JP2016080837A - 液体現像剤 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕 ポリエステル樹脂と顔料とを含有するトナー粒子が絶縁性液体中に分散してなる液体現像剤であって、前記ポリエステル樹脂が、炭素数8以上14以下の脂肪族ジオールを60モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上100モル%以下含有するカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られる結晶性ポリエステルを含有する、液体現像剤、
並びに
〔2〕 工程1:少なくともポリエステル樹脂と顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程であって、該ポリエステル樹脂が結晶性ポリエステルを含有し、該結晶性ポリエステルが、炭素数8以上14以下の脂肪族ジオールを60モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上100モル%以下含有するカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られる樹脂である、工程、及び
工程2:トナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む、液体現像剤の製造方法
に関する。
前記結晶性ポリエステルは、長鎖脂肪族ジオールと長鎖脂肪族ジカルボン酸化合物とを主成分として含む原料モノマーを重縮合して得られるポリエステルであり、該ポリエステルは、結晶性が高いとともに、結晶性ポリエステルの構成単位である長鎖脂肪族の部位が絶縁性液体中での分散性を高め、低粘度でありながら、良好な保存安定性が得られると考えられる。なお、結晶性ポリエステルの結晶性が低いと、非晶質ポリエステルを併用する場合には、非晶質ポリエステルのガラス転移温度が低下し、逆に保存安定性が低下する。
また、定着性に優れるのは、該結晶性ポリエステルは低極性であり、加熱定着時に、低極性の絶縁性液体に相溶し易く、成膜しやすくなるためと考えられる。
さらに、低極性の結晶性ポリエステルを用いることで、絶縁性液体中に、低分子の結晶性ポリエステルが溶出したとしても、低極性であるため、現像液(液体現像剤)を高抵抗に維持できる。これにより、絶縁性液体中での転写効率を向上させることができる。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
工程1:少なくともポリエステル樹脂と顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程、及び
工程2:トナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む方法により製造することが好ましい。
工程2−2:工程2−1で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
<3> 炭素数8以上14以下の脂肪族ジオールの含有量が、結晶性ポリエステルのアルコール成分中、70モル%以上であり、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、95モル%以上がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましく、100モル%がさらに好ましい、前記<1>又は<2>記載の液体現像剤。
<4> 炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の炭素数が、10以上である、前記<1>〜<3>いずれか記載の液体現像剤。
<5> 炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量が、結晶性ポリエステルのカルボン酸成分中、70モル%以上であり、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、95モル%以上がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましく、100モル%がさらに好ましい、前記<1>〜<4>いずれか記載の液体現像剤。
<6> 結晶性ポリエステルの原料モノマーが、炭素数12以上22以下の1価の脂肪族アルコール及び炭素数12以上22以下の1価の脂肪族カルボン酸化合物の少なくともいずれかを含有する、前記<1>〜<5>いずれか記載の液体現像剤。
<7> 1価の脂肪族アルコールと1価の脂肪族カルボン酸化合物の炭素数は、16以上であり、18以上が好ましく、20以下であり、18以下が好ましい、前記<6>記載の液体現像剤。
<8> 炭素数12以上22以下の1価の脂肪族アルコールと炭素数12以上22以下の1価の脂肪族カルボン酸化合物の総含有量が、結晶性ポリエステルの原料モノマー中、即ち、アルコール成分とカルボン酸成分の総量中、1モル%以上であり、2モル%以上が好ましく、3モル%以上がより好ましく、15モル%以下であり、12モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、8モル%以下がさらに好ましく、6%以下がさらに好ましい、前記<6>又は<7>記載の液体現像剤。
<9> 結晶性ポリエステルの原料モノマー中、炭素数8以上14以下の脂肪族ジオールと炭素数12以上22以下の1価の脂肪族アルコールと炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物と炭素数12以上22以下の1価の脂肪族カルボン酸化合物の総含有量が、80モル%以上であり、90モル%以上がより好ましく、95モル%以上がさらに好ましく、100モル%以下であり、実質的に100モル%がより好ましく、100モル%がさらに好ましい、前記<6>〜<8>いずれか記載の液体現像剤。
<10> ポリエステル樹脂は、さらに非晶質ポリエステルを含有している、前記<1>〜<9>いずれか記載の液体現像剤。
<11> 非晶質ポリエステルが、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(A)を含有する、前記<10>記載の液体現像剤。
<12> 式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量が、非晶質ポリエステル(A)のアルコール成分中、70モル%以上であり、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、95モル%以上がさらに好ましく、100モル%以下であり、実質的に100モル%がより好ましく、100モル%がさらに好ましい、前記<11>記載の液体現像剤。
<13> 非晶質ポリエステル(A)のカルボン酸成分が、芳香族ジカルボン酸化合物を含有する、前記<11>又は<12>記載の液体現像剤。
<14> 芳香族ジカルボン酸化合物の含有量が、非晶質ポリエステル(A)のカルボン酸成分中、70モル%以上であり、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、95モル%以上がさらに好ましく、100モル%以下が好ましく、実質100モル%がより好ましく、100モル%がさらに好ましい、前記<13>記載の液体現像剤。
<15> 結晶性ポリエステルの含有量が、ポリエステル樹脂中、3質量%以上であり、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、50質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらにより好ましい、前記<1>〜<14>いずれか記載の液体現像剤。
<16> 結晶性ポリエステル(C)と非晶質ポリエステルの総量中の結晶性ポリエステル(C)の含有量、又は結晶性ポリエステル(C)と非晶質ポリエステル(A)の総量中の結晶性ポリエステル(C)の含有量は、3質量%以上であり、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、50質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらにより好ましい、前記<10>〜<15>いずれか記載の液体現像剤。
<17> 顔料の含有量が、樹脂100質量部に対して、100質量部以下であり、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下であり、5質量部以上であり、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上である、前記<1>〜<16>いずれか記載の液体現像剤。
<18> 液体現像剤の固形分濃度が、10質量%以上であり、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、50質量%以下であり、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下である、前記<1>〜<17>いずれか記載の液体現像剤。
<19> 液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)が、5μm以下であり、好ましくは3μm以下、より好ましくは2.5μm以下であり、0.5μm以上であり、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは1.5μm以上である、前記<1>〜<18>いずれか記載の液体現像剤。
<20> 液体現像剤の25℃における粘度が、50mPa・s以下であり、好ましくは40mPa・s以下、より好ましくは35mPa・s以下、さらに好ましくは25mPa・s以下であり、3mPa・s以上であり、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは7mPa・s以上、さらに好ましくは10mPa・s以上である、前記<1>〜<19>いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
<21> 工程1:少なくともポリエステル樹脂と顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程であって、該ポリエステル樹脂が結晶性ポリエステルを含有し、該結晶性ポリエステルが、炭素数8以上14以下の脂肪族ジオールを60モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上100モル%以下含有するカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られる樹脂である、工程、及び
工程2:トナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む、液体現像剤の製造方法。
<22> 工程1における溶融混練を、オープンロール型混練機を用いて行う、前記<21>記載の液体現像剤の製造方法。
<23> 工程2が、
工程2−1:工程1で得られたトナー粒子に分散剤を加え、絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程2−2:工程2−1で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
を含む、前記<21>又は<22>記載の液体現像剤の製造方法。
<24> ポリエステル樹脂が、さらに、非晶質ポリエステル、好ましくは非晶質ポリエステル(A)を含有している、前記<21>〜<23>いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
<25> 結晶性ポリエステル(C)と非晶質ポリエステルの総量中の結晶性ポリエステル(C)の含有量、又は結晶性ポリエステル(C)と非晶質ポリエステル(A)の総量中の結晶性ポリエステル(C)の含有量は、3質量%以上であり、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、50質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらにより好ましい、前記<21>〜<24>いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
<26> 絶縁性液体が、流動パラフィン、イソパラフィン、及び炭素数12以上18以下のオレフィンからなる群より選ばれた少なくとも1種の脂肪族炭化水素であり、炭素数12以上18以下のオレフィンが好ましく、炭素数12以上16以下のオレフィンがより好ましく、オレフィンはα-オレフィンが好ましい、前記<21>〜<25>いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
<27> 炭素数12以上18以下のオレフィンの含有量が、絶縁性液体中、10質量%以上であり、20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%以下であり、実質的に100質量%がより好ましく、100質量%がさらに好ましい、前記<26>記載の液体現像剤の製造方法。
<28> 絶縁性液体の25℃における粘度が、100mPa・s以下であり、50mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましく、10mPa・s以下がさらに好ましく、5mPa・s以下がさらに好ましく、1mPa・s以上であり、1.5mPa・s以上がより好ましい、前記<21>〜<27>いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
<29> 分散剤が、塩基性吸着基を有する塩基性分散剤であり、ポリイミンとカルボン酸の縮合物が好ましい、前記<21>〜<28>いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
フローテスター「CFT-500D」(島津製作所社製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで0℃まで冷却しそのまま1分間静止させる。その後、昇温速度10℃/minで測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの頂点の温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
示差走査熱量計「Q-100」(セイコー電子工業社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を5質量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
6mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.2」(マルエム社製)に測定液を4〜5mL入れ、回転振動式粘度計「ビスコメイトVM-10A-L」(セコニック社製)を用いて、25℃にて粘度を測定する。
絶縁性液体25gを40mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.7」(マルエム社製)に入れ、非水系導電率計「DT-700」(Dispersion Technology社製)を用いて、電極を液体現像剤に浸し、20回測定を行って平均値を算出し、導電率を測定する。数値が小さいほど高抵抗であることを示す。
試料10質量部をヘキサン90質量部で希釈し、遠心分離装置「H-201F」(コクサン社製)を用いて、回転数25000r/minにて、20分間回転させる。静置後、上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90質量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、下層を真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて8時間乾燥させ、以下の式より固形分濃度を計算する。
レーザー回折/散乱式粒径測定装置「マスターサイザー2000」(マルバーン社製)を用いて、測定用セルにアイソパーL(エクソンモービル社製、イソパラフィン、25℃における粘度1mPa・s)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50)を測定する。
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒及びエステル化助触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、230℃に昇温して反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて、軟化点が93℃に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有する非晶質ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
表1に示す原料モノマー、及びエステル化触媒を窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、マントルヒーターを用いて、180℃に昇温した後、210℃まで10時間かけて昇温を行い、210℃にて反応率が90%に到達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて、表1に示す軟化点に達するまで反応を行って、表1に示す物性を有する非晶質ポリエステルを得た。
表1に示す原料モノマー、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、140℃で6時間保持、さらに200℃まで6時間かけて昇温、200℃にて1時間反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させて、表1に示す物性を有する結晶性ポリエステルを得た。
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒、及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、140℃で6時間保持、さらに200℃まで6時間かけて昇温、200℃にて1時間反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させて、表1に示す物性を有する結晶性ポリエステルを得た。
〔工程1〕
表3に示す樹脂85質量部及び顔料「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部を、予め20L容積のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間攪拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、原料投入側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が110℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
得られたトナー粒子35質量部と表3に示す絶縁性液体62.9質量部、及び塩基性分散剤「ソルスパース11200」(日本ルーブリゾール社製、ポリイミンとカルボン酸の縮合物、有効分50%)2.1質量部を1L容のポリエチレン製容器に入れ、「T.K.ロボミックス」(プライミクス社製)を用いて、氷冷下、回転数7000r/minにて30分間攪拌を行い、固形分濃度が36質量%のトナー粒子分散液を得た。
次に、得られたトナー粒子分散液を、直径0.8mmのジルコニアビーズを用いて、体積充填率60体積%にて、6筒式サンドミル「TSG-6」(アイメックス社製)で回転数1300r/min(周速度4.8m/sec)にて表3に示す体積中位粒径(D50)になるまで湿式粉砕した。ビーズをろ過により除去した後、ろ液100質量部に対し表3に示す絶縁性液体40質量部を加えて希釈し、固形分濃度が26質量%の、表3に示す物性を有する液体現像剤を得た。
液体現像剤25gを40mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.7」(マルエム社製)に入れ、非水系導電率計「DT-700」(Dispersion Technology社製)を用いて、電極を液体現像剤に浸し、20回測定を行って平均値を算出し、導電率を測定した。結果を表3に示す。数値が小さいほど高抵抗であることを示し、導電率は、1.0×10-10S/m以下が好ましく、5.0×10-11S/m以下がより好ましく、3.0×10-11S/m以下がさらに好ましい。
「PODグロスコート紙」(王子製紙社製)に液体現像剤を滴下し、ワイヤーバーにより乾燥後の質量が1.2g/m2になるように薄膜を作製した。
得られた定着画像にメンディングテープ「Scotchメンディングテープ810」(3M社製、幅18mm)を貼り付け、500gの荷重がかかるようにローラーでテープに圧力をかけた後、テープを剥離した。テープ剥離前と剥離後の画像濃度を、色彩計「Spectroeye」(X-Rite社製)にて測定した。画像印字部は各3点測定し、その平均値を画像濃度として算出した。剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度×100の値から定着率(%)を算出し、定着性を評価した。結果を表3に示す。数値が大きいほど定着性に優れることを示し、定着率は、86%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましい。
液体現像剤10gを20mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.5」(マルエム社製)に入れ、40℃の恒温槽にて24時間保存した。保存前後の体積中位粒径を前記方法により測定し、得られた体積粒度分布から10μm以上の粒子の割合(体積%)を算出し、保存前後の差分の値から保存安定性を評価した。結果を表3に示す。数値が0に近いほどトナー粒子の分散安定性が良好であり、保存安定性に優れることを示し、保存前後の差分は、5体積%以下が好ましく、3体積%以下がより好ましく、1体積%以下がさらに好ましい。
実施例1と実施例2との比較より、結晶性ポリエステルが炭素数16〜22の1価の脂肪族アルコール及び炭素数16〜22の1価の脂肪族カルボン酸化合物の少なくともいずれかを含有することで、低粘度であり、定着性に優れ、更に液体現像剤を高抵抗に維持できることがわかる。
実施例2、3、比較例4との比較により、炭素数8〜14、特に炭素数12の脂肪族ジオールを用いた場合、現像液の抵抗が高く、高い定着性を得ることができることがわかる。
実施例2と比較例1との比較により、炭素数8〜14の脂肪族ジカルボン酸化合物を用いた場合、低粘度であり、保存安定性、定着性に優れ、さらに液体現像剤を高抵抗に維持できることがわかる。
実施例2と実施例4との比較により、カルボン酸成分中、炭素数8〜14の脂肪族ジカルボン酸の含有量が多い方が、現像液の抵抗が高く、保存安定性に優れ、定着性に優れることがわかる。
実施例2と実施例9との比較により、アルコール成分中、炭素数8〜14の脂肪族ジオールの含有量が多い方が、現像液の抵抗が高く、保存安定性に優れ、定着性に優れることがわかる。
実施例1、5、6の比較において、ポリエステル樹脂が、さらに非晶質ポリエステルを含有し、非晶質ポリエステルと結晶性ポリエステルの合計量中、前記結晶性ポリエステルの含有量が10質量%である時に、保存安定性に優れ、定着性に優れることがわかる。
実施例1と実施例7との比較により、絶縁性液体はオレフィンの方が、現像液の抵抗が高く、定着性に優れることがわかる。
実施例1と実施例8との比較により、非晶質ポリエステルの原料モノマーとして、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を用いた場合に、現像液の抵抗が高く、定着性に優れることがわかる。
実施例1と比較例5との比較により、結晶性ポリエステルを用いることによって、定着性だけでなく、意外なことに、保存安定性も向上している。これは、結晶性ポリエステルの長鎖脂肪族部分により、トナー粒子の保存安定性が高められたためと考えられる。
Claims (8)
- ポリエステル樹脂と顔料とを含有するトナー粒子が絶縁性液体中に分散してなる液体現像剤であって、前記ポリエステル樹脂が、炭素数8以上14以下の脂肪族ジオールを60モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上100モル%以下含有するカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られる結晶性ポリエステルを含有する、液体現像剤。
- ポリエステル樹脂が、さらに非晶質ポリエステルを含有し、非晶質ポリエステルと結晶性ポリエステルの総量中、結晶性ポリエステルの含有量が3質量%以上50質量%以下である、請求項1記載の液体現像剤。
- 結晶性ポリエステルの原料モノマーが、炭素数12以上22以下の1価の脂肪族アルコール及び炭素数12以上22以下の1価の脂肪族カルボン酸化合物の少なくともいずれかを含有する、請求項1〜3いずれか記載の液体現像剤。
- 結晶性ポリエステルの原料モノマー中、炭素数8以上14以下の脂肪族ジオールと炭素数12以上22以下の1価の脂肪族アルコールと炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物と炭素数12以上22以下の1価の脂肪族カルボン酸化合物の総含有量が、80モル%以上100モル%以下である、請求項1〜4いずれか記載の液体現像剤。
- 工程1:少なくともポリエステル樹脂と顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程であって、該ポリエステル樹脂が結晶性ポリエステルを含有し、該結晶性ポリエステルが、炭素数8以上14以下の脂肪族ジオールを60モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上100モル%以下含有するカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られる樹脂である、工程、及び
工程2:トナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む、液体現像剤の製造方法。 - 工程1における溶融混練を、オープンロール型混練機を用いて行う、請求項6記載の製造方法。
- ポリエステル樹脂が、さらに非晶質ポリエステルを含有し、非晶質ポリエステルと結晶性ポリエステルの総量中、結晶性ポリエステルの含有量が3質量%以上50質量%以下である、請求項6又は7記載の製造方法。
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