JP2011167761A - Au−Sn合金はんだペースト、およびこれにより形成されるAu−Sn合金はんだ - Google Patents

Au−Sn合金はんだペースト、およびこれにより形成されるAu−Sn合金はんだ Download PDF

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Abstract

【課題】 280℃以下の低温で接合が可能なAu−Sn合金はんだペーストであって、かつこのペーストにより形成されたAu−Sn合金はんだは、Sn−Ag系鉛フリーはんだによるセカンドリフロー時にも溶融しない。LED素子にやさしい接合が可能でかつ、セカンドリフロー時にも溶融することがなく、低Au化による材料コスト低減を可能とするAu−Sn合金はんだペーストを提供する。
【解決手段】 AuとSnとの合計100質量部に対して、Snを55〜70質量部含むAu−Sn混合粉末と、(B)フラックスとを含み、成分(A)が、(A1)AuとSnとの合計100質量部に対して、Snを18〜23.5質量部含むAu−Sn合金はんだ粉末、および(A2)AuとSnとの合計100質量部に対して、Snを88〜92質量部含むAu−Sn合金はんだ粉末を含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、Au−Sn合金はんだペースト、およびこれにより形成されるAu−Sn合金はんだに関する。より詳しくは、高融点のAu−Sn合金はんだの作業温度を低下でき、かつ低Au化によるコストダウンを可能とするAu−Sn合金はんだペーストに関する。
近年、LEDの輝度を高くするために、LEDに求められる出力が高くなっている。このLEDの高出力化に伴う熱発生の対策として、一般に、LED素子と基板との接合には、金属拡散接合でかつ融点が約280℃と高いSn:20質量%を含有するAu−Sn共晶合金(以下、「Au20Sn」という)はんだペーストが用いられている(特許文献1)。また、サーミスタ、または熱電素子もしくはペルチェ素子用半導体と基板との接合、SAWデバイスや水晶振動子などのパッケージの蓋封止等に、Au20Sn合金はんだペーストが用いられている。
このAu20Sn合金はんだペーストを用いる場合には、リフロー炉等で加熱する場合に、融点の280℃に対して300〜310℃まで温度を上げることが求められる。ここで、LED素子には耐熱温度が330℃前後のものがあり、LED素子の接合のために、300〜310℃まで温度を上げることは、LED素子への熱的ダメージの観点から好ましいとはいえず、リペア工程(一旦基板に接続された素子を不具合があれば、素子を再利用するために再加熱して取り外す工程)を行う場合には、LED素子への熱的ダメージがより大きくなる。さらにLED素子、Au−Sn合金はんだ、基板間の熱膨張係数の差による応力が大きくなってしまう、フラックス残渣が増加し、より注意深い洗浄工程が必要になるという課題がある。また、サーミスタ、または熱電素子もしくはペルチェ素子と基板との接合、SAWデバイスや水晶振動子などのパッケージの蓋封止等に、Au20Sn合金はんだペーストを用いる場合にも、熱膨張係数の差による応力が大きくなってしまう、フラックス残渣が増加し、より注意深い洗浄工程が必要になるという課題が共通する。なお、サーミスタの基板への接合にAu20Sn合金はんだペーストを用いる場合には、サーミスタの抵抗値が変化してしまうという課題もある。したがって、Au20Sn合金はんだペーストより融点または液相線温度が低温のはんだペーストが求められている。
一方、融点が低いAu−Sn合金はんだペーストとして、融点が217℃と低いSn:90質量%を含有するAu−Sn共晶合金(以下、「Au90Sn」という)はんだペーストが知られている(特許文献2)。しかしながら、LED搭載パッケージ等をヒートシンクなどに接合するために、Sn−Ag系鉛フリーはんだによるセカンドリフローを実施するとき、Au90Sn合金はんだでは再溶融してしまう。したがって、Au−Sn合金はんだが再溶融しないように、1stリフロー後のAu−Sn合金はんだの固相線温度としては、セカンドリフローにおけるMax温度より高い250〜270℃以上を有することが求められている。しかし、実用的な鉛フリーはんだは未だ見出されておらず、当然ながら、融点が250〜270℃の鉛フリーはんだペーストも見出されていない(非特許文献1)。
特開2006−7288号公報 特開2008−137017号公報
菅沼克昭編著、「鉛フリーはんだ技術・材料ハンドブック」、株式会社工業調査会、2007年7月10日、p.192〜199
本発明は、280℃以下の低温で接合が可能なAu−Sn合金はんだペーストであって、かつこのペーストにより形成されたAu−Sn合金はんだは、Sn−Ag系鉛フリーはんだによるセカンドリフローでも再溶融しない低Au含有量のAu−Sn合金はんだペーストを提供するものである。
本発明は、以下の構成を有することによって上記問題を解決したAu−Sn合金はんだペーストまたはAu−Sn合金はんだに関する。
(1)(A)AuとSnとの合計100質量部に対して、Snを55〜70質量部含むAu−Sn混合粉末と、(B)フラックスとを含み、成分(A)が、(A1)AuとSnとの合計100質量部に対して、Snを18〜23.5質量部含むAu−Sn合金はんだ粉末、および(A2)AuとSnとの合計100質量部に対して、Snを88〜92質量部含むAu−Sn合金はんだ粉末を含むことを特徴とする、Au−Sn合金はんだペースト。
(2) 成分(A1)と成分(A2)の合計100質量部に対して、成分(A1)を30〜50質量部含むことを特徴とする、上記(1)記載のAu−Sn合金はんだペースト。
(3) 成分(A1)の粒径が0.1μm以上20μm以下であり、成分(A2)の粒径が10μm以上50μm以下であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のAu−Sn合金はんだペースト。
(4) 成分(A1)の平均粒径が1〜7μmであり、成分(A2)の平均粒径が15〜45μmであることを特徴とする、上記(3)記載のAu−Sn合金はんだペースト。
(5) 260〜280℃でリフロー可能であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のAu−Sn合金はんだペースト。
(6)成分(B)を、Au−Sn合金はんだペースト100質量部に対して、6〜20質量部含む、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のAu−Sn合金はんだペースト。
(7) 上記記載のAu−Sn合金はんだペーストを、260〜280℃で加熱することにより形成される、Au−Sn合金はんだ。
(8) 上記(7)で形成された、固相線温度が250℃以上280℃以下である、Au−Sn合金はんだ。
本発明(1)によれば、280℃以下の低温での接合が可能であり、かつ接合後のAu−Sn合金はんだの固相線温度が250℃以上である、リフロー時の熱ダメージが少ないためLED素子等にやさしく、LED素子等、Au−Sn合金はんだ、基板間の熱膨張係数の差による応力を抑制し、フラックス残渣の増加に伴う注意深い洗浄工程は生じず、セカンドリフロー時に再溶融しないAu−Sn合金はんだを形成することができ、かつ、合金はんだにおけるAu量の低減によるコスト削減が可能となる。
本発明のAu−Sn合金はんだペーストにLED素子を搭載後のリフロープロファイルの一例である。窒素雰囲気下、280℃で1分間保持している。 図1のプロファイルでリフローし形成されたAu−Sn合金はんだの断面組織写真である。 本発明のAu−Sn合金はんだペーストを、図1のプロファイルにてリフロー後、Au−Sn合金はんだのセカンドリフローを想定した再加熱時の熱的挙動を分析した示差熱曲線の200〜350℃のデータの一例である。昇温速度10℃/分で室温〜350℃まで昇温した。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、%は特に示さない限り、また数値固有の場合を除いて質量%である。
〔Au−Sn合金はんだペースト〕
本発明のAu−Sn合金はんだペーストは、(A)AuとSnの合計100質量部に対して、Snを55〜70質量部含むAu−Sn混合粉末と、(B)フラックスとを含むことを特徴とする。
成分(A)は、AuとSnの合計100質量部に対して、Snを55〜70質量部、好ましくは61〜70質量部含む。55質量部未満では、固相線温度が309℃、液相線温度がそれ以上になってしまい、LED素子等をリペアする際の温度が350℃付近となり、LED素子等が破損する等の不都合が生じてしまう。61質量部以上であると、高融点(約309℃)であるδ相が生成しにくいので、好ましい。一方、70質量部を超えると、低融点相が生じ、固相線温度が約217℃になり、セカンドリフロー時に、形成されたAu−Sn合金はんだが再溶融してしまい、LED素子等がずれてしまう。ここで、AuとSnの定量分析は、FE−EPMA装置(日本電子社製JXA−8500F)により行う。
なお、本発明において、「融点」とはAu−Sn合金が共晶組成の場合に、固相から液相になる温度をいい、その他特記がない限り、溶融開始温度は「固相線温度」、完全に溶融する温度は「液相線温度」とする。
成分(A)の粒径は、リフロー熱処理後のAu−Sn合金の組織均一化のために、0.1μm以上20μm以下であると好ましい。本発明において、Au−Sn合金粉末は、風力分級機により分級される。
成分(A)の平均粒径は、好ましくは1〜7μm、より好ましくは3μm以上6μmである。本発明において、平均粒径は、日機装社製マイクロトラック粒度分析計(型番:MT3300EX)により測定する。
成分(A)は、不可避不純物以外に、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記以外の元素を添加してもよい。また、成分(A)は、1種または2種以上を混合してもよい。なお、成分(A)が1種であると、リフロー時にAu−Sn合金はんだの融液の粘性が高く、濡れ性が良好でない場合があり、2種以上を混合することが好ましい。
成分(A)が、(A1)AuとSnの合計100質量部に対して、Snを18〜23.5質量部含むAu−Sn合金はんだ粉末、および(A2)AuとSnの合計100質量部に対して、Snを88〜92質量部含むAu−Sn合金はんだ粉末を含むと、リフロー時のAu−Sn合金はんだペーストの溶融し易さおよび濡れ易さ観点から好ましい。成分(A1)および成分(A2)のSn量が上記範囲であると、Au20SnまたはAu90Snの共晶組成近傍となるので、Au−Sn合金はんだ粉末を、ガスアトマイズ法等で容易に作製することが可能となり、さらに、成分(A2)の場合には、Sn量を上記範囲とし、固相線温度(共晶組成の場合には融点)を217℃近傍とすることが、Au−Sn合金はんだペーストを265〜280℃でリフロー可能とするために特に有効となる。詳しくは、後述する。なお、(A1)成分は、21〜22.5質量部であるとより好ましく、(A2)成分は、90〜91質量部であるとより好ましい。ここで、成分(A1)および成分(A2)の、AuとSnの定量分析は、FE−EPMA装置(日本電子社製JXA−8500F)を用いる。
成分(A1)の粒径は、リフロー熱処理後のAu−Sn合金の組織均一化のためにも、より低固相線温度を有する成分(A2)よりも小さな粒径にすることが好ましく、かつ粉末表面の酸化を抑制するため、0.1μm以上20μm以下であると好ましい。また、成分(A1)の平均粒径は、好ましくは1〜7μm、より好ましくは3〜6μmである。
成分(A1)は、不可避不純物以外に、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記以外の元素を添加してもよい。また、成分(A1)は、1種または2種以上を混合してもよい。
成分(A2)の粒径は、リフロー時のAu−Sn合金はんだペーストの溶融し易さを得るために成分(A1)よりも大きな粒径にすることが好ましく、かつ良好な粉末凝集性を得るために粉末表面の酸化を抑制する必要があり、10μm以上50μm以下であると好ましい。また、成分(A2)の平均粒径は、良好な粉末凝集性を得るためにも粉末表面の酸化を抑制する必要があり、かつ成分(A1)よりも大きな平均粒径にすることが好ましく、好ましくは15〜45μm、より好ましくは15〜30μmである。
成分(A2)は、不可避不純物以外に、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記以外の元素を添加してもよい。また、成分(A2)は、1種または2種以上を混合してもよい。
成分(A1)は、成分(A1)と成分(A2)の合計100質量部に対して、30〜50質量部含むことが好ましく、35〜45質量部がより好ましい。理由は、後述する。また、成分(A1)と成分(A2)を混合したペーストの混合粉の定量分析は、ペーストをエタノールなどの溶媒中で攪拌し、フラックスを除去後に混合粉を分析するか、ペーストをグリセリン中に入れ、280℃で加熱処理により得られた合金を分析すれば良い。分析には日本ジャーレル・アッシュ社製高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(型番:ICAP−577)で定量分析を行う。
成分(B)は、一般的なフラックスを用いることができ、フラックスには、通常、ロジン、活性剤、溶剤および増粘剤等が含まれる。フラックスとしては、ペーストの濡れ性の観点からRAやRMAフラックス等が好ましい。成分(B)は、1種または2種以上を混合してもよい。このフラックスの含有量は、5〜25wt%の範囲内に設定される。
成分(B)は、印刷・ディスペンス・ピン転写工法に適したペースト粘度にするために、Au−Sn合金はんだペースト100質量部に対して、6〜20質量部含むことが好ましく、8〜15質量部含むことがより好ましい。
本発明の成分(A1)と成分(A2)を含むAu−Sn合金はんだペーストが、LED等の半導体素子と基板を接合するメカニズムは明確ではないが、260〜280℃での加熱により、まず、成分(A2)が溶融し、LED等の半導体素子、基板等の被着物を濡らす。この後、溶融した成分(A2)と成分(A1)との間の拡散により、成分(A2)と成分(A1)が混合したAu−Sn合金はんだが形成されると考えられる。このメカニズムにより、LED素子にやさしい280℃以下での加熱による接合が可能であり、かつ接合後に固相線温度が250℃以上であるAu−Sn合金はんだを形成することが可能なAu−Sn合金はんだペーストを実現することができる。
このため、成分(A2)には、260〜280℃の加熱により液相となることが求められ、さらに成分(A1)に拡散しやすい組成であることが求められる。成分(A1)と成分(A2)の質量比は、この溶解した成分(A2)と成分(A1)との間の拡散を、適度に行う観点から選択される。成分(A2)に対して、成分(A1)が少なすぎると、成分(A2)が最初の加熱後も残留してしまうため、鉛フリーはんだによるセカンドリフロー時に再溶融してしまう。逆に成分(A1)が多すぎると、最初の加熱後に成分(A1)が多く残り、溶融せず、形成される合金は表面凸凹が激しく、金属光沢のないものになってしまう。上記260〜280℃での加熱時間、保持時間を長くすると、Au−Sn合金はんだの均質性は高くなる。本発明のAu−Sn合金はんだペーストにおいては、Au−Sn合金はんだの均質性が高くなるまで加熱することが、成分(A1)と成分(A2)が単独で残らず好ましい。そうすることで、LED素子の搭載時は260〜280℃と従来より低温で接合でき、鉛フリーはんだによるセカンドリフロー時には、250℃以上の固相線温度を有するために形成されたAu−Sn合金部は再溶融しない。このときのAu−Sn合金はんだは、ε相(AuSn)とη相(AuSn)とβ-Snから構成されている。
本発明のAu−Sn合金はんだペーストの加熱は、一般的には、窒素ガスまたはアルゴンガス中などの不活性雰囲気中、昇温速度:3℃/秒以上、Max温度:260〜280℃、30〜60秒間保持の条件で行われる。
図1に、本発明のAu−Sn合金はんだペーストの均質合金化のためのリフロープロファイルの一例を示す。窒素雰囲気下、Max温度280℃にて1分間保持している。図2には、図1にてリフローされたAu−Sn合金の表面及び断面組織写真を示す。また、図3に、均質合金化後のAu−Sn合金に対して、昇温速度10℃/分で200〜350℃まで昇温したときの示差熱分析曲線の一例を示す。図2から明らかなように、最初のリフロー後は、成分(A1)成分(A2)ともに粉末の未凝集はなく、3相(ε、η、β―Sn)の合金になっていることが分かる。図2の断面写真において、最も白い部分は成分(A1)に由来するε相であり、最も濃い色の部分は成分(A2)に由来するβ―Snであり、中間の色は成分(A1)および/または成分A(2)に由来するη相であると考えられる。ε相の粒子の周囲をη相が取り囲み、η相の中にβ―Snが存在する組織となっている。また、図3より250.2℃にて溶融開始温度を示しており、成分(A2)起因の吸熱ピークはなく、250℃以上の固相線温度有する合金に変化したことがわかる。なお、250℃未満での固相線温度を有する新たな相は、生成していないことも確認することができる。
さらに、本発明のAu−Sn合金はんだペーストには、その目的を損なわない範囲内で、上記以外の慣用の各種添加剤を配合してもよい。このような添加剤として、分散剤、分散助剤、酸化防止剤、レベリング剤等を挙げることができる。
本発明のAu−Sn合金はんだペーストは、260〜280℃でリフロー可能である。ここで、固相線温度が252℃以下、好ましくは240℃以下であれば、一般的に260℃以上でリフロー可能となる。
本発明のAu−Sn合金はんだペーストは、LED素子等の半導体素子と基板の接合等の高信頼性を要求される用途で、好適に用いられる。
〔製造方法〕
成分(A)は、ガスアトマイズ法等の当業者に公知の方法で作製することができる。また、Au−Sn合金はんだが溶融時に融液の粘性が高くなり、ガスアトマイズを行うことが難しい場合には、Au−Sn合金はんだインゴットを不活性雰囲気中で、ハンマーミル、ジェットミル、ボールミル等で粉砕することにより、Au−Sn合金はんだ粉末を得ることができる。
成分(A)に含有され得る成分(A1)および成分(A2)のAu−Sn合金はんだ粉末は、同様に作製することができ、一例としては、ガスアトマイズ法が挙げられる。ガスアトマイズ法での作製例としては、所定量のAuとSnを含むAu−Sn合金を溶解して得られた溶湯を、温度:450〜1000℃に保持し、撹拌しながら、または撹拌した後に、溶湯を圧力:300〜800kPaで加圧しながら、噴霧圧力:5000〜8000kPaで、直径:1〜2mmの小径ノズルからノズルギャップ:0.3mm以下で不活性ガスを噴霧する方法が挙げられる。
上記撹拌は、機械撹拌が好ましく、プロペラ撹拌がより好ましい。また、機械撹拌に電磁誘導による撹拌のような電気的撹拌を併用してもよい。機械撹拌の回転速度は、特に限定されないが、60〜100rpmで3〜10分間撹拌することが好ましい。
このようにして得られた成分(A1)、および成分(A2)を分級して、所定の平均粒径とした後、市販のフラックスと混合して、Au−Sn合金はんだペーストを製造することができる。上記分級は、常法により行うことができるが、風力分級により行うことが好ましい。また、上記混合は、常法により、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、セントリミル、三本ロール等によって行うことができる。
〔Au−Sn合金はんだ〕
本発明の加熱処理後のAu−Sn合金はんだは、本発明のAu−Sn合金はんだペーストを、260〜280℃で加熱することにより、形成される。
このときの加熱は、一般的には、窒素雰囲気中、昇温速度:3℃/秒、30〜60秒保持で行われる。
本発明の加熱処理後のAu−Sn合金はんだは、鉛フリーはんだによるセカンドリフローへの対応の観点から、固相線温度が250〜310℃であると好ましい。固相線が310℃より高いと、リワーク時にLED素子の耐熱温度に近づき、破損のリスクが高くなるからである。この固相線温度を測定する一例は、窒素雰囲気中、室温から350℃まで昇温速度:10℃/分で昇温し、溶融開始温度(固相線温度)は、上述の示差熱分析により測定する。上述のように、この固相線温度は、Au−Sn合金はんだペーストの最初の加熱温度、保持時間等により変化する。
本発明の加熱処理後のAu−Sn合金はんだは、LED素子等の半導体素子と基板の接合等の高信頼性を要求される用途で、好適に用いられる。本発明のAu−Sn合金はんだを含む電子機器としては、LED等の光素子、高周波素子、熱電素子、サーミスタに加えて、SAWフィルター、水晶発振子等が挙げられる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
成分(A1)としてAu20Sn粉末(呼び径:<5μm、D50:3.2μm)、成分(A2)としてAu90Sn粉末(呼び径:15〜30μm、D50:25μm)の粉末を用い、成分(A1)と成分(A2)粉末が50:50質量部の割合で混合した。ここで、Au20Sn粉末と、Au90Sn粉末の分級は、日清エンジニアリング製ターボクラシファイアTC−25を用いて行った。ここで、「Au(x)Sn」は、粉末100質量部に対して、Snを(x)質量部、残部にAuを含む。
この混合粉を市販のRMAフラックスを用いて、ペースト100質量部に対して、フラックス比率を10.0質量部として、ペースト化した。ペースト粘度は85Pa・sであった。このペーストをシリンジに詰め、武蔵エンジニアリング製ディスペンサー装置(型番:ML−606GX、ニードル:武蔵エンジニアリング製、針部の材質:SUS304、針元部の材質:真鍮(Niメッキ)、内径:700μm(19G))にてディスペンス塗布した。ペースト塗布量は1.0mgとなるように調整した。
ここでLED素子を搭載するものと、搭載しないものに分けてサンプルを作製した。前者は、塗布したペースト上に、1000μm角のLED素子を、マウンターを用いて搭載し、リフローを行った。後者はペーストを塗布した状態のままで、LED素子は搭載していない。ペーストを塗布した基板はCu板/Ni(3μm)/Au(0.03μm)より構成されている。リフロープロファイルは、プレヒートとして150℃で2分保持し、その後、MAX温度として280℃で1分間保持した。窒素雰囲気下にて実施した。
LED素子を搭載したサンプルについては、基板とLED素子間の接合部について表面の日本電子製走査型電子顕微鏡(型番:JSM−6460LV)により合金表面状態を確認し、また、断面研磨後の粉末凝集性(溶け残りの有無)を確認した。表1に、結果を示す。
LED素子を搭載していないサンプルについては、Bruker AXS製示差熱・熱重量測定装置(品名:TG−DTA 2000SA)を用いて、再溶融開始温度を測定した。窒素雰囲気下、室温から350℃まで昇温速度10℃/分で測定した。表1に、結果を示す。なお、Bruker AXS製示差熱・熱重量測定装置(品名:TG−DTA 2000SA)を用いて、2種の合金が混在していることも確認可能である。
また、表1には、判定の結果を示す。評価した項目の全てが良好であった場合は「OK」、評価した項目の一つでも良好でない場合には「NG」とした。
〔実施例2〜15、比較例1〜3、参考例1〜5〕
表1に示す配合量で、実施例1と同様にペーストを作成し、評価を行った。表1に、結果を示す。
表1からわかるように、実施例1〜15の全てで、判定がOKであった。特に、実施例3は、リフロー温度が260℃でも良好な結果であった。これに対して、成分(A)の組成で、Snが少ない比較例1、2は、3項目全てがNG、Snが多い比較例3は、DTAによる再溶融開始温度が低く、NGであった。また、成分(A1)のSnが好ましい範囲ではない参考例1、2、および成分(A2)のSnが好ましい範囲ではない参考例3、4では、リフロー後に粉末溶け残りがあった。また、リフロー温度が250℃の参考例5でも、リフロー後に粉末溶け残りがあった。
以上のように、本発明のAu−Sn合金はんだペーストは、280℃以下の低温で接合が可能で、かつ250℃で再溶融しないという非常に顕著な効果を有し、さらに低Au化によるコストダウンも可能であることがわかった。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

Claims (8)

  1. (A)AuとSnとの合計100質量部に対して、Snを55〜70質量部含むAu−Sn混合粉末と、(B)フラックスとを含み、
    成分(A)が、(A1)AuとSnとの合計100質量部に対して、Snを18〜23.5質量部含むAu−Sn合金はんだ粉末、および(A2)AuとSnとの合計100質量部に対して、Snを88〜92質量部含むAu−Sn合金はんだ粉末を含むことを特徴とするAu−Sn合金はんだペースト。
  2. 成分(A1)と成分(A2)の合計100質量部に対して、成分(A1)を30〜50質量部含むことを特徴とする、請求項1記載のAu−Sn合金はんだペースト。
  3. 成分(A1)の粒径が0.1μm以上10μm未満であり、成分(A2)の粒径が10μm以上50μm未満であることを特徴とする、請求項1または2記載のAu−Sn合金はんだペースト。
  4. 成分(A1)の平均粒径が1〜7μmであり、成分(A2)の平均粒径が15〜45μmであることを特徴とする、請求項3記載のAu−Sn合金はんだペースト。
  5. 260〜280℃でリフロー可能であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のAu−Sn合金はんだペースト。
  6. Au−Sn合金はんだペースト100質量部に対して、成分(B)を6〜20質量部含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のAu−Sn合金はんだペースト。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のAu−Sn合金はんだペーストを、260〜280℃で加熱することにより形成されたことを特徴とするAu−Sn合金はんだ。
  8. 固相線温度が250℃以上280℃以下であることを特徴とする、請求項7記載のAu−Sn合金はんだ。
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