JP2016087606A - Au−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層 - Google Patents

Au−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、300℃以上の高い温度環境下で使用可能なAu−Sn合金はんだを得ることが可能で、かつコストを低減することの可能なAu−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層を提供することを課題とする。
【解決手段】Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだペーストであって、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、が混合された混合粉末と、該混合粉末と混合されるフラックスと、を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、Au−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法、Au−Sn合金はんだペーストを用いたAu−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層に関する。
特許文献1の背景技術には、Au−Sn合金はんだとして、融点が278℃とされたAu−20質量%Snを含むAu−20質量%Sn合金はんだペーストや、融点が217℃とされたAu−90質量%Snを含むAu−90質量%Sn合金はんだペーストが開示されている。
上記はんだペーストのうち、融点の高いAu−20質量%Sn合金はんだペーストは、例えば、高温環境下で使用されている。
特開2011−167761号公報
ところで、近年、高温環境下で使用される電子部品で使用されるAu−Sn合金はんだとしては、300℃以上の高い温度環境下で使用可能なものが望まれている。例えば、電気自動車等に用いられる電力制御用のパワー半導体においては、大電流が印加されることから発熱量が多く、さらに、エンジンルーム等の高温環境下で使用されるため、上記のような高い温度環境下で使用可能なはんだが望まれている。
しかしながら、従来の高融点はんだであるAu−20質量%Sn合金はんだの融点は、278℃であるため、300℃以上の高い温度環境下で使用することが困難であった。
また、Au−20質量%Sn合金はんだを形成する際に使用するAu−20質量%Sn合金はんだペーストは、Auの比率が80質量%と高いため、コストが増加してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、300℃以上の高い温度環境下で使用可能で、かつコストを低減することの可能なAu−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一観点によれば、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだペーストであって、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、が混合された混合粉末と、前記混合粉末と混合されるフラックスと、を含むことを特徴とするAu−Sn合金はんだペーストが提供される。
本発明によれば、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、を含むAu−Sn合金はんだペーストにより形成されるSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだの融点を、300℃よりも高温にすることが可能となる。
これにより、上記Au−Sn合金はんだペーストを用いて形成されるSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを、300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
また、従来の高融点はんだであるAu−20質量%Sn合金はんだのAu比率と比較して、高価なAuの比率を46質量%以上62質量%以下まで低減させることが可能となる。これにより、Au−20質量%Sn合金はんだペーストと比較して、Au−Sn合金はんだペーストのコストを低減することができる。
上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、前記混合粉末の含有量は、ペースト全体の60質量%以上95質量%以下であり、前記フラックスの含有量は、前記ペースト全体の5質量%以上40質量%以下であってもよい。
フラックスの含有量(Au−Sn合金はんだペーストの総量を100質量%としたときのフラックスの含有量)が5質量%よりも少ないと、Au−Sn合金はんだペーストの粘度が高くなりすぎるため、印刷法を用いてAu−Sn合金はんだペーストを印刷することが困難となる恐れがある。
一方、フラックスの含有量が40質量%を超えると、Au−Sn合金はんだペーストの印刷時に印刷ダレが発生しやすくなるとともに、リフロー処理する際に第1及び第2のAu−Sn粉末の凝集不足が発生する恐れがある。
したがって、混合粉末及びフラックスの含有量を上記数値範囲内とすることで、印刷ダレの発生、並びに第1及び第2のAu−Sn粉末の凝集不足の発生を抑制した上で、Au−Sn合金はんだペーストを容易に印刷することができる。
上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、前記第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径は、0.1〜30μmの範囲内であってもよい。
第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径が0.1μmよりも小さいと、Au−Sn合金はんだペーストを印刷後にリフロー処理する際に、第1及び第2のAu−Sn粉末を溶融させにくくなってしまう恐れがある。
一方、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径が30μmよりも大きいと、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性が悪くなるとともに、フラックスと第1及び第2のAu−Sn粉末とが分離することがある。
したがって、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径を0.1〜30μmの範囲内することで、フラックスと第1及び第2のAu−Sn粉末との分離を抑制できるとともに、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性の低下を抑制でき、さらに、リフロー処理時に第1及び第2のAu−Sn粉末を溶融させやすくすることができる。
上記課題を解決するため、本発明の他の観点によれば、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを作製する際に使用するAu−Sn合金はんだペーストの製造方法であって、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、を混合して混合粉末を生成する工程と、前記混合粉末とフラックスとを混合させる工程と、を含むことを特徴とするAu−Sn合金はんだペーストの製造方法が提供される。
本発明によれば、300℃以上の高い温度環境下で使用可能なSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを形成できるとともに、Au−20質量%Sn合金はんだ用ペーストと比較して、Au−Sn合金はんだペーストのコストを低減することができる。
また、低融点の第1のAu−Sn粉末と第2のAu−Sn粉末とを混合させることで、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだの液相線温度以下で混合粉末及びフラックスよりなるAu−Sn合金はんだのリフローを行うことができる。
上記課題を解決するため、本発明のその他の観点によれば、請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載のAu−Sn合金はんだペーストを、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度で溶融させることを特徴とするAu−Sn合金はんだ層の製造方法が提供される。
本発明によれば、Au−Sn合金はんだペーストを、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度で溶融させることで、はんだ層が309℃以上の温度で溶融するため、300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
また、Au−Sn合金はんだペーストを母材とするSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだは、従来の高融点はんだであるAu−20質量%Sn合金はんだよりも高価なAuの含有量が少ないため、コストを低減することができる。
上記課題を解決するため、本発明のその他の観点によれば、請求項5記載のAu−Sn合金はんだ層の製造方法により得られたAu−Sn合金はんだ層が提供される。
本発明によれば、Au−Sn合金はんだ層が309℃以上の温度で溶融するため、Au−Sn合金はんだ層を300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
本発明によれば、300℃以上の高い温度環境下で使用可能なAu−Sn合金はんだ層を得ることができ、かつAu−Sn合金はんだ層のコストを低減することができる。
Au−Sn合金の状態図である。 実施例3のAu−Sn合金はんだペーストを加熱溶融させたときの表面の写真である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。
<Au−Sn合金はんだペースト>
本実施の形態のAu−Sn合金はんだペーストは、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを作製する際に使用するAu−Sn合金はんだペーストであって、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、が混合された混合粉末と、混合粉末と混合されるフラックスと、を含んだ構成とされている。
上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、混合粉末の含有量は、Au−Sn合金はんだペースト全体の60質量%以上95質量%以下であり、フラックスの含有量は、Au−Sn合金はんだペースト全体の5質量%以上40質量%以下とされている。
フラックスとしては、例えば、一般的なフラックス(例えば、ロジン、活性剤、溶剤、増粘剤等を含むフラックス)を用いることができる。フラックスとしては、Au−Sn合金はんだペーストの濡れ性の観点から、例えば、弱活性(RMA)タイプのフラックスや活性(RA)タイプのフラックス等を用いるとよい。
また、上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径は、例えば、0.1〜30μmの範囲内とすることができる。
本実施の形態のAu−Sn合金はんだペーストは、印刷工法のみでの使用に限定されない。該Au−Sn合金はんだペーストは、例えば、ディスペンス工法やピン転写工法に用いてもよい。
<Au−Sn合金はんだペーストの製造方法>
次に、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法を簡単に説明する。
始めに、上述した組成及び平均粒径とされた第1及び第2のAu−Sn粉末を準備する。
具体的には、例えば、下記処理を行うことで、上述した組成及び平均粒径とされた第1及び第2のAu−Sn粉末を準備する。
第1及び第2のAu−Sn粉末は、例えば、ガスアトマイズ法により形成することができる。この場合、第1のAu−Sn粉末は、例えば、所定の組成(Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物の範囲内の所定の組成)とされたAu−Sn合金を溶融して得られる溶湯を所定の温度(例えば、450〜1000℃)に保持し、該溶湯を撹拌(例えば、機械攪拌)しながら、或いは攪拌後に、該溶湯を加圧(例えば、圧力が300〜800kPa)しながら、小径ノズル(直径1〜2mm)から不活性ガスを用いて噴霧することで形成する。
上記噴霧の条件としては、例えば、噴霧圧力を5000〜8000kPa、ノズルギャップを0.3以下とすることができる。
第2のAu−Sn粉末は、所定の組成(Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物の範囲内の所定の組成)とされたAu−Sn合金を用いること以外は、第1のAu−Sn粉末と同様な手法により形成することができる。
次いで、周知の手法により、上記第1及び第2のAu−Sn粉末を分級することで、上記平均粒径とされた第1及び第2のAu−Sn粉末を取得する。このときの分級方法としては、例えば、風力分級法を用いることができる。
次いで、第1のAu−Sn粉末と、第2のAu−Sn粉末と、を混合して混合粉末を生成する。このときの混合方法としては、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、サンドミル法等の方法を用いることができる。
次いで、混合粉末とフラックスとを混合させることで、Au−Sn合金はんだペーストが製造される。このときの混合方法としては、例えば、遊星撹拌により行うことができる。
<Au−Sn合金はんだ層>
図1は、Au−Sn合金の状態図である。
Au−Sn合金はんだ層は、印刷法により、上述したAu−Sn合金はんだペーストを印刷後、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度でリフローさせることで得られるSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだ層である。
図1を参照するに、Au−Sn合金に含まれるSnが38質量%よりも少なく、かつ20質量%よりも多いと、固相線の温度が278℃となり、Au−Sn合金に含まれるSnが54質量%よりも多く、かつ70質量%よりも少ないと、固相線の温度が258℃となる。そして、Au−Sn合金に含まれるSnが38質量%以上54質量%以下になると、固相線の温度は、278℃よりも高い309℃となる。
つまり、Au−Sn合金はんだ層の組成をSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物とすることで、Au−Sn合金はんだ層が溶融する固相線の温度を300℃以上にすることができる。
上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、フラックスの含有量(Au−Sn合金はんだペーストの総量を100質量%としたときのフラックスの比率)が5質量%よりも少ないと、Au−Sn合金はんだペーストの粘度が高くなりすぎるため、印刷法を用いてAu−Sn合金はんだペーストを印刷することが困難となる恐れがある。
一方、フラックスの含有量が40質量%を超えると、Au−Sn合金はんだペーストの印刷時に印刷ダレが発生しやすくなるとともに、リフロー処理する際に第1及び第2のAu−Sn粉末の凝集不足が発生する恐れがある。
したがって、混合粉末及びフラックスの含有量を上記範囲内とすることで、印刷ダレの発生、並びに第1及び第2のAu−Sn粉末の凝集不足の発生を抑制した上で、Au−Sn合金はんだペーストを容易に印刷することができる。
上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径が0.1μmよりも小さいと、Au−Sn合金はんだペーストを印刷後にリフロー(溶融)処理する際に、第1及び第2のAu−Sn粉末を溶融させにくくなってしまう恐れがある。
一方、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径が30μmよりも大きいと、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性が悪くなるとともに、フラックスと第1及び第2のAu−Sn粉末とが分離してしまう恐れがある。
したがって、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径を0.1〜30μmの範囲内することで、フラックスと第1及び第2のAu−Sn粉末との分離を抑制できるとともに、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性の低下を抑制でき、さらに、リフロー処理時に第1及び第2のAu−Sn粉末を溶融させやすくすることができる。
本実施の形態のAu−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層によれば、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、を含むAu−Sn合金はんだペーストにより形成されるSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだの融点を、300℃よりも高い309℃(Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金の固相線の温度)にすることが可能となる。
これにより、上記Au−Sn合金はんだペーストを用いて形成されるSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを、300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
また、従来の高融点はんだであるAu−20質量%Sn合金はんだのAu比率と比較して、高価なAuの比率を46質量%以上62質量%以下まで低減させることが可能となる。これにより、Au−20質量%Sn合金はんだペーストと比較して、Au−Sn合金はんだペーストのコストを低減することができる。
また、低融点の第1のAu−Sn粉末と第2のAu−Sn粉末とを混合させることで、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだの液相線温度以下で混合粉末及びフラックスよりなるAu−Sn合金はんだのリフロー処理を行うことができる。
上記リフロー処理としては、例えば、通常の不活性ガス雰囲気下で行うリフロー処理を用いることができる。リフロー温度が高すぎると、フラックスの洗浄性に影響を及ぼす恐れがある。このため、リフロー温度は、Au−Sn合金はんだの液相線温度以下にすることが好ましい。
上記リフロー処理として、例えば、真空雰囲気下で行うリフロー処理を用いてもよい。この場合、フラックスの洗浄性が悪化しにくいため、Au−Sn合金はんだの液相線温度よりも20℃〜30℃程度高い温度で、リフロー処理を行ってもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、実施例について説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。
<Au−Sn合金はんだペーストの作製>
表1に示す条件で、上述した手法により、実施例1〜16のAu−Sn合金はんだペーストP1〜P16を作製した。
具体的には、下記方法を用いて、Au−Sn合金はんだペーストP1〜P16を作製した。
始めに、周知の手法により、第1のAu−Sn粉末と、第2のAu−Sn粉末と、を混合させて、混合粉末を生成した。
次いで、周知の手法により、上記混合粉末とRAタイプのフラックスとを混合させることで、Au−Sn合金はんだペーストP1〜P16を作製した。
<印刷性の評価試験>
始めに、電解めっき法により、コバール製板(長さ30mm×幅20mm)の表面に、厚さ5μmのNiめっき層と、厚さ0.1μmのAuめっき層と、を順次形成することで、評価用基板を作製した。
次いで、パッケージサイズ1610(長さ1.6mm×幅1.0mm)のAu−Sn合金はんだ枠を形成するため、幅60μmとされた枠状貫通溝が100個設けられ、かつ厚さが15μmとされた印刷用ステンシルマスクを準備した。
次いで、評価用基板上に、印刷用ステンシルマスクを用いてAu−Sn合金ペーストを印刷した。次いで、評価用基板から印刷用ステンシルマスクを除去した。
その後、光学顕微鏡を用いて、評価用基板に形成された100個の枠状とされたAu−Sn合金はんだペースト(以下、「枠状はんだペースト」という)を観察し、印刷用ステンシルマスクの枠状貫通溝と同じ形状とされた枠状はんだペーストの数が90個以上の場合を○と判定し、80個以上90個未満の場合を△と判定した。
なお、枠状貫通溝と同じ形状とされた枠状はんだペーストとは、枠状はんだペーストが途切れていなくて、かつ枠状はんだペーストに欠けが無い枠状はんだペーストのことをいう。
<溶融性の評価試験>
印刷性の評価試験に使用した評価用基板(具体的には、印刷用ステンシルマスクが除去され、かつ100個の枠状はんだペーストが形成された評価用基板)を用いて、下記手法により行った。
始めに、窒素雰囲気下において、100個の枠状はんだペーストが形成された評価用基板を加熱することで、枠状はんだペーストをリフロー処理させた。このとき、ピーク温度を320℃とし、リフロー処理時間を3分とした。
その後、上述した光学顕微鏡を用いて、リフロー処理された100個の枠状はんだペーストを観察し、溶け残りのある枠状はんだペーストの数が2個以下の場合には、○と判定し、溶け残りのある枠状はんだペーストの数が3個以上5個以下の場合には、△と判定した。このとき、未凝集粉がある場合を溶け残りがあると判定した。
<評価試験結果のまとめ>
表1を参照するに、評価結果から、印刷性及び溶融性の両方を良い結果にするためには、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、を用い、かつAu−Sn合金はんだの組成(言い換えれば、全体の組成)をSn:40質量%以上53質量%以下、残部がAu及び不可避不純物にするとよいことが確認できた。
また、実施例1〜16の評価結果から、粉末混合比は、第1のAu−Sn粉末:第2のAu−Sn粉末=55〜70:30〜45とすることで、印刷性及び溶融性の両方の結果が良好な結果(具体的には、○)になることが確認できた。
実施例7,13の平均粒径及び溶融性の評価結果から、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径が0.1μmよりも小さい(実施例7では0.05μm、実施例13では0.03μm)と、溶融性が悪くなることが確認できた。
一方、実施例9,14の平均粒径及び溶融性評価の結果から、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径が30μmよりも大きい(実施例14では32μm)と、印刷性が悪くなることが確認できた。
以上の結果から、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径は、0.1μm以上30μm以下の範囲内が好ましく、この範囲内とすることで、印刷性及び溶融性の低下を抑制可能なことが確認できた。
実施例3,10,15のフラックスの比率(含有量)及び印刷性の評価結果から、フックスの比率が5質量%(実施例15では3質量%)よりも少なくなると、印刷性が悪くなることが確認できた。
一方、実施例11,12,16のフラックスの比率及び印刷性の評価結果から、フックスの比率が40質量%(実施例12では45質量%、実施例16では48質量%)よりも多くなると、印刷性が悪くなることが確認できた。
以上の結果から、フラックスの比率(含有量)は、5質量%以上40質量%以下の範囲内が好ましく、この範囲内とすることで、印刷性の低下を抑制できることが確認できた。
<実施例3のAu−Sn合金はんだペースト溶融状態の観察>
ここでは、印刷用ステンシルマスクが除去され、かつ100個の枠状はんだペーストが形成された実施例3の評価用基板を、室温(加熱無し)から473℃まで加熱していくときの第1及び第2のAu−Sn粉末の溶融状態について観察した。
このとき、上述した光学顕微鏡を用いて観察した。また、枠状はんだペーストの温度が、室温、218℃(Au−90質量%Sn合金はんだの融点217℃に近い温度)、278℃(Au−22質量%Sn合金はんだの融点)、340℃、437℃のときに、実施例3のAu−Sn合金はんだペーストP3の表面を撮像した。この結果を図2に示す。
図2は、実施例3のAu−Sn合金はんだペーストを加熱溶融させたときの表面の写真である。
図2に示す室温(25℃)の写真を参照するに、Au−Sn合金はんだペーストP3(Au−53質量%Sn合金はんだを形成するためのペースト)に含まれる第1及び第2のAu−Sn粉末は、均一に分散されていることが分かった。
なお、図2の室温の写真において、白く光沢があるのが第1及び第2のAu−Sn粉末であり、それ以外の部分がフラックスである。
温度が278℃のときの写真を参照するに、218℃のときの写真と比較して、粉末の割合がさらに少なくなっていることが確認できた。
これは、Au−Sn合金はんだペーストP3の温度が218℃となることで、Au−Sn合金はんだペーストP3に含まれるAu−90質量%Sn粉末(第2のAu−Sn粉末)の溶融が開始されたためであると推測される。
温度が278℃のときの写真を参照するに、218℃のときの写真と比較して、白い粒の割合がさらに少なくなると共に、多くの白い粒が溶融していることが確認できた。
これは、Au−Sn合金はんだペーストP3の温度が278℃となることで、Au−Sn合金はんだペーストP3に含まれるAu−22質量%Sn粉末(第1のAu−Sn粉末)の溶融が開始されたためであると推測される。
Au−53質量%Sn合金はんだの固相線の温度309℃と液相線の温度360℃
との間の温度である340℃のときの写真を参照するに、278℃のときの写真と比較して、固体部分が少なくなり、融液が急激に増加していることが分かった。
Au−53質量%Sn合金はんだの液相線の温度360℃よりも高い437℃のときの写真を参照するに、完全にAu−90質量%Sn粉末及びAu−22質量%Sn粉末が溶融していることが確認できた。
上記図2に示す複数の写真から、Au−Sn合金はんだペーストP3は、Au−53質量%Sn合金はんだの液相線の温度360℃よりも低い温度で融液が急激に増加する(液状化する)ことが確認できた。

Claims (6)

  1. Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだペーストであって、
    Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、が混合された混合粉末と、
    前記混合粉末と混合されるフラックスと、
    を含むことを特徴とするAu−Sn合金はんだペースト。
  2. 前記混合粉末の含有量は、ペースト全体の60質量%以上95質量%以下であり、
    前記フラックスの含有量は、前記ペースト全体の5質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1記載のAu−Sn合金はんだペースト。
  3. 前記第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径は、0.1〜30μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載のAu−Sn合金はんだペースト。
  4. Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを作製する際に使用するAu−Sn合金はんだペーストの製造方法であって、
    Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、を混合して混合粉末を生成する工程と、
    前記混合粉末とフラックスとを混合させる工程と、
    を含むことを特徴とするAu−Sn合金はんだペーストの製造方法。
  5. 請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載のAu−Sn合金はんだペーストを、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度で溶融させることを特徴とするAu−Sn合金はんだ層の製造方法。
  6. 請求項5記載のAu−Sn合金はんだ層の製造方法により得られたAu−Sn合金はんだ層であることを特徴とするAu−Sn合金はんだ層。
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