JP2016092140A - レジストパターン形成装置およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

レジストパターン形成装置およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光透過性および耐久性を両立させた信頼性の高いパターンが得られる、レジストパターン形成装置およびレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】基板上にレジスト膜を塗布する塗布装置と、レジスト膜の現像処理を行うことでプレパターンを形成する現像装置と、現像後のプレパターンに脱水処理を行う脱水装置と、脱水後のプレパターンに光照射処理を行う光照射装置と、光照射後のプレパターンを加熱して硬化させる加熱装置と、を備えるレジストパターン形成装置に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レジストパターン形成装置およびレジストパターン形成方法に関する。
従来、レジスト材料を塗布してプリベークした後に露光および現像したプレパターンにブリーチング露光を行うことで、該プレパターンの光透過性や耐久性を向上させる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−237854号公報
しかしながら、上記従来技術ではブリーチング効果が十分に得られず、ブリーチング露光後のパターンにおいて光透過性および耐久性を両立できず、当該パターンを用いて製造した有機ELパネルまたはTFTパネル等の信頼性を低下させる要因となっていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、光透過性および耐久性を両立させた信頼性の高いパターンが得られる、レジストパターン形成装置およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に従えば、基板上にレジスト膜を塗布する塗布装置と、前記レジスト膜の現像処理を行うことでプレパターンを形成する現像装置と、現像後の前記プレパターンに脱水処理を行う脱水装置と、脱水後の前記プレパターンに光照射処理を行う光照射装置と、前記光照射後の前記プレパターンを加熱して硬化させる加熱装置と、を備えるレジストパターン形成装置が提供される。
第1態様に係るレジストパターン形成装置によれば、脱水処理によってプレパターンの水分を予め除去することで露光後のナフトキノンジアジドがインデンカルボン酸に変化することを抑制している。カルボン酸の生成が抑制されると、プレパターンが良好に高分子化されるようになる。よって、光照射処理後は光透過性および耐久性を両立させたプレパターンが形成されるので、該プレパターンを硬化させたレジストパターンは信頼性の高いものとなる。
上記第1態様において、前記脱水装置は、不活性ガスを供給した脱水チャンバ内で前記プレパターンを加熱する加熱機構を含む構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターン内の水分を良好に除去することができる。
上記第1態様において、前記脱水装置は、前記プレパターンを収容した空間を真空雰囲気とする真空機構を含む構成としてもよい。
この構成によれば、真空雰囲気により水分が蒸発し易くなるので、プレパターン内から水分を良好に除去することができる。
さらに、前記脱水装置は、前記真空雰囲気内において前記プレパターンを加熱する加熱機構をさらに含む構成とするのが好ましい。
このようにすれば、プレパターン内の水分をより効率良く除去できる。
上記第1態様において、前記脱水装置は、前記プレパターンを加熱する加熱機構を含む構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターン内の水分を良好に除去することができる。
上記第1態様において、前記光照射装置は、前記光照射処理を行う処理チャンバ内が低露点雰囲気である構成としてもよい。
この構成によれば、チャンバ内の水分量が少ないため、プレパターンに含まれるジアゾナフトキノンが光化学反応を起こして生成されたインデンケテンが樹脂の水酸基と結合して膜全体が良好に高分子化する。よって、プレパターンが良好に高分子化するので、光透過性および耐久性に優れたレジストパターンを形成できる。
上記第1態様において、前記光照射装置は、前記光照射処理を行う際に、20℃〜200℃の処理温度で前記プレパターンを加熱する構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターンの光照射処理(ブリーチング処理)を良好に行うことができる。
上記第1態様において、前記光照射装置は、前記光照射処理に先立ち、前記プレパターンが前記処理温度に到達するまで低露点雰囲気下で前記基板を保持する予熱部を含む構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターンの脱水状態を維持しつつ、予熱部によりプレパターンの温度を処理温度まで予熱することができる。よって、プレパターンは、表面のみならず内部まで所定温度に到達した状態で光照射が行われるので、良好に高分子化することができる。
本発明の第2態様に従えば、基板上にレジスト膜を塗布する塗布工程と、前記レジスト膜の現像処理を行うことでプレパターンを形成する現像工程と、前記現像工程後の前記プレパターンに脱水処理を行う脱水工程と、前記脱水工程後の前記プレパターンに光照射処理を行う光照射工程と、前記光照射工程後の前記プレパターンを加熱して硬化させる加熱工程と、を備えるレジストパターン形成方法が提供される。
第2態様に係るレジストパターン形成方法によれば、脱水処理によってプレパターンの水分を予め除去することで露光後のナフトキノンジアジドがインデンカルボン酸に変化することを抑制している。カルボン酸の生成が抑制されると、プレパターンが良好に高分子化されるようになる。よって、光透過性および耐久性を両立させたプレパターンが形成されるので、該プレパターンを硬化させたレジストパターンは信頼性の高いものとなる。
上記第2態様において、前記脱水工程は、不活性ガスを供給した脱水チャンバ内で前記プレパターンを加熱する加熱ステップを含む構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターン内の水分を良好に除去することができる。
上記第2態様において、前記脱水工程は、前記プレパターンを収容した空間を真空雰囲気とする真空ステップを含む構成としてもよい。
この構成によれば、真空雰囲気により水分が蒸発し易くなるので、プレパターン内から水分を良好に除去することができる。
さらに、前記脱水工程は、前記真空雰囲気内において前記プレパターンを加熱する構成とするのが好ましい。
このようにすれば、プレパターン内の水分をより効率良く除去できる。
上記第2態様において、前記脱水工程は、前記プレパターンを加熱することで脱水処理を行う構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターン内の水分を良好に除去することができる。
上記第2態様において、前記光照射工程は、低露点雰囲気の処理チャンバ内で前記光照射処理を行う構成としてもよい。
この構成によれば、チャンバ内の水分量が少ないため、プレパターンに含まれるジアゾナフトキノンが光化学反応を起こして生成されたインデンケテンが樹脂の水酸基と結合して膜全体が良好に高分子化する。よって、プレパターンが良好に高分子化するので、光透過性および耐久性に優れたレジストパターンを形成できる。
上記第2態様において、前記光照射処理を行う際に、20℃〜200℃の処理温度で前記プレパターンを加熱する構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターンの光照射処理(ブリーチング処理)を良好に行うことができる。
上記第2態様において、前記光照射工程は、前記光照射処理に先立ち、前記プレパターンが前記処理温度に到達するまで低露点雰囲気下で前記基板を保持する予熱ステップを含む構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターンの脱水状態を維持しつつ、予備加熱部によりプレパターンの温度を処理温度まで予熱することができる。よって、プレパターンは、表面のみならず内部まで所定温度に到達した状態で光照射が行われるので、良好に高分子化することができる。
本発明によれば、光透過性および耐久性を両立させた信頼性の高いパターンが得られる。
第一実施形態に係るパターン形成装置を示す平面図。 第一実施形態に係る脱水ユニットを−Y方向から見たときの構成を示す図。 第一実施形態に係る光照射ユニットを+Z方向から見たときの構成を示す図。 第一実施形態に係る光照射ユニットの動作を示す図。 第一実施形態に係る光照射ユニットの動作を示す図。 第一実施形態に係るパターン形成方法を示す工程図。 第二実施形態に係る光照射ユニットを−Y方向から見たときの構成を示す図。 第二実施形態に係る光照射ユニットの動作を示す図。 第二実施形態に係る光照射ユニットの動作を示す図。 第二実施形態に係る光照射ユニットの動作を示す図。 変形例に係る脱水ユニットを−Y方向から見たときの構成を示す図。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
(第一実施形態)
図1は本実施形態に係るパターン形成装置SPAを示す平面図である。
パターン形成装置SPAは、例えばX方向に一列に配置されたローダ・アンローダLU、塗布現像処理部CD、インターフェース部IF及び制御部CONTを備えている。パターン形成装置SPAは、塗布現像処理部CDがローダ・アンローダLUとインターフェース部IFによって挟まれて配置された構成になっている。制御部CONTは、パターン形成装置SPAの各部を統括的に処理する。
(ローダ・アンローダ)
ローダ・アンローダLUは、複数の基板Gを収容するカセットCの搬入及び搬出を行う部分である。ローダ・アンローダLUは、カセット待機部10及び搬送機構11を有している。
カセット待機部10は、例えばパターン形成装置SPAの−X側の端部に配置されており、複数のカセットCを収容する。カセット待機部10に収容されたカセットCは、例えばY方向に配列されるようになっている。カセット待機部10は、−X側に不図示の開口部が形成されており、当該開口部を介してパターン形成装置SPAの外部との間でカセットCの受け渡しが行われるようになっている。
搬送機構11は、カセット待機部10の+X側に配置されており、カセットCと塗布現像処理部CDとの間で基板Gの搬送を行う。搬送機構11は、例えばY方向に沿って2つ配置されており、当該2つの搬送機構11は例えば同一の構成となっている。−Y側に配置される搬送機構11aは、ローダ・アンローダLUから塗布現像処理部CDへ基板Gを搬送する。+Y側に配置される搬送機構11bは、塗布現像処理部CDからローダ・アンローダLUへ基板Gを搬送する。
搬送機構11は搬送アーム12(12a、12b)を有している。搬送アーム12は、ガラス基板を保持する保持部を有し、例えば一方向に伸縮可能に設けられている。搬送アーム12は、θZ方向に回転可能に形成されている。搬送アーム12は、例えばθZ方向に回転することで、カセット待機部10と塗布現像処理部CDとのそれぞれの方向に向かせることが可能になっている。搬送アーム12は、搬送アーム12を伸縮させることで、カセット待機部10及び塗布現像処理部CDのそれぞれにアクセス可能になっている。
(塗布現像処理部)
塗布現像処理部CDは、基板Gにレジスト塗布及び現像を含む一連の処理を施す部分である。塗布現像処理部CDは、スクラバユニットSR、脱水ベークユニットDH、塗布ユニットCT、プリベークユニットPR、インターフェース部IF、現像ユニットDV、脱水ユニット58、光照射ユニットUV及びポストベークユニットPBを有している。
塗布現像処理部CDは、Y方向に分割された構成になっており、−Y側の部分では、ローダ・アンローダLUからの基板Gがインターフェース部IFへ向けて+X方向に搬送されるようになっている。+Y側の部分では、インターフェース部IFからの基板Gがローダ・アンローダLUへ向けて−X方向に搬送されるようになっている。
スクラバユニットSRは、ローダ・アンローダLUの下流に接続されており、基板Gの洗浄を行うユニットである。スクラバユニットSRは、ドライ洗浄装置41、ウェット洗浄装置42及びエアナイフ装置43を有している。ドライ洗浄装置41の−X側及びエアナイフ装置43の+X側には、それぞれコンベア機構CV1、CV2が設けられている。コンベア機構CV1、CV2には、基板Gを搬送する不図示のベルト機構が設けられている。
ドライ洗浄装置41は、例えば基板Gにエキシマレーザーなどの紫外線を照射することにより、基板G上の有機物を除去する。ウェット洗浄装置42は、例えば不図示のスクラビングブラシを有している。ウェット洗浄装置42は、洗浄液及び当該スクラビングブラシを用いて基板Gを洗浄する。エアナイフ装置43は、例えば不図示のエアナイフ噴射機構を有している。エアナイフ装置43は、エアナイフ噴射機構を用いて基板G上にエアナイフを形成し、基板G上の不純物を除去する。
脱水ベークユニットDHは、スクラバユニットSRの下流に接続されており、基板G上を脱水するユニットである。脱水ベークユニットDHは、加熱装置44、HMDS装置46及び冷却装置45を有している。加熱装置44及びHMDS装置46は、Z方向に重ねられた状態で配置されている。Z方向視で加熱装置44及びHMDS装置46に重なる位置にコンベア機構CV3が設けられており、Z方向視で冷却装置45に重なる位置にコンベア機構CV4が設けられている。加熱装置44及びHMDS装置46と、冷却装置45との間には、基板Gを搬送する搬送機構TR1が設けられている。搬送機構TR1については、例えばローダ・アンローダLUに設けられた搬送機構11と同一の構成とすることができる。
加熱装置44は、例えば基板Gを収容可能なチャンバ内にヒータを有する構成になっている。加熱装置44は、Z方向に例えば複数段配置されている。加熱装置44は、基板Gを所定の温度で加熱する。HMDS装置46は、HMDSガスを基板Gに作用させて疎水化処理を施し、塗布ユニットCTにおいて基板Gに塗布するレジスト膜と基板Gとの密着性を向上させる装置である。冷却装置45は、例えば基板Gを収容可能なチャンバ内に温調機構を有し、基板Gを所定の温度に冷却する。
塗布ユニット(塗布装置)CTは、脱水ベークユニットDHの下流に接続されており、基板G上の所定の領域にレジスト膜を形成する。塗布ユニットCTは、塗布装置47、減圧乾燥装置48、周縁部除去装置49を有している。塗布装置47は、基板G上にレジスト膜を塗布する装置である。塗布装置47としては、例えば回転式塗布装置、ノンスピン式塗布装置、スリットノズル塗布装置などが用いられる。これら各種の塗布装置を交換可能な構成であっても構わない。減圧乾燥装置48は、レジスト膜を塗布した後の基板Gの表面を乾燥させる。周縁部除去装置49は、基板Gの周縁部に塗布されたレジスト膜を除去し、レジスト膜の形状を整える装置である。
プリベークユニットPRは、塗布ユニットCTの下流に接続されており、基板Gにプリベーク処理を行うユニットである。プリベークユニットPRは、加熱装置50及び冷却装置51を有している。加熱装置50に重なる位置にコンベア機構CV5が設けられている。冷却装置51に重なる位置にコンベア機構CV6が設けられている。加熱装置50と冷却装置51とは、搬送機構TR2を挟むようにY方向に沿って配置されている。
インターフェース部IFは、露光装置EXに接続される部分である。インターフェース部IFは、バッファ装置52、搬送機構TR3、コンベア機構CV7、CV8及び周辺露光装置EEを有している。バッファ装置52は、プリベークユニットPRの搬送機構TR2の+X側に配置されている。バッファ装置52の+X側には、搬送機構TR3が設けられている。
バッファ装置52は、基板Gを一時的に待機させておく装置である。バッファ装置52には、基板Gを収容する不図示のチャンバや、当該チャンバ内の温度を調整する温調装置、チャンバ内に収容された基板GのθZ方向の位置を調整する回転制御装置などが設けられている。バッファ装置52のチャンバ内では、基板Gの温度を所定の温度に保持できるようになっている。コンベア機構CV7、CV8は、プリベークユニットPRの冷却装置51をX方向に挟むように配置されている。
現像ユニット(現像装置)DVは、プリベークユニットPRの冷却装置51の−X側に接続されており、露光後の基板Gの現像処理を行う。現像後の基板Gには、所定の形状にパターニングされたレジスト膜(プレパターン)が形成される。
現像ユニットDVは、現像装置55、リンス装置56及びエアナイフ装置57を有している。現像装置55は、基板Gに現像液を供給して現像処理を行う。リンス装置56は、現像後の基板Gにリンス液を供給し、基板Gを洗浄する。エアナイフ装置57は、基板G上にエアナイフを形成し、基板G上のプレパターンを乾燥させる。現像装置55の+X側にはコンベア機構CV9が設けられており、エアナイフ装置57の−X側にはコンベア機構CV10が設けられている。コンベア機構CV10は、エアナイフ装置57からの基板Gを脱水ユニット58へと搬送する。
(脱水ユニット)
脱水ユニット58は、現像ユニットDVの−X側に接続されており、現像後の基板Gの脱水処理を行う。
図2は、脱水ユニット58を+Y方向に向かって見たときの構成を示す図である。
図2に示すように、脱水ユニット58は、チャンバ(脱水チャンバ)70と、ガス供給部71と、加熱機構72とを有している。チャンバ70は、脱水処理を行う基板Gを収容する。ガス供給部71は、チャンバ70内に不活性ガスを供給する。ガス供給部71は、例えば、窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスを供給する。加熱機構72は、チャンバ70内で基板Gを加熱するヒータ等の加熱部を含む。加熱機構72の加熱温度は、基板Gに形成されたプレパターン中から水分を蒸発させることが可能な値に設定される。
脱水ユニット58の−X側には搬送機構TR4が設けられている。搬送機構TR4は、脱水ユニット58からの基板GをポストベークユニットPBへと搬送する。搬送機構TR4は、基板Gを保持しつつZ方向に昇降可能なロボットアームを有している。
光照射ユニットUVは、搬送機構TR4の+Y側に接続されている。光照射ユニットUVは、現像後の基板G(プレパターン)に例えば所定波長の光を照射することでプレパターンの可視光透過性を向上させるブリーチング露光を行う。
搬送機構TR4は、脱水ユニット58からの基板Gを光照射ユニットUVに搬送し、光照射ユニットUVからの基板GをポストベークユニットPBへと受け渡す。搬送機構TR4は、基板Gを保持しつつZ方向に昇降可能なロボットアームを有している。
ポストベークユニットPBは、搬送機構TR4の下流側に接続されており、光処理後の基板Gをベークする。ポストベークユニットPBは、加熱装置59及び冷却装置60を有している。加熱装置59と冷却装置60との間には搬送機構TR5が設けられている。搬送機構TR5は、加熱装置59から冷却装置60へ基板Gを搬送する。加熱装置59は、現像後の基板Gにポストベークを行う。冷却装置60は、ポストベーク後の基板Gを冷却する。
(光照射ユニット)
図3は、光照射ユニットUVを+Z方向から見たときの構成を示す図である。図4(a)及び図4(b)は、光照射ユニットUVを+Y方向に向かって見たときの構成を示す図である。図5(a)、(b)は光照射ユニットUVを+X方向に向かって見たときの構成を示す図である。なお、図3〜図5においては、図を判別しやすくするため、それぞれ一部の構成を省略して示している。
図3、4に示すように、光照射ユニットUVは、予備装置80及び光照射装置81を有している。
予備装置80は、チャンバ82、減圧機構83及び昇降機構84を有している。予備装置80は、例えば光照射装置81に搬送する基板Gを一時的に収容する予備室として設けられている。勿論、他の用途であっても構わない。予備装置80は、例えば+Y側に基板搬出入口80aを有している。予備装置80では、減圧機構83によってチャンバ82内を減圧させた状態で基板G収容することができるようになっている。減圧機構83としては、例えばポンプ機構などが用いられる。
昇降機構84は、Z方向に移動可能に設けられている。昇降機構84の+Z側には、例えば複数の支持ピン84aが設けられている。複数の支持ピン84aの+Z側の端部は、例えばXY平面に平行な同一面内に設けられている。このため、複数の支持ピン84aによって基板GがXY平面に平行に支持されるようになっている。昇降機構84は、チャンバ82内に収容される基板Gを支持しつつ、当該基板Gをチャンバ82内のZ方向に搬送するようになっている。
光照射装置81は、予備装置80に接続され、基板Gに対して光照射を行う装置である。光照射装置81は、チャンバ(処理チャンバ)85、光照射部86、ステージ87、受け渡し機構88、搬送機構(基板搬送部)89、加熱部90及びガス供給部91を有している。光照射装置81は、例えば+X側に基板搬出入口81aを有している。
当該基板搬出入口81aは、予備装置80の−X側に接続されていて、予備装置80に対して基板Gの搬入及び搬出を行う。また、チャンバ82の+X側の面には、脱水ユニット58に接続するための接続部80bが設けられている。接続部80bは、チャンバ82を脱水ユニット58側に物理的に接続すると共に、チャンバ82の電気的な配線等を接続させることで、チャンバ82と脱水ユニット58とを電気的にも接続している。
チャンバ85は、光照射処理が行われる基板Gを収容する。チャンバ85は、平面視で矩形に形成されており、例えば一方向が長手となるように形成されている。チャンバ85の天井部85aには、光照射用の開口部85bが設けられている。開口部85bは、平面視ではチャンバ85のうち光照射部86に対応する位置に設けられている。また、チャンバ85の天井部85aには、蓋部85cが設けられている。蓋部85cは、複数箇所、例えば平面視でチャンバ85の長手方向に沿って3箇所に設けられている。蓋部85cは、チャンバ85の天井部85aのうち開口部85bから外れた位置に設けられている。
チャンバ85内には、開口部85bを挟む位置に遮光部材85dが設けられている。遮光部材85dは、例えばチャンバ85の天井部85aに取り付けられ、光照射部86からの光を遮光する板状部材である。遮光部材85dは、例えばチャンバ85内を区切る位置に形成されている。以下、チャンバ85内のうち遮光部材85dによって区切られた部分を、それぞれ第1基板搬送部85F、処理部85P及び第2基板搬送部85Sと表記する。第1基板搬送部85Fは、チャンバ85内のうち予備装置80側の部分である。処理部85Pは、開口部85bが形成された部分である。第2基板搬送部85Sは、予備装置80から最も遠い部分である。
処理部85Pに照射された光は、遮光部材85dによって遮光される。したがって、光照射部86からの光は、第1基板搬送部85F及び第2基板搬送部85Sに照射されること無く、処理部85Pのみに照射されることになる。
光照射部86は、チャンバ85の開口部85bに取り付けられている。光照射部86は、紫外線(例えばi線など)及び可視光線の両方を含む光(光学フィルタ等によって波長300nm未満、好ましくはさらに波長450nm超をカットした光)を照射する照射ランプを含む。照射ランプは、例えば、メタルハライドランプやLEDランプから構成される。
ここで、本実施形態において、「紫外線」とは、波長範囲の下限が1nm程度、上限が可視光線の短波長端の光を意味し、「可視光線」とは、波長範囲の下限が360〜400nm程度、上限が760〜830nm程度の光を意味する。
光照射部86が照射する光(照射光)の波長は、300nm以上であり、好ましくは300〜450nmである。照射光の波長を300nm以上とすることにより、プレパターンの表層側だけでなく内部まで、パターン全体が硬化しやすくなる。一方、好ましい上限値以下とすれば、輻射熱の発生が抑えられ、硬化時の過度な温度上昇を抑制することができる。
ステージ87は、チャンバ85内に収容され、チャンバ85の長手方向に沿って形成された板状部材である。ステージ87は、第1基板搬送部85F、処理部85P及び第2基板搬送部85Sに亘って配置されている。ステージ87は、第1開口部87a、第2開口部87bを有している。第1開口部87aは、第1基板搬送部85Fに配置される部分に形成されている。第2開口部87bは、ステージ87のほぼ全面に亘って形成されている。第2開口部87bは、例えば不図示のエア供給機構及び吸引機構に接続されている。このため、第2開口部87bからはエアが噴出されるようになっており、当該エアによってステージ87上の全面にエアの層が形成されるようになっている。
受け渡し機構88は、基板保持部材88a、伝達部材88b、駆動機構88c及び昇降機構88dを有している。受け渡し機構88は、予備装置80と光照射装置81との両方の装置間を移動可能に設けられている。
基板保持部材88aは、櫛状部100及び移動部101を有している。櫛状部100は、例えばY方向において櫛部分が対向するように設けられている。櫛状部100には基板Gが保持されるようになっている。櫛状部100の根元部分は移動部101に接続されている。移動部101は、チャンバ85の+Y側及び−Y側の壁部を貫通するように設けられている。移動部101は、チャンバ85の+Y側及び−Y側に固定機構102を有している。移動部101は、固定機構102を介して上記伝達部材88bに固定されている。
伝達部材88bとしては、例えばワイヤーなどの線状部材が用いられている。伝達部材88bは、少なくともチャンバ85の+Y側及び−Y側の側部に接するように環状に形成されている。伝達部材88bは、当該チャンバ85の+Y側及び−Y側においてはX方向に沿って設けられている。
図3及び図5(b)に示したように、伝達部材88bは、チャンバ85の−X側の角部においてそれぞれプーリ部88f、88gによってY方向に引き回されている。図5(b)に示すように、チャンバ85の−X側端面にはプーリ部88hが複数設けられている。伝達部材88bは、チャンバ85の−X側端面において当該プーリ部88hを介して駆動機構88cに接続されている。また、伝達部材88bの+X側においては、図3及び図4(b)に示すように、チャンバ85の+X側の角部に設けられるプーリ部88i、88jに掛けられている。
駆動機構88cは、チャンバ85の外部であって当該チャンバ85の−Z側に設けられている。駆動機構88cは、不図示のモータを有しており、当該モータを回転させることによって伝達部材88bを駆動させる構成になっている。図4に示した昇降機構88dは、第1基板搬送部85Fの−Z側に設けられており、不図示のアクチュエータによってZ方向に移動可能に設けられている。昇降機構88dは、複数の支持ピン88eを有している。支持ピン88eは、ステージ87に設けられた第1開口部87aにZ方向視で重なる位置に配置されている。昇降機構88dがZ方向に移動することにより、支持ピン88eが第1開口部87aに対してステージ87上に出没するようになっている。
受け渡し機構88は、チャンバ85の外部に設けられる駆動機構88cによって伝達部材88bを駆動させることで、当該伝達部材88bを介して基板保持部材88aをX方向に移動するようになっている。このように、チャンバ85の外部に設けられる駆動機構88cの駆動により、チャンバ85の内部の基板保持部材88aを移動させることができるようになっている。また、受け渡し機構88では、昇降機構88dをZ方向に移動させることにより、櫛状部100に保持された基板Gを受け取ることができるようになっている。
搬送機構89は、基板保持部材89a、伝達部材89b及び駆動機構89cを有している。例えば図5(a)などに示すように、搬送機構89は、受け渡し機構88の−Z側に設けられている。
基板保持部材89aは、Z方向視L字型に形成されており、基板Gの角部に対応する位置に1つずつ、計4つ配置されている。基板保持部材89aは、基板Gの角部を保持可能になっている。より具体的には、基板保持部材89aは、基板Gの角部のうちX側及びY側の面(側面)と−Z側の面(底面)とを保持するようになっている。4つの基板保持部材89aは、支持用ワイヤー105に固定されている。支持用ワイヤー105は、X方向に沿って設けられているワイヤーが2本、Y方向に沿って設けられているワイヤーが4本の、計6本のワイヤーによって構成されている。支持用ワイヤー105は、全て張力が加えられた状態になっている。
X方向に沿って設けられている2本のワイヤー105Xは、4つの基板保持部材89aのうちX方向に沿って配置される基板保持部材89a同士を接続する。Y方向に沿って設けられている4本のワイヤー105Yは、チャンバ85をY方向に貫通して設けられている。4本のワイヤー105Yのうち最も+X側のワイヤー105Yは、支持部材106を介して+X側の2つの基板保持部材89aに接続されている。最も−X側のワイヤー105Yは、支持部材107を介して−X側の2つの基板保持部材89aに接続されている。
チャンバ85の+Y側には伝達部材89bに固定される2つの固定機構108が設けられている。ワイヤー105Yの+Y側端部は当該2つの固定機構108にそれぞれ接続されている。チャンバ85の−Y側には伝達部材89bに固定される2つの固定機構109が設けられており、ワイヤー105Yの−Y側端部は当該固定機構109にそれぞれ接続されている。
伝達部材89bとしては、例えばワイヤーなどの線状部材が用いられている。伝達部材89bは、例えば2本設けられている。上記の2つの固定機構108及び固定機構109は、各伝達部材89bに1つずつ固定されている。したがって、2つの伝達部材89bのうち1本が−X側の2つの基板保持部材89aに接続されており、伝達部材89bのもう1本が+X側の2つの基板保持部材89aに接続されている。
各伝達部材89bは、例えばチャンバ85の側部においてはX方向に沿って設けられている。また、各伝達部材89bは、少なくともチャンバ85の+Y側及び−Y側の側部に接するように環状に形成されている。各伝達部材89bは、当該チャンバ85の+Y側及び−Y側においてはX方向に沿って設けられている。
図3及び図5(b)に示すように、各伝達部材89bは、チャンバ85の−X側の角部においてそれぞれプーリ部89f、89gによってY方向に引き回されている。図5(b)に示すように、チャンバ85の−X側端面にはプーリ部89hが複数設けられている。各伝達部材89bは、チャンバ85の−X側端面において当該プーリ部89hを介して駆動機構89cに接続されている。プーリ部89f、89g及び89hにより、2本の伝達部材89bが絡まないように独立して移動可能になっている。
なお、プーリ部88f、89f、88g、89g、88h、89hの配置は、上記伝達部材88b及び2本の伝達部材89bがそれぞれ絡まないように独立して移動できる形態であれば、本実施形態で示した配置に限られることは無く、他の配置であっても勿論構わない。
伝達部材89bとしては、例えば伝達部材88bと同様、例えばワイヤーなどの線状部材が用いられている。図4(b)に示すように、搬送機構89に設けられる伝達部材89bは、受け渡し機構88に設けられる伝達部材88bに対して−Z側に配置されている。
また、図3等に示すように、伝達部材88bと伝達部材89bのうち、例えばチャンバ85に沿って設けられるそれぞれの部分は、Z方向視で重なるように配置されている。したがって、伝達部材88bと同様、伝達部材89bは、例えばチャンバ85の側部においてはX方向に沿って設けられている。
図3及び図5(b)に示すように、各伝達部材89bは、チャンバ85の−X側の角部においてそれぞれプーリ部89f、89gによってY方向に引き回されている。図5(b)に示すように、チャンバ85の−X側端面にはプーリ部89hが複数設けられている。
各伝達部材89bは、チャンバ85の−X側端面において当該プーリ部89hを介して駆動機構89cに接続されている。また、各伝達部材89bの+X側においては、図3及び図4(b)に示すように、チャンバ85の+X側の角部に設けられるプーリ部89i、89jに掛けられている。
駆動機構89cは、チャンバ85の外部であって当該チャンバ85の−Z側に設けられている。駆動機構89cは、不図示のモータを有しており、当該モータを回転させることによって各伝達部材89bを駆動させる構成になっている。駆動機構89cは、2つの伝達部材89bについて、それぞれ1つずつ設けられている。駆動機構89cを例えば同期制御することにより、4つの基板保持部材89aを等しい速度で移動させることができるようになっている。
搬送機構89は、駆動機構89cによって伝達部材89bを駆動させることで、当該伝達部材89bを介して基板保持部材89aをX方向に移動するようになっている。このように、チャンバ85の外部に設けられる駆動機構89cの駆動により、チャンバ85の内部の基板保持部材89aを移動させることができるようになっている。
加熱部90は、例えばチャンバ85の処理部85Pの底部に設けられている。加熱部90は、内部に例えば電熱線などの加熱装置や、当該加熱装置の加熱温度を調整する温度制御装置などを有している。
ガス供給部91は、乾燥ガスとして窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスを供給する。これにより、本実施形態のチャンバ85は、この不活性ガスの供給により内部雰囲気の露点が制御することができ、雰囲気内の水分濃度が調節される。
ガス供給部91は、チャンバ85の内部雰囲気が、例えば、露点−80℃(水分濃度0.54ppm質量基準)〜−5℃(水分濃度4000ppm質量基準)となるように上記乾燥ガスの供給を調整する。具体的に、ガス供給部91は、チャンバ85の内部雰囲気を露点−80℃(水分濃度0.54ppm質量基準)以上、−14℃(水分濃度1791ppm質量基準)以下とするのがより好ましく、露点−60℃(水分濃度10.7ppm質量基準)以上、−20℃(水分濃度1020ppm質量基準)以下とするのがさらに好ましい。
このようにプレパターンの硬化を行う雰囲気の露点(水分濃度)が好ましい上限値以下とすれば、パターンの硬化がより進行しやすい。一方、好ましい下限値以上とすれば、作業性等が向上する(例えば、装置の運用がしやすい、コストメリットがある等)。
チャンバ85の内部雰囲気の酸素濃度(質量基準)は、低いほど好ましく、具体的な酸素濃度は1000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましい。このように酸素濃度を好ましい上限値以下とすれば、後述のようにパターンの硬化がより進行しやすくなる。
光照射ユニットUVは、加熱部90により低露点雰囲気のチャンバ85内で、基板Gを加熱する。加熱部90は、露光、現像処理によって基板G上に形成されているプレパターンを室温(例えば、20℃)よりも高く、且つ、200℃以下の範囲で加熱する。
光照射ユニットUVは、加熱部90により基板Gを加熱した状態で、光照射部86を駆動し、低露点雰囲気内で基板Gに所定波長の光を照射する。
(パターン形成方法)
以上のように構成されたパターン形成装置SPAによるパターン形成方法を説明する。
図6(a)は比較として従来のパターン形成方法を示した工程図であり、図6(b)は本実施形態に係るパターン形成方法を示した工程図である。
図6(a)に示すように、従来のパターン形成方法は、塗布工程S1と、プリベーク工程S2と、露光工程S3と、現像工程S4と、光照射工程(ブリーチング露光工程)S5と、ポストベーク工程S6とを順に行っていた。
これに対し、本実施形態のパターン形成方法は、図6(b)に示すように、塗布工程S1と、プリベーク工程S2と、露光工程S3と、現像工程S4と、脱水工程SS1と、光照射工程S5と、ポストベーク工程S6とを順に行っている。
すなわち、本実施形態のパターン形成方法では、従来のパターン形成方法に対し、光照射工程S5とポストベーク工程S6との間に脱水工程SS1を有した点が大きく異なっている。
以下、本実施形態のパターン形成方法の各工程について説明する。
まず、基板Gが収容されたカセットCをローダ・アンローダLUのカセット待機部10にロードする。カセットC内の基板Gは、搬送機構11を介してスクラバユニットSRへ搬送される。
スクラバユニットSRに搬送された基板Gは、コンベア機構CV1を介してドライ洗浄装置41へ搬送される。この基板Gは、ドライ洗浄装置41、ウェット洗浄装置42及びエアナイフ装置43と順に処理される。エアナイフ装置43から搬出された基板Gは、コンベア機構CV2を介して脱水ベークユニットDHへと搬送される。
脱水ベークユニットDHでは、まず加熱装置44によって基板Gの加熱処理が行われる。加熱後の基板Gは、例えばZ方向に搬送され、HMDS装置46においてHMDSガスによる処理が行われる。HMDS処理後の基板Gは、搬送機構TR1によって冷却装置45に搬送され、冷却処理が行われる。冷却処理後の基板Gは、コンベア機構CV4によって塗布ユニットCTに搬送される。
(塗布工程S1)
その後、塗布ユニットCTにおいてレジスト組成物を塗布して基板G上にレジスト膜を形成する塗布工程が行われる。
本実施形態では、露光及び現像により、露光部が溶解除去されてプレパターンを形成するポジ型レジスト組成物を基板G上に塗布している。このようなレジスト組成物としては、例えば、以下に例示するレジスト組成物(r1)、(r2)が挙げられる。
<レジスト組成物(r1)>
レジスト組成物(r1)は、アルカリ可溶性樹脂と、感度向上剤として特定のフェノール化合物と、感光性成分としてキノンジアジドエステル化物と、を有機溶剤に溶解してなるポジ型レジスト組成物である。
レジスト組成物(r1)において、アルカリ可溶性樹脂は、被膜形成物質として通常用いられ得るものの中から任意に選ぶことができる。例えば、ポジ型レジスト組成物の被膜形成用樹脂として知られているフェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレンとアクリル酸との共重合体、ヒドロキシスチレンの重合体、ポリビニルフェノール、ポリα−メチルビニルフェノール等が挙げられる。これらの中でも、特にフェノール樹脂が好ましく用いられ、中でも膨潤することなくアルカリ水溶液に容易に溶解し現像性に優れるノボラック樹脂が好適である。
フェノール樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類との縮合反応生成物、フェノール類とケトン類との縮合反応生成物、ビニルフェノール系重合体、イソプロペニルフェノール系重合体、これらのフェノール樹脂の水素添加反応生成物等が挙げられる。
前記縮合反応生成物におけるフェノール類としては、例えばフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール等のキシレノール類;m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール等のアルキルフェノール類;p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−エトキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−プロポキシフェノール等のアルコキシフェノール類;o−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2−メチル−4−イソプロペニルフェノール、2−エチル−4−イソプロペニルフェノール等のイソプロペニルフェノール類;フェニルフェノール等のアリールフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール等のポリヒドロキシフェノール類などが挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのフェノール類の中では、特にm−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノールが好ましい。
前記縮合反応生成物におけるアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、フルフラール、フリルアクロレイン、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、ケイ皮アルデヒド等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのアルデヒド類の中では、入手のしやすさからホルムアルデヒドが好ましく、特に耐熱性を向上させるためにはヒドロキシベンズアルデヒド類とホルムアルデヒドとを組み合わせて用いることが好ましい。
前記縮合反応生成物におけるケトン類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジフェニルケトン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール類とケトン類との組み合わせにおいては、ピロガロールとアセトンとの組み合わせが特に好ましい。
フェノール類とアルデヒド類又はケトン類との縮合反応生成物は、酸性触媒の存在下、公知の方法で製造することができる。酸性触媒としては、塩酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸等を用いることができる。
このようにして得られた縮合反応生成物は、分別等の処理を施すことによって低分子領域をカットしたものが耐熱性に優れているので好ましい。分別等の処理は、縮合反応により得られた樹脂を良溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン等に溶解し、次いで水中に注ぎ沈殿させる等の方法により行われる。
上記の中でも、特に全フェノール系繰り返し単位中、p−クレゾール系繰り返し単位を60モル%以上含有し、かつ、m−クレゾール系繰り返し単位を30モル%以上含有し、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が2000〜20000のノボラック樹脂が好ましい。
p−クレゾール系繰り返し単位が60モル%未満では、加熱処理時の温度ムラに対する感度変化が起こりやすく、また、m−クレゾール系繰り返し単位が30モル%未満では、感度が劣る傾向がある。
アルカリ可溶性樹脂には、キシレノール系繰り返し単位や、トリメチルフェノール系繰り返し単位などの、他のフェノール系繰り返し単位を含有していてもよい。
特に好ましくは、p−クレゾール系繰り返し単位60〜70モル%と、m−クレゾール系繰り返し単位40〜30モル%とからなる2成分系のノボラック樹脂であり、フェノール類の2核体(2個のフェノール核を有する縮合体分子)含有量がGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)法において10%以下であるような、フェノール類の低分子量体含有量の少ないノボラック樹脂が好ましい。前記2核体は、高温(例えば130℃)のプリべークやポストベーク中に昇華して炉の天板などを汚し、更にはレジスト組成物を塗布したガラス基板を汚して、その歩留まりを下げる原因となることから、その含有量が少ないノボラック樹脂が好ましい。
レジスト組成物(r1)において、感度向上剤としては、下記一般式(I)で表されるフェノール化合物が挙げられる。
Figure 2016092140
[式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、又は炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を表し;R〜R11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;Qは水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、Rと結合して炭素原子鎖3〜6のシクロアルキル基を形成する基、又は下記の化学式(II)で表される基である。]
Figure 2016092140
(式中、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、又は炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を表し;cは1〜3の整数を示す。)を表し;a、bは1〜3の整数を表し;dは0〜3の整数を表し;nは0〜3の整数を表す。]
レジスト組成物(r1)における感度向上剤としては、トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3’−フルオロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4’−ヒドロキシフェニルメタン、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−5−ヒドロキシフェノール等が挙げられる。
これらの中でも、感度向上効果に特に優れることから、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、2,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−5−ヒドロキシフェノール、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等が好ましい。
感度向上剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感度向上剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して5〜25質量部が好ましく、より好ましくは10〜20質量部の範囲である。
レジスト組成物(r1)において、感光性成分としては、下記一般式(III)で表されるキノンジアジドエステル化物(感光性成分1)、下記一般式(IV)で表されるキノンジアジドエステル化物(感光性成分2)、上記一般式(I)で表されるフェノール化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5(又は4)−スルホニル化合物とのエステル化物などが挙げられる。
Figure 2016092140
[式(III)中、R14は、独立に炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、Dは、独立に水素原子、又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を表し、Dの少なくとも1つは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を表し、l、mは、それぞれ独立に1又は2を表す。式(IV)中、複数のDは、それぞれ独立に水素原子、又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を表し、Dの少なくとも1つは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基である。]
感光性成分1の平均エステル化率は、40〜60%が好ましく、より好ましくは45〜55%である。この平均エステル化率が40%未満では、現像後の膜減りが発生し易く、残膜率が低くなりやすい。一方、60%を超えると、著しく感度が劣る傾向がある。
感光性成分1としては、比較的安価で、感度、解像性、リニアリティに優れたレジスト組成物を調製できる点で、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンの1,2−ナフトキノンジアジト−5−スルホニル化合物によるキノンジアジドエステル化物が好ましく、このなかでもエステル化率50%のものが最も好ましい。
感光性成分2の平均エステル化率は、50〜70%が好ましく、より好ましくは55〜65%である。この平均エステル化率が50%未満では、現像後の膜減りが発生しやすく、残膜率が低くなりやすい。一方、70%を超えると、保存安定性が低下する傾向にある。
感光性成分2としては、非常に安価で、感度に優れたレジスト組成物を調整できる点で、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジト−5−スルホニル化合物によるキノンジアジドエステル化物が好ましく、このなかでもエステル化率59%のものが最も好ましい。
感光性成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性成分の含有量は、アルカリ可溶性樹脂と感度向上剤との合計量100質量部に対して15〜40質量部が好ましく、より好ましくは20〜30質量部の範囲である。
レジスト組成物(r1)において、有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、又はこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルもしくはモノフェニルエーテル等の多価アルコール類およびその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル等が挙げられる。
有機溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記のなかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が、レジスト組成物に優れた塗布性を与え、基板上でのレジスト被膜に優れた膜厚均一性を与える点で好ましい。
PGMEAは単独溶媒で用いることが好ましいが、PGMEA以外の有機溶剤もこれと混合して用いることができる。そのような有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。
レジスト組成物(r1)中の、アルカリ可溶性樹脂と感度向上剤と感光性成分との総量は、支持体への塗布性に優れる点から、該組成物の全質量に対して30質量%以下が好ましく、より好ましくは20〜28質量%である。
この場合、後述の任意に用いられる添加剤の量も勘案して、有機溶剤の含有量は、該組成物の全質量に対して50〜90質量%が好ましく、より好ましくは65〜85質量%であり、さらに好ましくは70〜75質量%である。
レジスト組成物(r1)においては、必要に応じて、ハレーション防止のための紫外線吸収剤、例えば2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、5−アミノ−3−メチル−1−フェニル−4−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)ピラゾール、4−ジメチルアミノ−4’−ヒドロキシアゾベンゼン、4−ジエチルアミノ−4’−エトキシアゾベンゼン、4−ジエチルアミノアゾベンゼン、クルクミン等を用いることができる。
また、レジスト組成物(r1)には、ストリエーション防止のための界面活性剤、例えばフロラードFC−430、FC431(商品名、住友3M株式会社製);エフトップEF122A、EF122B、EF122C、EF126(商品名、トーケムプロダクツ株式会社製);XR−104(製品名、大日本インキ化学工業株式会社製)、BYK−310(製品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等を用いることができる。
また、レジスト組成物(r1)には、ベンゾキノン、ナフトキノン、p−トルエンスルホン酸等の保存安定化剤;さらに必要に応じて付加的樹脂、可塑剤、安定化剤、コントラスト向上剤等の慣用の添加剤を必要に応じて添加含有させることができる。
<レジスト組成物(r2)>
レジスト組成物(r2)は、下記の一般式(1)で表される繰返し単位及び一般式(2)で表される繰返し単位を有する共重合体と、感光性成分と、を含有するポジ型レジスト組成物である。
レジスト組成物(r2)によって形成されるレジスト膜を、例えばマイクロレンズに適用した場合には、耐熱性、耐薬品性の良好なマイクロレンズを形成することができる。
Figure 2016092140
[式(1)、(2)中、Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。R21は、単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R22は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。R23は、熱架橋性を有する1価の有機基を表す。pは1〜5の整数を表し、qは0〜4の整数を表し、かつ、p+qは5以下である。但し、繰返しにおける複数のR0同士およびR22同士は、互いに異なっていてもよい。]
(一般式(1)で表される繰返し単位)
一般式(1)で表される繰返し単位(以下「繰返し単位(1)」ともいう。)は、アルカリ可溶性を示す。
前記式(1)中、Rは、メチル基であることが好ましい。
21における炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基などが挙げられ、なかでも、メチレン基、エチレン基が好ましい。
繰返し単位(1)が有するベンゼン環には、少なくとも1つの水酸基が結合している。水酸基の結合数を示すpは、1〜5の整数であり、製造上の点から1が好ましい。また、ベンゼン環において、水酸基の結合位置は、その少なくとも一つは、「−C(=O)−O−R21−」の結合位置を1位としたとき、4位の位置であることが好ましい。
さらに、繰返し単位(1)が有するベンゼン環には、R22として、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合していてもよい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、工業的にはメチル基またはエチル基がより好ましい。qは、0〜4の整数を表し、0であることがより好ましい。
繰返し単位(1)は、1種または2種以上混合して用いることができる。
繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体における、繰返し単位(1)の含有量は、該共重合体を構成する繰返し単位の合計に対して20〜50モル%であることが好ましい。この範囲にすることにより、現像時のアルカリ可溶性を確保することが容易となる。
(一般式(2)で表される繰返し単位)
一般式(2)で表される繰返し単位(以下「繰返し単位(2)」ともいう。)は、熱架橋基(R23)を含む。
前記式(2)中、Rは、メチル基であることが好ましい。
21における炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基などが挙げられ、なかでも、メチレン基、エチレン基が好ましい。
前記式(2)中、R23は、熱架橋性を有する1価の有機基(以下この有機基を「熱架橋基」という)を表す。熱架橋基は、熱を加えることにより、架橋する基である。
23としては、エポキシ基、オキセタニル基のいずれかを含む有機基であることが好ましい。これらの中でも、R23は、熱処理による架橋効率を向上させることができる点で、エポキシ基を含む有機基であることがより好ましい。
繰返し単位(2)は、1種または2種以上混合して用いることができる。
繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体における、繰返し単位(2)の含有量は、該共重合体を構成する繰返し単位の合計に対して50〜80モル%であることが好ましい。
該共重合体において、繰返し単位(2)の含有量を好ましい下限値以上とすることにより、加熱処理による透過率の低下を軽減できるとともに、熱硬化性を確保することが容易となり、一方、好ましい上限値以下とすることにより、現像時の残渣の発生をより抑えることができる。
繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体は、ランダム重合又はブロック重合のいずれからなるものでもよい。
上記のように、繰返し単位(1)と繰返し単位(2)との異なる繰返し単位を有する共重合体とすることにより、アルカリ溶解速度のコントロール、耐熱性のコントロールが容易となる。
該共重合体の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のスチレン換算による測定値)は、好ましくは10000〜30000である。該共重合体のMwが、好ましい下限値以上であることにより、耐熱性が向上し、例えば共重合体を用いてマイクロレンズを形成する場合に、マイクロレンズを硬化させるための焼成処理時もレンズ形状を容易に維持することができる。一方、好ましい上限値以下にすることにより、現像時の残渣の発生を抑えることができる。
加えて、レジスト組成物(r2)は、好ましくは、繰返し単位(1)と繰返し単位(2)とを有し、Mwが10000〜30000の共重合体を含有することにより、ガラス転移温度が高く、高温に曝された場合でもその形状を維持可能な耐熱性を有するレジスト膜を形成できる。さらに、レジスト組成物(r2)は、熱架橋基(R23)を含む繰返し単位を有している共重合体を含むため、硬度が高く、かつ、耐薬品性に優れたレジスト膜を形成することができる。
レジスト組成物(r2)は、上記の繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体とともに、該共重合体以外の樹脂成分を併用してもよい。かかる樹脂成分としては、アクリル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂などが挙げられる。
レジスト組成物(r2)に用いられる感光性成分は、上述したレジスト組成物(r1)に用いられる感光性成分と同様のものが挙げられる。
この感光性成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
レジスト組成物(r2)中、感光性成分の含有量は、レジスト組成物(r2)の固形分に対して10〜40質量%の範囲内であることが好ましい。感光性成分の含有量を好ましい下限値以上にすることにより、パターンを良好に形成することができる。レジスト組成物(r2)をマイクロレンズ形成に使用した場合には、現像時に良好にレンズ形状を形成できる。一方、感光性成分の含有量を好ましい上限値以下にすることにより、現像性を向上させ、現像時における残渣の発生を抑制することができる。
レジスト組成物(r2)においては、繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体、及び感光性成分以外の成分を、必要に応じて用いることができる。
レジスト組成物(r2)には、例えば、支持体への塗布性の点から、界面活性剤が配合されていてもよく、又は、増感剤、消泡剤などの各種添加剤が添加されていてもよい。
レジスト組成物(r2)は、該共重合体と、感光性成分と、必要に応じてこれら以外の成分と、を有機溶剤に溶解することにより調製できる。
(プリベーク工程S2)
塗布処理後の基板GはプリベークユニットPRに搬送され、加熱装置50においてプリベーク処理が行われ、冷却装置51において冷却処理が行われる。プリベークユニットPRでの処理を完了させた基板Gは、搬送機構TR2によってインターフェース部IFに搬送される。
(露光工程S3)
インターフェース部IFでは、例えばバッファ装置52において温度調整が行われた後、周辺露光装置EEにおいて周辺露光が行われる。周辺露光の後、基板Gは、搬送機構TR3によって露光装置EXに搬送され、露光処理が行われる。
(現像工程S4)
露光処理後の基板Gは、加熱処理及び冷却処理が行われた後、現像ユニットDVに搬送される。現像ユニットDVにおいて、基板Gには現像処理、リンス処理及び乾燥処理が順に行われ、基板G上に所定形状のプレパターンが形成される。乾燥処理の後、コンベア機構CV10によって基板Gは脱水ユニット58へと搬送される。
(脱水工程SS1)
脱水ユニット58では、基板Gはまずチャンバ70内に搬送される。脱水ユニット58は、不図示の基板搬出入口を介してチャンバ70内に基板Gを搬入した後、基板搬出入口を閉塞してチャンバ70を密閉し、ガス供給部71を作動させてチャンバ70内に不活性ガスを供給する。脱水ユニット58は、不活性ガスが供給されることで脱水分雰囲気とされたチャンバ70内で加熱機構72により基板Gを加熱する。加熱機構72は、基板G(該基板Gに形成されたプレパターン)を加熱することでプレパターン中に含まれる水分量を少なくする。
(光照射工程S5)
脱水処理後の基板Gは、搬送機構TR4によって基板Gは光照射ユニットUVへと搬送される。光照射ユニットUVでは、基板Gはまず予備装置80のチャンバ82内に搬送される。光照射ユニットUVは、基板搬出入口80aを介してチャンバ82内に基板Gを搬送した後、基板搬出入口80aを閉塞してチャンバ82を密閉し短時間で低酸素雰囲気を作るために減圧機構83を作動させて減圧処理を行う。減圧処理の後、昇降機構84を+Z側に移動させ、支持ピン84aによって基板Gを持ち上げた状態にする。このとき、受け渡し機構88の基板保持部材88aの高さよりも高い位置(+Z側の位置)まで基板Gを持ち上げる。
基板Gを持ち上げた後、基板保持部材88aの櫛状部100をチャンバ82内に挿入させ、櫛状部100を基板Gの−Z側に配置させる。櫛状部100が配置された後、昇降機構84を−Z側に移動させ、持ち上げた基板Gを−Z側に移動させる。基板Gの−Z側には櫛状部100が配置されているため、支持ピン84aから櫛状部100へと基板Gが渡される。
基板Gを受け取った後、駆動機構88cの駆動により伝達部材88bを介して基板保持部材88aを−X側に移動させ、基板Gをチャンバ85内に搬入する。基板Gの搬入後、チャンバ85内を密閉し、ガス供給部91を作動させてチャンバ85内を低露点雰囲気とする。本実施形態において、光照射ユニットUVは、例えば、チャンバ85の内部雰囲気を露点−39.7℃、酸素濃度を812ppmとする。
また、チャンバ85内を低露点雰囲気にしつつ駆動機構88cを更に駆動させ、第1基板搬送部85Fの第1開口部87aにZ方向視で重なるように基板Gを配置する。
基板Gの配置後、昇降機構88dを+Z側に移動させ、支持ピン88eを第1開口部87aから突出させる。支持ピン88eの+Z側には基板Gが配置されているため、基板保持部材88aから支持ピン88eへ基板Gが渡されることになる。基板Gが渡された後、駆動機構89cを駆動させ、基板Gの−Z側に基板保持部材89aを移動させる。このとき、4つの基板保持部材89aが基板Gの4つの角部にそれぞれZ方向視で重なるように駆動機構89cを駆動させる。
基板保持部材89aを配置させた後、昇降機構88dを−Z側に移動させ、基板Gを−Z側に移動させる。基板Gの−Z側には基板保持部材89aが配置されているため、支持ピン88eから基板保持部材89aへと基板Gが渡される。この基板Gが渡される際に、例えば不図示のエア供給部を作動させ、第2開口部87bにおいて所定の噴出量及び吸引量でエアを噴出及び吸引させ、ステージ87上にエアの層を形成しておく。基板Gが渡される際、基板Gとステージ87との間にはエア層が形成されているため、基板Gはエア層と基板保持部材89aとで保持されることになる。このため、基板保持部材89aが基板Gの角部のみを保持する構成であっても、基板Gが撓んだり割れたりすること無く安定して保持されることになる。
基板Gが基板保持部材89aに保持された後、駆動機構89cを駆動させて基板Gを処理部85Pへ搬送する。基板Gはエアの層上に浮上して搬送されることになるため、少ない駆動力で基板Gを搬送可能である。このため、伝達部材89bの負担が小さくて済むことになる。
基板Gが処理部85Pに搬送された後、加熱部90は、低露点雰囲気のチャンバ85内で基板Gが所定の処理温度に到達するまで加熱した状態で保持する。例えば、加熱部90は、基板G(該基板Gに形成されたプレパターン)の温度が100℃(所定の処理温度)に到達するまで予熱する。すなわち、本実施形態において、加熱部90はプレパターンを予熱する予熱部の機能を兼ねている。なお、加熱部90とは別にプレパターンを予熱(加熱)可能な予熱機構を別途設けるようにしても良い。
光照射ユニットUVは、基板Gの温度が100℃に到達した後、加熱部90により基板G(プレパターン)を所定の処理温度で加熱しながら、処理部85P内で該基板Gを−X側に搬送させつつ、光照射部86を駆動する。
この動作により、処理部85Pでは、基板Gが搬送された状態で光照射部86から基板G上のプレパターンに所定波長の光が照射されることになる。処理部85Pの+X側及び−X側には遮光部材85dが設けられているため、光が処理部85Pから漏れることなく処理が行われることになる。
光照射ユニットUVによるプレパターンのブリーチング露光処理において、ポジ型レジストからなるプレパターンが含有するジアゾナフトキノンは光化学反応によりインデンケテンに変化する。インデンケテンは樹脂の水酸基と結合して膜全体が高分子化し、ジアゾナフトキノンが消失していく。これにより、ジアゾナフトキノンの色素(淡黄色乃至淡褐色)が無くなり、プレパターンを構成する膜は光透過性が向上する。
ところで、例えば、ブリーチング露光を大気中で行うと、インデンケテンが大気中の水(HO)と反応してすぐにカルボン酸となってしまう。カルボン酸は、インデンケテンと異なり、樹脂と結合せずに膜全体が高分子化しない。そのため、レジスト膜における耐久性(耐ドライエッチング性や耐熱性)を十分に向上させることが難しくなる。
すなわち、レジスト膜の耐久性を向上させる場合、ジアゾナフトキノンと水との反応によるカルボン酸の生成を抑制することが重要となる。
本実施形態のレジストパターン形成方法では、光照射ユニットUVによるブリーチング露光時に先立ち、上述の脱水工程を設けている。この脱水工程により、プレパターンは脱水分雰囲気内で加熱されるので、内部に含まれる水分が蒸発してプレパターン中の水分含有量(水分量)が減少した状態とされる。よって、ブリーチング露光時におけるジアゾナフトキノンと水との反応によるカルボン酸の生成を抑制することができる。
また、本実施形態では、低露点雰囲気のチャンバ85内でプレパターンに対する光照射を行っている。そのため、光化学反応によりジアゾナフトキノンがインデンケテンに変化した際、プレパターンの周辺(チャンバ85内)が水分の少ない環境(低露点雰囲気)のため、カルボン酸を生成することが無い。
本実施形態では、上記脱水工程によりプレパターン中の水分量を予め少なくしているので、ブリーチング露光時におけるカルボン酸の生成をさらに抑制することができる。
したがって、インデンケテンはカルボン酸に変化することなく樹脂の水酸基と結合して膜全体が良好に高分子化するので、膜全体の硬度が向上することで耐久性に優れたものとなる。また、高分子化することでジアゾナフトキノンの色素が消失するため、光透過性に優れたものとなる。したがって、本実施形態によれば、光透過性および耐久性を両立させたプレパターンを形成することができる。
本実施形態において、光照射部86は、例えば、350〜450nmの波長域の光をプレパターンに照射する。これにより、上述の光化学反応が良好に発生することで、プレパターンの表層側だけでなく内部に亘ってパターン全体を硬化させることができる。また、上記波長域の光を照射することで、輻射熱の発生を抑えつつ、硬化時におけるプレパターンの過度な温度上昇を抑制できる。
また、処理部85Pでは基板Gを搬送させながら光が照射されるため、基板Gは光照射が完了した部分から徐々に第2基板搬送部85Sへ搬出されていく。基板Gの全部に対して光照射が完了した場合、基板Gの全部が第2基板搬送部85Sに収容されることになる。光照射が完了した後、光照射部86及び加熱部90の作動を停止させ、基板Gを第1基板搬送部85Fへと搬送する。
第1基板搬送部85Fに搬送された基板Gは、搬送機構89から基板受け渡し機構88へと渡され、基板受け渡し機構88によってチャンバ85からチャンバ82へと搬送される。チャンバ82では、基板受け渡し機構88から昇降機構84へと基板Gが渡され、その後不図示の搬送機構を介して基板Gがチャンバ82内から基板搬出入口80aを介して光照射ユニットUVの外部へ搬出される。
(ポストベーク工程S6)
次に、基板Gは加熱装置59においてポストベーク処理が行われる。加熱装置59は、所定の処理温度で基板Gを加熱(ベーク)する。
基板Gの処理温度は、例えば、180℃以上に設定される。なお、加熱装置59による処理時間(ベーク時間)は、基板Gが処理温度に到達後からカウントする。
なお、加熱装置59は、基板Gを所定温度まで加熱する場合において、一気に加熱するようにしても良いし、複数回の加熱ステップを設けることで緩やかに温度を上昇させるようにしてもよい。
本実施形態において形成されたプレパターンは、耐久性(耐熱性)に優れるため、高温でポストベーク処理を行った場合でもプレパターンが変形せずに形状を維持する。よって、該プレパターンを硬化させたレジストパターンは形状がポストベーク処理により形状が変化しないため、信頼性の高いものとなる。また、プレパターンは光透過性に優れたものであるため、ポストベーク処理後のレジストパターンも光透過性に優れたものとなる。
加熱装置59による加熱後の基板Gは冷却装置60にて冷却される。冷却処理後、基板Gは搬送機構11を介してカセットCに収容される。このようにして、基板Gに対して塗布処理、露光処理及び現像処理の一連の処理が行われることとなる。
以上のように、本実施形態によれば、光透過性および耐久性(耐熱性)を両立させたプレパターンを得るため、該プレパターンをポストベーク処理で硬化させることで信頼性の高いレジストパターンを形成できる。
本実施形態で形成されたレジストパターンは、耐久性(耐ドライエッチング性)および光透過性に優れるため、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等に用いられるアクティブマトリクス基板の層間絶縁膜や、半導体素子のウエハコート材料(表面カバー膜、バンプ保護膜、MCM(multi-chip module)層間保護膜、ジャンクションコート)、パッケージ材(封止材、ダイボンディング材)等の永久レジスト膜として好適に使用することも可能である。
(第二実施形態)
続いて、本発明の第二実施形態について説明する。
本実施形態と上記実施形態との違いは、光照射ユニットの構造である。そのため、以下では、光照射ユニットの構成を主体に説明し、上記実施形態と同一又は共通の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略するものとする。
図7は、本実施形態の光照射ユニットUV1を+Y方向に向かって見たときの構成を示す図である。図7に示すように、光照射ユニットUV1は、チャンバ180、光照射部86、第一ステージ182、第一搬送部183、第二ステージ184及び第二搬送部185を有している。チャンバ180は、直方体の箱状に形成されており、不図示のガス供給部により不活性ガスが供給されることで内部が低露点雰囲気状態となっている。チャンバ180は、現像ユニットDVの側面(+Y側の面)に配置されている。なお、本実施形態において、光照射ユニットUV1は、チャンバ180が脱水ユニット58(図1参照)の上面(+Z側の面)に配置されている。
チャンバ180の−X側の面(所定面)180fには、基板搬入出口180aが設けられている。基板搬入出口180aは、チャンバ180に対して基板Gの搬入及び搬出を行う。また、チャンバ180の所定面180fには、脱水ユニット58に接続するための接続部180bが設けられている。接続部180bは、チャンバ180を脱水ユニット58側に物理的に接続すると共に、チャンバ180の電気的な配線等を接続させることで、チャンバ180と脱水ユニット58とを電気的にも接続している。
本実施形態において、光照射部86は、チャンバ180の+Z側の面に取り付けられており、+Z側の端部がチャンバ180の外部に突出するように配置されている。
第一ステージ182は、チャンバ180の内部に設けられている。第一ステージ182は、チャンバ180の内部に搬入される基板Gを支持する。第一ステージ182は、基板搬入出口180aの+X側に配置されており、基板搬入出口180aから搬入される基板Gを支持可能である。第一ステージ182は、基板GをX方向に搬送する不図示の搬送機構を有している。また、第一ステージ182は、Z方向に昇降可能である。第一ステージ182は、第一搬送部183に等しい高さ位置(Z方向上の位置)と、第二搬送部185に等しい高さ位置との間を移動可能である。第一ステージ182は、第二搬送部185に等しい高さ位置においては、第二搬送部185からの基板Gを支持可能である。また、第一ステージ182は、基板Gを支持した状態で昇降可能である。
第一搬送部183は、第一ステージ182から搬送される基板Gを搬送する。第一搬送部183は、搬送機構183a及び加熱機構183bを有している。搬送機構183aは、基板Gの姿勢を水平面(XY平面)に平行に保持したまま+X方向に搬送する。搬送機構183aの動作を停止させた状態では、基板Gの姿勢を保持したまま基板Gを支持することができるようになっている。加熱機構183bは、後に光の照射を受けることになる基板Gの温度が適温となるように基板Gの温度を調整する。例えば、加熱機構183bは、基板Gの温度を100℃程度に維持する。
第二ステージ184は、チャンバ180の内部であって+X側の端部に設けられている。第二ステージ184は、第一搬送部183から搬送される基板Gを支持する。第二ステージ184は、基板GをX方向に搬送する不図示の搬送機構を有している。また、第二ステージ184は、Z方向に昇降可能である。第二ステージ184は、第一搬送部183に等しい高さ位置(Z方向上の位置)と、第二搬送部185に等しい高さ位置との間を移動可能である。また、第二ステージ184は、基板Gを支持した状態で昇降可能である。第二ステージ184は、第二搬送部185に等しい高さ位置に配置される場合、第二搬送部185へ基板Gを送り出すことが可能である。
第二搬送部185は、第二ステージ184から搬送される基板Gを搬送する。第二搬送部185は、第一搬送部183の+Z側に配置されている。第二搬送部185は、光照射部86に対向して配置されている。第二搬送部185は、搬送機構185a及び加熱機構185bを有している。搬送機構185aは、基板Gの姿勢を水平面(XY平面)に平行に保持したまま−X方向に搬送する。搬送機構185aの動作を停止させた状態では、基板Gの姿勢を保持したまま基板Gを支持することができるようになっている。加熱機構185bは、Z方向において光照射部86との間で基板Gを挟む位置に配置されている。加熱機構185bは、光照射部86によって光の照射を受ける基板Gを−Z側から加熱する。加熱機構185bは、搬送機構185aによって支持された基板Gを加熱する。搬送機構185aは、第二搬送部185の−X側に第一ステージ182が配置されている場合には、基板Gを第一ステージ182へ搬送可能である。
基板搬入出口180aから搬入された基板Gは、第一ステージ182及び第一搬送部183を経て第二ステージ184へと+X方向に搬送される。このように、チャンバ180内には、基板Gを一方向(+X方向)に搬送する第一基板搬送経路R1が形成されている。第二ステージ184に支持された基板Gは、当該第二ステージ184及び第二搬送部185を経て第一ステージ182へと−X方向に搬送される。このように、チャンバ180内には、基板Gを一方向(−X方向)に搬送する第二基板搬送経路R2が形成されている。第二基板搬送経路R2は、第一基板搬送経路R1に対して+Z方向に並んで配置されている。
本実施形態において、光照射部86は、光を照射される基板Gの搬送経路(第二基板搬送経路R2)に沿って移動可能とすることもできる。すなわち、光照射部86は、図7におけるX軸に平行な方向D1及び方向D2に移動可能とすることができる。例えば、チャンバ180に、光照射部86を水平移動させる水平移動機構を設けることができる。このような構成とすることで、光照射部86を方向D1又は方向D2に移動させながら基板Gに対して光を照射することができる。これにより、第二搬送部185上で−X方向に搬送されている基板Gと光照射部86との相対速度を自在に変更することができる。その結果、基板Gに対する光照射量やタクトタイムを自在に設定することができる。
具体的には、光照射部86を基板Gと同方向(方向D1)に移動させながら光照射を行うことで、基板Gに対する光照射部86の相対速度が低下するので、光照射部86の出力を上昇させなくとも基板Gに対する光照射量を増大させることができる。このことは、別の観点では、搬送速度を上昇させても基板Gに対する光照射量を同等に維持することができることになるため、装置内での基板Gの搬送速度を上昇させてスループットを向上させることもできる。
一方、光照射部86を基板Gと反対方向(方向D2)に移動させながら光照射を行うと、基板Gと光照射部86との相対速度が上昇するため、基板Gへの光照射に要する時間(タクトタイム)が短くなる。これにより、光照射工程がボトルネックである場合にはスループットの向上を図ることができる。また、光照射部86の移動速度を変更することで、基板Gの搬送速度や光照射部86の出力を変更することなく、基板Gに対する光照射量の調整が可能である。光照射部86を方向D2に移動させる場合には、基板Gに対する光照射量を低減する方向の調整が容易になる。
なお、光照射部86の移動方向と、第二搬送部185における基板搬送方向とは、概ね平行であればよい。具体的には、光照射部86の移動方向と、第二搬送部185における基板搬送方向との成す角度が30度以下であればよい。
続いて、本実施形態の光照射ユニットUV1における光照射処理について説明する。
図8乃至図10は光照射ユニットUV1の動作説明図である。以下、光照射ユニットUV1において、基板Gが複数搬入される場合、複数の基板を搬入された順にG1、G2、G3、…と表記する。
制御部CONTは、基板Gを保持するロボットアームを+Z方向に移動させ、図8(a)に示すように、基板G1を基板搬入出口180aからチャンバ180の内部に搬入させる。光照射ユニットUV1では、第一ステージ182を第一搬送部183に等しい高さ位置に配置させておく。これにより、チャンバ180に搬入された基板G1が第一ステージ182に載置される。
次に、制御部CONTは、図8(b)に示すように、第一ステージ182に載置された基板G1を+X方向に搬送させ、第一搬送部183へと移動させる。制御部CONTは、第一搬送部183のX方向のほぼ中央部に基板G1を搬送させた後、搬送機構183aを一時停止させ、加熱機構183bを作動させる。この動作により、搬送機構183aに支持された基板G1は、加熱機構183bによって所望の温度に調整される。
基板G1を一定時間、予備的に加熱させた後、制御部CONTは、図8(c)に示すように、搬送機構183aによって基板G1を+X方向に搬送させる。基板G1は、第一搬送部183から第二ステージ184へ受け渡される。
また、制御部CONTは、現像ユニットDVから搬送される他の基板G2をチャンバ180に搬入させる。制御部CONTは、搬送機構TR4のロボットアームを基板搬入出口180aまで移動させ、基板G2を基板搬入出口180aからチャンバ180の内部に搬入させる。チャンバ180の内部に搬入された基板G2は、第一ステージ182に載置される。
次に、制御部CONTは、図9(a)に示すように、基板G1を支持した状態の第二ステージ184を+Z側へ移動させ、第二搬送部185の高さ位置に合わせる。また、制御部CONTは、第一ステージ182に載置された基板G2を+X方向に搬送させ、第一搬送部183へと移動させる。制御部CONTは、第一搬送部183のX方向のほぼ中央部に基板G2を搬送させた後、搬送機構183aを一時停止させ、加熱機構183bを作動させる。この動作により、搬送機構183aに支持された基板G2は、加熱機構183bによって所望の温度に調整される。
次に、制御部CONTは、図9(b)に示すように、第一ステージ182を+Z方向に移動させ、第二搬送部185の高さ位置に合わせておく。また、制御部CONTは、第二ステージ184に載置された基板G1を−X方向に搬送させ、第二搬送部185へと移動させる。制御部CONTは、第二搬送部185に搬送された基板G1に対して、光照射部86による光照射を行わせる。制御部CONTは、搬送機構185aを作動させて基板G1を−X方向に移動させると共に、加熱機構185bを作動させ、基板G1の温度を100℃程度に維持する。
この状態で制御部CONTは、光照射部86から光を射出させる。光照射部86から射出された光は、基板G1に照射される。この動作により、搬送機構185aによって水平面に移動する基板G1に対して光が照射される。光の照射は、基板G1の全体が光照射部86を−X方向に通り過ぎるまで行われる。第二搬送部185によって−X方向に搬送された基板G1は、図9(c)に示すように、予め配置させておいた第一ステージ182に載置される。制御部CONTは、第一ステージ182に基板G1が載置された後、第一ステージ182を−Z方向に移動させ、第一搬送部183に高さ位置を合わせる。
次に、制御部CONTは、図10(a)に示すように、第一ステージ182及び搬送機構TR4のロボットアームを用いて、第一ステージ182上の基板G1を搬出させる。また、制御部CONTは、第一搬送部183で予備的な加熱を行っていた基板G2を+X方向に移動させ、第二ステージ184に載置させる。
次に、制御部CONTは、図10(b)に示すように、基板G2を支持した状態の第二ステージ184を+Z側へ移動させ、第二搬送部185の高さ位置に合わせる。また、制御部CONTは、第一ステージ182に載置された基板G3を+X方向に搬送させ、第一搬送部183へと移動させる。制御部CONTは、第一搬送部183のX方向のほぼ中央部に基板G3を搬送させた後、搬送機構183aを一時停止させ、基板G3を予備的に加熱する。
以降、制御部CONTは、上記同様に基板G2、基板G3に対して順に光の照射を行い、基板搬入出口180aを介してチャンバ180から搬出させる。また、基板搬入出口180aを介して新たな基板をチャンバ180に搬入させ、光Lの照射を行わせる。チャンバ180から搬出された基板G1〜G3は、搬送機構TR4を介してポストベークユニットPBに搬送される。以上の動作を繰り返し行わせることにより、現像ユニットDVを経た基板Gに対して光照射処理を行うことができる。
以上のように、本実施形態によれば、基板Gの搬入及び搬出が可能な基板搬入出口180aが所定面180fに設けられ、この基板搬入出口180aを通過してチャンバ180の内部に搬入される基板Gが基板搬入出口180aを通過してチャンバ180の外部へ搬出されるようにチャンバ180の内部で基板Gが移動するため、基板Gの搬入及び搬出がチャンバ180の同一面側(所定面側)で行われることになる。これにより、既存の装置との間の基板Gの受け渡しに必要なスペースを節約することが可能となるため、フットプリントの小さい光照射部86を提供することができる。
なお、図10(b)に示す光照射工程において、制御部CONTは、光照射部86を方向D1又は方向D2に移動させながら、基板G1に対して光を照射させることもできる。例えば、光照射部86を方向D1に移動させながら基板G1に対して光照射を行う場合、制御部CONTは、光照射部86を所定の移動開始位置に配置した状態で、第二ステージ184から第二搬送部185へ基板G1を搬入し、基板G1の先端が上記移動開始位置に達したときに、光照射部86を方向D1の移動を開始するとともに基板G1への光照射を開始する。制御部CONTは光照射部86を基板G1よりも遅い速度で移動させながら光を照射させる。制御部CONTは、基板G1に遅れて移動する光照射部86が基板G1の後端に達する位置で、光照射部86の移動を停止させる。その後、制御部CONTは、光照射部86を方向D2に移動させ、上記移動開始位置に戻す。
以上、本発明の実施形態について説明したが上記実施形態の内容に限定されることはなく、発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
(変形例)
上記実施形態では、光照射ユニットUVにおいて、低露点雰囲気内で基板Gを加熱した状態で光照射を行う場合を例に挙げたが、低露点雰囲気内で基板Gを低温(例えば、常温)に保持した状態で光照射を行うようにしてもよい。この場合において、光照射装置81は、加熱部90が不要となる。このようにすれば、加熱部90が不要となるので、光照射装置81の装置構成が簡略され、コスト低減が図られる。
また、加熱部90に代えて、基板Gを冷却する冷却装置を設けるようにしても良い。このようにすれば、冷却装置が、脱水ユニット58で加熱されたことで比較的温度が高い状態の基板Gを冷却することで、該基板Gの温度を短時間で常温に下げることができる。よって、光照射ユニットUVは、ユニット内における基板Gの待機時間(基板Gが低温に下がるまでの待機時間)がほぼ無くなるので、装置全体のタクトタイムを短縮できる。
また、脱水処理を行う脱水ユニット58の構成は上記実施形態に態様に限定されない。
図11は変形例に係る脱水ユニット158を−Y方向から見たときの構成を示す図である。
図11に示すように脱水ユニット158は、チャンバ170と、減圧機構171と、加熱機構172とを有し、プレパターンの真空脱水を行うことが可能である。
チャンバ170は、脱水処理を行う基板Gを収容する。減圧機構171は、例えば、真空ポンプ等から構成され、チャンバ170の内部減圧することで水蒸気分圧差を人工的に大きくし、プレパターン内の水分を低い温度で蒸発させる。本構成では、チャンバ170内が真空雰囲気であるため、プレパターン内の水分は常温程度で蒸発する。そのため、本形態の加熱機構172は、水分が蒸発したことでプレパターンの温度が低下しないように基板Gの温度を一定に保持している。これにより、プレパターン内の水分を効率良く蒸発させることが可能である。
なお、図11に示した脱水ユニット158において加熱機構172の構成は必須でなく、加熱機構172を構成要素から省略しても良い。このようにすれば、脱水ユニット158の装置構成が簡便化されるので小型化及び低コスト化を図ることができる。
また、上記実施形態の脱水ユニット58では、チャンバ70内を低水分雰囲気とするために不活性ガスを供給するガス供給部71を備えた構成を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ガス供給部71を脱水ユニット58の構成要素から省略しても良い。この構成によれば、チャンバ70内において基板Gを加熱するといった簡便な構成によりプレパターンの脱水処理を行うことができるので、装置構成が簡略化されてコスト低減を図ることができる。
また、上記実施形態において、光照射ユニットUV内にプレパターンの脱水処理を行う脱水装置を設置してもよい。例えば、光照射ユニットUVの予備装置80のチャンバ82内で基板Gの脱水処理(基板)を行うようにしてもよい。この場合、減圧機構83に代えてチャンバ82内に不活性ガスを供給するガス供給機構を設置するとともに、チャンバ82内において基板Gを加熱する加熱装置を設置すればよい。
このようにすれば、図1に示した現像ユニットDV及び搬送機構TR4間に設けられた脱水ユニット58を省略できるので、パターン形成装置SPAの設置面積を抑えることができる。
また、上記実施形態では、ポジ型レジスト組成物を基板G上に塗布してレジストパターンを形成する場合を例に挙げたが、本発明はポジ型レジストに限定されない。例えば、未露光部が溶解除去されてプレパターンを形成するネガ型レジスト組成物についても本発明は適用可能である。このようなレジスト組成物としては、例えば、以下に例示するレジスト組成物(r3)、(r4)が挙げられる。
<レジスト組成物(r3)>
レジスト組成物(r3)は、アルカリ可溶性樹脂と、酸発生剤と、を含有する化学増幅型ネガ型レジスト組成物である。
レジスト組成物(r3)において、アルカリ可溶性樹脂は、一般にネガ型の化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂として用いられている樹脂を、露光に使用する光源に応じて、従来公知のものの中から任意に選択して使用することが可能である。例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、アクリル樹脂などをそれぞれ単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記アルカリ可溶性樹脂の含有量は、例えばレジスト組成物(r3)がアルカリ可溶性樹脂と酸発生剤と後述の可塑剤とを含有する場合、アルカリ可溶性樹脂と酸発生剤と可塑剤との固形分総量100質量部に対して30〜99質量部が好ましく、より好ましくは65〜95質量部の範囲である。
レジスト組成物(r3)において、酸発生剤としては、光の照射により直接若しくは間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されず、従来公知のものの中から任意に選択して使用することが可能である。
酸発生剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
レジスト組成物(r3)中、上記酸発生剤の含有量は、レジスト組成物(r3)の固形分総量100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜2質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部の範囲である。
レジスト組成物(r3)においては、アルカリ可溶性樹脂、及び酸発生剤以外の成分を、必要に応じて用いることができる。例えば、アルカリ可溶性樹脂、及び酸発生剤に加えて、可塑剤を配合してもよい。可塑剤を配合することにより、クラックの発生を抑制できる。可塑剤としては、アクリル樹脂、ポリビニル樹脂などが挙げられる。
また、レジスト組成物(r3)には、アルカリ可溶性樹脂及び酸発生剤に加えて、又は、アルカリ可溶性樹脂と酸発生剤と可塑剤とに加えて、架橋剤を配合してもよい。
かかる架橋剤としては、アミノ化合物、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、特にアルコキシメチル化メラミン樹脂やアルコキシメチル化尿素樹脂等のアルコキシメチル化アミノ樹脂等が好適に使用できる。
レジスト組成物(r3)には、上記各成分に加えて、塩基解離性基(好ましくは、フッ素原子を含む塩基解離性基)を含む構成単位を有する含フッ素高分子化合物を必要に応じて配合してもよい。
「塩基解離性基」とは、塩基の作用により解離し得る有機基である。すなわち、「塩基解離性基」は、アルカリ現像液(たとえば、23℃において、2.38質量%のTMAH水溶液)の作用により解離する。
塩基解離性基がアルカリ現像液の作用により解離すると、親水性基が現れるため、アルカリ現像液に対する親和性が向上する。つまり、含フッ素高分子化合物は、疎水性の高い「フッ素原子を有する高分子化合物」であるが、同時に、「塩基解離性基」をも有しているため、アルカリ現像液の作用により、アルカリ現像液に対する親和性が向上する。したがって、該ネガ型レジスト組成物を用いることにより、浸漬露光時には疎水性であって、現像時にはアルカリ現像液に良好に溶解するレジスト膜を形成することができる。
レジスト組成物(r3)には、上記各成分に加えて、必要に応じてトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジブチルアミン、トリエタノールアミン等の第二級又は第三級アミン等のクエンチャー;界面活性剤、接着助剤として官能性シランカップリング剤、充填材、着色剤、粘度調整剤、消泡剤などを添加することもできる。
レジスト組成物(r3)は、アルカリ可溶性樹脂と、酸発生剤と、必要に応じてこれら以外の成分と、を有機溶剤に溶解することにより調製できる。
<レジスト組成物(r4)>
レジスト組成物(r4)は、アルカリ可溶性樹脂と、カチオン重合開始剤と、増感剤と、を含有するネガ型レジスト組成物である。
レジスト組成物(r4)において、アルカリ可溶性樹脂としては、多官能エポキシ樹脂が挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、厚膜のレジストパターンを形成するのに充分なエポキシ基を1分子中に有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されず、多官能フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、多官能オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能トリフェニル型ノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、該アルカリ可溶性樹脂として、光硬化性を有するアルカリ可溶性基材も用いることができる。
レジスト組成物(r4)において、カチオン重合開始剤は、紫外線、遠紫外線、KrF、ArF等のエキシマレーザー、X線、又は電子線等の照射を受けてカチオン部を生じるものであり、そのカチオン部が重合開始剤となり得る化合物である。このカチオン重合開始剤としては、従来公知のものの中から任意に選択して使用することが可能である。
カチオン重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
レジスト組成物(r4)中、上記カチオン重合開始剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましい。カチオン重合開始剤の含有量を0.5質量部以上とすることで、充分な光感度を得ることができる。一方、20質量部以下とすることで、レジスト膜の特性が向上する。
レジスト組成物(r4)において、増感剤は、上記の多官能エポキシ樹脂と架橋形成可能な、ナフタレン誘導体又はアントラセン若しくはその誘導体からなるものが好ましい。このような増感剤の増感機能により、レジスト組成物をさらに高感度化することができる。その中でも特に、水酸基を2つ有するジヒドロキシナフタレン、又はアントラセンからなる増感剤を含有することが好ましい。これらの増感剤は、複数の芳香環を有することから、レジストパターンを高硬度化することができる。
増感剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
レジスト組成物(r4)中、増感剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部である。
レジスト組成物(r4)においては、アルカリ可溶性樹脂、カチオン重合開始剤及び増感剤以外の成分を、必要に応じて用いることができる。
例えば、レジストパターンの硬化性をより高める点から、オキセタン誘導体を用いることが好ましい。
また、上述したカチオン重合開始剤以外の、感光性樹脂組成物用の光重合開始剤も用いることができる。加えて、露光時の硬化不良が生じ難く、充分な耐熱性を得やすいことから、光重合性化合物を配合してもよい。
さらに、レジスト組成物(r4)には、所望により、混和性のある添加剤、例えば、レジストパターンの性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤、カップリング剤、レベリング剤等の従来公知のものを適宜配合することができる。
レジスト組成物(r4)は、アルカリ可溶性樹脂と、カチオン重合開始剤と、増感剤と、必要に応じてこれら以外の成分と、を有機溶剤に溶解することにより調製できる。
SPA…パターン形成装置(レジストパターン形成装置)、DV…現像ユニット(現像装置)、58,158…脱水ユニット(脱水装置)、59…加熱装置、70…チャンバ(脱水チャンバ)、72,172…加熱機構、81…光照射装置、85…チャンバ(処理チャンバ)、90…加熱部(予熱部)。

Claims (16)

  1. 基板上にレジスト膜を塗布する塗布装置と、
    前記レジスト膜の現像処理を行うことでプレパターンを形成する現像装置と、
    現像後の前記プレパターンに脱水処理を行う脱水装置と、
    脱水後の前記プレパターンに光照射処理を行う光照射装置と、
    前記光照射後の前記プレパターンを加熱して硬化させる加熱装置と、
    を備える
    レジストパターン形成装置。
  2. 前記脱水装置は、不活性ガスを供給した脱水チャンバ内で前記プレパターンを加熱する加熱機構を含む
    請求項1に記載のレジストパターン形成装置。
  3. 前記脱水装置は、前記プレパターンを収容した空間を真空雰囲気とする真空機構を含む
    請求項1に記載のレジストパターン形成装置。
  4. 前記脱水装置は、前記真空雰囲気内において前記プレパターンを加熱する加熱機構をさらに含む
    請求項3に記載のレジストパターン形成装置。
  5. 前記脱水装置は、前記プレパターンを加熱する加熱機構を含む
    請求項1に記載のレジストパターン形成装置。
  6. 前記光照射装置は、前記光照射処理を行う処理チャンバ内が低露点雰囲気である
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のレジストパターン形成装置。
  7. 前記光照射装置は、前記光照射処理を行う際に、20℃〜200℃の処理温度で前記プレパターンを加熱する加熱部を含む
    請求項6に記載のレジストパターン形成装置。
  8. 前記光照射装置は、前記光照射処理に先立ち、前記プレパターンが前記処理温度に到達するまで低露点雰囲気下で前記基板を保持する予熱部を含む
    請求項7に記載のレジストパターン形成装置。
  9. 基板上にレジスト膜を塗布する塗布工程と、
    前記レジスト膜の現像処理を行うことでプレパターンを形成する現像工程と、
    前記現像工程後の前記プレパターンに脱水処理を行う脱水工程と、
    前記脱水工程後の前記プレパターンに光照射処理を行う光照射工程と、
    前記光照射工程後の前記プレパターンを加熱して硬化させる加熱工程と、
    を備える
    レジストパターン形成方法。
  10. 前記脱水工程は、不活性ガスを供給した脱水チャンバ内で前記プレパターンを加熱する加熱ステップを含む
    請求項9に記載のレジストパターン形成方法。
  11. 前記脱水工程は、前記プレパターンを収容した空間を真空雰囲気とする真空ステップを含む
    請求項9に記載のレジストパターン形成方法。
  12. 前記脱水工程は、前記真空雰囲気内において前記プレパターンを加熱する
    請求項11に記載のレジストパターン形成方法。
  13. 前記脱水工程は、前記プレパターンを加熱することで脱水処理を行う
    請求項9に記載のレジストパターン形成方法。
  14. 前記光照射工程は、低露点雰囲気の処理チャンバ内で前記光照射処理を行う
    請求項9〜13のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
  15. 前記光照射工程は、前記光照射処理を行う際に、20℃〜200℃の処理温度で前記プレパターンを加熱する
    請求項14に記載のレジストパターン形成方法。
  16. 前記光照射工程は、前記光照射処理に先立ち、前記プレパターンが前記処理温度に到達するまで低露点雰囲気下で前記基板を保持する予熱ステップを含む
    請求項15に記載のレジストパターン形成方法。
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