JP2007224410A - 伸線性に優れた軸受鋼線材およびその製造方法 - Google Patents

伸線性に優れた軸受鋼線材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】伸線減面率が約50%(更には70%)を超えるよう強伸線加工を行っても断線しない、強伸線加工に適した軸受鋼線材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】鋼中成分が、C:0.8〜1.3%(質量%の意味。以下、同じ)、Si:1.0%以下(0%を含まない)、Mn:2.0%以下(0%を含まない)、Cr:2.0%以下(0%を含まない)、残部:Feおよび不可避不純物であり、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径が0.30〜0.70μmであり、且つ、標準偏差が0.35μm以下であることを特徴とする伸線性に優れた軸受鋼線材である。
【選択図】なし

Description

本発明は、伸線性に優れた軸受鋼線材に関し、詳細には、例えば、伸線減面率が約50%(更には70%)を超えるような強伸線加工を行っても断線しない軸受鋼線材に関するものである。
ボールベアリングやころ軸受などの軸受部品は、通常、Cを0.8%以上含有する高炭素クロム軸受用鋼(例えば、JIS−G4805に規定のSUJ1〜SUJ3)や、Moを更に含有する軸受用鋼(例えば、JIS−G4805に規定のSUJ4〜SUJ5)を用い、以下の工程により製造されている。
熱間圧延→球状化焼鈍→伸線→球状化焼鈍→冷間加工・焼入れ焼戻し
ここで、球状化焼鈍は、主に、炭化物(セメンタイト)を球状化し、球状化したセメンタイトのサイズを粗大化するなどして鋼材の切削加工性や塑性加工性などを高める目的で行われている。
図1に、伸線前に施される球状化焼鈍の一般的なヒートパターンを模式的に示す。連続鋳造した後、均熱(ソーキング)し、熱間圧延された鋼材は、通常、網状セメンタイトとパーライトとの混合組織を有しているが、図1に示すように、約780〜820℃の温度で約2〜10時間加熱保持することにより、セメンタイトは分断、球状化され、更に固溶されるため、セメンタイトの個数が減少する。その後、上記の加熱保持温度から約650〜700℃の範囲を約5〜15℃/hrの範囲で徐冷することにより、球状化されたセメンタイトは粗大化されて軟化するため、切削性や冷間加工性などが高められる。
軸受部品の切削性などを更に高めるための技術として、特許文献1には、炭化物の平均粒径が0.5〜2.0μmに制御された軸受鋼材(軸受鋼線材)が記載されている。ここでは、炭化物の粒子径を出来るだけ大きくして切削性を高めるため、伸線前の球状化焼純を厳密に制御している。具体的には、Ac3〜820℃の温度で5分間〜2時間加熱保持する加熱工程に引続いて720〜680℃の温度域にまで200℃/hr以下の冷却速度で冷却するという熱処理を2回以上繰り返した後、Ac3変態点以上に加熱してから720以上の温度から400℃以下の温度域まで空冷以上の温度で急冷する(焼入れ処理)か断面減少率30%以上の冷間加工を行った後、700℃以上Ac1点以下の出来るだけ高い温度で焼戻を行う方法が記載されている。
特許文献2には、伸線前の球状化焼純の処理時間を従来よりも大幅に短縮させる短時間球状化熱処理方法が開示されている。具体的には、Moが0.08%以下の高炭素クロム軸受鋼に対し、後記する図5に示すように、780〜820℃の温度に加熱保持した後、Ar1b点未満の温度(CR1停止温度)まで50℃/hr以上200℃/hr以下の冷却速度(CR1)で冷却する第1次球状化処理を行い、引続き、Ac1点を超えAc1b点+40℃以下の温度(再加熱温度)に加熱後、Ac1b以下の温度まで50℃/hr以上200℃/hr点以下の冷却速度(CR2)で冷却する第2次球状化処理を3回以上繰り返す球状化熱処理方法が記載されている。
特許文献3には、伸線加工性に適した低強度、高延性を備えた鋼を効率良く製造するため、熱間圧延の仕上終了温度及び熱間圧延後の冷却条件を制御すると共に、従来の球状化焼純(伸線前の球状化焼純)の代わりに、所定の焼戻パラメーターで規定される低温・短時間の熱処理を行う方法が記載されている。この方法によれば、低強度化に寄与する独特のセメンタイト(板状セメンタイトと球状セメンタイトとを所定比率で含有するセメンタイト)が形成される。
特開平3−260009号公報 特公平6−2898号公報 特開2004−300497号公報
近年、軸受部品では、主に、ニードルベアリング向けの細径軸受鋼線材(線径が約5〜7mm)の重要が高まっており、伸線性の向上が重要な課題になっている。伸線加工に対する要求は、益々、厳しくなっており、例えば、球状化焼純後の軸受鋼線材(線径約5.5mm)を、伸線により線径が約2.5mmの線材に加工(減面率約79%)したとしても、断線しないことが要求されている。
しかしながら、これまで、軸受部品の分野では、切削性や冷間鍛造性を高めることが主要な課題となっており、前述したような強度の伸線加工を施すことは要求されていなかったため、過酷な強伸線加工に適した軸受鋼線材は得られていない。
例えば、特許文献1では、炭化物の粒径をできるだけ大きくして切削性を高めることのみを目的としており、これでは、伸線加工性に適した軸受鋼線材は得られない。
特許文献2に記載の方法によれば、炭化物の固溶、析出を繰り返すことにより最終的には細かい炭化物は消失し、残存炭化物のみが略々大きさに成長し、完全球状化組織が得られると記載されているが、前述した強度の伸線加工に用いるには、未だ不充分であることが本発明者の検討結果によって明らかになった。
また、上記の特許文献1および2の方法は、いずれも、主に、切削性に有用な粗大なセメンタイトを得るために加熱および冷却の熱処理を繰り返す方法であり、実機の大型炉を用いる場合に生産性が著しく低下すること、球状化焼純炉のメンテナンスコストが増大すること、繰り返し行われる熱処理によって表面カーボンポテンシャルの調整を充分に行うことができないため脱炭を起こし易い、などの問題を抱えている。また、上記の方法では、燃料の使用量が増大してCO排出が大きくなるため、環境汚染をもたらすなどの問題もある。
一方、特許文献3は、伸線加工性に適した軸受鋼の提供を目的としているが、特に、線径の太い線材(例えば、線径8mm以上、特に線径12mm以上)を人力で伸線機へ取付けるなどの作業を行うことを意図しているため、前述した強伸線加工を施した場合には、断線を招く恐れがある。
本発明は上記事情に着目してなされたものであって、その目的は、例えば、伸線減面率が約50%(更には70%)を超えるよう強伸線加工を行っても断線しない、強伸線加工に適した軸受鋼線材およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る伸線性に優れた軸受鋼線材は、鋼中成分が、C:0.8〜1.3%(質量%の意味。以下、同じ)、Si:1.0%以下(0%を含まない)、Mn:2.0%以下(0%を含まない)、Cr:2.0%以下(0%を含まない)、残部:Feおよび不可避不純物であり、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径が0.30〜0.70μmであり、且つ、標準偏差が0.35μm以下であることに要旨を有している。
好ましい実施形態において、上記の鋼中成分は、更に、Mo:2.0%以下(0%を含まない)を含有している。
本発明には、上記のいずれかに記載の軸受鋼線材を用いて得られる軸受部品も含まれる。
また、上記課題を解決することのできた軸受鋼線材の製造方法は、上記の軸受鋼線材を製造する方法であって、圧延材を用意する第1の工程と、前記圧延材を球状化焼鈍する第2の工程と、を包含し、前記第2の工程は、780〜825℃の保持温度で8時間以下保持する工程と、前記保持温度から(Ar1−10℃)〜(Ar1+20℃)の範囲を30℃/hr以上の平均冷却速度で冷却する工程と、前記(Ar1−10℃)〜(Ar1+20℃)から、650〜720℃の範囲を18℃/hr以下の平均冷却速度で冷却する工程と、を含むことに要旨を有している。
好ましい実施形態において、前記第1の工程は、仕上圧延開始温度を750℃以上850℃以下とする工程と、圧延終了後パーライト変態終了までの温度域を0.3℃/sec以下の平均冷却速度で冷却する工程と、を包含している。
本発明は上記の様に構成されているので、良好な切削性を維持しつつ、強度の伸線加工を行っても断線を生じない軸受鋼線材を、複雑な球状化焼鈍処理を行うことなく短時間で提供することができる。
本発明者は、強度の伸線加工を施しても断線しない軸受鋼線材を提供するため、鋭意検討をしてきた。その結果、強伸線加工時における断線は、粗大なセメンタイトとマトリックスとの界面にボイドが生じることによって発生すること、そして、従来のように、球状化焼純によってセメンタイトのサイズを粗大化して硬さを低下する方法では過酷な伸線性に適した軸受鋼線材を得られないことが分かった。上記知見に基づき、更に検討を重ねた結果、強伸線加工性と切削性とのバランスを考慮すると、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径を、従来のように出来るだけ大きくするのではなく、所定範囲に制御すると共に、標準偏差を小さくすれば、所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本明細書において、「伸線加工性に優れる」とは、伸線減面率が約50%(更には70%、特に75%)を超えるような強伸線加工を行っても断線しないことをいう。伸線減面率(%)は、伸線前の線径S0と伸線後の線径S1に基づいて以下のように算出される。
伸線減面率(%)={(S0−S1)/S0}×100
また、「強伸線加工」や「過酷な伸線加工」とは、上記の伸線条件で加工を行うことを意味する。
本明細書において、「軸受鋼線材」とは、熱間圧延した後、球状化焼純して得られる伸線前の線材または棒鋼等の鋼材を包含しており、以下の記載では、単に「線材」と略記する場合がある。
まず、本発明を特徴付ける球状化焼純後の組織(セメンタイト)について説明する。
本発明の軸受鋼線材は、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径が0.30〜0.70μmであり、且つ、標準偏差が0.35μm以下を満足している。本発明の軸受鋼線材におけるセメンタイトの形態(分布)を明確にするため、図2(a)に従来の軸受鋼線材のセメンタイトを、図2(b)に本発明の軸受鋼線材のセメンタイトを、それぞれ、模式的に示す。図2(a)に示すように、従来では、切削性向上のため、平均すると粗大なセメンタイトが生成しているが、非常に粗大なセメンタイトや微細なセメンタイトも多く生成しており、セメンタイトのバラツキが大きい。これに対し、本発明では、図2(b)に示すように、セメンタイトの平均円相当径は適切な範囲に制御されており、非常に粗大なセメンタイトや微細なセメンタイトの数は減少し、セメンタイトのバラツキも小さい。これにより、後記する実施例に示すように、本発明の軸受鋼線材を用いて強伸線加工を行っても断線を生じず、切削性も高められることが分かった。また、球状化焼純時間も従来に比べて短縮することができる(後記する実施例を参照)。
なお、前述したように、特許文献2においても、出来るだけ、セメンタイトの粒径のバラツキを小さくしようと試みているが、後記する実施例に示すように、特許文献2に記載の方法では、本発明で規定する標準偏差を満足することは出来ず、また、セメンタイトの平均粒径が粗大化するものもあるため、切削性と伸線性との両立を図ることができない。更に、特許文献2の方法では、生産性の低下やコストの上昇を招くため、実機の大型炉への適用は困難である。
セメンタイトの平均円相当径は、0.30〜0.70μmである。セメンタイトの平均円相当径が0.30μm未満では、球状化焼鈍後の硬さが硬くなり、切削性や冷間鍛造性などが低下する。一方、セメンタイトの平均円相当径が0.70μmを超えると、上記のような強伸線加工を行った場合に断線が生じてしまう。セメンタイトの平均円相当径は、0.32μm以上0.50μm以下であることが好ましく、0.35μm以上0.48μm以下であることがより好ましい。
ここで、セメンタイトの平均円相当径は、以下のようにして測定される。まず、図3に示すように、線材のD/4(Dは直径)位置における圧延方向に垂直な縦方向断面(ただし、線材の長手方向については定常部(組織均一部)を測定)をSEMにより観察、撮影した写真(倍率5000倍)を用意する。このSEM写真において、一視野当たり20μm×30μmで合計4視野中に観察されるセメンタイトをOHPシートにトレースし、ナノシステム(株)製「NanoHunter NS2K−Lt」を用いて画像解析を行い、観察視野中に認められるセメンタイトの平均円相当径および標準偏差を求めた。
また、上記のようにして測定されたセメンタイトの平均円相当径の標準偏差(バラツキ)は0.35μm以下とする。標準偏差は小さいほど良く、0.30μm以下であることが好ましく、0.25μm以下であることが好ましい。
次に、本発明の鋼中成分について説明する。
C:0.8〜1.3%
Cは、鋼材の必要強度を付与するために必須の元素である。特に軸受鋼線材では、疲労寿命向上の目的で炭化物量を増加させることが必要であり、その為に、Cを0.8%以上添加する。Cは、0.9%以上であることが好ましい。但し、Cの含有量が1.3%を超えると強度が過大となって延性が劣化してしまい、伸線加工性や冷間鍛造性に悪影響を及ぼす恐れがある。Cは、1.1%以下であることが好ましい。
Si:1.0%以下(0%を含まない)
Siは、脱酸剤として有用な元素である。この様な作用を有効に発揮させる為、Siを0.1%以上添加することが好ましく、0.15%以上添加することがより好ましい。但し、1.0%を超えて過剰に添加すると固溶強化により強度が過大となり、伸線加工性や冷間鍛造性が劣化する恐れがある。Siは、0.5%以下であることが好ましい。
Mn:2.0%以下(0%を含まない)
Mnは、脱酸作用を発揮させると共に、鋼の焼入性を確保する為に有用な元素である。この様な作用を有効に発揮させる為には、Mnを0.2%以上(より好ましくは0.25%以上)添加することが好ましい。但し、Mnの含有量が2.0%を超えると、焼入れ性が大きくなり過ぎて熱間圧延後の冷却途中で過冷組織が発生し、線材の巻取工程やコイルの結束工程、熱処理炉への運搬工程等において割れ等の弊害が生じる恐れがある。Mnの含有量は、0.6%以下であることが好ましい。
Cr:2.0%以下(0%を含まない)
Crは、焼入れ性の向上、及びオーステナイト中のセメンタイトを安定化させてセメンタイトの球状化を促進するのに有効な元素である。このような作用を有効に発揮させるため、Crを0.8%以上添加することが好ましく、1.0%以上添加することがより好ましい。但し、Crの上限が2.0%を超えると、前述したMnの場合と同様に焼入れ性が高くなり過ぎて熱間圧延後の冷却中に過冷組織が発生し、線材の巻取工程やコイルの結束工程、熱処理炉への運搬工程等において割れ等が発生す恐れがある。Crの含有量は、1.8%以下であることが好ましい。
本発明の鋼は上記成分を含有し、残部:実質的に鉄及び不純物である。
更に、本発明では、以下の元素を積極的に添加することが好ましい。
Mo:0.5%以下(0%を含まない)
Moは、焼入れ性や疲労寿命の向上に有用な元素である。この様な作用を有効に発揮させる為、Moを0.05%以上添加することが好ましく、0.10%以上添加することがより好ましい。但し、0.5%を超えて過剰に添加すると、過冷組織が生成する恐れがある。Moは、0.30%以下であることが好ましい。
次に、本発明の軸受鋼線材を製造する方法について説明する。
本発明の製造方法は、圧延材を用意する第1の工程と、前記圧延材を球状化焼鈍する第2の工程と、を包含し、前記第2の工程は、780〜825℃の保持温度で8時間以下保持する工程と、前記保持温度から(Ar1−10℃)〜(Ar1+20℃)の範囲を30℃/hr以上の平均冷却速度で冷却する工程(急冷工程)と、前記(Ar1−10℃)〜(Ar1+20℃)から、650〜720℃の範囲を18℃/hr以下の平均冷却速度で冷却する工程(徐冷工程)と、を包含している。
本発明の方法は、上記のような所定の球状化焼純を行ったところに特徴がある。本発明者が検討した結果、従来のようにオーステナイト域(Ar1前後の温度)を徐冷すると、大きなセメンタイトは一層大きくなり、小さいセメンタイトは一層小さくなり、セメンタイトの平均粒径のバラツキが大きくなることが分かった。また、オーステナイト域を急冷すると、微細なセメンタイトが生成して硬度が高くなり、切削性が低下するため、上記のように、急冷と徐冷とを組合わせて球状化焼純を行うことにした。これにより、球状化焼純時間を従来よりも短縮することができる。
まず、線径が約5〜19mmの圧延材を用意する。
圧延材の製造条件は、通常用いられている条件を採用することができ、例えば、約900〜1050℃の温度に加熱して約1〜3時間保持(均熱)した後、仕上圧延(仕上開始温度約850〜950℃、仕上終了温度約900〜1050℃)を行って熱間圧延材を製造する。圧延後の冷却条件も特に限定されず、おおむね、約5℃/sec以下(より好ましくは約1℃/sec以下)の平均冷却速度で冷却することが好ましい。
あるいは、特に、仕上圧延開始温度を750℃以上850℃以下に制御した後、圧延終了後パーライト変態終了までの温度域を0.3℃/sec以下の平均冷却速度で冷却して圧延材を製造しても良い。このように、低温下で圧延を行なった後、徐冷する方法(低温圧延徐冷法)を採用することにより、球状化焼鈍後の硬さは一層低下するようになる(後記する実施例を参照)。更に、上記の方法を採用することにより、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径の標準偏差を本発明の範囲内(0.35μm以下)に維持したまま、当該セメンタイトの平均円相当径を本発明の範囲(0.30〜0.70μm)のなかでも、より大きくすることができ、球状化焼鈍後伸線前の硬さがより低減されるようになる(後記する実施例を参照)。その結果、切削性がより向上すると考えられる。
上記のように、球状化焼鈍前の圧延工程における加熱温度を低温に制御する方法は、例えば、特許文献2や特許文献3にも記載されている。特許文献3には、更に、所定温度域までの平均冷却速度を遅く制御することも記載されている。しかし、特許文献3の実施例の欄には、500℃までの温度域を1℃/secの平均冷却速度で冷却した例しか開示されていないのに対し、本発明では、上記と重複する温度域(圧延終了後パーライト変態終了までの温度域)を、特に、平均冷却速度0.3℃/sec以下と、非常にゆっくりと冷却しており、特許文献3に比べ、「超徐冷処理」を行なうことにより、前述した効果(球状化焼鈍後の硬さ低減効果など)が初めて得られることを、実験により確認している。
上記の低温圧延徐冷法では、まず、仕上圧延開始温度を750℃以上850℃以下の範囲内に低く制御することが好ましい。これにより、網状セメンタイトの生成が抑制されるため、粗大なセメンタイトの生成が少なくなり、伸線性が高められる。仕上圧延開始温度は、770℃以上830℃以下の範囲内であることがより好ましい。
ここで、「仕上圧延開始温度」とは、放射温度計によって測定されたものであり、厳密には、「仕上圧延列の入側の鋼片表面温度」を意味する。
尚、本発明では熱間圧延工程のうち仕上開始温度のみ上低温側に制御することが必要であって、その他の条件(加熱温度、加熱保持時間、仕上圧延終了温度)等は特に限定されず、本発明の作用に悪影響を及ぼさない範囲で、通常用いられる条件を適宜選択して採用することができる(例えば加熱温度900〜1200℃、加熱保持時間20分〜3時間、仕上圧延終了温度900〜1050℃)。
上記のように低温圧延を行なった後、圧延終了後パーライト変態終了までの温度域(おおむね、650℃までの温度域)を0.3℃/sec以下の平均冷却速度で冷却(超徐冷)することが好ましい。これにより、パーライトのラメラ間隔が大きくなり、その後の球状化焼鈍工程において、セメンタイトの球状化がより速やかに行なわれるようになって生産性が向上するほか、結果的に、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径の標準偏差を本発明の範囲内(0.35μm以下)に維持したまま、当該セメンタイトの平均円相当径を本発明の範囲(0.30〜0.70μm)のなかでも、より大きくすることができ、球状化焼鈍後の硬さがより低減されるようになる(後記する実施例を参照)。その結果、切削性がより向上すると考えられる。
このような「超徐冷」の平均冷却速度は、放冷によって得ることはできないため、例えば、以下の方法を採用することが好ましい。ステルモア方式の冷却コンベアを含む設備(ステルモア設備)を用いる場合は、カバー(更には、ヒーター付きのカバー)をかけたり、誘導加熱などにより徐冷を行なうことが好ましい。衝風は行なわない。この方法によれば、コンベア速度は何ら変更する必要はないため、超徐冷処理によって生産性が損なわれることもない。あるいは、圧延後のできるだけ早い段階でコイル状に巻取るなどしてもよい。
パーライト変態終了までの温度域を超徐冷処理した後の冷却条件は、球状化焼鈍後の組織に影響を及ぼさないため、特に限定されない。例えば、室温までの平均冷却速度は、おおむね、3℃/sec以下の範囲内に制御することが好ましい。
次に、図4を参照しながら、本発明を特徴付ける球状化焼純工程について説明する。本発明で規定する条件は、後記する実施例を含め、種々の基礎実験に基づいて決定されたものである。
まず、圧延材を780〜825℃に加熱し、この温度(図4中、T)で8時間以下(図4中、t)保持する。保持温度Tが825℃を超えるか、保持時間tが8時間を超えると、セメンタイトの平均円相当径の平均粒径および標準偏差が大きくなり、一方、保持温度Tが780℃を下回ると、セメンタイトの平均円相当径が小さくなるほか、硬さが上昇して良好な切削性が得られない。保持温度Tは、785℃以上820℃以下であることが好ましい。また、保持時間tは、6時間以下であることが好ましい。保持時間tの下限は、セメンタイトの球状化などを考慮すると、おおむね、1時間であることが好ましい。
その後、上記の保持温度Tから(Ar1−10℃)〜(Ar1+20℃)の範囲(図中、CR1停止温度)を30℃/hr以上の平均冷却速度(図中、CR1)で冷却した(急冷工程)後、CR1停止温度から650〜720℃(図中、CR2停止温度)の範囲を18℃/hr以下の平均冷却速度(CR2)で冷却する(徐冷工程)。これにより、セメンタイトの平均円相当径および標準偏差の両方を、適切な範囲に制御することができる。
ここで、Ar1とは、圧延材の冷却時に、オーステナイトとセメンタイトとの混合状態から、フェライトが出始める温度を意味し、主に、鋼中成分によって決定される。
上記工程において、急冷工程の冷却速度(CR1)は、特に、セメンタイトの標準偏差に影響を及ぼす因子である。CR1は、できるだけ大きくすることが良く、40℃/hr以上であることが好ましく、45℃/hr以上であることがより好ましい。
徐冷工程の冷却速度(CR2)は、特に、セメンタイトの平均円相当径に影響を及ぼす因子である。CR2は、できるだけ小さくすることが良く、16℃/hr以下であることが好ましく、15℃/hr以下であることがより好ましい。その下限は、特に限定されないが、生産性などを考慮すると、3℃/hrであることが好ましく、5℃/hrであることがより好ましい。
CR1停止温度は、特に、セメンタイトの平均円相当径に影響を及ぼす因子であり、Ar1以上(Ar1+15℃)以下であることが好ましい。
CR2停止温度は、特に、セメンタイトの平均円相当径や球状化焼鈍後の硬さに影響を及ぼす因子であり、690℃以下であることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳述する。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。
実施例1
本実施例では、球状化焼鈍条件を種々変化させたときにおける、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径および標準偏差に及ぼす影響を主に調べた。
(製造方法)
表1に示すように、SUJ2の組成を満足する鋼種No.1,2を用い、約1000℃の温度で約3時間加熱した後、熱間圧延を行い、約950℃で仕上圧延を開始し、約900℃で仕上圧延を終了して線径φ5.5mmの圧延材を得た。ここでは、圧延終了後パーライト変態終了(約650℃)までの温度域を約0.5℃/secの平均冷却速度で冷却し、その後、室温まで冷却した。
次に、図4に示すヒートパターン(本発明例)に従って球状化焼鈍(表2のA)を行うと共に、比較のため、図5に示すヒートパターンに従って球状化焼鈍(表2のB)を行なった。詳細な製造条件は表2に示すとおりであり、図4および図5に示す球状化焼鈍パターンの条件[保持温度T、保持時間t、CR1、CR1停止温度、CR2、CR2停止温度(図4の場合)または再加熱温度(図5の場合)]を種々変更して球状化焼鈍を行った。
その後、以下の条件で伸線を行った。
皮膜処理:リン酸亜鉛による皮膜処理(皮膜付着量約12〜16g/m
伸線スケジュール:φ5.5mm→φ4.8mm→φ4.2mm→φ3.7mm→φ3.3mm→φ3.0mm→φ2.7mm→φ2.5mm
伸線減面率:79%
ダイス:ダイヤモンドダイス
(特性の評価)
前述した方法に基づき、球状化焼鈍後伸線前のセメンタイトの平均円相当径および標準偏差を測定した。
また、球状化焼鈍後伸線前の硬さ(ビッカース硬さ)は、セメンタイトの平均円相当径を測定したときと同じ部分(図3を参照)について、縦断面の4点平均(90°ピッチ)を測定した。本発明では、このようにして測定されたビッカース硬さが約195HV以下のものを切削性に優れる(本発明例)と評価した。切削性は、ビッカース硬さが小さいほど、向上する。
更に、上記の伸線スケジュールで伸線した後の断線の有無を肉眼で観察した。
これらの結果を表2に併記する。表2中、No.1〜16は、表1のNo.1(Mo非添加鋼)を用いた例であり、No.17〜20は、表1のNo.2(Mo添加鋼)を用いた例である。また、表2では、図4に示す球状化焼鈍パターンをA、図5に示す球状化焼鈍パターン(比較例)をBで表している。
Figure 2007224410
Figure 2007224410
表2の結果より、以下の様に考察することができる。下記No.はすべて、表2中の実験No.を意味し、表1に示す鋼種No.1および2のAr1点は、いずれも、約740℃である。
まず、No.1〜10(Mo非添加鋼)およびNo.17〜18(Mo添加鋼)は、球状化焼鈍パターンAを用い、本発明で規定する条件で球状化焼鈍を行った本発明例であり、セメンタイトの形態(平均円相当径および標準偏差)が本発明の要件を満足しているため、強伸線加工を行っても断線は見られず、且つ、切削性に好適な硬さ(約195HV以下)を満足している。
これに対し、No.11〜16、19〜20は、以下の不具合を有している。
No.11〜15、17〜19は、図4に示す球状化焼鈍パターンAを用いて球状化焼鈍を行ったが、保持温度などが本発明の要件を外れているため、所望とするセメンタイトの形状が得られなった比較例である。
詳細には、No.11は保持温度が高いため、No.13は急冷工程の平均冷却速度CR1が小さいため、No.14は保持時間tが長いため、No.20は徐冷工程後のCR2停止温度が高いため、いずれも、標準偏差が大きくなってセメンタイトのサイズのバラツキが大きくなり、伸線後に断線が生じた。
No.12は徐冷工程の平均冷却速度CR2が大きいため、No.15はCR2停止温度が高いため、No.19は保持温度Tが低いため、セメンタイトの平均円相当径が小さくなり、球状化焼鈍後の硬さが増加した。
一方、No.16および20は、図5に示す球状化焼鈍パターンBを用いて球状化焼鈍を行った例である。
このうち、No.16は、CR1停止温度が低く、再加熱を行なっているため、セメンタイトの平均円相当径および標準偏差が大きくなり、伸線後に断線が生じた。
また、No.20は徐冷工程後に再加熱を行なっているため、標準偏差が大きくなってセメンタイトのサイズのバラツキが大きくなり、伸線後に断線が生じた。
なお、No.16とNo.20の製造条件を特許文献1に記載の球状化焼鈍条件と比較すると、保持時間tが6時間と長く、一方、これらの製造条件を特許文献2に記載の球状化焼鈍条件と比較すると、CR1およびCR2が、いずれも、30℃/hrと遅いが、特許文献1および特許文献2に記載の条件で球状化焼鈍を行なった場合でも、No.16およびNo.20とほぼ同様の実験結果が得られることを確認している。
実施例2
本実施例では、球状化焼鈍前の圧延・冷却条件を種々変化させたときにおける、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径および標準偏差に及ぼす影響を主に調べた。本実施例における球状化焼鈍工程は、いずれも、本発明で定める条件を満足している。
(製造方法)
表1に示す鋼種No.1、2を用い、表3に示す条件で、熱間圧延→パーライト変態終了(約650℃)まで冷却(表3には、球状化焼鈍工程における平均冷却速度CR1、CR2と区別するため、便宜上、圧延後パーライト変態終了までの温度域の平均冷却速度をCR3と記載している。)を行なった後、室温まで冷却し、線径φ5.5mmの圧延材を得た。仕上圧延終了温度は、すべて、約900℃とした。
次に、図4に示すヒートパターン(本発明例)に従って球状化焼鈍(表3のA)を行った。詳細な球状化焼鈍条件は表3に示すとおりであり、保持温度T=795℃、保持時間t=2hr、CR1=50℃/hr、CR1停止温度=750℃、CR2=15℃/hr、CR2停止温度=680℃とした。
その後、実施例1と同様にして伸線を行なった後、各特性を評価した。
これらの結果を表3に併記する。表3中、No.1〜8は、それぞれ表1のNo.1(Mo非添加鋼)を用いた例であり、No.9〜12は、表1のNo.2(Mo添加鋼)を用いた例である。
Figure 2007224410
表3の結果より、以下の様に考察することができる。
まず、Mo非添加鋼を用いた表3のNo.1〜8について考察する。
No.2〜5は、いずれも、球状化焼鈍前の圧延・冷却条件について、仕上圧延開始温度を770〜840℃、圧延終了後パーライト変態終了の温度域における平均冷却速度(CR3)を0.3℃/sec以下と、本発明の好ましい範囲内に制御した例であり、No.1のように、球状化焼鈍前の圧延・冷却条件を通常の範囲内(仕上圧延開始温度:900℃、CR3=0.5℃/sec)で行なった場合に比べ、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径の標準偏差をおおむね0.24μmの範囲に維持したままで、当該セメンタイトの平均円相当径を、No.1の場合(0.35μm)に比べ、より大きくすることができ(0.40〜0.50μm)、球状化焼鈍後(伸線前)の硬さも一層低減された。
一方、No.6〜8は、球状化焼鈍工程の保持時間tを、前述したNo.1〜5に比べ、3時間と高くした例である。詳細には、No.6は仕上圧延開始温度が通常レベル(約850〜900℃)よりも若干高い例、No.7は仕上圧延開始温度が本発明の好ましい範囲よりも若干低い例、No.8は、仕上圧延開始温度が通常レベルよりも若干高く、CR3を1.0℃/sec(通常レベル)に制御した例であるが、球状化焼鈍工程を本発明の範囲内に制御して行なっているため、強伸線加工を行っても断線は見られず、且つ、切削性に好適な硬さ(約195HV以下)を満足している。なお、No.7では、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径が0.51μmと若干大きくなり、ビッカース硬さも174HVと低下したが、セメンタイトの平均円相当径の標準偏差は0.34μmと、やや増加した。
次に、Mo添加鋼を用いた表3のNo.9〜12について考察する。
No.10〜11は、いずれも、球状化焼鈍前の圧延・冷却条件について、仕上圧延開始温度を770〜800℃、圧延終了後パーライト変態終了の温度域における平均冷却速度(CR3)を0.3℃/sec以下と、本発明の好ましい範囲内に制御した例であり、No.9のように、球状化焼鈍前の圧延・冷却条件を通常の範囲内(仕上圧延開始温度:900℃、CR3=0.3℃/sec)で行なった場合に比べ、球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径の標準偏差をおおむね0.24μmの範囲に維持したままで、当該セメンタイトの平均円相当径を、No.9の場合(0.34μm)に比べ、より大きくすることができ(0.44〜0.52μm)、伸線前の硬さも一層低減された。
一方、No.12は、球状化焼鈍工程の保持時間tを、前述したNo.9〜11に比べ、3時間と高くした例である。詳細には、No.12は仕上圧延開始温度が通常レベル(約850〜900℃)よりも若干高い例であるが、球状化焼鈍工程を本発明の範囲内に制御して行なっているため、強伸線加工を行っても断線は見られず、且つ、切削性に好適な硬さ(約195HV以下)を満足している。
図1は、伸線前に施される球状化焼鈍の一般的なヒートパターンを模式的に示す図である。 図2は、軸受鋼線材のセメンタイトの形態を模式的に示す概略図であり、図2(a)は従来の軸受鋼線材のセメンタイトを、図2(b)は本発明の軸受鋼線材のセメンタイトを、それぞれ、示す。 図3は、セメンタイトの平均円相当径および球状化焼鈍後の硬さの測定位置を示す図である。 図4は、本発明における球状化焼鈍工程を模式的に示す図である。 図5は、特許文献2に記載の球状化焼鈍工程を模式的に示す図である。

Claims (5)

  1. 鋼中成分が、
    C :0.8〜1.3%(質量%の意味。以下、同じ)、
    Si:1.0%以下(0%を含まない)、
    Mn:2.0%以下(0%を含まない)、
    Cr:2.0%以下(0%を含まない)、
    残部:Feおよび不可避不純物であり、
    球状化焼鈍後のセメンタイトの平均円相当径が0.30〜0.70μmであり、且つ、標準偏差が0.35μm以下であることを特徴とする伸線性に優れた軸受鋼線材。
  2. 更に、Mo:2.0%以下(0%を含まない)
    を含有する請求項1に記載の軸受鋼線材。
  3. 請求項1または2に記載の軸受鋼線材を用いて得られる軸受部品。
  4. 請求項1または2に記載の軸受鋼線材を製造する方法であって、
    圧延材を用意する第1の工程と、
    前記圧延材を球状化焼鈍する第2の工程と、を包含し、
    前記第2の工程は、780〜825℃の保持温度で8時間以下保持する工程と、前記保持温度から(Ar1−10℃)〜(Ar1+20℃)の範囲を30℃/hr以上の平均冷却速度で冷却する工程と、前記(Ar1−10℃)〜(Ar1+20℃)から、650〜720℃の範囲を18℃/hr以下の平均冷却速度で冷却する工程と、を含むことを特徴とする軸受鋼線材の製造方法。
  5. 前記第1の工程は、仕上圧延開始温度を750℃以上850℃以下とする工程と、圧延終了後パーライト変態終了までの温度域を0.3℃/sec以下の平均冷却速度で冷却する工程と、を包含する請求項4に記載の製造方法。
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