JP2018135553A - 接合用粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Hiroki Muraoka
弘樹 村岡
樋上 晃裕
Akihiro Higami
晃裕 樋上
広太郎 岩田
Kotaro Iwata
広太郎 岩田
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Abstract

【課題】粉末保管時に中心核の銅又はニッケルの被覆層への拡散やこの被覆層の錫の中心核への拡散が抑制された接合用粉末及びその製造方法の提供。【解決手段】銅又はニッケルの金属からなる中心核11と中心核11を被覆する錫からなる被覆層12により構成され、中心核11と被覆層12の間にポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸からなる高分子中間層13が形成される接合用粉末10。ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸からなる分散剤とした高分子の溶液と銅又はニッケルの金属粉末を混合して、金属粉末分散液を調整し、金属粉末分散液に錫イオン溶液を混合して混合液を作成し、更に還元剤溶液を混合し、錫を還元して、銅又はニッケルの金属からなる中心核11を高分子中間膜層13が覆いその上に錫12が被覆する接合用粉末10の合成方法。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品等の実装に用いられる、中心核が錫又はニッケルからなり、被覆層が錫からなる接合用粉末及びその製造方法に関する。更に詳しくは、Cu6Sn5やCu3Snからなる組成の金属間化合物(Inter-Metallic Compound:IMC)に変化させる遷移的液相焼結法(Transient Liquid Phase Sintering:TLPS法)に好適に用いられる接合用粉末及びその製造方法に関する。
従来、銅粉の粉粒をコア材として用い、当該粉粒の表面にスズ被覆層を備えたスズコート銅粉であって、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した重量累積粒径D50の値が0.1μm〜10μmの銅粉の粉粒をコア材とし、当該銅粉の粉粒表面に0.1wt%〜5.0wt%のスズ被覆層を備えることを特徴とするプリント配線板の導体形成用のスズコート銅粉が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このスズコート銅粉は、銅粉の表面に設けるスズ被覆層は、従来のスズコート銅粉と比べて、非常に薄い(含有量として少ない)特徴がある。またこのスズコート銅粉は、粒径が10μm以下の微粒であって、分散性に優れ、通常の銅粉と比較したときの低温焼結が可能で、且つ、そのスズ含有量が少ないため電解法で得られたスズコート銅粉に比べ低電気抵抗であるという発明の効果を奏するとされる。
特開2004−156061号公報(請求項1、段落[0014]、段落[0054])
しかしながら、特許文献1に記載されたスズコート銅粉は、スズ被覆層が非常に薄いこと、及び銅の錫への拡散係数が大きいことから、室温で数日間保管すると、容易にSnとCuの金属間化合物が形成され、被覆層であるスズ単体相が消失してしまうおそれがあった。被覆層全体又は被覆層の一部がこの種の金属間化合物層を形成した接合用粉末は、上記金属間化合物を有しない接合用粉末と比較して凝固開始温度が上昇する。このため、数日間保管した接合用粉末と、保管前又は保管期間の短い接合用粉末とは、上記金属間化合物の有無の違い又は上記金属間化合物の形成量の違いにより、凝固開始温度に差異を生じ、数日間保管した接合用粉末を、保管前又は保管期間の短い接合用粉末が溶融する温度で、接合時に加熱させた場合、加熱時の溶融ムラや溶融性不良による接合不良を生じることがあった。
本発明の第1の目的は、粉末保管時に中心核の銅又はニッケルの被覆層への拡散やこの被覆層の錫の中心核への拡散が抑制された接合用粉末及びその製造方法を提供することにある。また本発明の第2の目的は、長期間保管した接合用粉末を、保管前又は保管期間の短い接合用粉末が溶融する温度で、接合時に加熱させても接合用粉末の溶融性が良好な接合用粉末及びその製造方法を提供することにある。また本発明の第3の目的は、接合後、特に高温雰囲気に晒される電子部品等の実装に好適な接合用粉末及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、金属粉末を溶媒に分散させる高分子分散剤として粉末表面に吸着する型の分散剤を用い、溶媒中で金属粉末同士の接触を防止する本来の分散剤の機能に加えて、この分散剤の溶媒中の含有割合を所定量増やすことにより、分散剤に製造後の接合用粉末の中心核と被覆層の間に高分子中間層を形成する機能を生じることに着目し、本発明に到達した。
本発明の第1の観点は、図1に示すように、銅又はニッケルの金属からなる中心核11と中心核を被覆する錫からなる被覆層12により構成され、中心核と被覆層の間にポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸からなる高分子中間層13が形成されたことを特徴とする接合用粉末である。
本発明の第2の観点は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸からなる分散剤としての高分子化合物の溶液と銅又はニッケルの金属粉末とを混合して金属粉末分散液を調製し、前記金属粉末分散液と錫イオン溶液とを混合して混合液を調製し、前記混合液と還元剤溶液とを混合することにより、銅又はニッケルの金属からなる中心核を錫からなる被覆層で被覆し、かつ前記中心核と前記被覆層の間に前記高分子化合物からなる高分子中間層を形成し、前記分散剤としての高分子化合物を前記高分子化合物の溶液に対して12.5〜75.0g/Lの濃度に調整することを特徴とする接合用粉末の製造方法である。
本発明の第3の観点は、第1の観点の接合用粉末又は第2の観点の方法で製造された接合用粉末と接合用フラックスを混合してペースト化することにより接合用ペーストを調製する方法である。
本発明の第4の観点は、第3の観点の方法により調製された接合用ペーストを用いて電子部品を実装する方法である。
本発明の第1の観点の接合用粉末は、銅又はニッケルの金属からなる中心核と錫の被覆層の間にポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸からなる高分子中間層が介装されるので、中心核の銅又はニッケルが被覆層の錫に拡散することは勿論、被覆層の錫が中心核の銅又はニッケルに拡散することを防止できる。この結果、長期間保管した接合用粉末を、保管前又は保管期間の短い接合用粉末が溶融する温度で、接合時に加熱させても接合用粉末の溶融性が良好である優れた効果を奏する。
本発明の第2の観点の接合用粉末の製造方法では、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸からなる分散剤としての高分子化合物の溶液に銅又はニッケルの金属粉末と分散させて金属粉末分散液を調製するときの高分子化合物の含有割合を高分子化合物の溶液に対して12.5〜75.0g/Lにすることにより、前記高分子化合物からなる高分子中間層が金属粉末の中心核と錫からなる被覆層の間に形成され、この高分子中間層が中心核の銅又はニッケルが被覆層の錫に拡散することは勿論、被覆層の錫が中心核の銅又はニッケルに拡散することを防止できる。この結果、長期間保管した接合用粉末を、保管前又は保管期間の短い接合用粉末が溶融する温度で、接合時に加熱させても接合用粉末の溶融性が良好である優れた効果を奏する。
本発明の第3の観点の方法により調製された接合用ペーストは、上記本発明の接合用粉末を用いて得られる。そのため、この接合用ペーストは、接合時に溶融が速く、溶融性に優れる。
本発明の第4の観点の電子部品を実装する方法では、上記本発明の接合用ペーストを用いるため、接合時には接合用ペーストの溶融の速さ、優れた溶融性により、簡便に、かつ高い精度で電子部品を実装することができる。
本発明の実施形態の被覆層が錫からなる接合用粉末の断面構造の一例を模式的に表した図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
〔接合用粉末〕
本実施形態の接合用粉末は、図1に示すように、中心核11と中心核11を被覆する被覆層12で構成され、中心核11が銅又はニッケルの金属からなり、被覆層12が錫からなり、かつ中心核と被覆層の間にポリビニルピロリドン(以下、PVPということがある。)、ポリアクリル酸(以下、PAAということがある。)又はポリビニルアルコール(以下、PVAということがある。)からなる高分子中間層13を有する。本実施形態の接合用粉末は、このように、銅又はニッケルからなる中心核が、融点の低い錫からなる被覆層で被覆された構造になっているため、接合時の溶融性に優れる。高分子中間層13は接合時の加熱により、最外殻の錫被覆層が溶融して融液になる際に脱離するため、銅又はニッケルからなる中心核と被覆層の間の金属間化合物の形成に悪影響を与えない。また粉末を構成する一つの金属粒子内において、銅又はニッケルと錫が含まれるため、接合時の溶融ムラや組成ズレが起こりにくく、高い接合強度が得られる。更に、接合用粉末が中心核と被覆層の間に高分子中間層を有するため、銅又はニッケルの錫への拡散及び錫の銅又はニッケルへの拡散を防止することができる。
本実施形態の接合用粉末10は、平均粒径が1μm以上30μm以下であることが好ましい。30μmを越えると接合用ペーストでパターンを形成する場合に塗布ムラが生じ、パターン全面を均一にコートしにくい。1μm未満では、比表面積が高くなり、粉末の表面酸化層の影響により接合用粉末の溶融性が低下し易い。接合用粉末の平均粒径は2〜20μmの範囲とするのが好ましく、1〜8μmの範囲とするのが更に好ましい。なお、本明細書で平均粒径とは、後述する装置で測定した体積累積中位径(Median径、D50)をいう。
また、本実施形態の接合用粉末10は、粉末の全体量100質量%に対し、銅又はニッケルの含有割合が1質量%以上73質量%以下であることが好ましい。本実施形態の接合用粉末は、上記範囲で銅又はニッケルを含むことにより、接合した後に、凝固開始温度が415℃のCu6Sn5又は凝固開始温度が676℃のCu3Snに代表される高い凝固開始温度を有するSn−Cu合金又は凝固開始温度が769℃のNi3Sn4に代表される高い凝固開始温度を有するSn−Ni合金を形成する。なお、銅又はニッケルの含有割合が少なくても、接合した後は、錫よりも凝固開始温度の高いSn−Cu合金又はSn−Ni合金を形成するが、銅又はニッケルをより多く含有させることで、凝固開始温度が更に上昇するのは、合金中に高い融点を有する金属間化合物の比率がより一層高くなるという理由からである。これにより、この接合用粉末を含む接合用ペーストの加熱によって形成される接合層では、耐熱性が大幅に向上し、再溶融及び接合強度の低下を防止することができる。このため、特に高温雰囲気に晒される電子部品等の実装に用いられる高温用の接合粉末として好適に用いることができる。銅又はニッケルの含有割合が1質量%未満では、凝固開始温度が低くなることから、加熱した後に形成される接合層において十分な耐熱性が得られず、高温雰囲気での使用の際に再溶融が起こり、高温用の接合用粉末として用いることができない。一方、73質量%を越えると凝固開始温度が高くなり過ぎて、接合用粉末が十分に溶融しないため、接合不良が発生するという不具合が生じる。このうち、粉末の全体量100質量%に占める銅又はニッケルの含有割合は、27質量%以上62質量%以下とするのが更に好ましい。
更に、接合用粉末中の錫の含有割合は、粉末中の上記銅又はニッケル以外の残部、即ち接合用粉末の全体量100質量%に対して27質量%以上99質量%未満が好ましい。38質量%以上73質量%以下が更に好ましい。錫の含有割合が27質量%未満では、接合時において接合用粉末に必要とされる低融点を示しにくいからである。また、99質量%以上では、結果的に銅又はニッケルの含有割合が少なくなり、接合後に形成される接合層の耐熱性が低下し易い。即ち、高温雰囲気に実装後の接合層が晒されると実装後の接合層が再溶融するか、又は接合層の一部において液相が生じて、基板等との接合強度が低下し易い。
〔接合用粉末の製造方法〕
続いて、本実施形態の接合用粉末の製造方法について説明する。
先ず、溶媒に分散剤としての高分子化合物(以下、分散剤兼高分子中間層の形成剤という。)を添加混合して高分子化合物の溶液(以下、高分子中間層形成剤の溶液という。)を調製する。次いで、この高分子中間層形成剤の溶液と銅粉末又はニッケル粉末とを混合して金属粉末分散液を調製する。このとき高分子中間層形成剤の溶液に金属粉末を添加し混合することが好ましいが、金属粉末に高分子中間層形成剤の溶液を添加し混合してもよい。分散剤兼高分子中間層の形成剤としては、粉末表面に吸着する型のPVP、PAA又PVAの高分子化合物が挙げられる。これらの高分子化合物は溶液中で上記金属粉末の表面に吸着し、金属粉末同士が接触して凝集することを防止するとともに、高分子中間層を形成する。
PVPは平均分子量が10,000〜160,000であるものが、PAAは平均分子量が5,000〜250,000であるものが、PVAは平均分子量が20,000〜100,000であるものが、それぞれ好ましい。分散剤兼高分子中間層の形成剤の添加割合は、高分子化合物の溶液、即ち溶媒に対して、12.5〜75.0g/Lの範囲にする。下限値の12.5g/L未満では、中心核と被覆層の間に高分子中間層が形成されず、また75.0g/Lを超えると、不必要に厚い高分子中間層が形成され、接合時に錫と中心核となる銅又はニッケルとの融合反応が高分子中間層に阻害され、目標とする金属組成にならない不具合を生じる。好ましくは、20〜50g/Lである。
溶媒としては、水、pHを0.1〜2.0に調整した塩酸、硫酸等が挙げられる。
次いで、銅又はニッケルの金属粉末の分散液と錫イオン濃度が25〜50g/L、好ましくは30〜45g/Lの2価錫イオン溶液とを混合して混合液を調製する。このとき金属粉末の分散液に2価錫イオン溶液を添加し混合することが好ましいが、2価錫イオン溶液に金属粉末の分散液を添加し混合してもよい。
一方、還元剤を溶解した水溶液を調製する。この水溶液のpHを、上記溶媒のpHと同程度に調整する。還元剤としては、ホスフィン酸ナトリウム等のリン酸系化合物、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン等のホウ素水素化物、ヒドラジン等の窒素化合物、三価のチタンイオンや2価のクロムイオン等の金属イオン等が挙げられる。
次に、上記金属粉末分散液と2価錫イオン溶液とを混合した混合液と上記還元剤水溶液とを混合しスターラ等で撹拌する。このとき混合液に還元剤溶液を添加し混合することが好ましいが、還元剤溶液に混合液を添加し混合してもよい。これにより、混合液中の錫イオンが還元され、液中に分散している金属粉末を被覆している高分子中間層の表面に析出し、この表面に錫からなる被覆層が形成される。この結果、液中で、銅又はニッケルの金属からなる中心核と錫からなる被覆層の間にPVP、PAA又はPVAからなる高分子中間層が形成された接合用粉末前駆体が得られる。
次に、この接合用粉末前駆体を含む液を、デカンテーション等によって固液分離し、回収した固形分を水又はpHを調整した水溶液、或いはメタノール、エタノール、アセトン等で洗浄する。洗浄後は、再度固液分離して固形分を回収する。洗浄から固液分離までの工程を、好ましくは2〜5回繰り返す。回収した固形分を減圧乾燥させることにより、銅又はニッケルの金属からなる中心核と錫からなる被覆層の間にPVP、PAA又はPVAからなる高分子中間層が形成された接合用粉末が得られる。
出発原料の銅粉末又はニッケル粉末は、1μm以上27μm以下の平均粒径を有することが好ましい。この下限値未満では、接合用粉末の平均粒径が1μm未満になり易く、また上限値を超えると、接合用粉末の平均粒径が30μmを超え易くなる。
〔接合用ペースト及びその調製方法〕
以上の工程により、得られた本実施形態の接合用粉末は、接合用フラックスと混合してペースト化して得られる接合用ペーストの材料として好適に用いられる。接合用ペーストの調製は、接合用粉末と接合用フラックスとを所定の割合で混合してペースト化することにより行われる。接合用ペーストの調製に用いられる接合用フラックスは、特に限定されないが、溶剤、ロジン、チキソ剤及び活性剤等の各成分を混合して調製されたフラックスを用いることができる。
上記接合用フラックスの調製に好適な溶剤としては、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、α−テルピネオール等の沸点が180℃以上である有機溶剤が挙げられる。また、ロジンとしては、ガムロジン、水添ロジン、重合ロジン、エステルロジン等が挙げられる。
また、チキソ剤としては、硬化ひまし油、脂肪酸アマイド、天然油脂、合成油脂、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸、1,2,3,4−ジベンジリデン−D−ソルビトール及びその誘導体等が挙げられる。
また、活性剤としては、ハロゲン化水素酸アミン塩が好ましく、具体的には、トリエタノールアミン、ジフェニルグアニジン、エタノールアミン、ブチルアミン、アミノプロパノール、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンラウレルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、エチルヘキシルアミン、エトキシプロピルアミン、エチルヘキシルオキシプロピルアミン、ビスプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、アニリン、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、3−アミノ−1−プロペン、イソプロピルアミン、ジメチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン等のアミンの塩化水素酸塩又は臭化水素酸塩が挙げられる。
接合用フラックスは、上記各成分を所定の割合で混合することにより得られる。フラックス全体量100質量%中に占める溶剤の割合は30〜60質量%、チキソ剤の割合は1〜10質量%、活性剤の割合は0.1〜10質量%とするのが好ましい。溶剤の割合が下限値未満では、フラックスの粘度が高くなりすぎるため、これを用いた接合用ペーストの粘度も応じて高くなり、接合用ペーストの充填性低下や塗布ムラが多発する等、印刷性が低下する不具合を生じる場合がある。一方、上限値を越えるとフラックスの粘度が低くなりすぎるため、これを用いた接合用ペーストの粘度も応じて低くなることから、接合用粉末とフラックス成分が沈降分離する不具合を生じる場合がある。また、チキソ剤の割合が下限値未満では、接合用ペーストの粘度が低くなりすぎるため、接合用粉末とフラックス成分が沈降分離するという不具合を生じる場合がある。一方、上限値を越えると接合用ペーストの粘度が高くなりすぎるため、接合用ペーストの充填性や塗布ムラ等の印刷性低下という不具合を生じる場合がある。
また、活性剤の割合が下限値未満では、接合用粉末が溶融せず、十分な接合強度が得られないという不具合を生じる場合があり、一方、上限値を越えると保管中に活性剤が接合用粉末と反応し易くなるため、接合用ペーストの保存安定性が低下するという不具合を生じる場合がある。この他、接合用フラックスには、粘度安定剤を添加しても良い。粘度安定剤としては、溶剤に溶解可能なポリフェノール類、リン酸系化合物、硫黄系化合物、トコフェノール、トコフェノールの誘導体、アルコルビン酸、アルコルビン酸の誘導体等が挙げられる。粘度安定剤は、多すぎると接合用粉末の溶融性が低下する等の不具合が生じる場合があるため、10質量%以下とするのが好ましい。
接合用ペーストを調製する際の接合用フラックスの混合量は、調製後のペースト100質量%中に占める該フラックスの割合が5〜30質量%になる量にするのが好ましい。下限値未満ではフラックス不足でペースト化が困難になり、一方、上限値を越えるとペースト中のフラックスの含有割合が多すぎて金属の含有割合が少なくなってしまい、接合用粉末の溶融時に所望のパターンを得るのが困難になるからである。
この接合用ペーストは、上記本発明の接合用粉末を材料としているため、接合時の溶融が速く、溶融性に優れる一方、接合後は、溶融する接合用粉末が融点の高い金属間化合物を形成し、耐熱性が上昇するため、熱による再溶融が起こりにくい。このため、本発明の接合用ペーストは、特に高温雰囲気に晒される電子部品等の実装に好適に用いることができる。
〔接合用ペーストを用いた電子部品の実装方法と接合体〕
上述した方法で調製された接合用ペーストを用いてシリコンチップ、LEDチップ等の電子部品を各種放熱基板、FR4(Flame Retardant Type 4)基板、コバール等の基板に実装するには、ピン転写法にて上記基板の所定位置に接合用ペーストを転写するか、又は印刷法により所定位置に接合用ペーストを印刷する。次いで、転写又は印刷されたペースト上に電子部品であるチップ素子を搭載する。この状態で、加熱炉にて窒素雰囲気中、250〜400℃の温度で、5〜120分間保持して、接合用ペーストを加熱する。場合によっては、チップと基板とを加圧しながら接合してもよい。これにより、チップ素子と基板とを接合させて接合体を得て、電子部品を基板に実装する。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
窒素ガスフローで不活性ガス雰囲気に保たれた容積1Lのセパラブルフラスコ内に、溶媒としてpHを0.5に調整した希塩酸200mLを入れた。次に分散剤兼高分子中間層の形成剤として、平均分子量が40,000のポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、PVP K30)を2.5g添加しスターラで撹拌して溶解させた。このときのPVPの添加割合は、溶媒に対して12.5g/Lに調整した。PVPが完全に溶解したことを確認した後、平均径6.5μmのCu粉末30gを添加しスターラで30分間撹拌してCu粉末分散液を調製した。撹拌を継続したまま、次にSn濃度を30g/Lとし、塩酸でpHを0.5に調整した2価Snイオン溶液500mLをCu粉末分散液に添加しスターラで撹拌混合して混合液を調製した。更に還元剤として、2モル/Lの2価クロム還元剤溶液150mLを混合液に添加した。1時間撹拌後、撹拌を停止し、1時間静置することで生成した接合用粉末を沈降させた。上澄み液を排出した後、イオン交換水500mLを添加して、30分間撹拌した。撹拌を停止し再度接合用粉末を沈降させ、洗浄水の上澄み液を廃棄した。同様の操作を3回繰り返した。最後の洗浄水上澄み液を廃棄後、セパラブルフラスコのまま減圧乾燥を行い、乾燥終了後は窒素ガスの不活性ガス雰囲気下のグローブボックス中で解砕を行い、接合用粉末を得た。
<実施例2、4、7、10、比較例7,8>
実施例2、4、7、10、比較例7,8では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として平均分子量が5000のポリアクリル酸(和光純薬社製、ポリアクリル酸5000)を用いた。また金属粉末として平均粒径が6.5μm、3.5μm、2.0μm、1.0μmのCu粉末を用いた。各Cu粉末をPAAの溶液に添加混合してCu粉末分散液をそれぞれ調製した。これらのCu粉末分散液に2価Snイオン溶液をそれぞれ添加混合して混合液を調製し、各混合液に2価クロム還元剤溶液を添加した。各溶液の濃度及び液量並びに分散剤兼高分子中間層の形成剤の添加割合及び添加量は、表1に示す内容にした。2価クロム還元剤溶液を添加した以降は、実施例1と同様にして、接合用粉末を得た。
Figure 2018135553
<実施例3、6、9、12、比較例5、6>
実施例3、6、9、12、比較例5、6では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として実施例1と同じポリビニルピロリドンを用いた。また金属粉末として平均粒径が3.5μm、2.0μm、1.0μmのCu粉末を用いた。各Cu粉末をPVPの溶液に添加混合してCu粉末分散液をそれぞれ調製した。これらのCu粉末分散液に2価Snイオン溶液をそれぞれ添加混合して混合液を調製し、各混合液に2価クロム還元剤溶液を添加した。各溶液の濃度及び液量並びに分散剤兼高分子中間層の形成剤の添加割合及び添加量は、表1に示す内容にした。2価クロム還元剤溶液を添加した以降は、実施例1と同様にして、接合用粉末を得た。
<実施例5、8、11、比較例9、10>
実施例5、8、11、比較例9、10では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として平均分子量が2,000のポリビニルアルコール(関東化学社製、ポリビニルアルコール2000)を用いた。また金属粉末として平均粒径が3.5μm、2.0μm、1.0μmのCu粉末を用いた。各Cu粉末をPVAの溶液に添加混合してCu粉末分散液をそれぞれ調製した。これらのCu粉末分散液に2価Snイオン溶液をそれぞれ添加混合して混合液を調製し、各混合液に2価クロム還元剤溶液を添加した。各溶液の濃度及び液量並びに分散剤兼高分子中間層の形成剤の添加割合及び添加量は、表1に示す内容にした。2価クロム還元剤溶液を添加した以降は、実施例1と同様にして、接合用粉末を得た。
<実施例13〜15>
実施例13〜15では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として実施例1と同じPVPを用いた。また金属粉末として平均粒径3.5μm、2.0μm、1.0μmのNi粉末を用いた。各Ni粉末をPVPの溶液に添加混合してNi粉末分散液をそれぞれ調製した。これらのNi粉末分散液に2価Snイオン溶液をそれぞれ添加混合して混合液を調製し、各混合液に2価クロム還元剤溶液を添加した。各溶液の濃度及び液量並びに分散剤兼高分子中間層の形成剤の添加割合及び添加量は、表1に示す内容にした。2価クロム還元剤溶液を添加した以降は、実施例1と同様にして、接合用粉末を得た。
<比較例1>
比較例1では、分散剤兼高分子中間層の形成剤を使用しなかった。それ以外は、実施例1と同様に、平均粒径6.5μmのCu粉末をpH0.5に調整した溶媒の希塩酸200mLに添加混合してCu粉末分散液を調製した。このCu粉末分散液に2価Snイオン溶液を添加混合して混合液を調製し、この混合液に2価クロム還元剤溶液を添加した。各溶液の濃度及び液量は、表1に示す内容にした。2価クロム還元剤溶液を添加した以降は、実施例1と同様にして、接合用粉末を得た。
<比較例2、3>
比較例2、3では、分散剤兼高分子中間層の形成剤としてヘキサプロピルメチルセルロース(信越化学社製、商品名:メトローズ60SH03)を用いた。このヘキサプロピルメチルセルロース(以下、HPMCということがある。)2.5gを90℃の温水に100g/Lの割合になるように添加しスターラで撹拌して溶解した。溶解後、このHPMC水溶液を室温まで冷却した。金属粉末として平均粒径が6.5μm、3.5μmのCu粉末を用いた。各Cu粉末をHPMC水溶液に添加混合してCu粉末分散液をそれぞれ調製した。これらのCu粉末分散液に2価Snイオン溶液をそれぞれ添加混合して混合液を調製し、各混合液に2価クロム還元剤溶液を添加した。各溶液の濃度及び液量並びに分散剤兼高分子中間層の形成剤の添加割合及び添加量は、表1に示す内容にした。2価クロム還元剤溶液を添加した以降は、実施例1と同様にして、接合用粉末を得た。
<比較例4>
比較例4では、金属粉末として平均粒径が3.5μmのNi粉末を用いた。それ以外は比較例2、3と同様にして接合用粉末を得た。
実施例2〜15及び比較例1〜4では、セパラブルフラスコについて、分散剤兼高分子中間層の形成剤の溶媒の液量と、2価錫イオン溶液の液量と、2価クロム還元剤溶液の液量とを合計した液量に応じて、この合計した液量を収容可能な1L、2L又は5Lの容積のセパラブルフラスコを準備した。
<比較評価>
実施例1〜15及び比較例1〜10で得られた25種類の接合用粉末について、次に述べる方法により、平均粒径、金属組成及び金属組成比を測定した。また接合用粉末製造後の接合用粉末の溶融性試験を行った。これらの結果を表2に示す。
Figure 2018135553
(1)接合用粉末の平均粒径
接合用粉末の平均粒径は、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置(堀場製作所社製、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950)にて粒径分布を測定し、その体積累積中位径(Median径、D50)を接合用粉末の平均粒径とした。
(2)接合用粉末の構成成分
接合用粉末の構成成分は、粉末X線回折(X-ray diffraction)装置(PANalytical社製、Empyrean(エンピリアン))により測定した。
(3)接合用粉末の金属組成比
接合用粉末の金属組成比は、誘導結合プラズマ発光分光分析(島津製作所社製 ICP発光分析装置:ICPS−7510)により、接合用粉末を構成する各金属の含有割合を分析した。
(4)接合用粉末の溶融性試験
接合用粉末を製造した後、30℃で相対湿度70%の雰囲気下で3日間保管した接合用粉末と、10日間保管した接合用粉末を用意した。それぞれの接合用粉末を、RA(Rosin Activated、ロジン活性)タイプのフラックスに質量比で接合用粉末:RAフラックス=86質量%:14質量%の割合で混合して2種類の接合用ペーストを調製した。2種類の接合用ペーストを無酸素銅板上に塗布し、窒素ガス雰囲気下で270℃に加熱し、接合用粉末が溶融するか否かを調べた。2種類の接合用ペーストの溶融性の良否を「濡れ性」として評価した。JISZ3284に規定される「ぬれ効力及びディウエッティング試験」に準じて、濡れ性を評価した。濡れ広がり度合いをこの規定に準じて1〜4に区分した。接合用ペーストの濡れ性は、ペースト調製直後の濡れ広がりの度合いで判定した。「1」が最も濡れ性に優れていることを示し、「4」が最も濡れ性が悪いことを示す。溶融後の評価が「1」の場合を「良好」とし、溶融後の評価が「2」の場合を「やや良好」とし、溶融後の評価が「3」又は「4」の場合を「不良」とした。
表2から実施例1〜15と比較例1〜10とを比較すると次のことが分かった。
比較例1では、分散剤兼高分子中間層の形成剤を使用しなかったため、2価錫イオン第2溶液を添加し、撹拌したところ、凝集塊が生成した。この凝集塊を水洗浄し、乾燥した後に解砕を行ったが、凝集塊は解砕ができず、凝集塊のままであった。
比較例2では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として、中心核の表面保護吸着機能を有しない表面吸着型でない、即ち立体障害型のHPMCを用いたため、この形成剤は中心核となるCu粉末の表面に吸着せず、高分子中間層が形成されなかった。このため接合用粉末を製造してから3日後に粉末X線回折を行ったところ、CuとSnの金属間化合物であるCu6Sn5の生成が確認された。粉末の状態で高融点である金属間化合物の生成が確認されたため、270℃の加熱では粉末の溶融は見られず、溶融性は「不良」であった。
比較例3では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として、中心核の表面保護吸着機能を有しない表面吸着型でない、即ち立体障害型のHPMCを用いたため、この形成剤は中心核となるCu粉末の表面に吸着せず、高分子中間層が形成されなかった。このため接合用粉末を製造してから3日後に粉末X線回折を行ったところ、CuとSnの金属間化合物であるCu6Sn5に加えて、より高融点の金属間化合物であるCu3Sの生成が確認された。粉末の状態で高融点である金属間化合物の生成が確認されたため、270℃の加熱では粉末の溶融は見られず、溶融性は「不良」であった。
比較例4では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として、中心核の表面保護吸着機能を有しない表面吸着型でない、即ち立体障害型のHPMCを用いたため、この形成剤は中心核となるCu粉末の表面に吸着せず、高分子中間層が形成されなかった。このため接合用粉末を製造してから3日後に粉末X線回折を行ったところ、NiとSnの金属間化合物であるNi3Sn4の生成が確認された。粉末の状態で高融点である金属間化合物の生成が確認されたため、270℃の加熱では粉末の溶融は見られず、溶融性は「不良」であった。
比較例5では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として、PVPを用いたが、PVPの添加割合が10g/Lと少な過ぎ、Cu粉末が溶媒中で分散せずに凝集塊となった。そのため、接合用粉末を製造してから3日後に粉末X線回折を行ったところ、CuとSnの金属間化合物であるCu6Sn5の生成が確認された。粉末の状態で高融点である金属間化合物の生成が確認されたため、270℃の加熱では粉末の溶融は見られず、溶融性は「不良」であった。
比較例6では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として、PVPを用いたが、PVPの添加割合が80g/Lと多過ぎたため、接合用粉末の製造後、ICP発光分析をしたところ、目標組成のCu:60wt%、Sn:40wt%から外れたCu:62wt%、Sn:38wt%になっていた。接合用粉末を製造してから3日後に粉末X線回折を行ったところ、CuとSnの金属間化合物としてCu6Sn5とCu3Sの生成が確認された。粉末の状態で高融点である金属間化合物の生成が確認されたため、溶融性は「不良」であった。
比較例7では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として、PAAを用いたが、PAAの添加割合が10g/Lと少な過ぎ、Cu粉末が溶媒中で分散せずに凝集塊となった。そのため、接合用粉末を製造してから3日後に粉末X線回折を行ったところ、CuとSnの金属間化合物であるCu6Sn5の生成が確認された。粉末の状態で高融点である金属間化合物の生成が確認されたため、270℃の加熱では粉末の溶融は見られず、溶融性は「不良」であった。
比較例8では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として、PAAを用いたが、PAAの添加割合が60g/Lと多過ぎため、接合用粉末の製造後、ICP発光分析をしたところ、目標組成のCu:60wt%、Sn:40wt%から外れたCu:62wt%、Sn:38wt%になっていた。接合用粉末を製造してから3日後に粉末X線回折を行ったところ、CuとSnの金属間化合物としてCu6Sn5とCu3Sの生成が確認された。粉末の状態で高融点である金属間化合物の生成が確認されたため、溶融性は「不良」であった。
比較例9では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として、PVAを用いたが、PVAの添加割合が10g/Lと少な過ぎ、Cu粉末が溶媒中で分散せずに凝集塊となった。そのため、接合用粉末を製造してから3日後に粉末X線回折を行ったところ、CuとSnの金属間化合物であるCu6Sn5の生成が確認された。粉末の状態で高融点である金属間化合物の生成が確認されたため、270℃の加熱では粉末の溶融は見られず、溶融性は「不良」であった。
比較例10では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として、PVAを用いたが、PVAの添加割合が80g/Lと多過ぎため、接合用粉末の製造後、ICP発光分析をしたところ、目標組成のCu:60wt%、Sn:40wt%から外れたCu:61wt%、Sn:39wt%になっていた。接合用粉末を製造してから3日後に粉末X線回折を行ったところ、CuとSnの金属間化合物としてCu6Sn5とCu3Sの生成が確認された。粉末の状態で高融点である金属間化合物の生成が確認されたため、溶融性は「不良」であった。
これに対して、実施例1〜15では、分散剤兼高分子中間層の形成剤として中心核の表面保護吸着機能を有するPVP、PAA又はPVAを用い、しかもその添加割合を前述した本発明の第2の観点に記載した17.5〜75.0g/Lの範囲内にして、接合用粉末を製造したため、銅又はニッケルの金属からなる中心核と錫からなる被覆層の間にPVP、PAA又はPVAからなる高分子中間層が形成された。この高分子中間層の形成により、接合用粉末を製造して3日後は勿論のこと10日経過した後も、CuとSnの金属間化合物又はNiとSnの金属間化合物が形成されなかった。この結果、製造して3日後の接合用粉末も10日後の接合用粉末も270℃の加熱では接合用粉末の最外殻に、低融点のSnが十分な量で存在しているために溶融し、一つの凝集塊となり、溶融性は「良好」であった。
本発明は、長期間保管することがある接合用粉末に好適に利用できる。また電子部品の実装に好適に利用できる。
10 接合用粉末
11 中心核
12 被覆層
13 高分子中間層

Claims (4)

  1. 銅又はニッケルの金属からなる中心核と前記中心核を被覆する錫からなる被覆層により構成され、前記中心核と前記被覆層の間にポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸からなる高分子中間層が形成されたことを特徴とする接合用粉末。
  2. ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸からなる分散剤としての高分子化合物の溶液と銅又はニッケルの金属粉末とを混合して金属粉末分散液を調製し、
    前記金属粉末分散液と錫イオン溶液とを混合して混合液を調製し、
    前記混合液と還元剤溶液とを混合することにより、銅又はニッケルの金属からなる中心核を錫からなる被覆層で被覆し、かつ前記中心核と前記被覆層の間に前記高分子化合物からなる高分子中間層を形成し、
    前記分散剤としての高分子化合物を前記高分子化合物の溶液に対して12.5〜75.0g/Lの濃度に調整することを特徴とする接合用粉末の製造方法。
  3. 請求項1記載の接合用粉末又は請求項2記載の方法で製造された接合用粉末と接合用フラックスを混合してペースト化することにより接合用ペーストを調製する方法。
  4. 請求項3記載の方法により調製された接合用ペーストを用いて電子部品を実装する方法。
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