以下、本発明に係る自動変速機の実施形態について、図面を用いて説明する。図1から図4は、本発明に係る一実施形態の自動変速機を示す図である。
まず、構成を説明する。図1から図3において、車両1には自動変速機2が搭載されており、この自動変速機2は、エンジン3に固定された状態で車両1のエンジンルーム1C内に横置きに搭載されている。
ここで、本実施形態では、車両1の運転席に着座した運転者から見た前後方向、左右方向、および上下方向と一致するように、図中で前後、左右、上下の方向を矢印で示している。
エンジンルーム1Cの後方にはダッシュパネル1Aが配置されており、このダッシュパネル1Aにより車両1の車室とエンジンルーム1Cとが仕切られている。エンジンルーム1Cの左方には左側のサイドパネル1Bが配置されており、このサイドパネル1Bによりエンジンルーム1Cが左方から覆われている。
エンジンルーム1Cは、車両1のダッシュパネル1Aと、サイドパネル1Bと、不図示の右側のサイドパネルとにより画成される空間である。
図1、図2において、エンジン3は、不図示のピストンが往復運動して発生した動力を回転運動に変換するクランク軸8を有している。エンジン3は、クランク軸8が車両左右方向を向くように車両1のエンジンルーム1Cに横向きに収容されている。ここで、車両左右方向は言い換えると車両幅方向である。
図1から図4において、自動変速機2は、エンジン3からの動力が入力される入力軸10と、この入力軸10と平行に配置されたカウンタ軸23とを有している。自動変速機2は、エンジン3の端部に連結された状態で、入力軸10およびカウンタ軸23が車両幅方向を向くように車両1のエンジンルーム1Cに横向きに収容されている。
車両1は、エンジン3で発生した動力を自動変速機2により変速し、不図示の前輪を駆動することで走行する。すなわち、本実施形態の車両1は、エンジン3と自動変速機2が横置き配置されたFF(Front Engine Front Drive)車両である。
自動変速機2は変速機ケース2Aを備えており、この変速機ケース2Aは、エンジン3の左端部に締結される第1ケース4と、第1ケース4の左端部に取付けられた第2ケース5とから構成される。
第1ケース4はエンジン3に締結されるエンジン取付け面4Aを有し、このエンジン取付け面4Aは車両前後方向に延びている。エンジン取付け面4Aは、第1ケース4のエンジン3側の端面であり、ボルトによりエンジン3に接合される。第1ケース4は、エンジン3側に向かって拡径された筒状に形成されている。
図3において、第1ケース4は、クラッチ7を収容しており、このクラッチ7は円盤状のクラッチディスク7Aを有している。クラッチディスク7Aは、エンジン3のクランク軸8の右端部に設けられた不図示のフライホールに対向している。すなわち、クラッチ7は単板式の摩擦クラッチである。
クラッチディスク7Aには入力軸10の軸線方向一端部が取付けられている。入力軸10は、軸線方向一端部側で第1ケース4に回転自在に支持されており、軸線方向他端部側で第2ケース5に回転自在に支持されている。
図3、図4において、第1ケース4の車両前後方向の後方部かつ車両上下方向の下方部には、フロントディファレンシャル11が収容されている。フロントディファレンシャル11は、リングギヤ11B、左右のサイドギヤ11A、および不図示のデフケースと一対のピニオンギヤを有している。左右のサイドギヤ11Aには不図示の左右のドライブシャフトの基端部がそれぞれ嵌合されている。
フロントディファレンシャル11において、カウンタ軸23の出力ギヤからリングギヤ11Bに動力が伝達されることでデフケースが回転し、デフケースの回転がピニオンギヤにより左右のサイドギヤ11Aに差動回転自在に分配される。これにより、フロントディファレンシャル11は、左右のドライブシャフトを差動回転可能に回転させる。
図4において、第2ケース5には、変速機構60が収容されており、この変速機構60は、入力軸10、カウンタ軸23、リバースアイドラ軸24およびシフトアンドセレクト軸34を含んで構成される。
変速機構60は、手動変速機に一般的に採用される平行軸歯車式の変速機構からなり、シフトアンドセレクト軸34が操作されることで、1速から5速の前進または後進の変速段の何れかを形成する。
図1、図2において、第1ケース4の上部にはクラッチレリーズ軸15が設けられており、このクラッチレリーズ軸15は上下方向に延びている。第1ケース4の内部で、クラッチレリーズ軸15の下端部は不図示のレリーズベアリング、ダイヤフラムスプリング等からなるクラッチ作動機構に連結されている。
クラッチ作動機構は、クラッチレリーズ軸15が軸線周りの一方向または他方向に回転することで、クラッチ7を接続状態または切断状態に切り換える。
クラッチレリーズ軸15の上端部にはクラッチレリーズアーム16が設けられており、このクラッチレリーズアーム16の揺動先端部は後述するクラッチアクチュエータ17に連結されている。
クラッチレリーズアーム16に作用するクラッチアクチュエータ17からの操作力によりクラッチレリーズアーム16が揺動することで、クラッチ7(図3参照)は切断される。
図4において、第2ケース5には入力軸10、カウンタ軸23、リバースアイドラ軸24が、互いに平行に、かつ、回転自在に設けられている。
入力軸10には、1速から5速の前進段と後進段とを形成するための複数のギヤ31がクラッチ7側から順にそれぞれ設けられている。
複数のギヤ31のうち、3速、4速および5速を形成する各ギヤは、入力軸10に回転自在に設けられ、かつ、入力軸10に対して入力軸10の軸線方向に固定されて設けられている。また、1速、2速および後進段を形成する各ギヤは、入力軸10に固定されており、入力軸10と一体回転する。
また、入力軸10には、3速と4速を形成する2つのギヤの間に不図示の3−4速用シフトスリーブが設けられており、この3−4速用シフトスリーブは、入力軸10と一体回転可能、かつ、入力軸10の軸線方向に移動可能に設けられている。
カウンタ軸23には、1速から5速の前進段を形成するための複数のギヤ32がクラッチ7側から順にそれぞれ設けられている。
複数のギヤ32のうち、1速および2速を形成する各ギヤは、カウンタ軸23に回転自在に設けられ、かつ、カウンタ軸23に対してカウンタ軸23の軸線方向に固定されて設けられている。
また、3速、4速および5速を形成する各ギヤは、カウンタ軸23に固定されており、カウンタ軸23と一体回転する。
また、カウンタ軸23には、1速と2速を形成する2つのギヤの間に不図示の1−2速用シフトスリーブが設けられており、この1−2速用シフトスリーブは、カウンタ軸23と一体回転可能、かつ、カウンタ軸23の軸線方向に移動可能に設けられている。
また、第2ケース5にはリバースアイドラ軸24が固定されている。リバースアイドラ軸24には、リバースアイドラギヤ25が回転自在に設けられている。リバースアイドラギヤ25は、リバースアイドラ軸24上を軸線方向に移動自在に設けられている。
リバースアイドラギヤ25は、車両1の後進時に軸線方向に移動されることで、入力軸10に設けられた後進段用のギヤとカウンタ軸23に設けられた後進段用のギヤの双方に噛合する。このとき、入力軸10の回転はリバースアイドラギヤ25により反転されてカウンタ軸23に伝達され、カウンタ軸23は、入力軸10の回転方向と同じ方向に回転する。
ここで、入力軸10、カウンタ軸23、リバースアイドラ軸24、複数のギヤ31、32、リバースアイドラギヤ25およびシフトスリーブは、変速機構60を構成している。自動変速機2において、1速から5速の前進段および後進段の何れかに対応するギヤ対により動力伝達経路が形成されることで、1速から5速の前進段または後進段の何れかが形成される。
第2ケース5にはシフトアンドセレクト軸34が設けられており、シフトアンドセレクト軸34は、入力軸10の軸線と直交するように車両上下方向に延びている。
シフトアンドセレクト軸34は、第2ケース5に軸線を回転軸として回転自在かつ、軸線方向に移動自在に設けられている。シフトアンドセレクト軸34の上端部は第2ケース5の上面から上方に突出しており、後述する変速アクチュエータ64に連結されている。
シフトアンドセレクト軸34の下端部の近傍にはシフトヨーク26、27、28が設けられている。シフトヨーク26はシフトフォーク29に連結されており、このシフトフォーク29は、入力軸10の3−4速用シフトスリーブを回転可能に挾持している。
シフトヨーク27はシフトフォーク30に連結されており、このシフトフォーク30は、カウンタ軸23の1−2速用シフトスリーブを回転可能に挾持している。
また、シフトヨーク28は5速の前進段用のギヤとリバースアイドラギヤ25とにそれぞれ不図示のシフトスリーブおよびシフトフォークを介して連結されている。
図1から図4において、変速機ケース2Aの上方にはシフトユニット35が設けられている。シフトユニット35は、リザーブタンク43、モータ45、オイルポンプ46、アキュムレータ44、変速アクチュエータ64、クラッチアクチュエータ17およびベースプレート47、制御装置49を含んで構成されている。
シフトユニット35を構成するこれら部材のうち、リザーブタンク43、モータ45、オイルポンプ46、アキュムレータ44、変速アクチュエータ64、クラッチアクチュエータ17および制御装置49はベースプレート47に取付けられてベースプレート47に一体化されている。
より詳しくは、リザーブタンク43、モータ45、変速アクチュエータ64および制御装置49は、ベースプレート47の上面に取付けられてベースプレート47に一体化されている。また、オイルポンプ46およびアキュムレータ44は、ベースプレート47の下面に取付けられてベースプレート47に一体化されている。クラッチアクチュエータ17は、ベースプレート47の側面に取付けられてベースプレート47に一体化されている。
ベースプレート47は、第2ケース5の上方に配置されており、水平方向に延びる平板状に形成されている。ベースプレート47の内部には作動油が流通する油路が設けられている。
リザーブタンク43は作動油を貯留している。オイルポンプ46はモータ45によって駆動されることにより、リザーブタンク43から供給される作動油を昇圧し、昇圧した作動油をベースプレート47に形成される図示しない油路を介してアキュムレータ44に供給する。
リザーブタンク43は、自動変速機2の平面視で変速アクチュエータハウジング65および制御装置ハウジング50の車両前後方向前側に配置される。
アキュムレータ44は、作動油の圧力を蓄え、ベースプレート47に形成された図示しない油路を通して高圧の作動油を変速アクチュエータ64およびクラッチアクチュエータ17に供給する。
オイルポンプ46およびアキュムレータ44は、変速アクチュエータ64およびクラッチアクチュエータ17に供給する作動油の油圧を発生する油圧発生装置63を構成する。
第2ケース5の側壁には回転センサ48が取付けられており、回転センサ48は、入力軸10の回転を検出する。
制御装置49は変速アクチュエータ64の右方、すなわちエンジン3側に隣接して配置されている。制御装置49は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んだマイクロコンピュータから構成されている。制御装置49は、制御装置ハウジング50を有しており、この制御装置ハウジング50の内部にマイクロコンピュータを収容している。
図2において、制御装置ハウジング50は、自動変速機2の平面視で長辺50Aと短辺50Bとを有する矩形形状に形成されている。
図1、図3において、制御装置ハウジング50は、変速機ケース2Aの上面から上方に離隔して配置されており、制御装置ハウジング50と変速機ケース2Aとの間には、空間70Bが形成されている。
図1から図4において、制御装置49は、クラッチアクチュエータ17および変速アクチュエータ64を電気的に制御する。制御装置49にはワイヤハーネス52を介して回転センサ48が接続されており、制御装置49は、回転センサ48の検出情報に基づいて入力軸10の回転数を検出する。
制御装置49にはワイヤハーネス51を介してモータ45が接続されており、制御装置49は、モータ45に駆動信号を出力してモータ45を駆動する。これにより、オイルポンプ46が作動油を昇圧して、昇圧した作動油をアキュムレータ44に蓄圧する。
また、制御装置49は、変速アクチュエータ64およびクラッチアクチュエータ17の作動油の供給を制御する複数の図示しないソレノイドバルブを電気的に制御する。
変速アクチュエータ64は、シフトアンドセレクト軸34の上方に配置され、シフトアンドセレクト軸34の上端部に接続されている。変速アクチュエータ64は、油圧発生装置63から供給される作動油の油圧により、シフトアンドセレクト軸34を操作する。
変速アクチュエータ64は、作動油の油圧によりシフトアンドセレクト軸34を軸線周りに回転させ、かつ、軸線方向に移動させることで、変速機構60において1速から5速の前進または後進の変速段の何れかを形成させる。
図2において、変速アクチュエータ64は、変速アクチュエータハウジング65を有している。変速アクチュエータハウジング65は、自動変速機2の平面視で長辺65Aと短辺65Bとを有する矩形形状に形成されている。また、変速アクチュエータハウジング65は、長辺65Aがシフトアンドセレクト軸34と隣接して配置されている。
図1から図4において、クラッチアクチュエータ17は、エンジン取付け面4Aと同方向に延びる形状を有しており、このクラッチアクチュエータ17は、変速機ケース2Aと制御装置ハウジング50との間の空間70Bに配置されている。
クラッチアクチュエータ17は、油圧発生装置63から供給される作動油によってクラッチ7を操作する。クラッチアクチュエータ17は、作動油の油圧により、クラッチレリーズアーム16を介してクラッチレリーズ軸15を回動させる。
これにより、レリーズベアリングが入力軸10上を軸線方向に移動し、レリーズベアリングの移動方向に応じて、ダイヤフラムスプリングによるプレッシャプレートの押し付け力が発生または解除される。
ダイヤフラムスプリングによる押し付け力が発生する場合、クラッチディスク7Aがフライホイールに押し付けられることにより、クランク軸8の回転が入力軸10に伝達される。一方、ダイヤフラムスプリングによる押し付け力が解除される場合、クラッチディスク7Aがフライホイールから離隔してクランク軸8の回転が入力軸10に伝達されなくなる。
このようにクラッチ7は、エンジン3のクランク軸8と入力軸10との間で動力を断続する。なお、作動油の油圧を除去すると、クラッチディスク7Aは、フライホイールに押し付けられる位置で位置決めされる。
図2において、変速アクチュエータハウジング65と制御装置ハウジング50は、変速アクチュエータハウジング65の長辺65Aと制御装置ハウジング50の長辺50Aで密接されている。
また、変速アクチュエータハウジング65と制御装置ハウジング50は、変速アクチュエータハウジング65の長辺65Aと制御装置ハウジング50の長辺50Aがエンジン取付け面4Aと平行な方向に向くように配置されている。
変速アクチュエータハウジング65と制御装置ハウジング50とを上記のように配置することで、変速アクチュエータハウジング65と制御装置ハウジング50とを合わせた全体形状は、車両前後方向に長辺を有するとともに車両幅方向に短辺を有する矩形形状となる。
このため、変速アクチュエータハウジング65と制御装置ハウジング50とを合わせた全体形状は、車両幅方向にサイズが小さいものとなる。
これに加え、変速機ケース2Aの上方におけるエンジン取付け面4Aの近傍には空間70A(図1、図2参照)が形成される。さらに、変速機ケース2Aの上方における車両左右方向左側の前寄りには、サイドパネル1Bとの間に空間70C(図2参照)が形成される。
ここで、エンジン取付け面4Aと平行な方向とは、エンジン取付け面4Aの延びる方向に対して概ね平行と見なせる方向を意味する。また、密接とは、隙間なく接する場合だけでなく、小さな隙間を隔てて隣接する場合も含んでいる。
なお、変速アクチュエータハウジング65と制御装置ハウジング50は、変速アクチュエータハウジング65の長辺65Aと制御装置ハウジング50の長辺50Aで密接した配置で構造的に結合させてもよい。
図1、図2において、エンジン3の上部の後方側には、エンジン艤装部品としての吸気マニホールド19が設けられており、吸気マニホールド19の吸気導入管19Aは、変速機ケース2A側に突出し、変速機ケース2Aの第1ケース4の上方に配置されている。
吸気導入管19Aの上部にはスロットルボディ20が接続されている。また、スロットルボディ20の上部には吸気配管21が接続されている。吸気配管21には、エンジン3の上方に設けられたエアクリーナボックス22で濾過された吸入空気が導入される。
吸気配管21およびスロットルボディ20を通過した吸入空気は、吸気導入管19Aを介して吸気マニホールド19に導入される。
吸気マニホールド19は、サージタンク19Bと不図示の多岐部を有しており、吸気導入管19Aから導入した吸入空気をサージタンク19Bに一時的に蓄えることで、吸入空気を多岐部を介してエンジン3の各気筒に均等に供給している。
吸気マニホールド19における吸入空気の通過抵抗、吸気マニホールド19のサージタンク19Bの容量、および多岐部の長さは、エンジン3の出力特性等に大きく関与している。
本実施形態では、変速機ケース2Aの上方におけるエンジン取付け面4Aの近傍の空間70Aに、吸気マニホールド19の吸気導入管19A、スロットルボディ20、および吸気配管21を配置しているため、吸気マニホールド19の形状や配置は、自動変速機2によって制約されることなく適切に設定されている。
また、空間70Cには、エンジン補機部品としての不図示のバッテリが配置されている。エンジンルーム1Cにおける空間70Cの位置は、バッテリを配置するために好適な位置として、従来よりバッテリが配置されていた位置である。ここで、エンジン艤装部品およびエンジン補機部品は、自動変速機2以外の車両構成部品である。
次に作用を説明する。図1〜図4に示すように、本実施形態の自動変速機2は、油圧発生装置63と、クラッチアクチュエータ17と、変速アクチュエータ64と、制御装置49とを変速機ケース2Aの上方に配置している。
また、変速アクチュエータ64は変速アクチュエータハウジング65を有し、この変速アクチュエータハウジング65は、自動変速機2の平面視で長辺65Aと短辺65Bとを有する矩形形状に形成され、かつ、長辺65Aがシフトアンドセレクト軸34と隣接して配置される。
また、制御装置49は制御装置ハウジング50を有し、この制御装置ハウジング50は、自動変速機2の平面視で長辺50Aと短辺50Bとを有する矩形形状に形成されている。
そして、変速アクチュエータハウジング65と制御装置ハウジング50とを、それぞれの長辺同士、すなわち長辺65Aと長辺50Aで密接し、かつ、長辺65Aと長辺50Aがエンジン取付け面4Aと平行な方向に向くように配置している。
これにより、変速アクチュエータハウジング65と制御装置ハウジング50とが長辺65Aと長辺50Aで密接されるので、変速アクチュエータハウジング65の短辺65Bおよび制御装置ハウジング50の短辺50Bが車両左右方向を向く。
したがって、変速アクチュエータ64と制御装置49の車両左右方向への突出量を小さくすることができる。この結果、自動変速機2以外の車両構成部品の形状や配置を制約することなく、自動変速機2を車両1に配置することができる。
また、本実施形態の自動変速機2において、油圧発生装置63は、作動油を貯留するリザーブタンク43を有している。そして、このリザーブタンク43を、自動変速機2の平面視で変速アクチュエータハウジング65および制御装置ハウジング50の車両前後方向前側に配置した。
これにより、変速機ケース2Aの上方にリザーブタンク43を配置した構成において、変速機ケース2Aの上方におけるエンジン取付け面4Aの近傍に広い空間70Aを確保しつつ、変速アクチュエータハウジング65および制御装置ハウジング50の車両前後方向前側に、リザーブタンク43を配置することができる。
このため、空間70Aに自動変速機2以外の車両構成部品を配置することができる。この結果、自動変速機2以外の車両構成部品の形状や配置を制約することなく、自動変速機2を車両1に搭載することができる。
また、本実施形態の自動変速機2において、クラッチアクチュエータ17は、エンジン取付け面4Aと同方向に延びる形状を有し、このクラッチアクチュエータ17を、変速機ケース2Aと制御装置ハウジング50との間に配置した。
これにより、変速機ケース2Aの上方にクラッチアクチュエータ17を配置した構成において、変速機ケース2Aと制御装置ハウジング50の間の空間70Bを利用してクラッチアクチュエータ17を配置することで、エンジン取付け面4Aの近傍に広い空間70Aを確保しつつ、クラッチアクチュエータ17を配置することができる。
これにより、自動変速機2以外の車両構成部品の形状や配置を制約することなく、自動変速機2を車両1に搭載することができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。