JP2016091582A - 磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク Download PDF

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Abstract

【課題】高記録密度化に対応した磁気ディスク用ガラス基板を提供する。
【解決手段】主表面を有する磁気ディスク用ガラス基板であって、前記主表面において原子間力顕微鏡により測定した算術平均粗さRaが0.15nm以下であって、原子間力顕微鏡により測定した結果に基づき、所定の領域を、角度方向を0°から180°まで1°ごとに変化させながら各々の角度方向における角度方向算術平均粗さRa_degを算出し、前記算出された角度方向算術平均粗さRa_degのうち、最も大きい値を角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxとし、最も小さい値を角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minとした場合に、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値が、2.6以下であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクに関する。
ハードディスクドライブ装置(HDD装置)に搭載される磁気記録媒体として磁気ディスクがある。磁気ディスクは、金属基板やガラス基板の上に、磁性層を成膜することにより形成されており、従来は、磁気ディスク用の基板としてアルミニウム合金基板が広く用いられていたが、近年の磁気ディスクの小型化、薄板化、高記録密度化に伴い、アルミニウム合金基板に比べて表面の平滑性が高く、薄板における強度に優れたガラス基板が多く用いられている。
しかしながら、磁気ディスクにおいては、更なる高記録密度化の要求が高く、今後は、単に、磁気ディスク用基板としてガラス基板を用いただけでは、磁気ディスクの高記録密度化に十分に対応できない場合がある。即ち、磁気ディスクにおいては、基板の主表面の上に成膜されている磁性膜において情報の記録が行われるが、この磁性層における磁気特性は、基板の主表面の表面状態等に依存する。このため、基板の主表面の表面状態等によっては、磁気ディスクの高記録密度化に十分に対応できない場合がある。
国際公開第2010/038741号パンフレット 特開2007−26536号公報
具体的には、磁気ディスク用ガラス基板においては、磁気ディスクの高記録密度化のため、磁気ディスク用ガラス基板の主表面の表面粗さ(算術平均粗さRa)を低減することが求められている。例えば、500GB/PL(2.5インチサイズの磁気ディスク)に対応した磁気ディスク用ガラス基板の主表面においては、算術平均粗さRaを0.15nm以下とすることが求められている。
しかしながら、更に磁気ディスクを高記録密度化しようとした場合、磁気ディスク用ガラス基板の主表面における算術平均粗さRaを単に小さくしても、磁気ディスクの記録再生特性において、例えば指標の一つとなるミッシングパルス等のエラーを充分に抑制することができない。
従って、本願は、660Gbit/in、750Gbit/in、1Tbit/in等、あるいはそれ以上の高記録密度の磁気ディスク、あるいは、2.5インチディスク一枚あたり、660GB、750GB、1TB等、あるいはそれ以上の高記録密度の磁気ディスクにおいて、ミッシングパルス等の記録再生特性におけるエラーを充分に抑制することのできる高記録密度化に対応した磁気ディスク用ガラス基板を提供することを目的とする。
本実施の形態の一観点によれば、主表面を有する磁気ディスク用ガラス基板であって、前記主表面において原子間力顕微鏡により測定した算術平均粗さRaが0.15nm以下であって、原子間力顕微鏡により測定した結果に基づき、所定の領域を、角度方向を0°から180°まで1°ごとに変化させながら各々の角度方向における角度方向算術平均粗さRa_degを算出し、前記算出された角度方向算術平均粗さRa_degのうち、最も大きい値を角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxとし、最も小さい値を角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minとした場合に、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値が、2.6以下であることを特徴とする。
開示の磁気ディスク用ガラス基板によれば、高記録密度化に対応した磁気ディスク用ガラス基板を提供することができる。
本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板の構造図 本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板の評価方法の説明図(1) 本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板の評価方法の説明図(2) 本実施の形態における磁気ディスクの構造図
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
最初に、磁気ディスク用ガラス基板の主表面について説明する。磁気ディスクの垂直磁性層として用いられる垂直磁気材料は、垂直磁性層における磁性合金の結晶配向の揃い方が、記録再生特性(S/N比)に大きく影響を及ぼす。具体的には、磁性合金の結晶の磁化容易軸が垂直配向している状態が理想的であるが、配向が揃わないと再生信号におけるノイズ成分が増加してしまう。
垂直磁性層における結晶配向を揃えるために、垂直磁性層の下に配向膜や更に下地膜等を積層する方法が開示されているが、これらの膜を積層するガラス基板の主表面における表面状態も結晶配向に大きな影響を及ぼしている。
垂直磁性層の結晶配向を揃え磁気記録再生特性を向上させるためには、ガラス基板の主表面を研磨し、研磨されている主表面における表面粗さが所定の値以下となるように規定したり、高輝度下において目視により、研磨痕が少ない、あるいは研磨痕が見えない状態のガラス基板を用いる方法がある。
しかしながら、基板の主表面における表面粗さを所定の値以下としたガラス基板を用いて磁気ディスクを作製しても、記録再生特性を充分に向上できないことを発明者らは見出した。また、高輝度下において目視により、研磨痕が見えない状態の基板であっても、AFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)等の高解像度の表面測定においては、ある方向に方向性を有する筋状パターンが存在し、このような方向性を有する筋状パターンが、成膜される磁性膜の結晶配向を乱す要因となるおそれがある。
本発明は、上記の課題を解決することを目的とするものであり、基板の主表面において、AFMによって観測されるレベルの筋状パターンの状態を規定することにより、高記録密度において記録再生特性に優れる磁気ディスク用ガラス基板を提供するものである。
(磁気ディスク用ガラス基板)
次に、本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板について説明する。図1に示されるように、本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板10は、ドーナッツ形状となるように形成されており、中央部分に円形の開口部11を有している。本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板において、開口部11が形成されている内側が内周面21、外側が外周面22となっており、内周面21と外周面22との間における主表面30の上に、磁性層を成膜することにより磁気ディスクが作製される。
(磁気ディスク用ガラス基板の製造方法)
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、素板加工工程、面取部加工工程、端面研磨工程、および主表面研磨工程などを有する。これらの工程の間や、これらの工程の後に、エッチング工程、洗浄工程、乾燥工程などが行われてもよい。
素板加工工程は、ガラス素板を加工することにより、中央部に円孔を有する円盤状のガラス基板を得る。ガラス素板は、例えばフロート法、フュージョン法、プレス成形法、ダウンドロー法、リドロー法などで成形される。
面取部加工工程は、面取砥石でガラス基板の端面(内周端面および外周端面)を研削することにより、ガラス基板の端面に面取部および側面部を形成する。面取部はガラス基板の主面に対して斜めとされてよく、側面部はガラス基板の主面に対して垂直とされてよい。尚、面取部は平面でなくてもよく、丸みを帯びた曲面でもよい。
端面研磨工程は、研磨液を供給しながら回転ブラシで面取部および側面部を研磨することにより、面取部や側面部における加工変質層を除去する。回転ブラシによる研磨部位には研磨液が供給される。
尚、複数の端面研磨工程が順次行われてもよく、回転ブラシだけで加工変質層を除去しなくてもよい。回転ブラシによるブラシ研磨の他に、スポンジ研磨、粘性流体研磨、磁性流体研磨などが行われてもよい。複数の端面研磨工程の間には、洗浄工程や乾燥工程が行われてよい。
主表面研磨工程は、ガラス基板の主表面(第1主表面および第2主表面)を研磨する。主表面研磨工程では、ガラス基板の第1表面および第2表面を同時に研磨する両面研磨機が用いられてよい。両面研磨機は、複数のガラス基板を同時に研磨してよい。
尚、複数の主面研磨工程が順次行われてもよい。複数の主面研磨工程は、研磨パットの種類や研磨液に含まれる砥粒の粒度を変えて行われる。複数の主面研磨工程の間には、洗浄工程や乾燥工程が行われてよい。
尚、各工程の順序は、特に限定されない。例えば、主表面研磨工程の後に、端面研磨工程が行われてもよい。また、各工程以外の工程が行われてもよい。例えば、主面研磨工程の前に、ガラス基板の主表面のラップ(例えば遊離砥粒ラップ、固定砥粒ラップなど)が行われてよい。また、端面研磨工程や主表面研磨工程の後、主表面研磨工程の間に、化学強化が行われてもよい。化学強化は、ガラス板の表面に含まれる小さなイオン半径のイオン(例えばLiイオンやNaイオン)を大きなイオン半径のイオン(例えばKイオン)に置換し、表面から所定の深さの強化層を形成する。強化層には圧縮応力が残留するため、傷が付きにくい。
本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板は、磁気ディスク用ガラス基板の主表面30において、AFMにより得られた算術平均粗さRaが0.15nm以下であって、AFMにより得られた結果より所定の領域において角度方向を0°から180°まで1°ごとに変化させながら各々の角度方向における角度方向算術平均粗さRa_degを算出し、算出された角度方向算術平均粗さRa_degのうち、最も大きい値を角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxとし、最も小さい値を角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minとした場合に、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値が2.6以下となるものである。
(角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_max、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_min)
次に、本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板において、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_max、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minの算出方法について説明する。
最初に、AFMを用いて磁気ディスク用ガラス基板の測定を行う。AFM装置においては、機構的には磁気ディスク用ガラス基板の傾斜を完全には解消することができないため、AFMにより得られた測定結果に基づき、算術的に傾斜補正を行う。このように傾斜補正が行われたものに、ハイパスフィルタ(ローカットフィルタ)、例えば、カットオフ波長が50nmのハイパスフィルタをかける。この後、図2に示されるように、所定の角度方向における角度方向算術平均粗さRa_degを各々の角度θにおける角度方向ごとに算出する。
具体的には、磁気ディスク用ガラス基板の主表面において、長手方向の長さL、短手方向の長さL/3の領域における角度方向算術平均粗さRa_degを算出する。本実施の形態においては、長手方向を角度方向とし、例えば、長手方向の長さLは500nmとする。角度方向算術平均粗さRa_degを算出する工程を角度方向を1°ごとに変化させながら行うことにより、角度方向の角度θと角度方向算術平均粗さRa_degとの関係を得る。このようにして得られた角度方向の角度θと角度方向算術平均粗さRa_degとの関係を図3に示す。図3に示される角度方向算術平均粗さRa_degのうち、最大の値を角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxとし、最小の値を角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minとする。
尚、本実施の形態においては、まず、AFMにより得られた磁気ディスク用ガラス基板の主表面のデータにおいて、短手方向と長手方向の長方形の部分のデータを抽出し、各短手方向のデータについて高さの平均値(短手方向の平均高さ)を求める。次に、短手方向の平均高さにより形成される長手方向の曲線をその角度方向における断面曲線(その角度における長手方向の断面曲線)とする。そして、長手方向の断面曲線の算術平均粗さを算出し、これを角度方向算術平均粗さRa_degとしている。
このようにして得られた角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_max及び角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minに基づき、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値を算出する。
本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板は、AFMにより得られた結果より所定の領域において角度方向を0°から180°まで1°ごとに変化させながら各々の角度方向における角度方向算術平均粗さRa_degを算出し、算出された角度方向算術平均粗さRa_degのうち、最も大きい値を角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxとし、最も小さい値を角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minとした場合に、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値が2.6以下となるものである。
(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値を2.6以下とすることにより、磁気ディスク用ガラス基板の主平面に磁性層などを形成して磁気ディスクとして記録再生信号の強度を評価したとき、再生した時に得られる出力が閾値以下となることを抑制でき、磁気ディスクを更に高記録密度化することができる。
尚、本実施の形態においては、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は2.4以下がより好ましく、更には、2.2以下が好ましく、より一層好ましいのは、2.0以下である。
また、本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板においては、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値が0.024nm以下である。
(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値を0.024nm以下とすることにより、磁気ディスク用ガラス基板の主平面に磁性層などを形成して磁気ディスクとして記録再生信号の強度を評価したとき、再生した時に得られる出力が閾値以下となることを抑制でき、磁気ディスクを更に高記録密度化することができる。
尚、本実施の形態においては、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.022nm以下がより好ましく、更には、0.018nm以下が好ましく、より一層好ましいのは、0.016nm以下である。
尚、角度方向算術平均粗さRa_degは、測定の際のノイズや磁気ディスク用ガラス基板自体のうねり等に阻害されずに、筋状パターンの状態を正確に把握するために、筋状パターンの周期の2倍程度の波長のハイパスフィルタを使用するのが好ましい。
(磁気ディスク)
本実施の形態における磁気ディスクは、図4に示されるように、上述した本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板10の主表面30の上に、垂直磁化膜50となる垂直磁性層を成膜することにより作製される。垂直磁性層を形成する磁性材料としては、CoCrPt系合金、FePt系合金等が挙げられる。
具体的には、本実施の形態における磁気ディスク用ガラス基板10に、以下の方法にて垂直磁性層等を成膜することにより、磁気ディスクが作製される。作製される磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板の主表面において、少なくとも垂直磁性層、保護層、潤滑膜が形成されている。垂直磁性層は垂直磁気記録方式に対応した材料が用いられる。尚、記録密度を更に向上させたい場合は、エネルギーアシスト磁気記録方式(例えば、熱アシスト磁気記録方式、マイクロ波アシスト磁気記録方式など)が好ましく、この場合には、垂直磁性層にはエネルギーアシスト磁気記録方式に対応した材料が用いられる。
垂直記録方式の場合には、磁気ヘッドからの記録磁界を環流させる役割を果たす軟磁性材料からなる軟磁性下地層を形成するのが一般的である。軟磁性下地層は、Co、Fe、Ni等を含む軟磁性材料が用いられる。具体的には、FeCo系合金、FeNi系合金、FeAl系合金、FeCr系合金、FeTa系合金、FeMg系合金、FeZr系合金、FeC系合金、FeN系合金、FeSi系合金、FeP系合金、FeNb系合金、FeHf系合金、FeB系合金等が用いられる。
また、磁気ディスク用ガラス基板10の主表面30における吸着ガスや吸着水分の影響、或いは磁気ディスク用ガラス基板10に含まれる成分の拡散等による軟磁性下地層の腐食を抑制するために、磁気ディスク用ガラス基板10と軟磁性下地層との間に、密着層を設けてもよい。密着層を形成する材料としては、Cr、Cr合金、Ti、Ti合金等が挙げられ、厚さ2nm〜40nm程度が好ましい。密着層は、例えば、スパッタリングによる成膜により形成することができる。
軟磁性下地層と垂直磁性層との間に、配向制御層を設けることにより、垂直磁性層の結晶粒を微細化し、記録再生特性を向上させることができる。配向制御層は、RuやRu合金、Pt、Au及びAgを含む材料ならびにCoCr系合金、TiまたはTi合金等の材料を用いることができ、膜厚は約2〜20nmが好ましい。この配向制御層は、垂直磁性層のエピタキシャル成長を容易にする機能及び軟磁性下地層と垂直磁性層との磁気交換結合を断つ機能を有している。更に、軟磁性下地層と配向制御層との間に、配向制御層の結晶粒径を制御するためのシード層を設けてもよい。シード層は、例えば、NiW系合金を用いることができる。垂直磁性層は、磁化容易軸が磁気ディスク用ガラス基板における主表面に対して垂直方向に向いている磁性膜であり、Co、Cr、Pt等を含む材料により形成されている。
垂直磁性層は、高い固有媒体ノイズの原因となる粒間交換結合を低減するため、良好に隔離された微粒子構造、即ち、グラニュラ構造とすることが好ましい。具体的には、CoCrPt系合金等に、酸化物(SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、TiO等)や、Cr、B、Ta、Zr等を添加することが好ましい。
垂直磁性層は、磁性層と非磁性層とが交互に積層された構造としてもよい。この場合、非磁性層は、例えば、RuまたはRu合金の材料を用い、厚さ0.6〜1.2nmとすることにより、磁性層をAFC結合(反強磁性交換結合)させることができる。
垂直磁性層の腐食を防ぎ、かつ、磁気ヘッドが媒体に接触した際において、磁気ディスクの表面の損傷を防ぐため、垂直磁性層の上に保護層が形成される。保護層は、C、ZrO、SiO等を含む材料により形成されており、スパッタリング、CVD(chemical vapor deposition)等による成膜により形成することができる。
保護膜の表面には、磁気ヘッドと記録媒体との摩擦を低減するため、潤滑膜が形成されている。潤滑膜は、例えば、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。これら潤滑膜は、ディップ法、スプレー法等により形成することができる。
(磁気ディスク用ガラス基板の製造方法)
本実施の形態における例1〜9における磁気ディスク用ガラス基板として、外径が65mm、内径が20mm、板厚が0.64mmの磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について説明する。本願においては、例1〜7は実施例であり、例8、9は比較例である。
フロート法で成形されたSiOを主成分とするガラス素板をドーナツ状円形ガラス基板(中央部に円孔を有する円盤形状ガラス基板、以下、単にガラス基板と記載する場合がある)に加工する、円形(ドーナツ形状)加工を行った。
次に、このドーナツ状円形ガラス基板の内周側面と外周側面を、面取り幅0.15mm、面取り角度45°の磁気ディスク用ガラス基板が得られるように面取り加工した。
次に、アルミナ砥粒を用いて、ガラス基板の上下における主表面をラッピングし、砥粒を洗浄除去した。研磨具として鋳鉄定盤と、アルミナ砥粒を含有する研削液を用いて、両面研磨装置(スピードファム社製、製品名:DSM−16B−5PV−4MH)により、ガラス基板の上下における主表面を1次研削した。
次に、外周側面と外周面取り部を、研磨ブラシと酸化セリウム砥粒を用いて研磨し、外周側面と外周面取り部のキズを除去し、鏡面となるように外周端面を研磨加工した。この後、外周端面研磨後のガラス基板は、砥粒を洗浄除去した。
次に、ガラス基板の内周側面と内周面取り部を研磨ブラシと酸化セリウム砥粒を用いて研磨し、内周側面と内周面取り部のキズを除去し、鏡面となるように内周端面を研磨加工し、砥粒を洗浄除去した。
次に、研磨具として固定砥粒工具(平均粒径4μmのダイヤモンド粒子を含有)と界面活性剤を含有する研削液を用いて、両面研削装置(スピードファム社製、製品名:DSM−16B−5PV−4MH)により上下の主表面を2次研削(固定砥粒による研削)し、2次研削後のガラス基板を洗浄し、研削液その他の汚れを除去した。
この後、このガラス基板の主表面を研磨することにより、外径が65mm、内径が20mm、板厚が0.64mmの実施例及び比較例となる磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
主表面研磨工程では、最初に1次研磨を行った。具体的には、研磨具として軟質ウレタン製の研磨パッド(スエード系研磨パッド)と酸化セリウム砥粒を含有する研磨液(平均粒子直径(以下、平均粒径と略す)約1.0μmの酸化セリウムを主成分した研磨液組成物)を用いて、16B型両面研磨装置(スピードファム社製、製品名:DSM16B−5PV−4MH)により、ガラス基板の上下の主表面を1次研磨した。1次研磨は、メインの研磨加工圧力は120g/cm、下定盤回転数は30rpm、上定盤回転数は下定盤と逆方向に10rpm、研磨キャリア公転数10rpm、自転数3rpmで、上下両主平面を板厚方向で合計30μm研磨し、研磨後のガラス基板において、酸化セリウムを洗浄除去した。
次に、2次研磨(仕上研磨)を行った。具体的には、研磨具として軟質ウレタン製の研磨パッドと、平均粒径が20nmのコロイダルシリカ砥粒を含有する研磨液を用いて、16B型両面研磨装置(スピードファム社製、製品名:DSM16B−5PV−4MH)により、1次研磨後のガラス基板の上下の主表面を2次研磨した。2次研磨は、後述する研磨圧力、上下定盤の回転数および研磨キャリアの自転、公転数を途中で切り替える2段階の条件を適用した。
次に、研磨後洗浄を行った。具体的には、研磨後のガラス基板において、研磨剤を洗浄除去した。
次に、最終洗浄を行った。具体的には、2次研磨及び研磨後洗浄を行ったガラス基板を、アルカリ性洗剤によるスクラブ洗浄、アルカリ性洗剤溶液に浸漬した状態での超音波洗浄、純水に浸漬した状態での超音波洗浄、を順次行い、イソプロピルアルコール蒸気により乾燥させた。
(磁気ディスク用ガラス基板の評価方法)
磁気ディスク用ガラス基板の評価として、AFMを用いて磁気ディスク用ガラス基板の主表面における算術平均粗さRaを測定した。また、前述の角度方向算術平均粗さRa_degの算出方法に基づき、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_max、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minを得て、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値を算出した。
AFM装置は、PARK Systems社製、XE−HDMを使用した。測定領域は1μm□、サンプリング点は256点×256点である。AFMの測定は、磁気ディスク用ガラス基板の主平面の中央部で実施し、本実施の形態においては、磁気ディスク用ガラス基板の中心から21mmの領域で実施した。
尚、前述したように、測定データについては傾斜補正を行っており、傾斜補正のなされた測定データに40nmのハイパスフィルタをかけた後、角度方向算術平均粗さRa_degを算出した。
(磁気ディスクの製造方法)
例1〜9における磁気ディスク用ガラス基板を用いて磁気ディスクを製造する製造方法について説明する。
具体的には、例1〜9における磁気ディスク用ガラス基板を精密洗浄して表面のパーティクルを除去した後、インライン型スパッタリング装置により、密着層を、Crターゲットとして、10nmの膜厚で成膜した。密着層の上には、軟磁性下地層を、Co−Fe−Zr−Ta合金をターゲットとして、30nmの膜厚で形成した。次に、シード層を、NiW合金をターゲットとして、10nmの膜厚で形成した。シード層の上には、配向制御層を、Ruをターゲットとして、10nmの膜厚で形成した。配向制御層の上には、垂直磁性層としてCoCrPt−SiOのグラニュラ構造層を10nmの膜厚で形成し、非磁性中間層としてRu膜を0.6nmの膜厚で形成し、更に磁性層としてCoCrPt−SiOのグラニュラ構造層を6nmの膜厚で形成した。上記の各層が積層された磁気ディスク用ガラス基板をインライン型スパッタリング装置から取り出し、CVD法により保護層としてカーボン膜を3nmの膜厚で形成した。この後、ディップ法により、保護層の上に、パーフルオロポリエーテルの潤滑層を2nmの膜厚で形成した。
(磁気ディスク評価)
次に、作製した磁気ディスクについて、ミッシングビットによる磁気ディスク評価を行った。この結果を表1に示す。ミッシングビットは、線記録密度1600kBPI、トラック密度500kTPI(面記録密度800Gbit/inch)の条件で記録し、再生した際の信号強度を測定して評価した。再生した時に得られる出力が、合格の閾値(第一の閾値)以下であるものをミッシングビットとし、第一の閾値以下だが修正可能な第二の閾値(第一の閾値の80%)以上のものをコレクダブル・ミッシングビット(Correctable Missing Bit)、修正不可能なもの(第一の閾値の80%未満)をアンコレクタブル・ミッシングビット(Uncorrectable Missing Bit)として、各条件500枚の磁気ディスクについて測定し、1面当たりの個数として算出した。
表1においては、磁気ディスクの評価は、このように測定されたコレクダブル・ミッシングビット、アンコレクタブル・ミッシングビットに基づき、A、B、C、Dのランクで示した。具体的には、表2に示されるように、コレクダブル・ミッシングビットが0.3(個/面)未満、アンコレクタブル・ミッシングビットが0.1(個/面)未満のものをランクAとした。また、コレクダブル・ミッシングビットが0.3〜0.4(個/面)、アンコレクタブル・ミッシングビットが0.1〜0.2(個/面)のものをランクBとした。また、コレクダブル・ミッシングビットが0.4〜0.7(個/面)、アンコレクタブル・ミッシングビットが0.2〜0.3(個/面)のものをランクCとした。また、コレクダブル・ミッシングビットが0.7(個/面)を超え、アンコレクタブル・ミッシングビットが0.3(個/面)を超えるものをランクDとした。
Figure 2016091582
Figure 2016091582
以下、例1〜9について詳細に説明する。
(例1)
例1における磁気ディスク用ガラス基板は、2次研磨の第1段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−7rpm、下定盤回転数が21rpm、研磨キャリア公転数が7rpm、研磨キャリア自転数が2.5rpm、研磨時間が20分の条件で行った。また、2次研磨の第2段階は、40g/cmの圧力で、上定盤回転数が−3rpm、下定盤回転数が9rpm、研磨キャリア公転数が3rpm、研磨キャリア自転数が1.1rpm、研磨時間が0.5分の条件で行った。
この条件で作製された例1における磁気ディスク用ガラス基板において、AFMにより得られた算術平均粗さRaは0.08nmであり、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxは0.031nmであり、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minは0.016nmであり、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は2.0であり、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.015nmであった。また、例1における磁気ディスク用ガラス基板に垂直磁性層を成膜して得られた磁気ディスクの磁気ディスク評価の結果は、コレクダブル・ミッシングビットはランクAであり、アンコレクタブル・ミッシングビットはランクAであった。
(例2)
例2における磁気ディスク用ガラス基板は、2次研磨の第1段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−7rpm、下定盤回転数が21rpm、研磨キャリア公転数が7rpm、研磨キャリア自転数が2.5rpm、研磨時間が20分の条件で行った。また、2次研磨の第2段階は、50g/cmの圧力で、上定盤回転数が−3rpm、下定盤回転数が9rpm、研磨キャリア公転数が3rpm、研磨キャリア自転数が1.5rpm、研磨時間が0.5分の条件で行った。
この条件で作製された例2における磁気ディスク用ガラス基板において、AFMにより得られた算術平均粗さRaは0.07nmであり、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxは0.030nmであり、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minは0.016nmであり、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は1.9であり、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.015nmであった。また、例2における磁気ディスク用ガラス基板に垂直磁性層を成膜して得られた磁気ディスクの磁気ディスク評価の結果は、コレクダブル・ミッシングビットはランクAであり、アンコレクタブル・ミッシングビットはランクAであった。
(例3)
例3における磁気ディスク用ガラス基板は、2次研磨の第1段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−7rpm、下定盤回転数が21rpm、研磨キャリア公転数が7rpm、研磨キャリア自転数が2.5rpm、研磨時間が20分の条件で行った。また、2次研磨の第2段階は、60g/cmの圧力で、上定盤回転数が−3rpm、下定盤回転数が9rpm、研磨キャリア公転数が3rpm、研磨キャリア自転数が1.1rpm、研磨時間が0.5分の条件で行った。
この条件で作製された例3における磁気ディスク用ガラス基板において、AFMにより得られた算術平均粗さRaは0.11nmであり、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxは0.037nmであり、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minは0.018nmであり、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は2.1であり、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.020nmであった。また、例3における磁気ディスク用ガラス基板に垂直磁性層を成膜して得られた磁気ディスクの磁気ディスク評価の結果は、コレクダブル・ミッシングビットはランクBであり、アンコレクタブル・ミッシングビットはランクAであった。
(例4)
例4における磁気ディスク用ガラス基板は、2次研磨の第1段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−7rpm、下定盤回転数が21rpm、研磨キャリア公転数が7rpm、研磨キャリア自転数が2rpm、研磨時間が20分の条件で行った。また、2次研磨の第2段階は、50g/cmの圧力で、上定盤回転数が−3rpm、下定盤回転数が9rpm、研磨キャリア公転数が3rpm、研磨キャリア自転数が0.6rpm、研磨時間が0.5分の条件で行った。
この条件で作製された例4における磁気ディスク用ガラス基板において、AFMにより得られた算術平均粗さRaは0.12nmであり、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxは0.033nmであり、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minは0.015nmであり、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は2.2であり、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.018nmであった。また、例4における磁気ディスク用ガラス基板に垂直磁性層を成膜して得られた磁気ディスクの磁気ディスク評価の結果は、コレクダブル・ミッシングビットはランクBであり、アンコレクタブル・ミッシングビットはランクAであった。
(例5)
例5における磁気ディスク用ガラス基板は、2次研磨の第1段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−7rpm、下定盤回転数が21rpm、研磨キャリア公転数が7rpm、研磨キャリア自転数が2rpm、研磨時間が20分の条件で行った。また、2次研磨の第2段階は、50g/cmの圧力で、上定盤回転数が−3rpm、下定盤回転数が9rpm、研磨キャリア公転数が3rpm、研磨キャリア自転数が0.5rpm、研磨時間が0.5分の条件で行った。
この条件で作製された例5における磁気ディスク用ガラス基板において、AFMにより得られた算術平均粗さRaは0.10nmであり、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxは0.033nmであり、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minは0.014nmであり、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は2.3であり、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.019nmであった。また、例5における磁気ディスク用ガラス基板に垂直磁性層を成膜して得られた磁気ディスクの磁気ディスク評価の結果は、コレクダブル・ミッシングビットはランクCであり、アンコレクタブル・ミッシングビットはランクAであった。
(例6)
例6における磁気ディスク用ガラス基板は、2次研磨の第1段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−7rpm、下定盤回転数が21rpm、研磨キャリア公転数が7rpm、研磨キャリア自転数が2rpm、研磨時間が20分の条件で行った。また、2次研磨の第2段階は、50g/cmの圧力で、上定盤回転数が−3rpm、下定盤回転数が9rpm、研磨キャリア公転数が3rpm、研磨キャリア自転数が0.3rpm、研磨時間が0.5分の条件で行った。
この条件で作製された例6における磁気ディスク用ガラス基板において、AFMにより得られた算術平均粗さRaは0.12nmであり、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxは0.036nmであり、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minは0.015nmであり、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は2.5であり、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.021nmであった。また、例6における磁気ディスク用ガラス基板に垂直磁性層を成膜して得られた磁気ディスクの磁気ディスク評価の結果は、コレクダブル・ミッシングビットはランクCであり、アンコレクタブル・ミッシングビットはランクBであった。
(例7)
例7における磁気ディスク用ガラス基板は、2次研磨の第1段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−15rpm、下定盤回転数が15rpm、研磨キャリア公転数が0rpm、研磨キャリア自転数が2rpm、研磨時間が20分の条件で行った。また、2次研磨の第2段階は、50g/cmの圧力で、上定盤回転数が−5rpm、下定盤回転数が5rpm、研磨キャリア公転数が0rpm、研磨キャリア自転数が0.7rpm、研磨時間が0.5分の条件で行った。
この条件で作製された例7における磁気ディスク用ガラス基板において、AFMにより得られた算術平均粗さRaは0.09nmであり、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxは0.033nmであり、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minは0.016nmであり、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は2.1であり、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.017nmであった。また、例7における磁気ディスク用ガラス基板に垂直磁性層を成膜して得られた磁気ディスクの磁気ディスク評価の結果は、コレクダブル・ミッシングビットはランクAであり、アンコレクタブル・ミッシングビットはランクAであった。
(例8)
例8における磁気ディスク用ガラス基板は、2次研磨の第1段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−15rpm、下定盤回転数が15rpm、研磨キャリア公転数が0rpm、研磨キャリア自転数が2rpm、研磨時間が20分の条件で行った。また、2次研磨の第2段階は、50g/cmの圧力で、上定盤回転数が−5rpm、下定盤回転数が5rpm、研磨キャリア公転数が0rpm、研磨キャリア自転数が0rpm、研磨時間が0.5分の条件で行った。
この条件で作製された例8における磁気ディスク用ガラス基板において、AFMにより得られた算術平均粗さRaは0.12nmであり、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxは0.038nmであり、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minは0.013nmであり、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は2.9であり、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.025nmであった。また、例8における磁気ディスク用ガラス基板に垂直磁性層を成膜して得られた磁気ディスクの磁気ディスク評価の結果は、コレクダブル・ミッシングビットはランクDであり、アンコレクタブル・ミッシングビットはランクDであった。
(例9)
例9における磁気ディスク用ガラス基板は、2次研磨の第1段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−15rpm、下定盤回転数が15rpm、研磨キャリア公転数が0rpm、研磨キャリア自転数が2rpm、研磨時間が20分の条件で行った。また、2次研磨の第2段階は、100g/cmの圧力で、上定盤回転数が−5rpm、下定盤回転数が5rpm、研磨キャリア公転数が0rpm、研磨キャリア自転数が0.3rpm、研磨時間が0.5分の条件で行った。
この条件で作製された例9における磁気ディスク用ガラス基板において、AFMにより得られた算術平均粗さRaは0.11nmであり、角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxは0.040nmであり、角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minは0.015nmであり、(Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値は2.8であり、(Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値は0.026nmであった。また、例9におけ磁気ディスク用ガラス基板に垂直磁性層を成膜して得られた磁気ディスクの磁気ディスク評価の結果は、コレクダブル・ミッシングビットはランクDであり、アンコレクタブル・ミッシングビットはランクCであった。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
10 磁気ディスク用ガラス基板
11 開口部
21 内周面
22 外周面
30 主表面

Claims (7)

  1. 主表面を有する磁気ディスク用ガラス基板であって、
    前記主表面において原子間力顕微鏡により測定した算術平均粗さRaが0.15nm以下であって、
    原子間力顕微鏡により測定した結果に基づき、所定の領域を、角度方向を0°から180°まで1°ごとに変化させながら各々の角度方向における角度方向算術平均粗さRa_degを算出し、前記算出された角度方向算術平均粗さRa_degのうち、最も大きい値を角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxとし、最も小さい値を角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minとした場合に、
    (Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値が、2.6以下であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。
  2. (Ra_deg_max)/(Ra_deg_min)の値が、2.4以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
  3. (Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値が、0.020nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
  4. 主表面を有する磁気ディスク用ガラス基板であって、
    前記主表面において原子間力顕微鏡により測定した算術平均粗さRaが0.15nm以下であって、
    原子間力顕微鏡により測定した結果に基づき、所定の領域を、角度方向を0°から180°まで1°ごとに変化させながら各々の角度方向における角度方向算術平均粗さRa_degを算出し、前記算出された角度方向算術平均粗さRa_degのうち、最も大きい値を角度方向算術平均粗さ最大値Ra_deg_maxとし、最も小さい値を角度方向算術平均粗さ最小値Ra_deg_minとした場合に、
    (Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値が、0.024nm以下であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。
  5. (Ra_deg_max)−(Ra_deg_min)の値が、0.022nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
  6. 前記角度方向算術平均粗さRa_degは、原子間力顕微鏡により測定した結果に、カットオフを40nmとするハイパスフィルタをかけたものに基づき算出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の主表面に、磁性層を成膜したことを特徴とする磁気ディスク。
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