JP6605876B2 - レジストパターン形成装置およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

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本発明は、レジストパターン形成装置およびレジストパターン形成方法に関する。
従来、レジスト材料を塗布してプリベークした後に露光および現像したプレパターンにブリーチング露光を行うことで、該プレパターンの光透過性や耐久性を向上させる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−237854号公報
しかしながら、上記従来技術ではブリーチング露光後のパターンにおいて所望の光透過性および耐久性(耐熱性)が得られず、当該パターンを用いて製造した有機ELパネルまたはTFTパネル等の信頼性を低下させる要因となっていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、光透過性および耐熱性を両立させた信頼性の高いパターンが得られる、レジストパターン形成装置およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に従えば、基板上にレジスト膜を塗布する塗布装置と、前記レジスト膜の現像処理を行うことでプレパターンを形成する現像装置と、常温雰囲気下で現像後の前記プレパターンに光照射することで該プレパターンを脱色する第1の光照射装置と、脱色後の前記プレパターンに光照射することで該プレパターンを硬化させる第2の光照射装置と、を備えるレジストパターン形成装置が提供される。
第1態様に係るレジストパターン形成装置によれば、第1の光照射装置により、常温雰囲気下で光照射を行うことでプレパターンを良好に脱色させることができる。よって、プレパターンの光透過率を向上させることができる。また、第2の光照射装置により、脱色後のプレパターンに光照射を行うことで該プレパターンが良好に硬化して耐熱性が向上する。これにより、光透過性および耐熱性を両立させたプレパターンを形成することができる。
また、上記プレパターンは耐熱性に優れるため、高温でベーク処理を行った場合でも、パターンが変形せずに形状を維持するので、光透過性及び耐久性に優れた所定形状のレジストパターンを得ることができる。
上記第1態様において、前記第2の光照射装置は、前記プレパターンを加熱する加熱部を有する構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターン内に含まれる水分を蒸発させることができるので、プレパターンが良好に硬化して優れた耐熱性を得ることができる。
上記第1態様において、前記第2の光照射装置は、光照射処理を行うチャンバ内が低露点雰囲気である構成としてもよい。
この構成によれば、チャンバ内の水分量を抑えることができるので、プレパターンが高分子化することで耐熱性に優れたプレパターンを得ることができる。
上記第1態様において、前記第2の光照射装置による光照射後の前記プレパターンを加熱する加熱装置をさらに備える構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターンを高温で加熱(ベーク)することで光透過性および耐久性に優れた信頼性の高いレジストパターンを得ることができる。
本発明の第2態様に従えば、基板上にレジスト膜を塗布する塗布工程と、前記レジスト膜の現像処理を行うことでプレパターンを形成する現像工程と、前記現像工程後の前記プレパターンに常温雰囲気下で光照射することで該プレパターンを脱色する第1の光照射工程と、脱色後の前記プレパターンに光照射することで該プレパターンを硬化させる第2の光照射工程と、を備えるレジストパターン形成方法が提供される。
第2態様に係るレジストパターン形成方法によれば、第1の光照射工程により、常温雰囲気下で光照射を行うことでプレパターンを良好に脱色させることができる。よって、プレパターンの光透過率を向上させることができる。
また、第2の光照射工程により、脱色後のプレパターンに光照射を行うことで該プレパターンが良好に硬化して耐熱性が向上する。これにより、光透過性および耐熱性を両立させたプレパターンを形成することができる。
また、上記プレパターンは耐熱性に優れるため、高温でベーク処理を行った場合でも、パターンが変形せずに形状を維持するので、光透過性及び耐久性に優れた所定形状のレジストパターンを形成できる。
上記第2態様において、前記第2の光照射工程においては、前記プレパターンを加熱する構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターン内に含まれる水分を蒸発させることができるので、プレパターンが良好に硬化して優れた耐熱性を得ることができる。
上記第2態様において、前記第2の光照射工程は、低露点雰囲気のチャンバ内にて前記プレパターンに光照射する構成としてもよい。
この構成によれば、チャンバ内の水分量を抑えることができるので、プレパターンが高分子化することで耐熱性に優れたプレパターンを得ることができる。
上記第2態様において、前記第2の光照射工程による光照射後の前記プレパターンを加熱する加熱工程をさらに備える構成としてもよい。
この構成によれば、プレパターンを高温で加熱(ベーク)することで光透過性および耐久性に優れた信頼性の高いレジストパターンを得ることができる。
本発明によれば、光透過性および耐熱性を両立させた信頼性の高いパターンが得られる。
第1実施形態に係るパターン形成装置を示す平面図。 第2の光照射装置を構成する紫外線照射装置の斜視図。 紫外線照射装置の上面図。 図3のA−A線矢視による断面を含む紫外線照射装置の側面図。 第1実施形態に係るパターン形成方法を示した工程図。 第2実施形態に係る紫外線照射装置の斜視図。 第2実施形態に係る紫外線照射装置の上面図。 第2実施形態に係る紫外線照射装置の側面図。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係るパターン形成装置SPAを示す平面図である。
パターン形成装置SPAは、ローダ・アンローダLU、塗布現像処理部CD及び制御部CONTを備えている。制御部CONTは、パターン形成装置SPAの各部を統括的に処理する。
ローダ・アンローダLUは、複数の基板Gを収容するカセットCの搬入及び搬出を行う部分である。ローダ・アンローダLUは、カセット待機部10及び搬送機構11を有している。
カセット待機部10は、例えばパターン形成装置SPAの−X側の端部に配置されており、複数のカセットCを収容する。カセット待機部10に収容されたカセットCは、例えばY方向に配列されるようになっている。カセット待機部10は、−X側に不図示の開口部が形成されており、当該開口部を介してパターン形成装置SPAの外部との間でカセットCの受け渡しが行われるようになっている。
搬送機構11は、カセット待機部10の+X側に配置されており、カセットCと塗布現像処理部CDとの間で基板Gの搬送を行う。搬送機構11は、例えばY方向に沿って2つ配置されており、当該2つの搬送機構11は例えば同一の構成となっている。−Y側に配置される搬送機構11aは、ローダ・アンローダLUから塗布現像処理部CDへ基板Gを搬送する。+Y側に配置される搬送機構11bは、塗布現像処理部CDからローダ・アンローダLUへ基板Gを搬送する。
搬送機構11は搬送アーム12(12a、12b)を有している。搬送アーム12は、ガラス基板を保持する保持部を有し、例えば一方向に伸縮可能に設けられている。搬送アーム12は、θZ方向に回転可能に形成されている。搬送アーム12は、例えばθZ方向に回転することで、カセット待機部10と塗布現像処理部CDとのそれぞれの方向に向かせることが可能になっている。搬送アーム12は、搬送アーム12を伸縮させることで、カセット待機部10及び塗布現像処理部CDのそれぞれにアクセス可能になっている。
(塗布現像処理部)
塗布現像処理部CDは、基板Gにレジスト塗布及び現像を含む一連の処理を施す部分である。塗布現像処理部CDは、洗浄ユニットSR、塗布ユニットCT、プリベークユニットPR、露光装置EE、現像ユニットDV、光照射ユニットUV及びポストベークユニットPBを有している。
塗布現像処理部CDは、Y方向に分割された構成になっており、−Y側の部分では、ローダ・アンローダLUからの基板Gが露光装置EEへ向けて+X方向に搬送されるようになっている。+Y側の部分では、露光装置EEからの基板Gがローダ・アンローダLUへ向けて−X方向に搬送されるようになっている。
洗浄ユニットSRは、ローダ・アンローダLUの下流側(+X側)に配置されており、基板Gの洗浄を行うユニットである。
塗布ユニットCTは、洗浄ユニットSRの下流側(+X側)に配置されており、基板G上の所定の領域にレジスト膜を形成する。塗布ユニットCTは、塗布装置47を含む。塗布装置47は、基板G上にレジスト膜を塗布する装置である。塗布装置47としては、例えば回転式塗布装置、ノンスピン式塗布装置、スリットノズル塗布装置などが用いられる。これら各種の塗布装置を交換可能な構成であっても構わない。
プリベークユニットPRは、塗布ユニットCTの下流側(+X側)に配置されており、基板Gにプリベーク処理を行うユニットである。プリベークユニットPRは、基板Gを加熱する加熱装置と、加熱した基板Gを冷却する冷却装置とを含む。
露光装置EXは基板G上に塗布されたレジスト膜を露光する。
現像ユニットDVは、露光装置EEの下流側(−X側)に配置されており、露光後の基板Gの現像処理を行うための現像装置48を含む。現像装置48は、現像処理によって、基板G上に所定の形状にパターニングされたレジスト膜(プレパターン)を形成する。
光照射ユニットUVは、現像ユニットDVの下流側(−Y側)に配置されている。
光照射ユニットUVは、現像後の基板G(プレパターン)に例えば所定波長の光を照射することで、プレパターンの可視光透過性を向上させるブリーチング処理と、プレパターンを硬化させることで耐熱性を向上させる硬化処理とを行う。
ポストベークユニットPBは、光照射ユニットUVの下流側(−X側)に配置されており、光処理後の基板Gを加熱(ベーク)する。なお、ポストベークユニットPBは、特許請求の範囲の「加熱装置」に相当する。
(光照射ユニット)
続いて、光照射ユニットUVの構成について説明する。
光照射ユニットUVは、搬送機構UV3と、第1の光照射装置UV1と、第2の光照射装置UV2とを含む。
搬送機構UV3は、第1の光照射装置UV1及び第2の光照射装置UV2間で基板Gの受け渡しを行う。搬送機構UV3は、光照射ユニットUVと現像ユニットDVとの間での基板Gの受け渡し、及び、光照射ユニットUVとポストベークユニットPBとの間での基板Gの受け渡しを行う。なお、搬送機構UV3は、例えば、上記搬送機構11と同一の構成を有する。
本実施形態において、第1の光照射装置UV1及び第2の光照射装置UV2はほぼ同一の構成を有している。以下では、第2の光照射装置UV2を例に挙げて、その構造について図面を参照にしつつ説明する。
図2は、第2の光照射装置UV2を構成する紫外線照射装置1の斜視図である。図3は、紫外線照射装置1の上面図である。図4は、図3のA−A線矢視による断面図を含む、紫外線照射装置1の側面図である。
<紫外線照射装置>
図2〜図4に示すように、紫外線照射装置1は、基板Gに対して紫外線の照射を行う装置である。紫外線照射装置1は、チャンバ2、ステージ3、照射ユニット4、搬送機構5、冷却部6及びガス供給部7を備える。
<チャンバ>
チャンバ2は、紫外線の照射処理が行われる基板Gを収容する。チャンバ2は、上面視で矩形をなす箱状に形成される。具体的に、チャンバ2は、基板Gの上方を覆う矩形板状の天板20と、基板Gの側方を囲むように覆う矩形枠状の周壁21と、基板Gの下方を覆う底板22とによって形成される。周壁21の−Y方向側には、チャンバ2に対して基板Gの搬入及び搬出をするための基板搬出入口21aが設けられる。
例えば、天板20、周壁21及び底板22は、紫外線を遮光する遮光部材によって形成される。これにより、チャンバ2の内部の基板Gに対して紫外線を照射する際に、紫外線がチャンバ2の外部に漏れることを回避することができる。
チャンバ2は、基板Gを密閉空間で収容可能に構成される。例えば、天板20、周壁21及び底板22の各接続部を溶接等で隙間なく結合することで、チャンバ2内の気密性を向上することができる。例えば、チャンバ2には、ポンプ機構等の減圧機構(不図示)が設けられる。これにより、チャンバ2内を減圧させた状態で基板Gを収容可能である。
図4に示すように、チャンバ2内には、基板Gを加熱するヒータ等の加熱部26が設けられる。加熱部26は、基板Gと略同じ平面視サイズの矩形板状を有し、基板Gを下方から支持するように配置される。加熱部26は基板G上に形成されているプレパターンを200℃以下で加熱する。
紫外線照射装置1では、加熱部26により基板Gを加熱した状態で、照射ユニット4を駆動し、低露点雰囲気内で基板Gに所定波長の光を照射する。
<透過部>
図3に示すように、チャンバ2の天板20には、紫外線を通過可能な透過部23が設けられる。透過部23は、天板20の一部を構成する。透過部23は、上面視で天板20よりも小さい矩形板状に形成される。透過部23は、天板20を厚み方向に開口する矩形の開口部20hに取り付けられている。
透過部23のサイズは、基板Gよりも大きいサイズに設定される。これにより、基板Gに対して紫外線を照射する際に、紫外線が天板20の遮光部(透過部23以外の部分)によって遮光されることを回避することができるため、基板Gの上面全体に均一に紫外線を照射することができる。
なお、開口部20hのサイズは、基板Gを出し入れ可能なサイズに設定されてもよい。また、透過部23は、開口部20hに着脱自在に嵌め込まれてもよい。これにより、透過部23を開口部20hに嵌め込んだときはチャンバ2内を密閉空間とすることができ、透過部23を開口部20hから脱離したときはチャンバ2内に基板Gを出し入れすることができる。
<ステージ>
ステージ3は、ステージ板30及び架台31を備える。
ステージ板30は、チャンバ2及び搬送機構5を上面で支持する。
架台31は、複数の鋼材等の角柱を格子状に組み合わせて形成され、ステージ板30を下方から支持する。
なお、架台31の下端部には、複数の車輪31aが回転自在に取り付けられる。これにより、架台31をXY平面内で自在に移動させることができる。
ステージ3には、筐体32が設けられる。筐体32は、柱部33及び壁部34を備える。
柱部33は、複数の鋼材等の角柱を格子状に組み合わせて形成され、チャンバ2、照射ユニット4及び搬送機構5を囲む。
壁部34は、柱部33の隙間(各角柱の間)に設けられ、チャンバ2、照射ユニット4及び搬送機構5の周囲及び上方を覆う。
例えば、壁部34は、透明な板材によって形成される。これにより、筐体32の外部から筐体32内の構成要素を視認することができる。
<昇降機構>
図4に示すように、チャンバ2の下方には、基板GをZ方向に移動可能とする昇降機構25が設けられる。昇降機構25には、複数のリフトピン25aが設けられる。複数のリフトピン25aの先端(+Z側の端)は、XY平面に平行な同一面内に配置される。
複数のリフトピン25aの先端は、ステージ板30、底板22及び加熱部26を挿通可能とされる。
具体的に、ステージ板30には、ステージ板30を厚み方向に開口する複数の挿通孔30aが形成される。底板22には、各挿通孔30aに平面視で重なる位置で底板22を厚み方向に開口する複数の挿通孔22aが形成される。加熱部26には、各挿通孔22aに平面視で重なる位置で加熱部26を厚み方向に開口する複数の挿通孔26aが形成される。複数のリフトピン25aの先端は、各挿通孔30a,22a,26aを介して基板Gの下面に当接・離反可能とされる。そのため、複数のリフトピン25aの先端によって、基板GがXY平面に平行に支持されるようになっている。
昇降機構25は、チャンバ2内に収容される基板Gを支持しつつチャンバ2内のZ方向に移動するようになっている。図4においては、複数のリフトピン25aの先端が各挿通孔30a,22a,11aを介して基板Gの下面に当接すると共に上昇することによって、基板Gを加熱部26から離反した状態を示している。
なお、昇降機構25において、複数のリフトピン25aを昇降させる駆動源25bは、チャンバ2の外部に配置される。そのため、仮に駆動源25bの駆動に伴いパーティクルが発生したとしても、チャンバ2を密閉空間とすることによって、チャンバ2内へのパーティクルの侵入を回避することができる。
<照射ユニット>
照射ユニット4は、チャンバ2の外部に設けられる。照射ユニット4は、照射部40及び集光部材41を備える。
照射部40は、基板Gにi線等の紫外線を照射可能に構成される。例えば、照射部40は、メタルハライドランプから構成される。
ここで、「紫外線」とは、波長範囲の下限が1nm程度、上限が可視光線の短波長端の光を意味する。
例えば、照射部40の下面には、波長が300nmよりも低い成分をカットするフィルタが設けられてもよい。これにより、フィルタを介して射出される紫外線の波長は300nm以上となるため、紫外線の照射によって基板Gの過度の温度上昇を抑制することができる。
集光部材41は、照射部40から射出される紫外線を基板G上に集光する。基板G上に紫外線を集光させることで、照射部40から射出される紫外線が基板Gの外部に拡散することを抑制することができるため、照度を向上することができる。
<搬送機構>
図2及び図3に示すように、搬送機構5は、チャンバ2の外部に設けられる。搬送機構5は、チャンバ2の外部からチャンバ2の内部に収容されている基板Gに紫外線が照射されるように照射ユニット4をチャンバ2の外部で移動させる。搬送機構5は、ガイド部50、土台53及び門型フレーム54を備える。
ガイド部50は、一対のレール51と、スライダ52とを備える。例えば、ガイド部50は、リニアモータアクチュエータを用いる。
一対のレール51は、チャンバ2を−Y方向側及び+Y方向側から挟むように照射ユニット4の移動方向(照射部40の移動方向)であるX方向に延びる。
スライダ52は、一対のレール51に沿って摺動可能に構成される。
土台53は、ステージ板30の四隅に複数(例えば本実施形態では四隅に一つずつ計四つ)設けられる。各土台53は、一対のレール51におけるX方向両端部を支持する。
門型フレーム54は、チャンバ2をY方向に跨ぐように門型に形成されると共に、一対のレール51に沿って移動可能とされる。門型フレーム54は、Z方向に延びる一対の門柱部54aと、一対の門柱部54aの間を連結するようにY方向に延びる連結部54bとを備える。門型フレーム54における各門柱部54aの下端部には、スライダ52が取り付けられる。
図4に示すように、門型フレーム54における連結部54bの内部には、照射ユニット4を保持する保持部54cが設けられる。保持部54cは、門型フレーム54におけるY方向中間部の下面から上方に窪む凹部を形成する。照射ユニット4のうち照射面4a(下面)を除く部分は、保持部54cの凹部に囲まれ、門型フレーム54の壁部によって覆われる。例えば、門型フレーム54は、紫外線を遮光する遮光部材によって形成される。これにより、照射ユニット4から紫外線を照射する際に、紫外線が門型フレーム54の側方に拡散することを回避することができ、紫外線を下方(チャンバ2内の基板G)に向けて照射することができる。
図3に示すように、X方向において、各レール51の長さL1は、チャンバ2の長さL2よりも長い(L1>L2)。本実施形態では、X方向において、各レール51の長さL1は、チャンバ2の長さL2と、門型フレーム54二つ分の長さ(2×L3)とを足し合わせた長さ(L2+2×L3)よりも長くする。これにより、上面視において、チャンバ2の−X方向端を超える領域からチャンバ2の+X方向端を超える領域まで照射ユニット4を移動させることができる。
<冷却部>
図2及び図3に示すように、チャンバ2の外部には、照射ユニット4を冷却可能な冷却部6が設けられる。冷却部6は、門型フレーム54の+Y方向側の側壁部(門柱部54a)に取り付けられる。例えば、冷却部6は、ブロワを用いる。これにより、照射ユニット4によって生じた熱気を外部に排気することができる。
搬送機構5は、照射ユニット4と共に冷却部6をチャンバ2の外部で移動させる。
<ガス供給部>
チャンバ2には、チャンバ2の内部雰囲気の状態を調整可能なガス供給部7が設けられる。ガス供給部7は、窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスを供給する。
ガス供給部7により、チャンバ2の内部雰囲気の露点を調整することができ、チャンバ2内の水分濃度を調整することができる。
例えば、ガス供給部7は、チャンバ2の内部雰囲気の露点を−80℃(水分濃度0.54ppm質量基準)以上且つ−5℃(水分濃度4000ppm質量基準)以下とするように乾燥ガスの供給を調整する。
例えば、後述のように、レジスト膜の露光後のプレパターンを硬化するときの雰囲気において、このように露点を好ましい上限以下とすることにより、パターンの硬化を進行しやすくすることができる。一方、好ましい下限以上とすることにより、装置を運用する上での作業性等を向上することができる。
また、ガス供給部7により、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を調整することもできる。チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度(質量基準)は、低いほど好ましい。具体的には、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を、1000ppm以下とすることが好ましく、500ppm以下とすることがより好ましい。
例えば、後述のように、レジスト膜の露光後のプレパターンを硬化するときの雰囲気において、このように酸素濃度を好ましい上限以下とすることにより、パターンの硬化を進行しやすくすることができる。
なお、ガス供給部7は、チャンバ2の内部雰囲気を加湿雰囲気とすることも可能である。
第1の光照射装置UV1は、第2の光照射装置UV2を構成する上記紫外線照射装置1と基本的には同じ構成を有している。
具体的に、第1の光照射装置UV1は、上記紫外線照射装置1と比較して、チャンバ2内に加熱部26を有しない点が異なる。そのため、第1の光照射装置UV1では、チャンバ2内において、基板Gが底板22上に直接載置される構成となっている。
図1に示したように、第1の光照射装置UV1及び第2の光照射装置UV2は搬送機構UV3を挟んで互いが対向するように配置される。なお、第1の光照射装置UV1及び第2の光照射装置UV2は、それぞれ基板搬出入口21aを搬送機構UV3側に向けるように配置される。
上記紫外線照射装置1によれば、密閉空間を有するチャンバ2の内部で基板Gを静止させた状態で、チャンバ2の外部で照射ユニット4を移動させつつチャンバ2の内部の基板Gに紫外線を照射することができる。
また、基板Gを静止させた状態で照射ユニット4を移動させるので、照射ユニット4よりも平面視サイズの大きい基板Gを用いても、照射ユニット4を静止させた状態で基板Gを移動させる場合と比較して、基板Gに紫外線を照射する際に必要なスペースを節約することができ、フットプリントを小さくすることができる。
また、チャンバ2内で基板Gを静止させた状態とするので、チャンバ2内は基板Gの収容スペースを確保するだけで済むため、チャンバ2内で基板Gを移動させる場合と比較して、チャンバ2の容積を小さくできる。
また、チャンバ2には、紫外線を透過可能な透過部23が設けられるので、透過部23を用いた簡単な構成で透過部23を介して基板Gに紫外線を照射することができる。
また、チャンバ2は、基板Gの上方を覆う天板20を含み、透過部23が天板20に設けられるので、チャンバ2の天板20に透過部23を設けた簡単な構成で、透過部23を介して基板Gに紫外線を照射することができる。
また、チャンバ2の一部に透過部23を設けることによって、チャンバ2全体に透過部を設ける場合と比較して、透過部23のメンテナンス性を向上することができる。
また、搬送機構5は、一般的なレールに沿って照射ユニット4を移動させる場合と比較して、高い剛性を有する門型フレーム54によって照射ユニット4を一対のレール51に沿って移動させることができるため、照射ユニット4の移動を安定して行うことができる。
また、チャンバ2は、冷却部6により照射ユニット4を冷却することができるので、紫外線を基板Gに連続照射するとき等に照射ユニット4を連続駆動する場合であっても、照射ユニット4が過熱することを抑制できる。
また、搬送機構5は、照射ユニット4と共に冷却部6をチャンバ2の外部で移動させるので、照射ユニット4及び冷却部6をまとめて一括して移動させることができる。そのため、照射ユニット4及び冷却部6を別個独立に移動させる場合と比較して、装置構成の簡素化を図ることができる。
また、一対のレール51の−X方向端(一端)と+X方向端(他端)との間で照射ユニット4が往復移動するので、一対のレール51の一端と他端との間で照射ユニット4を一方向にのみ移動させる場合と比較して、紫外線を基板Gに繰り返し照射するときであっても、スムーズに効率良く照射することができる。また、一つの照射ユニット4を設ければ足りるため、装置構成の簡素化を図ることができる。
(パターン形成方法)
以上のように構成されたパターン形成装置SPAによるパターン形成方法を説明する。
図5は本実施形態に係るパターン形成方法を示した工程図である。
図5に示すように、本実施形態のパターン形成方法は、塗布工程S1と、プリベーク工程S2と、露光工程S3と、現像工程S4と、第1光照射工程S5と、第2光照射工程S6と、ポストベーク工程S7とを順に行う。
すなわち、本実施形態のパターン形成方法は、現像工程S4とポストベーク工程S7との間に光照射工程を複数(2回)行っている。
以下、本実施形態のパターン形成方法の各工程について説明する。
まず、基板Gが収容されたカセットCをローダ・アンローダLUのカセット待機部10にロードする。カセットC内の基板Gは、搬送機構11を介して洗浄ユニットSRへ搬送される。
洗浄ユニットSRにおいて、基板Gの洗浄処理が行われる。洗浄ユニットSRから搬出された基板Gは不図示のコンベア機構を介して塗布ユニットCTへと搬送される。
(塗布工程S1)
その後、塗布ユニットCTにおいてレジスト組成物を塗布して基板G上にレジスト膜を形成する塗布工程が行われる。
本実施形態では、露光及び現像により、露光部が溶解除去されてプレパターンを形成するポジ型レジスト組成物を基板G上に塗布している。このようなレジスト組成物としては、例えば、以下に例示するレジスト組成物(r1)、(r2)が挙げられる。
<レジスト組成物(r1)>
レジスト組成物(r1)は、アルカリ可溶性樹脂と、感度向上剤として特定のフェノール化合物と、感光性成分としてキノンジアジドエステル化物と、を有機溶剤に溶解してなるポジ型レジスト組成物である。
レジスト組成物(r1)において、アルカリ可溶性樹脂は、被膜形成物質として通常用いられ得るものの中から任意に選ぶことができる。例えば、ポジ型レジスト組成物の被膜形成用樹脂として知られているフェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレンとアクリル酸との共重合体、ヒドロキシスチレンの重合体、ポリビニルフェノール、ポリα−メチルビニルフェノール等が挙げられる。これらの中でも、特にフェノール樹脂が好ましく用いられ、中でも膨潤することなくアルカリ水溶液に容易に溶解し現像性に優れるノボラック樹脂が好適である。
フェノール樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類との縮合反応生成物、フェノール類とケトン類との縮合反応生成物、ビニルフェノール系重合体、イソプロペニルフェノール系重合体、これらのフェノール樹脂の水素添加反応生成物等が挙げられる。
前記縮合反応生成物におけるフェノール類としては、例えばフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール等のキシレノール類;m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール等のアルキルフェノール類;p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−エトキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−プロポキシフェノール等のアルコキシフェノール類;o−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2−メチル−4−イソプロペニルフェノール、2−エチル−4−イソプロペニルフェノール等のイソプロペニルフェノール類;フェニルフェノール等のアリールフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール等のポリヒドロキシフェノール類などが挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのフェノール類の中では、特にm−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノールが好ましい。
前記縮合反応生成物におけるアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、フルフラール、フリルアクロレイン、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、ケイ皮アルデヒド等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのアルデヒド類の中では、入手のしやすさからホルムアルデヒドが好ましく、特に耐熱性を向上させるためにはヒドロキシベンズアルデヒド類とホルムアルデヒドとを組み合わせて用いることが好ましい。
前記縮合反応生成物におけるケトン類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジフェニルケトン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール類とケトン類との組み合わせにおいては、ピロガロールとアセトンとの組み合わせが特に好ましい。
フェノール類とアルデヒド類またはケトン類との縮合反応生成物は、酸性触媒の存在下、公知の方法で製造することができる。酸性触媒としては、塩酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸等を用いることができる。
このようにして得られた縮合反応生成物は、分別等の処理を施すことによって低分子領域をカットしたものが耐熱性に優れているので好ましい。分別等の処理は、縮合反応により得られた樹脂を良溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン等に溶解し、次いで水中に注ぎ沈殿させる等の方法により行われる。
上記の中でも、特に全フェノール系繰り返し単位中、p−クレゾール系繰り返し単位を60モル%以上含有し、かつ、m−クレゾール系繰り返し単位を30モル%以上含有し、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が2000〜20000のノボラック樹脂が好ましい。
p−クレゾール系繰り返し単位が60モル%未満では、加熱処理時の温度ムラに対する感度変化が起こりやすく、また、m−クレゾール系繰り返し単位が30モル%未満では、感度が劣る傾向がある。
アルカリ可溶性樹脂には、キシレノール系繰り返し単位や、トリメチルフェノール系繰り返し単位などの、他のフェノール系繰り返し単位を含有していてもよい。
特に好ましくは、p−クレゾール系繰り返し単位60〜70モル%と、m−クレゾール系繰り返し単位40〜30モル%とからなる2成分系のノボラック樹脂であり、フェノール類の2核体(2個のフェノール核を有する縮合体分子)含有量がGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)法において10%以下であるような、フェノール類の低分子量体含有量の少ないノボラック樹脂が好ましい。前記2核体は、高温(例えば130℃)のプリべークやポストベーク中に昇華して炉の天板などを汚し、更にはレジスト組成物を塗布したガラス基板を汚して、その歩留まりを下げる原因となることから、その含有量が少ないノボラック樹脂が好ましい。
レジスト組成物(r1)において、感度向上剤としては、下記一般式(I)で表されるフェノール化合物が挙げられる。
Figure 0006605876
[式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、または炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を表し;R〜R11はそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;Qは水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、Rと結合して炭素原子鎖3〜6のシクロアルキル基を形成する基、または下記の化学式(II)で表される基である。]
Figure 0006605876
(式中、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、または炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を表し;cは1〜3の整数を示す。)を表し;a、bは1〜3の整数を表し;dは0〜3の整数を表し;nは0〜3の整数を表す。]
レジスト組成物(r1)における感度向上剤としては、トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3’−フルオロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4’−ヒドロキシフェニルメタン、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−5−ヒドロキシフェノール等が挙げられる。
これらの中でも、感度向上効果に特に優れることから、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、2,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−5−ヒドロキシフェノール、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等が好ましい。
感度向上剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感度向上剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して5〜25質量部が好ましく、より好ましくは10〜20質量部の範囲である。
レジスト組成物(r1)において、感光性成分としては、下記一般式(III)で表されるキノンジアジドエステル化物(感光性成分1)、下記一般式(IV)で表されるキノンジアジドエステル化物(感光性成分2)、上記一般式(I)で表されるフェノール化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5(または4)−スルホニル化合物とのエステル化物などが挙げられる。
Figure 0006605876
[式(III)中、R14は、独立に炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、Dは、独立に水素原子、または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を表し、Dの少なくとも1つは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を表し、l、mは、それぞれ独立に1または2を表す。式(IV)中、複数のDは、それぞれ独立に水素原子、または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を表し、Dの少なくとも1つは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基である。]
感光性成分1の平均エステル化率は、40〜60%が好ましく、より好ましくは45〜55%である。この平均エステル化率が40%未満では、現像後の膜減りが発生し易く、残膜率が低くなりやすい。一方、60%を超えると、著しく感度が劣る傾向がある。
感光性成分1としては、比較的安価で、感度、解像性、リニアリティに優れたレジスト組成物を調製できる点で、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンの1,2−ナフトキノンジアジト−5−スルホニル化合物によるキノンジアジドエステル化物が好ましく、このなかでもエステル化率50%のものが最も好ましい。
感光性成分2の平均エステル化率は、50〜70%が好ましく、より好ましくは55〜65%である。この平均エステル化率が50%未満では、現像後の膜減りが発生しやすく、残膜率が低くなりやすい。一方、70%を超えると、保存安定性が低下する傾向にある。
感光性成分2としては、非常に安価で、感度に優れたレジスト組成物を調整できる点で、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジト−5−スルホニル化合物によるキノンジアジドエステル化物が好ましく、このなかでもエステル化率59%のものが最も好ましい。
感光性成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性成分の含有量は、アルカリ可溶性樹脂と感度向上剤との合計量100質量部に対して15〜40質量部が好ましく、より好ましくは20〜30質量部の範囲である。
レジスト組成物(r1)において、有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、またはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルもしくはモノフェニルエーテル等の多価アルコール類およびその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル等が挙げられる。
有機溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記のなかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が、レジスト組成物に優れた塗布性を与え、基板上でのレジスト被膜に優れた膜厚均一性を与える点で好ましい。
PGMEAは単独溶媒で用いることが好ましいが、PGMEA以外の有機溶剤もこれと混合して用いることができる。そのような有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。
レジスト組成物(r1)中の、アルカリ可溶性樹脂と感度向上剤と感光性成分との総量は、支持体への塗布性に優れる点から、該組成物の全質量に対して30質量%以下が好ましく、より好ましくは20〜28質量%である。
この場合、後述の任意に用いられる添加剤の量も勘案して、有機溶剤の含有量は、該組成物の全質量に対して50〜90質量%が好ましく、より好ましくは65〜85質量%であり、さらに好ましくは70〜75質量%である。
レジスト組成物(r1)においては、必要に応じて、ハレーション防止のための紫外線吸収剤、例えば2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、5−アミノ−3−メチル−1−フェニル−4−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)ピラゾール、4−ジメチルアミノ−4’−ヒドロキシアゾベンゼン、4−ジエチルアミノ−4’−エトキシアゾベンゼン、4−ジエチルアミノアゾベンゼン、クルクミン等を用いることができる。
また、レジスト組成物(r1)には、ストリエーション防止のための界面活性剤、例えばフロラードFC−430、FC431(商品名、住友3M株式会社製);エフトップEF122A、EF122B、EF122C、EF126(商品名、トーケムプロダクツ株式会社製);XR−104(製品名、大日本インキ化学工業株式会社製)、BYK−310(製品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等を用いることができる。
また、レジスト組成物(r1)には、ベンゾキノン、ナフトキノン、p−トルエンスルホン酸等の保存安定化剤;さらに必要に応じて付加的樹脂、可塑剤、安定化剤、コントラスト向上剤等の慣用の添加剤を必要に応じて添加含有させることができる。
<レジスト組成物(r2)>
レジスト組成物(r2)は、下記の一般式(1)で表される繰返し単位及び一般式(2)で表される繰返し単位を有する共重合体と、感光性成分と、を含有するポジ型レジスト組成物である。
レジスト組成物(r2)によって形成されるレジスト膜を、例えばマイクロレンズに適用した場合には、耐熱性、耐薬品性の良好なマイクロレンズを形成することができる。
Figure 0006605876
[式(1)、(2)中、Rは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。R21は、単結合または炭素数1〜5のアルキレン基を表す。R22は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。R23は、熱架橋性を有する1価の有機基を表す。pは1〜5の整数を表し、qは0〜4の整数を表し、かつ、p+qは5以下である。但し、繰返しにおける複数のR0同士およびR22同士は、互いに異なっていてもよい。]
(一般式(1)で表される繰返し単位)
一般式(1)で表される繰返し単位(以下「繰返し単位(1)」ともいう。)は、アルカリ可溶性を示す。
前記式(1)中、Rは、メチル基であることが好ましい。
21における炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基などが挙げられ、なかでも、メチレン基、エチレン基が好ましい。
繰返し単位(1)が有するベンゼン環には、少なくとも1つの水酸基が結合している。水酸基の結合数を示すpは、1〜5の整数であり、製造上の点から1が好ましい。また、ベンゼン環において、水酸基の結合位置は、その少なくとも一つは、「−C(=O)−O−R21−」の結合位置を1位としたとき、4位の位置であることが好ましい。
さらに、繰返し単位(1)が有するベンゼン環には、R22として、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合していてもよい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、工業的にはメチル基またはエチル基がより好ましい。qは、0〜4の整数を表し、0であることがより好ましい。
繰返し単位(1)は、1種または2種以上混合して用いることができる。
繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体における、繰返し単位(1)の含有量は、該共重合体を構成する繰返し単位の合計に対して20〜50モル%であることが好ましい。この範囲にすることにより、現像時のアルカリ可溶性を確保することが容易となる。
(一般式(2)で表される繰返し単位)
一般式(2)で表される繰返し単位(以下「繰返し単位(2)」ともいう。)は、熱架橋基(R23)を含む。
前記式(2)中、Rは、メチル基であることが好ましい。
21における炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基などが挙げられ、なかでも、メチレン基、エチレン基が好ましい。
前記式(2)中、R23は、熱架橋性を有する1価の有機基(以下この有機基を「熱架橋基」という)を表す。熱架橋基は、熱を加えることにより、架橋する基である。
23としては、エポキシ基、オキセタニル基のいずれかを含む有機基であることが好ましい。これらの中でも、R23は、熱処理による架橋効率を向上させることができる点で、エポキシ基を含む有機基であることがより好ましい。
繰返し単位(2)は、1種または2種以上混合して用いることができる。
繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体における、繰返し単位(2)の含有量は、該共重合体を構成する繰返し単位の合計に対して50〜80モル%であることが好ましい。
該共重合体において、繰返し単位(2)の含有量を好ましい下限値以上とすることにより、加熱処理による透過率の低下を軽減できるとともに、熱硬化性を確保することが容易となり、一方、好ましい上限値以下とすることにより、現像時の残渣の発生をより抑えることができる。
繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体は、ランダム重合またはブロック重合のいずれからなるものでもよい。
上記のように、繰返し単位(1)と繰返し単位(2)との異なる繰返し単位を有する共重合体とすることにより、アルカリ溶解速度のコントロール、耐熱性のコントロールが容易となる。
該共重合体の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のスチレン換算による測定値)は、好ましくは10000〜30000である。該共重合体のMwが、好ましい下限値以上であることにより、耐熱性が向上し、例えば共重合体を用いてマイクロレンズを形成する場合に、マイクロレンズを硬化させるための焼成処理時もレンズ形状を容易に維持することができる。一方、好ましい上限値以下にすることにより、現像時の残渣の発生を抑えることができる。
加えて、レジスト組成物(r2)は、好ましくは、繰返し単位(1)と繰返し単位(2)とを有し、Mwが10000〜30000の共重合体を含有することにより、ガラス転移温度が高く、高温に曝された場合でもその形状を維持可能な耐熱性を有するレジスト膜を形成できる。さらに、レジスト組成物(r2)は、熱架橋基(R23)を含む繰返し単位を有している共重合体を含むため、硬度が高く、かつ、耐薬品性に優れたレジスト膜を形成することができる。
レジスト組成物(r2)は、上記の繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体とともに、該共重合体以外の樹脂成分を併用してもよい。かかる樹脂成分としては、アクリル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂などが挙げられる。
レジスト組成物(r2)に用いられる感光性成分は、上述したレジスト組成物(r1)に用いられる感光性成分と同様のものが挙げられる。
この感光性成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
レジスト組成物(r2)中、感光性成分の含有量は、レジスト組成物(r2)の固形分に対して10〜40質量%の範囲内であることが好ましい。感光性成分の含有量を好ましい下限値以上にすることにより、パターンを良好に形成することができる。レジスト組成物(r2)をマイクロレンズ形成に使用した場合には、現像時に良好にレンズ形状を形成できる。一方、感光性成分の含有量を好ましい上限値以下にすることにより、現像性を向上させ、現像時における残渣の発生を抑制することができる。
レジスト組成物(r2)においては、繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)を有する共重合体、及び感光性成分以外の成分を、必要に応じて用いることができる。
レジスト組成物(r2)には、例えば、支持体への塗布性の点から、界面活性剤が配合されていてもよく、または、増感剤、消泡剤などの各種添加剤が添加されていてもよい。
レジスト組成物(r2)は、該共重合体と、感光性成分と、必要に応じてこれら以外の成分と、を有機溶剤に溶解することにより調製できる。
(プリベーク工程S2)
塗布処理後の基板Gは、塗布ユニットCTから不図示のコンベア機構によりプリベークユニットPRに搬送される。プリベークユニットPRにおいて基板G上に塗布されたレジスト膜の加熱(プリベーク)処理が行われる。プリベークユニットPRは、加熱した基板Gを所定時間冷却する冷却処理を行う。プリベークユニットPRでの処理を完了した基板Gは、不図示のコンベア機構によって露光装置EEに搬送される。
(露光工程S3)
露光装置EEにおいて、基板G上に塗布されたレジスト膜の露光処理が行われる。
(現像工程S4)
露光処理後の基板Gは、現像ユニットDVに搬送される。現像ユニットDVにおいて、基板Gは現像装置48による現像処理、リンス処理及び乾燥処理が順に行われる。これにより、基板G上に所定形状のプレパターンが形成される。乾燥処理の後、搬送機構UV3によって基板Gは光照射ユニットUVへと搬送される。光照射ユニットUV内において、基板Gは第1の光照射装置UV1による光照射処理が行われる。
(第1光照射工程S5)
第1光照射工程S5においては、第1の光照射装置UV1の光照射(紫外線の照射)により基板G上に形成されたプレパターンを脱色するブリーチング処理を行う。
搬送機構UV3は、基板搬出入口21aを介してチャンバ2内に基板Gを搬送する。基板Gの搬入後、チャンバ2は基板搬出入口21aを閉塞して内部を密閉する。
具体的に、昇降機構25は、リフトピン25aをチャンバ2内の+Z方向に移動させておく。搬送機構UV3は、リフトピン25aに基板Gを受け渡した後、基板搬出入口21aからチャンバ2外へと退避する。昇降機構25は、基板Gを受け取ったリフトピン25aをチャンバ2内の−Z方向に移動し、チャンバ2の底板22に基板Gを載置する。
続いて、照射ユニット4は、基板Gに紫外線を照射する。
本実施形態において、照射ユニット4は、例えばi線をプレパターンに照射する。
搬送機構5は、チャンバ2の外部からチャンバ2の内部に収容されている基板Gに紫外線が照射されるように照射ユニット4をチャンバ2の外部で移動させる。
透過部23を介してチャンバ2の内部の基板Gに紫外線が照射されるように照射ユニット4をチャンバ2の外部で移動させる。上述の通り、門型フレーム54の+Y方向側の側壁部には冷却部6が取り付けられているため、照射ユニット4と共に冷却部6がチャンバ2の外部で移動する。
移動ステップにおいて、一対のレール51の−X方向端(一端)と+X方向端(他端)との間で照射ユニット4を往復移動させる。例えば、図2の上面視において、チャンバ2の−X方向端を超える領域からチャンバ2の+X方向端を超える領域まで照射ユニット4を往復移動させる。
第1の光照射装置UV1において、チャンバ2内部の温度が常温(例えば、20℃程度)となっている。すなわち、第1の光照射装置UV1では、常温雰囲気において基板Gに対する紫外線照射を行っている。
第1の光照射装置UV1による紫外線照射により、ポジ型レジストからなるプレパターンが含有するジアゾナフトキノンは光化学反応によりインデンケテンに変化する。インデンケテンは樹脂の水酸基と結合して膜全体が高分子化し、ジアゾナフトキノンが消失していく。
ここで、プレパターンに熱を加えた状態で紫外線照射を行うとジアゾナフトキノンの色素(淡黄色乃至淡褐色)が残ることで黄色味がかった膜となってしまい、膜の光透過性が低下してしまう。
本実施形態では、基板Gを加熱しない状態(常温雰囲気)でプレパターンに対して紫外線照射を行っている。
そのため、ジアゾナフトキノンの色素が無くなり、プレパターンを構成する膜の光透過性を向上させることができる。すなわち、第1の光照射装置UV1による紫外線照射によって、プレパターンの脱色処理(ブリーチング処理)を良好に行うことができる。
これにより、基板G上に形成されているプレパターンの光透過性を向上させることができる。
なお、本実施形態に係る第1光照射工程S5において、ガス供給部7は、チャンバ2の内部雰囲気の露点を調整しても良い。あるいは、ガス供給部7は、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を調整しても良い。
或いは、第1の光照射装置UV1はガス供給部7を有しない構成であっても良い。すなわち、チャンバ2の内部雰囲気が大気雰囲気とされていても良い。
第1の光照射装置UV1によるブリーチング処理が終了した後、基板Gは搬送機構UV3により第2の光照射装置UV2へと受け渡される。
具体的に、昇降機構25は、チャンバ2の底板22に載置された基板Gを支持しつつチャンバ2内のZ方向に移動する。搬送機構UV3は、基板搬出入口21aからチャンバ2内に移動し、リフトピン25a(昇降機構25)に支持された基板Gを受け取る。基板Gを受け取った搬送機構UV3は、基板搬出入口21aよりチャンバ2外へと退避し、基板Gを第2の光照射装置UV2に受け渡す。
(第2光照射工程S6)
第2の光照射装置UV2において、第2の光照射装置UV2の光照射(紫外線の照射)により基板G上に形成されたプレパターンを硬化する硬化処理を行う。
搬送機構UV3は、基板搬出入口21aを介してチャンバ2内に基板Gを搬送する。基板Gの搬入後、チャンバ2は基板搬出入口21aを閉塞して内部を密閉する。
具体的に、昇降機構25は、リフトピン25aをチャンバ2内の+Z方向に移動させておく。搬送機構UV3は、リフトピン25aに基板Gを受け渡した後、基板搬出入口21aからチャンバ2外へと退避する。昇降機構25は、基板Gを受け取ったリフトピン25aをチャンバ2内の−Z方向に移動し、基板Gを加熱部26上に載置する。
続いて、照射ユニット4は、基板Gに紫外線を照射する。これにより、上述の光化学反応が良好に発生することで、プレパターンの表層側だけでなく内部に亘ってパターン全体を硬化させることができる。また、上記波長域の光を照射することで、輻射熱の発生を抑えつつ、硬化時におけるプレパターンの過度な温度上昇を抑制できる。
第2の光照射装置UV2は、紫外線照射時に加熱部26を駆動させる。これにより、第2の光照射装置UV2においては、基板Gを加熱した状態で紫外線照射を行う。加熱部26は、基板Gを、例えば、常温(20℃)よりも高く、且つ、200℃以下の範囲で加熱する。本実施形態において、加熱部26は、例えば100℃で基板Gを加熱する。
ところで、上述したプレパターンに含まれるインデンケテンが水(HO)と反応するとカルボン酸を生成する。カルボン酸はインデンケテンと異なり、樹脂と結合せずに膜全体が高分子化しない。そのため、カルボン酸が生成されると、プレパターンにおける耐熱性(耐久性)を低下させる要因となる。すなわち、レジスト膜の耐熱性を向上させる場合、ジアゾナフトキノンと水との反応によるカルボン酸の生成を抑制することが重要となる。
本実施形態においては、第2光照射工程S6において、加熱した状態で紫外線照射を行っている。基板Gが加熱されることでプレパターン中に含まれる水分を蒸発させることができるので、紫外線照射時におけるジアゾナフトキノンと水との反応によるカルボン酸の生成が抑制される。
第2光照射工程S6においてはガス供給ステップを含んでいる。
ガス供給ステップにおいて、ガス供給部7は、チャンバ2の内部雰囲気の露点を調整する。これにより、低露点雰囲気のチャンバ2内でプレパターンに対して紫外線が照射される。よって、光化学反応によりジアゾナフトキノンがインデンケテンに変化した際、プレパターンの周辺(チャンバ2内)が水分の少ない環境(低露点雰囲気)のため、カルボン酸の生成を抑制できる。
本実施形態によれば、プレパターンに含まれるインデンケテンはカルボン酸に変化することなく樹脂の水酸基と結合して膜全体が良好に高分子化する。そのため、膜全体の硬度が向上する(硬化する)ことで耐熱性に優れたプレパターンを形成することができる。
以上述べたように本実施形態によれば、第1の光照射装置UV1による第1光照射工程S5によりプレパターンの光透過性を向上させ、光透過性が向上したプレパターンを第2の光照射装置UV2による第2光照射工程S6により硬化して耐熱性を向上させることができる。つまり、光透過性および耐熱性を両立させたプレパターンを形成することができる。
光照射ユニットUVによる紫外線照射工程が終了した後、基板Gは、搬送機構UV3によりポストベークユニットPBに搬送される。
(ポストベーク工程S7)
ポストベークユニットPBは、基板Gのポストベーク処理を行う。ポストベークユニットPBは、所定の処理温度で基板Gを加熱(ベーク)する。
なお、ポストベークユニットPBによる処理時間(ベーク時間)は、基板Gが処理温度に到達後からカウントする。
また、ポストベークユニットPBは、基板Gを所定温度まで加熱する場合において、一気に加熱するようにしても良いし、複数回の加熱ステップを設けることで緩やかに温度を上昇させるようにしてもよい。
本実施形態において形成されたプレパターンは、耐熱性に優れるため、高温でポストベーク処理を行った場合でもプレパターンが変形せずに形状を維持する。よって、該プレパターンを硬化させたレジストパターンは形状がポストベーク処理により形状が変化しないため、信頼性の高いものとなる。また、プレパターンは光透過性に優れたものであるため、ポストベーク処理後のレジストパターンも光透過性に優れたものとなる。
ポストベークユニットPBによる加熱後の基板Gは冷却された後、搬送機構11を介してカセットCに収容される。このようにして、基板Gに対して塗布処理、露光処理及び現像処理の一連の処理が行われることで、所定形状のレジストパターンを形成することができる。
以上のように、本実施形態によれば、光透過性および耐熱性を両立させたプレパターンを得るため、該プレパターンをポストベーク処理で硬化させることで信頼性の高いレジストパターンを形成できる。
本実施形態で形成されたレジストパターンは、耐久性(耐ドライエッチング性)および光透過性に優れるため、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等に用いられるアクティブマトリクス基板の層間絶縁膜や、半導体素子のウエハコート材料(表面カバー膜、バンプ保護膜、MCM(multi-chip module)層間保護膜、ジャンクションコート)、パッケージ材(封止材、ダイボンディング材)等の永久レジスト膜として好適に使用することも可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る紫外線照射ユニットについて説明する。
図6は、第2実施形態に係る光照射ユニットを構成する紫外線照射装置1Aの斜視図である。図7は、第2実施形態に係る紫外線照射装置1Aの上面図である。図8は、第2実施形態に係る紫外線照射装置1Aの側面図である。なお、図6乃至8において、第1実施形態と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<紫外線照射装置>
図6乃至8に示すように、紫外線照射装置1Aは、チャンバ202、ステージ203、照射ユニット4、搬送機構205、冷却部6、ガス供給部7及び制御部CONTを備える。制御部CONTは、紫外線照射装置201の構成要素を統括制御する。
チャンバ202は、第一チャンバ202A及び第二チャンバ202Bを備える。
第一チャンバ202A及び第二チャンバ202Bは、照射ユニット4の移動方向であるX方向に並ぶ。
本実施形態においては、ブリーチング処理を行うための第一チャンバ202A内には加熱部26が設けられていない。
一方、硬化処理を行うための第二チャンバ202B内には加熱部26が設けられている。そのため、第二チャンバ202B内では、基板Gがチャンバ底板上に直接載置される構成となっている。
紫外線照射装置1Aは、第一チャンバ202A内において光照射(紫外線の照射)を行うことで基板Gに上に形成されたプレパターンを脱色するブリーチング処理を行った後、第二チャンバ202B内において光照射(紫外線の照射)を行うことで基板Gに上に形成されたプレパターンを硬化する硬化処理を行う。
ステージ203は、第一チャンバ202A、第二チャンバ202B及び搬送機構205を上面で支持する。ステージ203は、上面視でX方向に延びる長方形状の板状をなす。
ステージ203は、筐体下部231によって下方から支持される。
筐体下部231は、複数の鋼材等の角柱を格子状に組み合わせて形成される。
ステージ203には、筐体232が設けられる。筐体232は、柱部233及び壁部234を備える。
柱部233は、複数の鋼材等の角柱を格子状に組み合わせて形成され、第一チャンバ202A、第二チャンバ202B、照射ユニット4及び搬送機構205を囲む。
壁部234は、柱部233の隙間(各角柱の間)に設けられ、第一チャンバ202A、第二チャンバ202B,照射ユニット4及び搬送機構205の周囲及び上方を覆う。
例えば、壁部234は、透明な板材によって形成される。これにより、筐体232の外部から筐体232内の構成要素を視認することができる。
搬送機構205は、第一チャンバ202A及び第二チャンバ202Bの外部に設けられる。搬送機構205は、各チャンバ202A,202Bの外部から各チャンバ202A,202Bの内部に収容されている基板Gに紫外線が照射されるように照射ユニット4を各チャンバ202A,202Bの外部で移動させる。搬送機構205は、ガイド部250、土台53及び門型フレーム54を備える。
ガイド部250は、一対の第一レール251A及び一対の第二レール251Bと、スライダ52とを備える。
一対の第一レール251Aは、第一チャンバ202Aを−Y方向側及び+Y方向側から挟むようにX方向に延びる。
一対の第二レール251Bは、第二チャンバ202Bを−Y方向側及び+Y方向側から挟むようにX方向に延びる。
スライダ52は、一対の各レール251A,レール251Bに沿って摺動可能に構成される。
土台53は、ステージ203に複数(例えば本実施形態では八つ)設けられる。各土台53は、一対の各レール251A,251BにおけるX方向両端部を支持する。
門型フレーム54は、一対の各レール251A,251Bに沿って移動可能とされる。門型フレーム54における各門柱部54aの下端部は、スライダ52上面に載置される。
図7に示すように、X方向において、各レール251A,251Bの長さL11,L12は、各チャンバ202A,202Bの長さL21,L22よりも長い(L11>L21,L12>L22)。本実施形態では、X方向において、各レール251A,251Bの長さL11,L12は、各チャンバ202A,202Bの長さL21,L22と、門型フレーム54二つ分の長さ(2×L3)と、を足し合わせた長さ(L21+2×L3,L22+2×L3)よりも長くする。これにより、上面視において、各チャンバ202A,202Bの+X方向端を超える領域から各チャンバ202A,202Bの−X方向端を超える領域まで照射ユニット4を移動させることができる。
<ベルトコンベア>
本実施形態において、照射ユニット4の移動方向であるX方向における第一レール251Aと第二レール251Bとの間には、門型フレーム54の移動を補助するベルトコンベア209が着脱可能に設けられる。ベルトコンベア209は、第一レール251Aと第二レール251Bとの間を橋渡すようにX方向に延びる。ベルトコンベア209は、回転方向を切替可能とされる。これにより、門型フレーム54の第一レール251Aから第二レール251Bへの移動と、第二レール251Bから第一レール251Aへの移動とを補助するようになっている。
<紫外線照射方法>
次に、本実施形態に係る紫外線照射装置1Aによる紫外線照射方法を説明する。本実施形態では、紫外線照射装置1Aを用いて図5に示した第1光照射工程S5と第2光照射工程S6とを実行する。紫外線照射装置1Aの各部で行われる動作は、制御部CONTによって制御される。なお、本実施形態に係る紫外線照射方法において、第一実施形態と同様の工程については、その詳細な説明を省略する。
第1光照射工程S5においては、第一チャンバ202A内にて光照射(紫外線の照射)を行うことで基板G上に形成されたプレパターンを脱色するブリーチング処理が実行される。
不図示の搬送機構は、基板搬出入口21aを介して第一チャンバ202A内に基板Gを搬送する。基板Gの搬入後、第一チャンバ202Aは基板搬出入口21aを閉塞して内部を密閉する。
具体的に、昇降機構25は、リフトピン25aを第一チャンバ2内の+Z方向に移動させておく。搬送機構は、リフトピン25aに基板Gを受け渡した後、基板搬出入口21aから第一チャンバ202A外へと退避する。昇降機構25は、基板Gを受け取ったリフトピン25aを第一チャンバ202A内の−Z方向に移動し、該第一チャンバ202Aの底板22に基板Gを載置する。
続いて、照射ユニット4は、基板Gに紫外線を照射する。本実施形態において、照射ユニット4は、例えば、i線をプレパターンに照射する。
照射ユニット4は、第一チャンバ202Aの外部から該第一チャンバ202Aの内部に収容されている基板Gに紫外線が照射されるように、一対の第一レール251Aに沿って移動する。例えば、図7の上面視において、第一チャンバ202Aの+X方向端を超える領域から第一チャンバ202Aの−X方向端を超える領域まで照射ユニット4を往復移動させる。
第一チャンバ202A内でのブリーチング処理が終了した基板Gは搬送機構(不図示)により第二チャンバ202B内に搬送される。
具体的に、昇降機構25は、第一チャンバ202Aのチャンバ底板に載置された基板Gを支持しつつ第一チャンバ202A内のZ方向に移動する。搬送機構は、基板搬出入口21aから第一チャンバ202A内に移動し、リフトピン25a(昇降機構25)に支持された基板Gを受け取る。基板Gを受け取った搬送機構は、基板搬出入口21aより第一チャンバ202A外へと退避し、基板Gを第二チャンバ202Bに受け渡す。
続いて、第二チャンバ202B内にて第2光照射工程S6が行われる。第2光照射工程S6においては、第二チャンバ202B内にて光照射(紫外線の照射)を行うことで基板G上に形成されたプレパターンを硬化する硬化処理を行う。
不図示の搬送機構は、基板搬出入口21aを介して第二チャンバ202B内に基板Gを搬送する。基板Gの搬入後、第二チャンバ202Bは基板搬出入口21aを閉塞して内部を密閉する。
具体的に、昇降機構25は、リフトピン25aをチャンバ2内の+Z方向に移動させておく。搬送機構は、リフトピン25aに基板Gを受け渡した後、基板搬出入口21aから第二チャンバ202B外へと退避する。昇降機構25は、基板Gを受け取ったリフトピン25aを第二チャンバ202B内の−Z方向に移動し、基板Gを加熱部26上に載置する。
続いて、照射ユニット4は、基板Gに紫外線を照射する。照射ユニット4は、第二チャンバ202Bの外部から該第二チャンバ202Bの内部に収容されている基板Gに紫外線が照射されるように、一対の第二レール251Bに沿って移動する。本実施形態において、照射ユニット4の移動方向であるX方向における第一レール251Aと第二レール251Bとの間にはベルトコンベア209が設けられるため、照射ユニット4は第一チャンバ202A及び第二チャンバ202Bの上方の間をスムーズに往復移動することができる。
なお、第二チャンバ202B内の基板Gに対して紫外線照射を行っている間、第一チャンバ202A内には新たな基板Gが搬入される。これによれば、照射ユニット4が第一チャンバ202Aの上方に移動した直後から紫外線照射を行うことができるので、紫外線照射処理に要するタクトタイムを短縮できる。
以上のように、本実施形態によれば、チャンバ202は、各基板Gを密閉空間で収容可能であり且つ照射ユニット4の移動方向(X方向)に並ぶ第一チャンバ202A及び第二チャンバ202Bを含み、ガイド部250は、第一チャンバ202Aを挟むように延びる第一レール251Aと、第一レール251Aに照射ユニット4の移動方向(X方向)に並ぶと共に第二チャンバ202Bを挟むように延びる第二レール251Bと、を含むことで、第一レール251A及び第二レール251Bに沿って照射ユニット4を移動させることができる。そのため、本実施形態によれば、第一チャンバ202A内の基板Gへの紫外線照射と第二チャンバ202B内の基板Gへの紫外線照射とを1つの照射ユニット4により行うことができる。
また、第一チャンバ202A及び第二チャンバ202Bを備えた構成において、フットプリントの縮小化、各チャンバ202A,202B内の酸素濃度・露点の管理の容易化を図ると共に、各チャンバ202A,202B内の酸素濃度を調整する際に使用する窒素の消費量を削減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが上記実施形態の内容に限定されることはなく、発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
上記第1実施形態では、第2の光照射装置UV2において、低露点雰囲気内で基板Gを加熱した状態で紫外線照射を行う場合を例に挙げたが、真空雰囲気内で基板Gを加熱した状態で紫外線照射を行うようにしても良い。
この場合、チャンバ2内を真空ポンプ等から構成された減圧装置で減圧することで水蒸気分圧差を人工的に大きくし、プレパターン内の水分を低い温度で蒸発させる。この構成によれば、チャンバ2内が真空雰囲気であるため、プレパターン内の水分が常温程度で蒸発する。そのため、本変形例において、加熱部26は水分が蒸発したことでプレパターンの温度が低下しないように基板Gの温度を一定に保持している。これにより、プレパターン内の水分を効率良く蒸発させることが可能となる。
また、上記第二実施形態においては、補助ガイド部としてベルトコンベアを用いたが、これに限らず、リニアモータアクチュエータを用いても構わない。例えば、ベルトコンベア及びリニアモータアクチュエータは、X方向に継ぎ足し可能とされてもよい。これにより、X方向における門型フレーム54の移動距離を調整することができる。
また、上記第二実施形態においては、第一レール及び第二レールを設けたが、一つのレールのみを設けても構わない。この場合、X方向において、レールの長さは、各チャンバ202A,202Bの長さL21,L22を足し合わせた長さよりも長くする。
また、上記実施形態では、ポジ型レジスト組成物を基板G上に塗布してレジストパターンを形成する場合を例に挙げたが、本発明はポジ型レジストに限定されない。例えば、未露光部が溶解除去されてプレパターンを形成するネガ型レジスト組成物についても本発明は適用可能である。このようなレジスト組成物としては、例えば、以下に例示するレジスト組成物(r3)、(r4)が挙げられる。
<レジスト組成物(r3)>
レジスト組成物(r3)は、アルカリ可溶性樹脂と、酸発生剤と、を含有する化学増幅型ネガ型レジスト組成物である。
レジスト組成物(r3)において、アルカリ可溶性樹脂は、一般にネガ型の化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂として用いられている樹脂を、露光に使用する光源に応じて、従来公知のものの中から任意に選択して使用することが可能である。例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、アクリル樹脂などをそれぞれ単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記アルカリ可溶性樹脂の含有量は、例えばレジスト組成物(r3)がアルカリ可溶性樹脂と酸発生剤と後述の可塑剤とを含有する場合、アルカリ可溶性樹脂と酸発生剤と可塑剤との固形分総量100質量部に対して30〜99質量部が好ましく、より好ましくは65〜95質量部の範囲である。
レジスト組成物(r3)において、酸発生剤としては、光の照射により直接若しくは間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されず、従来公知のものの中から任意に選択して使用することが可能である。
酸発生剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
レジスト組成物(r3)中、上記酸発生剤の含有量は、レジスト組成物(r3)の固形分総量100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜2質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部の範囲である。
レジスト組成物(r3)においては、アルカリ可溶性樹脂、及び酸発生剤以外の成分を、必要に応じて用いることができる。例えば、アルカリ可溶性樹脂、及び酸発生剤に加えて、可塑剤を配合してもよい。可塑剤を配合することにより、クラックの発生を抑制できる。可塑剤としては、アクリル樹脂、ポリビニル樹脂などが挙げられる。
また、レジスト組成物(r3)には、アルカリ可溶性樹脂及び酸発生剤に加えて、または、アルカリ可溶性樹脂と酸発生剤と可塑剤とに加えて、架橋剤を配合してもよい。
かかる架橋剤としては、アミノ化合物、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、特にアルコキシメチル化メラミン樹脂やアルコキシメチル化尿素樹脂等のアルコキシメチル化アミノ樹脂等が好適に使用できる。
レジスト組成物(r3)には、上記各成分に加えて、塩基解離性基(好ましくは、フッ素原子を含む塩基解離性基)を含む構成単位を有する含フッ素高分子化合物を必要に応じて配合してもよい。
「塩基解離性基」とは、塩基の作用により解離し得る有機基である。すなわち、「塩基解離性基」は、アルカリ現像液(たとえば、23℃において、2.38質量%のTMAH水溶液)の作用により解離する。
塩基解離性基がアルカリ現像液の作用により解離すると、親水性基が現れるため、アルカリ現像液に対する親和性が向上する。つまり、含フッ素高分子化合物は、疎水性の高い「フッ素原子を有する高分子化合物」であるが、同時に、「塩基解離性基」をも有しているため、アルカリ現像液の作用により、アルカリ現像液に対する親和性が向上する。したがって、該ネガ型レジスト組成物を用いることにより、浸漬露光時には疎水性であって、現像時にはアルカリ現像液に良好に溶解するレジスト膜を形成することができる。
レジスト組成物(r3)には、上記各成分に加えて、必要に応じてトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジブチルアミン、トリエタノールアミン等の第二級または第三級アミン等のクエンチャー;界面活性剤、接着助剤として官能性シランカップリング剤、充填材、着色剤、粘度調整剤、消泡剤などを添加することもできる。
レジスト組成物(r3)は、アルカリ可溶性樹脂と、酸発生剤と、必要に応じてこれら以外の成分と、を有機溶剤に溶解することにより調製できる。
<レジスト組成物(r4)>
レジスト組成物(r4)は、アルカリ可溶性樹脂と、カチオン重合開始剤と、増感剤と、を含有するネガ型レジスト組成物である。
レジスト組成物(r4)において、アルカリ可溶性樹脂としては、多官能エポキシ樹脂が挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、厚膜のレジストパターンを形成するのに充分なエポキシ基を1分子中に有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されず、多官能フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、多官能オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能トリフェニル型ノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、該アルカリ可溶性樹脂として、光硬化性を有するアルカリ可溶性基材も用いることができる。
レジスト組成物(r4)において、カチオン重合開始剤は、紫外線、遠紫外線、KrF、ArF等のエキシマレーザー、X線、または電子線等の照射を受けてカチオン部を生じるものであり、そのカチオン部が重合開始剤となり得る化合物である。このカチオン重合開始剤としては、従来公知のものの中から任意に選択して使用することが可能である。
カチオン重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
レジスト組成物(r4)中、上記カチオン重合開始剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましい。カチオン重合開始剤の含有量を0.5質量部以上とすることで、充分な光感度を得ることができる。一方、20質量部以下とすることで、レジスト膜の特性が向上する。
レジスト組成物(r4)において、増感剤は、上記の多官能エポキシ樹脂と架橋形成可能な、ナフタレン誘導体またはアントラセン若しくはその誘導体からなるものが好ましい。このような増感剤の増感機能により、レジスト組成物をさらに高感度化することができる。その中でも特に、水酸基を2つ有するジヒドロキシナフタレン、またはアントラセンからなる増感剤を含有することが好ましい。これらの増感剤は、複数の芳香環を有することから、レジストパターンを高硬度化することができる。
増感剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
レジスト組成物(r4)中、増感剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部である。
レジスト組成物(r4)においては、アルカリ可溶性樹脂、カチオン重合開始剤及び増感剤以外の成分を、必要に応じて用いることができる。
例えば、レジストパターンの硬化性をより高める点から、オキセタン誘導体を用いることが好ましい。
また、上述したカチオン重合開始剤以外の、感光性樹脂組成物用の光重合開始剤も用いることができる。加えて、露光時の硬化不良が生じ難く、充分な耐熱性を得やすいことから、光重合性化合物を配合してもよい。
さらに、レジスト組成物(r4)には、所望により、混和性のある添加剤、例えば、レジストパターンの性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤、カップリング剤、レベリング剤等の従来公知のものを適宜配合することができる。
レジスト組成物(r4)は、アルカリ可溶性樹脂と、カチオン重合開始剤と、増感剤と、必要に応じてこれら以外の成分と、を有機溶剤に溶解することにより調製できる。
SPA…パターン形成装置(レジストパターン形成装置)、UV1…第1の光照射装置、UV2…第2の光照射装置、PB…ポストベークユニット(加熱装置)、26…加熱部、47…塗布装置、48…現像装置。

Claims (8)

  1. 基板上にレジスト膜を塗布する塗布装置と、
    前記レジスト膜の現像処理を行うことでプレパターンを形成する現像装置と、
    常温雰囲気下で現像後の前記プレパターンに光照射することで該プレパターンを脱色する第1の光照射装置と、
    脱色後の前記プレパターンに光照射することで該プレパターンを硬化させる第2の光照射装置と、
    を備え、
    前記第2の光照射装置は、
    前記基板上に紫外線を照射する照射部と、
    前記照射部から射出される前記紫外線を前記基板上に集光する集光部材と、
    前記基板を収容するチャンバを跨ぐように門型に形成されるとともに、前記照射部及び前記集光部材を保持し、一対のレールに沿って移動可能とされた門型フレームと、を備える
    レジストパターン形成装置。
  2. 前記第2の光照射装置は、前記プレパターンを加熱する加熱部を有する
    請求項1に記載のレジストパターン形成装置。
  3. 前記第2の光照射装置は、光照射処理を行うチャンバ内が低露点雰囲気である
    請求項1または2に記載のレジストパターン形成装置。
  4. 前記第2の光照射装置による光照射後の前記プレパターンを加熱する加熱装置をさらに備える
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジストパターン形成装置。
  5. 基板上にレジスト膜を塗布する塗布工程と、
    前記レジスト膜の現像処理を行うことでプレパターンを形成する現像工程と、
    前記現像工程後の前記プレパターンに常温雰囲気下で光照射することで該プレパターンを脱色する第1の光照射工程と、
    脱色後の前記プレパターンに光照射することで該プレパターンを硬化させる第2の光照射工程と、
    を備え、
    前記第2の光照射工程においては、
    前記基板上に紫外線を照射する照射部と、
    前記照射部から射出される前記紫外線を前記基板上に集光する集光部材と、
    前記基板を収容するチャンバを跨ぐように門型に形成されるとともに、前記照射部及び前記集光部材を保持し、一対のレールに沿って移動可能とされた門型フレームと、を用いる
    レジストパターン形成方法。
  6. 前記第2の光照射工程においては、前記プレパターンを加熱する
    請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
  7. 前記第2の光照射工程は、低露点雰囲気のチャンバ内にて前記プレパターンに光照射する
    請求項5または6に記載のレジストパターン形成方法。
  8. 前記第2の光照射工程による光照射後の前記プレパターンを加熱する加熱工程をさらに備える
    請求項5〜7のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
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