JP2016086034A - インダクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】巻き線を巻回する巻芯部と、巻芯部の両端に設けられた2つのツバ部と、を有するコアと、巻芯部に複数層にわたって巻いた巻き線であって、巻芯部に前記2つのツバ部の一方のツバ部から他方のツバ部に向かう順進方向に沿った複数回巻きで構成される順進巻き層と、順進巻き層から続き、順進巻き層の上に順進方向とは逆の後進方向に沿った少なくとも1回巻きで構成される後進巻き層と、後進巻き層から続き、順進方向について、後進巻き層の上をわたって1/2回巻き未満で順進巻き層の順進方向側の巻芯部に至る、戻し巻き部分と、を含む、巻き線と、を備える。
【選択図】図1
Description
前記巻芯部に複数層にわたって巻いた巻き線であって、
前記巻芯部に前記2つのツバ部の一方のツバ部から他方のツバ部に向かう順進方向に沿った複数回巻きで構成される順進巻き層と、
前記順進巻き層の上に前記順進方向とは逆の後進方向に沿った少なくとも1回巻の後進巻き層と、
前記後進巻き層の最後の巻きから前記順進方向について、前記後進巻き層の上をわたって1/2回巻き未満で前記順進巻き層の順進方向側の巻芯部に至る、戻し巻き部分と、
を含む、巻き線と、
を備える。
前記巻芯部に複数層にわたって巻いた巻き線であって、
前記巻芯部に前記2つのツバ部の一方のツバ部から他方のツバ部に向かう順進方向に沿った複数回巻きで構成される順進巻き層と、
前記順進巻き層の上に前記順進方向とは逆の後進方向に沿った少なくとも1回巻きの後進巻き層と、
前記後進巻き層の最後の巻きから前記順進方向について、前記後進巻き層の上をわたって1/2回巻き未満で前記順進巻き層の順進方向側の巻芯部に至る、戻し巻き部分と、
を含む、巻き線と、
を備える。
前記巻芯部に前記順進方向に沿った複数回巻きで構成される第2の順進巻き層と、
前記第2の順進巻き層の上に前記順進方向とは逆の後進方向に沿った少なくとも1回巻きの第2の後進巻き層と、
前記第2の後進巻き層の最後の巻きから前記順進方向について、前記第2の後進巻き層の上をわたって1/2回巻き未満で前記第2の順進巻き層の順進方向側の巻芯部に至る、第2の戻し巻き部分と、
を含んでもよい。
巻き線を複数層、巻芯部に巻回してインダクタを形成する場合、例えば、巻芯部に1層目の巻き線を巻いた後、1層目の巻き線の上に2層目として次の巻き線を巻き、このような巻き線のパターンを繰り返す巻き方を一般に「バンク巻き」と呼ばれる。本発明者は、1層目、2層目の巻き方及び巻き数を適宜変化させた複雑なバンク巻き工法を採用した場合、巻き線の巻層厚みのばらつきが大きくなり、インダクタンス値のばらつきも大きくなることを見出した。具体的には、偶数層のバンク巻きをする場合、順進方向へ戻すための戻し巻きが発生する。本発明者は、先行技術では下層の巻き線の影響を受ける等の要因によって、戻し巻き部分の巻き線の巻層厚みが安定せず、これが原因となってインダクタンス値のばらつきが大きくなっているという問題点を見出した。例えば、偶数層である2層目の上に順進方向に、戻し巻き部分としての3層目の巻き線を設けた構造において、3層目の下層である2層目の巻き線に巻層厚みの乱れが発生した場合、3層目にも巻き線の巻層厚みの乱れが発生し易いというおそれがある。
<インダクタ>
図1は、実施の形態1に係るインダクタ10のコアのツバ部2a、2bに設けた外部電極3a、3bを底面とした場合における巻き線の状態を示す一方の側面図である。図2は、図1の巻き線の順序を示した模式図である。図3から図5は、それぞれ巻き線の状態を示す底面図、他方の側面図、平面図である。図6は、実施の形態1に係るインダクタ10のコアの巻芯部1の長手方向から見た正面図である。図1と、図3から図5は、図6の矢印のそれぞれの面から見たものに対応する。
また、戻し巻き部分C2から順進方向側の1層目の巻芯部1に至り(落とし込み)、次いで、巻芯部1を少なくとも1回巻き(1ターン(1T))するように構成することで、複数あるバンク巻き部分の最後のバンク巻き部分も他のバンク巻き部分と同等の構造にすることができる。この点でも特性ばらつきを抑制することができる。さらに、戻し巻き部分から次の巻き線との間で巻芯部1に落とし込むことで、戻し巻き部分の前後の巻き線をそれぞれ別々の部分として安定化させることができる。
以上の効果が相乗し、インダクタンスL値の安定化を図り、信頼性の高いコイル部品を生産することができる。
コアは、巻き線を巻回する巻芯部1と、巻芯部1の両端に設けられた2つのツバ部2a、2bと、を有する。
巻芯部1は、通常使用される材料からなるものであればよく、例えば、フェライト等の軟磁性体材料からなるものであってもよい。巻芯部1の長手方向の長さは特に限定されないが、例えば、0.2mm〜2.0mmの範囲であってもよい。巻芯部1の断面形状は、例えば、四角形形状、多角形形状、円形形状等であってもよい。
巻芯部1の両端にはツバ部2a、2bが設けられている。ツバ部2a、2bの外形は、例えば、四角形形状、多角形形状、円形形状等であってもよい。
ツバ部2a、2bには、外部電極3a、3bが設けられている。ツバ部2a、2bの外形が四角形形状である場合には、外部電極3a、3bは、四角形形状の1つの辺に設けられていればよい。ツバ部2a、2bの外形が多角形形状の場合には、外部電極3a、3bは、その1辺に設けられていればよい。ツバ部2a、2bの外形が円形形状の場合には、外部電極3a、3bは、適当な長さの弦に設けられていればよい。
これによって、ツバ部2a、2bよりも巻き線がはみ出すことがないようにでき、実装時の断線を回避することができる。
なお、戻し巻き部分C1、C2を設ける面のツバ部2a、2bの高さを他の面に比べてより高くしておいてもよい。
ツバ部段差比率={(ツバ部外径寸法−巻芯部寸法)/((ツバ部外径寸法)*2)}*100(%)
で表わされる。このツバ部段差比率は、例えば、20%以下とすればよい。このツバ部段差比率が20%を超えると、ツバ部2a、2bの製造時のプレスプロセスで、ツバ部の密度が低く不安定となり、巻芯部1自体の製造安定性が悪化し、巻き線時にツバ部2a、2bで割れが発生したりする。一方、20%以下の場合には成型性が安定し、コア強度の劣化を防止でき、生産安定化を図ることができる。
巻き線(導線、ワイヤ)は、巻芯部1に複数層にわたって巻かれる。この巻き線は、巻芯部1に順進方向に沿った複数回巻きで構成される順進巻き層A1、A2と、順進巻き層A1、A2の上に順進方向とは逆の後進方向に沿った少なくとも1回巻きの後進巻き層B1、B2と、後進巻き層B1、B2の最後の巻きから順進方向に戻し、後進巻き層B1、B2の上をわたって1/2回巻き未満で順進巻き層A1、A2の順進方向側の巻芯部1に巻く、戻し巻き部分C1、C2と、を含む。
戻し巻き部分C1、C2は、後進巻き層B1、B2の上をわたって巻芯部1に巻くまでが1/4回巻き以下であることが好ましい。
<インダクタ>
図7から図10は、実施の形態2に係るインダクタ10aのコアのツバ部2a、2bに設けた外部電極3a、3bを底面とした場合における巻き線の状態を示す一方の側面図、底面図、他方の側面図、平面図である。図11は、実施の形態1に係るインダクタ10aのコアの巻芯部1の長手方向から見た正面図である。図7から図10は、図11の矢印の面のそれぞれから見たものに対応する。
2a、2b ツバ部
3a、3b 外部電極
10、10a インダクタ
A1、A2 順進巻き層
B1、B2 後進巻き層
C1、C2 戻し巻き部分
Claims (9)
- 巻き線を巻回する巻芯部と、前記巻芯部の両端に設けられた2つのツバ部と、を有するコアと、
前記巻芯部に複数層にわたって巻いた巻き線であって、
前記巻芯部に前記2つのツバ部の一方のツバ部から他方のツバ部に向かう順進方向に沿った複数回巻きで構成される順進巻き層と、
前記順進巻き層から続き、前記順進巻き層の上に前記順進方向とは逆の後進方向に沿った少なくとも1回巻きで構成される後進巻き層と、
前記後進巻き層から続き、前記順進方向について、前記後進巻き層の上をわたって1/2回巻き未満で前記順進巻き層の順進方向側の巻芯部に至る、戻し巻き部分と、
を含む、巻き線と、
を備えた、インダクタ。 - 前記巻き線は、前記戻し巻き部分に続く、前記順進方向側の前記巻芯部に少なくとも1回巻き部分をさらに含む、請求項1に記載のインダクタ。
- 前記戻し巻き部分は、前記後進巻き層の上をわたって前記巻芯部に至るまでが1/4回巻き以下である、請求項1又は2に記載のインダクタ。
- 前記巻芯部は、四角形の断面形状を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のインダクタ。
- 前記ツバ部は、四角形の外形を有し、前記ツバ部の前記四角形の一辺に外部電極を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のインダクタ。
- 前記外部電極を有する面を底面としたとき、前記戻し巻き部分は、前記底面と反対側の天面側に設けられている、請求項5に記載のインダクタ。
- 前記外部電極を有する面を底面としたとき、前記戻し巻き部分は、前記底面と隣接する側面側に設けられている、請求項5に記載のインダクタ。
- 前記巻芯部に前記順進方向に沿った複数回巻きで構成される前記順進巻き層と、前記戻し巻き部分の直前の前記後進巻き層との間に、複数回巻きで構成される後進巻き層と複数回巻きで構成される順進巻き層とを少なくとも一組以上有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のインダクタ。
- 前記巻き線は、さらに、前記戻し巻き部分に続いて、前記順進巻き層を第1の順進巻き層とし、前記後進巻き層を第1の後進巻き層として、
前記巻芯部に前記順進方向に沿った複数回巻きで構成される第2の順進巻き層と、
前記第2の順進巻き層から続き、前記第2の順進巻き層の上に前記順進方向とは逆の後進方向に沿った少なくとも1回巻きで構成される第2の後進巻き層と、
前記第2の後進巻き層から続き、前記順進方向について、前記第2の後進巻き層の上をわたって1/2回巻き未満で前記第2の順進巻き層の次の前記巻芯部に至る、第2の戻し巻き部分と、
を含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載のインダクタ。
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