JP2016097420A - Au−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層 - Google Patents

Au−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層 Download PDF

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【課題】本発明は、300℃以上の高い温度環境下で使用可能なAu−Sn合金はんだを得ることが可能で、かつコストを低減することの可能なAu−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層を提供することを課題とする。
【解決手段】Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Snアトマイズ粉末と、Au−Snアトマイズ粉末と混合されるフラックスと、を含み、Au−Snアトマイズ粉末に含まれる酸素濃度を50ppm以上1500ppm以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、Au−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層に関する。
特許文献1の背景技術には、Au−Sn合金はんだとして、融点が278℃とされたAu−20質量%Snを含むAu−20質量%Sn合金はんだペーストや、融点が217℃とされたAu−90質量%Snを含むAu−90質量%Sn合金はんだペーストが開示されている。
上記はんだペーストのうち、融点の高いAu−20質量%Sn合金はんだペーストは、例えば、高温環境下で使用されている。
特開2011−167761号公報
ところで、近年、高温環境下で使用される電子部品で使用されるAu−Sn合金はんだとしては、300℃以上の高い温度環境下で使用可能なものが望まれている。例えば、電気自動車等に用いられる電力制御用のパワー半導体においては、大電流が印加されることから発熱量が多く、さらに、エンジンルーム等の高温環境下で使用されるため、上記のような高い温度環境下で使用可能なはんだが望まれている。
しかしながら、従来の高融点はんだであるAu−20質量%Sn合金はんだの融点は、278℃であるため、300℃以上の高い温度環境下で使用することが困難であった。
また、Au−20質量%Sn合金はんだを形成する際に使用するAu−20質量%Sn合金はんだペーストは、Auの比率が80質量%と高いため、コストが増加してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、300℃以上の高い温度環境下で使用可能で、かつコストを低減することの可能なAu−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一観点によれば、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Snアトマイズ粉末と、前記Au−Snアトマイズ粉末と混合されるフラックスと、を含み、前記Au−Snアトマイズ粉末に含まれる酸素濃度は、50ppm以上1500ppm以下であることを特徴とするAu−Sn合金はんだペーストが提供される。
本発明によれば、Au−Sn合金はんだペーストが、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Snアトマイズ粉末を含むことで、Au−Sn合金はんだの融点を、300℃よりも高温にすることが可能となる。
これにより、上記Au−Sn合金はんだペーストを用いて形成されるAu−Sn合金はんだ層を、300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
また、従来の高融点はんだであるAu−20質量%Sn合金はんだのAu比率と比較して、高価なAuの比率を46質量%以上62質量%以下まで低減させることが可能となる。これにより、Au−20質量%Sn合金はんだペーストと比較して、Au−Sn合金はんだペーストのコストを低減することができる。
ところで、Au−Snアトマイズ粉末を作製する場合、Au−Snアトマイズ粉末中のSn濃度が高くなると粉末同士が凝集しやすく、分級後のAu−Snアトマイズ粉末の歩留りが低下する恐れがある。
金属表面が酸化されていない状態では、表面の活性が非常に高く(不安定に)なるため、粉末同士が凝集する事で、安定な状態になろうとする。
そこで、上記のように、Au−Snアトマイズ粉末に含まれる酸素濃度を50ppm以上とすることで、Au−Snアトマイズ粉末の凝集が抑制されるため、分級後のAu−Snアトマイズ粉末の歩留りを向上させることができる。また、1500ppm以下なので、フラックスと混合した場合は、溶融性に悪影響がない。
上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、前記Au−Snアトマイズ粉末の平均粒径は、1〜30μmの範囲内であってもよい。
Au−Snアトマイズ粉末の平均粒径が1μmよりも小さいと、Au−Sn合金はんだペーストを印刷後にリフロー処理する際に、Au−Snアトマイズ粉末が溶融しにくくなる恐れがある。
一方、Au−Snアトマイズ粉末の平均粒径が30μmよりも大きいと、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性が悪くなるとともに、フラックスとAu−Snアトマイズ粉末とが分離する恐れがある。
したがって、Au−Snアトマイズ粉末の平均粒径を1〜30μmの範囲内することで、フラックスとAu−Snアトマイズ粉末との分離を抑制できるとともに、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性の低下を抑制でき、さらに、リフロー処理時にAu−Snアトマイズ粉末を溶融させやすくすることができる。
上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、前記フラックスの含有量は、前記ペースト全体の5質量%以上40質量%以下であってもよい。
フラックスの含有量(Au−Sn合金はんだペーストの総量を100質量%としたときのフラックスの含有量)が5質量%よりも少ないと、Au−Sn合金はんだペーストの粘度が高くなりすぎるため、印刷法を用いてAu−Sn合金はんだペーストを印刷することが困難となる恐れがある。
一方、フラックスの含有量が40質量%を超えると、Au−Sn合金はんだペーストの印刷時に印刷ダレが発生しやすくなるとともに、リフロー処理時にAu−Snアトマイズ粉末の凝集不足が発生する恐れがある。
したがって、混合粉末及びフラックスの含有量を上記数値範囲内とすることで、印刷ダレの発生、並びにAu−Snアトマイズ粉末の凝集不足の発生を抑制した上で、Au−Sn合金はんだペーストを容易に印刷することができる。
上記課題を解決するため、本発明の他の観点によれば、請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載のAu−Sn合金はんだペーストを、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度で溶融させることを特徴とするAu−Sn合金はんだ層の製造方法が提供される。
本発明によれば、Au−Sn合金はんだペーストを、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度で溶融させることで、Au−Sn合金はんだ層が309℃以上の温度で溶融するため、300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
また、従来の高融点はんだであるAu−20質量%Sn合金はんだのAu比率と比較して、高価なAuの比率を46質量%以上62質量%以下まで低減させることが可能となる。これにより、Au−20質量%Sn合金はんだペーストと比較して、Au−Sn合金はんだペーストのコストを低減することができる。
上記課題を解決するため、本発明のその他の観点によれば、請求項4記載のAu−Sn合金はんだ層の製造方法により得られたことを特徴とするAu−Sn合金はんだ層が提供される。
本発明によれば、Au−Sn合金はんだ層が309℃以上の温度で溶融するため、Au−Sn合金はんだ層を300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
本発明によれば、300℃以上の高い温度環境下で使用可能なAu−Sn合金はんだ層を得ることができ、かつAu−Sn合金はんだ層のコストを低減することができる。
Au−Sn合金の状態図である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。
<Au−Sn合金はんだペースト>
本実施の形態のAu−Sn合金はんだペーストは、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Snアトマイズ粉末と、Au−Snアトマイズ粉末と混合されるフラックスと、を含み、Au−Snアトマイズ粉末に含まれる酸素濃度が50ppm以上1500ppm以下とされている。
上記Au−Snアトマイズ粉末の平均粒径は、例えば、1〜30μmの範囲内に設定してもよい。
また、上記フラックスの含有量は、例えば、ペースト全体の5質量%以上45質量%以下にしてもよい。
フラックスとしては、例えば、一般的なフラックス(例えば、ロジン、活性剤、溶剤、増粘剤等を含むフラックス)を用いることができる。フラックスとしては、Au−Sn合金はんだペーストの濡れ性の観点から、例えば、弱活性(RMA)タイプのフラックスや活性(RA)タイプのフラックス等を用いるとよい。
<Au−Sn合金はんだペーストの製造方法>
次に、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法を簡単に説明する。
始めに、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金を準備し、該Au−Sn合金を溶解することで、溶湯を作製する。
次いで、該溶湯の温度を所定の温度(例えば、600〜1000℃)に保持するとともに、該溶湯を機械攪拌する。
Au−Snアトマイズ粉末は、例えば、ガスアトマイズ法により形成することができる。具体的には、例えば、所定の組成(Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物の範囲内の所定の組成)とされたAu−Sn合金を溶融して得られる溶湯を所定の温度(例えば、550〜1000℃)に保持し、該溶湯を撹拌(例えば、機械攪拌)しながら、或いは攪拌後に、該溶湯を加圧(例えば、圧力が300〜800kPa)しながら、小径ノズル(直径1〜2mm)から不活性ガスを用いて噴霧することで形成する。
上記噴霧の条件としては、例えば、噴霧圧力を5000〜8000kPa、ノズルギャップを0.3以下とすることができる。
次いで、該Au−Snアトマイズ粉末を分級することで、上述した平均粒径とされ、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Snアトマイズ粉末を作製する。
上記機械攪拌としては、例えば、プロペラ撹拌が好ましい。また、機械攪拌と、電磁撹拌のような電気的撹拌を併用してもよい。
機械攪拌としてプロペラ撹拌を用いる場合、プロペラの回転速度は、例えば、60〜100rpmとすることができる。この場合の撹拌時間は、例えば、3分〜10分の範囲内で適宜選択することができる。
上記Au−Snアトマイズ粉末を作製する工程では、例えば、上記不活性ガスに酸素を添加したガスを用いて、上述した組成及び平均粒径とされたAu−Snアトマイズ粉末を作製するとよい。
ガスアトマイズ時の不活性ガス及び酸素の混合比については、得られた粉末の酸素濃度が1500ppmを超えないように調節する。不活性ガス及び酸素よりなるガスに含まれる酸素の濃度は、例えば、10〜100ppmにすることができる。ガス中における酸素の濃度が10ppmよりも少ないと、Au−Snアトマイズ粉末を構成するSnを酸化させる効果を十分に得ることが難しくなり、Au−Snアトマイズ粉末中の酸素が50ppm未満となるため、Au−Snアトマイズ粉末の凝集を抑制する効果を十分に得ることが困難となってしまう。
一方、ガスに含まれる酸素の濃度が100ppmよりも多いと、粉末中の酸素が1500ppmを超え、溶融性が低下する恐れがある。
なお、同じ酸素濃度のガスを用いた場合、粒径の大きい粉末を作製すると、粉末の比表面積が小さいため、必然的に粉末中の酸素濃度は低くなる。一方で、粒径の小さい粉末を作製した場合は、比表面積が大きくなるため、酸素濃度は高くなる。このため、目標とする粉末の粒径と酸素濃度に応じて、ガス中の酸素濃度を調整する必要がある。
次いで、上述した平均粒径及び組成とされたAu−Snアトマイズ粉末と、フラックスと、を混合させることで、Au−Sn合金はんだペーストが製造される。このときの混合方法としては、例えば、遊星撹拌法を用いることができる。
<Au−Sn合金はんだ層>
図1は、Au−Sn合金の状態図である。
Au−Sn合金はんだ層は、印刷法により、上述したAu−Sn合金はんだペーストを印刷後、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度でリフローさせることで得られるSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだ層である。
図1を参照するに、Au−Sn合金に含まれるSnが20質量%よりも多く、38質量%より少ないと、固相線の温度が278℃となり、Au−Sn合金に含まれるSnが54質量%よりも多く、かつ70質量%よりも少ないと、固相線の温度が258℃となる。そして、Au−Sn合金に含まれるSnが38質量%以上54質量%以下になると、固相線の温度は、278℃よりも高い309℃となる。
つまり、Au−Sn合金はんだ層の組成をSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物とすることで、Au−Sn合金はんだ層が溶融する固相線の温度を300℃以上にすることができる。
上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、フラックスの含有量(Au−Sn合金はんだペーストの総量を100質量%としたときのフラックスの比率)が5質量%よりも少ないと、Au−Sn合金はんだペーストの粘度が高くなりすぎるため、印刷法を用いてAu−Sn合金はんだペーストを印刷することが困難となる恐れがある。
一方、フラックスの含有量が40質量%を超えると、Au−Sn合金はんだペーストの印刷時に印刷ダレが発生しやすくなるとともに、Au−Snアトマイズ粉末の凝集不足が発生する恐れがある。
したがって、Au−Snアトマイズ粉末及びフラックスの含有量を上記範囲内とすることで、印刷ダレの発生、並びにAu−Snアトマイズ粉末の凝集不足の発生を抑制した上で、Au−Sn合金はんだペーストを容易に印刷することができる。
上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、Au−Snアトマイズ粉末の平均粒径が0.1μmよりも小さいと、Au−Sn合金はんだペーストを印刷後にリフロー(溶融)処理する際に、Au−Snアトマイズ粉末を溶融させにくくなってしまう恐れがある。
一方、Au−Snアトマイズ粉末の平均粒径が30μmよりも大きいと、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性が悪くなるとともに、フラックスとAu−Snアトマイズ粉末とが分離してしまう恐れがある。
したがって、Au−Snアトマイズ粉末の平均粒径を0.1〜30μmの範囲内することで、フラックスとAu−Snアトマイズ粉末との分離を抑制できるとともに、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性の低下を抑制でき、さらに、リフロー処理時にAu−Snアトマイズ粉末を溶融させやすくすることができる。
本実施の形態のAu−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層によれば、Au−Sn合金はんだペーストが、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Snアトマイズ粉末を含むことで、Au−Sn合金はんだの融点を300℃よりも高温にすることが可能となる。
これにより、上記Au−Sn合金はんだペーストを用いて形成されるAu−Sn合金はんだ層を、300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
また、従来の高融点はんだであるAu−20質量%Sn合金はんだのAu比率と比較して、高価なAuの比率を46質量%以上62質量%以下まで低減させることが可能となる。これにより、Au−20質量%Sn合金はんだペーストと比較して、Au−Sn合金はんだペーストのコストを低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、Au−Sn合金はんだペーストの塗布方法の一例として、印刷工法を例に挙げて説明したが、印刷工法に替えて、ディスペンス工法やピン転写工法を用いてもよい。
また、本実施の形態では、一例として、通常の不活性ガス雰囲気下でリフロー処理を行う場合を例に挙げて説明した。この場合、リフロー温度を高温にしすぎると、リフロー処理後に行うフラックスの洗浄工程において、フラックスの洗浄性が悪くなる恐れがある。
また、通常の不活性ガス雰囲気下でリフロー処理を行う場合において、リフロー温度を固相線温度以下の温度にすると、Au−Snアトマイズ粉末を溶融させることが困難となる。
これらの理由により、本実施の形態では、リフロー温度を309℃以上とした場合を例に挙げて説明した。
しかしながら、真空中でリフロー処理を行うことの可能な真空リフロー装置等の装置が高温対応可能な炉を有する場合には、通常のAu−Sn合金組成の液相線温度よりも20〜30℃高い温度でリフロー処理を行ってもよい。
以下、実施例及び比較例について説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。
<Au−Sn合金はんだペーストの作製>
表1に示す条件で、上述した手法により、実施例1〜12のAu−Sn合金はんだペーストP1〜P12、及び比較例1〜4のAu−Sn合金はんだペーストQ1〜Q4を作製した。
Figure 2016097420
具体的には、下記方法を用いて、Au−Sn合金はんだペーストP1〜P12,Q1〜Q4を作製した。
始めに、表1に示す組成Au−Sn合金を準備し、該Au−Sn合金を溶解させることで溶湯を作製し、該溶湯の温度を800℃に保持するとともに、該溶湯を機械攪拌した。
次いで、機械攪拌された状態の溶湯を500kPaで加圧させながら、噴射圧力が6000kPaの条件で、直径が1.5mmの小径ノズルから該溶湯を導出させるとともに、導出された溶湯に対して、アルゴン及び酸素よりなるガスを噴射することで、Au−Snアトマイズ粉末を作製した。このとき、ノズルギャップは、0.2mmとした。
その後、該Au−Snアトマイズ粉末を風力分級することで、表1に示す平均粒径及び組成とされ、かつ残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Snアトマイズ粉末を作製した。
次いで、上述した平均粒径及び組成とされたAu−Snアトマイズ粉末と、フラックスと、を混合させることで、Au−Sn合金はんだペーストが製造される。このときの混合方法としては、例えば、遊星撹拌法を用いることができる。
次いで、上記Au−Snアトマイズ粉末とRAタイプのフラックスとを混合させることで、Au−Sn合金はんだペーストP1〜P12,Q1〜Q4を作製した。
<酸素濃度の評価>
不活性ガス融解−赤外線吸収法により、得られたAu−Snアトマイズ粉末中の酸素濃度を測定した。
<分級後の歩留り評価>
分級後の歩留りは、投入したAu−Snアトマイズ粉末の量に対して、分級後に得られたAu−Snアトマイズ粉末の量の割合で算出した。
<平均の粒径の評価>
レーザー回折法により、得られたAu−Snアトマイズ粉末の平均の粒径を測定した。
<溶融開始温度>
DSC(示差走査熱量測定計)により、補外開始温度を測定し、この温度を溶融開始温度とした。
<印刷性の評価試験>
始めに、電解めっき法により、コバール製板(長さ30mm×幅20mm)の表面に、厚さ5μmのNiめっき層と、厚さ0.1μmのAuめっき層と、を順次形成することで、評価用基板を作製した。
次いで、パッケージサイズ1610(長さ1.6mm×幅1.0mm)のAu−Sn合金はんだ枠を形成するため、幅60μmとされた枠状貫通溝が100個設けられ、かつ厚さが15μmとされた印刷用ステンシルマスクを準備した。
次いで、評価用基板上に、印刷用ステンシルマスクを用いてAu−Sn合金ペーストを印刷した。次いで、評価用基板から印刷用ステンシルマスクを除去した。
その後、光学顕微鏡を用いて、評価用基板に形成された100個の枠状とされたAu−Sn合金はんだペースト(以下、「枠状はんだペースト」という)を観察し、印刷用ステンシルマスクの枠状貫通溝と同じ形状とされた枠状はんだペーストの数が90個以上の場合を○と判定し、80個以上90個未満の場合を△と判定した。
なお、枠状貫通溝と同じ形状とされた枠状はんだペーストとは、枠状はんだペーストの枠が途切れていなくて、かつ枠状はんだペーストの枠に欠けが無い枠状はんだペーストのことをいう。
<溶融性の評価試験>
印刷性の評価試験に使用した評価用基板(具体的には、印刷用ステンシルマスクが除去され、かつ100個の枠状はんだペーストが形成された評価用基板)を用いて、下記手法により行った。
始めに、窒素雰囲気下において、100個の枠状はんだペーストが形成された評価用基板を加熱することで、枠状はんだペーストをリフロー処理させて、はんだ層を作製した。このとき、ピーク温度を320℃とし、リフロー処理時間を3分とした。
その後、上述した光学顕微鏡を用いて、リフロー処理された100個の枠状はんだペーストを観察し、溶け残りのある枠状はんだペーストの数が2個以下の場合には、○と判定し、溶け残りのある枠状はんだペーストの数が3個以上5個以下の場合には、△と判定し、溶け残りのある枠状はんだペーストの数が5個よりも多い場合には、×と判定した。このとき、未凝集粉がある場合を溶け残りがあると判定した。
<評価試験結果のまとめ>
表1を参照するに、枠状はんだペーストの溶融温度を300℃以上にするためには、アトマイズ粉末に含まれるSnが37%よりも多く、かつ55%よりも少なくする必要があることが確認できた。
また、実施例1〜13では、印刷性及び溶融性の両方の評価結果が△か○になることが確認できた。
アトマイズ粉末中の酸素濃度が52〜1500ppmの範囲内では、溶融性の結果が△か○となり、1500ppmを超えると溶融性が悪くなる(×の評価になる)ことが確認できた。
アトマイズ粉末中の酸素濃度が7ppmになると、分級後のアトマイズ粉末の歩留りが80%よりも低くなってしまうことが確認できた。なお、実施例1〜13では、分級後のアトマイズ粉末の歩留りが80%であり、良好な結果となった。
アトマイズ粉末の平均粒径が1μmよりも小さいと、平均粒径が1μm以上の場合と比較して、溶融性がやや低下することが確認できた。また、30μm超えでは印刷性低下フラックスの比率が5wt%よりも少ないと、印刷性及び溶融性の評価結果が△になることが確認できた。また、フラックスの比率が40wt%よりも多い場合にも、印刷性及び溶融性の評価結果が△になることが確認できた。

Claims (5)

  1. Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Snアトマイズ粉末と、前記Au−Snアトマイズ粉末と混合されるフラックスと、を含み、
    前記Au−Snアトマイズ粉末に含まれる酸素濃度は、50ppm以上1500ppm以下であることを特徴とするAu−Sn合金はんだペースト。
  2. 前記Au−Snアトマイズ粉末の平均粒径は、1〜30μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のAu−Sn合金はんだペースト。
  3. 前記フラックスの含有量は、前記ペースト全体の5質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のAu−Sn合金はんだペースト。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項記載のAu−Sn合金はんだペーストを、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度で溶融させることを特徴とするAu−Sn合金はんだ層の製造方法。
  5. 請求項4記載のAu−Sn合金はんだ層の製造方法により得られたことを特徴とするAu−Sn合金はんだ層。
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