JP2016097578A - 層形成用組成物、三次元造形物の製造方法および三次元造形物 - Google Patents

層形成用組成物、三次元造形物の製造方法および三次元造形物 Download PDF

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Abstract

【課題】寸法精度に優れ、機械的強度、耐久性に優れた三次元造形物、前記三次元造形物を効率よく製造するのに用いることができる層形成用組成物、及び前記三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法の提供。【解決手段】層を成形した後当該層に結合剤を含む結着液を付与する一連の処理を繰り返し行うことにより積層体としての三次元造形物を製造するのに用いる組成物であって、前記三次元造形物の構成成分として機能する粒体12と、発泡剤11とを含む層形成用組成物。【選択図】図3

Description

本発明は、層形成用組成物、三次元造形物の製造方法および三次元造形物に関する。
粉末(粒体)を含む組成物を用いて粉末層(層)を形成し、これらを積層することによ
り、三次元造形物を造形する技術が知られている。この技術では、次のような操作を繰り
返すことによって三次元造形物を造形する。まず、粉末を均一な厚さで薄く敷き詰めて粉
末層を形成し、この粉末層の所望部分のみに結合剤材料を塗布して、粉末(粒体)同士を
結合させて結合部を形成する。この結果、粉末同士が結合した結合部に薄い板状の部材(
以下、「断面部材」という)が形成される。その後、その粉末層の上にさらに粉末層を薄
く形成し、所望部分のみにおいて、選択的に粉末同士を結合させ結合部を形成する。その
結果、新たに形成された粉末層にも、新たな断面部材が形成される。このとき、新たに形
成された断面部材は、先に形成された断面部材にも結合される。このような操作を繰り返
して、薄い板状の断面部材(結合部)を一層ずつ積層することによって、三次元造形物を
造形することができる。
しかしながら、このような技術では、粉末層に結合剤材料(結着液)が適切に浸透せず
に、所望のパターンを形成するのが困難となり寸法精度が低下したり、結合部における密
着性が低下し、三次元造形物の機械的強度が低下するなどの問題があった。
特開平6−218712号公報
本発明の目的は、寸法精度に優れ、機械的強度、耐久性に優れた三次元造形物を効率よ
く製造するのに用いることができる層形成用組成物を提供すること、寸法精度に優れ、機
械的強度、耐久性に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の
製造方法を提供すること、また、寸法精度に優れ、機械的強度、耐久性に優れた三次元造
形物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の層形成用組成物は、層を成形した後当該層に結合剤を含む結着液を付与する一
連の処理を繰り返し行うことにより積層体としての三次元造形物を製造するのに用いる層
形成用組成物であって、
前記三次元造形物の構成成分として機能する粒体と、発泡剤とを含むことを特徴とする
これにより、寸法精度に優れ、機械的強度、耐久性に優れた三次元造形物を効率よく製
造するのに用いることができる層形成用組成物を提供することができる。
本発明の層形成用組成物は、さらに、溶剤と、バインダーとを含むものであることが好
ましい。
これにより、層形成用組成物の取り扱い性(取り扱いのしやすさ)を特に優れたものと
することができ、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすること
ができる。
本発明の層形成用組成物では、前記溶剤として水を含むことが好ましい。
これにより、層形成用組成物を用いて形成される層の組成の均一性を特に優れたものと
することができる。また、水は層形成後の除去が容易であるとともに、三次元造形物中に
残存した場合においても悪影響を与えにくい。また、人体に対する安全性、環境問題の観
点等からも有利である。
本発明の層形成用組成物では、前記発泡剤として、熱分解型発泡剤を含むことが好まし
い。
これにより、容易に気泡を発生させることができる。また、層の各部位での気泡の発生
量のばらつきをより効果的に防止することができる。
本発明の層形成用組成物では、前記発泡剤として、炭酸水素ナトリウム、ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホ
ニルホドラジドおよびヒドラゾジカルボンアミドよりなる群から選択される1種または2
種以上を含むことが好ましい。
これにより、層形成用組成物の保存安定性等を優れたものとしつつ、必要時においては
、比較的穏やかな条件で発泡させることができる。また、比較的少量でも十分な発泡量が
得られるため、層形成用組成物中における他の成分の含有率を相対的に高いものすること
ができる。
本発明の層形成用組成物では、層形成用組成物中における前記発泡剤の含有率が0.1
質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
これにより、発泡後の層の空隙の割合を最適なものとすることができ、最終的に得られ
る三次元造形物の機械的強度等を特に優れたものとすることができる。
本発明の層形成用組成物では、60℃以上250℃以下の温度において、前記発泡剤に
よる発泡が進行するものであることが好ましい。
これにより、層形成用組成物の構成材料等の不本意な劣化等を防止しつつ、三次元造形
物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、層形成用組成物を用いて製造さ
れる三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法は、三次元造形物の構成成分としての粒体および発泡
剤を含む層形成用組成物を用いて、所定の厚さを有する層を形成する層形成工程と、
前記発泡剤から気泡を発生させる発泡工程と、
前記層のうち所定の領域に、結合剤を含む結着液を付与する結着液付与工程とを有し、
これらの工程を順次繰り返し行うことにより、三次元造形物を製造することを特徴とす
る。
これにより、寸法精度に優れ、機械的強度、耐久性に優れた三次元造形物を効率よく製
造することができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記結着液が付与される前記層の空隙率が10
体積%以上90体積%以下であることが好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度、機械的強度、耐久性、信頼性
を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記発泡工程は、前記層を60℃以上250℃
以下の温度に加熱することにより行うものであることが好ましい。
これにより、層の構成材料等の不本意な劣化等を防止しつつ、三次元造形物の生産性を
特に優れたものとすることができる。また、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を
特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の層形成用組成物を用いて製造されたことを特徴とす
る。
これにより、寸法精度に優れ、機械的強度、耐久性に優れた三次元造形物を提供するこ
とができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物の製造方法を用いて製造されたことを
特徴とする。
これにより、寸法精度に優れ、機械的強度、耐久性に優れた三次元造形物を提供するこ
とができる。
本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 層形成工程後発泡工程前の層の状態を模式的に示す拡大断面図である。 発泡工程後結着液付与工程前の層の状態を模式的に示す拡大断面図である。 結着液付与工程後硬化工程前の層の状態を模式的に示す拡大断面図である。 各実施例および比較例で製造する三次元造形物(三次元造形物A)の形状を示す斜視図である。 各実施例および比較例で製造する三次元造形物(三次元造形物B)の形状を示す斜視図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする
《三次元造形物の製造方法》
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
図1、図2は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を
模式的に示す断面図、図3は、層形成工程後発泡工程前の層の状態を模式的に示す拡大断
面図、図4は、発泡工程後結着液付与工程前の層の状態を模式的に示す拡大断面図、図5
は、結着液付与工程後硬化工程前の層の状態を模式的に示す拡大断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の製造方法は、発泡剤11および三次元造形物1
0の構成成分としての粒体12を含む組成物(層形成用組成物)1’を用いて、所定の厚
さを有する層1を形成する層形成工程(1a、1e)と、層1に含まれる発泡剤11から
気泡を発生させる発泡工程(1b、1f)と、インクジェット法により、気泡を含む層1
に対し、結着液2を付与する結着液付与工程(1c、1g)と、層1に付与された結着液
2中に含まれる結合剤を硬化させ、粒体12を結合させることにより、層1中に結合部(
硬化部)3を形成する硬化工程(1d、1h)とを有し、これらの工程を順次繰り返し行
い、さらに、その後に、各層1を構成する粒体12のうち、結合部3以外のものを除去す
る未結合粒子除去工程(1j)を有している。
このように、層1に結着液2を付与するのに先立ち、層1(組成物1’)に含まれる発
泡剤11から気泡を発生させる発泡工程を有することにより、結着液2の付与に先立ち層
1中に空隙4を形成することができ、後の結着液付与工程で、結着液2を層1中に好適に
浸透させることができる。
その結果、結着液が層中に好適に浸透しないこと(結着液のはじき)による印刷パター
ンの滲み等を防止することができ、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度を高い
ものとすることができる。
また、組成物1’の構成成分(特に、粒体12)と結着液2に含まれる結合剤(結合剤
の硬化物)との結合力を確実に優れたものとすることができる。また、隣り合う層1間に
おいて、結合部(硬化部)3が形成された部位同士の結合力も確実に優れたものとするこ
とができる。このようなことから、最終的に得られる三次元造形物10は、機械的強度、
耐久性に優れたものとなる。
また、組成物1’が三次元造形物10の構成成分としての粒体12を含むことにより、
層1に形成される空隙の割合を容易かつ確実に制御することができ、発泡工程における層
1の不本意な変形を効果的に防止することができる。また、組成物1’が形状の安定性に
優れ、高硬度である三次元造形物10の構成成分としての粒体12を含むことにより、最
終的に得られる三次元造形物10の機械的強度、耐久性を特に優れたものとすることがで
きる。
以上のようなことから、信頼性の高い三次元造形物10を得ることができる。
以下、各工程について説明する。
≪層形成工程≫
層形成工程では、発泡剤11および粒体12を含む組成物(層形成用組成物)1’を用
いて、所定の厚さを有する層1を形成する(1a、1e)。
特に、1回目の層形成工程では、ステージ(支持体)50上に、発泡剤11および粒体
12を含む組成物(層形成用組成物)1’を用いて、所定の厚さを有する層1を形成し(
1a)、2回目以降の層形成工程では、層1(結合部3が形成された層1)上に、発泡剤
11および粒体12を含む組成物(層形成用組成物)1’を用いて、所定の厚さを有する
新たな層1を形成する(1e)。
なお、組成物(層形成用組成物)1’については、後に詳述する。
本工程では、スキージー、ローラー等の平坦化手段を用いて、層1を表面が平坦化され
たものとして形成する。
本工程で形成される層1の厚さは、特に限定されないが、例えば、30μm以上500
μm以下であるのが好ましく、70μm以上150μm以下であるのがより好ましい。こ
れにより、三次元造形物10の生産性を十分に優れたものとしつつ、製造される三次元造
形物10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物10の寸法
精度を特に優れたものとすることができる。
なお、例えば、層形成用組成物1’が固体状(ペレット状)をなすものである場合(例
えば、層形成用組成物1’が保存温度(例えば、室温(25℃))付近において固体状を
なすバインダー13としての熱可塑性樹脂を含むものであり、当該バインダー13により
複数の粒体(例えば、粒体12)が結合された状態のものである場合)、層形成に先立っ
て、層形成用組成物1’を加熱により溶融し、流動性を有する状態にしてもよい。これに
より、簡易な方法で、層形成を効率よく行うことができ、形成される層1の厚さの不本意
なばらつきをより効果的に防止することができる。その結果、より寸法精度の高い三次元
造形物10をより高い生産性で製造することができる。
また、層形成用組成物1’が固体状(ペレット状)をなすものである場合において、層
形成に先立って、層形成用組成物1’を加熱により溶融し、流動性を有する状態とする場
合、加熱により層形成用組成物1’が流動性を有する状態において、粒体12は、粒状を
維持している必要がある。
層形成工程における層形成用組成物の粘度は、500mPa・s以上1000000m
Pa・s以下であるのが好ましい。
これにより、本工程をより効率よく行うことができ、三次元造形物10の生産性を特に
優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、E型粘度計(東
京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて25℃において測定される値をいう。
≪発泡工程≫
結着液付与工程に先立って、層1(結着液2が付与されていない層1)に含まれる発泡
剤11から気泡を発生させる発泡処理を行う(1b、1f)。
これにより、層1中に、後の結着液付与工程で、結着液2が浸透するための空隙4を形
成することができる(図3、図4参照)。
その結果、層1に対する結着液2の浸透性を好適なものとすることができ、層1に対す
る結着液2のはじき等をより確実に防止し、所望のパターンの結合部3を確実に形成する
ことができる。また、結着液2を層1の内部(厚さ方向の深部)まで、好適に浸透させる
ことができ、最終的に得られる三次元造形物10の機械的強度、耐久性を確実に優れたも
のとすることができる。
発泡処理の具体的な方法は、発泡剤11の構成等により異なるが、例えば、加熱や、エ
ネルギー線の照射、酸との接触(酸性性分の添加)等が挙げられる。
発泡処理を加熱により行う場合、加熱温度は、例えば、50℃以上350℃以下である
のが好ましく、60℃以上250℃以下であるのがより好ましく、65℃以上150℃以
下であるのがさらに好ましい。
これにより、層1の構成材料等の不本意な劣化等を防止しつつ、発泡剤による発泡を効
率よく進行させることができるため、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとする
ことができる。また、発泡剤11による急激な発泡を防止することができるため、層1の
不本意な変形等をより効果的に防止することができ、最終的に得られる三次元造形物10
の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
発泡処理を加熱により行う場合、加熱時間は、1秒以上300秒以下であるのが好まし
く、1秒以上60秒以下であるのがより好ましい。
これにより、層1の構成材料等の不本意な劣化等を防止しつつ、三次元造形物10の生
産性を特に優れたものとすることができる。
発泡処理をエネルギー線の照射により行う場合、当該エネルギー線としては、例えば、
紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線、電子線、イオンビーム等を用いることができる
本工程終了時(後の結着液付与工程開始時)における層1中の空隙率は、10体積%以
上90体積%以下であるのが好ましく、20体積%以上70体積%以下であるのがより好
ましい。
これにより、層1の形状の安定性を十分に優れたものとし、三次元造形物10の製造過
程において、層1が不本意に変形することをより確実に防止しつつ、結着液2を層1中に
より好適に浸透させることができ、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度、機械
的強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
なお、本工程では、粒体12の質量等の影響により、発泡剤11の発泡により生じた空
隙4の一部が消失してもよいが、このような場合であっても、通常、層1中の空隙4は所
定の割合で保持され、層1中の空隙率は、発泡工程前よりも高い状態が維持される。
≪結着液付与工程≫
発泡処理が施された層1(空隙4を有する層1)に対して、インクジェット法により、
層1を構成する粒体12を結合するための結着液2を付与する(1c、1g)。
本工程では、層1のうち三次元造形物10の実部(実体のある部位)に対応する部位に
のみ、選択的に結着液2を付与する。
これにより、層1を構成する粒体12同士を結合させ、最終的に所望の形状の結合部(
硬化部)3を形成することができる。
特に、結着液2が付与される層1は、発泡処理が施されたものであり、発泡剤11から
生じた気泡による空隙4を有するものであるため(図4参照)、結着液2の浸透性が好適
なものである(図5参照)。このため、結着液2の不本意なはじき等が好適に防止され、
所望のパターンで結着液2を付与することができるとともに、最終的に得られる三次元造
形物10の機械的強度を優れたものとすることができる。
特に、本工程では、インクジェット法により結着液2を付与するため、結着液2の付与
パターンが微細な形状のものであっても再現性よく結着液2を付与することができる。そ
の結果、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度を特に高いものとすることができ
る。
なお、結着液2については、後に詳述する。
≪硬化工程(結合工程)≫
結着液付与工程で層1に結着液2を付与した後、層1に付与された結着液2に含まれる
結合剤を硬化させ、結合部(硬化部)3を形成する(1d、1h)。これにより、(硬化
をさせない場合に比べて)結合剤と粒体12との結合強度を特に優れたものとすることが
でき、その結果、最終的に得られる三次元造形物10の機械的強度を特に優れたものとす
ることができる。
特に、前述した工程において、発泡処理が施された層1(発泡剤11から生じた気泡に
よる空隙4を有する層1)に対して結着液2が付与されているため、含まれる結着液2は
、所望のパターンを構成するものであり、かつ、層1の内部(厚さ方向の深部)まで好適
に浸透したものである。このため、形成される結合部3は、所望の形状(パターン)を有
するものであり、かつ、機械的強度に優れたものである。また、前述した工程により、結
着液2が層1の内部(厚さ方向の深部)まで浸透しているため、2層目以降に形成される
層1(n+1層目の層1)の結合部3は、その直下の層1(n層目の層1)の結合部3と
も強固に結合したものとなる。このようなことから、三次元造形物10全体としての機械
的強度を優れたものとすることができる。
本工程は、結合剤の種類により異なるが、例えば、結合剤が熱硬化性樹脂の場合、加熱
により行うことができ、結合剤が光硬化性樹脂の場合、対応する光の照射により行うこと
ができる(例えば、結合剤が紫外線硬化性樹脂の場合は紫外線の照射により行うことがで
きる)。
結合剤が光硬化性樹脂の場合(特に、紫外線硬化性樹脂の場合)、従来においては、層
の厚さが比較的大きい場合等に、層の深部まで光を十分に到達させるのが困難で、結合剤
を硬化させるのに長時間を要したり、大きなエネルギーが必要である等の問題があったが
、本発明では、発泡剤から生じた気泡により層中に空隙が形成されているため、光の透過
性も向上している。このため、短時間でかつ比較的少ないエネルギー量で、結合剤を十分
に硬化させることができる。したがって、本発明は、三次元造形物の生産性の向上、省エ
ネルギーの観点からも有利である。
本工程を紫外線の照射により行う場合、当該紫外線のピーク波長は、340nm以上4
00nm以下であるのが好ましく、350nm以上380nm以下であるのがより好まし
い。
なお、結着液付与工程と硬化工程とは、同時進行的に行ってもよい。すなわち、1つの
層1全体のパターン全体が形成される前に、結着液2が付与された部位から順次硬化反応
を進行させるものであってもよい。
≪未結合粒子除去工程≫
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に、後処理工程として、各層1を
構成する粒体12のうち、結合剤により結合していないもの(未結合粒子)を除去する未
結合粒子除去工程(1j)を行う。これにより、三次元造形物10が取り出される。
本工程の具体的な方法としては、例えば、刷毛等で未結合粒子を払い除ける方法、未結
合粒子を吸引により除去する方法、空気等の気体を吹き付ける方法、水等の液体を付与す
る方法(例えば、液体中に前記のようにして得られた積層体を浸漬する方法、液体を吹き
付ける方法等)、超音波振動等の振動を付与する方法等が挙げられる。また、これらから
選択される2種以上の方法を組み合わせて行うことができる。より具体的には、空気等の
気体を吹き付けた後に、水等の液体に浸漬する方法や、水等の液体に浸漬した状態で、超
音波振動を付与する方法等が挙げられる。中でも、前記のようにして得られた積層体に対
し、水を含む液体を付与する方法(特に、水を含む液体中に浸漬する方法)を採用するの
が好ましい。
また、本工程で除去されるべき層1中には、発泡剤11から生じた気泡より形成された
空隙4が存在するため、粒体12の不本意な凝集、固着等が効果的に防止されている。し
たがって、本工程における未結合粒子の除去を効率よく行うことができ、三次元造形物1
0の生産性は特に優れたものとなる。
前述したような本発明の三次元造形物の製造方法によれば、寸法精度に優れ、機械的強
度、耐久性に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる。また、三次元造形物
の歩留まりが向上するので、三次元造形物の製造コストの低減の観点からも有利である。
<結着液>
次に、本発明の三次元造形物の製造に用いる結着液について詳細に説明する。
結着液2は、少なくとも結合剤を含むものである。
(結合剤)
結合剤は、粒体12を結合する機能を有するものであればいかなるものであってもよい
結合剤としては、例えば、熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化す
る可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の
各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種
以上を組み合わせて用いることができる。中でも、得られる三次元造形物10の機械的強
度や三次元造形物10の生産性等の観点から、結合剤は、硬化性樹脂が好ましい。また、
各種硬化性樹脂の中でも、得られる三次元造形物10の機械的強度や三次元造形物10の
生産性、結着液2の保存安定性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)
が好ましい。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生
じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体
を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、
アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチ
オン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有
する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少な
くとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物
、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。単官能の重合性化合物としては、例えば、
不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。多官能の重
合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、
不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カ
ルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カル
ボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親
電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミ
ン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性
置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類ま
たはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化
合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能の
もの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ
)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシア
ヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロール
プロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙
げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ
)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼン
のアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、ク
ロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレ
ングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタン
ジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリト
ールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメ
チレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトール
テトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、
ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙
げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレン
グリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート
等が挙げられる。
その他のエステルの例としては、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51
−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エス
テル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−22
6149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記
載のアミノ基を含有するもの等も用いることができる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例とし
ては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,
6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルア
ミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キ
シリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報
に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性
化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公
報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化
合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中
に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (1)
(ただし、式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、HまたはCHを示す。)
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有
するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用い
ることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げら
れ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物と
しては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状
ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテ
ル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビ
ニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能
グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられ
る。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル
類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジル
エーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリ
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールト
リグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、
4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、
ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシ
ジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキ
シ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−30
1、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセ
ル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチル
エーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合
成(株)製)等)等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環
式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重
結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキ
シド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ
化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−
エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、
ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオ
キサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で
使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグ
リシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用す
ることが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポ
キシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキ
シ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、
1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジル
エーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとし
ては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(
以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基
含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
結着液2中における結合剤の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、85質量
%以上であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物10の機械
的強度を特に優れたものとすることができる。
(その他の成分)
また、結着液2は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分と
しては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促
進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫
外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げ
られる。
特に、結着液2が着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次
元造形物10を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、結着液2、三次元造形物10の耐光性を
良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用するこ
とができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラッ
ク、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化
鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて
用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートア
ゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノ
ン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料
、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸
性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ
顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択さ
れる1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに詳しくは、黒色(ブラック)の顔料として使用されるカーボンブラックとしては
、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No
.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化
学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Ra
ven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 350
0、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Car
bon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、R
ega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 80
0、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、M
onarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以
上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black
FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Co
lor Black FW18、Color Black FW200、Color B
1ack S150、Color Black S160、Color Black S
170、Printex 35、Printex U、Printex V、Print
ex 140U、Special Black 6、Special Black 5、
Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ
(Degussa)社製)等が挙げられる。
白色(ホワイト)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、
21等が挙げられる。
黄色(イエロー)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3
、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、3
7、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98
、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、
129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、
180等が挙げられる。
紅紫色(マゼンタ)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3
、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、
21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、
48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、14
4、146、149、150、166、168、170、171、175、176、17
7、178、179、184、185、187、202、209、219、224、24
5、またはC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、
43、50等が挙げられる。
藍紫色(シアン)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、
15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25
、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60等が挙げられる。
また、前記以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C
.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2
,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63等が挙
げられる。
結着液2が顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下である
のが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。これにより、結着
液2の吐出安定性や結着液2中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることが
できるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
なお、本明細書において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例えば、サンプ
ルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター
法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)
にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等
が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44
,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289
、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,2
4,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,
24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイ
レクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー
1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクド
ブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアク
ティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,
4,35等が挙げられる。
結着液2が着色剤を含むものである場合、当該結着液2中における着色剤の含有率は、
1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および
色再現性が得られる。
特に、結着液2が着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該結着液2中にお
ける酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質
量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得ら
れる。
結着液2が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより
良好なものとすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子
分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。高分子分散剤
の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系
ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマ
ー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げ
られる。高分子分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパ
ーシリーズ、ノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Sol
sperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製
のディスパロンシリーズ等が挙げられる。
結着液2が界面活性剤を含むものであると、三次元造形物10の耐擦性をより良好なも
のとすることができる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン
系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を
用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステ
ル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。界面活性剤の具体例としては、例
えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、
3570(以上、BYK社製商品名)等を挙げられる。
また、結着液2は、溶剤を含むものであってもよい。これにより、結着液2の粘度調整
を好適に行うことでき、結着液2が高粘度の成分を含むものであっても、結着液2のイン
クジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エ
チル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル
等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチ
ルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロ
ピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて
用いることができる。
また、結着液2の粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく
、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インク
ジェット法による結着液2の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
また、三次元造形物10の製造には、複数種の結着液2を用いてもよい。
例えば、着色剤を含む結着液2(カラーインク)と、着色剤を含まない結着液2(クリ
アインク)とを用いてもよい。これにより、例えば、三次元造形物10の外観上、色調に
影響を与える領域に付与する結着液2として着色剤を含む結着液2を用い、三次元造形物
10の外観上、色調に影響を与えない領域に付与する結着液2として着色剤を含まない結
着液2を用いてもよい。また、最終的に得られる三次元造形物10において、着色剤を含
む結着液2を用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まない結着液2を用いて形成
された領域(コート層)を設けるように、複数種の結着液2を併用してもよい。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種の結着液2を用いてもよい。これによ
り、これらの結着液2の組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすること
ができる。
複数種の結着液2を用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)の結着液2、紅紫色(
マゼンタ)の結着液2および黄色(イエロー)の結着液2を用いるのが好ましい。これに
より、これらの結着液2の組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとす
ることができる。
また、白色(ホワイト)の結着液2を、他の有色の結着液2と併用することにより、例
えば、以下のような効果が得られる。すなわち、最終的に得られる三次元造形物10を、
白色(ホワイト)の結着液2が付与された第1の領域と、第1の領域と重なり合い、かつ
、第1の領域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色の結着液2が付与された領域(
第2の領域)とを有するものとすることができる。これにより、白色(ホワイト)の結着
液2が付与された第1の領域が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物10の彩度を
より高めることができる。
《層形成用組成物》
次に、本発明の層形成用組成物について説明する。
本発明の層形成用組成物は、発泡剤と、三次元造形物の構成成分としての粒体とを含む
ものである。
これにより、三次元造形物の製造時において、本発明の層形成用組成物中に含まれる発
泡剤から気泡を発生させることにより、前記層に空隙を形成することができる。このよう
にして形成される空隙は、結着液の浸透に利用することができ、結着液が層中に好適に浸
透しないこと(結着液のはじき)による印刷パターンの滲み等を防止することができ、最
終的に得られる三次元造形物の寸法精度を高いものとすることができる。また、三次元造
形物の構成成分としての粒体と結着液に含まれる結合剤(結合剤の硬化物)との結合力を
確実に優れたものとすることができ、隣り合う層間において、結合部(硬化部)が形成さ
れた部位同士の結合力も確実に優れたものとすることができるため、最終的に得られる三
次元造形物は、機械的強度、耐久性に優れたものとなる。
また、層形成用組成物が発泡剤とともに、三次元造形物の構成成分としての粒体を含む
ことにより、発泡剤から気泡を発生させて層に空隙を形成する際の、前記層の不本意な変
形を効果的に防止することができる。また、層形成用組成物が、形状の安定性に優れ、高
硬度である三次元造形物の構成成分としての粒体を含むことにより、最終的に得られる三
次元造形物の機械的強度、耐久性を特に優れたものとすることができる。
以上のようなことから、本発明の層形成用組成物は、信頼性の高い三次元造形物の製造
に好適に用いることができる。
(発泡剤)
層形成用組成物は、気泡を発生し得る発泡剤を含むものである。
層形成用組成物は、発泡剤として、加熱により発泡する熱分解型発泡剤を含むものであ
るのが好ましい。
これにより、容易に気泡を発生させることができる。また、層の各部位での気泡の発生
量のばらつきをより効果的に防止することができる。
発泡剤は、層形成用組成物中に、いかなる形態で含まれるものであってもよく、例えば
、図3に示すように、分散状態で含まれるものであってもよいし、溶解状態で含まれるも
のであってもよいし、溶融状態で含まれるものであってもよいが、分散状態で含まれてい
るのが好ましい。
これにより、分散状態で含まれる発泡剤の大きさを調整することにより、発生する気泡
の大きさをより好適に制御することができる。
層形成用組成物中に、発泡剤が分散状態で含まれる場合、当該発泡剤の平均粒径は、4
μm以上500μm以下であるのが好ましく、5μm以上250μm以下であるのがより
好ましい。
これにより、より好適な大きさの気泡を発生させることができ、発泡後の層の不本意な
変形をより効果的に防止しつつ、好適な形態の空隙をより確実に形成することができる。
発泡剤としては、気泡を発生し得るものであればいかなるものを用いてもよいが、例え
ば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、
亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ、過酸化水素、
過硼酸ソーダ等の無機系発泡剤や、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボ
ンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスホルムアミド、アゾビスカルボン酸バ
リウム、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルホドラジド、p−トルエンスルホニル
ヒドラジド、p−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン、ヒドラゾジカルボンアミド
等の有機系発泡剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせ
て用いることができる。
中でも、発泡剤として、炭酸水素ナトリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、
アゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルホドラジドおよびヒド
ラゾジカルボンアミドよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるの
が好ましい。
これにより、層形成用組成物の保存安定性等を優れたものとしつつ、必要時においては
、比較的穏やかな条件で発泡させることができる。また、比較的少量でも十分な発泡量が
得られるため、層形成用組成物中における他の成分の含有率を相対的に高いものすること
ができる。
層形成用組成物は、発泡剤による発泡が、60℃以上250℃以下の温度に加熱した際
に進行するものであるのが好ましい。
これにより、層形成用組成物の構成材料等の不本意な劣化等を防止しつつ、発泡剤によ
る発泡を効率よく進行させることができるため、三次元造形物の生産性を特に優れたもの
とすることができる。また、発泡剤による急激な発泡を防止することができるため、層の
不本意な変形等をより効果的に防止することができ、層形成用組成物を用いて製造される
三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
なお、発泡剤による発泡が進行する温度は、発泡剤の種類だけでなく、例えば、後述す
る発泡助剤を含むか否かや、発泡助剤の種類等によっても異なる。
層形成用組成物中における発泡剤の含有率は、0.1質量%以上20質量%以下である
のが好ましく、0.5質量%以上5.0質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、発泡後の層の空隙の割合を最適なものとすることができ、最終的に得られ
る三次元造形物の機械的強度等を特に優れたものとすることができる。
(粒体)
層形成用組成物は、三次元造形物の構成成分としての粒体を複数個含むものである。以
下、「三次元造形物の構成成分としての粒体」のことを単に「粒体」ともいう。
粒体は、最終的に得られる三次元造形物中において、三次元造形物の構成成分として機
能するものであればよいが、硬度の高いものであるのが好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物の機械的強度等を特に優れたものとするこ
とができる。
粒体の硬さは、例えば、MCT−210(島津製作所社製)を用いた粒子圧縮強度評価
により求めることができる。
粒体は、外部に開放する空孔を有する多孔質で、かつ、疎水化処理が施されたものであ
るのが好ましい。
このような構成であることにより、三次元造形物を製造する際に、結合剤を空孔内に好
適に侵入させることができ、アンカー効果が発揮され、その結果、粒体の結合力を特に優
れたものとすることができ、結果として、三次元造形物全体としての機械的強度を特に優
れたものとすることができる。また、結着液を構成する結合剤が、粒体の空孔内に入り込
むことにより、結着液の不本意な濡れ広がりを効果的に防止することができる。その結果
、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度をより高いものとすることができる。
粒体の構成材料としては、例えば、無機材料や有機材料、これらの複合体等が挙げられ
る。
粒体を構成する無機材料としては、例えば、各種金属や金属化合物等が挙げられる。金
属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、
酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム
、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン
、窒化アルミ等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛
等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カ
ルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシ
ウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミ
ニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等が挙げられ
る。
粒体を構成する有機材料としては、例えば、合成樹脂、天然高分子等が挙げられ、より
具体的には、ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン;ポリエチレンオキサイド;ポリプロピ
レンオキサイド、ポリエチレンイミン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリウレア;ポリ
エステル;シリコーン樹脂;アクリルシリコーン樹脂;ポリメタクリル酸メチル等の(メ
タ)アクリル酸エステルを構成モノマーとする重合体;メタクリル酸メチルクロスポリマ
ー等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとするクロスポリマー(エチレンアク
リル酸共重合樹脂等);ナイロン12、ナイロン6、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂
;ポリイミド;カルボキシメチルセルロールス;ゼラチン;デンプン;キチン;キトサン
等が挙げられる。
中でも、粒体は、金属酸化物で構成されたものであるのが好ましく、シリカで構成され
たものであるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度、耐光性等の特性を特に優れたものとすること
ができる。
また、特に、粒体がシリカで構成されたものであると、前述した効果がより顕著に発揮
される。また、シリカは、流動性にも優れているため、厚さの均一性がより高い層の形成
に有利であるとともに、三次元造形物の生産性、寸法精度を特に優れたものとする上でも
有利である。
粒体は、疎水化処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
粒体に施された疎水化処理としては、粒体(母粒子)の疎水性を高める処理であればい
かなるものであってもよいが、炭化水素基を導入するものであるのが好ましい。
これにより、粒体の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に
、各粒体や粒体表面の各部位(外部に開放する空孔を有するものである場合には、空孔内
部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
疎水化処理に用いる化合物としては、シリル基を含むシラン化合物が好ましい。疎水化
処理に用いることのできる化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、
ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、1−プロペニルメチルジクロロ
シラン、プロピルジメチルクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、プロピルトリ
クロロシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、スチリルエ
チルトリメトキシシラン、テトラデシルトリクロロシラン、3−チオシアネートプロピル
トリエトキシシラン、p−トリルジメチルクロロシラン、p−トリルメチルジクロロシラ
ン、p−トリルトリクロロシラン、p−トリルトリメトキシシラン、p−トリルトリエト
キシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポ
キシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブチロキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec
−ブチロキシシラン、ジ−t−ブチルジ−t−ブチロキシシラン、オクタデシルトリクロ
ロシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オ
クタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、オクタデシルメチ
ルジクロロシラン、オクタデシルメトキシジクロロシラン、7−オクテニルジメチルクロ
ロシラン、7−オクテニルトリクロロシラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、オク
チルメチルジクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン
、10−ウンデセニルジメチルクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ビニルジメ
チルクロロシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルドデシルジエトキシシ
ラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルオクタデシルジエトキシシラン、n
−オクチルメチルジメトキシシラン、n−オクチルメチルジエトキシシラン、トリアコン
チルジメチルクロロシラン、トリアコンチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルイソプロポ
キシシラン、メチル−n−ブチロキシシラン、メチルトリ−sec−ブチロキシシラン、
メチルトリ−t−ブチロキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルイソプロポキシシラン、エチル−n−
ブチロキシシラン、エチルトリ−sec−ブチロキシシラン、エチルトリ−t−ブチロキ
シシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキ
シルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシ
シラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−
プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキ
シシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ド
デシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、2−〔2−(トリク
ロロシリル)エチル〕ピリジン、4−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1,3−(トリクロロシリル
メチル)ヘプタコサン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキ
シシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエ
トキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジ
ルトリメトキシシラン、ベンジルメチルジメトキシシラン、ベンジルジメチルメトキシシ
ラン、ベンジルジメトキシシラン、ベンジルジエトキシシラン、ベンジルメチルジエトキ
シシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ジベンジル
ジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ア
リルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノ
メチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、6−(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、p−アミノフェ
ニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルエトキシシラン、m−アミノフェニルトリ
メトキシシラン、m−アミノフェニルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシシラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシ
シラン、アミルトリエトキシシラン、ベンゾオキサシレピンジメチルエステル、5−(ビ
シクロヘプテニル)トリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、8−ブロモオクチルトリメトキシシラン、ブロモフェニルト
リメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシ
ラン、2−クロロメチルトリエトキシシラン、クロロメチルメチルジエトキシシラン、ク
ロロメチルメチルジイソプロポキシラン、p−(クロロメチル)フェニルトリメトキシシ
ラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−クロ
ロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリメ
トキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシ
ラン、シアノメチルフェネチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシ
ラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリメトキシシラン、2−(3−シクロヘキ
セニル)エチルトリエトキシシラン、3−シクロヘキセニルトリクロロシラン、2−(3
−シクロヘキセニル)エチルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルジ
メチルクロロシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルメチルジクロロシシラン、
シクロヘキシルジメチルクロロシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロ
ヘキシルメチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、(シクロヘキ
シルメチル)トリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリ
メトキシシラン、シクロオクチルトリクロロシラン、(4−シクロオクテニル)トリクロ
ロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、1,
1−ジエトキシ−1−シラシクロペンタ−3−エン、3−(2,4−ジニトロフェニルア
ミノ)プロピルトリエトキシシラン、(ジメチルクロロシリル)メチル−7,7−ジメチ
ルノルピナン、(シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(3−シクロ
ペンタジエニルプロピル)トリエトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル
)トリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシ
ラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(フルフリ
ルオキシメチル)トリエトキシシラン、2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシプロポ
キシ)ジフェニルケトン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン
、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)
メチルジクロロシラン,p−(メチルフェネチル)トリクロロシラン、p−(メチルフェ
ネチル)ジメチルクロロシラン、3−モルフォリノプロピルトリメトキシシラン、(3−
グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−メチルジエトキシシリル−2
−ノルボルネン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−トリエトキシシリル−
2−ノルボルネン、3−ヨードプロピルトリメトキシラン、3−イソシアネートプロピル
トリエトキシシラン、(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン、3−メルカ
プトプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン
、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチル{2−(3−トリメトキシシ
リルプロピルアミノ)エチルアミノ}−3−プロピオネート、7−オクテニルトリメトキ
シシラン、R−N−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、S−N
−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、フェネチルトリメトキシ
シラン、フェネチルメチルジメトキシシラン、フェネチルジメチルメトキシシラン、フェ
ネチルジメトキシシラン、フェネチルジエトキシシラン、フェネチルメチルジエトキシシ
ラン、フェネチルジメチルエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、(3−フェ
ニルプロピル)ジメチルクロロシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシラン
、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル
)ダンシルアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダ
ゾール、2−(トリエトキシシリルエチル)−5−(クロロアセトキシ)ビシクロヘプタ
ン、(S)−N−トリエトキシシリルプロピル−O−メントカルバメート、3−(トリエ
トキシシリルプロピル)−p−ニトロベンズアミド、3−(トリエトキシシリル)プロピ
ルサクシニック無水物、N−〔5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソ−ペ
ンチル〕カプロラクタム、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(トリメト
キシシリルエチル)ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、フェニ
ルビニルジエトキシシラン、3−チオシアナートプロピルトリエトキシシラン、(トリデ
カフロオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、N−{3
−(トリエトキシシリル)プロピル}フタルアミド酸、(3,3,3−トリフルオロプロ
ピル)メチルジメトキシシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシ
シシラン、1−トリメトキシシリル−2−(クロロメチル)フェニルエタン、2−(トリ
メトキシシリル)エチルフェニルスルホニルアジド、β−トリメトキシシリルエチル−2
−ピリジン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、N−(3−トリメトキ
シシリルプロピル)ピロール、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチ
ルアンモニウムブロマイド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチル
アンモニウムクロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルア
ンモニウムクロライド、ビニルメチルジエトキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン
、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルフェニルジクロ
ロシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメチルシラン、ビニルフ
ェニルメチルクロロシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス−t−ブトキシ
シラン、アダマンチルエチルトリクロロシラン、アリルフェニルトリクロロシラン、(ア
ミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−アミノフェノキシジメチ
ルビニルシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニル
メチルジクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ベ
ンジルメチルジクロロシラン、フェネチルジイソプロピルクロロシラン、フェネチルトリ
クロロシラン、フェネチルジメチルクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、5
−(ビシクロヘプテニル)トリクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシ
シラン、2−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン、2−(ビシクロヘプチル)ト
リクロロシラン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ブロモフェニル
トリクロロシラン、3−フェノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−フェノキシプロ
ピルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルクロロシラン、t−ブチルフェニルメトキシ
シラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルジメチルク
ロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、1,3−(クロロジメチ
ルシリルメチル)ヘプタコサン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメチルクロロシ
ラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((クロロメチル)
フェニルエチル)トリクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシ
シラン、クロロフェニルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、2−シ
アノエチルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジエトキシシラン、3−シ
アノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シ
アノプロピルジメチルエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−
シアノプロピルトリクロロシラン、フッ化アルキルシラン等を挙げることができ、これら
から選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、ヘキサメチルジシラザンを疎水化処理に用いるのが好ましい。
これにより、粒体の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に
、各粒体や粒体表面の各部位(外部に開放する空孔を有するものである場合には、空孔内
部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
シラン化合物を用いた疎水化処理を液相で行う場合には、シラン化合物を含む液中に、
疎水化処理を施すべき粒体(母粒子)を浸漬することで、好適に所望の反応を進行させる
ことができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
また、シラン化合物を用いた疎水化処理を気相で行う場合には、シラン化合物の蒸気に
疎水化処理を施すべき粒体(母粒子)を曝すことで、好適に所望の反応を進行させること
ができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
粒体の平均粒径は、特に限定されないが、1μm以上25μm以下であるのが好ましく
、1μm以上15μm以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに
、製造される三次元造形物における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元
造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、層形成用組成物の流動性
を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
粒体のDmaxは、3μm以上40μm以下であるのが好ましく、5μm以上30μm
以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに
、製造される三次元造形物における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元
造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、層形成用組成物の流動性
を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
層形成用組成物中において発泡剤が固体状をなすものである場合(分散質として存在し
ている場合)、発泡剤の平均粒径をD[μm]、粒体(三次元造形物の構成成分として
の粒体)の平均粒径をD[μm]としたとき、1.5≦D/D≦30の関係を満足
するのが好ましく、1.5≦D/D≦10の関係を満足するのがより好ましい。
これにより、層の不本意な変形をより効果的に防止するとともに、層中への結着液の浸
透性をより好適なものとすることができ、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度、機
械的強度、耐久性を特に優れたものとすることができる。
粒体の空孔率は、50%以上であるのが好ましく、55%以上90%以下であるのがよ
り好ましい。
これにより、結合剤が入り込む空間(空孔)を十分に有するとともに、粒体自体の機械
的強度を優れたものとすることができ、結果として、空孔内に結合剤が侵入してなる三次
元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
なお、本発明において、粒体(粒子)の空孔率とは、粒体の見かけ体積中に対する、粒
体の内部に存在する空孔の割合(体積率)のことを言い、粒体の密度をρ[g/cm
、粒体の構成材料の真密度ρ[g/cm]としたときに、{(ρ−ρ)/ρ}×
100で表される値である。
粒体の平均空孔径(細孔直径)が10nm以上であるのが好ましく、50nm以上30
0nm以下であるのがより好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすること
ができる。また、三次元造形物の製造に、顔料を含む結着液(着色インク)を用いる場合
において、顔料を粒体の空孔内に好適に保持することができる。このため、不本意な顔料
の拡散を防止することができ、高精細な画像をより確実に形成することができる。
粒体は、いかなる形状を有するものであってもよいが、球形状をなすものであるのが好
ましい。これにより、層形成用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生
産性を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物における不
本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものと
することができる。
層形成用組成物は、複数種の粒体を含むものであってもよい。
層形成用組成物中における粒体の含有率は、10質量%以上90質量%以下であるのが
好ましく、15質量%以上80質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、層形成用組成物の流動性を十分に優れたものとしつつ、最終的に得られる
三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
層形成用組成物中における発泡剤の含有率をX[質量%]、層形成用組成物中におけ
る粒体の含有率をX[質量%]としたとき、0.0003≦X/X≦2の関係を満
足するのが好ましく、0.01≦X/X≦1.5の関係を満足するのがより好ましい
これにより、層の不本意な変形をより効果的に防止するとともに、層中への結着液の浸
透性をより好適なものとすることができ、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度、機
械的強度、耐久性を特に優れたものとすることができる。
層形成用組成物は、発泡剤および粒体を含むものであればよいが、さらに、溶剤と、バ
インダーとを含むものであるのが好ましい。
これにより、層形成用組成物の取り扱い性(取り扱いのしやすさ)を特に優れたものと
することができ、厚さの均一性がより高い層を容易に形成することができるとともに、層
の不本意な変形をより効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる三次
元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
(バインダー)
層形成用組成物は、発泡剤および複数個の粒体とともに、バインダーを含むものであっ
てもよい。
これにより、層形成用組成物を用いて形成された層において、複数個の粒体を好適に結
合(仮固定)することができ、粒体の不本意な飛散等を効果的に防止することができる。
これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物の寸法精度の向上を図ることがで
きる。また、バインダーは、結着液を用いて形成される結合部とは異なり、粒体同士を強
固に結合するものではないため、上記のような効果を得つつ、形成される層にある程度の
変形の自由度をもたせることができる。したがって、発泡処理により、層中に好適に空隙
を形成することができ、また、当該空隙を好適に保持することができる。
バインダーとしては、層形成用組成物を用いて形成された層において複数個の粒体を仮
固定する機能を有するものであればよいが、水溶性樹脂を好適に用いることができる。
水溶性樹脂を含むことにより、層形成用組成物が溶剤として水や水に対する溶解性の高
い溶剤(以下、これらを総称して「水系溶剤」ともいう)を含む場合に、層形成用組成物
中にバインダー(水溶性樹脂)を溶解状態で含ませることができ、層形成用組成物の流動
性、取り扱い性(取り扱いの容易性)を特に優れたものとすることができる。その結果、
三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、三次元造形物の製造過程において層の結着液が付与されなかった部位を、水系溶
剤(特に、水)を付与することにより、容易かつ効率よく除去することができる。その結
果、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、層の除去される
べき部位が、最終的に得られた三次元造形物に付着、残存することを容易かつ確実に防止
することができるため、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
以下、バインダーとしての水溶性樹脂について中心に説明する。
水溶性樹脂は、少なくともその一部が水系溶剤に可溶なものであればよいが、例えば、
25℃における水に対する溶解度(水100gに溶解可能な質量)が5[g/100g水
]以上のものであるのが好ましく、10[g/100g水]以上のものであるのがより好
ましい。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリド
ン(PVP)、ポリカプロラクトンジオール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル
アミド、変性ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキ
サイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合ポリマー等の合成ポリマー、コーンス
ターチ、マンナン、ペクチン、寒天、アルギン酸、デキストラン、にかわ、ゼラチン等の
天然ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酸化でんぷ
ん、変性でんぷん等の半合成ポリマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2
種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性樹脂製品の具体例としては、例えば、メチルセルロース(信越化学社製、メトロ
ーズSM−15)、ヒドロキシエチルセルローズ(フジケミカル社製、AL−15)、ヒ
ドロキシプロピルセルローズ(日本ソーダ社製、HPC−M)、カルボキシメチルセルロ
ーズ(ニチリン化学社製、CMC−30)、澱粉リン酸エステルナトリュウム(I)(松
谷化学社製、ホスター5100)、ポリビニールピロリドン(東京化学社製、PVP K
−90)、メチルビニールエーテル/無水マレイン酸コポリマー(GAFガントレット社
製、AN−139)、ポリアクリルアミド(和光純薬社製)、変性ポリアミド(変性ナイ
ロン)(東レ社製、AQナイロン)、ポリエチレンオキサイド(製鉄化学社製、PEO−
1、明成化学工業社製、アルコックス)、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドと
のランダム共重合ポリマー(明成化学工業社製、アルコックスEP)、ポリアクリル酸ナ
トリウム(和光純薬社製)、カルボキシビニルポリマー/架橋型アクリル系水溶性樹脂(
住友精化社製、アクペック)等が挙げられる。
中でも、バインダーとしての水溶性樹脂がポリビニルアルコールである場合、三次元造
形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、ケン化度や重合度の調整
により、バインダーの特性(例えば、水溶性、耐水性等)や層形成用組成物の特性(例え
ば、粘度、粒体の固定力、濡れ性等)をより好適に制御することができる。このため、多
様な三次元造形物の製造により好適に対応することができる。また、ポリビニルアルコー
ルは、各種水溶性樹脂の中でも、安価で、かつ、供給が安定したものである。このため、
生産コストを抑制しつつ、安定的な三次元造形物の製造を行うことができる。
バインダーとしての水溶性樹脂がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポ
リビニルアルコールのケン化度は、85以上90以下であるのが好ましい。これにより、
水系溶剤(特に、水)に対するポリビニルアルコールの溶解度の低下を抑制することがで
きる。そのため、層形成用組成物が水系溶剤(特に、水)を含むものである場合に、隣接
する層間の接着性の低下をより効果的に抑制することができる。
バインダーとしての水溶性樹脂がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポ
リビニルアルコールの重合度は、300以上1000以下であるのが好ましい。これによ
り、層形成用組成物が水系溶剤(特に、水)を含むものである場合に、各層の機械的強度
や隣接する層間の接着性を特に優れたものとすることができる。
また、バインダーとしての水溶性樹脂がポリビニルピロリドン(PVP)である場合、
以下のような効果が得られる。すなわち、ポリビニルピロリドンは、ガラス、金属、プラ
スチック等の各種材料に対する接着性に優れているため、層のうち結着液が付与されない
部分の強度・形状の安定性を特に優れたものとし、最終的に得られる三次元造形物の寸法
精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種有機溶
媒に対して、高い溶解性を示すため、層形成用組成物が有機溶剤を含む場合において、層
形成用組成物の流動性を特に優れたものとすることができ、不本意な厚さのばらつきがよ
り効果的に防止された層を好適に形成することができ、最終的に得られる三次元造形物の
寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、水系溶
剤(特に、水)に対しても高い溶解性を示すため、未結合粒子除去工程(造形終了後)に
おいて、各層を構成する粒体のうち、結合剤により結合していないものを容易かつ確実に
除去することができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種着色剤との親和性に優れて
いるため、結着液付与工程において着色剤を含む結着液を用いた場合に、着色剤が不本意
に拡散してしまうのを効果的に防止することができる。また、ポリビニルピロリドンには
帯電防止機能があるため、層形成工程において層形成用組成物としてペースト化していな
い粉体を用いる場合に、当該粉体の飛散を効果的に防止することができる。
バインダーとしての水溶性樹脂がポリビニルピロリドンを含むものである場合、当該ポ
リビニルピロリドンの重量平均分子量は、10000以上1700000以下であるのが
好ましく、30000以上1500000以下であるのがより好ましい。
これにより、前述した機能をより効果的に発揮することができる。
また、バインダーとしての水溶性樹脂がポリカプロラクトンジオールである場合、層形
成用組成物を好適にペレット状とすることができ、粒体の不本意な飛散等をより効果的に
防止することができ、層形成用組成物の取り扱い性(取り扱いの容易性)が向上し、作業
者の安全や、製造される三次元造形物の寸法精度の向上を図ることができるとともに、比
較的低い温度で溶融させることができるため、三次元造形物の生産に要するエネルギー・
コストを抑制することができるとともに、三次元造形物の生産性を十分に優れたものとす
ることができる。
バインダーとしての水溶性樹脂がポリカプロラクトンジオールを含むものである場合、
当該ポリカプロラクトンジオールの重量平均分子量は、10000以上1700000以
下であるのが好ましく、30000以上1500000以下であるのがより好ましい。
これにより、前述した機能をより効果的に発揮することができる。
層形成用組成物中において、バインダーは、層形成工程において、液状の状態(例えば
、溶解状態、溶融状態等)をなすものであるのが好ましい。これにより、容易かつ確実に
、層形成用組成物を用いて形成される層の厚さの均一性を、より高いものとすることがで
きる。
層形成用組成物がバインダーを含むものである場合、層形成用組成物中におけるバイン
ダーの含有率は、0.5質量%以上20質量%以下であるのが好ましく、1.0質量%以
上7.0質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したようなバインダーを含むことによる効果がより顕著に発揮される
とともに、層形成用組成物中における粒体等の含有率を十分に高いものとすることができ
、製造される三次元造形物の機械的強度等を特に優れたものとすることができる。
(溶剤)
層形成用組成物は、溶剤を含むものであってもよい。
これにより、層形成用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を
特に優れたものとすることができる。層の形成時に、粒体が不本意に飛散すること等をよ
り効果的に防止することができる。
特に、層形成用組成物が、バインダーとともに、溶剤を含むものであると、層形成用組
成物の取り扱い性(取り扱いのしやすさ)を特に優れたものとすることができ、厚さの均
一性がより高い層を容易に形成することができるとともに、層の不本意な変形をより効果
的に防止することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を特に
優れたものとすることができる。
層形成用組成物が溶剤とともにバインダーを含むものである場合、溶剤は、バインダー
を溶解するものであるのが好ましい。
これにより、層形成用組成物の流動性を特に良好なものとすることができ、層形成用組
成物を用いて形成される層の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができ
る。また、溶剤が除去された状態の層を形成した際に、層全体にわたって、より高い均一
性で、バインダーを粒体に付着させることができ、不本意な組成のむらが発生するのをよ
り効果的に防止することができる。このため、最終的に得られる三次元造形物の各部位で
の機械的強度の不本意なばらつきの発生をより効果的に防止することができ、三次元造形
物の信頼性をより高いものとすることができる。
層形成用組成物を構成する溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソ
プロパノール等のアルコール性溶剤;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグ
リコールエーテル系溶剤;プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート
、プロピレングリコール1−モノエチルエーテル2−アセタート等のグリコールエーテル
アセテート系溶剤;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、
これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、層形成用組成物は、水系溶剤を含むものであるのが好ましく、水を含むもので
あるのがより好ましい。
これにより、バインダーとしての水溶性樹脂をより確実に溶解することができ、層形成
用組成物の流動性、層形成用組成物を用いて形成される層の組成の均一性を特に優れたも
のとすることができる。また、水は層形成後の除去が容易であるとともに、三次元造形物
中に残存した場合においても悪影響を与えにくい。また、人体に対する安全性、環境問題
の観点等からも有利である。
前述したように、水系溶剤は、水に対する溶解性の高い溶剤であればよいが、具体的に
は、例えば、25℃における水に対する溶解度(水100gに溶解可能な質量)が30[
g/100g水]以上のものであるのが好ましく、50[g/100g水]以上のもので
あるのがより好ましい。
層形成用組成物が溶剤を含むものである場合、層形成用組成物中における溶剤の含有率
は、5質量%以上75質量%以下であるのが好ましく、35質量%以上70質量%以下で
あるのがより好ましい。
これにより、前述したような溶剤を含むことによる効果がより顕著に発揮されるととも
に、三次元造形物の製造過程において溶剤を短時間で容易に除去することができるため、
三次元造形物の生産性向上の観点から有利である。
特に、層形成用組成物が溶剤として水を含むものである場合、層形成用組成物中におけ
る水の含有率は、20質量%以上73質量%以下であるのが好ましく、50質量%以上7
0質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
(発泡助剤)
層形成用組成物は、発泡助剤を含むものであってもよい。
これにより、例えば、発泡助剤を用いない場合に比べて、より温和な条件で発泡処理を
行うことができるため、層の構成材料等の不本意な劣化等を防止しつつ、発泡剤による発
泡を効率よく進行させることができる。したがって、三次元造形物の生産性を特に優れた
ものとすることができる。また、発泡処理に要するエネルギー量を抑制することができる
ため、省エネルギーの観点からも好ましい。
発泡助剤としては、例えば、酢酸亜鉛やタルク等の無機発泡助剤;サリチル酸、フタル
酸、ステアリン酸、クエン酸等の酸性有機化合物、尿素およびその誘導体等の有機発泡助
剤等を用いることができる。
また、例えば、発泡助剤としては、加熱により酸を発生する熱酸発生剤や、光の照射に
より酸を発生する光酸発生剤等を用いることもできる。これにより、層形成用組成物の保
存安定性等を特に優れたものとしつつ、発泡処理時には、発泡剤による発泡を好適に発生
、進行させることができる。熱酸発生剤としては、例えば、スルホニウム塩、ベンゾチア
ゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。また、光
酸発生剤としては、例えば、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム
、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物(例えば、B(C 、PF 、A
sF 、SbF 、CFSO 塩等)、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハ
ロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、鉄アレン錯体等が挙げられる。
特に、層形成用組成物が発泡剤として炭酸水素ナトリウムを含むものである場合、発泡
助剤として、クエン酸を含むのが好ましい。
また、層形成用組成物が発泡剤としてジニトロソペンタメチレンテトラミンを含むもの
である場合、発泡助剤として、尿素またはその誘導体を含むのが好ましい。
層形成用組成物中における発泡助剤の含有率は、発泡剤:100質量部に対し、0.1
質量%以上20質量部以下であるのが好ましく、1質量部以上10質量部以下であるのが
より好ましい。
これにより、層形成用組成物中に含まれる発泡助剤の成分の含有率を十分に高いものと
しつつ、前述したような発泡助剤を含むことによる効果をより効果的に発揮させることが
できる。
(その他の成分)
また、層形成用組成物は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような
成分としては、例えば、重合開始剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着
剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられ
る。
《三次元造形物》
本発明の三次元造形物は、前述したような本発明の層形成用組成物、本発明の三次元造
形物の製造方法を用いて製造することができる。
これにより、寸法精度に優れ、機械的強度、耐久性に優れた三次元造形物を提供するこ
とができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の
鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに
適用されるものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。
例えば、前述した実施形態では、全ての層に対して、結合部を形成するものとして説明
したが、結合部が形成されない層を有していてもよい。例えば、ステージの直上に形成さ
れた層に対して、結合部を形成しないものとし、犠牲層として機能させてもよい。
また、前述した実施形態では、全ての層に対して、発泡剤から気泡を発生させるための
発泡処理を施すものとして説明したが、発泡処理が施されない層を有していてもよい。例
えば、ステージの直上に形成された層を犠牲層とし、当該層には、発泡処理を施さないも
のとしてもよい。このような構成とすることにより、犠牲層への不本意な結着液の浸透を
効果的に防止することができる。
また、前述した実施形態では、結着液付与工程をインクジェット法により行う場合につ
いて中心的に説明したが、結着液付与工程は他の方法(例えば、他の印刷方法)を用いて
行うものであってもよい。
また、本発明の三次元造形物の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間
処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、ステージの清掃工程等が挙げられる。
中間処理工程としては、例えば、層形成用組成物がペレット状をなすものである場合、
層形成工程と結着液付与工程との間に、加熱を中止等する工程(バインダー固化工程)を
有していてもよい。これにより、バインダーが固体状態となり、層を粒体同士の結合力が
より強いものとして得ることができる。また、例えば、層形成用組成物が水等の溶剤成分
を含むものである場合、層形成工程と結着液付与工程との間に、当該溶剤成分を除去する
溶剤成分除去工程を有していてもよい。これにより、層形成工程をより円滑に行うことが
でき、形成される層の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができる。そ
の結果、より寸法精度の高い三次元造形物をより高い生産性で製造することができる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、
被覆層形成工程、未硬化の結合剤を確実に硬化させるための光照射処理や加熱処理を行う
結合剤硬化完了工程等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、結着液付与工程と硬化工程(結合工程)とを有する方法
について中心的に説明したが、例えば、結着液が結合剤として熱可塑性樹脂を含むものを
用いた場合には、結着液付与工程の後に硬化工程(結合工程)を設ける必要がない(結着
液付与工程に結合工程を兼ねさせることができる)。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施
例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に温度条件を示してい
ない処理は、室温(25℃)において行ったものである。また、各種測定条件についても
特に温度条件を示していないものは、室温(25℃)における数値である。
[1]層形成用組成物の製造
(実施例1)
まず、多数個の多孔質粒子からなる合成非晶質シリカ粉末を用意した。
このシリカ粉末を、40℃のヘキサメチルジシラザン蒸気中で、撹拌することにより、
疎水化処理を行った。この疎水化処理により、空孔内を含む表面にメチル基が導入された
三次元造形用粉末が得られた。
得られた三次元造形用粉末を構成する粒子の平均粒径は2.6μm、Dmaxは10μ
m、空孔率は80%、平均空孔径は60nmであった。また、三次元造形用粉末の空隙率
は、93%であった。なお、平均粒径およびDmaxは、サンプルをメタノールに添加し
、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(CO
ULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチ
ャーを用いて測定することにより求めた。また、空孔率、平均空孔径は、ポロシメーター
2000型(アムコ社製)による水銀法測定により求めた。
次に、前記のようにして得られた三次元造形用粉末(三次元造形物の構成成分):65
質量部と、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(平均粒径:5μm):1.0質量部と
、溶剤としての水:31質量部と、バインダーとしてのポリビニルアルコール(重量平均
分子量:200000):3.0質量部とを混合し、層形成用組成物を得た。
[2]三次元造形物の製造
前記のようにして得られた層形成用組成物を用いて、図5に示すような形状、すなわち
、JIS K 7139:1996(ISO 3167:1993)に準拠したダンベル
状の三次元造形物A(全長:200mm)、および、図6に示すような形状、すなわち、
厚さ:4mm×幅:10mm×長さ:80mmの立方体形状である三次元造形物Bを、以
下のようにして製造した。
まず、支持体(ステージ)の表面に、層形成用組成物を用いて、スキージー法により、
厚さ:20μmの層を形成した(層形成工程)。本工程における組成物の粘度は、100
00mPa・sであった。
次に、形成された層を加熱する溶媒除去工程(層加熱工程)を行った。
溶媒除去工程では、加熱温度:40℃×加熱時間:20秒という条件の第1の加熱処理
と、加熱温度:50℃×加熱時間:20秒という条件の第2の加熱処理とをこの順で行っ
た。
また、第1の加熱処理、第2の加熱処理は、いずれも、熱風の吹き付けにより行った。
第1の加熱処理での熱風の風速は7.5m/秒、第2の加熱処理での熱風の風速は7.5
m/秒であった。
次に、層が形成された空間(サーマルチャンバー内)を、200℃で240秒保持した
(発泡工程)。これにより、層中に気泡が発生し、層は、発泡により生じた空隙を有する
ものとなった。
また、発泡工程終了時における層中の空隙率は、68体積%であった。
次に、空隙が形成された層に、インクジェット法により、所定のパターンでインク(結
着液)を付与した(結着液付与工程)。インクとしては、以下の組成で25℃における粘
度が18mPa・sのものを用いた。
<重合性化合物>
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量%
・フェノキシエチルアクリレート:10質量%
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量%
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量%
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量%
<重合開始剤>
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質
量%
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量%
<蛍光増白剤(増感剤)>
・1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレン:0.25質量%
次に、前記層に紫外線を照射し、層中に含まれる結合剤を硬化させた(硬化工程)。
その後、製造すべき三次元造形物の形状に応じて、インクの付与パターンを変更しつつ
、複数の層が積層するように、前記層形成工程ないし硬化工程の一連の工程を繰り返し行
った。
その後、前記のようにして得られた積層体を水中に浸漬し、超音波振動を付与すること
により、各層のうち結合剤により結合していないもの(未結合部)を除去し、三次元造形
物Aおよび三次元造形物Bをそれぞれ2個ずつ得た。
その後、60℃×20分間という条件で、乾燥処理を施した。
(実施例2〜8)
層形成用組成物の調製に用いる原料の種類、各成分の配合比を変更することにより、層
形成用組成物の構成を表1に示すように変更し、発泡工程での処理条件を表1に示すよう
にした以外は、前記実施例1と同様にして層形成用組成物、三次元造形物を製造した。
(比較例1、2)
層形成用組成物の調製において、発泡剤を用いず、各成分の配合比率を表1に示すよう
にした以外は、前記実施例と同様にして層形成用組成物、三次元造形物を製造した。
前記各実施例および比較例の層形成用組成物の構成、発泡工程での処理条件を表1にま
とめて示す。なお、表1中、アゾジカルボンアミドを「ADCA」、ジニトロソペンタメ
チレンテトラミンを「DPT」、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルホドラジドを
「OBSH」、ヒドラゾジカルボンアミドを「HDCA」、炭酸水素ナトリウムを「Na
HCO」、実施例1で用いた疎水化処理が施されたシリカを「SiO」、アルミナを
「Al」、炭酸カルシウムを「CaCO」、二酸化チタンを「TiO」、ポリ
メタクリル酸メチルを「PMMA」、ポリビニルアルコール(重量平均分子量:2000
00)を「PVA」、ポリカプロラクトンジオール(重量平均分子量:1000)を「P
CL」、ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:50000)を「PVP」、クエン酸
を「CA」、尿素を「UR」で示した。
また、前記各実施例の層形成用組成物に含まれるバインダー(水溶性樹脂)は、いずれ
も、25℃における水に対する溶解度が20[g/100g水]以上のものであった。
なお、前記各実施例では、層形成工程における層形成用組成物の粘度は、いずれも、5
00mPa・s以上1000000mPa・s以下の範囲内の値であった。
Figure 2016097578
[3]評価
[3.1]寸法精度
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Bについて、厚さ、幅、長さを測定し、設
計値からのずれ量を求め、以下の基準に従い評価した。
A:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値
からのずれ量が1.0%未満である。
B:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値
からのずれ量が1.0%以上2.0%未満である。
C:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値
からのずれ量が2.0%以上4.0%未満である。
D:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値
からのずれ量が4.0%以上7.0%未満である。
E:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値
からのずれ量が7.0%以上である。
[3.2]引張強度および引張弾性率
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Aについて、JIS K 7161:19
94(ISO 527:1993)に準拠し、引張降伏応力:50mm/分、引張弾性率
:1mm/分という条件で測定を行い、引張強度および引張弾性率について、以下の基準
に従い評価した。
(引張強度)
A:引張強度が38MPa以上。
B:引張強度が33MPa以上38MPa未満。
C:引張強度が23MPa以上33MPa未満。
D:引張強度が13MPa以上23MPa未満。
E:引張強度が13MPa未満。
(引張弾性率)
A:引張弾性率が1.6GPa以上。
B:引張弾性率が1.4GPa以上1.6GPa未満。
C:引張弾性率が1.2GPa以上1.4GPa未満。
D:引張弾性率が1.0GPa以上1.2GPa未満。
E:引張弾性率が1.0GPa未満。
[3.3]曲げ強度および曲げ弾性率
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Bについて、JIS K 7171:19
94(ISO 178:1993)に準拠し、支点間距離64mm、試験速度:2mm/
分という条件で測定を行い、曲げ強度および曲げ弾性率について、以下の基準に従い評価
した。
(曲げ強度)
A:曲げ強度が68MPa以上。
B:曲げ強度が63MPa以上68MPa未満。
C:曲げ強度が48MPa以上63MPa未満。
D:曲げ強度が33MPa以上48MPa未満。
E:曲げ強度が33MPa未満。
(曲げ弾性率)
A:曲げ弾性率が2.5GPa以上。
B:曲げ弾性率が2.4GPa以上2.5GPa未満。
C:曲げ弾性率が2.3GPa以上2.4GPa未満。
D:曲げ弾性率が2.2GPa以上2.3GPa未満。
E:曲げ弾性率が2.2GPa未満。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2016097578
表2から明らかなように、本発明では、寸法精度に優れ、機械的強度に優れた三次元造
形物を得ることができた。特に、層形成用組成物中に所定の割合で発泡助剤を含む実施例
では、発泡工程での処理条件を比較的穏やかなものとしても優れた生産性で三次元造形物
を製造することができた。これに対し、比較例では、満足のいく結果が得られなかった。
10…三次元造形物
1…層
1’…組成物(層形成用組成物)
11…発泡剤
12…粒体(三次元造形物の構成成分としての粒体)
13…バインダー
2…結着液
3…結合部(硬化部)
4…空隙
50…支持体(ステージ)

Claims (12)

  1. 層を成形した後当該層に結合剤を含む結着液を付与する一連の処理を繰り返し行うこと
    により積層体としての三次元造形物を製造するのに用いる層形成用組成物であって、
    前記三次元造形物の構成成分として機能する粒体と、発泡剤とを含むことを特徴とする
    層形成用組成物。
  2. 層形成用組成物は、さらに、溶剤と、バインダーとを含むものである請求項1に記載の
    層形成用組成物。
  3. 前記溶剤として水を含む請求項2に記載の層形成用組成物。
  4. 前記発泡剤として、熱分解型発泡剤を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の層
    形成用組成物。
  5. 前記発泡剤として、炭酸水素ナトリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾ
    ジカルボンアミド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルホドラジドおよびヒドラゾ
    ジカルボンアミドよりなる群から選択される1種または2種以上を含む請求項1ないし4
    のいずれか1項に記載の層形成用組成物。
  6. 層形成用組成物中における前記発泡剤の含有率が0.1質量%以上20質量%以下であ
    る請求項1ないし5のいずれか1項に記載の層形成用組成物。
  7. 60℃以上250℃以下の温度において、前記発泡剤による発泡が進行するものである
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の層形成用組成物。
  8. 三次元造形物の構成成分としての粒体および発泡剤を含む層形成用組成物を用いて、所
    定の厚さを有する層を形成する層形成工程と、
    前記発泡剤から気泡を発生させる発泡工程と、
    前記層のうち所定の領域に、結合剤を含む結着液を付与する結着液付与工程とを有し、
    これらの工程を順次繰り返し行うことにより、三次元造形物を製造することを特徴とす
    る三次元造形物の製造方法。
  9. 前記結着液が付与される前記層の空隙率が10体積%以上90体積%以下である請求項
    8に記載の三次元造形物の製造方法。
  10. 前記発泡工程は、前記層を60℃以上250℃以下の温度に加熱することにより行うも
    のである請求項8または9に記載の三次元造形物の製造方法。
  11. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の層形成用組成物を用いて製造されたことを特
    徴とする三次元造形物。
  12. 請求項8ないし10のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法を用いて製造され
    たことを特徴とする三次元造形物。
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