JP2017100176A - Au−Snはんだ粉末及びこの粉末を含むはんだ用ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】粉末表面が酸化せずペーストに調製した後でペーストが経時劣化しないはんだ粉末、及びリフロー時の溶融性と濡れ性に優れたAu−Snはんだ粉末を含むはんだ用ペーストを提供する。【解決手段】中心核と中心核を被覆する被覆層で構成されるAu−Snはんだ粉末において、中心核がSn又は金属間化合物AuSnからなり、中心核がSnからなるとき、被覆層はAuからなり、中心核が金属間化合物AuSnからなるとき、被覆層は金属間化合物Au5Snからなり、中心核がSnからなるとき、中心核と被覆層の間に、第1中間層と第2中間層の2層で構成される中間層が介在し、第1中間層は金属間化合物AuSn、第2中間層は金属間化合物Au5Snからなり、はんだ粉末の一粒子中に占める中間層の割合が45質量%以上100質量%未満であり、はんだ粉末の全体量100質量%に対し、Snの含有割合が15.0〜25.0質量%であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品の実装、特に高温雰囲気に晒される電子部品等の実装に好適なAu−Snはんだ粉末及びこの粉末を含むはんだ用ペーストに関する。更に詳しくは、リフロー時の溶融性及び濡れ性に優れるとともに、長期保存安定性に優れたはんだ用ペーストを調製できるAu−Snはんだ粉末及びこの粉末を含むはんだ用ペーストに関するものである。
一般に、Au−Snはんだ粉末は、水晶デバイスやSAWデバイス等の封止材用途や、高輝度LEDやペルチェ素子、またはパワー半導体等のダイボンド用途等の250℃程度の高温雰囲気において高い信頼性や高熱伝導性を要求される接合部位に使用される高温はんだの一種である。従来、この種のAu−Si系合金、Au−Sn系合金又はAu−Ge系合金からなるAu系はんだ粉末は、回転電極法、アトマイズ法等で製造され、フラックスと混合することにより、Au−Snはんだ用ペーストとして利用されている(例えば、特許文献1参照。)。上記Au−Snはんだ粉末は、長期間保管した場合には、Si、Sn、Geが酸化されやすい元素のため、粉末表面が酸化されやすく、この酸化物とペースト中の活性成分との反応によりペーストの粘度が上昇し、ペーストの印刷不良、濡れ性の劣化等の経時劣化を生じる。
この課題を解決するために、重量%で、Au−Si合金、Au−Sn合金又はAu−Ge合金からなる金はんだ粉末:80〜98%、ペースト化剤:2〜20%からなり、粘度:25,000〜300,000センチポアズを有するはんだペーストにおいて、上記はんだペースト化剤に含まれる酸素分子及び水分子中の酸素原子が100ppm以下であることを特徴とするはんだペーストが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このはんだペーストでは、はんだペースト化剤に含まれる酸素含有量を100ppm以下にするためには、従来のペースト化剤を不活性ガスによりバブリングしたり、蒸留している。
一方、従来より、はんだ粉末表面をめっきによりAuで被覆することにより、はんだ粉末表面の酸化を防止する技術が示されている(例えば、特許文献3、4、5参照。)。
特許文献3記載のクリーム半田は、半田を高温に加熱し、溶融状態にした後、不活性ガスとともにノズルにより広い容器内に半田微粒子を作り、これを通常の前処理溶液で活性化した後、無電解のAuメッキでAuの膜を約0.3μm付け、続いてこれをフラックスと樹脂である粘結剤と溶剤とを混合して、作られる。
また特許文献4記載のはんだペーストは、回路基板への部品実装に用いるはんだペーストを、このペーストの他の成分であるフラックス、溶剤、チキソ剤等と混合する前に、はんだ粉末表面を、めっき又は蒸着によりAuで被覆することにより、はんだ粉末表面の酸化、有機物汚染を抑えたことを特徴とする。具体的には、はんだ粉末表面をスパッタエッチング又は弱酸液により清浄化した後、めっき又は蒸着により金の薄膜で覆っている。
更に特許文献5記載のはんだペースト用表面被覆Au−Sn合金粉末は、Sn:15〜25質量%を含有し、残りがAu及び不可避不純物からなる組成を有するAu−Sn合金粉末の表面に、厚さ:10〜1000nmを有するAu、Pt、Rh、Pd、Ruの内のいずれかの貴金属からなる貴金属層を形成してなることを特徴とする。この貴金属層を形成するAu−Sn合金粉末としては、従来のガスアトマイズAu−Sn合金粉末が用いられる。そしてこの貴金属層は、上記貴金属を電解又は無電解めっきにより形成されるか、貴金属からなるターゲットを用いてスパッタリングして得られる。このはんだペースト用表面被覆Au−Sn合金粉末は、ロジンを含まないペースト化剤に添加しても、従来のはんだペーストに比べて濡れ広がり性に優れ、しかもロジンを含まないのでろう付け後の残渣の発生が少なく、ろう付け後の洗浄工程を省略することができ、しかも良好なはんだ付けを行うことができるのでコストを低減することができる。
特開平3−155493号公報(特許請求の範囲) 特許第3227868号公報(請求項1、段落[0005]〜段落[0008]) 特開平4−305393号公報(請求項1、段落[0010]) 特開平6−155070号公報(請求項1、請求項2、請求項7、段落[0023]、図6) 特開2004−141937号公報(請求項1、段落[0008]、段落[0013]、段落[0038])
しかしながら、特許文献2に記載されたように、はんだペースト化剤に含まれる酸素分子及び水分子中の酸素原子を100ppm以下にするためには、従来のペースト化剤を不活性ガスによりバブリングしたり、蒸留する必要があり、煩わしかった。
また、特許文献3及び4に記載されたAu被覆の方法は、一度はんだ粒子又ははんだ粉末を形成した後で、この粒子表面又は粉末表面を活性化(特許文献3)又は洗浄化処理(特許文献4)を行ってAuめっきしているため、特許文献4の図6に示すように、活性化又は洗浄化処理が不十分である場合、はんだ粉末表面に形成された酸化及び有機物汚染層が残存する。また特許文献5に記載されたAu被覆前のはんだ粉末は市販のガスアトマイズAu−Sn合金粉末であり、Au被覆前に特許文献3及び4と同様の前処理を必要とする。このため、特許文献3〜5に記載されたAu被覆のはんだ粉末ではんだ付けを行った際に、依然としてはんだ付け部に溶け残りや酸化物が存在して所望のはんだ付け強度が得られない恐れがあった。
また特許文献3には、Auメッキ膜を約0.3μm付けることのみが示され、どんな種類の微粒子でどの位の粒径の微粒子にどの程度Auを被覆するのか、特許文献3には示されていない。Auは高価であるため、はんだ粉末の種類及び粒径に相応したAuの被覆量を適切に規定する未だ解決すべき問題点があった。
更に特許文献5記載のはんだペースト用表面被覆Au−Sn合金粉末は、Au被覆層の厚さが1μm以下で薄いため、この粉末の保管中に、コアのAu−Sn成分がAu被覆層内に拡散し、粉末表面がAu−Sn合金化し、Au本来の酸化防止機能が劣化する恐れがあった。
本発明の第1の目的は、酸化が起こりにくいAu−Snはんだ粉末であって、経時劣化が少なく、長期保存安定性に優れたはんだ用ペーストを調製できるAu−Snはんだ粉末を提供することにある。本発明の第2の目的は、リフロー時の溶融性及び濡れ性に優れるとともに、経時劣化が少なく、長期保存安定性に優れたはんだ用ペーストを提供することにある。
本発明の第1の観点は、中心核と中心核を被覆する被覆層で構成されるはんだ粉末において、中心核がSn又は金属間化合物AuSnからなり、中心核がSnからなるとき、被覆層はAuからなり、中心核が金属間化合物AuSnからなるとき、被覆層は金属間化合物Au5Snからなり、中心核がSnからなるとき、中心核と被覆層の間に、第1中間層と第2中間層の2層で構成される中間層が介在し、第1中間層は金属間化合物AuSn、第2中間層は金属間化合物Au5Snからなり、はんだ粉末の一粒子中に占める中間層の割合が45質量%以上100質量%未満であり、はんだ粉末の全体量100質量%に対し、Snの含有割合が15.0〜25.0質量%であることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点のAu−Snはんだ粉末とはんだ用フラックスを含むはんだ用ペーストである。
本発明の第3の観点は、第2の観点のはんだ用ペーストを用いて電子部品を実装する方法である。
本発明の第1の観点のAu−Snはんだ粉末は、中心核と中心核を被覆する被覆層で構成されるはんだ粉末において、中心核がSn又は金属間化合物AuSnからなる。そして、中心核がSnからなるとき、被覆層はAuからなり、中心核が金属間化合物AuSnからなるとき、被覆層は金属間化合物Au5Snからなる。また、中心核がSnからなるとき、中心核と被覆層の間に、第1中間層と第2中間層の2層で構成される中間層が介在し、第1中間層は金属間化合物AuSn、第2中間層は金属間化合物Au5Snからなる。更に、はんだ粉末の一粒子中に占める中間層の割合が45質量%以上100質量%未満であり、はんだ粉末の全体量100質量%に対し、Snの含有割合が15.0〜25.0質量%である。このように、本発明のAu−Snはんだ粉末では、最外層がAu又はAuを多く含む金属間化合物からなる被覆層で構成されているため、粉末表面からの酸化が起こりにくい。また、中間層が介在する4層構造の粉末では、中間層の外側に位置する第2中間層もAuを多く含む金属間化合物からなるため、被覆層にムラ等が生じていた場合でも、酸化が粒子内へ進行するのを十分に抑制できる。そのため、このAu−Snはんだ粉末をはんだ用ペーストの調製に用いれば、長期間保管してもリフロー時の溶融性や濡れ性等が経時劣化がしにくい、長期保存安定性に優れたペーストを調製できる。また、このAu−Snはんだ粉末は、粒子内の中心核又は中間層或いは被覆層において、AuとSnが金属間化合物を形成している。このため、例えば中心核、中間層及び被覆層がそれぞれ単一の金属元素から構成されたはんだ粉末等に比べると、リフロー時の溶融拡散性等の溶融性の面で優れる。そのため、このAu−Snはんだ粉末をはんだ用ペーストの調製に用いれば、リフロー時の溶融性や濡れ性に優れたペーストを調製できる。
本発明の第2の観点のはんだ用ペーストは、ペースト中に含まれる粉末成分として、本発明のAu−Snはんだ粉末を含むため、長期間保管してもリフロー時の溶融性や濡れ性等の経時劣化が少ない。また、リフロー時の溶融性や濡れ性に優れる。
本発明の第3の観点の電子部品を実装する方法では、溶融性や濡れ性に優れた本発明のはんだ用ペーストを使用するため、簡便に、かつ高い精度で実装することができる。
本発明第1実施形態のはんだ粉末の断面構造を模式的に表した図である。 本発明第2実施形態のはんだ粉末の断面構造を模式的に表した図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
本発明のAu−Snはんだ粉末は、中心核と中心核を被覆する被覆層で構成されるAu−Snはんだ粉末の改良である。そして、図1に示すように、本発明第1実施形態のAu−Snはんだ粉末10は、中心核11がSn(錫)からなり、被覆層13はAu(金)からなる。また、中心核11と被覆層13との間に、SnとAuの金属間化合物からなる中間層12が介在し、この中間層12は、第1中間層12aと第2中間層12bの2層で構成される。また、第1中間層12aは金属間化合物AuSnから構成され、第1中間層12aよりも外側に位置する第2中間層12bは、第1中間層12aを構成する金属間化合物AuSnよりも、Auの割合が多い金属間化合物Au5Snから構成される。
このように、このAu−Snはんだ粉末10は、当該粉末10を構成する粒子が、酸化の影響を受けやすい粒子の外側の層へ向かうに従って、即ち中心核11、第1中間層12a、第2中間層12b、被覆層13の順に、各層中に占めるAuの割合が多くなる構造になっている。この構造により、粉末単体で或いははんだ用ペーストとして長期間保管しても、粉末表面の酸化が大幅に抑制される。その技術的理由は、以下の理由からと推察される。例えばAuとSnの組成が同じ粉末(粒子)同士であっても、SnをAuで被覆した構造の粒子からなる粉末、即ち全てのAuを粒子の最外層へ分布させた粉末では、被覆層に被覆ムラ等があった場合、Snの酸化を一気に進行させる。一方、この第1実施形態のAu−Snはんだ粉末10は、例えば、極めて長期に亘って保管された場合や、被覆層13が薄く或いは被覆ムラがあり、被覆層13によって酸化が十分に食い止められない状況が生じた場合でも、第2中間層12bよって、当該第2中間層12bよりもSnを多く含む第1中間層12aの酸化が防止される。同様に、より酸化されやすいSnからなる中心核11は、Auをより多く含む第1中間層12aにより保護される。このように、一粒子内における組成分布を、粒子の外側の層へ向かうに従って、上記のように段階的に偏在させることにより、極めて高い酸化防止性能が付与される。なお、図1は、第1中間層12aが中心核11を、また第2中間層12bが第1中間層12aをそれぞれ完全に被覆した状態の構造を模式的に示したものであるが、本発明第1実施形態のAu−Snはんだ粉末は、このような構造に限定されるものではなく、第1中間層12aが中心核11の一部を、また第2中間層12bが第1中間層12aの一部をそれぞれ被覆するように介在した構造も含まれる。また、第2中間層12bの一部を被覆する構造も含まれる。
また、予め中間層12をAuとSnとの金属間化合物としているため、例えば中間層が単一の金属元素から構成されたはんだ粉末等に比べると、リフロー時の溶融拡散性が非常に良い。その技術的な理由は、例えば単一の金属元素からなる金と比べて、AuとSnとの金属間化合物の方が既にSnが拡散しているので、固液共存状態が短時間であり、融液の流動性が高いためであると推察される。また、粉末を構成する一粒子内において、AuとSnが金属間化合物を一部形成し、製造後の粒子内で既にSnが一部拡散しているため、はんだバンプ等を形成した時に組成が均一になりやすい。そのため、組成制御が容易であり、濡れ性にも優れる。
Au−Snはんだ粉末10の一粒子中に占める中間層12の割合は45質量%以上100質量%未満である。中間層12は、上述のように金属間化合物AuSnからなる第1中間層12aと、金属間化合物Au5Snからなる第2中間層12bにより構成されるが、一粒子中に占める中間層12の割合が少なすぎると、一粒子中に含まれる金属間化合物が少なくなるため、リフロー時の溶融拡散性が悪くなる。このうち、一粒子中に占める中間層12の割合は60質量%以上100質量%未満であることが好ましい。
はんだ粉末の全体量100質量%に対し、Snの含有割合は好ましくは15.0〜25.0質量%である。即ち、残部がAu及び不可避成分により構成される。Snの割合が上記範囲になるように粉末の組成を制御するのが好ましい理由は、共晶点から組成がずれるのを防止してはんだ粉末の融点を低くするためである。
はんだ粉末の平均粒径は1〜50μmであることが好ましい。はんだ粉末の平均粒径が下限値未満になると、調製するはんだペーストの粘度が大きくなり過ぎる場合がある。一方、上限値を超えると、例えば調製されたはんだペーストを用いて高精細な印刷パターンを形成する際に不具合が生じる場合がある。なお、本明細書において、粉末の平均粒径とは、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置(堀場製作所社製、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950)にて測定した体積累積中位径(Median径、D50)をいう。
続いて、上述の第1実施形態のはんだ粉末を製造する方法について説明する。先ず、水に、チオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩、及び塩化アンモニウム等のアンモニウム塩を添加して溶解液を調製する。調製した溶解液に、錫粉末を添加して、更に分散剤を添加、撹拌することにより錫粉末分散液を調製する。錫粉末には、アトマイズ法や湿式還元法等により得られた、好ましくは平均粒径が1〜50μmの錫粉末を使用することができる。また、分散剤として、セルロース系、ビニル系、多価アルコール等が挙げられ、その他にゼラチン、カゼイン等を用いることができる。
また、上記錫粉末分散液とは別に、水に金化合物を加えて攪拌することにより、金イオン溶液を調製する。金化合物としては、塩化金酸ナトリウム又は亜硫酸金ナトリウム等が挙げられる。
更に、上記錫粉末分散液及び金イオン溶液以外に、還元剤水溶液を別途調製しておく。還元剤としては、アスコルビン酸ナトリウムのほか、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン等のホウ素水素化物、ヒドラジン等の窒素化合物等が挙げられる。
次に、上記調製した錫粉末分散液を撹拌しながら、ここに、上記調製した金イオン溶液と還元剤水溶液を、それぞれ、好ましくは添加速度1〜10mL/minで同時に添加する。これにより、各金属イオンを還元させて、液中に金属粉末が分散するスラリーを得る。得られたスラリーは、好ましくは12時間以上静置し、その後、吸引ろ過等により固形分(金属粉末)を回収し、回収した固形分の洗浄を行う。次いで、洗浄後の固形分を真空乾燥機等を用いて乾燥させることにより、Snの表面をAuが被覆する金属粉末が得られる。
続いて、上記得られた金属粉末に、次の手順により加熱処理を施す。具体的には、得られた金属粉末を窒素ガスやアルゴンガス等の非酸化性の雰囲気中で加熱することにより、AuとSnの金属間化合物からなる中間層が形成される。なお、この加熱処理の初期段階において、中心核11側の第1中間層(AuSn)12aと、被覆層13側の第2中間層(Au5Sn)12bの2層からなる中間層が形成されるのは、加熱処理を施す、上述のSnの表面をAuが被覆する金属粉末が、中心側がSnの割合が多く、外側がAuの割合が多い構造になっているためである。
また、加熱処理の際の処理温度は80〜150℃とすることが好ましい。処理温度が低すぎると、金属間化合物からなる中間層が形成されにくい。一方、処理温度が高すぎると、粉末表面間の焼結により粉末同士の固着が生じる場合がある。なお、処理時間は、金属間化合物からなる中間層の一粒子中に占める割合を決定するものであり、処理時間が長くなるにつれ、一粒子中に占める中間層の割合が増加し、中心核と被覆層の割合が減少する。そのため、中間層の割合が同じ割合の粉末を得る場合でも、上記錫粉末分散液の調製に使用した錫粉末の粒径の大きさ等によって処理時間は異なるが、例えば目安として、平均粒径10μmの錫粉末を使用し、処理温度100℃に設定する場合、一粒子中に占める中間層の割合を上記割合に制御するには、処理時間を好ましくは5〜12時間に設定する。これよりも平均粒径が大きい錫粉末を使用する場合は処理時間をより長く設定し、小さい錫粉末を使用する場合はより短く設定すれば、中間層の割合を所望の割合に制御できる。以上の工程により、本発明第1実施形態のAu−Snはんだ粉末を得ることができる。
<第2の実施の形態>
本発明第2実施形態のAu−Snはんだ粉末は、図2に示すように中心核が金属間化合物AuSnからなり、被覆層は金属間化合物Au5Snからなる。なお、この第2実施形態のAu−Snはんだ粉末では、上述の第1実施形態のAu−Snはんだ粉末と異なり、中心核と被覆層の間に中間層が介在しない。
このように、このAu−Snはんだ粉末20は、当該粉末20を構成する粒子が、酸化の影響を受けやすい粒子の外側の層へ向かうに従って、即ち中心核21、被覆層23の順に、Auの割合が多くなる構造になっている。上述の第1実施形態のAu−Snはんだ粉末と比較すると、上述の第1実施形態のAu−Snはんだ粉末では、酸化の影響を受けやすい粒子の外側の層へ向かうに従って、第1中間層12a、第2中間層12b、被覆層13の順に、4段階でAuの割合が多くなるよう偏在させている。しかも最外層に、Auからなる被覆層13を配置しているため、粉末単体で或いははんだ用ペーストとして長期間保管しても、非常に高い酸化防止効果が得られる。一方、この図2に示す第2実施形態のAu−Snはんだ粉末20は、酸化の影響を受けやすい粒子の外側の層へ向かうに従って、中心核21、被覆層23の順に、2段階でAuの割合が多くなるよう偏在させている。この構造により、高い酸化防止効果が得られる技術的理由は、次の理由からと推察される。第2実施形態のAu−Snはんだ粉末20は、上述のように、2段階でAuの割合を層ごとに偏在させた構造であり、最外層である被覆層23も、Au単一の層で構成されてないことから、酸化防止の面で、第1実施形態のAu−Snはんだ粉末よりも若干劣る傾向もみられるが、最外層である被覆層23は、Auの割合が多く、酸化防止効果がより高いAu5Snから構成される。このため、第2実施形態のAu−Snはんだ粉末20も、上述の第1実施形態のAu−Snはんだ粉末10と同様、非常に高い酸化防止効果が得られる。
また、第1実施形態のAu−Snはんだ粉末は単一のAuやSnが残存しているのに対し、この第2実施形態のAu−Snはんだ粉末は、一粒子を構成する全ての層が金属間化合物により構成され、溶融時にAu−Sn間の拡散が不要である。そのため、第1実施形態のAu−Snはんだ粉末よりも更にリフロー時の溶融拡散性に優れる。また、濡れ性にも優れる。
第2実施形態のAu−Snはんだ粉末20は、一粒子中に占める被覆層23の割合が50〜80質量%、残部が中心核21であることが好ましい。この割合は、はんだ粉末の全体量100質量%に対して、Snの含有割合を好ましくは15.0〜25.0質量%に制御することにより一義的に決定される。
はんだ粉末の全体量100質量%に対するSnの含有割合は、上述の理由から、第1実施形態のはんだ粉末と同様、好ましくは15.0〜25.0質量%である。即ち、残部がAuにより構成される。また、はんだ粉末の平均粒径も、上述の第1実施形態のはんだ粉末と同様、1〜50μmであることが好ましい。
続いて、この第2実施形態のAu−Snはんだ粉末を製造する方法について説明する。この第2実施形態のAu−Snはんだ粉末は、具体的には、上述の加熱処理を行う際の処理時間が異なること以外は、上述の第1実施形態のAu−Snはんだ粉末と同様の方法により得られる。上述のように、加熱処理を行う際の処理時間は、第1実施形態のAu−Snはんだ粉末において、金属間化合物からなる中間層の一粒子中に占める割合を決定するものであり、処理時間が長くなるにつれ、一粒子中に占める中間層の割合が増加し、中心核と被覆層の割合が減少するというものである。即ち、中心核と被覆層の割合が0質量%になるまで、処理時間を長くすることにより、第2実施形態のAu−Snはんだ粉末が得られる。例えば目安として平均粒径10μmの錫粉末を使用し、処理温度を100℃とする場合、処理時間を好ましくは12時間以上に設定する。
<はんだ用ペーストの調製>
以上の工程により得られた、本発明第1,第2実施形態のAu−Snはんだ粉末は、はんだ用フラックスと混合してペースト化して得られるはんだ用ペーストの材料として好適に用いられる。はんだ用ペーストの調製は、はんだ粉末とはんだ用フラックスとを所定の割合で混合してペースト化することにより行われる。はんだ用ペーストの調製に用いられるはんだ用フラックスは、特に限定されないが、溶剤、ロジン、チキソ剤及び活性剤等の各成分を混合して調製されたフラックスを用いることができる。
上記はんだ用フラックスの調製に好適な溶剤としては、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、α−テルピネオール等の沸点が180℃以上である有機溶剤が挙げられる。また、ロジンとしては、ガムロジン、水添ロジン、重合ロジン、エステルロジン等が挙げられる。
また、チキソ剤としては、硬化ひまし油、脂肪酸アマイド、天然油脂、合成油脂、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸、1,2,3,4−ジベンジリデン−D−ソルビトール及びその誘導体等が挙げられる。
また、活性剤としては、ハロゲン化水素酸アミン塩が好ましく、具体的には、トリエタノールアミン、ジフェニルグアニジン、エタノールアミン、ブチルアミン、アミノプロパノール、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンラウレルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、エチルヘキシルアミン、エトキシプロピルアミン、エチルヘキシルオキシプロピルアミン、ビスプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、アニリン、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、3−アミノ−1−プロペン、イソプロピルアミン、ジメチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン等のアミンの塩化水素酸塩又は臭化水素酸塩が挙げられる。
はんだ用フラックスは、上記各成分を所定の割合で混合することにより得られる。フラックス全体量100質量%中に占める溶剤の割合は30〜60質量%、チキソ剤の割合は1〜10質量%、活性剤の割合は0.1〜10質量%とするのが好ましい。溶剤の割合が下限値未満では、フラックスの粘度が高くなりすぎるため、これを用いたはんだ用ペーストの粘度も応じて高くなり、はんだの充填性低下や塗布ムラが多発する等、印刷性が低下する不具合を生じる場合がある。一方、上限値を越えるとフラックスの粘度が低くなりすぎるため、これを用いたはんだ用ペーストの粘度も応じて低くなることから、はんだ粉末とフラックス成分が沈降分離する不具合を生じる場合がある。また、チキソ剤の割合が下限値未満では、はんだ用ペーストの粘度が低くなりすぎるため、はんだ粉末とフラックス成分が沈降分離するという不具合を生じる場合がある。一方、上限値を越えるとはんだ用ペーストの粘度が高くなりすぎるため、はんだ充填性や塗布ムラ等の印刷性低下という不具合を生じる場合がある。また、活性剤の割合が下限値未満では、はんだ粉末が溶融せず、十分な接合強度が得られないという不具合を生じる場合があり、一方、上限値を越えると保管中に活性剤がはんだ粉末と反応し易くなるため、はんだ用ペーストの保存安定性が低下するという不具合を生じる場合がある。この他、はんだ用フラックスには、粘度安定剤を添加しても良い。粘度安定剤としては、溶剤に溶解可能なポリフェノール類、リン酸系化合物、硫黄系化合物、トコフェノール、トコフェノールの誘導体、アルコルビン酸、アルコルビン酸の誘導体等が挙げられる。粘度安定剤は、多すぎるとはんだ粉末の溶融性が低下する等の不具合が生じる場合があるため、10質量%以下とするのが好ましい。
はんだ用ペーストを調製する際のはんだ用フラックスの混合量は、調製後のペースト100質量%中に占める該フラックスの割合が5〜30質量%になる量にするのが好ましい。下限値未満ではフラックス不足でペースト化が困難になり、一方、上限値を越えるとペースト中のフラックスの含有割合が多すぎて金属の含有割合が少なくなってしまい、はんだ溶融時に所望のサイズのはんだバンプを得るのが困難になるからである。
このはんだ用ペーストは、上記本発明のはんだ粉末を材料としているため、リフロー時の溶融が速く、溶融性に優れ、かつ濡れ性にも優れる。また、Auを含んでいるため、本発明のはんだ用ペーストは、特に高温雰囲気に晒される電子部品等の実装に好適に用いることができる。
<電子部品の実装>
上記方法で調製されたはんだ用ペーストを用いてシリコンチップ、LEDチップ等の電子部品を各種放熱基板、FR4(Flame Retardant Type 4)基板、コバール等の基板に実装するには、ピン転写法にて上記基板の所定位置にはんだ用ペーストを転写するか、又は印刷法により所定位置にはんだ用ペーストを印刷する。次いで、転写又は印刷されたペースト上に電子部品であるチップ素子を搭載する。この状態で、リフロー炉にて窒素雰囲気中、好ましくは300〜350℃の温度で、5〜30分間保持して、チップ素子を接合する。場合によっては、チップ素子と基板とを加圧しながら接合してもよい。これにより、チップ素子が基板に接合した接合体が得られる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、水100mLにチオ硫酸ナトリウムを0.02mol、亜硫酸ナトリウムを0.02mol、塩化アンモニウムを0.02mol加え、スターラを用いて回転速度300rpmにて5分間攪拌し、溶解液を調製した。この溶解液に平均粒径が7.5μmの錫粉末を0.2g添加した後、分散剤としてポリビニルアルコール500(平均分子量が500のポリビニルアルコール)を0.1g加え、更に回転速度300rpmにて10分間攪拌することにより、錫粉末分散液を調製した。
一方、水50mLに塩化金酸ナトリウムを0.0025mol加え、スターラを用いて回転速度300rpmにて5分間攪拌することにより、金イオン溶液を調製した。
また、水50mLにアスコルビン酸ナトリウムを0.02g加え、スターラを用いて回転速度300rpmにて5分間攪拌することにより、還元剤水溶液を調製した。
次に、上記調製した錫粉末分散液を撹拌しながら、ここに、上記調製した金イオン溶液と還元剤水溶液の全量をそれぞれ添加速度5mL/minで同時に添加して、各金属イオンを還元させることにより、液中に金属粉末が分散するスラリーを得た。このスラリーを吸引ろ過にて固形分(金属粉末)を洗浄回収した。
次いで、洗浄後の固形分を真空乾燥機にて乾燥させることにより、Snの表面をAuが被覆する金属粉末を得た。
続いて、上記得られた金属粉末に、次の手順により加熱処理を施した。具体的には、窒素雰囲気中で、上記得られた金属粉末をアルミラミネートパックにて真空封入した後、これを電気炉を用いて100℃の温度で5時間加熱した。
以上の工程により、Snを中心核、Auを被覆層とし、中心核と被覆層の間に、中心核の少なくとも一部を被覆するように金属間化合物AuSn及びAu6Snが介在するはんだ粉末を得た。
<実施例2>
以下の表1に示すように、上記熱処理の際の処理時間を10時間としたこと以外は、実施例1と同様にしてはんだ粉末を得た。
<実施例3>
以下の表1に示すように、上記熱処理の際の処理時間を24時間としたこと以外は、実施例1と同様にしてはんだ粉末を得た。
<実施例4>
上記錫粉末分散液を調製する際、平均粒径が7.5μmの錫粉末を使用し、この錫粉末の添加量を0.15gとしたこと以外は、実施例2と同様にしてはんだ粉末を得た。
<実施例5>
上記錫粉末分散液を調製する際、平均粒径が7.5μmの錫粉末を使用し、この錫粉末の添加量を0.25gとしたこと以外は、実施例2と同様にしてはんだ粉末を得た。
<比較例1>
上記錫粉末分散液を調製する際、平均粒径が7.5μmの錫粉末を使用し、この錫粉末の添加量を0.1gとしたこと以外は、実施例2と同様にしてはんだ粉末を得た。
<比較例2>
上記錫粉末分散液を調製する際、平均粒径が7.5μmの錫粉末を使用し、この錫粉末の添加量を0.3gとしたこと以外は、実施例2と同様にしてはんだ粉末を得た。
<比較例3>
アトマイズ法により得られた、金属間化合物AuSnと金属間化合物Au5Snが一粒子内に微細に分散する構造のはんだ粉末を比較例3とした。
<比較試験及び評価>
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたはんだ粉末について、次に述べる方法により、粉末を構成する金属粒子の構造、一粒子中に占める各層の割合、組成又は粉末の平均粒径の分析又は測定を行った。また、これらの粉末を用いて調製したはんだ用ペーストについて濡れ性の評価を行った。これらの結果を以下の表1に示す。
(1) 構造解析:粉末X線回折装置(リガク社製:RINT Ultima+/PC))にて、はんだ粉末(粒子)の構造解析を行った。
(2) 一粒子中に占める各層の割合:粉末X線回折法により得られたスペクトルを、ソフトウェアPDXL(リガク社製)を用いて解析することにより、Sn、AuSn、Au5Sn、Auの割合(質量比)を確認した。なお、中心核がSn又はAuSn、第一中間層がAuSn、第二中間層がAu5Sn、被覆層がAu又はAu5Snであることは、粉末の製造工程、即ち錫粉末の表面に金を被覆させ、その後熱処理を行うという工程等から自明である。
(3) 組成:ICP発光分析装置(島津製作所社製、型式名:ICPS−7510)を用いた誘導結合プラズマ発光分光分析(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectroscopy、ICP-AES)により金属元素含有量を測定した。
(4) 平均粒径:レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置(堀場製作所社製、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950)にて粒径分布を測定し、その体積累積中位径(Median径、D50)をはんだ粉末の平均粒径とした。
(5) はんだ用ペーストの濡れ性:粉末93質量%と市販のRMA(Mildy Activated Rosin base)フラックス7質量%とを混合してはんだ用ペーストを調製した。このはんだ用ペーストの濡れ性をJISZ3284に記されている「ぬれ効力及びディウエッティング試験」に準じて行った。評価についても同様に濡れ広がり度合いを1〜4に区分した。はんだ用ペーストの濡れ性は、ペースト調製直後と、ペーストを調製してから3ヶ月経過後と、ペーストを調製してから6ヶ月経過後の濡れ広がりの度合いをそれぞれ判定した。ここで、はんだ用ペースト調製後の保管中の温度は25℃に維持した。なお、表1において、「1」が濡れ広がり度合いが最も濡れ性に優れることを示し、「4」が最も濡れ性が悪いことを示す。また、調製直後とは、ペーストを調製した後、24時間以内のことをいう。
Figure 2017100176
Figure 2017100176
表2から明らかなように、実施例1,2,4,5と比較例1〜3とを対比すると、アトマイズ法により得られたはんだ粉末を使用した比較例3では、ペーストの調製直後における濡れ性は、高い評価が得られたが、時間の経過とともに評価が悪くなる結果となった。これは実施例1,2,4,5で得られたはんだ粉末は、粉末表面がAuで構成されているのに対し、比較例3のはんだ粉末は、粉末表面がAuSnとAu5Snで構成されているため,粉末の酸化やフラックスの活性成分との反応が経時的に起きているからと考えられる。一方、実施例3と比較例3で得られたはんだ粉末を対比すると、両粉末はともにAuSnとAu5Snで構成されているが、実施例3のはんだ粉末の方は、比較的酸化しづらいAu5Snが粉末表面に存在する構造になっている。そのため、AuSnとAu5Snが粉末に微細に分散して存在する比較例3のはんだ粉末よりも経時安定性に優れるという結果となった。
また、比較例1では、粉末中のSnに含まれる割合が多く、Au−Snの共晶組成であるAu:Sn=80:20(質量比)から大幅に外れたために、粉末が溶融せず、ペーストの調製直後から濡れ性の評価が悪い結果となった。
また、比較例2では、粉末中に含まれるAuの割合が多く、Au−Snの共晶組成から大幅に外れたために、粉末が溶融せず、ペーストの調製直後から濡れ性の評価が悪い結果となった。
これに対して、実施例1〜5では、実施例3〜5においてペーストの調製後1ヶ月又は調製後6ヶ月における濡れ性の評価が若干悪くなったことを除き、高い評価が得られた。
本発明は、長期間保管することがあるはんだ粉末に好適に利用できる。また電子部品の実装、特に高温雰囲気に晒される電子部品の実装に好適に利用できる。
10、20 はんだ粉末(粒子)
11、21 中心核
12、22 中間層
13、23 被覆層

Claims (3)

  1. 中心核と前記中心核を被覆する被覆層で構成されるAu−Snはんだ粉末において、
    前記中心核がSn又は金属間化合物AuSnからなり、
    前記中心核がSnからなるとき、前記被覆層はAuからなり、
    前記中心核が金属間化合物AuSnからなるとき、前記被覆層は金属間化合物Au5Snからなり、
    前記中心核がSnからなるとき、前記中心核と前記被覆層の間に、第1中間層と第2中間層の2層で構成される中間層が介在し、
    前記第1中間層は金属間化合物AuSn、前記第2中間層は金属間化合物Au5Snからなり、
    前記はんだ粉末の一粒子中に占める前記中間層の割合が45質量%以上100質量%未満であり、
    前記はんだ粉末の全体量100質量%に対し、Snの含有割合が15.0〜25.0質量%である
    ことを特徴とするAu−Snはんだ粉末。
  2. 請求項1記載のAu−Snはんだ粉末とはんだ用フラックスを含むはんだ用ペースト。
  3. 請求項2記載のはんだ用ペーストを用いて電子部品を実装する方法。
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