JP2016094657A - 穴広げ性と転動疲労寿命に優れた高炭素鋼板およびその製造方法 - Google Patents

穴広げ性と転動疲労寿命に優れた高炭素鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた穴広げ性と転動疲労を兼備する高炭素鋼板およびその製造方法を提供する。【解決手段】成分組成が、質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0〜0.5%、Cr:1.30〜1.60%、P:0〜0.02%、S:0〜0.02%、Al:0.005〜0.04%、N:0.002〜0.02%であり、残部が鉄および不可避的不純物からなる高炭素鋼板であって、平均硬さおよび硬さばらつきが、それぞれ、180〜210HVおよび10HV以下であるとともに、鋼組織中に存在する炭化物について、その平均円相当直径が0.5μm以下で、かつその平均アスペクト比が2.0以下である高炭素鋼板。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車、電車、産業用機械などの回転部分に使用される軸受や耐磨耗部品として有用な高炭素鋼板に関し、詳しくは、優れた穴広げ性と良好な転動疲労特性を得ることができる高炭素鋼板およびその製造方法に関するものである。
近年、自動車の燃費向上に対するニーズや産業機械におけるコストダウンと耐久性向上のニーズがますます強くなり、軸受などの回転部品や摺動部品にはより安価に製造できて耐久性も高いことが求められている。
軸受の多くはJIS G 4805(2008)で規定されるSUJ2(以下、「JIS−SUJ2」と略記する。)の棒鋼や線材を素材として熱間鍛造あるいは冷間鍛造を経て製造されている。
ただし、一部の部品ではコストダウンのニーズに答えるために、鋼板を素材としたプレス成形品が用いられている。プレス成形品の素材として使用される鋼板には、転動疲労特性や耐摩耗性だけでなく、板プレス成形性との両立が必要となっている。
しかしながら、JIS−SUJ2のような高炭素クロム鋼は、必ずしもプレス成形に適しておらず、プレス成形品としての適用範囲が限られてしまうことから、高炭素鋼板に対しては、よりいっそうのプレス成形性の向上が望まれている。
たとえば、特許文献1には、C:0.15〜0.90重量%、Cr:1.2重量%以下を含む組成を有する鋼板について、炭化物の平均粒径と球状化率などを規定することによって打抜き加工性を向上させることが開示されているが、プレス成形性については言及されていない。また、この技術が適用される鋼板は、JIS−SUJ2の成分範囲よりもC含有量が低く、本発明に係る高炭素鋼板とは、そもそも前提が異なる技術である。
また、特許文献2には、代表的な鋼板のプレス加工方法である深絞り加工について、全炭化物数に対する粒界上に存在する炭化物数や集合組織を規定することによって深絞り加工性を向上させる技術が開示されている。ただし、この技術が適用される鋼板も、JIS−SUJ2の成分範囲よりもC含有量が低く、本発明に係る高炭素鋼板とは、そもそも前提が異なる技術である。
また、特許文献3には、高炭素鋼板について、伸びフランジ性(穴広げ性)を向上させるために、平均炭化物間距離が0.4μm以上であるように炭化物がフェライト中に分散しており、切欠引張伸びElvが30%以上、かつ穴広げ率λが30%以上とした加工用高炭素鋼板が開示されている。しかしながら、この技術は、同文献の実施例の表1に示されるように、JIS−SUJ2の成分範囲よりもCr含有量が低い、Cr含有量が0.98質量%以下の鋼板でしか実証されていない。
また、特許文献4には、Cを0.3%以上含有する高炭素鋼板について、プレス加工性およびプレス後の2次加工(曲げ加工)性をともに向上させるために、球状化焼鈍後の炭化物の面積率が20%以下でこのうち粒径1.5μm以上の炭化物が30%以上である加工用高炭素熱延鋼板が開示されている。しかしながら、この技術は、同文献の実施例の表1に示されるように、JIS−SUJ2の成分範囲よりもC含有量が低い、C含有量が0.86質量%以下の鋼板でしか実証されていない。
一方、特許文献5には、JIS−SUJ2の軸受用鋼材において転動疲労寿命の安定性を向上させるための方策として硬さばらつきを低減させることが有効であることが開示されている。しかしながら、この技術の適用対象とする鋼材は、あくまでも線材や棒鋼であって、鋼板を対象としておらず、転動疲労寿命の改善という課題は共通するものの、プレス成形時の穴広げ性の改善との両立を課題とする本発明に係る高炭素鋼板とはそもそも前提が異なる技術である。
特許第4465057号公報 特許第4471486号公報 特許第4266052号公報 特許第3299036号公報 特許第5114148号公報
そこで本発明の目的は、優れた穴広げ性と転動疲労寿命を兼備する高炭素鋼板およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る第1発明は、
成分組成が、質量%で、
C:0.95〜1.10%、
Si:0.15〜0.35%、
Mn:0〜0.5%、
Cr:1.30〜1.60%、
P:0〜0.02%、
S:0〜0.02%、
Al:0.005〜0.04%、
N:0.002〜0.02%
であり、残部が鉄および不可避的不純物からなる高炭素鋼板であって、
下記測定方法で求められた平均硬さおよび硬さばらつきが、それぞれ、180〜210HVおよび10HV以下であるとともに、
鋼組織中に存在する炭化物について、その平均円相当直径が0.5μm以下で、かつその平均アスペクト比が2.0以下である
ことを特徴とする穴広げ性と転動疲労寿命に優れた高炭素鋼板である。
<平均硬さおよび硬さばらつきの測定方法>
圧延方向に垂直な任意の切断面における、板厚の1/4深さ位置において、荷重2.94Nでのビッカース硬さを、板幅方向に0.5mm間隔で100点測定し、その100点のビッカース硬さの算術平均および標準偏差を算出し、それらを平均硬さおよび硬さばらつきとする。
本発明に係る第2発明は、
上記第1発明において、
成分組成が、質量%で、
Ni:0%超0.25%以下、
Cu:0%超0.25%以下、
Mo:0%超0.25%以下のうち1種または2種以上
をさらに含む請求項1に記載の穴広げ性と転動疲労寿命に優れた高炭素鋼板である。
本発明に係る第3発明は、
上記第1または第2発明に規定された成分組成を有する鋼材を、750〜900℃の仕上げ圧延温度で熱間圧延し、前記仕上げ圧延温度から680℃までを10℃/s以上の平均冷却速度で冷却して熱延板とする熱延工程と、
前記熱延板を、下記式(1)を満たすように加熱保持した後、740℃から680℃までを0.008℃/s以下の平均冷却速度で冷却する焼鈍工程と
を備えたことを特徴とする、上記第1または第2発明に係る高炭素鋼板の製造方法である。
2400≦T×logH≦3000 ・・・ 式(1)
ただし、740℃≦T≦780℃
ここに、Tは加熱温度(℃)、Hは保持時間(s)である。
本発明に係る高炭素鋼板によれば、JIS−SUJ2の高炭素鋼板において、硬さ分布(平均硬さおよび硬さばらつき)を所定範囲に制御するとともに、炭化物の形態(平均円相当直径および平均アスペクト比)を所定範囲に制御することで、優れた穴広げ性と転動疲労寿命を兼備した高炭素鋼板を提供できるようになった。
また、本発明に係る製造方法によれば、仕上げ熱延温度および熱延後の冷却速度を制御するとともに、熱延板を所定の温度・保持時間の条件で焼鈍することで、上記優れた穴広げ性と転動疲労寿命を兼備した高炭素鋼板を確実に製造できる方法を提供できるようになった。
軸受などに用いられる高炭素クロム鋼は、主に棒鋼や線材から鍛造により軸受などに加工されており、転動疲労寿命や加工性の向上のために炭化物の微細化など種々の技術が開発されているが、鋼板からのプレス成形による加工に関する技術開発についてそれほど多くの事例はない。とくにJIS−SUJ2などの高炭素クロム鋼では、CrやCのミクロ偏析に起因して炭化物の分散状態が不均一になりやすい。線材や棒鋼のように等方的に圧延される場合には、不均一な炭化物の分散状態は緩和され、その悪影響は軽減されやすいが、鋼板のように特定の方向に圧延される場合には、上記CrやCのミクロ偏析に起因する炭化物の分散状態の偏りが助長されるため、打抜き性や穴広げ性などに悪影響を及ぼす。
本発明者は、この炭化物の分散状態を硬さのばらつきで簡易的に評価し、加工性との関係を明確化するとともに、製造条件の工夫により炭化物分散状態を改善することで、打抜き時に発生するき裂を低減させてその後の穴広げ性を向上させ、同時に十分な転動疲労寿命も得ることができることを見出した。上記知見に基づき、さらに検討を進め、本発明を完成するに至った。
以下、まず本発明に係る高炭素鋼板を特徴づける組織について説明する。
〔高炭素鋼板の組織〕
上述したとおり、本発明に係る高炭素鋼板は、硬さ分布と炭化物の形態が制御されている点に特徴を有する。
<硬さ分布>
上述したように、CやCrのミクロ偏析に起因する炭化物の分散状態の偏りは、打抜き時の端面におけるひずみの不均一化につながり、炭化物の多い部分と少ない部分の境界付近にボイドやクラックを生じやすい。穴広げ加工時にはそこが起点となって破壊しやすくなる。炭化物の分散状態の偏りは、簡易的には硬さのばらつきとして評価できる。本発明では、硬さのばらつきを適切に評価するため、圧延方向に伸びた炭化物の多い領域と少ない領域を跨いで硬さ分布を測定することが特に重要と考え、圧延L方向と垂直なC方向(板幅方向に相当)の硬さ分布を測定することとした。この硬さ分布の測定条件としては、圧延方向に垂直な任意の切断面における、板厚の1/4深さ位置において、荷重300gf(2.94N)でのビッカース硬さを、C方向(板幅方向)に、偏析帯の幅を考慮して、0.5mm間隔で100点測定することとした。そして、その100点のビッカース硬さの算術平均および標準偏差を算出し、それらを平均硬さおよび硬さばらつきと定義した。平均硬さは、低すぎると鋼板の強度が維持できなくなる一方、高すぎると加工性(穴広げ性)が劣化するので、180〜210HV、好ましくは185〜205HV、さらに好ましくは190〜200HVとする。また、硬さばらつきは、大きすぎると加工性(穴広げ性)が劣化するので、10HV以下、好ましくは9HV以下、さらに好ましくは8HV以下とする。
<炭化物の形態>
炭化物はできるだけ球状に近づけて微細化することが、加工性と転動疲労特性の向上に有効である。ただし、炭化物のサイズが所定サイズを超えると加工性(穴広げ性)と転動疲労特性がともに急激に劣化するため、平均円相当直径で0.5μm以下、好ましくは0.45μm以下、さらに好ましくは0.4μm以下とした。また、サイズ(平均円相当直径)が小さくても、再生パーライトのように偏平な炭化物では加工性(穴広げ性)と転動疲労特性がともに劣化するため、炭化物の平均アスペクト比は2.0以下、好ましくは1.9以下、さらに好ましくは1.8以下とした。
なお、炭化物の平均円相当直径および平均アスペクト比は、板厚の1/4深さ面を研磨およびエッチングしてSEM(走査型電子顕微鏡)試験片を作製し、8000倍の画像を4視野撮影し、写りこんだ炭化物のうち、画像解析ソフト(「Image−Pro Plus」 Media Cybernetics社製)によって、面積が10nm2以上のものの全粒子の円相当直径およびアスペクト比を測定し、それぞれの平均値を算出して求めた。
次に、本発明に係る高炭素鋼板を構成する成分組成について説明する。以下、化学成分の単位はすべて質量%である。
〔高炭素鋼板の成分組成〕
上述したとおり、本発明に係る高炭素鋼板の成分組成は、JIS G 4805(2008)で規定されるSUJ2の成分組成をベースとするものであり、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0〜0.5%、Cr:1.30〜1.60%、P:0〜0.02%、S:0〜0.02%、Al:0.005〜0.04%、N:0.002〜0.02%である。
C:0.95〜1.10%
Cは、焼入硬さを増大させ、鋼板に強度を維持しつつ転動疲労特性を付与するために必須の元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、C含有量は0.95%以上、好ましくは0.98%以上、さらに好ましくは1.00%以上必要である。ただし、C含有量が高くなりすぎると、粗大な炭化物が生成しやすくなり、転動疲労特性に却って悪影響を及ぼすようになるので、C含有量は1.10%以下、好ましくは1.07%以下、さらに好ましくは1.05%以下に制限する。
Si:0.15〜0.35%
Siは、脱酸剤として作用し、また焼入れ性の向上に有効な元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、Si含有量は0.15%以上、好ましくは0.18%以上、さらに好ましくは0.20%以上必要である。ただし、Si含有量が高くなりすぎると、熱間圧延時のスケール疵に起因する表面性状の劣化を招くので、Si含有量は0.35%以下、好ましくは0.32%以下、さらに好ましくは0.30%以下に制限する。
Mn:0〜0.5%
Mnは、固溶強化および焼入れ性を向上させる効果を有するので、含有させてもよい元素である。このような効果を有効に活用する場合には、Mn含有量は0.1%以上、さらには0.15%以上、特に0.2%以上とするのが好ましい。ただし、Mn含有量が高くなりすぎると、焼入れ、焼戻し後の衝撃特性を助長するとともに、Mn系の介在物量が増加し、穴広げ性、転動疲労特性をともに劣化させるので、Mn含有量は0.5%以下、好ましくは0.45%以下、さらに好ましくは0.4%以下に制限する。
Cr:1.30〜1.60%
Crは、焼入れ性の向上と安定な炭化物の形成を通じて、強度の向上および転動疲労特性を向上させるために必須の元素である。こうした作用を有効に発揮させるためには、Cr含有量は1.30%以上、好ましくは1.33%以上、さらに好ましくは1.35%以上必要である。ただし、Crの含有量が高くなりすぎると、炭化物が粗大化し、穴広げ性、転動疲労特性をともに劣化させるため、Cr含有量は1.60%以下、好ましくは1.55%以下、さらに好ましくは1.50%以下に制限する。
P:0〜0.02%
Pは、結晶粒界に偏析して穴広げ性、転動疲労特性をともに劣化させるので、P含有量は0.02%以下、好ましくは0.015%以下、さらに好ましくは0.01%以下に制限する。
S:0〜0.02%
Sは硫化物を形成して穴広げ性、転動疲労特性をともに劣化させるため、S含有量は0.02%以下、好ましくは0.015%以下、さらに好ましくは0.01%以下に制限する。
Al:0.005〜0.04%
Alは、脱酸剤として作用し、酸化物系介在物量を低減する有用な元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、Al含有量は0.005%以上、好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.015%以上必要である。ただし、Al含有量が高くなりすぎると、粗大で硬い介在物(Al)が生成し、転動疲労特性を劣化させるので、Al含有量は0.04%以下、好ましくは0.035%以下、さらに好ましくは0.03%以下に制限する。
N:0.002〜0.02%
Nは、Alと結合してAlNを形成し、結晶粒を微細化する効果を有する。このような作用を有効に発揮させるためには、N含有量は0.002%以上、好ましくは0.0025%以上、さらに好ましくは0.003%以上必要である。ただし、N含有量が高くなりすぎると、圧延時に割れが発生しやすくなるので、N含有量は0.02%以下、好ましくは0.015%以下、さらに好ましくは0.01%以下に制限する。
本発明の鋼の基本成分は上記のとおりであり、残部は鉄および不可避的不純物(たとえば、O、Sb、Ca等)であるが、その他、本発明の作用を損なわない範囲で、以下の許容成分を含有させることができる。
Ni:0%超0.25%以下、
Cu:0%超0.25%以下、
Mo:0%超0.25%以下のうち1種または2種以上
Ni、Cu、Moは、焼入れ性の向上に有効な元素であるが、これらの元素を過剰に含有させると、硬くなりすぎ穴広げ性を劣化させるので、これらの元素の含有量は、それぞれ、0.25%以下、さらには0.20%以下、特に0.15%以下に制限するのが好ましい。
次に、本発明に係る高炭素鋼板の製造方法について述べる。特に製造方法を限定するものではないが、たとえば下記のように製造することが推奨される。
〔高炭素鋼板の好ましい製造方法〕
上記のような高炭素鋼板を製造するには、まず、上記成分組成を有する鋼を溶製し、造塊または連続鋳造によりスラブ(鋼材)としてから、750〜900℃の仕上げ圧延温度で熱間圧延し、前記仕上げ圧延温度から680℃までを10℃/s以上の平均冷却速度で冷却して熱延板とする。また、引き続き680℃から500℃までを10〜300℃/minの平均冷却速度で冷却することがより好ましい[熱延工程]。
次いで、この熱延板を下記式(1)を満たすように加熱保持した後、740℃から680℃までを0.008℃/s以下の平均冷却速度で冷却することにより高炭素鋼板を得ることができる[焼鈍工程]。
2400≦T×logH≦3000 ・・・ 式(1)
ただし、740℃≦T≦780℃
ここに、Tは加熱温度(℃)、Hは保持時間(s)である。
<仕上げ圧延温度:750〜900℃>
焼鈍工程の後に上述の組織を有する鋼板を得るためには、熱延板の状態での組織の制御が重要であり、熱延板での組織はできるだけ微細で均一な方が望ましい。そのため、仕上げ圧延温度は900℃以下、さらには895℃以下、特に890℃以下とするのが好ましい。ただし、仕上げ圧延温度が低すぎると、圧延機の荷重負荷が急増するので、仕上げ圧延温度は750℃以上、さらには755℃以上、特に760℃以上とするのが好ましい。
<前記仕上げ圧延温度から680℃までの平均冷却速度:10℃/s以上>
上記仕上げ圧延温度に加えて、仕上げ圧延後の冷却速度も重要であり、ラメラー間隔の微細なパーライト組織かベイナイト組織とするために、前記仕上げ圧延温度から680℃までの平均冷却速度を10℃/s以上、さらには13℃/s以上、特に15℃/s以上とするのが好ましい。この温度域における冷却速度が低すぎるとパーライト間隔の広いパーライト組織が生成して、後段の焼鈍工程において均一でかつ微細な炭化物の生成を制御することができなくなる。
また、上記680℃までの温度域を上記適正条件で冷却しても、引き続く680℃から500℃までの平均冷却速度が10℃/minを下回るとやはりラメラー間隔の広いパーライトが増える傾向がある一方、300℃/minを超えるとベイナイトが過剰に生成して球状化焼鈍後の硬さが高くなってしまう傾向にあるので、680℃から500℃までを10〜300℃/min、さらには20〜200℃/minの平均冷却速度で冷却することがより好ましい。
<式(1):2400≦T×logH≦3000(ただし、740℃≦T≦780℃)を満たすように加熱保持>
さらに、炭化物を球状化するために焼鈍(球状化焼鈍)を行うが、上記熱延工程で得られた、均一で微細な炭化物の分布状態を維持しつつ、炭化物の球状化を行うため、740〜780℃の加熱温度Tにて、2400≦T×logH≦3000を満たす保持時間Hで加熱保持した後、740℃から680℃までを0.008℃/s以下の平均冷却速度で冷却するのが推奨される。ここで、加熱温度Tが低すぎると炭化物の球状化が十分に進行しないため、加熱温度Tは740℃以上、さらには745℃以上、特に750℃以上とするのが好ましい。一方、加熱温度Tが高くなりすぎると炭化物が粗大化するため、加熱温度Tは780℃以下、さらには775℃以下、特に770℃以下とするのが好ましい。また、保持時間Hが短すぎると炭化物の球状化が不十分となるとともに組織が硬くなりすぎるため、T×logHは2400以上、さらには2450以上、特に2500以上とするのが好ましい。一方、保持時間Hが長くなりすぎると炭化物が粗大化するため、T×logHは3000以下、さらには2950以下、特に2900以下とするのが好ましい。
<740℃から680℃までを0.008℃/s以下の平均冷却速度で冷却>
また、740℃から680℃までの平均冷却速度が大きすぎると、パーライトが生成して、炭化物が偏平化するとともに硬さ分布が大きくなってしまうため、その平均冷却速度は0.008℃/s以下、さらには0.007℃/s以下、特に0.006℃/s以下とするのが好ましい。この平均冷却速度の下限は、特に限定されないが、小さくしすぎると生産性が低下するので、0.001℃/s、さらには0.002℃/sとするのが望ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することももちろん可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
真空溶解炉(容量150kg)を用い、下記表1に示した化学成分を含有する供試鋼を溶製し、150kgのインゴットに鋳造して冷却した。得られたインゴットを下記表2に示す各条件で熱間圧延および焼鈍(球状化焼鈍)を実施して板厚2.4mmの鋼板(熱延上がり板)を製造した。なお、下記表2には記載していないが、熱間圧延後の冷却において、680℃から500℃までの平均冷却速度は、全ての製造No.で25℃/min(一定)になるように制御した。
このようにして製造された各鋼板(熱延上がり板)について、上記[発明を実施するための形態]の項で説明した各測定方法により、鋼板中の硬さ分布および炭化物形態をそれぞれ測定し、平均硬さおよび硬さばらつき、ならびに、炭化物の平均円相当直径および平均アスペクト比を求めた。
また、各鋼板について、冷間加工性を評価するため、穴広げ率を測定し、穴広げ率が25%以上のものを合格とした。
さらに、各鋼板からスラスト転動疲労試験片を作製し、840℃×30分加熱後に油冷し、160℃×3時間焼き戻しをして表面を鏡面研磨し、スラスト転動疲労試験を実施した。試験条件としては面圧5.9GPaとし、各鋼板について3回ずつ剥離発生までの寿命を測定し、それら3回の寿命の平均値が3.0×10回以上のものを合格とした。
下記表3に測定結果を示す。
発明鋼である鋼No.1〜5は、いずれも、本発明で規定する成分組成を有する鋼を用いて上記推奨の製造条件で製造されたものであり、硬さ分布および炭化物形態はすべて本発明の要件を満たしており、穴広げ性と転動疲労寿命の両方が合格となった。
これに対して、比較鋼である鋼No.6は、成分においてC含有量が低く、転動疲労寿命が不合格となった。
また、比較鋼である鋼No.7は、成分においてCr含有量が低く、転動疲労寿命が不合格となった。
一方、比較鋼である鋼No.8は、球状化焼鈍条件が適切でない(焼鈍温度Tに対して保持時間Hが不足する)ため、硬さ分布や炭化物の平均アスペクト比が外れているのに対応して、穴広げ性と転動疲労寿命が不合格となった。
また、比較鋼である鋼No.9も、球状化焼鈍条件が適切でない(焼鈍温度Tに対して保持時間Hが過剰である)ため、炭化物が粗大化し、穴広げ性と転動疲労寿命が不合格となった。
一方、比較鋼である鋼No.10は、熱間圧延後の冷却速度が小さすぎるため、熱延ままのパーライト組織が粗大化し、球状化焼鈍後の硬さ分布にかたよりを生じて穴広げ性が不合格となった。
また、比較鋼である鋼No.11は、仕上げ圧延温度が高すぎるため、熱延ままのパーライト組織が粗大化し、球状化焼鈍後の硬さ分布にかたよりを生じて穴広げ性が不合格となった。
一方、比較鋼である鋼No.12は、球状化焼鈍後の冷却速度が大きすぎるため、パーライトが生じて炭化物のアスペクト比が大きくなってしまい、穴広げ性および転動疲労寿命が不合格となった。
以上のように、本発明の要件を満たすことで、優れた穴広げ性と転動疲労寿命を兼備する高炭素鋼板が得られることが確認された。
また、推奨の製造条件で製造することで、本発明に係る高炭素鋼板が確実に得られることが確認された。
本発明に係る第3発明は、
上記第1または第2発明に規定された成分組成を有する鋼材を、750〜900℃の仕上げ圧延温度で熱間圧延し、前記仕上げ圧延温度から680℃までを10℃/s以上の平均冷却速度で冷却して熱延板とする熱延工程と、
前記熱延板を、下記式(1)を満たすように加熱保持した後、740℃から680℃までを0.008℃/s以下の平均冷却速度で冷却する焼鈍工程と
を備えたことを特徴とする、上記第1または第2発明に係る高炭素鋼板の製造方法である。
2400≦T×log 10 H≦3000 ・・・ 式(1)
ただし、740℃≦T≦780℃
ここに、Tは加熱温度(℃)、Hは保持時間(s)である。
〔高炭素鋼板の好ましい製造方法〕
上記のような高炭素鋼板を製造するには、まず、上記成分組成を有する鋼を溶製し、造塊または連続鋳造によりスラブ(鋼材)としてから、750〜900℃の仕上げ圧延温度で熱間圧延し、前記仕上げ圧延温度から680℃までを10℃/s以上の平均冷却速度で冷却して熱延板とする。また、引き続き680℃から500℃までを10〜300℃/minの平均冷却速度で冷却することがより好ましい[熱延工程]。
次いで、この熱延板を下記式(1)を満たすように加熱保持した後、740℃から680℃までを0.008℃/s以下の平均冷却速度で冷却することにより高炭素鋼板を得ることができる[焼鈍工程]。
2400≦T×log 10 H≦3000 ・・・ 式(1)
ただし、740℃≦T≦780℃
ここに、Tは加熱温度(℃)、Hは保持時間(s)である。
<式(1):2400≦T×log 10 H≦3000(ただし、740℃≦T≦780℃)を満たすように加熱保持>
さらに、炭化物を球状化するために焼鈍(球状化焼鈍)を行うが、上記熱延工程で得られた、均一で微細な炭化物の分布状態を維持しつつ、炭化物の球状化を行うため、740〜780℃の加熱温度Tにて、2400≦T×log 10 H≦3000を満たす保持時間Hで加熱保持した後、740℃から680℃までを0.008℃/s以下の平均冷却速度で冷却するのが推奨される。ここで、加熱温度Tが低すぎると炭化物の球状化が十分に進行しないため、加熱温度Tは740℃以上、さらには745℃以上、特に750℃以上とするのが好ましい。一方、加熱温度Tが高くなりすぎると炭化物が粗大化するため、加熱温度Tは780℃以下、さらには775℃以下、特に770℃以下とするのが好ましい。また、保持時間Hが短すぎると炭化物の球状化が不十分となるとともに組織が硬くなりすぎるため、T×log 10 Hは2400以上、さらには2450以上、特に2500以上とするのが好ましい。一方、保持時間Hが長くなりすぎると炭化物が粗大化するため、T×log 10 Hは3000以下、さらには2950以下、特に2900以下とするのが好ましい。

Claims (3)

  1. 成分組成が、質量%で、
    C:0.95〜1.10%、
    Si:0.15〜0.35%、
    Mn:0〜0.5%、
    Cr:1.30〜1.60%、
    P:0〜0.02%、
    S:0〜0.02%、
    Al:0.005〜0.04%、
    N:0.002〜0.02%
    であり、残部が鉄および不可避的不純物からなる高炭素鋼板であって、
    下記測定方法で求められた平均硬さおよび硬さばらつきが、それぞれ、180〜210HVおよび10HV以下であるとともに、
    鋼組織中に存在する炭化物について、その平均円相当直径が0.5μm以下で、かつその平均アスペクト比が2.0以下である
    ことを特徴とする穴広げ性と転動疲労寿命に優れた高炭素鋼板。
    <平均硬さおよび硬さばらつきの測定方法>
    圧延方向に垂直な任意の切断面における、板厚の1/4深さ位置において、荷重2.94Nでのビッカース硬さを、板幅方向に0.5mm間隔で100点測定し、その100点のビッカース硬さの算術平均および標準偏差を算出し、それらを平均硬さおよび硬さばらつきとする。
  2. 成分組成が、質量%で、
    Ni:0%超0.25%以下、
    Cu:0%超0.25%以下、
    Mo:0%超0.25%以下のうち1種または2種以上
    をさらに含む請求項1に記載の穴広げ性と転動疲労寿命に優れた高炭素鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の成分組成を有する鋼材を、750〜900℃の仕上げ圧延温度で熱間圧延し、前記仕上げ圧延温度から680℃までを10℃/s以上の平均冷却速度で冷却して熱延板とする熱延工程と、
    前記熱延板を、下記式(1)を満たすように加熱保持した後、740℃から680℃までを0.008℃/s以下の平均冷却速度で冷却する焼鈍工程と
    を備えたことを特徴とする、請求項1または2に記載の高炭素鋼板の製造方法。
    2400≦T×logH≦3000 ・・・ 式(1)
    ただし、740℃≦T≦780℃
    ここに、Tは加熱温度(℃)、Hは保持時間(s)である。
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