JP2016087606A - Au−Sn合金はんだペースト、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法、Au−Sn合金はんだ層の製造方法、及びAu−Sn合金はんだ層 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだペーストであって、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、が混合された混合粉末と、該混合粉末と混合されるフラックスと、を含む。
【選択図】なし
Description
上記はんだペーストのうち、融点の高いAu−20質量%Sn合金はんだペーストは、例えば、高温環境下で使用されている。
また、Au−20質量%Sn合金はんだを形成する際に使用するAu−20質量%Sn合金はんだペーストは、Auの比率が80質量%と高いため、コストが増加してしまうという問題があった。
これにより、上記Au−Sn合金はんだペーストを用いて形成されるSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを、300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
一方、フラックスの含有量が40質量%を超えると、Au−Sn合金はんだペーストの印刷時に印刷ダレが発生しやすくなるとともに、リフロー処理する際に第1及び第2のAu−Sn粉末の凝集不足が発生する恐れがある。
一方、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径が30μmよりも大きいと、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性が悪くなるとともに、フラックスと第1及び第2のAu−Sn粉末とが分離することがある。
また、Au−Sn合金はんだペーストを母材とするSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだは、従来の高融点はんだであるAu−20質量%Sn合金はんだよりも高価なAuの含有量が少ないため、コストを低減することができる。
本実施の形態のAu−Sn合金はんだペーストは、Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを作製する際に使用するAu−Sn合金はんだペーストであって、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、が混合された混合粉末と、混合粉末と混合されるフラックスと、を含んだ構成とされている。
フラックスとしては、例えば、一般的なフラックス(例えば、ロジン、活性剤、溶剤、増粘剤等を含むフラックス)を用いることができる。フラックスとしては、Au−Sn合金はんだペーストの濡れ性の観点から、例えば、弱活性(RMA)タイプのフラックスや活性(RA)タイプのフラックス等を用いるとよい。
また、上記Au−Sn合金はんだペーストにおいて、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径は、例えば、0.1〜30μmの範囲内とすることができる。
本実施の形態のAu−Sn合金はんだペーストは、印刷工法のみでの使用に限定されない。該Au−Sn合金はんだペーストは、例えば、ディスペンス工法やピン転写工法に用いてもよい。
次に、Au−Sn合金はんだペーストの製造方法を簡単に説明する。
始めに、上述した組成及び平均粒径とされた第1及び第2のAu−Sn粉末を準備する。
具体的には、例えば、下記処理を行うことで、上述した組成及び平均粒径とされた第1及び第2のAu−Sn粉末を準備する。
上記噴霧の条件としては、例えば、噴霧圧力を5000〜8000kPa、ノズルギャップを0.3以下とすることができる。
次いで、周知の手法により、上記第1及び第2のAu−Sn粉末を分級することで、上記平均粒径とされた第1及び第2のAu−Sn粉末を取得する。このときの分級方法としては、例えば、風力分級法を用いることができる。
次いで、混合粉末とフラックスとを混合させることで、Au−Sn合金はんだペーストが製造される。このときの混合方法としては、例えば、遊星撹拌により行うことができる。
図1は、Au−Sn合金の状態図である。
Au−Sn合金はんだ層は、印刷法により、上述したAu−Sn合金はんだペーストを印刷後、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度でリフローさせることで得られるSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだ層である。
つまり、Au−Sn合金はんだ層の組成をSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物とすることで、Au−Sn合金はんだ層が溶融する固相線の温度を300℃以上にすることができる。
一方、フラックスの含有量が40質量%を超えると、Au−Sn合金はんだペーストの印刷時に印刷ダレが発生しやすくなるとともに、リフロー処理する際に第1及び第2のAu−Sn粉末の凝集不足が発生する恐れがある。
一方、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径が30μmよりも大きいと、Au−Sn合金はんだペーストの印刷性が悪くなるとともに、フラックスと第1及び第2のAu−Sn粉末とが分離してしまう恐れがある。
これにより、上記Au−Sn合金はんだペーストを用いて形成されるSn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを、300℃以上の高い温度環境下で使用することができる。
上記リフロー処理としては、例えば、通常の不活性ガス雰囲気下で行うリフロー処理を用いることができる。リフロー温度が高すぎると、フラックスの洗浄性に影響を及ぼす恐れがある。このため、リフロー温度は、Au−Sn合金はんだの液相線温度以下にすることが好ましい。
上記リフロー処理として、例えば、真空雰囲気下で行うリフロー処理を用いてもよい。この場合、フラックスの洗浄性が悪化しにくいため、Au−Sn合金はんだの液相線温度よりも20℃〜30℃程度高い温度で、リフロー処理を行ってもよい。
表1に示す条件で、上述した手法により、実施例1〜16のAu−Sn合金はんだペーストP1〜P16を作製した。
始めに、周知の手法により、第1のAu−Sn粉末と、第2のAu−Sn粉末と、を混合させて、混合粉末を生成した。
次いで、周知の手法により、上記混合粉末とRAタイプのフラックスとを混合させることで、Au−Sn合金はんだペーストP1〜P16を作製した。
始めに、電解めっき法により、コバール製板(長さ30mm×幅20mm)の表面に、厚さ5μmのNiめっき層と、厚さ0.1μmのAuめっき層と、を順次形成することで、評価用基板を作製した。
次いで、パッケージサイズ1610(長さ1.6mm×幅1.0mm)のAu−Sn合金はんだ枠を形成するため、幅60μmとされた枠状貫通溝が100個設けられ、かつ厚さが15μmとされた印刷用ステンシルマスクを準備した。
その後、光学顕微鏡を用いて、評価用基板に形成された100個の枠状とされたAu−Sn合金はんだペースト(以下、「枠状はんだペースト」という)を観察し、印刷用ステンシルマスクの枠状貫通溝と同じ形状とされた枠状はんだペーストの数が90個以上の場合を○と判定し、80個以上90個未満の場合を△と判定した。
なお、枠状貫通溝と同じ形状とされた枠状はんだペーストとは、枠状はんだペーストが途切れていなくて、かつ枠状はんだペーストに欠けが無い枠状はんだペーストのことをいう。
印刷性の評価試験に使用した評価用基板(具体的には、印刷用ステンシルマスクが除去され、かつ100個の枠状はんだペーストが形成された評価用基板)を用いて、下記手法により行った。
始めに、窒素雰囲気下において、100個の枠状はんだペーストが形成された評価用基板を加熱することで、枠状はんだペーストをリフロー処理させた。このとき、ピーク温度を320℃とし、リフロー処理時間を3分とした。
表1を参照するに、評価結果から、印刷性及び溶融性の両方を良い結果にするためには、Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、を用い、かつAu−Sn合金はんだの組成(言い換えれば、全体の組成)をSn:40質量%以上53質量%以下、残部がAu及び不可避不純物にするとよいことが確認できた。
一方、実施例9,14の平均粒径及び溶融性評価の結果から、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径が30μmよりも大きい(実施例14では32μm)と、印刷性が悪くなることが確認できた。
以上の結果から、第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径は、0.1μm以上30μm以下の範囲内が好ましく、この範囲内とすることで、印刷性及び溶融性の低下を抑制可能なことが確認できた。
一方、実施例11,12,16のフラックスの比率及び印刷性の評価結果から、フックスの比率が40質量%(実施例12では45質量%、実施例16では48質量%)よりも多くなると、印刷性が悪くなることが確認できた。
以上の結果から、フラックスの比率(含有量)は、5質量%以上40質量%以下の範囲内が好ましく、この範囲内とすることで、印刷性の低下を抑制できることが確認できた。
ここでは、印刷用ステンシルマスクが除去され、かつ100個の枠状はんだペーストが形成された実施例3の評価用基板を、室温(加熱無し)から473℃まで加熱していくときの第1及び第2のAu−Sn粉末の溶融状態について観察した。
このとき、上述した光学顕微鏡を用いて観察した。また、枠状はんだペーストの温度が、室温、218℃(Au−90質量%Sn合金はんだの融点217℃に近い温度)、278℃(Au−22質量%Sn合金はんだの融点)、340℃、437℃のときに、実施例3のAu−Sn合金はんだペーストP3の表面を撮像した。この結果を図2に示す。
図2は、実施例3のAu−Sn合金はんだペーストを加熱溶融させたときの表面の写真である。
なお、図2の室温の写真において、白く光沢があるのが第1及び第2のAu−Sn粉末であり、それ以外の部分がフラックスである。
これは、Au−Sn合金はんだペーストP3の温度が218℃となることで、Au−Sn合金はんだペーストP3に含まれるAu−90質量%Sn粉末(第2のAu−Sn粉末)の溶融が開始されたためであると推測される。
これは、Au−Sn合金はんだペーストP3の温度が278℃となることで、Au−Sn合金はんだペーストP3に含まれるAu−22質量%Sn粉末(第1のAu−Sn粉末)の溶融が開始されたためであると推測される。
との間の温度である340℃のときの写真を参照するに、278℃のときの写真と比較して、固体部分が少なくなり、融液が急激に増加していることが分かった。
上記図2に示す複数の写真から、Au−Sn合金はんだペーストP3は、Au−53質量%Sn合金はんだの液相線の温度360℃よりも低い温度で融液が急激に増加する(液状化する)ことが確認できた。
Claims (6)
- Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだペーストであって、
Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、が混合された混合粉末と、
前記混合粉末と混合されるフラックスと、
を含むことを特徴とするAu−Sn合金はんだペースト。 - 前記混合粉末の含有量は、ペースト全体の60質量%以上95質量%以下であり、
前記フラックスの含有量は、前記ペースト全体の5質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1記載のAu−Sn合金はんだペースト。 - 前記第1及び第2のAu−Sn粉末の平均粒径は、0.1〜30μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載のAu−Sn合金はんだペースト。
- Sn:38質量%以上54質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなるAu−Sn合金はんだを作製する際に使用するAu−Sn合金はんだペーストの製造方法であって、
Sn:18質量%以上24質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第1のAu−Sn粉末と、Sn:80質量%以上92質量%以下、残部がAu及び不可避不純物よりなる第2のAu−Sn粉末と、を混合して混合粉末を生成する工程と、
前記混合粉末とフラックスとを混合させる工程と、
を含むことを特徴とするAu−Sn合金はんだペーストの製造方法。 - 請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載のAu−Sn合金はんだペーストを、該Au−Sn合金はんだペーストを構成するAu−Sn合金の固相線と液相線との間の温度で溶融させることを特徴とするAu−Sn合金はんだ層の製造方法。
- 請求項5記載のAu−Sn合金はんだ層の製造方法により得られたAu−Sn合金はんだ層であることを特徴とするAu−Sn合金はんだ層。
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