄い状態(109b)になる。続いて、現像剤担持体120上の現像剤の層が薄くなると、層規制部材130の圧接力がわずかに弱まってその層規制部材を現像剤が押し上げるようになるため、現像剤担持体上に担持される現像剤の層が再び厚くなる。
以上のように層規制部材130が現像剤担持体120との圧接部位において両矢印方向に振動(揺動)するように繰り返して変位するため、その層規制部材130を通過した後の現像剤担持体120上の現像剤109の層が厚くなったり(109a)薄くなること(109b)を繰り返すようになり、これが波状の搬送むら(波状搬送)となって現れるようになる。
なお、この波状搬送の対策としては、例えば、層規制部材の現像剤担持体に対する圧接力を高める手段が考えられる。しかし、この場合は、その層規制部材によって現像剤担持体上の現像剤層が常に強く押し付けられた状態が続くため、現像剤に外添される外添剤が粒子中に埋まりこむ現象を促進してしまい、これにより、現像剤の帯電量が低下し、その結果として現像される画像の濃度持続性が低下してしまうことになる。
また、他の対策としては、低温低湿下では現像剤の帯電量が大きくなりやすい傾向があるため、その現像剤の帯電量を下げる(例えば帯電性能を低下させる)手段も考えられる。しかし、この場合は、低温低湿下での波状搬送が抑制されるようになるが、特に高温高湿の環境下において、その現像剤の帯電量が不十分となって現像した画像の濃度が低下してしまうという新たな問題が発生してしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、濃度の低下を招くことがなく、しかも使用する現像剤の種類(特に小粒径の現像剤、低融点の現像剤)が大幅に制約されることなく、現像剤担持体の波状搬送の発生を抑制することができる現像装置を提供するものである。
本発明の現像装置は、磁性現像剤を外周面に担持して現像領域まで搬送するように回転する現像剤担持体と、この現像剤担持体の外周面に圧接され、その外周面に担持される磁性現像剤を薄層状態にするように規制して通過させる層規制部材と、この層規制部材と前記現像剤担持体の間に交番電界を形成する交番電界形成手段とを備え、前記層規制部材は、その前記現像剤担持体の外周面との圧接位置から少なくとも当該担持体の回転方向下流側の表面部分におけるイオン化ポテンシャルが、前記磁性現像剤の正規の帯電極性が負極性の場合には当該現像剤のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上小さい値に設定されているとともに、前記磁性現像剤の正規の帯電極性が正極性の場合には当該現像剤のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きい値に設定されていることを特徴とするものである。
ここで、上記現像剤担持体は、磁性現像剤を担持して搬送することができるものであればよく、例えば、回転する非磁性の円筒状スリーブとそのスリーブ内部に設置されて磁性現像剤をスリーブ上に引き寄せる磁界を生成する磁界発生手段を備えた構成からなるものである。
また、上記層規制部材は、現像剤担持体に実際に圧接されるゴム材、合成樹脂等からなる弾性圧接体とこの弾性圧接体を支持する金属等からなる支持部材とで構成されるが、例えば弾性支持体のみで構成されるものであってもよい。弾性圧接体は、通常、交番電界形成手段から交番電界を形成するために供給される交流電圧により現像剤担持体と層規制部材の間に交番電界が形成されるようにするために導電層を有する構造とされる。また、層規制部材のイオン化ポテンシャルについては、上記導電層の現像剤担持体との圧接側に電気絶縁層を設け、その絶縁層の材質等を変更することで調整することができる。この層規制部材(の弾性圧接体)の現像剤担持体への加圧力(線圧)は、現像剤の帯電維持性等の観点から、0.59N/cm(約60gf/cm)以下の値になるよう設定するとよい。
さらに、上記交番電界形成手段は、層規制部材と現像剤担持体の間に交番電界を形成することができるものであれば特に制約されるものではない。具体的には、交番電界を形成するための電圧(交流電圧)を層規制部材又は現像剤担持体に専用に印加する電圧印加手段を設けて構成したり、あるいは、現像剤担持体に直流電圧と交流電圧の重畳した現像バイアスを印加する電源がある場合にはその現像バアイス電源を利用するように構成することができる。
そして、上記層規制部材及び現像剤のイオン化ポテンシャルは、例えば光電子分光装置により測定される。特に層規制部材のイオン化ポテンシャルは、その層規制部材の現像剤担持体外周面との圧接位置から当該担持体の回転方向下流側の表面部分におけるものであれば十分であるが、その層規制部材の圧接側表面の全面におけるものであっても差し支えない。
この発明では、層規制部材のイオン化ポテンシャルが、磁性現像剤の正規の帯電極性が負極性又は正極性のいずれであっても、その磁性現像剤のイオン化ポテンシャルとの差が0.1eV未満となる値になると、現像剤担持体上に薄層状に担持される現像剤(層)を交番電界の作用により往復運動させてほぐす際に、特にその上層側にある現像剤を正しい極性(正規の帯電極性)に効率よく帯電させることができなくなり、波状搬送の抑制効果が得られにくくなる。
また、このように層規制部材のイオン化ポテンシャルを現像剤のイオン化ポテンシャルに対して0.1eV異なる値にするためには、層規制部材の絶縁層の材質等を変更して調整するか、あるいは磁性現像剤の帯電特性や帯電量を変更して調整することが可能である。しかし、現像剤の帯電特性や帯電量を変更して調整する場合には帯電性、流動性、定着性等の特性所望の条件を満たすよう考慮しなければならない等の制約が多く調整しにくい等の理由から、層規制部材のイオン化ポテンシャルを調整することが好ましい。また、この層規制部材の現像剤に対するイオン化ポテンシャルの差は、現像剤の帯電安定性を確保する等の観点から、0.1eV以上で1.0eV以下の範囲内となる値に設定することが好ましい。
さらに、上記現像装置における現像剤担持体は、算術平均粗さ(Ra)が1.5μm以上であり、算術平均傾斜(Δa)が0.1以上0.4以下である表面粗さからなるものであることが好ましい。
上記算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601−1994に準拠して算出されるものである。具体的には、粗さ測定曲線の絶対値を基準長さにわたって平均化した値である。また、上記算術平均傾斜(Δa)は、微小領域の表面粗さを示すものであり、粗さ測定曲線の傾き(角度)の絶対値を求め、その値を平均化したものとして算出される。この算出平均傾斜は、具体的には、表面粗さの測定ピッチを0.15μm、高さ方向の分解能を0.01μmにて測定した後、その得られた波形をフーリエ変換し、現像剤の粒径以上の長周波成分をカットし、さらに各点を5点加重平均したものに対して求めたものである。
このように構成した場合には、現像剤担持体2による現像剤の搬送性が良好であるうえに、現像剤担持体2の表面への現像剤の固着を抑制することができ、凝集性の高い現像剤を使用するに際してもゴーストの発生を抑制することができるようになる。
また、現像剤担持体2は、その外周面の凹凸の平均間隔(Sm)が150μm以上300μm以下とすることが好ましい。この場合には、上記算術平均粗さRaと凹凸の平均間隔Smによって、より適切な現像剤搬送性能が確保されるようになる。この平均間隔(Sm)は、上記算術平均粗さ(Ra)の場合と同様に、JIS B0601−1994に準拠して測定される。
さらに、現像剤担持体2は、上記したような表面粗さを有するものにするためには、その外周面をブラスト処理によって粗面化した後に、金属メッキ層を積層した構造のものにすることが好ましい。そのブラスト処理によって外周面を粗面化することで、適度な表面粗さを確保できるとともに、メッキ層の密着性も向上するようになる。
本発明の現像装置によれば、まず層規制部材と現像剤担持体の間に交番電界を形成しているので、現像剤担持体に現像剤が現像工程で消費されずに何回も層規制部材を通過するような部位(非画像部に相当する)が混在する状況が発生しても、その部位に強く付着する現像剤の少なくとも一部(特にその上部側に存在する分の現像剤)を、層規制部材と現像剤担持体との間でかつその両者の圧接部位から現像剤担持体の回転方向下流側の間隙領域において発生する交番電界の作用により往復移動させて現像剤どうしの衝突を発生させることでほぐすことができる。これにより、層規制部材を通過した後の現像剤担持体上において現像剤が過剰に付着して搬送されることが生じにくくなる。
しかも、この現像装置では、その層規制部材の少なくとも所定部位のイオン化ポテンシャルを現像剤のイオン化ポテンシャルに対して所定の大小関係となるような値に設定しているので、単に交番電界を形成しただけでは、層規制部材に接触して通過した後に現像剤担持体上で特にその上部側に存在する帯電不足か又は逆極性に帯電した現像剤がその下部側に存在する現像剤の交番電界にて往復移動しようとする動きを遮ってしまう現象が生じることを解消することができる。すなわち、そのような上部側に存在する現像剤が、上記のごときイオン化ポテンシャルの値に設定された層規制部材と接触することにより正しい極性にしかも良好に帯電されるようになる。これにより、その下部側に存在する現像剤はその往復移動による動きが遮られるおそれがなくなって交番電界の作用によるほぐしと帯電が正常になされるようになる。従って、このことによっても層規制部材を通過した後の現像剤担持体上において現像剤が過剰に付着して搬送されることが更に生じにくくなる。
以上のように、この現像装置では、その層規制部材を通過した後も現像剤担持体に強く付着し続けてしまうような現像剤が低減されるようになるため、特に低温低湿下において現像剤担持体の波状搬送の発生を抑制することが可能となり、かかる波状搬送に起因した現像画像の欠陥も発生しにくくなる。
また、この発明では、前述したように層規制部材の圧接力を必要以上に高める必要がないため、その圧接力を高めることに起因した現像濃度の低下を誘発するおそれがない。しかも、現像剤の帯電量を下げる必要もないため、その帯電量を下げることに起因した特に高温高湿の環境下における現像濃度の低下を招くおそれもない。
図1は、本発明の現像装置の概要を示すものである。
この現像装置1は、像担持体としての感光ドラム8と対向する部位が開口するとともに磁性現像剤である磁性一成分トナー9を収容するハウジング10を有し、このハウジング10の開口に面して現像ロール2が回転可能に設置されているとともに、その開口上縁に現像ロール2に圧接して担持する磁性一成分トナー9を薄層状態にする層規制部材3が設けられている。トナー9としては、ポリエステル樹脂系の磁性一成分トナー(マイナス帯電タイプ)を使用している。また、ハウジング10は、そのハウジングの一部で構成される仕切壁部10aを境に、現像ロール2が存在する現像室12と、この現像室12の背後でトナー9を収容するトナー収容室13とに分けられている。トナー収容室13には、収容されるトナー9を攪拌しながら現像室12側に掻き出すための回転攪拌部材15が設置されている。回転攪拌部材15は、例えば回転体の一部に可撓性フィルムを付けた構造のものである。
現像ロール2は、矢印方向に回転する円筒状の非磁性スリーブ21と、このスリーブ21の内部に複数の磁極が固定配置された磁性体22とで構成されている。また、この現像ロール2と感光ドラム8の間に現像バイアス(例えば直流電圧に交流電圧を重畳したもの)がバイアス電源装置25から印加されている。
層規制部材3は、現像ロール2(実際にはスリーブ21)の外周面に圧接される板状のゴム材31と、このゴム材31の一端部31aを固定支持する板材32とで構成されており、その板材32がハウジング10の取付け部10bに取り付けられている。ゴム部材31としては、例えばウレタンゴム、シリコーンゴム等が使用される。ゴム部材31は板材32に接着等により固定されている。この層規制部材3は、そのゴム材31が現像ロール2に押し当て圧が線圧として60gf/cm以下となるように調整されている。
また、層規制部材3は、そのゴム材31にゴム材31と現像ロール2(実際にはスリーブ21)との間に交番電界を形成するための電圧(交番電界形成用電圧)が交番電界形成用電圧印加装置4から印加されている。この例では、その交番電界形成用電圧を前記現像バイアス電源装置25から印加するように構成しており、また、その電圧として所定の直流電圧を印加している。また、ゴム材31については、交番電界形成用の電圧が印加された際に現像ロール2との間で交番電界が形成されるようにするため、図2に示すように現像ロール2と接する面側に、対向電極となる導電層35が形成された絶縁性部材36をその導電層35が介在させた状態で取り付けている。この例では導電層35として金属蒸着層としているが、それ以外の導電性を有する材料で構成されたものを適用してもよい。また絶縁性部材36としては、ポリチレンテレフタレート、ナイロン等からなる合成樹脂フィルムや、合成ゴム等からなるゴム材が使用される。
さらに、この層規制部材3は、その現像ロール2(スリーブ21)の外周面との圧接側の表面36aにおけるイオン化ポテンシャルが、磁性一成分トナー9の正規の帯電極性(本例ではマイナス極性)と同じ極性側においてそのトナーのイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上小さい値に設定されている。この例では、トナー9のイオン化ポテンシャルを一定の値(約4.7eV)に設定しているため、層規制部材3の側のイオン化ポテンシャルの値を適宜設定することで上記条件を満たすようにしている。層規制部材3のイオン化ポテンシャルは、そのゴム材31における上記絶縁性部材36の材質を調整することで所定の値に設定している。また、層規制部材3のイオン化ポテンシャルが上記条件を満たすのは、実際のところ、その層規制部材3(ゴム材31)のスリーブ21との圧接位置(PE)から当該スリーブ21の回転方向下流側となる表面部分におけるイオン化ポテンシャルであればよい。
この他、現像ロール2のスリーブ21は、アルミニウム基材の表面にブラスト処理を行って所定の表面粗さにした後、金属メッキ層としてニッケルメッキを施したものである。ブラスト処理は、吹き付ける球状のガラスビーズの大きさを粒度#40〜#100(粒径500μm〜150μm)相当品を使用し、メッキ後の表面の算術平均粗さRa(JIS B0601−1994に準拠)が1.5μm以上になるようにしている。また、ニッケルメッキは、例えば亜鉛置換を行った後、表面のステップカバレージが良好な無電解光沢ニッケルメッキを行い、所定の表面粗さ(微小エリアの表面粗さ)として算術平均傾斜(Δa)が0.1〜0.4の範囲内になるようにメッキ条件を調整している。このとき、例えばP含有量等を調整することで、析出膜が非磁性を呈するようになっている。メッキ層については、ニッケルメッキ層に限らず、非磁性で所定の表面粗さを確保できるものであれば他の金属メッキ層を形成しても差し支えない。
また、このメッキ処理後のスリーブ21の表面粗さは、算術平均粗さRaが前記したとおり1.5μm以上であり、また、凹凸の平均間隔Smが150〜300μmの範囲内になるように形成されている。さらに、その表面粗さについては、算術平均傾斜Δaが0.1〜0.4の範囲内になるようにしているが、その算術平均傾斜は次のようにして求めたものである。まず、レーザ顕微鏡(KEYENCE社製:VK−8500)にて2000倍の倍率でスリーブ21表面のプロファイル(粗さ測定曲線に相当する)を求める。そして、その線分の傾きの絶対値を求めて平均化することで、それを算術平均傾斜Δaとした。具体的には、表面粗さの測定ピッチを0.15μm、高さ方向の分解能を0.01μmに設定して測定し、得られた波形(粗さ測定曲線に相当する)をフーリエ変換し、トナー粒径以上の長周波成分をカットしてうねり成分を除去した後、さらに各点を5点加重平均したものに対して求めた。各サンプリング点での傾きについてはJIS B0601−2001の局部傾斜を求める式(dZi/dx)を参考にして算出した。
次に、この現像装置1の動作について説明する。
現像時になると、ハウジング10のトナー収容室13内のトナー9が回転する回転攪拌部材15によって掻き出されて現像室12内に供給される。この現像室12内のトナー9は、現像ロール2の磁石体22の磁力によって吸引され、回転するスリーブ21の外周面に吸着されて搬送される。続いて、現像ロール2のスリーブ21上のトナー9は、そのスリーブ21と層規制部材3との間隙を通過する際に摩擦帯電されるとともに所定の層厚に調整され、しかる後、現像ロール2と感光ドラム8との対向部位の現像領域(DE)まで搬送される。
この現像領域においてスリーブ21上のトナー9は、バイアス電源装置25による現像バイアスの作用によって感光ドラム8側に飛翔し、そのドラム上の静電潜像部位に付着してその潜像を現像する。なお、この現像によりトナー9が消費された現像ロール2のスリーブ21部分には、現像室12において新たなトナーが吸着して担持されるようになる。
そして、この現像装置1では、その現像時において層規制部材3(のゴム材31の導電層35)を接地した状態で現像ロール2のスリーブ21に交番電界形成用電圧印加装置4として兼用している現像バイアス電源装置25から交番電界形成用電圧を印加していることにより、図3に示すように、その層規制部材3と現像ロール2の間(実際には圧接位置PEから回転方向下流側の領域)に交番電界(EF)が形成される。しかも、その層規制部材3におけるゴム材31の絶縁性部材36のイオン化ポテンシャルを、負帯電性のトナー9のそれよりも0.1eV以上小さい値に設定している。このため、現像ロール2上におけるトナーの過剰な搬送が発生しにくくなり、この結果、特に低温低湿の環境下でも現像ロール2における波状搬送の発生を抑制することができるようになり、かかる波状搬送に起因した現像画像の欠陥の発生も抑制されるようになる。
この波状搬送の抑制効果は、次のようなメカニズムにより得られるものと考えられる。
まず、現像時において現像ロール2を介してその現像ロール2と層規制部材3(ゴム材31)との間に交番電界を形成するための交番電界形成用電圧を印加していることにより、図3に示すように、その現像ロール2と層規制部材3の間(実際には両者の圧接位置PEから現像ロールの回転方向下流側の領域)に交番電界(EF)が形成される。
このため、層規制部材3との圧接位置PEを通過した後の現像ロール2上に担持されるトナー9は、その交番電界EFの作用により現像ロール2と層規制部材3の間の隙間(S:図2)で往復移動するように動くことでトナーどうしが衝突してほぐされるとともに、その往復移動時にトナーどうしが衝突して帯電されるようになる。これは、特に現像ロール2に現像工程で消費されず層規制部材2を何度も通過して強く付着するようになったトナー9が存在する場合に、そのトナーが上記作用によってほぐされるようになるため有効となる。これにより、その層規制部材3を通過した後における現像ロール2への過剰なトナー9の付着が生じにくくなる。
ここで、上記したような交番電界EFを形成しただけでは、図3に例示するように、層規制部材3に接触して通過した後に現像ロール2上でその上部側に存在する帯電不足状態の現像剤9aが、その下部側に存在して現像ロール2に強めに付着する現像剤9bの上に存在するようになって、その下部側に存在する現像剤9bの交番電界EF作用により往復移動しようとする動きを遮ってしまうことがある。
しかし、この現像装置1では、その層規制部材3におけるゴム材31の絶縁性部材36のイオン化ポテンシャルを上記したような条件を満たすように設定していることにより、現像ロール2上の上部側に存在するトナー9aがそのイオン化ポテンシャルの条件を満たす層規制部材3に接触することで正しい極性に帯電されるとともに良好に帯電されるようになる。これにより、現像ロール2上でその下部側に存在するトナー9bが,その上部側に存在するトナー9aによってその往復移動による動きが遮られるおそれがなくなり、その交番電界EFの作用により往復移動してほぐされるようになる共に正しく帯電されるようになる。
以上のようにして、この現像装置1では、その層規制部材3を通過した後も現像ロール2に強く付着し続けてしまうようなトナー9(の量)が低減されるようになるため、トナーの過剰な搬送が発生しにくくなり、特に低温低湿という環境下であってもその過剰なトナー搬送をきっかけとする現像ロール2の波状搬送も発生しにくくなって抑制されるようになるものと推測される。
また、この現像装置1では、現像ロール2の表面であるスリーブ21について、算術平均粗さRaが1.5μm以上であり、凹凸の平均間隔Smが150〜300μmの範囲内であり、算術平均傾斜Δaが0.1〜0.4の範囲内になるように設定しているので、現像ロール2によるトナー9の搬送力が確保されるとともに、層形成時にスリーブ21上をトナー9が滑りやすく凝集性が強いトナーを使用してもスリーブ21上にトナーが凝集しにくくなる。
このため、現像においてスリーブ21上にトナーが消費された部分(画像部に相当する)とトナーが消費されなかった部分(非画像部に相当する)とが混在する現像履歴が生じても、現像室12内のトナーと摺擦されることでスリーブ21表面からトナーが掻き落とされやすくなり、次の現像時には均一なトナーの薄層が形成された状態が維持されるようになる。この結果、現像履歴によるゴーストの発生が抑制されるようになる。
また、このスリーブ21は上記の設定によりその表面が滑らかな微小粗面になっており、その表面ではトナー9がスリップしやすい状態になっているため、前述した現像ロール2に強く付着するトナー9のうち下部側に存在するトナー9bが層規制部材3を通過する時点で圧をかけられることでスリップしてほぐされるようになる。この結果、このスリーブ21に担持されて層規制部材3を通過した直後のトナー9は、現像ロール2に強く付着していることが少なくなり、しかも、そのトナーのほとんどすべてが前記交番電界EFの作用によるほぐし効果と帯電効果を受けやすくなるとともに、特定のイオン化ポテンシャルに設定された層規制部材3に接触して正しく帯電されるようになる。
これによって、その層規制部材3を通過した後に現像ロール2上に強く付着し続けてしまうようなトナー9(の量)がより一層低減されるようになるため、過剰なトナーの搬送が発生しにくくなり、特に低温低湿という環境下であってもその過剰なトナー搬送をきっかけとする現像ロール2の波状搬送も発生しにくくなって抑制されるようになる。
<評価試験>
以下、この現像装置1などを用いて行った各試験について説明する。
初めに、現像ロール2のスリーブ21における算術平均傾斜Δaとゴーストグレードとの関係を調べる試験を行った。
この試験では、現像ロール2のスリーブ21として、円筒状のアルミウム基材をブラスト処理した後にニッケルメッキ層又は樹脂層を形成し、算術平均傾斜Δaが図4にプロットしたように異なる値からなるものを作製した(外径はいずれも18mm)。そして、現像装置1として、この算術平均傾斜Δaが異なるスリーブ21をそれぞれ(交換して)取り付けたものを用意し、それ以外の構成については後述するようにすべて共通の条件とした。
現像装置1の共通の条件は、以下の通りである。
現像ロール2は、そのスリーブ21を感光ドラム8と250μmの間隔をあけた状態で設置するとともに、そのスリーブ21を感光ドラム8の回転速度(200mm/sec)の1.07倍の速度で回転させた。また、現像ロール2には、現像時に現像バイアスとして−410vの直流電圧に周波数が3.2kHz、ピーク間電圧Vp-pが1.9kVの矩形波からなる交流電圧を重畳したものを印加した。ちなみに、このピーク間電圧Vp-pの上限値はリーク発生防止の観点から2.2〜2.5kVである。
また、層規制部材3のゴム材31としては、その固定端31aから自由端31bまでの長さが14mm、現像ロール2の軸方向の長さ(幅)が220mm、厚さが1mmの寸法からなる板状のウレタンゴム(ゴム硬度:JIS A硬度30〜80度)製のものを使用した。これを固定部位31eの長さが5mm、自由端(非固定部位)の長さが9mm、現像ロール2との圧接位置から突出長さが5mmとなり、線圧が50gf/cmとなるように板材32を介して取り付けた。このときの層規制部材3には、交番電界形成用の電圧を直接印加していない。トナー9としては、粉砕法にて製造した、磁性粉を45重量%含有するポリエステルからなる平均粒径が6.5μmの磁性一成分トナーを使用した。感光ドラム8は約−150Vに一様に帯電させるとともに、露光により約−150V等の所定電位からなる潜像電位を形成した。
そして、この各スリーブ21を取り付けた現像装置を同じ白黒レーザプリンタに交換しながら装着して試験を行った。
この試験としては、図5(a)に示す進行方向(現像ロールの回転方向と同じ)に細長い帯状ベタ画像(BI:濃度100%、反射濃度1.4)を2枚だけ現像して縦送りのA4判用紙にプリントした後、同図(b)に示すような全面ハーフトーン画像(HI)を1枚現像してプリントした際に、そのハーフトーン画像内に先の帯状ベタ画像(BI)がゴースト(BG)として現れるか否かについて観察し、後述する濃度測定を行った。ここで、帯状のベタ画像を2枚プリントしたのは、このようが1枚プリントした場合よりもゴーストが発生しやすくなることによる。また、ゴーストグレードについては、ゴーストの発生エリア(帯状のベタ画像に相当する部分)と非画像部に相当する場合での画像濃度差が0.1のときをゴーストグレード「±0.5」とし、0.2のときを「±1」、0.3のときを「±1.5」、0.4のときを「±2」となるようにした。このときのゴーストグレードの許容範囲は「±0.5以内」とした。結果を図4に示す。
図4の結果から明らかなように、算術平均傾斜Δaとゴーストグレードとは、ほぼ直線関係になっている。この結果によれば、ゴーストブレードが許容範囲の±0.5以内(反射濃度0.4のハーフトーン画像において帯状ベタ画像に相当する部位と、それ以外の部位との画像濃度差が0.1以下の場合である)におさまる算術平均傾斜Δaは、0.1〜0.4の範囲であった。この算術平均傾斜Δaが0.4を超えると、トナーがスリーブ表面に拘束されやすくなるためゴーストを誘発しやすくなり、Δaが0.1を下回れると、スリーブ表面でのトナー拘束力が不足してネガゴーストの発生につながるおそれがある。結果として、算術平均傾斜Δaを0.1〜0.4の範囲内にすれば、ゴーストによる画像結果の発生を抑えることができることが判明した。
次いで、スリーブ21の算術平均傾斜Δaを0.1〜0.4の範囲内にすることがゴースト防止に有効であるという知見を考慮して、図6に示すような算術平均傾斜Δaが異なる範囲のスリーブ21を複数用意し、その各スリーブ21によるトナー帯電量とトナー搬送量との関係について調べる試験を行った。
このときのスリーブ21は、円筒状のアルミニウム基材に各種メッキ層を形成するタイプと、その基材に樹脂をコーティングして樹脂コート層を形成するタイプとを作製した。各種メッキ層を形成するタイプは、そのメッキ層として亜鉛、ニッケル、鉛ニッケル合金、錫などの金属からなるメッキ層を形成し、そのメッキ層に含有させる光沢剤の量を調整することより算術平均傾斜Δaが0.15以下から0.25以上の範囲に分布するものとして得られた。一方、樹脂コート層を形成するタイプは、その樹脂コート層としてカーボンとグラファイト粉を含有させたフェノール樹脂からなるコート層を形成し、算術平均傾斜Δaが0.25以上のものとして得られた。また、算術平均傾斜Δaが0.15以下のメッキ層タイプのスリーブ21には、別途、前記したように交番電界形成用の電圧を印加した状態でも同じ試験を行った。
そして、この各スリーブ21を取り付けた現像装置を同じ白黒レーザプリンタに交換しながら装着して試験を行った。
この試験は、まず22℃、55%RHという常温常湿の環境下において各現像装置を所定の時間だけ駆動させた後、その層規制部材3を通過した後の現像ロール2(スリーブ21)表面の単位面積(1cm2)内に担持されているトナーを採取し、そのときのトナーの帯電量及び質量の測定を行った。また、10℃、30%RHという低温低湿の環境下において同様の試験を行った。さらに、その低温低湿の環境下において現像ロール2と層規制部材3の間に交番電界形成用の電圧を印加した状態で同様の試験を行った。結果を図6に示す。なお、図6では常温常湿のときのデータと低温低湿のときのデータを区別して示していないが、一般に常温常湿のときに比べて低温低湿のときの方が高いトナー帯電量を示す。
図6の結果から明らかなように、現像ロール2によるトナーの搬送量はそのスリーブ21の算術平均傾斜Δaの違いにほとんど関係なく、そのトナー帯電量の大きさに比例してほぼ同様に増加する傾向にある。また、図6に点線で囲ったデータは、低温低湿の環境下において(交番電界を形成せずに)得られる画像(全面ハーフトーン画像又はベタ画像)中に波状搬送を示す濃度むらパターンが得られる場合と一致する。また、この点線で囲まれているデータは、他のデータのいずれのものと比べても、同じトナー帯電量に対するトナー搬送量が多い結果になっている。これに対し、低温低湿の環境下において交番電界を形成した場合には、その交番電界を形成しない場合に比べて、同じトナー量に対するトナー搬送量が減少することが確認された。
以上より、特に低温低湿の環境下では、スリーブ21として算術平均傾斜Δaを0.1〜0.4の範囲内に設定したものを使用しても、波状搬送が発生する場合があることが判明した。この他にも、トナー帯電量が高いほど波状搬送が発生しやすい傾向があることが判明した。
続いて、図7に示すような各種条件を異ならせてゴースト、波状搬送及び画像濃度に関する評価試験を行った。
この試験における現像装置に関する変更条件としては、まず表面状態が異なるスリーブ21を使用するという条件分けをした。このときのスリーブ21としては、算術平均傾斜Δaが0.1〜0.4の範囲内に設定された表面が「滑らかな粗面タイプ」のものと、そのΔaが0.4を超える範囲に設定された表面が「通常の粗面タイプ」のもの(従来品)を使用した。通常の粗面タイプのスリーブは、円筒状のアルミニウム基材に、カーボンとグラファイト粉を含有させたフェノール樹脂からなる樹脂層を形成することにより作製した。
この他にも、層規制部材3と現像ロール2との間に(この例では現像ロール2側から)交番電界形成用電圧を印加して交番電界を形成する場合と、それを印加しないで交番電界を形成しない場合とに条件分けをした。交番電界形成用電圧としては、現像バイアスの交流成分と同様にピーク間電圧:Vp-pが約−0.9kVからなる直流電圧を印加した。
また、トナー9として、その帯電特性が異なるタイプのものを使用するという条件分けをした。具体的には、高帯電タイプ(絶対値としてのトナー帯電量が10μC/g以上のもの)のトナー、中帯電タイプ(同トナー帯電量が7〜10μCgのもの)タイプのトナー及び低帯電タイプ(同トナー帯電量が7μC/g以下のもの)のトナーを使用した。ちなみに、通常の現像で使用するトナー9は「中帯電又は高帯電タイプのもの」である。これら以外の条件については、前述した通りの条件とした。
また、この評価試験は、前記した低温低湿(10℃、30%RH)の環境下及び高温高湿(28℃、85%RH)の環境下でそれぞれ実施した。また、各評価は、その評価のための画像をプリントする際、そのプリントが初期段階の場合(プリントを初めて行うとき)と、10000枚プリント後の場合とに分けて行った。その各評価のためのテストプリントは、プリント初期段階及び10000枚後のいずれの場合も、全面ベタ画像を2枚プリントした後に続けて全面無画像(白紙)のプリント動作3枚分行うという評価前プリント動作を実行した後にそれぞれ実施した。10000枚のプリントは、A4判用紙に画像密度が5%の文字パターン画像をプリントした。
そして、ゴーストの評価試験は、前記した縦長の帯状ベタ画像BIを1枚プリントした後に全面ハーフトーン画像HIを2枚連続してプリントする場合(図5)と、20mm×20mm四方のベタパッチ画像を1枚プリントした後に全面ハーフトーン画像を1枚プリントする場合の双方を実施し、そのときのゴースト(BG)の発生状況を調べ、特にその発生状況が悪い方について次の基準で評価することで行った。結果を図7に示す。
○:発生しない。
△:少し発生したが、実用上問題にならないレベルである。
×:顕著に発生した。
また、このゴーストの評価試験では、発生したゴーストが「ネガゴースト」の場合には図7中にそのときの評価結果を示す記号(△又は×)の前に「−」の記号を付記した。この「−」の記号を付しない当該評価結果を示す記号のゴーストは「ポジゴースト」である。ここで、ポジゴーストとは静電潜像にはない像(先行の現像時の像内容)が現像画像に含まれて得られるような画像欠陥であり、一方のネガゴーストとは静電潜像が存在するにもかかわらずその一部が現像画像として得られないような画像欠陥である。
波状搬送の評価試験は、テスト用画像として全面ハーフトーン画像及び全面ベタ画像をそれぞれ2枚ずつ現像してプリントし、得られた画像に波状の濃度むらパターン(波状搬送に起因したもの)が発生しているか否かを肉眼で観察して調べた後、その結果について以下の基準で評価することにより行った。結果を図7に示す。
○:波状のパターンが見えず、発生しない。
×:波状のパターンが見え、発生した。
画像濃度の評価試験では、20mm×20mmのベタパッチ画像を含む濃度測定用の総合チャートを1枚プリントし、得られた各画像の濃度を濃度測定器(X−Rite社製:404a)により測定した。この測定は、場所の異なる3つのベタパッチ画像について、その各ベタパッチ画像内の5点の濃度値を計測することで行った。その結果(平均値)について以下の基準で評価した。結果を図7に示す。
○:濃度≧1.35の場合。
×:濃度<1.35の場合。
図7の結果から明らかなように、「通常の粗面タイプ」のスリーブを使用した場合(図7の下段側)には、交番電界の形成の有無にかかわらず、特に低温低湿の環境下でのゴーストの発生が目立った。これに対して、「滑らか粗面タイプ」のスリーブを使用した場合(図7の上段側)には、交番電界を形成せずに高帯電タイプのトナーを使用したプリント初期段階でネガゴーストが発生したものの、いずれの環境下でもゴーストの発生が防止されるようになった。
また、「滑らか粗面タイプ」のスリーブを使用した場合において、交番電界を形成しないときには、低温低湿の環境下でかつプリントの初期段階で波状搬送が発生することがわかる。このプリントの初期段階で波状搬送が発生するのは、そのプリントの初期段階ではトナー9として小粒径のものが比較的多く存在するため、低温低湿の環境下ではトナーの帯電量が高くなってスリーブ上でスリップしにくくなり、その結果、ほぐされることなくスリーブ上に強く付着し続けるようになるからであると推測される。また、この場合は、トナーとして低帯電タイプのものを使用すると、波状搬送の発生を抑制できるが、特に高温高湿の環境下において濃度低下が発生してしまうことがわかる。
そして、「滑らか粗面タイプ」のスリーブを使用した場合において、交番電界を形成したときには、いずれの環境下でもゴーストの発生や濃度の低下がなく、しかも波状搬送の発生を抑制できることが判明した。なお、この場合、トナーとして低帯電タイプのものを使用したときだけは、高温高湿の環境下で10000枚プリント後において濃度の低下が発生することが確認された。
最後に、図8に示すように、層規制部材3とトナー9のイオン化ポテンシャルの差(=トナーのイオン化ポテンシャル−層規制部材のイオン化ポテンシャル)を変更したときのトナー帯電量の上昇分と波状搬送の発生の有無に関する評価試験を行った。
この試験では、層規制部材3として、そのフィルム部分である絶縁層36の材質を変えることでイオン化ポテンシャルの値が異なるものを種々用意して使用した。絶縁層としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(2種)、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂(PTFE)、ポリフェニルサルファイド、ポリイミド、合成ゴム(自社製、5種類のもの)及びモリブテン酸からなるものを適用した。ちなみに、この試験で使用した上記材料からなる各絶縁層36は、その厚さが異なったものであった(具体的には25,50.75,125,200,250,300,320,350,380μmのいずれかである。また、ポリエチレンテレフタレートについては25〜200μmの間で同じ厚さに揃えた。)。また、層規制部材3については、厚さが125μm以下の絶縁層36を使用した場合には導電層35としてアルミニウムの蒸着層を形成し、厚さ200μm以上の絶縁層36を使用した場合には導電層35として銀ペーストのフィルムを適用した。なお、この層規制部材3において絶縁層36の厚さd(図3)が300μmを超えると、交番電界の作用が発揮されなくなることが確認された。一方、この試験で使用したトナー9は、前記した中帯電タイプのものであり、そのイオン化ポテンシャルは約4.7eVであった。イオン化ポテンシャルは、大気中光電子分光装置(理研計器製:AC−2)により測定した。
現像装置1の他の条件については、前記した条件と同じである。スリーブ21としては、算術平均粗さRaが2.1μmであって算術平均傾斜Δaが0.2である外径が18mmのものを使用した。また、交番電界形成用電圧としては、前記した直流電圧(約0.9kV)を同様に印加した。
このような条件からなる現像装置を同じ白黒レーザプリンタに交換しながら装着してうえで、トナー帯電量の上昇分及び波状搬送の発生の有無について調べた。
トナー帯電量の上昇分の測定は、交番電界形成による単位面積当たりのトナー帯電量の上昇分を測定するものであり、具体的には、粉体工学会誌Vol.23,No.6,p443(1986年)の微粉体の静電気測定(増田弘昭、生三俊哉)に示される粒子捕集用ファラデーゲージを用いる粒子の帯電量測定方法に準じて行った。この測定は、前記した低温低湿の環境下で行った。また、波状搬送については、前記した低温低湿の環境下において、テスト用画像として全面ハーフトーン画像及び全面ベタ画像をそれぞれ2枚ずつ現像してプリントし、得られた画像に波状搬送の発生に起因した波状の濃度むらパターンが発生しているか否かを肉眼で観察して調べた。これらの結果を図8に示す。
図8の結果から明らかなように、イオン化ポテンシャルの差(=トナーのイオン化ポテンシャル−層規制部材のイオン化ポテンシャル)が大きくなるにつれてトナー帯電量の上昇分が増加する傾向にあり、特にそのイオン化ポテンシャルの差が0.1eV以上になると(換言すれば、層規制部材のトナーに対するイオン化ポテンシャルの差が0.1eV以上小さい値になると)、マイナス帯電極性のトナーの帯電量の上昇分が急激に増大するが、そのトナーの波状搬送は発生しないことがわかる。また、イオン化ポテンシャルの差が0.1eV未満である場合や、その差の値がトナーの帯電極性(マイナス極性)とは反対側の極性(プラス極性)側に現れる場合(即ち層規制部材のイオン化ポテンシャルの値がトナーのそれよりも大きい関係にあるとき)には、波状搬送が発生することもわかる。
これらにより、層規制部材3(ゴム材31における絶縁性部材36)の(スリーブ21との圧接位置から当該スリーブ21の回転方向下流側となる表面部分における)イオン化ポテンシャルを、マイナス帯電性のトナー9のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きい値に設定すると、低温低湿の環境下でも波状搬送の発生を防止することができることが判明した。この場合には、図7に示す結果から明らかなようにゴースト及び濃度低下のいずれも発生しない。
また、このような効果は、層規制部材3によって現像ロール2上にトナー層が形成される際にその層の上部側にあるトナーが良好に帯電されることにより得られるものと考えられる。従って、正規の帯電極性がプラス極性のトナーを使用する場合には、層規制部材3のイオン化ポテンシャルがそのトナーのそれよりも0.1eV以上大きい値に設定することによって同様の効果が得られることは明らかである。
実施の形態に係る現像装置を示す概要図である。 現像ロール及び層規制部材に関する構成を示す要部概略説明図である。 現像ロールと層規制部材の間に形成される交番電界の作用効果やトナーの状態を示す概略説明図である。 算術平均傾斜とゴーストグレードの関係を調べた試験の結果を示すグラフ図である。 ゴースト発生時の画像内容を示す平面説明図である。 各種の算術平均傾斜からなるスリーブを使用した場合におけるトナー帯電量とトナー搬送量の関係を調べた試験の結果を示すグラフ図である。 各種条件設定を行った場合におけるゴースト、波状搬送及び画像濃度に関する評価試験の結果を示す図表である。 層規制部材とトナーのイオン化ポテンシャルの差に対するトナー帯電量の上昇分及び波状搬送の発生の有無に関する試験の結果を示すグラフ図である。 従来の一成分現像装置の一構成例を示す概要図である。 波状搬送の発生メカニズムの一部を示す概略説明図である
符号の説明
1…現像装置、2…現像ロール(現像剤担持体)、3…層規制部材、4…交番電界形成用電圧印加装置(交番電界形成手段)、9…磁性一成分トナー(磁性現像剤)、DE…現像領域、EF…交番電界、DE…圧接位置。

Claims (3)

  1. 磁性現像剤を外周面に担持して現像領域まで搬送するよう回転する現像剤担持体と、
    この現像剤担持体の外周面に圧接され、その外周面に担持される磁性現像剤を薄層状態にするよう規制して通過させる層規制部材と、
    この層規制部材と前記現像剤担持体の間に交番電界を形成する交番電界形成手段とを備え、
    前記現像剤担持体は、その外周面の表面粗さについて、算術平均粗さ(Ra)が1.5μm以上であり、その外周面の粗さ測定曲線のうち前記現像剤の粒径より小さい領域における傾きの絶対値を平均化した値である算術平均傾斜(Δa)が0.1以上0.4以下である表面粗さに設定されており、
    前記層規制部材は、その前記現像剤担持体の外周面との圧接位置から少なくとも当該担持体の回転方向下流側の表面部分におけるイオン化ポテンシャルが、前記磁性現像剤の正規の帯電極性が負極性の場合には当該現像剤のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上小さい値に設定されているとともに、前記磁性現像剤の正規の帯電極性が正極性の場合には当該現像剤のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きい値に設定されていることを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤担持体は、その外周面の凹凸の平均間隔(Sm)が150μm以上300μm以下である表面粗さに設定されている請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像剤担持体は、その外周面が、ブラスト処理で粗面化された基材の表面に金属メッキ層を形成した構造である請求項1又は2に記載の現像装置。
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