JP6172856B2 - 液体現像剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる液体現像剤の製造方法及び該方法により得られる液体現像剤に関する。
電子写真用現像剤には、着色剤及び結着樹脂を含む材料からなるトナー成分を乾式状態で用いる乾式現像剤と、トナー成分が絶縁性の担体液中に分散した液体現像剤がある。
液体現像剤は、トナー粒子の小粒径化が可能であることから画質の面で優れており、商業印刷用途に適している。また、近年、高速化への要求が高まっていることから、液体現像剤の低粘度化も求められている。つまり、トナー粒子が小粒径、低粘度で安定に分散した液体現像剤が求められている。
さらに、高速化に対応するため、トナー粒子が高い電気泳動特性を示す、すなわち帯電性に優れる液体現像剤が求められている。
特許文献1には、大気汚染、液体階調された印刷面をある面上に置いた時に生じる油膜(oil slicks)及びハロー現象(halo effect)を回避できるトナーとして、着色材料と、C9〜C11 αオレフィン三量体からなる流体キャリアとで構成される電子写真用液体トナーが開示されている。
特許文献2には、着色剤と樹脂とワックスを、加熱混練し、得られた着色チップを乾式粉砕し、さらに非水系溶剤中で湿式粉砕することを特徴とする液体トナーの製造方法及び得られる液体トナーが、着色剤の分散工程、樹脂の溶解工程、着色樹脂の粉砕工程を短時間に出来、かつより高速化に対応し高画質である液体トナーであることが記載されている。
また、特許文献3には、正帯電性の帯電特性及び環境安定性に優れ、かつ、適度な粒径のトナー粒子が分散した液体現像剤として、トナー粒子が絶縁性液体中に分散した正帯電性の液体現像剤であって、前記トナー粒子は、表面にアニオン性基を有する母粒子と、前記母粒子を被覆する膜とで構成され、前記膜は、前記母粒子側から順に、少なくとも、カチオン性基と疎水性基と重合性基とを有するカチオン性重合性界面活性剤から誘導された繰り返し構造単位を有する第1のカチオン層と、アニオン性基と疎水性基と重合性基とを有するアニオン性重合性界面活性剤から誘導された繰り返し単位を有するアニオン層と、前記カチオン性重合性界面活性剤から誘導された繰り返し構造単位を有する第2のカチオン層とを積層したものであり、前記膜の最外層が、前記カチオン性重合性界面活性剤から誘導された繰り返し構造単位を有するカチオン層であることを特徴とする液体現像剤が開示されている。
特開平8−62904号公報 特開2000−172022号公報 特開2007−121660号公報
小粒径、低粘度化により、トナー粒子の絶縁性液体中での分散安定性が低下する。これを改善するために分散剤が用いられるが、分散剤は帯電性に影響を与えやすく、液体現像剤の電気泳動性を低下させてしまう。また、定着時にトナー粒子が凝集しにくくなり、印刷媒体上でトナー層を形成しにくいため、定着性が低下することがあり、小粒径、低粘度でありながら、高い帯電性と定着性を得ることが困難である。
本発明は、電気泳動性及び定着性に優れた液体現像剤の製造方法及び該方法により得られる液体現像剤に関する。
本発明は、
〔1〕 工程1:ポリエステルを含有する樹脂、顔料、及び炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程、
工程2:工程1で得られたトナー粒子を絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程3:工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程、
を含む、液体現像剤の製造方法、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の方法により得られる液体現像剤
に関する。
本発明の方法により得られる液体現像剤は、電気泳動性及び定着性に優れるという効果を奏する。
本発明の方法は、ポリエステルを含有する樹脂と顔料と炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩を溶融混練する点に特徴を有しており、電気泳動性及び定着性に優れる液体現像剤が得られる。
このような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩をトナー粒子とともに絶縁性液体中に分散させて使用した場合、一部はトナー粒子表面に吸着し正の帯電性を付与するが、吸着せずに絶縁性液体中に遊離した金属塩も多く存在するためその効果は小さくなる。本発明では、炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩を樹脂と顔料とともに溶融混練しトナー粒子中に分散させることで、主鎖にエステル基を多数有し極性が高いポリエステルと炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩が相溶化しやすく、主鎖が低極性で側鎖に極性部位を持ちうるビニル系樹脂に比べ、金属塩が均一にトナー粒子中に分散される。その結果、帯電性が向上し電気泳動性に優れるとともに、炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩がポリエステル樹脂を可塑化させるため、定着性が向上するものと考えられる。
本発明の液体現像剤の製造方法は、以下の工程1〜3を含むものである。
[工程1]
工程1は、ポリエステルを含有する樹脂、顔料、及び炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程である。
[樹脂]
本発明において用いる樹脂はトナー粒子の結着樹脂となる樹脂であり、トナー粒子の帯電性を向上させ電気泳動性を向上させる観点、液体現像剤の定着性を向上させる観点、及び液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、ポリエステルを含有する。ポリエステルの含有量は、樹脂中、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%がさらに好ましく、100質量%、即ち樹脂として、ポリエステルのみを用いることがさらに好ましいが、本願の効果が損なわれない範囲において、ポリエステル以外の他の樹脂が含有されていてもよい。ポリエステル以外の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体であるスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環式炭化水素樹脂等が挙げられる。
本発明において、ポリエステルは、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と2価以上のカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを重縮合することにより得られるものが好ましい。
2価のアルコールとしては、例えば、炭素数2以上20以下、好ましくは炭素数2以上15以下のジオールや、式(I):
Figure 0006172856
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は好ましくは1以上16以下、より好ましくは1以上8以下、さらに好ましくは1.5以上4以下である。)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。炭素数2以上20以下の2価のジオールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
アルコール成分としては、トナー粒子の帯電性を向上させ電気泳動性を向上させる観点、及び液体現像剤の定着性を向上させる観点から、1,2-プロパンジオール及び式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物がより好ましい。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%、さらに好ましくは100モル%である。
3価以上のアルコールとしては、炭素数3以上20以下、好ましくは炭素数3以上10以下の3価以上の多価アルコールが挙げられる。具体的には、ソルビトール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
2価のカルボン酸化合物としては、例えば、炭素数3以上30以下、好ましくは炭素数3以上20以下、より好ましくは炭素数3以上10以下のジカルボン酸、及びそれらの無水物、炭素数1以上3以下のアルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
3価以上のカルボン酸化合物としては、例えば、炭素数4以上20以下、好ましくは炭素数6以上20以下、より好ましくは炭素数9以上10以下の3価以上の多価カルボン酸、及びそれらの無水物、炭素数1以上3以下のアルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等が挙げられる。
カルボン酸成分としては、トナー粒子の帯電性を向上させ電気泳動性を向上させる観点、及び液体現像剤の定着性を向上させる観点から、テレフタル酸及びフマル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。テレフタル酸の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%、さらに好ましくは100モル%である。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、ポリエステルの分子量及び軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステルの軟化点を調整する観点から、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.72以上であり、また、好ましくは1.10以下、より好ましくは1.05以下である。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中、必要に応じてエステル化触媒、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、140℃以上250℃以下の温度で重縮合させて製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。重合禁止剤としては、t-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
ポリエステルの軟化点は、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。また、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは75℃以上である。
ポリエステルのガラス転移温度は、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。また、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上である。
ポリエステルの酸価は、液体現像剤の粘度を低減する観点、及び液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは110mgKOH/g以下、より好ましくは70mgKOH/g以下、さらに好ましくは50mgKOH/g以下、さらに好ましくは30mgKOH/g以下である。また、同様の観点から、好ましくは3mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、さらに好ましくは8mgKOH/g以上である。ポリエステルの酸価は、カルボン酸成分とアルコール成分の当量比を変化させる、樹脂製造時の反応時間を変化させる、3価以上のカルボン酸化合物の含有量を変化させる、等の方法で調整することができる。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
[顔料]
顔料としては、トナー用着色剤として用いられている顔料のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等を用いることができる。本発明において、トナー粒子は、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
顔料の含有量は、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、樹脂100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下である。また、液体現像剤の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上である。
[カルボン酸の金属塩]
本発明では、炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩を樹脂等とともに溶融混練に供することによりトナー粒子中に含有させる。これにより、エステル基を多数有し極性が高いポリエステルと炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩が相溶化し、金属塩が均一にトナー粒子中に分散され、帯電性が向上し電気泳動性に優れるとともに、炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩がポリエステル樹脂を可塑化させるため、定着性が向上する。すなわち、炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩は荷電制御剤としての役割を担う。
カルボン酸の金属塩のカルボン酸成分の炭素数は、トナー粒子の帯電性を向上させ電気泳動性を向上させる観点、液体現像剤の定着性を向上させる観点、及び液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、12以上であり、好ましくは14以上、より好ましくは16以上である。また、ポリエステル樹脂中での分散性を向上させる観点、液体現像剤の定着性を向上させる観点、及び入手性の観点から、24以下であり、好ましくは22以下、より好ましくは20以下である。炭素数12以上24以下のカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が挙げられ、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸が好ましく、パルミチン酸及びステアリン酸がより好ましく、ステアリン酸がさらに好ましい。
カルボン酸の金属塩の金属種は、トナー粒子の帯電性を向上させ電気泳動性を向上させる観点、液体現像剤の定着性を向上させる観点、及び液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、リチウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛等が挙げられ、リチウム、アルミニウム及びバリウムが好ましく、アルミニウム及びバリウムがより好ましく、アルミニウムがさらに好ましい。カルボン酸の金属塩の価数が高い方がトナー表面の正電荷が高くなり、電気泳動性を向上させる点で好ましい。
カルボン酸の金属塩の使用量は、トナー粒子の帯電性を向上させ電気泳動性を向上させる観点、液体現像剤の定着性を向上させる観点、及び液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上である。また、樹脂中での分散性を向上させる観点、トナー粒子の帯電性を向上させ電気泳動性を向上させる観点、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である。
本発明では、トナー原料として、さらに、離型剤、荷電制御剤、荷電制御樹脂、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を適宜使用してもよい。
[トナー粒子の製造方法]
工程1において、トナー粒子を得る方法としては、液体現像剤の現像性及び定着性を向上させる観点から、樹脂、顔料、及び炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩を含むトナー原料を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る方法が好ましい。
トナー原料の溶融混練は、密閉式ニーダー、一軸もしくは二軸の混練機、連続式オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができるが、本発明の液体現像剤の製造方法においては、顔料及びカルボン酸の金属塩の樹脂中での分散性を向上させる観点、及び粉砕後のトナー粒子の収率を向上させる観点から、オープンロール型混練機を用いて行うことが好ましい。
樹脂、顔料を含有するトナー原料は、あらかじめヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、混練機に供給することが好ましい。これらの混合機の中では、顔料及びカルボン酸の金属塩の樹脂中での分散性を向上させる観点から、ヘンシェルミキサーが好ましい。
ヘンシェルミキサーでのトナー原料の混合は、攪拌の周速度、及び混合時間を調整することで行う。攪拌の周速度は、顔料及びカルボン酸の金属塩の樹脂中での分散性を向上させる観点から、好ましくは10m/sec以上30m/sec以下である。また、攪拌時間は、顔料及びカルボン酸の金属塩の樹脂中での分散性を向上させる観点から、好ましくは1分以上10分以下である。
オープンロール型混練機とは、溶融混練部が密閉されておらず開放されているものをいい、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。本発明で使用するオープンロール型混練機は、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の原料供給口と混練物排出口を備えており、生産効率の観点から、連続式オープンロール型混練機であることが好ましい。
本発明で用いるオープンロール型混練機は、少なくとも温度の異なる2本の混練用ロールを有していることが好ましい。ロール温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2箇所以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
本発明において、混練機の混練物排出部の温度は、トナー原料の混合性を向上させる観点から、いずれのロールにおいても、樹脂の軟化点より10℃高い温度以下に設定することが好ましい。
加熱ロールにおける混練の上流側と混練の下流側の設定温度は、上流側で混練物のロールへの張り付きを良好にして、下流側で強く混練する観点から、上流側の設定温度が下流側よりも高いことが好ましい。
混練の上流側の設定温度が低い方のロール(冷却ロールともいう)において、混練の上流側の設定温度は、混練の下流側の設定温度と同じであっても異なっていてもよい。
オープンロール型混練機のロールは、互いに周速度が異なっていることが好ましく、前記の2本のロールを備えたオープンロール型混練機においては、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、温度の高い加熱ロールが周速度の高い方のロール(高回転側ロール)、温度の低い冷却ロールが周速度の低い方のロール(低回転側ロール)であることが好ましい。
高回転側ロールの周速度は、好ましくは2m/min以上、より好ましくは5m/min以上であり、また、好ましくは100m/min以下、より好ましくは75m/min以下である。低回転側ロールの周速度は、好ましくは2m/min以上、より好ましくは4m/min以上であり、また、好ましくは100m/min以下、より好ましくは60m/min以下、さらに好ましくは50m/min以下である。また、2本のロールの周速度の比(低回転側ロール/高回転側ロール)は、好ましくは1/10〜9/10、より好ましくは3/10〜8/10である。
2本のロールの間隙(クリアランス)は、混練の上流側端部で好ましくは0.1mm以上であり、また、好ましくは3mm以下、より好ましくは1mm以下である。
また、各ロールの構造、大きさ、材料等について特に限定はない。ロール表面は、混練に用いられる溝を有しており、この形状は直線状、螺旋状、波型、凸凹型等が挙げられる。
原料混合物の供給速度及び平均滞留時間は、用いるロールのサイズや原料の組成等により異なるので、これらの条件により最適な条件を選択すればよい。
オープンロール型混練機による溶融混練により得られた溶融混練物を粉砕が可能な程度に冷却した後、粉砕工程、及び必要に応じて分級工程等の通常の方法を経て、本発明のトナー粒子を得ることができる。
粉砕工程は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、溶融混練物を、1〜5mm程度に粗粉砕した後、さらに微粉砕してもよい。また、粉砕工程時の生産性を向上させるために、溶融混練物を疎水性シリカ等の無機微粒子と混合した後、粉砕してもよい。
粉砕工程に用いられる粉砕機は特に限定されないが、例えば、粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられるが、ハンマーミル等を用いてもよい。また、微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、流動層式ジェットミル、気流式ジェットミル、機械式ミル等が挙げられる。
前記粉砕物は必要に応じて分級機を用いて分級してもよい。分級工程に用いられる分級機としては、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよく、必要に応じて粉砕工程と分級工程とを繰り返してもよい。
前記粉砕工程及び必要に応じて行う分級工程で得られるトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、後述の湿式粉砕工程の生産性を向上させる観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、また、好ましくは15μm以下、より好ましくは12μm以下である。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
[工程2]
工程2は、工程1で得られたトナー粒子を絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程である。
[絶縁性液体]
絶縁性液体の25℃における粘度は、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点、及び湿式粉砕時にトナー粒子の粉砕性を向上させ小粒径の液体現像剤を得る観点から、好ましくは1.0mPa・s以上、より好ましくは1.2mPa・s以上、さらに好ましくは1.3mPa・s以上である。また、液体現像剤の定着性を向上させる観点、及び湿式粉砕時にトナー粒子の粉砕性を向上させ小粒径の液体現像剤を得る観点から、好ましくは30mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下、さらに好ましくは5mPa・s以下、さらに好ましくは3mPa・s以下である。絶縁性液体を2種以上組み合わせて用いる場合には、組み合わせた絶縁性液体混合物の粘度が上記範囲内であればよい。なお、絶縁性液体の25℃における粘度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
絶縁性液体とは、電気が流れにくい液体のことを意味するが、本発明においては、誘電率3.5以下、体積抵抗率107Ωcm以上の液体が好ましい。
絶縁性液体の具体例としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン、植物油等が挙げられる。特に、臭気、無害性及びコストの点から、流動パラフィン、イソパラフィン、炭素数12以上18以下のオレフィン等の脂肪族炭化水素が好ましい。脂肪族炭化水素の市販品としては、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーK、アイソパーM(以上、いずれもエクソンモービル社製)、シェルゾール71、シェルゾールTM(以上、いずれもシェルケミカルズジャパン社製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028、IPソルベント2835(以上、いずれも出光興産社製)、モレスコホワイトP-55、モレスコホワイトP-70、モレスコホワイトP-100、モレスコホワイトP-150、モレスコホワイトP-260(以上、いずれもMORESCO社製)、コスモホワイトP-60、コスモホワイトP-70(以上、いずれもコスモ石油ルブリカンツ社製)、ライトール(Sonneborn社製)、アイソゾール400(JX日鉱日石エネルギー社製)、リニアレン14、リニアレン16、リニアレン18、リニアレン124、リニアレン148、リニアレン168(以上、いずれも出光興産社製)等が挙げられる。これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、炭素数12以上18以下のオレフィンが好ましく、炭素数12以上16以下のオレフィンがより好ましい。また、オレフィンの中でも、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点、液体現像剤の定着性を向上させる観点、及び入手性の観点から、α-オレフィンが好ましい。
絶縁性液体中に炭素数12以上18以下のオレフィンを含有する場合、該オレフィンの含有量は、液体現像剤の定着性を向上させる観点、及び液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、絶縁性液体中、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、実質的に100質量%がさらに好ましく、100質量%がさらに好ましい。
[分散剤]
工程1で得られたトナー粒子は、分散剤の存在下で絶縁性液体中に分散させることが好ましい。分散剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定に分散させるために用いるもので、本発明では、樹脂、特にポリエステルへの吸着性を向上させる観点から、吸着基として塩基性吸着基を有する塩基性分散剤が好ましい。
塩基性分散剤は、同一分子中に塩基性吸着基と分散基をもつ構造を有するものが好ましく、塩基性吸着基を主鎖、分散基を側鎖にもつ構造を有するものがより好ましい。塩基性吸着基としては、アミノ基、アミド基、イミノ基、ピロリドン基、ピリジン基等が挙げられ、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、アミノ基、アミド基及びイミノ基が好ましい。分散基としては、絶縁性液体と相溶する基が好ましく、具体的には炭化水素鎖又はヒドロキシ炭化水素鎖を持つものがより好ましい。このような塩基性分散剤の中でも、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点、及び湿式粉砕時にトナー粒子の粉砕性を向上させ小粒径の液体現像剤を得る観点から、ポリイミンとカルボン酸の縮合物が好ましい。
ポリイミンとカルボン酸の縮合物の原料となるポリイミンとしては、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、ポリアルキレンイミンが好ましい。ポリアルキレンイミンの具体例としては、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミン等が挙げられるが、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、ポリエチレンイミンがより好ましい。
ポリイミンとカルボン酸の縮合物の原料となるカルボン酸としては、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは炭素数10以上30以下、より好ましくは炭素数12以上24以下、さらに好ましくは炭素数16以上22以下の飽和又は不飽和の脂肪族カルボン酸が好ましく、直鎖の飽和又は不飽和の脂肪族カルボン酸がより好ましい。具体的なカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の直鎖飽和脂肪族カルボン酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の直鎖不飽和脂肪族カルボン酸等が挙げられる。
また、ポリイミンとカルボン酸の縮合物の原料となるカルボン酸は、ヒドロキシ基等の置換基を有していてもよく、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、ヒドロキシ基を置換基として有する、ヒドロキシカルボン酸であることが好ましい。ヒドロキシカルボン酸としては、メバロン酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸はその縮合体であってもよい。
上記観点から、ポリイミンとカルボン酸の縮合物の原料となるカルボン酸としては、好ましくは炭素数10以上30以下、より好ましくは炭素数12以上24以下、さらに好ましくは炭素数16以上22以下のヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及びその縮合体が好ましく、12-ヒドロキシステアリン酸及びその縮合体がより好ましい。
ポリイミンとカルボン酸の縮合物の具体例としては、ソルスパース11200、ソルスパース13940(以上、いずれも日本ルーブリゾール社製)等が挙げられる。
分散剤の添加量は、トナー粒子の凝集を抑制し、液体現像剤の粘度を低減する観点から、トナー粒子100質量部に対して、有効分として、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上である。また、液体現像剤の現像性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは7質量部以下である。
また、分散剤中のポリイミンとカルボン酸の縮合物の含有量は、トナー粒子の凝集を抑制し、液体現像剤の粘度を低減する観点、及び湿式粉砕時にトナー粒子の粉砕性を向上させ小粒径の液体現像剤を得る観点から、分散剤の有効分中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは実質的に100質量%、さらに好ましくは100質量%である。
トナー粒子、絶縁性液体、及び分散剤の混合方法としては、攪拌混合装置により攪拌する方法等が好ましい。
撹拌混合装置は、特に限定はされないが、トナー粒子分散液の生産性及び保存安定性を向上させる観点から、高速攪拌混合装置が好ましく、具体的には、デスパ(浅田鉄工社製)、T.K.ホモミクサー、T.K.ホモディスパー、T.K.ロボミックス(以上、いずれもプライミクス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、ケイディーミル(ケイディー・インターナショナル社製)等が好ましい。
トナー粒子と絶縁性液体及び分散剤を高速攪拌混合装置により混合することによって、トナー粒子が予備分散され、トナー粒子分散液を得ることができ、次の湿式粉砕による液体現像剤の生産性が向上する。
トナー粒子分散液の固形分濃度は、液体現像剤の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは33質量%以上である。また、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。なお、トナー粒子分散液の固形分濃度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
[工程3]
工程3は、工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
である。
[湿式粉砕]
湿式粉砕とは、絶縁性液体中に分散させたトナー粒子を、絶縁性液体に分散した状態で機械的に粉砕処理する方法である。
湿式粉砕に使用する装置としては、例えば、アンカー翼等の一般に用いられている撹拌混合装置を用いることができる。撹拌混合装置の中では、デスパ(浅田鉄工社製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス社製)等の高速攪拌混合装置、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の粉砕機及び混練機等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。
これらの中では、液体現像剤中のトナー粒子の粒径を小さくする観点、及び液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点、及びトナー粒子分散液の粘度を低減する観点から、ビーズミルの使用が好ましい。
ビーズミルでは、用いるメディアの粒径や充填率、ローターの周速度、滞留時間等を制御することにより所望の粒径、粒径分布を持ったトナー粒子を得ることができる。
液体現像剤の固形分濃度は、液体現像剤の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。また、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。なお、液体現像剤の固形分濃度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。トナー粒子分散液調製後、希釈、濃縮等の操作がなければ、トナー粒子分散液の固形分濃度が液体現像剤の固形分濃度となる。
液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、液体現像剤中のトナー粒子の粒径を小さくし、液体現像剤の画質を向上させる観点から、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下である。また、液体現像剤の粘度を低減する観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上である。なお、液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
液体現像剤の25℃における粘度は、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは40mPa・s以下、さらに好ましくは35mPa・s以下、さらに好ましくは32mPa・s以下である。また、液体現像剤中でのトナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上、さらに好ましくは13mPa・s以上、さらに好ましくは16mPa・s以上である。なお、液体現像剤の粘度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の液体現像剤の製造方法及び該方法により得られる液体現像剤を開示する。
<1> 工程1:ポリエステルを含有する樹脂、顔料、及び炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程、
工程2:工程1で得られたトナー粒子を絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程3:工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程、
を含む、液体現像剤の製造方法。
<2> ポリエステルの含有量は、樹脂中、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%がさらに好ましく、100質量%、即ち樹脂として、ポリエステルのみを用いることがさらに好ましい、前記<1>記載の製造方法。
<3> ポリエステルのアルコール成分が、1,2-プロパンジオール及び/又は式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有することが好ましく、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有することがより好ましい、前記<1>又は<2>記載の製造方法。
<4> 式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%、さらに好ましくは100モル%である、前記<3>記載の製造方法。
<5> ポリエステルのカルボン酸成分が、テレフタル酸及び/又はフマル酸を含有することが好ましく、テレフタル酸がより好ましい、前記<1>〜<4>いずれか記載の製造方法。
<6> テレフタル酸の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%、さらに好ましくは100モル%である、前記<5>記載の製造方法。
<7> ポリエステルの軟化点は、好ましくは160℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下であり、好ましくは70℃以上、より好ましくは75℃以上である、前記<1>〜<6>いずれか記載の製造方法。
<8> ポリエステルのガラス転移温度は、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下であり、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上である、前記<1>〜<7>いずれか記載の製造方法。
<9> ポリエステルの酸価は、好ましくは110mgKOH/g以下、より好ましくは70mgKOH/g以下、さらに好ましくは50mgKOH/g以下、さらに好ましくは30mgKOH/g以下であり、好ましくは3mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、さらに好ましくは8mgKOH/g以上である、前記<1>〜<8>いずれか記載の製造方法。
<10> カルボン酸の金属塩のカルボン酸成分の炭素数は、好ましくは14以上、より好ましくは16以上であり、好ましくは22以下、より好ましくは20以下である、前記<1>〜<9>いずれか記載の製造方法。
<11> 炭素数12以上24以下のカルボン酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、パルミチン酸及び/又はステアリン酸がより好ましく、ステアリン酸がさらに好ましい、前記<1>〜<10>いずれか記載の製造方法。
<12> 炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩の金属種は、リチウム、アルミニウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、リチウム、アルミニウム及びバリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種がより好ましく、アルミニウム及び/又はバリウムがさらに好ましく、アルミニウムがさらに好ましい、前記<1>〜<11>いずれか記載の製造方法。
<13> 炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩の使用量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である、前記<1>〜<12>いずれか記載の製造方法。
<14> 工程1が、樹脂、顔料、及び炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩を含むトナー原料を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る方法である、前記<1>〜<13>いずれか記載の製造方法。
<15> 溶融混練を、オープンロール型混練機を用いて行うことが好ましい、前記<1>〜<14>いずれか記載の製造方法。
<16> 絶縁性液体の25℃における粘度は、好ましくは1.0mPa・s以上、より好ましくは1.2mPa・s以上、さらに好ましくは1.3mPa・s以上であり、好ましくは30mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下、さらに好ましくは5mPa・s以下、さらに好ましくは3mPa・s以下である、前記<1>〜<15>いずれか記載の製造方法。
<17> 絶縁性液体は、炭素数12以上18以下のオレフィンを含有することが好ましく、炭素数12以上16以下のオレフィンを含有することがより好ましい、前記<1>〜<16>いずれか記載の製造方法。
<18> オレフィンは、α-オレフィンが好ましい、前記<17>記載の製造方法。
<19> 炭素数12以上18以下のオレフィンの含有量は、絶縁性液体中、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、実質的に100質量%がさらに好ましく、100質量%がさらに好ましい、前記<17>又は<18>記載の製造方法。
<20> 工程1で得られたトナー粒子は、分散剤の存在下で絶縁性液体中に分散させることが好ましい、前記<1>〜<19>いずれか記載の製造方法。
<21> 分散剤は、吸着基として塩基性吸着基を有する塩基性分散剤が好ましい、前記<20>記載の製造方法。
<22> 塩基性分散剤は、同一分子中に塩基性吸着基と分散基をもつ構造を有するものが好ましく、アミノ基、アミド基及びイミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の塩基性吸着基を主鎖、炭化水素鎖又はヒドロキシ炭化水素鎖を持つ分散基を側鎖にもつ構造を有するものがより好ましく、ポリイミンとカルボン酸の縮合物を含有することがさらに好ましい、前記<21>記載の製造方法。
<23> ポリイミンとカルボン酸の縮合物の原料となるポリイミンは、ポリアルキレンイミンが好ましく、ポリエチレンイミンがより好ましい、前記<22>記載の製造方法。
<24> ポリイミンとカルボン酸の縮合物の原料となるカルボン酸は、好ましくは炭素数10以上30以下、より好ましくは炭素数12以上24以下、さらに好ましくは炭素数16以上22以下のヒドロキシ脂肪族カルボン酸、及び/又はその縮合体が好ましく、12-ヒドロキシステアリン酸及び/又はその縮合体がより好ましい、前記<22>又は<23>記載の製造方法。
<25> 分散剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、有効分として、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上であり、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは7質量部以下である、前記<20>〜<24>いずれか記載の製造方法。
<26> 分散剤中のポリイミンとカルボン酸の縮合物の含有量は、分散剤の有効分中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは実質的に100質量%、さらに好ましくは100質量%である、前記<21>〜<25>いずれか記載の製造方法。
<27> トナー粒子分散液の固形分濃度は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは33質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である、前記<1>〜<26>いずれか記載の製造方法。
<28> 湿式粉砕に、ビーズミルを使用することが好ましい、前記<1>〜<27>いずれか記載の製造方法。
<29> 液体現像剤の固形分濃度は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である、前記<1>〜<28>いずれか記載の製造方法。
<30> 液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下であり、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上である、前記<1>〜<29>いずれか記載の製造方法。
<31> 液体現像剤の25℃における粘度は、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは40mPa・s以下、さらに好ましくは35mPa・s以下、さらに好ましくは32mPa・s以下であり、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上、さらに好ましくは13mPa・s以上、さらに好ましくは16mPa・s以上である、前記<1>〜<30>いずれか記載の製造方法。
<32> 前記<1>〜<31>いずれか記載の方法により得られる液体現像剤。
樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」(島津製作所社製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔工程1で得られるトナー粒子の体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5質量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔トナー粒子分散液及び液体現像剤の固形分濃度〕
試料10質量部をヘキサン90質量部で希釈し、遠心分離装置「H-201F」(コクサン社製)を用いて、回転数25000r/minにて、20分間回転させる。静置後、上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90質量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、下層を真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて8時間乾燥させ、以下の式より固形分濃度を計算する。
Figure 0006172856
〔絶縁性液体及び液体現像剤の25℃における粘度〕
6mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.2」(マルエム社製)に測定液を4〜5mL入れ、回転振動式粘度計「ビスコメイトVM-10A-L」(セコニック社製)を用いて、25℃にて粘度を測定する。
〔液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)〕
レーザー回折/散乱式粒径測定装置「マスターサイザー2000」(マルバーン社製)を用いて、測定用セルにアイソパーG(エクソンモービル社製、イソパラフィン、25℃における粘度1mPa・s)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50)を測定する。
樹脂製造例1
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒及びエステル化助触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、230℃に昇温して反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて、軟化点が93℃に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有する樹脂Aを得た。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
樹脂製造例2
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒及びエステル化助触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、180℃に昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行い、反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて、軟化点が96℃に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有する樹脂Bを得た。
樹脂製造例3
キシレン1567gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、130℃に昇温した。表2に示す原料モノマー及び重合開始剤の混合液を130℃で攪拌しながら1.5時間かけて滴下し、さらに1.5時間同温度を保持して付加重合反応を行った。160℃に昇温し、1時間反応を行った後、200℃に昇温し、1時間保持してキシレンを除去した。さらに8.3kPaにて残りのキシレンを除去し、表2に示す物性を有する樹脂Cを得た。
Figure 0006172856
Figure 0006172856
実施例及び比較例で用いた添加剤を表3に示す。
Figure 0006172856
実施例及び比較例で用いた絶縁性液体を表4に示す。
Figure 0006172856
実施例1
樹脂A 75質量部及び顔料「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部及び添加剤A10質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間攪拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
〔溶融混練条件〕
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、原料投入側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
上記で得られた混練物を冷却ロールで冷却した後、ハンマーミルを用いて1mm程度に粗粉砕した。得られた粗粉砕物を気流式ジェットミル「IDS」(日本ニューマチック社製)により微粉砕及び分級し、体積中位粒径(D50)が10μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子35質量部と表5に示す絶縁性液体60.625質量部、及び塩基性分散剤「ソルスパース13940」(日本ルーブリゾール社製、ポリイミンとカルボン酸の縮合物、有効分40%)4.375質量部を1L容のポリエチレン製容器に入れ、「T.K.ロボミックス」(プライミクス社製)を用いて、氷冷下、回転数7000r/minにて30分間攪拌を行い、トナー粒子分散液を得た。
次に、得られたトナー粒子分散液を、直径0.8mmのジルコニアビーズを用いて、体積充填率60体積%にて、6筒式サンドミル「TSG-6」(アイメックス社製)で回転数1300r/min(周速度4.8m/sec)にて表5に示す体積中位粒径(D50)になるまで湿式粉砕した。ビーズをろ過により除去し、固形分濃度37質量%の、表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
実施例2
実施例1において、樹脂Aの添加量を80質量部に、添加剤Aの添加量を5質量部に変更した以外は実施例1と同様にして表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
実施例3
実施例1において、樹脂Aの添加量を70質量部に、添加剤Aの添加量を15質量部に変更した以外は実施例1と同様にして表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
実施例4
実施例1において、樹脂Aを樹脂Bに変更した以外は実施例1と同様にして表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
実施例5
実施例1において、添加剤Aを添加剤Bに変更した以外は実施例1と同様にして表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
実施例6
実施例1において、添加剤Aを添加剤Cに変更した以外は実施例1と同様にして表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
実施例7
実施例1において、絶縁性液体aを絶縁性液体bに変更した以外は実施例1と同様にして表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
比較例1
実施例1において、樹脂Aの添加量を85質量部に変更し、添加剤Aを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
比較例2
比較例1のトナー粒子分散液を得る工程において、トナー粒子を35質量部、絶縁性液体を57.125質量部、塩基性分散剤「ソルスパース13940」を4.375質量部、及び添加剤Aを3.5質量部用いたこと以外は比較例1と同様にして表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
比較例3
実施例1において、樹脂Aを樹脂Cに変更した以外は実施例1と同様にして表5に示す物性を有する液体現像剤を得た。
試験例1〔電気泳動性〕
テフロン(登録商標)製容器(外寸W6.3cm×D4cm×H6.3cm、内寸W5cm×D1.1cm×H5cm)にあらかじめ質量を測定した2枚の電極(ステンレス鋼製、W4cm×D0.5cm×H5cm)を挿入した(電極間距離0.1cm)。液体現像剤1gを絶縁性液体7.75gで希釈して試料液とし、この試料液3gを2枚の電極間に入れ、直流電源装置「TMK1.5-50」(高砂製作所社製)を用いて両極に±300Vの直流電圧を90秒間印加した。両電極を抜き出し、真空乾燥機にて0.5kPa、100℃にて1時間乾燥させ、乾燥後の各電極の質量を測定した。正負極それぞれについて(乾燥後の電極の質量)−(電圧印加前の電極の質量)の値を求め、各電極に付着したトナーの質量とした。結果を表5に示す。負極上のトナー粒子の質量が大きく、正極上のトナー粒子の質量が小さいほど正帯電性に優れることを示す。
試験例2〔定着性〕
「PODグロスコート紙」(王子製紙社製)に液体現像剤を滴下し、ワイヤーバーにより乾燥後の質量が1.2g/m2になるように薄膜を作製した。
作製した薄膜を、60℃の恒温槽中で10秒間保持した後、「OKI MICROLINE 3010」(沖データ社製)の定着機を外部に取り出した外部定着機にて、定着ロールの温度を140℃に設定し、140mm/secの定着速度で定着させた。
得られた定着画像にメンディングテープ「Scotchメンディングテープ810」(3M社製、幅18mm)を貼り付け、500gの荷重がかかるようにローラーでテープに圧力をかけた後、テープを剥離した。テープ剥離前と剥離後の画像濃度を、色彩計「Spectroeye」(X-Rite社製)にて測定した。画像印字部は各3点測定し、その平均値を画像濃度として算出した。剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度×100の値から定着率(%)を算出し、定着性を評価した。結果を表5に示す。数値が大きいほど定着性に優れることを示す。
Figure 0006172856
表5から明らかなように、比較例1〜3と対比して、実施例1〜7の液体現像剤は、電気泳動性に優れ、定着性にも優れることが分かる。
本発明の方法により得られる液体現像剤は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (7)

  1. 工程1:ポリエステルを含有する樹脂、顔料、及び炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程、
    工程2:工程1で得られたトナー粒子を絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
    工程3:工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程、
    を含む、液体現像剤の製造方法。
  2. 炭素数12以上24以下のカルボン酸の金属塩の金属種が、リチウム、アルミニウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の液体現像剤の製造方法。
  3. 炭素数12以上24以下のカルボン酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2記載の液体現像剤の製造方法。
  4. 液体現像剤の25℃における粘度が5mPa・s以上50mPa・s以下である、請求項1〜3いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
  5. ポリエステルの含有量が樹脂中90質量%以上である、請求項1〜4いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
  6. 絶縁性液体が炭素数12以上18以下のオレフィンを10質量%以上含有する、請求項1〜5いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の方法により得られる液体現像剤。
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