JP6332321B2 - 磁気記録媒体用のガラス基板および磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用のガラス基板および磁気記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録媒体用のガラス基板および磁気記録媒体に関する。
磁気記録装置等に用いられる磁気記録媒体用基板としては、従来、アルミニウム合金基板が使用されてきたが、高記録密度化の要求に伴い、アルミニウム合金基板に比べて硬く、平坦性や平滑性に優れるガラス基板が主流となってきている。
近年、磁気記録媒体はさらに高記録密度化、高速回転化が進んできたことにより、磁気記録媒体の半径/トラック位置情報を記録しているサーボ情報を磁気ヘッドが見失い、読み取り/書き込みエラー(以下、エラーとも記載する)が発生する現象が従来よりも多く発生するようになってきている。
このようなエラーの発生は、高記録密度化に伴う狭トラック幅化、高速回転化に伴うディスクフラッタリングの発生による機械的振動が原因であると考えられてきた。
このため、このようなエラーを抑制するため、例えば、磁気記録媒体用のガラス基板の材料として比弾性が高い材料を使用し、フラッタリングを抑制することが行われてきた。なお、比弾性とは比ヤング率ともいい、ヤング率をガラスの密度で割った量で、軽くて強い、軽くて変形しにくい、という特性をあらわす指針となる量である。
また、特許文献1には、厚さ方向の対称性が所定の範囲内の磁気記録媒体用ガラス基板を選択することにより、ハードディスクとしたときに磁気記録媒体に記録されたサーボ情報のエラーを少なくする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法が記載されている。
特開2010−277679号公報
上記のように磁気記録媒体用のガラス基板を選択することにより磁気記録媒体のエラーの発生を抑制する方法が従来から検討されてきたが、エラーの発生を十分には抑制できていなかった。
そこで、本発明は上記従来技術が有する問題に鑑み、エラーの発生率の低い磁気記録媒体に用いられる磁気記録媒体用のガラス基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は磁気記録媒体用のガラス基板であって、
前記ガラス基板の直径方向の両端部を下面側から支持し、前記ガラス基板の中央部上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、
荷重を加える前の平坦度との差の絶対値を擬弾性変形量Aとした場合に、
前記擬弾性変形量Aが2.0μm以下であり、
前記ガラス基板のガラスは、Alを5mol%以上含有し、かつ、
の含有量が0.1mol%以上2mol%未満であり、
含有するアルカリ金属酸化物は1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上10mol%以下、またはアルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く0mol%以下である磁気記録媒体用のガラス基板を提供する。


本発明によれば、エラーの発生率の低い磁気記録媒体に用いられる磁気記録媒体用のガラス基板を提供することができる。
座屈変形と曲げ変形の説明図 磁性層成膜工程における保持冶具の構成例の説明図 擬弾性変形量の測定フローの説明図 擬弾性変形量測定の際の荷重付加方法の説明図 本発明の実における荷重除去直後の平坦度の荷重除去前の荷重印加時間依存性を示す図 本発明の実における荷重除去直後の平坦度の荷重除去前の荷重印加時間依存性を示す図 本発明の実における24h荷重印加後、荷重除去後の平坦度の荷重解放後経過時間依存性を示す図 本発明の実における24h荷重印加後、荷重除去後の平坦度の荷重解放後経過時間依存性を示す図
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[第1の実施形態]
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法の構成例について説明を行う。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法は、ガラス基板を含む磁気記録媒体の製造方法であって、ガラス基板に、座屈変形及び曲げ変形の少なくともいずれかの変形を生じることを含む。
そして、ガラス基板のガラスは、Alを5mol%以上含有することができる。
さらに、ガラス基板のガラスは、Bの含有量を0.1mol%以上15mol%以下とするか、または、ガラス基板のガラスは含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下とするか、または、アルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く20mol%以下とすることができる。
本発明の発明者らは、ガラス基板(磁気記録媒体用ガラス基板)の材料として比弾性が高い材料を使用した場合であっても、磁気記録媒体にエラーが起きることの原因について検討を行った。なお、比弾性とは比ヤング率ともいい、ガラスのヤング率をガラスの密度で割った量で、軽くて強い、軽くて変形しにくい、という特性をあらわす指針となる量である。
検討の結果、磁気記録媒体の製造工程においてガラス基板に力(荷重)が加わり座屈変形または曲げ変形を生じた場合、変形後、力(荷重)を除去するとガラス基板は元の形状へと戻るが、ガラス基板のガラス組成により、力(荷重)を除去してからの挙動が異なることが判明した。すなわち、同じ形状であるにも関わらずガラス組成によって、力(荷重)を除去してから短時間で元の形状に戻るガラス基板と、力(荷重)を除去してから長い時間をかけて徐々に元の形状へと戻るガラス基板とが存在することが判明した。このような、力(荷重)を除去してから元の形状に戻るまでに長い時間がかかる変形を遅延復元変形ということがある。なお、以下の記載において単に「変形」と記載した場合であっても、「遅延復元変形を伴う変形」を指す場合がある。
そして、力(荷重)を除去してから元の変形が戻るまでに長い時間がかかるガラス基板を含む磁気記録媒体の場合、サーボ情報の書き込むタイミングによってはガラス基板(磁気記録媒体)が復元している途中でサーボ情報を書き込むことになる。このため、サーボ情報を書き込んでからさらにその位置が変化するため、エラー発生の原因の一つとなることを見出し、本発明を完成させた。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法においては、上述のように製造工程の間にガラス基板に座屈変形及び曲げ変形の少なくともいずれかの変形を生じることを含む。
ここで、座屈変形及び曲げ変形について図1を用いて説明する。
まず、座屈変形について図1(A)を用いて説明する。図1(A)はガラス基板10を側面から見た図を示している。座屈変形とは、ガラス基板10の側面部に対して、図中ブロック矢印X1、X2で示したように、ガラス基板10の主平面11、12と平行な対向する2つの力を加えた際に、図中点線で示したようにガラス基板が主平面11、12と垂直な方向に生じる変形である。なお、図1(A)では、ガラス基板が下に凸の形状に変形した例を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、上に凸の形状に変形してもよい。
曲げ変形について図1(B)を用いて説明する。図1(B)はガラス基板10を側面から見た図を示している。曲げ変形とは、例えばガラス基板10の一方の主平面11と、他方の主平面12とに、それぞれ、主平面11、12に略垂直で、対向する力Y1、Y2が加わることにより、図中点線で示したようにガラス基板が主平面11、12と垂直な方向に生じる変形である。
ガラス基板に座屈変形及び曲げ変形の少なくともいずれかの変形が生じること、とはガラス基板単体や磁気記録媒体に上述の力が加わり、ガラス基板単体、または、ガラス基板及びガラス基板の表面に形成された磁性層等が変形することを意味している。なお、磁気記録媒体に力(荷重)が加わった場合、磁性層等はガラス基板の変形にあわせて変形するため磁気記録媒体についても磁気記録媒体に含まれるガラス基板と同様の挙動を示すこととなる。また、ガラス基板の変形が遅延復元変形の場合であっても同様に磁性層等はガラス基板の変形に合わせて変形するため、磁気記録媒体についても磁気記録媒体に含まれるガラス基板と同様の挙動を示すこととなる。
ガラス基板に力(荷重)が加わる場合として、ガラス基板を保持冶具により保持し搬送する場合や、ガラス基板をカセット等に収めて搬送する場合等が考えられ、主にガラス基板が冶具等と接触した状態で搬送する際に変形が生じると考えられる。
後述のように本実施形態の磁気記録媒体の製造方法は、ガラス基板上に磁性層を成膜する磁性層成膜工程と、磁気記録媒体をカセット内に保持する磁気記録媒体保持工程と、から選択される1以上の工程を有していることが好ましい。
磁性層成膜工程においては後述のようにガラス基板を保持冶具により保持、搬送して成膜工程に供することから、保持冶具により力が加えられ、ガラス基板に変形が生じ易い。これは、磁性層成膜工程では、磁性層を成膜する前あるいは成膜中であれば例えばガラス基板の両面に磁性層を成膜するため、磁性層を成膜した後であれば成膜した磁性層を保護するため、ガラス基板の端面(側面)部分でガラス基板を保持することが好ましい。ところが、後述する図6に示したように、ガラス基板の材質によっては、30秒程度連続して荷重(力)を加えた場合でも遅延復元変形を生じる場合がある。このため、磁性層成膜工程においてガラス基板の端面部分を保持した場合、上述の座屈変形に伴う遅延復元変形を生じ易くなる。特に、近年注目される熱アシスト磁気記録方式の磁気記録媒体においては、磁性層成膜工程で高温での熱処理を行う必要があるとされている。高温での熱処理の場合、昇降温(加熱と冷却)等のためにガラス基板を長時間保持する必要があることから、今後特に磁性層成膜工程でのガラス基板の変形が問題となるものと考えられる。
次に、磁気記録媒体保持工程はカセット内にガラス基板を保持する工程であり、ガラス基板は減圧された梱包容器内に収めて出荷、搬送されるため、ガラス基板に荷重が加わり変形が生じ易い。このため、例えば磁性層成膜工程と、磁気記録媒体保持工程と、から選択された1以上の工程において、ガラス基板に座屈変形及び曲げ変形の少なくともいずれかの変形を生じることができる。
なお、磁性層成膜工程及び磁気記録媒体保持工程について説明したが、ガラス基板に力(荷重)が加わるのは係る工程に限られるものではない。磁性層成膜工程等以外にも、例えば磁気記録媒体の製造方法の工程間において、ガラス基板を機械搬送するため、ガラス基板を保持冶具により保持、搬送する際にガラス基板に力(荷重)が加わる場合がある。このため、磁気記録媒体の製造方法の工程間においてガラス基板を搬送する際にもガラス基板に座屈変形または曲げ変形が生じる場合もある。
そして、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法において、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスは、Alを5mol%以上含有することができる。さらに磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスは、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下、または、含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下、または、アルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く20mol%以下であることが好ましい。また、ここでのアルカリ金属酸化物とは、アルカリ金属酸化物であればよく、あらゆるアルカリ金属酸化物を含む。典型的にはアルカリ金属酸化物としては、LiO、NaO、KOが挙げられる。
これは、本発明の発明者らの検討によると、Alの含有量を5mol%以上とすることにより、ガラス基板のヤング率を十分に高めることができるためである。
また、ガラス基板のガラスの、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下、またはガラス基板のガラスが含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下、またはガラス基板のガラスがアルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く20mol%以下の場合、ガラス基板に力(荷重)が加わり変形した場合でも、力(荷重)を除去してから元の形状へと戻るまでの時間が短くなるためである。すなわち、ガラス基板に加わっていた力(荷重)を除去した後、ガラス基板が変形している時間が短くなるためである。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法において、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスは、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下であることがより好ましい。これはガラス基板に力(荷重)が加わり変形した場合でも、力(荷重)を除去してからもとの形状へと戻るまでの時間をより短くすることができるためである。
特に、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスがBを含有する場合、Bの含有量の下限値は0.2mol%以上がより好ましく、0.5mol%以上がさらに好ましい。また、Bの含有量の上限値は12mol%以下が好ましく、10mol%以下がより好ましく、5mol%以下がさらに好ましく、2mol%未満であることが特に好ましい。Bの含有量が2mol%未満の場合、ガラス基板に力(荷重)が加わり、変形した場合に力(荷重)を除去した後の変位の時間を短くできることに加えて、比弾性の高いガラス基板とすることができる。このため、磁気記録媒体を高速回転させた場合でも、フラッタリングの発生をより抑制し、磁気記録媒体の読み取り/書き込みエラーの発生を特に抑制することが可能になる。
また、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下のガラスを用いた場合、アルカリ金属酸化物の含有量は22mol%以下であることがより好ましい。アルカリ金属酸化物の含有量は10mol%以下であることがさらに好ましい。なお、含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下とは、例えばNaO、KO、LiO等のアルカリ金属酸化物から選択される1種類のアルカリ金属酸化物を含有しているか、アルカリ金属酸化物を含有していないことを意味している。
本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、アルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く20mol%以下のガラスを用いた場合、アルカリ金属酸化物の含有量は17mol%以下がより好ましく、10mol%以下がさらに好ましい。
なお、アルカリ金属酸化物を2種類以上含有するとは、例えばNaO、KO、LiO等のアルカリ金属酸化物から選択される2種類以上のアルカリ金属酸化物を含有していることを意味している。この場合、各アルカリ金属酸化物の含有量は特に限定されるものではなく任意の含有量とすることができる。例えば各アルカリ金属酸化物の含有量(モル%)が均等になるようにすることもできる。
このように、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、所定の成分を含有するガラスを用いることにより、ガラス基板に力(荷重)が加わり、変形した場合でもサーボ情報を書き込むまでにガラス基板は力(荷重)を除去した後の復原力による変位を終え、または、ほぼ終えた状態となる。このため、サーボ情報を書き込んだ後のガラス基板(磁気記録媒体)は変位しない、または、変位の程度が軽微となり、書き込んだサーボ情報の位置がずれることを防止し、エラーの発生率を抑制することができる。
また、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスは、Alを5mol%以上20mol%以下含有することが好ましい。Al含有量の下限値は8mol%以上がより好ましく、10mol%以上がさらに好ましく、11.5mol%以上が特に好ましい。Alの含有量の上限値は17.5mol%以下がより好ましく、15mol%以下がさらに好ましい。
また、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法において、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスは、SiOを55mol%以上75mol%以下と、アルカリ土類金属酸化物を0mol%以上30mol%以下と、を含有することが好ましい。特に、SiOは66mol%以上75mol%以下含有することがより好ましく、66mol%以上70mol%以下含有することがさらに好ましい。アルカリ土類金属酸化物は5mol%以上30mol%以下含有することがより好ましく、16mol%以上30mol%以下含有することがさらに好ましい。
磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下のガラスを用いた場合、アルカリ金属酸化物を0mol%以上25mol%以下含有することが好ましい。特に、アルカリ金属酸化物を0mol%以上15mol%以下含有することがより好ましく、0mol%以上2.5mol%以下含有することがさらに好ましい。
また、ガラス基板は比弾性(比ヤング率)が高いことが好ましく、例えば32MNm/kg以上であることが好ましく、33MNm/kg以上であることがより好ましい。比弾性が高いことにより、磁気記録媒体を高速回転させた場合でも、フラッタリングの発生をより抑制し、磁気記録媒体の読み取り/書き込みエラーの発生を特に抑制することが可能になる。
さらに、用いるガラス基板は荷重を加えた場合でも平坦度が変化しにくいガラス基板であることが好ましい。例えば、後述する擬弾性変形量を測定する際と同様にして荷重を24時間加えた場合、すなわち、ガラス基板の直径方向の両端部を下面側から支持し、ガラス基板の中央部上面に荷重24時間を加えた場合、荷重を加える前後での平坦度の変化率が200%以下であることが好ましい。特に荷重を加える前後での平坦度の変化率が100%以下であることがより好ましい。
なお、荷重を加える前後での平坦度の変化率は、ガラス基板に荷重を24時間加えた後、荷重を除去した直後の平坦度をF(24h)、荷重を加える前のガラス基板の平坦度をF(−24h)とした場合、以下の式で表わされる。
(荷重を加える前後での平坦度の変化率)=|F(24h)−F(−24h)|/F(−24h)×100
次に、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法の具体的な工程の構成例について説明する。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法は、ガラス基板上に磁性層を成膜する磁性層成膜工程と、前記磁気記録媒体をカセット内に保持する磁気記録媒体保持工程と、から選択される1以上の工程を有していることが好ましい。また、係る工程に限定されるものではなく、さらに任意に工程を設けることができる。
具体的には例えば以下の工程を含むことができる。
(a)ガラス基板を用意するガラス基板準備工程
(b)ガラス基板上に磁性層を成膜する磁性層成膜工程
(c)磁気層成膜工程において得られた磁気記録媒体をカセット内に保持する磁気記録媒体保持工程
各工程について以下に説明する。
(a)ガラス基板準備工程
ガラス基板準備工程は、磁気記録媒体に要求される仕様に合わせたガラス基板を準備する工程であり、その詳細については特に限定されるものではない。
ガラス基板準備工程は、例えばさらに以下の工程1〜4を含むことができる。
(工程1)ガラス素基板から、中央部に円孔を有する円盤形状のガラス基板に加工した後、内周端面と外周端面を面取り加工する形状付与工程。
(工程2)ガラス基板の端面(内周端面及び外周端面)を研磨する端面研磨工程。
(工程3)ガラス基板の主平面を研磨する主平面研磨工程。
(工程4)ガラス基板を洗浄して乾燥する洗浄工程。
ここで、(工程1)の形状付与工程は、フロート法、フュージョン法、プレス成形法、ダウンドロー法またはリドロー法で成形されたガラス素基板を、中央部に円孔を有する円盤形状のガラス基板に加工するものである。
用いるガラス素基板は、特に限定されるものではないが、上述の磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスと同様の組成を有するガラス素基板を用いることが好ましい。
具体的には用いるガラス素基板のガラスは、Alを5mol%以上含有することができる。さらにガラス素基板のガラスは、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下、または、含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下、または、アルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く20mol%以下であることが好ましい。
ガラス素基板のガラスがBを含有する場合、Bの含有量の下限値は0.2mol%以上がより好ましく、0.5mol%以上がさらに好ましい。また、Bの含有量の上限値は12mol%以下が好ましく、10mol%以下がより好ましく、5mol%以下がさらに好ましく、2mol%未満であることが特に好ましい。
また、ガラス素基板のガラスとして、含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下のガラスを用いた場合、アルカリ金属酸化物の含有量は22mol%以下であることがより好ましい。アルカリ金属酸化物の含有量は10mol%以下であることがさらに好ましい。なお、アルカリ金属酸化物を含まなくてもよい。
ガラス素基板のガラスとして、アルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く20mol%以下のガラスを用いた場合、アルカリ金属酸化物の含有量は17mol%以下がより好ましく、10mol%以下がさらに好ましい。
また、ガラス素基板のガラスは、Alを5mol%以上20mol%以下含有することが好ましい。Alの含有量の下限値は8mol%以上が好ましく、10mol%以上がより好ましく、11.5mol%以上がさらに好ましい。Alの含有量の上限値は17.5mol%以下がより好ましく、15mol%以下がさらに好ましい。
さらにガラス素基板のガラスは、SiOを55mol%以上75mol%以下と、アルカリ土類金属酸化物を0mol%以上30mol%以下と、を含有することが好ましい。特に、SiOは66mol%以上75mol%以下含有することがより好ましく、66mol%以上70mol%以下含有することがさらに好ましい。アルカリ土類金属酸化物は5mol%以上30mol%以下含有することがより好ましく、16mol%以上30mol%以下含有することがさらに好ましい。
ガラス素基板のガラスとして、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下のガラスを用いた場合、アルカリ金属酸化物を0mol%以上25mol%以下含有することが好ましい。特に、アルカリ金属酸化物を0mol%以上15mol%以下含有することがより好ましく、0mol%以上2.5mol%以下含有することがさらに好ましい。
ガラス素基板は比弾性(比ヤング率)が高いことが好ましく、例えば32MNm/kg以上であることが好ましく、33MNm/kg以上であることがより好ましい。
そして、(工程2)の端面研磨工程は、ガラス基板の端面(側面部と面取り部)を端面研磨するものである。
(工程3)の主平面研磨工程については、両面研磨装置を用い、ガラス基板の主平面に研磨液を供給しながらガラス基板の上下主平面を同時に研磨するものである。ガラス基板の研磨は、1次研磨のみでもよく、1次研磨と2次研磨を実施してもよく、2次研磨の後に3次研磨を実施してもよい。
上記(工程3)の主平面研磨工程の前において、主平面のラップ(例えば、遊離砥粒ラップ、固定砥粒ラップなど)を実施してもよい。また、各工程間にガラス基板の洗浄(工程間洗浄)やガラス基板表面のエッチング(工程間エッチング)を実施してもよい。なお、主平面のラップとは広義の主平面の研磨である。
(b)磁性層成膜工程
磁性層成膜工程は、ガラス基板上に磁性層(磁性膜)を形成する工程である。この際形成する磁性層の構成については特に限定されるものではなく、磁気記録媒体に要求される性能等により任意に選択することができる。
また、磁性層以外に下地層や保護層、潤滑層等の構成を任意に選択し、ガラス基板と磁性層との間、または、磁性層表面に形成することができる。
磁気記録媒体には例えば水平磁気記録方式、垂直磁気記録方式、熱アシスト磁気記録方式等があり、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法においてはいずれの方式の磁気記録媒体に対しても適用することができる。ここでは垂直磁気記録方式を例に、ガラス基板表面に磁性層を含む磁気記録媒体を構成する各層の形成手順を以下に説明する。
磁気記録媒体は、例えばその表面に磁性層、保護層、潤滑膜を備えた構成とすることができる。そして、垂直磁気記録方式の場合、磁気ヘッドからの記録磁界を環流させる役割を果たす軟磁性材料からなる軟磁性下地層を配するのが一般的である。このため、ガラス基板表面から順に、例えば、軟磁性下地層、非磁性中間層、垂直記録用磁性層、保護層、潤滑膜のように積層することができる。
垂直磁気記録方式の磁気記録媒体を構成する各層について以下に説明する。
軟磁性下地層としては例えば、CoNiFe、FeCoB、CoCuFe、NiFe、FeAlSi、FeTaN、FeN、FeTaC、CoFeB、CoZrN等を使用できる。
そして、非磁性中間層は、Ru、Ru合金等から構成することができる。この非磁性中間層は垂直記録用磁性層のエピタキシャル成長を容易にするための機能、及び軟磁性下地層と記録用磁性層との間での磁気交換結合を断つ機能を有する。
垂直記録用磁性層は、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向を向いた磁性膜であり、少なくともCo、Ptを含んでいる。そして、高い固有媒体ノイズの原因となる粒間交換結合を低減するため、良好に隔離された微粒子構造(グラニュラー構造)とするのが良い。具体的には、CoPt系合金などに酸化物(SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、TiO等)や、Cr、B、Cu、Ta、Zrなどを添加したものを用いるのがよい。
ここまで説明した軟磁性下地層、非磁性中間層、垂直記録用磁性層はインラインスパッタ法、DCマグネトロンスパッタ法などで連続的に製造することができる。
次いで、保護層は垂直記録用磁性層の腐食を防ぎ、かつ、磁気ヘッドが媒体に接触した場合でも媒体表面の損傷を防ぐために設けられたものであり、垂直記録用磁性層の上に設けられる。保護層としてはC、ZrO、SiOなどを含む材料を用いることができる。
その形成方法としては、例えばインラインスパッタ法、CVD法、スピンコート法などを用いることができる。
保護層の表面には磁気ヘッドと磁気記録媒体(磁気ディスク)との摩擦を低減するために、潤滑層を形成する。潤滑層は、例えばパーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。潤滑層についてはディップ法、スプレー法などで形成することができる。
ここでは、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体について説明してきたが、上述のように係る形態に限定されるものではなく、例えば熱アシスト磁気記録方式等他の磁気記録媒体とすることもできる。例えば熱アシスト磁気記録方式の磁気記録媒体とする場合、磁性層はFePt、SmCo等を含んでいることが好ましい。また、磁性層以外の構成についても、各記録方式に応じて任意の構成とすることができる。
そして、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法においては、磁性層成膜工程を含むことができる。そして、磁性層成膜工程において、例えばガラス基板をチャック等の保持冶具により保持し、加熱等を行いながら、ガラス基板の表面に磁性層を形成することができる。磁性層成膜工程で用いる保持冶具は特に限定されないが、例えば図2に示すように、ガラス基板20の外径の端面部分(側面部分)の複数点において、複数の保持冶具の保持部材211、212、213により挟んで保持することができる。これらの保持部材211〜213は、図2中にブロック矢印A、B、Cで示したように、ガラス基板の中心方向に向かう力を加えることによりガラス基板20を保持することができる。保持部材211〜213は、ガラス基板20の主平面と平行な方向に力を加えているが、力の大きさによっては、ガラス基板20は、主平面とは垂直な方向に座屈変形する場合がある。保持部材211〜213近傍のガラス基板20は局所的な変形を伴うことが多く、遅延復元変形が発生する場合があり、遅延復元変形が発生した場合、サーボ情報の読み取りエラーが発生しやすい。
なお、図2中では3点でガラス基板を保持した保持冶具を例に説明したが、3点に限定されるものではなく、2点もしくは4点以上で保持する保持冶具を用いることもできる。
ここでは、ガラス基板の外径側から中心方向に向かって保持冶具により力を加えてガラス基板を保持した例を挙げて説明したが、係る形態に限定されるものではない。例えば、ガラス基板の中央部に形成された開口部に2以上の保持部材を配置し、ガラス基板の開口部のガラス基板の端面(以下、内径ともいう)側から外径方向に向かって力を加えてガラス基板を保持することもできる。
また、ガラス基板の中央部に形成された開口部、及びガラス基板の外径の端面部分両方にそれぞれ複数の保持部材を設けることもできる。この場合、ガラス基板の中央部に形成された開口部に設けた保持部材は内径側から外径方向に向かって力を加え、ガラス基板の外径の端面部分に配置した保持部材は外径側から中心方向に向かって力を加えることによりガラス基板を保持することができる。
上述のようなガラス基板20の端面部分の複数点に力を加えて保持する保持冶具に限定されるものではなく、他の形態の保持冶具で保持しながらガラス基板上に磁性層を成膜することもできる。
ここでは、磁性層を成膜する場合について説明したが、下地層や保護層、潤滑層等をガラス基板上に形成する場合(下地層成膜工程、保護層成膜工程、潤滑層成膜工程等)についても同様の保持冶具を用いて成膜することができ、この場合、同様に座屈変形する場合がある。
(c)磁気記録媒体保持工程
磁気記録媒体保持工程は磁性層成膜工程において得られた磁気記録媒体をカセット内に保持する工程である。
一般的にガラス基板上に磁性層等を形成することにより得られた磁気記録媒体は、ハードディスクドライブの製造工場へと出荷、搬送される。
このため、磁気記録媒体は、カセット内に収められてその製造工程を終了する。磁気記録媒体はカセット内に収められるのみでも足りるが、さらに減圧された梱包容器(包装)内に収めることが好ましい。
カセット内に保持され、場合によっては減圧された梱包容器内に収められた、磁気記録媒体(ガラス基板)には荷重が加わり、磁気記録媒体、すなわち、磁気記録媒体に含まれるガラス基板に座屈変形または曲げ変形が生じる場合がある。このため磁気記録媒体保持工程で磁気記録媒体を保持したカセットの梱包内では、磁気記録媒体に力が加えられた状態となり、該梱包を開封することにより力が除去され、磁気記録媒体(ガラス基板)は元の形状へと変位することとなる。
なお、例えば磁気記録媒体成膜工程後、場所を変えることなくハードディスクドライブの製造工程を実施する場合、本工程を行わないこともできる。
以上に説明した磁気記録媒体の製造方法により得られた磁気記録媒体は、さらに、磁気記録媒体をハードディスクドライブ(HDD)に組み込むハードディスク組立工程や、サーボ情報を書き込むサーボ情報書き込み工程を実施することにより、ハードディスクドライブを製造することができる。
そして、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法によれば、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、Alを5mol%以上含有することができる。また、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、所定量のBを含有するガラス基板、またはアルカリ金属酸化物の含有量が所定の範囲内であるガラス基板、を用いている。このため、磁気記録媒体の製造方法においてガラス基板に、座屈変形及び曲げ変形の少なくともいずれかの変形を生じることを含んでいた場合でも、力(荷重)を除去してから元の形状へと戻るまでの時間が特に短くなる。このため、ガラス基板(磁気記録媒体)に力(荷重)が加わり、変形した場合でもサーボ情報を書き込むまでにガラス基板(磁気記録媒体)は力(荷重)を除去した後の復原力による変位を終え、または、ほぼ終えた状態となる。従って、サーボ情報を書き込んだ後のガラス基板(磁気記録媒体)は変位しない、または、変位の程度が軽微となり、書き込んだサーボ情報の位置がずれることを防止し、エラーの発生率を抑制することができる。
次に、本実施形態の磁気記録媒体について説明する。
本実施形態の磁気記録媒体は、ガラス基板上に磁性層が成膜された磁気記録媒体とすることができ、特にガラス基板上に磁性層が成膜されたサーボ情報書き込み用の磁気記録媒体とすることができる。磁気記録媒体のガラス基板上には、例えば磁性層や、下地層や保護層、潤滑層等も任意に設けることができる。そして、本実施形態の磁気記録媒体においては、ガラス基板のガラスは、Alを5mol%以上含有することができる。また、本実施形態の磁気記録媒体においてはガラス基板のガラスは、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下、または、含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下、または、アルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く20mol%以下であることが好ましい。ここでのアルカリ金属酸化物とは、アルカリ金属酸化物であればよく、あらゆるアルカリ金属酸化物を含む。典型的にはアルカリ金属酸化物としては、LiO、NaO、KOが挙げられる。
これは、ガラス基板のガラスの、Alの含有量を5mol%以上とすることにより、ガラス基板のヤング率を十分に高めることができるためである。
また、ガラス基板のガラスの、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下、またはガラス基板のガラスが含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下、またはガラス基板のガラスがアルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く20mol%以下の場合、ガラス基板に力(荷重)が加わり変形した場合でも、力(荷重)を除去してから元の形状へと戻るまでの時間が短くなるためである。すなわち、ガラス基板に加わっていた力(荷重)を除去した後、ガラス基板が変形している時間が短くなるためである。
本実施形態の磁気記録媒体において、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスは、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下であることがより好ましい。これはガラス基板に力(荷重)が加わり変形した場合でも、力(荷重)を除去してからもとの形状へと戻るまでの時間をより短くすることができるためである。
特に、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスがBを含有する場合、Bの含有量の下限値は0.2mol%以上がより好ましく、0.5mol%以上がさらに好ましい。また、Bの含有量の上限値は12mol%以下が好ましく、10mol%以下がより好ましく、5mol%以下がさらに好ましく、2mol%未満であることが特に好ましい。Bの含有量が2mol%未満の場合、ガラス基板に力(荷重)が加わり、変形した場合に力(荷重)を除去した後の変位の時間を短くできることに加えて、比弾性の高いガラス基板とすることができる。このため、磁気記録媒体を高速回転させた場合でも、フラッタリングの発生をより抑制し、磁気記録媒体の読み取り/書き込みエラーの発生を特に抑制することが可能になる。
また、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下のガラスを用いた場合、アルカリ金属酸化物の含有量は22mol%以下であることがより好ましい。アルカリ金属酸化物の含有量は10mol%以下であることがさらに好ましい。なお、含有するアルカリ金属酸化物が1種類以下とは、例えばNaO、KO、LiO等のアルカリ金属酸化物から選択される1種類のアルカリ金属酸化物を含有しているか、アルカリ金属酸化物を含有していないことを意味している。
本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、アルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く20mol%以下のガラスを用いた場合、アルカリ金属酸化物の含有量は17mol%以下がより好ましく、10mol%以下がさらに好ましい。
なお、アルカリ金属酸化物を2種類以上含有するとは、例えばNaO、KO、LiO等のアルカリ金属酸化物から選択される2種類以上のアルカリ金属酸化物を含有していることを意味している。この場合、各アルカリ金属酸化物の含有量は特に限定されるものではなく任意の含有量とすることができる。例えば各アルカリ金属酸化物の含有量(モル%)が均等になるようにすることもできる。
このように、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、所定の成分を含有するガラス基板を用いることにより、ガラス基板に力(荷重)が加わり、変形した場合でもサーボ情報を書き込むまでにガラス基板は力(荷重)を除去した後の復原力による変位を終え、または、ほぼ終えた状態となる。このため、サーボ情報を書き込んだ後のガラス基板(磁気記録媒体)は変位しない、または、変位の程度が軽微となり、書き込んだサーボ情報の位置がずれることを防止し、エラーの発生率を抑制することができる。
また、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスは、Alを5mol%以上20mol%以下含有することが好ましい。Al含有量の下限値は8mol%以上がより好ましく、10mol%以上がさらに好ましく、11.5mol%以上が特に好ましい。Alの含有量の上限値は17.5mol%以下がより好ましく、15mol%以下がさらに好ましい。
また、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスは、SiOを55mol%以上75mol%以下と、アルカリ土類金属酸化物を0mol%以上30mol%以下と、を含有することが好ましい。特に、SiOは66mol%以上75mol%以下含有することがより好ましく、66mol%以上70mol%以下含有することがさらに好ましい。アルカリ土類金属酸化物は5mol%以上30mol%以下含有することがより好ましく、16mol%以上30mol%以下含有することがさらに好ましい。
特に、磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラスとして、Bの含有量が0.1mol%以上15mol%以下のガラスを用いた場合、アルカリ金属酸化物を0mol%以上25mol%以下含有することが好ましい。さらには、アルカリ金属酸化物を0mol%以上15mol%以下含有することがより好ましく、0mol%以上2.5mol%以下含有することがさらに好ましい。
また、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板は、比弾性(比ヤング率)が高いことが好ましく、例えば32MNm/kg以上であることが好ましく、33MNm/kg以上であることがより好ましい。比弾性が高いことにより、磁気記録媒体を高速回転させた場合でも、フラッタリングの発生をより抑制し、磁気記録媒体の読み取り/書き込みエラーの発生を特に抑制することが可能になる。
本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板は、擬弾性変形量Aが2.0μm以下であることが好ましい。なお、擬弾性変形量Aの下限値は0μmとなる。これは、後述する擬弾性変形量B、擬弾性変形量Cについても同様のことがいえる。
ここで擬弾性変形量Aとは、ガラス基板の直径方向の両端部を下面側から支持し、ガラス基板の中央部上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、荷重を加える前の平坦度との差の絶対値を意味する。
特に、擬弾性変形量Aは具体的には例えば以下のようにして算出することができる。まず、ガラス基板の対向する2箇所に設けられた弦と円弧によって囲まれ、弦と円弧との間の距離の最大値はガラス基板の直径の2.3%〜7.7%の長さである、直径方向の両端部を下面側から支持する。そして、ガラス基板の直径の35〜80%の長さの幅であり、該幅方向の中心線はガラス基板の中心を通り、弦と平行であるガラス基板の中央領域上面に、(ガラス基板の主平面の面積)mm×2.28mN/mmにより計算される荷重を48時間加える。その後、荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、荷重を加える前の平坦度との差の絶対値を擬弾性変形量Aとすることができる。
従って、擬弾性変形量Aの値が小さいほど、ガラス基板を変形させた荷重(力)を除去した後、短時間で元の形状に戻ることができるガラス基板、磁気記録媒体であることを示す。
擬弾性変形量Aを測定する際に、ガラス基板に荷重を48時間加えているのは、本発明の発明者らの検討によると、ガラス基板の組成によらずガラス基板に荷重を加える時間が16時間程度で平坦度の変化が飽和してきていることが確認された。このため、平坦度の変化が飽和し、それ以上長く荷重をかけても平坦度の変化が起きない時間という観点から48時間としている。
荷重を取り除いた後5時間後の平坦度を比較の対象としているのは、磁性層成膜工程や、磁気記録媒体保持工程等を行い、磁気記録媒体を製造した後、サーボ情報を書き込むまでの間に磁気記録媒体をハードディスクに組み込むハードディスク組み込み工程等行う。こため、通常、磁気記録媒体を製造した後、すなわち、磁性層成膜工程後、または、磁気記録媒体保持工程で形成した梱包を開封した後、サーボ情報を書き込むまで少なくとも5〜12時間程度かかるためである。
本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板の擬弾性変形量Aが上記範囲の場合、ガラス基板(磁気記録媒体)が座屈変形や曲げ変形等の変形をした場合でも、ガラス基板、磁気記録媒体が短時間で元の形状に戻れることを示している。また、さらに時間経過により変位する場合でもその変位幅は、擬弾性変形量Aの値以下となり、平坦度の変位の幅が小さいことを示している。このため、擬弾性変形量Aが上記範囲を有することによりサーボ情報を書き込み後の変位幅は小さくなりエラーの発生をより抑制することが可能になる。
磁気記録媒体のガラス基板において、擬弾性変形量Aは1.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることがさらに好ましく、0.4μm以下であることが特に好ましい。
また、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板において、ガラス基板直径方向の両端部を下面側から支持し、ガラス基板の中央部(中心を含む中央領域)上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、荷重を取り除いた後48時間経過時の平坦度との差の絶対値を擬弾性変形量Bとする。この場合に、ガラス基板は擬弾性変形量Bが1.5μm以下であることが好ましい。
擬弾性変形量Bは具体的には例えば以下のようにして算出することができる。まず、ガラス基板の対向する2箇所に設けられた弦と円弧によって囲まれ、弦と円弧との間の距離の最大値はガラス基板の直径の2.3%〜7.7%の長さである、直径方向の両端部を下面側から支持する。ガラス基板の直径の35〜80%の長さの幅であり、該幅方向の中心線はガラス基板の中心を通り、弦と平行であるガラス基板の中央領域上面に、(ガラス基板の主平面の面積)mm×2.28mN/mmにより計算される荷重を48時間加える。その後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、荷重を取り除いた後48時間経過時の平坦度との差の絶対値を擬弾性変形量Bとすることができる。
擬弾性変形量Bは、荷重を除去してから5時間経過時から48時間経過時の間の平坦度の変化量を意味している。このため、その値が小さいほど、荷重を除去して5時間経過時からの平坦度の変化量が小さいことを意味している。
従って、擬弾性変形量Bが上記規定を満たすことによって、例えば荷重を除去してから5時間後にサーボ情報を書き込んだ場合、その後の平坦度の変化が小さい、すなわちガラス基板(磁気記録媒体)の変位量が小さいこととなる。このため、書き込んだサーボ情報の位置がずれることを防止し、エラーの発生率をより抑制することが可能になる。
擬弾性変形量Bの値としては、サーボ情報を書き込んだ後、データの読み取り、書き込みを行う際に許容される変形量であればよく特に限定されないが、上記のように1.5μm以下であることが好ましい。擬弾性変形量Bとしては、1.0μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、0.4μm以下であることが特に好ましい。
さらに、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板において、ガラス基板の直径方向の両端部を下面側から支持し、ガラス基板の中央部(中心を含む中央領域)上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後、5時間経過時の平坦度を擬弾性変形量Cとする。この場合に、ガラス基板は擬弾性変形量Cが2.5μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。
擬弾性変形量Cは具体的には例えば以下のようにして算出することができる。まず、ガラス基板の対向する2箇所に設けられた弦と円弧によって囲まれ、弦と円弧との間の距離の最大値はガラス基板の直径の2.3%〜7.7%の長さである、直径方向の両端部を下面側から支持する。そしてガラス基板の直径の35〜80%の長さの幅であり、該幅方向の中心線はガラス基板の中心を通り、弦と平行であるガラス基板の中央領域上面に、(ガラス基板の主平面の面積)mm×2.28mN/mmにより計算される荷重を48時間加える。その後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後、5時間経過時の平坦度を擬弾性変形量Cとすることができる。
擬弾性変形量Cは、その値が小さいほど荷重除去後5時間経過時における平坦度が小さいことを示している。係るパラメータを充足するガラス基板は、荷重を48時間加えているにもかかわらず、変形量が少ないことおよび/または荷重を除去してから5時間で平坦度が回復していることを示している。このため、荷重除去後5時間経過時にサーボ情報を書き込んだとしても、ガラス基板のその後の変形量は小さく、エラーの発生率をより抑制することが可能になる。
ここまで説明した擬弾性変形量A〜Cの測定方法について図3、4を用いて説明する。
なお、以下の説明、図3において各時間での平坦度はF(xh)のように表わす。式中xは、荷重を取り除いた時点を基準(0h)とし、荷重を取り除いてからの経過時間を示している。また、荷重を取り除く前の時間はマイナスで表わされる。このため、例えば、F(−48h)とは、荷重を取り除く48時間前、すなわち荷重を加える前のガラス基板の平坦度を示している。
まず、擬弾性変形量測定フローについて、図3を用いて説明する。
測定は、図3に示すように、まず、荷重を加える前に、ガラス基板の平坦度F(−48h)を測定する(図3中(1)の点)。その後、ガラス基板に後述する方法により、48時間荷重を加える。これは、本発明者らの検討によるといずれのガラス基板においても荷重を加えてから16時間程度で平坦度の変化が飽和することが確認されたためである。このため、平坦度の変化が飽和し、それ以上長く荷重をかけても平坦度の変化が起きない時間という観点から48時間としている。
48時間経過後荷重を取り除き(図3中(2)の点)、荷重を取り除いた後5時間経過したときに平坦度を再度測定して(図3中(3)の点)これをF(5h)とした。これは、上述のように、一般的に、磁性層成膜工程や、磁気記録媒体保持工程で形成した梱包を開封した後5〜12時間程度してからサーボ情報の書き込みが行われているためである。
また、荷重を取り除いた後、48時間経過したときの平坦度を測定して(図3中(4)の点)これをF(48h)とした。これは、一般的なハードディスクドライブの組立工程において、磁性層成膜工程や、磁気記録媒体保持工程で形成した梱包を開封後48時間程度経過した時点でリード・ライトテストを行うためである。
そして、擬弾性変形量Aは上記のように、荷重を加える前の平坦度F(−48h)と、荷重を取り除いた後5時間経過した時の平坦度との差の絶対値により算出され、以下の式で表わされる。
(擬弾性変形量A)=|F(5h)−F(−48h)|
擬弾性変形量Aの値が小さいほど、荷重を加えることによって生じた変形から元のガラス基板の形状(平坦度)に戻っていることを示している。
また、擬弾性変形量Bは上記のように荷重を取り除いた後5時間経過した時の平坦度と、48時間経過した時の平坦度の差の絶対値により算出され、以下の式で表わされる。
(擬弾性変形量B)=|F(5h)−F(48h)|
擬弾性変形量Cは、荷重を除去した後5時間経過した時の平坦度を表わしている。このため、以下の式で表わされる。
(擬弾性変形量C)=F(5h)
ガラス基板の平坦度を測定する手段については特に限定されるものではなく、例えば位相測定干渉法(フェイズシフト法)により測定を行うことができる。
次に、擬弾性変形量を測定する際の、ガラス基板に荷重を加える方法について以下に説明する。
ガラス基板に荷重を加える際には、ガラス基板の対向する直径方向の両端部を下面側から支持し、ガラス基板の中心を含む中央部にガラス基板の上面から垂直下方に荷重を加えることにより行う。
具体的な例について、図4を用いて説明する。
図4は擬弾性変形量を測定するために、ガラス基板43に荷重45を加えている構成例を示したものであり、図4(A)は横側面図、図4(B)は上面図をそれぞれ示したものである。
図4にあるように、ガラス基板43の両端部を支持するためV字ブロック41を用い、その上にガラス基板43、荷重(重石)45を配置してガラス基板43に荷重を加える。
V字ブロック41はその中央部にV字状の切り込み部42を有している。そして、V字状の切り込み部42を覆うようにガラス基板43を配置することによりガラス基板43の両端部44のみを下面側から支持することができるように構成されている。なお、ガラス基板43を支持する部材としては、V字ブロックに限定されるものではなく、ガラス基板43の両端部44を支持できるものであればよい。例えば四角柱形状のブロック2つを所定の間隔を空けて、ガラス基板43の両端部分44を支持できるように配置したものでもよい。
この場合、V字ブロックと接触し、ガラス基板43を支持する直径方向の両端2箇所に設けられた両端部(支持部)44は、それぞれ弦441、442と円弧によって囲まれている。そして、弦441と弦442はV字ブロックの切り込み部の端部であり、平行になっている。そして、弦と円弧の間の距離の最大値、すなわち、図4中のW1はそれぞれ、例えばガラス基板43の直径の2.3%〜7.7%の長さとすることが好ましく、直径の4.0%〜6.0%とすることがより好ましい。これは、支持する部分の範囲が狭すぎると、荷重を加えた場合にガラス基板43がずれ落ちて破損する恐れがあるためであり、広すぎると、荷重部分との間の距離が短くなり、平坦度の変化が出にくくなり、測定の分解能が低くなるためである。
荷重については、ガラス基板43の中心を含む中央部に荷重を加えることができればよく、特にその配置、荷重の大きさについて限定されるものではない。
例えば図4に示すように、ガラス基板43の中央部に直方体の荷重(重石)を配置することによって行うことができる。この場合、荷重はガラス基板43を支持する両端部を構成する弦441、442と平行になるように配置することが好ましい。また、荷重は図4(B)に示すように、弦441、442と平行な中心線から一定の距離の幅(範囲)のガラス基板43を全て覆うように配置することが好ましい。例えば荷重(重石)として、その幅すなわち、図4中のW2の長さがガラス基板43の直径の35%〜80%である直方体を好ましく用いることができ、35%〜50%のものをより好ましく使用することができる。
これは、例えば荷重を加える範囲が狭すぎる場合、荷重が狭い範囲に集中する、荷重が不安定となり転倒する、などによってガラス基板43を破損する恐れがあるためであり、荷重を加える範囲が広すぎる場合、支持している両端部との間の距離が狭くなり、平坦度の変化が出にくくなり、測定の分解能が低くなるためである。
荷重(重石)の縦方向の長さとしては、上記のようにガラス基板43の直径と同じ長さ、または、それ以上の長さであることが好ましい。
荷重の重さとしても特に限定されるものではなく、擬弾性による変形が十分に起こり、かつガラス基板43を破損しない範囲であれば良く、用いるガラス基板43の面積や強度等に応じて選択することができる。
例えば、ガラス基板43の主平面の面積1mmあたり、0.233gf(2.28mN)の荷重になるように選択することができる。すなわち、((磁気記録媒体用)ガラス基板の主平面の面積)mm×0.233gf/mm(2.28mN/mm)により計算される荷重を加えることができる。例えば、外径が65mm、内径(中央部の円孔の直径)が20mmのガラス基板(2.5インチのガラス基板)の場合、700gf(6.86N)の荷重をガラス基板43の中央部上面に加えることになる。
なお、ガラス基板に加わる力(荷重)は同じでも、ガラス基板の板厚が薄くなれば座屈変形、曲げ変形とも応力としては大きくなるため、より局所的な変形が起こりやすくなる。このような場合においては本実施形態で開示した磁気記録媒体がより有効に機能することになる。たとえば断面が矩形の角柱の単純はりの両端を保持し中央に一定荷重とした際の中央部のたわみ量dは以下の式で与えられる。
d=(PL)/(48EI)
P:中心荷重 L:はりの長さ E:材料のヤング率
I=断面二次モーメント=(bh)/12 b:角柱の幅 h:厚み
このため遅延復元変形量もガラス基板の厚みの3乗に反比例し、厚みが薄くなるほど著しく遅延復元変形量が大きくなる可能性がある。しかし、本実施形態の磁気記録媒体によれば、ガラス基板の板厚が薄い場合でも、サーボ情報書き込むまでに変位を終え、またはほぼ終えた状態となる。
以上、本実施形態の磁気記録媒体について説明してきたが、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板に力(荷重)が加わり、変形した場合でもサーボ情報を書き込むまでにガラス基板(磁気記録媒体)は力(荷重)を除去した後の復原力による変位を終え、または、ほぼ終えた状態となる。従って、サーボ情報を書き込んだ後のガラス基板は変位しない、または、変位の程度が軽微となり、書き込んだサーボ情報の位置がずれることを防止し、エラーの発生率を抑制することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態の磁気記録媒体の構成例について説明を行う。
本実施形態の磁気記録媒体は、ガラス基板上に磁性層が成膜されたサーボ情報書き込み用の磁気記録媒体である。そして、該磁気記録媒体に含まれるガラス基板の擬弾性変形量Aが2.0μm以下となっていることが好ましい。なお、擬弾性変形量Aの下限値は0μmとなる。これは、後述する擬弾性変形量B、擬弾性変形量Cについても同様のことがいえる。
ここで擬弾性変形量Aとは、該磁気記録媒体に含まれるガラス基板の直径方向の両端部を下面側から支持し、ガラス基板の中央部上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、荷重を加える前の平坦度との差の絶対値を意味する。
特に、擬弾性変形量Aは具体的には例えば以下のようにして算出することができる。まず、ガラス基板の対向する2箇所に設けられた弦と円弧によって囲まれ、弦と円弧との間の距離の最大値はガラス基板の直径の2.3%〜7.7%の長さである、直径方向の両端部を下面側から支持する。そして、ガラス基板の直径の35〜80%の長さの幅であり、該幅方向の中心線はガラス基板の中心を通り、弦と平行であるガラス基板の中央領域上面に、(ガラス基板の主平面の面積)mm×2.28mN/mmにより計算される荷重を48時間加える。その後、荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、荷重を加える前の平坦度との差の絶対値を擬弾性変形量Aとすることができる。
従って、擬弾性変形量Aの値が小さいほど、磁気記録媒体(ガラス基板)を変形させた荷重(力)を除去した後、短時間で元の形状に戻ることができる磁気記録媒体であることを示す。
擬弾性変形量Aを測定する際に、ガラス基板に荷重を48時間加えているのは、本発明の発明者らの検討によると、ガラス基板の組成によらずガラス基板に荷重を加える時間が16時間程度で平坦度の変化が飽和してきていることが確認された。このため、平坦度の変化が飽和し、それ以上長く荷重をかけても平坦度の変化が起きない時間という観点から48時間としている。
荷重を取り除いた後5時間後の平坦度を比較の対象としているのは、磁性層成膜工程や、磁気記録媒体保持工程等を行い、磁気記録媒体を製造した後、サーボ情報を書き込むまでの間に磁気記録媒体をハードディスクに組み込むハードディスク組み込み工程等行う。こため、通常、磁気記録媒体を製造した後、すなわち、磁性層成膜工程後、または、磁気記録媒体保持工程で形成した梱包を開封した後、サーボ情報を書き込むまで少なくとも5〜12時間程度かかるためである。
本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板の擬弾性変形量Aが上記範囲の場合、ガラス基板(磁気記録媒体)が座屈変形や曲げ変形等の変形をした場合でも、ガラス基板、磁気記録媒体が短時間で元の形状に戻れることを示している。また、さらに時間経過により変位する場合でもその変位幅は、擬弾性変形量Aの値以下となり、平坦度の変位の幅が小さいことを示している。このため、擬弾性変形量Aが上記範囲を有することによりサーボ情報を書き込み後の変位幅は小さくなりエラーの発生をより抑制することが可能になる。
磁気記録媒体のガラス基板において、擬弾性変形量Aは1.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることがさらに好ましく、0.4μm以下であることが特に好ましい。
また、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板において、ガラス基板直径方向の両端部を下面側から支持し、ガラス基板の中央部(中心を含む中央領域)上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、荷重を取り除いた後48時間経過時の平坦度との差の絶対値を擬弾性変形量Bとする。この場合に、ガラス基板は擬弾性変形量Bが1.5μm以下であることが好ましい。
擬弾性変形量Bは具体的には例えば以下のようにして算出することができる。まず、ガラス基板の対向する2箇所に設けられた弦と円弧によって囲まれ、弦と円弧との間の距離の最大値はガラス基板の直径の2.3%〜7.7%の長さである、直径方向の両端部を下面側から支持する。ガラス基板の直径の35〜80%の長さの幅であり、該幅方向の中心線はガラス基板の中心を通り、弦と平行であるガラス基板の中央領域上面に、(ガラス基板の主平面の面積)mm×2.28mN/mmにより計算される荷重を48時間加える。その後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、荷重を取り除いた後48時間経過時の平坦度との差の絶対値を擬弾性変形量Bとすることができる。
擬弾性変形量Bは、荷重を除去してから5時間経過時から48時間経過時の間の平坦度の変化量を意味している。このため、その値が小さいほど、荷重を除去して5時間経過時からの平坦度の変化量が小さいことを意味している。
従って、擬弾性変形量Bが上記規定を満たすことによって、例えば荷重を除去してから5時間後にサーボ情報を書き込んだ場合、その後の平坦度の変化が小さい、すなわち磁気記録媒体(ガラス基板)の変位量が小さいこととなる。このため、書き込んだサーボ情報の位置がずれることを防止し、エラーの発生率をより抑制することが可能になる。
擬弾性変形量Bの値としては、サーボ情報を書き込んだ後、データの読み取り、書き込みを行う際に許容される変形量であればよく特に限定されないが、上記のように1.5μm以下であることが好ましい。擬弾性変形量Bとしては、1.0μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、0.4μm以下であることが特に好ましい。
さらに、本実施形態の磁気記録媒体に含まれるガラス基板において、ガラス基板の直径方向の両端部を下面側から支持し、ガラス基板の中央部(中心を含む中央領域)上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後、5時間経過時の平坦度を擬弾性変形量Cとする。この場合に、ガラス基板は擬弾性変形量Cが2.5μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。
擬弾性変形量Cは具体的には例えば以下のようにして算出することができる。まず、ガラス基板の対向する2箇所に設けられた弦と円弧によって囲まれ、弦と円弧との間の距離の最大値はガラス基板の直径の2.3%〜7.7%の長さである、直径方向の両端部を下面側から支持する。そしてガラス基板の直径の35〜80%の長さの幅であり、該幅方向の中心線はガラス基板の中心を通り、弦と平行であるガラス基板の中央領域上面に、(ガラス基板の主平面の面積)mm×2.28mN/mmにより計算される荷重を48時間加える。その後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後、5時間経過時の平坦度を擬弾性変形量Cとすることができる。
擬弾性変形量Cは、その値が小さいほど荷重除去後5時間経過時における平坦度が小さいことを示している。係るパラメータを充足するガラス基板は、荷重を48時間加えているにもかかわらず、変形量が少ないことおよび/または荷重を除去してから5時間で平坦度が回復していることを示している。このため、荷重除去後5時間経過時にサーボ情報を書き込んだとしても、磁気記録媒体(ガラス基板)のその後の変形量は小さく、エラーの発生率をより抑制することが可能になる。
ここまで説明した擬弾性変形量A〜Cの測定は、第1の実施形態で説明した擬弾性変形量A〜Cの測定方法と同様にして行うことができるため、ここでは説明を省略する。
以上、本実施形態の磁気記録媒体について説明してきたが、本実施形態の磁気記録媒体は、該磁気記録媒体に力(荷重)が加わり、変形した場合でもサーボ情報を書き込むまでに磁気記録媒体は力(荷重)を除去した後の復原力による変位を終え、または、ほぼ終えた状態となる。従って、サーボ情報を書き込んだ後の磁気記録媒体は変位しない、または、変位の程度が軽微となり、書き込んだサーボ情報の位置がずれることを防止し、エラーの発生率を抑制することができる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
まず、以下の実施例、比較例において磁気記録媒体に用いるガラス基板の評価方法、及び、ガラス基板表面に磁性層などの薄膜を成膜した磁気記録媒体の評価方法について説明する。
(1)荷重除去直後の平坦度の荷重除去前の荷重印加時間依存性の評価
荷重除去前の荷重印加時間を変化させ、荷重(力)を除去した直後の平坦度の変化を評価した。
ガラス基板に荷重(力)を加える方法について説明する。
まず、図4に示すように磁気記録媒体に用いるガラス基板43の両端部分をV字ブロック41により支持した
支持部分44は直径方向の両端に配置されており、2つの両端部(支持部)は弦441、442と(弦により切り取られた短い方の弧である)円弧によって囲まれており、2つの両端部は同一の形状になっている。そして、弦441、442と円弧の間の距離の最大値W1はガラス基板43の直径の5.4%(3.5mm)になるように配置した。
次に、V字ブロック41によって支持された両端部分を構成する弦441、442と平行になるように、荷重45をガラス基板43の主平面上に配置した。本実施例では、荷重45のサイズとしては、その横幅、すなわち、図4中のW2がガラス基板43の直径の38.5%(25mm)であり、700gf(6.86N)である荷重を用いた。この場合、荷重45の幅方向の中心線がガラス基板43の中心を通るように配置する。
また、縦方向については、図4に示したものと同様に荷重45の横幅の範囲全体に渡ってガラス基板43を完全に覆うよう、ガラス基板43の直径よりも長いものを用いた。
荷重時間による平坦度の変化の評価においては、荷重(力)を加える時間を変化させ、それによるガラス基板の平坦度の評価を行うため、各試料について後掲する表2に示した荷重印加時間の間、上記のようにガラス基板上に荷重を配置し、荷重除去後すぐに平坦度の測定を行った。
そして、各ガラス基板について所定の時間、荷重を加えた後これを取り除いた直後の平坦度を測定した。平坦度の測定は、位相測定干渉法(フェイズシフト法)により行った。具体的には、干渉式平坦度測定機(Zygo社製、型式:Zygo GI Flat(MESA))を使用し、680nmの測定波長で測定した。
(2)荷重除去後の平坦度の荷重解放後経過時間依存性の評価
ガラス基板に24時間荷重を加えた後、荷重を除去し、荷重除去後の平坦度の変化を評価した。
ガラス基板に荷重を加える方法は、(1)荷重除去直後の平坦度の荷重除去前の荷重印加時間依存性の評価の場合と同様にして行い、24時間荷重を加えた。
そして、荷重を除去後、後掲する表3中、荷重解放後経過時間で示した所定の時間毎に平坦度の測定を行った。平坦度の測定は(1)荷重除去直後の平坦度の荷重除去前の荷重印加時間依存性の評価の場合と同様に位相測定干渉法(フェイズシフト法)により行った。
(3)擬弾性変形量A〜C
擬弾性変形量A〜Cの評価を行うに当たって、第1の実施形態に説明したように、ガラス基板に荷重を加える前の平坦度F(−48h)と、荷重を48時間加えた後これを取り除いてから5時間、48時間経過時の平坦度F(5h)、F(48h)をそれぞれ測定した。
各時間における平坦度の測定は、位相測定干渉法(フェイズシフト法)により行った。具体的には、干渉式平坦度測定機(Zygo社製、型式:Zygo GI Flat(MESA))を使用し、680nmの測定波長で測定した。
その後、測定した各平坦度から以下の式により擬弾性変形量A〜Cを算出した。
(擬弾性変形量A)=|F(5h)−F(−48h)|
(擬弾性変形量B)=|F(5h)−F(48h)|
(擬弾性変形量C)=F(5h)
ここで、ガラス基板に荷重を加える方法については、(1)荷重除去直後の平坦度の荷重除去前の荷重印加時間依存性の評価の場合と同様にして行い、荷重は48時間加えた。
(4)リード・ライトテスト
得られた磁気記録媒体について、以下に説明する手順によりリード・ライトテストを行った。
具体的には、ガラス基板に磁性層等を形成した磁気記録媒体をハードディスクドライブ(HDD)に組み込み、下記の手順にてサーボ情報を書き込んだ。その後、下記実例の手順により、トラック密度約254kTPI(Track per inch)、線記録密度約1500BPI(Bit per inch)の条件にて磁気信号を記録し、その信号を読み出すときのエラー発生の有無を確認した。
本実例では、例1〜例10の磁気記録媒体を作成し、その評価を行った。例1〜例10の磁気記録媒体は、表1に示すように磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラス組成が異なっている。例1〜4、7が参考例、例5、6が実施例、例8〜例10が比較例となっている。
Figure 0006332321

(ガラス基板の製造)
各ガラス基板は、表1の例1〜例10のガラス組成を有するガラス素基板を用いて、以下の手順により、直径65mm、板厚0.635mm、中央部に20mmの円孔を有するドーナツ形状に加工した。なお、表1中ROはガラス素基板のガラス組成のうちのアルカリ土類金属酸化物の含有量について、ROはガラス素基板のガラス組成のうちアルカリ金属酸化物の含有量についてそれぞれ示している。また、表中「−」は係る成分を含まない、すなわち係る成分の含有量が0であることを意味している。
まず、ガラス素基板から中央部に円孔を有する円盤形状ガラス基板に加工する。
この円盤形状ガラス基板の内周端面と外周端面を、面取り角度45°のガラス基板が得られるように面取り加工を行う(内周面取り工程、外周面取り工程)。
面取り加工後、アルミナ砥粒を用いてガラス基板上下主平面をラッピング加工し、砥粒を洗浄除去する。
次に、ガラス基板の外周側面部と外周面取り部を、研磨ブラシと酸化セリウム砥粒を含有する研磨液を用いて研磨し、外周側面と外周面取り部の加工変質層(傷など)を除去し、鏡面となるように外周端面を研磨加工する(外周端面研磨工程)。
外周端面研磨後、ガラス基板の内周側面部と内周面取り部を研磨ブラシと酸化セリウム砥粒を含有する研磨液用いて研磨し、内周側面部と内周面取り部の加工変質層(傷など)を除去し、鏡面となるように内周端面を研磨加工する(内周端面研磨工程)。内周端面研磨したガラス基板は、砥粒を洗浄除去する。
ガラス基板の端面を加工した後、ダイヤモンド砥粒を含有する固定粒工具と研削液を用いて、ガラス基板上下主平面をラッピング加工し、洗浄する。
次に、研磨具として硬質ウレタン製の研磨パッドと酸化セリウム砥粒を含有する研磨液を用いて、22B型両面研磨装置(スピードファム社製、製品名:DSM22B−6PV−4MH)により上下主平面を1次研磨し、酸化セリウムを洗浄除去した。
1次研磨後のガラス基板は、研磨具として軟質ウレタン製の研磨パッドと、上記の酸化セリウム砥粒よりも平均粒径が小さい酸化セリウム砥粒を含有する研磨液を用いて、22B型両面研磨装置により上下主平面を2次研磨し、酸化セリウムを洗浄除去した。
2次研磨後のガラス基板は、3次研磨(仕上げ研磨)を行う。3次研磨の研磨具として軟質ウレタン製研磨パッドとコロイダルシリカを含有する研磨液を用いて、両面研磨装置により上下主平面を研磨加工した。
仕上げ研磨(3次研磨)したガラス基板は、スクラブ洗浄、洗剤溶液に浸漬した状態での超音波洗浄、純水に浸漬した状態での超音波洗浄、を順次行い(精密洗浄)、イソプロピルアルコール蒸気にて乾燥した。
得られた各ガラス基板について、(1)荷重除去直後の平坦度の荷重除去前の荷重印加時間依存性の評価、(2)荷重除去後の平坦度の荷重解放後経過時間依存性の評価、(3)擬弾性変形量A〜Cの評価を行った。
まず、例1、例8、例9の磁気記録媒体で用いるガラス基板について(1)荷重除去直後の平坦度の荷重除去前の荷重印加時間依存性の評価を行ったので結果を表2に示す。また、表2の結果をグラフにしたものを図5、図6に示す。図6は横軸に示した荷重印加時間を対数軸にして示したものである。
Figure 0006332321

表2、図5、図6の結果から明らかなように、例8、例9の磁気記録媒体で用いるガラス基板については、荷重を加えることにより平坦度が大きくなり、10時間を越えた辺りで平坦度の変化が飽和することが確認できた。この場合、荷重を加えはじめてから24時間における平坦度の変化率は、例8のガラス基板は870%、例9のガラス基板は3300%であった。
これに対して、参考例である例1の磁気記録媒体で用いるガラス基板については、荷重を加えても平坦度は殆ど変化なく、荷重を加えはじめてから24時間における平坦度の変化率が20%であることが確認できた。
これらの結果から、ガラス基板の組成により荷重に対する平坦度の変化が異なることが確認できた。特にBを7.6mol%含有する例1のガラス基板については、上述のように平坦度の変化が小さいことが確認できた。
次に、例1〜例10のガラス基板について(2)荷重除去後の平坦度の荷重解放後経過時間依存性の評価を行ったので結果を表3に示す。また、表3の結果をグラフにしたものを、図7、図8に示す。図8は、図7の平坦度が小さい領域を拡大して示したものである。
(2)荷重除去後の平坦度の荷重解放後経過時間依存性の評価は上述のように荷重を24時間加えた後、荷重を除去し、荷重除去後の平坦度の変化を評価したものである。
Figure 0006332321

表3の結果によると、例1〜例7の磁気記録媒体で用いるガラス基板についてはいずれも24時間荷重を加えた直後の平坦度が小さく、荷重を除去した後、時間の経過に関わらず平坦度の変化は殆ど見られなかった。
これに対して、例8〜10の磁気記録媒体で用いるガラス基板は、24時間荷重を加えた直後の平坦度が大きくなっており、荷重を除去後時間の経過に伴い平坦度が徐々に小さくなることが確認できた。
係る結果からも、ガラス基板のガラスの組成によって、荷重を加えた際の平坦度の変化が異なることが確認できた。また、荷重を除去した後の復原力による変位もガラス基板のガラスの組成により異なることが確認できた。
特に例8〜例10の磁気記録媒体で用いたガラス基板の場合、荷重を加えた際の平坦度の変化が大きいことが確認できた。このため、これらのガラス基板を磁気記録媒体とした場合、例えば荷重を除去してから5時間後にサーボ情報を書き込むと、その後サーボ情報の位置が大きく変化し、エラー発生の原因となることが分かる。
例1〜例10のガラス基板について、擬弾性変形量A〜Cについての評価結果と、比弾性の計算結果を表4に示す。
Figure 0006332321

表4によると、例1〜7の磁気記録媒体に用いるガラス基板は比弾性が29MNm/kg以上と高くなっていることが確認できる。中でもBの含有量が2.0mol%未満である例5、例6のガラス基板については比弾性が34MNm/kgと特に高くなっていることが確認できた。また、Bを含有していないが、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%である例7のガラス基板についても比弾性が34MNm/kgと特に高くなっていることが確認できた。比弾性が高い値をとることにより、磁気記録媒体とした場合に、磁気記録媒体を高速回転させた場合でも、フラッタリングの発生を抑制し、磁気記録媒体の読み取り/書き込みエラーの発生を特に抑制することが可能になる。
荷重を加える前の平坦度と、荷重を加え、荷重を除去した後5時間経過した時点での平坦度との差の絶対値を示す擬弾性変形量Aは、例1〜7の磁気記録媒体で用いるガラス基板は2.0μm以下と例8〜10の磁気記録媒体で用いるガラス基板と比較して小さい値であることが確認できた。特に例1〜6の磁気記録媒体で用いるガラス基板は、擬弾性変形量Aは0.1μm以下とより小さい値となることが確認できた。
また、荷重を除去後5時間経過時の平坦度と、荷重を除去後48時間経過時の平坦度との差の絶対値を示す擬弾性変形量Bも例1〜7の磁気記録媒体で用いるガラス基板についてはいずれも1.5μm以下と、例8〜10の磁気記録媒体で用いるガラス基板と比較して非常に小さい値であることが確認できた。この場合も例1〜6の磁気記録媒体で用いるガラス基板の擬弾性変形量Bは0.1μm以下であり、特に小さくなることが確認できた。
さらに、荷重を除去後5時間経過時の平坦度を示す擬弾性変形量Cも例1〜7の磁気記録媒体で用いるガラス基板については2.5μm以下と、例8〜10の磁気記録媒体で用いるガラス基板と比較して小さい値であることが確認できた。また、例1〜6の磁気記録媒体で用いるガラス基板は、1.0μm以下と特に小さい値となった。
荷重を加える時間が異なるものの(2)荷重除去後の平坦度の荷重解放後経過時間依存性の評価でも説明したように、例1〜7の磁気記録媒体で用いるガラス基板は荷重の除去直後においても平坦度が小さく、荷重を除去後の平坦度の変化も小さくなる。このため、上述のように擬弾性変形量も小さくなったと考えられる。
(磁気記録媒体の製造)
次に、例1〜例10の磁気記録媒体で用いるそれぞれのガラス基板に下地層、磁性層、保護層、潤滑層を順次設けて例1〜例10の磁気記録媒体を各100枚ずつ製造した。
具体的な手順を説明すると、例1〜10の各磁気記録媒体用のガラス基板の表面に、インライン型スパッタリング装置を用いて、軟磁性下地層としてNiFe層、非磁性中間層としてRu層、垂直磁気記録層としてCoCrPtSiOのグラニュラ構造層を、順次積層した。次に、CVD法にてダイヤモンドライクカーボン膜を保護層として形成した。その後、ディップ法によってパーフルオロポリエーテルを有する潤滑膜を形成し、磁気記録媒体とした。
得られた磁気記録媒体をそれぞれシッピングカセット(エンテグリス社製)に収納し、400mmHgの真空度でAlラミネート袋に真空包装し、48時間放置した。
48時間後包装を開封し、磁気記録媒体を取り出してHDD装置に組み上げ、254kTPIに対応する条件でサーボ情報を書き込んだ。サーボ情報書き込みは、開封後5時間後に行った。サーボ情報書き込みから43時間後(開封後48時間後)に、HDDのリード・ライトテストを実施した。
リード・ライトテストの結果、例1〜例7の磁気記録媒体においては、試験に供した100枚の磁気記録媒体いずれにおいてもエラーは発生しなかったが、例8〜例10の磁気記録媒体においては、1%程度のエラーが外周部に集中して発生した。
例8〜10の磁気記録媒体においてエラー発生率が大きくなった原因は以下のように考えられる。
シッピングカセット内に保持された磁気記録媒体は、真空包装による大気からの圧力で変形し、開包後はそれぞれの磁気記録媒体に含まれるガラス基板の特性に従って徐々に元の形状に戻る。しかしながら、例8〜10では上記ガラス基板の評価から明らかなように、荷重が加えられた後、荷重を除去すると徐々にガラス基板の形状が変化する。このため、サーボ情報書き込み時に、ガラス基板はまだ形状変化している途中であり、サーボ情報書き込み後さらに形状が変化する。従って、サーボ情報書き込み後のリード・ライトテスト時にサーボ情報の位置ずれが発生したものと考えられる。
形状の変化は外周ほど顕著なため、ガラス基板によっては外周部にエラーが集中したものと推認される。
例8、9の磁気記録媒体で用いたガラス基板は、例1〜例4で用いたガラス基板よりも比弾性が高く、フラッタリングが抑えられるため、従来の磁気記録媒体についての考えによれば、磁気記録媒体の実装評価においてエラーの発生が抑制されるはずである。しかしながら、上記のようにエラーの発生率が高かった。
これは、例8、9の磁気記録媒体の製造工程においてガラス基板に座屈変形または曲げ変形を生じたにも関わらず、ガラス基板のガラスの組成の選択が適切でなかったため、変形後、元の形状に戻る過程でサーボ情報が書き込まれたためと考えられる。
これらの結果から、磁気記録媒体のエラーの発生を充分に抑制するためには、従来考えられていたようにガラス基板として比弾性が高いガラス基板を用いるだけでは不充分であり、Bの含有量が所定の範囲にあるガラス基板、または、アルカリ金属酸化物の含有量が所定量以下のガラス基板を選択する必要があることが分かる。
[実験例2]
本実例では、例11〜例24の磁気記録媒体を作成し、その評価を行った。例11〜例24の磁気記録媒体は、表5に示すように磁気記録媒体に含まれるガラス基板のガラス組成が異なっている。例11〜21が参考例、例22〜例24が比較例となっている。
(ガラス基板の製造)
各ガラス基板は、表5の例11〜例24のガラス組成を有するガラス素基板を用いて、直径65mm、板厚0.635mm、中央部に20mmの円孔を有するドーナツ形状のガラス基板を作製した。ガラス基板の作製手順は実験例1と同様にして行ったため説明を省略する。


表5中ROはガラス素基板のガラス組成のうちのアルカリ土類金属酸化物の含有量について、ROはガラス素基板のガラス組成のうちアルカリ金属酸化物の含有量についてそれぞれ示している。また、表中「−」は係る成分を含まない、すなわち係る成分の含有量が0であることを意味している。
得られた各ガラス基板について、実験例1の場合と同様にして擬弾性変形量Aの評価を行った。
結果を表5に示す。
Figure 0006332321

表5に示した結果によるとアルカリ金属酸化物を1種類含み、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上25mol%以下の例11、13、14、18、19、21は擬弾性変形量Aが0.6μm未満となっていることを確認できた。
また、アルカリ金属酸化物を2種類以上含み、アルカリ金属酸化物の含有量の合計が0mol%より多く20mol%以下の例12、15〜17、20は擬弾性変形量Aが2.0μm以下となっていることを確認できた。これに対して、比較例であり、アルカリ金属酸化物を2種類含有し、アルカリ金属酸化物の含有量の合計が20mol%を超える例22〜24では擬弾性変形量Aが、例11〜21と比較して非常に大きくなることを確認できた。
(磁気記録媒体の製造)
次に、例11〜例24の磁気記録媒体で用いるそれぞれのガラス基板に下地層、磁性層、保護層、潤滑層を順次設けて例11〜例24の磁気記録媒体を100枚ずつ製造した。
磁気記録媒体は実験例1と同様の手順により製造したため説明を省略する。
製造した磁気記録媒体について実験例1と同様にしてシッピングカセット(エンテグリス社製)に収納し、400mmHgの真空度でAlラミネート袋に真空包装し、48時間放置した。そして、48時間後包装を開封し、磁気記録媒体を取出してHDD装置に組み上げ、254kTPIに対応する条件でサーボ情報を書き込んだ、サーボ情報書き込みは開封後5時間後に行い、サーボ情報書き込みから43時間後(開封後48時間後)にHDDのリード・ライトテストを実施した。
リード・ライトテストを実施したところ、例11〜例21の磁気記録媒体はいずれにおいてもエラーは発生しなかったが、例22〜例24の磁気記録媒体おいては1%程度のエラーが外周部に集中して発生した。
例22〜例24の磁気記録媒体においてエラー発生率が大きくなった原因は以下のように考えられる。
シッピングカセット内に保持された磁気記録媒体は、真空包装による大気からの圧力で座屈変形及び曲げ変形の少なくともいずれかにより変形し、開包後はそれぞれの磁気記録媒体に含まれるガラス基板の特性に従って徐々に元の形状に戻る。しかしながら、例22〜例24では上記ガラス基板の評価から明らかなように、擬弾性変形量Aが例11〜例21と比較して大きくなっている。このため、サーボ情報書き込み時にはガラス基板はまだ形状変化している途中であり、サーボ情報書き込み後さらに形状が変化し、サーボ情報書き込み後のリード・ライトテスト時にサーボ情報の位置ずれが発生したものと考えられる。
そして、形状の変化は外周ほど顕著なため、ガラス基板によっては外周部にエラーが集中したものと推認される。
43 ガラス基板
44 両端部
45 荷重

Claims (7)

  1. 磁気記録媒体用のガラス基板であって、
    前記ガラス基板の直径方向の両端部を下面側から支持し、前記ガラス基板の中央部上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、
    荷重を加える前の平坦度との差の絶対値を擬弾性変形量Aとした場合に、
    前記擬弾性変形量Aが2.0μm以下であり、
    前記ガラス基板のガラスは、Alを5mol%以上含有し、かつ、
    の含有量が0.1mol%以上2mol%未満であり、
    含有するアルカリ金属酸化物は1種類以下であり、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%以上10mol%以下、またはアルカリ金属酸化物を2種類以上含有し、アルカリ金属酸化物の含有量が0mol%より多く0mol%以下である磁気記録媒体用のガラス基板。
  2. 前記ガラス基板の直径方向の両端部を下面側から支持し、前記ガラス基板の中央部上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後5時間経過時の平坦度と、
    荷重を取り除いた後48時間経過時の平坦度との差の絶対値を擬弾性変形量Bとした場合に、
    前記擬弾性変形量Bが1.5μm以下である請求項1に記載の磁気記録媒体用のガラス基板。
  3. 前記ガラス基板の直径方向の両端部を下面側から支持し、前記ガラス基板の中央部上面に荷重を48時間加えた後に荷重を取り除き、荷重を取り除いた後、5時間経過時の平坦度である擬弾性変形量Cが2.5μm以下である請求項1または2に記載の磁気記録媒体用のガラス基板。
  4. 熱アシスト磁気記録方式の磁気記録媒体用のガラス基板である請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用のガラス基板。
  5. 前記ガラス基板のガラスが、Alを5mol%以上20mol%以下含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用のガラス基板。
  6. 前記ガラス基板のガラスが、
    SiOを66mol%以上70mol%以下含有し、
    アルカリ金属酸化物を実質的に含有しない請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用のガラス基板。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラス基板上に熱アシスト磁気記録方式用の磁性層を設けてなる磁気記録媒体。
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