JP2016080573A - 遊離残留塩素測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラトー領域における印加電圧の変化量の絶対値(ΔV)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔI)の比率R(=ΔI/ΔV)が所定の範囲K1〜K2の範囲外である場合、検知極を回転または振動させるモーターの回転数を上げることにより、研磨部材による検知極の研磨効率を高くして研磨を行う。効率を高くした研磨後の印加電圧の変化量の絶対値(ΔV’)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔI’)の比率R’(=ΔI’/ΔV’)が所定の範囲K1’〜K2’の範囲外である場合は異常情報を生成する。
【選択図】図2
Description
この残留塩素濃度を測定する手分析法としては、o−トリジン比色法(OT法)、ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法(DPD法)、よう素滴定法等が用いられている。
しかし、手分析法は煩雑であると共に測定データが間欠的にしか得られないため、従来から残留塩素測定装置が使用されている。この残留塩素測定装置は、いわゆる有試薬式残留塩素測定装置と無試薬式残留塩素測定装置とに分類される。
無試薬式の残留塩素測定装置では、遊離残留塩素と結合塩素とが、感度差はあるものの共に検出されるが、上水等においては残留塩素の大部分が遊離残留塩素のため、遊離残留塩素測定装置として使用されている。
特許文献1では、プラトー領域の電流勾配が大きいことは結合塩素が存在することを意味するので、その場合は塩素剤注入量を増やすことにより、遊離残留塩素濃度が充分な水を供給できるとしている。
その場合、特許文献1の記載に従い塩素剤注入量を制御すると、遊離残留塩素濃度が充分な水であるにもかかわらず、さらに過剰な塩素剤を注入してしまうことになる。
そのため、特許文献1の技術を用いて塩素剤の注入量を適切にコントロールすることは困難であった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、結合塩素や電極異常に基づく測定異常に対する適切な対処を、ユーザーに過度の負担を強いることなく可能とする遊離残留塩素測定装置を提供することを課題とする。
[1]試料液に浸漬される検知極及び対極と、
前記検知極を回転または振動させるモーターと、
前記検知極に接触可能な研磨部材と、
前記検知極と対極との間に印加電圧を与える加電圧機構と、
前記検知極と対極との間に流れる酸化還元電流を測定する電流計とを備え、
測定モードでは、前記モーターにより前記検知極を回転または振動させつつ、前記印加電圧をプラトー領域内の一定電圧として酸化還元電流を測定し、得られた酸化還元電流に基づき試料液の遊離残留塩素濃度を求め、
診断モードでは、以下のステップを行うように構成されていることを特徴とする遊離残留塩素測定装置。
ステップ1:前記モーターの回転数をN1とした状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて、印加電圧の変化量の絶対値(ΔV)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔI)の比率R(=ΔI/ΔV)を求める。
ステップ2:前記比率Rが所定の範囲K1〜K2(但し、K1<K2)の範囲内であるときには診断モードを終了し、前記比率Rが所定の範囲K1〜K2の範囲外であるときにステップ3に進む。
ステップ3:前記モーターの回転数をN2(但し、N1<N2)に変更して所定時間前記検知極の研磨を行う。
ステップ4:前記モーターの回転数をN1に戻した状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて、印加電圧の変化量の絶対値(ΔV’)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔI’)の比率R’(=ΔI’/ΔV’)を求める。
ステップ5:前記比率R’が所定の範囲K1’〜K2’(但し、K1’<K2’)の範囲内であるときには診断モードを終了し、前記比率R’が所定の範囲K1’〜K2’の範囲外であるときにステップ6に進む。
ステップ6:異常情報を生成して診断モードを終了する。
Rb=ΔIb/ΔVb
但し、ΔIb/ΔVbは、スパン校正に用いるスパン液を試料液として、前記モーターの回転数をN1とした状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて得られる、印加電圧の変化量の絶対値(ΔVb)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔIb)の比率である。
[3]前記所定の範囲K1’〜K2’が、下記Rbを含むように定められている[1]または[2]に記載の遊離残留塩素測定装置。
Rb=ΔIb/ΔVb
但し、ΔIb/ΔVbは、スパン校正に用いるスパン液を試料液として、前記モーターの回転数をN1とした状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて得られる、印加電圧の変化量の絶対値(ΔVb)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔIb)の比率である。
[4]前記測定モードにおける前記モーターの回転数がN1である[1]〜[3]の何れか一項に記載の遊離残留塩素測定装置。
[5]前記研磨部材が、前記検知極の近傍に非固定状態で配置されている粒状研磨剤である[1]〜[4]の何れか一項に記載の遊離残留塩素測定装置。
[6]さらに、試料液が流通するフローセルと前記フローセル内に試料液を流通させる送液手段とを備え、前記フローセル内に前記検知極と前記非固定状態の粒状研磨剤が収納されている[5]に記載の遊離残留塩素測定装置。
[7]前記ステップ1及びステップ4における前記フローセル内の試料液の流量F1と前記ステップ3における前記フローセル内の試料液の流量F2との関係が、F1≦F2である[6]に記載の遊離残留塩素測定装置。
[8]前記測定モードにおける前記フローセル内の試料液の流量がF1である[7]に記載の遊離残留塩素測定装置。
[9]前記測定モードで得られる遊離残留塩素濃度が所定の範囲外となったときに、前記診断モードを開始する[1]〜[8]の何れか一項に記載の遊離残留塩素測定装置。
[10]所定の時間間隔毎に、前記診断モードを開始する[1]〜[9]の何れか一項に記載の遊離残留塩素測定装置。
[装置構成]
本発明の第1実施形態に係る遊離残留塩素測定装置について図1を用いて説明する。本実施形態の遊離残留塩素測定装置は、センサ部1と本体部20とから概略構成されている。
検知極支持体12は傾斜状態に配置されており、その長さ方向中間部所定箇所が軸受け17によって保持され、軸受け17による保持箇所を支点として歳差運動できるようになっている。また、検知極支持体12の基端部12aとモーター16の回転軸16aは偏心して係合している。そのため、モーター16の回転軸16aを回転させることにより基端部12aが円運動すると共に、検知極支持体12の先端部に取り付けられた検知極13も振動(円運動)するようになっている。また、配線L1は、検知極支持体12内を通って軸受け17による保持箇所近傍から、検知極13を円運動させても、ねじれたりせずに引き出せるようになっている。
モーター16としては、任意に設定した回転数で動作可能なモーターを使用する。モーター16は、演算制御部21からの指示により、回転数をN1とN2(但し、N1<N2)の何れかに切り替えられるようになっている。回転数N1とN2は、洗浄効率等を考慮して任意に設定できる。回転数N1とN2の設定値は、随時変更できるようにしてもよいし、固定値であってもよい。
モーター16の回転数をN1とN2の何れかに切り替えることにより、検知極13の振動速度が変化し、ビーズ18が検知極13に接触するスピードや回数も変化するので、ビーズ18による検知極13の研磨効率も変化する。
ポーラログラムにおいて、印加電圧が変化しても、電流がほとんど変化しない領域がプラトー領域である。
以下の説明において、プラトー領域の中でも、安定して電流の変化が少ない印加電圧をV0、プラトー領域内の他の印加電圧をV1、V2(但し、V1>V0>V2)とする。
プラトー領域を新たに確認するには、遊離残留塩素を含み結合塩素を殆ど含まない試料液Sに検知極13と対極15を浸漬し、モーター16の回転数をN1とした状態で、印加電圧を掃引しながら酸化還元電流を測定し、ポーラログラムを作成すればよい。この時の試料液Sとしては、測定レンジの上限に近い遊離残留塩素を含むものを使用することが好ましい。ポーラログラムを作成するために、酸化還元電流は、印加電圧を掃引しながら連続的に測定してもよいし、印加電圧が一定値(例えば50mV、または100mV)変化する毎に測定してもよい。
本実施形態の遊離残留塩素測定装置は、校正モードにおいて、ゼロ校正とスパン校正を行う。また、通常は簡易的にゼロ校正のみを行い、必要に応じてゼロ校正とスパン校正の双方を行うようにしてもよい。校正モードは、必要な管理精度等を考慮して適宜行えばよい。
ゼロ校正では、全残留塩素濃度がほぼゼロのゼロ液を試料液Sとし、この試料液Sに検知極13と対極15を浸漬し、モーター16の回転数をN1、印加電圧をV0として酸化還元電流Izを求める。スパン校正では、測定レンジ等を考慮して選択したスパン液を試料液Sとし、この試料液Sに検知極13と対極15を浸漬し、モーター16の回転数をN1、印加電圧をV0として酸化還元電流Isを求める。
スパン液としては、測定対象となる上水等であって、遊離残留塩素濃度と結合塩素濃度が適正に管理されているものを用いることが好ましい。また、次亜塩素酸溶液をゼロ液で希釈したものを用いてもよい。
ゼロ液の遊離残留塩素濃度fzとスパン液の遊離残留塩素濃度fsは、例えばDPD法により確認することができる。ゼロ液の遊離残留塩素濃度fzについては、DPD法等で確認することなく、ゼロとみなしてもよい。
DPD法等でスパン液の遊離残留塩素濃度fsの確認が必要なスパン校正は手動で行う。ゼロ校正についても、DPD法等でゼロ液の遊離残留塩素濃度fzを確認する場合は、手動で行う。
本体部20の演算制御部21は、ゼロ校正とスパン校正の2点を記憶する。または、これら2点から検量線を求め、求めた検量線を記憶する。
後述の診断モードにおける所定の範囲K1〜K2を画する値K1とK2は、所定の範囲K1〜K2が、下記Rbを含むように定められることが好ましい。同様に、所定の範囲K1’〜K2’を画する値K1’とK2’は、所定の範囲K1’〜K2’が、下記Rbを含むように定められることが好ましい。
Rb=ΔIb/ΔVb
但し、ΔIb/ΔVbは、スパン校正に用いるスパン液を試料液として、前記モーターの回転数をN1とした状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて得られる、印加電圧の変化量の絶対値(ΔVb)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔIb)の比率である。
Rbを求めるためのスパン液としては、測定対象となる上水等であって、遊離残留塩素濃度と結合塩素濃度が適正に管理されているものを用いることが好ましい。また、次亜塩素酸溶液をゼロ液で希釈したものを用いてもよい。
スパン液に検知極13と対極15を浸漬し、モーター16の回転数をN1とした状態を維持したまま、印加電圧をVb1からVb2まで掃引して酸化還元電流を測定する。但し、電圧Vb1とVb2はプラトー領域内の印加電圧である。Vb1は前記V1であることが好ましく、Vb2は前記V2であることが好ましい。
酸化還元電流は、印加電圧を掃引しながら連続的に測定してもよいし、印加電圧が一定値(例えば50mV、または100mV)変化する毎に測定してもよい。また、印加電圧がVb1であるときと、Vb2であるときの2点で測定してもよい。
Rb=ΔIb/ΔVb=|Ib2−Ib1|/|Vb2−Vb1|
3点以上の印加電圧において酸化還元電流を測定する場合や、印加電圧をVb1からVb2まで掃引する間、連続的に酸化還元電流を測定する場合は、最小自乗法等により求めた一次関数の傾きの絶対値がRbとなる。
Rbを求めるRb算出モードは、必要な管理精度等を考慮して適宜行えばよい。たとえばスパン校正の後に続けて行うことができる。
K1=Rb−α
K2=Rb+β
ここで、αとβは、必要な管理精度等を考慮して適宜設定した値である。αとβは、等しいことが好ましいが、異なっていてもよい。
K1’=Rb−α’
K2’=Rb+β’
ここで、α’とβ’は、必要な管理精度等を考慮して適宜設定した値である。α’とβ’は、等しいことが好ましいが異なっていてもよい。また、αとα’は、等しいことが好ましいが異なっていてもよい。同様に、βとβ’は、等しいことが好ましいが異なっていてもよい。
本実施形態の遊離残留塩素測定装置は、測定モードの間、測定対象となる上水等の試料液Sに検知極13と対極15を浸漬し、モーター16の回転数をN1、印加電圧をV0(プラトー領域内の一定電圧)として酸化還元電流Ixを求める。本体部20の演算制御部21は、校正モードで記憶した2点で特定される検量線、または校正モードで記憶した検量線に基づき、酸化還元電流Ixに対応する遊離残留塩素濃度fxを求める。
本実施形態の遊離残留塩素測定装置は、診断モードでは、以下のステップを行う。
ステップ1:前記モーターの回転数をN1とした状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて、印加電圧の変化量の絶対値(ΔV)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔI)の比率R(=ΔI/ΔV)を求める。
ステップ2:前記比率Rが所定の範囲K1〜K2(但し、K1<K2)の範囲内であるときには診断モードを終了し、前記比率Rが所定の範囲K1〜K2の範囲外であるときにステップ3に進む。
ステップ3:前記モーターの回転数をN2(但し、N1<N2)に変更して所定時間前記検知極の研磨を行う。
ステップ4:前記モーターの回転数をN1に戻した状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて、印加電圧の変化量の絶対値(ΔV’)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔI’)の比率R’(=ΔI’/ΔV’)を求める。
ステップ5:前記比率R’が所定の範囲K1’〜K2’(但し、K1’<K2’)の範囲内であるときには診断モードを終了し、前記比率R’が所定の範囲K1’〜K2’の範囲外であるときにステップ6に進む。
ステップ6:異常情報を生成して診断モードを終了する。
診断モードは、本体部20に内蔵させたタイマーや外部スタート信号により、所定の時間間隔毎に測定モードを中断して開始する。また、測定モードで求めた遊離残留塩素濃度fxが、所定の管理値の範囲外となった際に、測定モードを中断して開始する。
酸化還元電流は、印加電圧を掃引しながら連続的に測定してもよいし、印加電圧が一定値(例えば50mV、または100mV)変化する毎に測定してもよい。また、印加電圧がV1であるときと、V2であるときの2点で測定してもよい。
R=ΔI/ΔV=|I2−I1|/|V2−V1|
3点以上の印加電圧において酸化還元電流を測定する場合や、印加電圧をV1からV2まで掃引する間、連続的に酸化還元電流を測定する場合は、最小自乗法等により求めた一次関数の傾きの絶対値が比率Rとなる。
なお、図2では、K1≦R≦K2を満たす場合を所定の範囲K1〜K2の範囲内とし、K1≦R≦K2を満たさない場合を所定の範囲K1〜K2の範囲外としたが、K1<R<K2を満たす場合を所定の範囲K1〜K2の範囲内とし、K1<R<K2を満たさない場合を所定の範囲K1〜K2の範囲外としてもよい。
ステップA3−1は、所定の時間が経過するまで継続し(ステップA3−2)、その後ステップ4に進む。所定の時間は、検知極13の表面を充分に研磨できる程度の時間とする。
R’=ΔI’/ΔV’=|I2’−I1’|/|V2’−V1’|
3点以上の印加電圧において酸化還元電流を測定する場合や、印加電圧をV1’からV2’まで掃引する間、連続的に酸化還元電流を測定する場合は、最小自乗法等により求めた一次関数の傾きの絶対値が比率R’となる。
なお、図2では、K1’≦R’≦K2’を満たす場合を所定の範囲K1’〜K2’の範囲内とし、K1’≦R’≦K2’を満たさない場合を所定の範囲K1’〜K2’の範囲外としたが、K1’<R’<K2’を満たす場合を所定の範囲K1’〜K2’の範囲内とし、K1’<R’<K2’を満たさない場合を所定の範囲K1’〜K2’の範囲外としてもよい。
生成した異常情報は、信号D1として表示装置24に与えられ、表示装置24に異常状態である旨が表示される。また、異常情報は、信号D2として、外部の記録計、データロガー、メモリ、プリンター、スピーカー、コンピュータ等に伝達され、表示、記録、プリント、音声等により異常状態であることがユーザーに通知される。
ステップ6の後、診断モードを終了する。
診断モード中は、診断モード中である旨を表示装置24に表示させてもよい。また、その旨を外部のプリンター、コンピュータ等に伝達してもよい。また、診断モード開始直前における遊離残留塩素濃度fxのホールド値等をダミー情報として表示装置24に表示させたり、外部のプリンター、コンピュータ等に伝達したりしてもよい。
[装置構成]
本発明の第2実施形態に係る遊離残留塩素測定装置は、図1のセンサ部1が、図3に示すセンサ部2に変更された他は、第1実施形態と同じである。
偏心カップリング41の下方側には、略棒状の連結軸44が連結されている。回転軸38aと連結軸44とが作る角度は約3度に設定され、モーター38の駆動により、連結軸44のカップリングケース42に連結している部位が円運動を行うようになっている。
モーター38の駆動により、連結軸44のカップリングケース42に連結している部位が円運動すると、連結軸44は、フランジ部45bの位置する部位を支点とする歳差運動をする。その結果、連結軸44に固定された検知極支持体46の下端に設けられた検知極35も円運動するようになっている。
なお、図3において、リード線47のコネクター48近傍の配線については図示を省略する。また、対極33からコネクター48迄の配線と、モーター38からコネクター48迄の配線についても図示を省略する。
モーター38は、第1実施形態のモーター16と同様に、演算制御部21からの指示により、回転数をN1とN2(但し、N1<N2)の何れかに切り替えられるようになっている。
なお、試料液Sは軸受け45により、軸受け45より上方のケース31内への侵入が阻止されるようになっている。
[装置構成]
本発明の第3実施形態に係る遊離残留塩素測定装置について図4を用いて説明する。なお、図4において、図1と同様の構成部材には、図1と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の遊離残留塩素測定装置は、センサ部3と本体部20と送液部50から概略構成されている。
送液部50は、フローセル19に試料液Sを送る流入路51と、フローセル19から試料液Sを排出する排出路52と、流入路51に設けられたポンプ53を有し、本発明の送液手段を構成している。
第1、第2実施形態と同様に、モーター16の回転数を変化させることによっても、ビーズ18による検知極13の研磨効率が変化する。
第1実施形態の説明と同様、以下の説明において、プラトー領域の中でも安定して電流の変化が少ない印加電圧をV0、プラトー領域内の他の印加電圧をV1、V2(但し、V1>V0>V2)とする。
プラトー領域を新たに確認するには、遊離残留塩素を含み結合塩素を殆ど含まない試料液Sをフローセル19内に流通させ、モーター16の回転数をN1、フローセル19内の試料液Sの流量をF1とした状態で、印加電圧を掃引しながら酸化還元電流を測定し、ポーラログラムを作成すればよい。この時の試料液Sとしては、測定レンジの上限に近い遊離残留塩素を含むものを使用することが好ましい。ポーラログラムを作成するために、酸化還元電流は、印加電圧を掃引しながら連続的に測定してもよいし、印加電圧が一定値(例えば50mV、または100mV)変化する毎に測定してもよい。
本実施形態の遊離残留塩素測定装置は、校正モードにおいて、ゼロ校正とスパン校正を行う。また、通常は簡易的にゼロ校正のみを行い、必要に応じてゼロ校正とスパン校正の双方を行うようにしてもよい。校正モードは、必要な管理精度等を考慮して、適宜行えばよい。
ゼロ校正では、全残留塩素濃度がほぼゼロのゼロ液を試料液Sとし、この試料液Sをフローセル19内に流通させ、モーター16の回転数をN1、フローセル19内の試料液Sの流量をF1、印加電圧をV0として酸化還元電流Izを求める。スパン校正では、測定レンジ等を考慮して選択したスパン液を試料液Sとし、この試料液Sをフローセル19内に流通させ、モーター16の回転数をN1、フローセル19内の試料液Sの流量をF1、印加電圧をV0として酸化還元電流Isを求める。
後述の診断モードにおける所定の範囲K1〜K2を画する値K1とK2は、所定の範囲K1〜K2が、下記Rbを含むように定められることが好ましい。同様に、所定の範囲K1’〜K2’を画する値K1’とK2’は、所定の範囲K1’〜K2’が、下記Rbを含むように定められることが好ましい。
Rb=ΔIb/ΔVb
但し、ΔIb/ΔVbは、スパン校正に用いるスパン液を試料液として、前記モーターの回転数をN1、フローセル19内の試料液Sの流量をF1とした状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて得られる、印加電圧の変化量の絶対値(ΔVb)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔIb)の比率である。
Rbを求めるためのスパン液としては、測定対象となる上水等であって、遊離残留塩素濃度と結合塩素濃度が適正に管理されているものを用いることが好ましい。また、次亜塩素酸溶液をゼロ液で希釈したものを用いてもよい。
試料液S(スパン液)をフローセル19内に流通させ、モーター16の回転数をN1、フローセル19内の試料液Sの流量をF1とした状態を維持したまま、印加電圧をVb1からVb2まで掃引して酸化還元電流を測定する。但し、電圧Vb1とVb2はプラトー領域内の印加電圧である。Vb1は前記V1であることが好ましく、Vb2は前記V2であることが好ましい。
酸化還元電流は、印加電圧を掃引しながら連続的に測定してもよいし、印加電圧が一定値(例えば50mV、または100mV)変化する毎に測定してもよい。また、印加電圧がVb1であるときと、Vb2であるときの2点で測定してもよい。
Rb=ΔIb/ΔVb=|Ib2−Ib1|/|Vb2−Vb1|
3点以上の印加電圧において酸化還元電流を測定する場合や、印加電圧をVb1からVb2まで掃引する間、連続的に酸化還元電流を測定する場合は、最小自乗法等により求めた一次関数の傾きの絶対値がRbとなる。
Rbを求めるRb算出モードは、必要な管理精度等を考慮して適宜行えばよい。たとえばスパン校正の後に続けて行うことができる。
K1=Rb−α
K2=Rb+β
ここで、αとβは、必要な管理精度等を考慮して適宜設定した値である。αとβは、等しいことが好ましいが、異なっていてもよい。
K1’=Rb−α’
K2’=Rb+β’
ここで、α’とβ’は、必要な管理精度等を考慮して適宜設定した値である。α’とβ’は、等しいことが好ましいが異なっていてもよい。また、αとα’は、等しいことが好ましいが異なっていてもよい。同様に、βとβ’は、等しいことが好ましいが異なっていてもよい。
本実施形態の遊離残留塩素測定装置は、測定モードの間、測定対象となる上水等の試料液Sをフローセル19内に流通させ、モーター16の回転数をN1、フローセル19内の試料液Sの流量をF1、印加電圧をV0として酸化還元電流Ixを求める。本体部20の演算制御部21は、校正モードで記憶した2点で特定される検量線、または校正モードで記憶した検量線に基づき、酸化還元電流Ixに対応する遊離残留塩素濃度fxを求める。
本実施形態の遊離残留塩素測定装置は、診断モードでは、第1実施形態と同様にステップ1〜ステップ6を行うが、フローセル19内の試料液Sの流量調整を行う点が第1実施形態と相違する。
以下、各ステップについて、図5を参照しつつ詳述する。
診断モードは、本体部20に内蔵させたタイマーや外部スタート信号により、所定の時間間隔毎に測定モードを中断して開始する。また、測定モードで求めた遊離残留塩素濃度fxが、所定の管理値の範囲外となった際に、測定モードを中断して開始する。
酸化還元電流は、印加電圧を掃引しながら連続的に測定してもよいし、印加電圧が一定値(例えば50mV、または100mV)変化する毎に測定してもよい。また、印加電圧がV1であるときと、V2であるときの2点で測定してもよい。
R=ΔI/ΔV=|I2−I1|/|V2−V1|
3点以上の印加電圧において酸化還元電流を測定する場合や、印加電圧をV1からV2まで掃引する間、連続的に酸化還元電流を測定する場合は、最小自乗法等により求めた一次関数の傾きの絶対値が比率Rとなる。
なお、図5では、K1≦R≦K2を満たす場合を所定の範囲K1〜K2の範囲内とし、K1≦R≦K2を満たさない場合を所定の範囲K1〜K2の範囲外としたが、K1<R<K2を満たす場合を所定の範囲K1〜K2の範囲内とし、K1<R<K2を満たさない場合を所定の範囲K1〜K2の範囲外としてもよい。
ステップB3−1は、所定の時間が経過するまで継続し(ステップB3−2)、その後ステップ4に進む。所定の時間は、検知極13の表面を充分に研磨できる程度の時間とする。
R’=ΔI’/ΔV’=|I2’−I1’|/|V2’−V1’|
3点以上の印加電圧において酸化還元電流を測定する場合や、印加電圧をV1’からV2’まで掃引する間、連続的に酸化還元電流を測定する場合は、最小自乗法等により求めた一次関数の傾きの絶対値が比率R’となる。
なお、図5では、K1’≦R’≦K2’を満たす場合を所定の範囲K1’〜K2’の範囲内とし、K1’≦R’≦K2’を満たさない場合を所定の範囲K1’〜K2’の範囲外としたが、K1’<R’<K2’を満たす場合を所定の範囲K1’〜K2’の範囲内とし、K1’<R’<K2’を満たさない場合を所定の範囲K1’〜K2’の範囲外としてもよい。
生成した異常情報は、信号D1として表示装置24に与えられ、表示装置24に異常状態である旨が表示される。また、異常情報は、信号D2として、外部の記録計、データロガー、メモリ、プリンター、スピーカー、コンピュータ等に伝達され、表示、記録、プリント、音声等により異常状態であることがユーザーに通知される。
ステップ6の後、診断モードを終了する。
診断モード中は、診断モード中である旨を表示装置24に表示させてもよい。また、その旨を外部のプリンター、コンピュータ等に伝達してもよい。また、診断モード開始直前における遊離残留塩素濃度fxのホールド値等をダミー情報として表示装置24に表示させたり、外部のプリンター、コンピュータ等に伝達したりしてもよい。
[装置構成]
本発明の第4実施形態に係る遊離残留塩素測定装置は、図4のセンサ部3が、図6に示すセンサ部4に変更された他は、第3実施形態と同じである。
フローセル60には、支持基体32が挿入されている。フローセル60の上端側内壁と支持基体32外周の間は、Oリング61を介して液密に固着されている。
フローセル60の先端部の中央には試料液流入用の試料液流入口60aが設けられるとともに、Oリング61近傍の側壁には試料液流出用の試料液流出口60bが設けられている。試料液流入口60aには流入路51が、試料液流出口60bには排出路52が接続される。
上記各実施形態では、測定モードにおけるモーターの回転数とステップ1におけるモーターの回転数を同一としたが、両者は異なっていてもよい。
また、上記各実施形態では、研磨部材を検知極の近傍に非固定状態で配置されている粒状研磨剤(ビーズ18、36)としたが、たとえば、検知極に向けて付勢されたバネの先端に取り付けられ検知極に接触するスポンジやブラシ等の研磨部材でもよい。
また、第3実施形態、第4実施形態においては、測定モードにおける流量とステップ1における流量を同一としたが、両者は異なっていてもよい。
また、所定の時間間隔毎に診断モードを開始する場合、所定の時間間隔は、測定モードで求めた遊離残留塩素濃度fxの変動状況等や季節等に応じて、変更してもよい。
具体的には、印加電圧を掃引しながら酸化還元電流を連続的に測定してRbを算出すると共に、掃引中の印加電圧がV0となったときの酸化還元電流に基づき、スパン校正を行うことができる。
また、所定の範囲K1〜K2と所定の範囲K1’〜K2’は、各々固定された範囲であってもよい。その場合、Rb算出モードは不要である。
上記各実施形態では、ステップ2において比率Rが所定の範囲K1〜K2の範囲内であり良好なプラトー領域が維持されている場合は、正常であると判断できるので、直ちに測定モードに復帰できる。一方、比率Rが所定の範囲K1〜K2の範囲外の大きい値であり、良好なプラトー領域が維持できていない場合、原因としては、結合塩素濃度の変化(増加)や電極の異常が考えられる。また、比率Rが所定の範囲K1〜K2の範囲外の小さい値である場合も、電極の異常や結合塩素濃度の変化(減少)が考えられる。
本実施形態によれば、検知極を充分に研磨すれば解消できる異常を自動的に解消して正常状態に復帰させることができる。そのため、ユーザーが現場に赴いて対応する負担を大幅に軽減することができる。
また、電極の異常によりプラトー領域の電流勾配が大きくなったにもかかわらず、結合塩素の影響であると誤認して、過剰な塩素剤を注入してしまうことを回避できる。
以下の試料液を作成した、
(試料液1)水道水を東レ株式会社製トレビーノ(登録商標)STC.Jで濾過したものを試料液1とした。
(試料液2)試料液の遊離残留塩素濃度が約0.5mg/Lとなるように、試料液1に次亜塩素酸溶液(1800mg/L)を添加したものを試料液2とした。
(試料液3)試料液の遊離残留塩素濃度が約1mg/Lとなるように、試料液1に次亜塩素酸溶液(1800mg/L)を添加したものを試料液3とした。
(試料液5)試料中のアンモニア性窒素の量が0.1mg/Lとなるように、試料液1に塩化アンモニウム溶液(関東化学株式会社製塩化アンモニウムの特級0.382mgを試料液1の1Lに溶解したもの)を添加した。次いで、次亜塩素酸溶液(1800mg/L)を試料液4において添加した量とほぼ同量(次亜塩素酸がアンモニア性窒素と反応しなければ、試料液の遊離残留塩素濃度が約1mg/Lとなる量)添加して試料液5とした。
(試料液6)試料中のアンモニア性窒素の量が0.2mg/Lとなるように、試料液1に塩化アンモニウム溶液(関東化学株式会社製塩化アンモニウムの特級0.764mgを試料液1の1Lに溶解したもの)を添加した。次いで、次亜塩素酸溶液(1800mg/L)を試料液4において添加した量とほぼ同量(次亜塩素酸がアンモニア性窒素と反応しなければ、試料液の遊離残留塩素濃度が約1mg/Lとなる量)添加して試料液6とした。
(試料液8)試料中のアンモニア性窒素の量が0.05mg/Lとなるように、試料液1に塩化アンモニウム溶液(関東化学株式会社製塩化アンモニウムの特級0.191mgを試料液1の1Lに溶解したもの)を添加した。次いで、次亜塩素酸溶液(1800mg/L)を試料液7において添加した量とほぼ同量(次亜塩素酸がアンモニア性窒素と反応しなければ、試料液の遊離残留塩素濃度が約0.5mg/Lとなる量)添加して試料液8とした。
(試料液9)試料中のアンモニア性窒素の量が0.1mg/Lとなるように、試料液1に塩化アンモニウム溶液(関東化学株式会社製関東化学株式会社製塩化アンモニウムの特級0.382mgを試料液1の1Lに溶解したもの)を添加した。次いで、次亜塩素酸溶液(1800mg/L)を試料液7において添加した量とほぼ同量(次亜塩素酸がアンモニア性窒素と反応しなければ、試料液の遊離残留塩素濃度が約0.5mg/Lとなる量)添加して試料液6とした。
(試料液11)水道水を東レ株式会社製トレビーノ(登録商標)STC.Jで濾過したものを試料液11とした。
(試料液13)水道水を東レ株式会社製トレビーノ(登録商標)STC.Jで濾過したものを試料液13とした。
センサ部としては、図6のセンサ部4を用いた。検知極35としては金電極を、対極33としては銀/塩化銀電極を用いた。モーター38の回転数は2800rpmとした。
図6のセンサ部のフローセル60に、タンクのヘッド圧を利用し、100〜300mL/分の範囲の流量を保つようにして試料液(試料液1〜9)を流通させた。
この状態で、検知極35と対極33の間に300mV〜−300mVの電圧(掃引速度100mV/分)を印加しつつ検知極と対極との間に流れる酸化還元電流を測定して、試料液1〜9のポーラログラムを得た。結果を図7〜9に示す。
検知極35として変形して表面積が大きくなった金電極を用いた他は、ポーラログラムの作成1と同様にして、試料液10、11のポーラログラムを得た。結果を図10に示す。
検知極35としてポーラログラムの作成2で用いた金電極を再研磨したものを用いた他は、ポーラログラムの作成1と同様にして、試料液12、13のポーラログラムを得た。結果を図11に示す。
HACH社製ポケット残留塩素計を用い、DPD法により各試料液の遊離残留塩素濃度と試料液4〜9の全残留塩素濃度を測定した。測定した遊離残留塩素濃度、及び全残留塩素濃度から遊離残留塩素濃度を差し引いた濃度(結合塩素濃度)を図7〜11に示す。図中、fは遊離残留塩素濃度、cは結合塩素濃度である。なお、図8、9のNは、試料液調製時の試薬配合量から計算したアンモニア性窒素量である。
図7〜11の各試料液のポーラログラムについて、印加電圧の変化量の絶対値(ΔV)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔI)の比率R(=ΔI/ΔV)を求めた。
比率Rは、印加電圧がV1であるときの酸化還元電流I1と、V2であるときの酸化還元電流I2の2点から下記の式により計算した。
R=ΔI/ΔV=|I2−I1|/|V2−V1|
印加電圧V1は+50mV、印加電圧V2は−50mVとした。結果を表1に示す。
図7より、検知極として金電極、対極としては銀/塩化銀電極を用いることにより、結合塩素を実質的に含まない試料液1〜3では、+100〜−100mvの範囲が安定したプラトー状態となっており、この範囲から測定時の印加電圧を選択可能なことが確認できた。特に、+50〜−50mvの範囲で、特に良好なプラトー領域が得られることが確認された。
なお、表1に示すように、試料液1〜3の比率Rは遊離残留塩素濃度が高くなるほど、大きくなる傾向がある。
表1に示す様に、次亜塩素酸溶液の添加量がほぼ等しい試料4〜6のRを比較すると、アンモニア性窒素の量が高くなるほど、比率Rが大きくなる傾向が見られた。同様に、次亜塩素酸溶液の添加量がほぼ等しい試料7〜9のRを比較すると、アンモニア性窒素の量が高くなるほど、比率Rが大きくなる傾向が見られた。
したがって、遊離残留塩素濃度がほぼ一定範囲に管理されている上水等では、比率Rが、測定レンジや管理精度に応じて設定した所定の範囲K1〜K2の範囲を超えて大きくなった場合、結合塩素の存在による異常が生じている可能性があると診断可能であることが確認できた。
また、表1に示すように、試料液10の比率Rは、遊離残留塩素濃度がほぼ等しい試料12の比率Rより大きく、遊離残留塩素濃度がほぼゼロに近い試料液11の比率Rは、遊離残留塩素濃度がほぼゼロに近い試料13の比率Rより大きかった。
また、研磨後の比率R(本発明のステップ4における比率R’に相当)が所定の範囲K1’〜K2’の範囲内であることを確認できれば、異常の原因は検知極の研磨不足であり結合塩素の存在によるものではないこと、さらに、研磨によって正常な状態に復帰できたこと、を診断可能であることが確認できた。
14…対極支持体、15、33…対極、16、38…モーター、17、45…軸受け、
18、36…ビーズ、19、60…フローセル、20…本体部、
21…演算制御部、22…加電圧機構、23…電流計、24…表示装置、
50…送液部、53…ポンプ、S…試料液
Claims (10)
- 試料液に浸漬される検知極及び対極と、
前記検知極を回転または振動させるモーターと、
前記検知極に接触可能な研磨部材と、
前記検知極と対極との間に印加電圧を与える加電圧機構と、
前記検知極と対極との間に流れる酸化還元電流を測定する電流計とを備え、
測定モードでは、前記モーターにより前記検知極を回転または振動させつつ、前記印加電圧をプラトー領域内の一定電圧として酸化還元電流を測定し、得られた酸化還元電流に基づき試料液の遊離残留塩素濃度を求め、
診断モードでは、以下のステップを行うように構成されていることを特徴とする遊離残留塩素測定装置。
ステップ1:前記モーターの回転数をN1とした状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて、印加電圧の変化量の絶対値(ΔV)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔI)の比率R(=ΔI/ΔV)を求める。
ステップ2:前記比率Rが所定の範囲K1〜K2(但し、K1<K2)の範囲内であるときには診断モードを終了し、前記比率Rが所定の範囲K1〜K2の範囲外であるときにステップ3に進む。
ステップ3:前記モーターの回転数をN2(但し、N1<N2)に変更して所定時間前記検知極の研磨を行う。
ステップ4:前記モーターの回転数をN1に戻した状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて、印加電圧の変化量の絶対値(ΔV’)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔI’)の比率R’(=ΔI’/ΔV’)を求める。
ステップ5:前記比率R’が所定の範囲K1’〜K2’(但し、K1’<K2’)の範囲内であるときには診断モードを終了し、前記比率R’が所定の範囲K1’〜K2’の範囲外であるときにステップ6に進む。
ステップ6:異常情報を生成して診断モードを終了する。 - 前記所定の範囲K1〜K2が、下記Rbを含むように定められている請求項1に記載の遊離残留塩素測定装置。
Rb=ΔIb/ΔVb
但し、ΔIb/ΔVbは、スパン校正に用いるスパン液を試料液として、前記モーターの回転数をN1とした状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて得られる、印加電圧の変化量の絶対値(ΔVb)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔIb)の比率である。 - 前記所定の範囲K1’〜K2’が、下記Rbを含むように定められている請求項1または2に記載の遊離残留塩素測定装置。
Rb=ΔIb/ΔVb
但し、ΔIb/ΔVbは、スパン校正に用いるスパン液を試料液として、前記モーターの回転数をN1とした状態で、前記印加電圧をプラトー領域内で変化させて得られる、印加電圧の変化量の絶対値(ΔVb)に対する酸化還元電流の変化量の絶対値(ΔIb)の比率である。 - 前記測定モードにおける前記モーターの回転数がN1である請求項1〜3の何れか一項に記載の遊離残留塩素測定装置。
- 前記研磨部材が、前記検知極の近傍に非固定状態で配置されている粒状研磨剤である請求項1〜4の何れか一項に記載の遊離残留塩素測定装置。
- さらに、試料液が流通するフローセルと前記フローセル内に試料液を流通させる送液手段とを備え、前記フローセル内に前記検知極と前記非固定状態の粒状研磨剤が収納されている請求項5に記載の遊離残留塩素測定装置。
- 前記ステップ1及びステップ4における前記フローセル内の試料液の流量F1と前記ステップ3における前記フローセル内の試料液の流量F2との関係が、F1≦F2である請求項6に記載の遊離残留塩素測定装置。
- 前記測定モードにおける前記フローセル内の試料液の流量がF1である請求項7に記載の遊離残留塩素測定装置。
- 前記測定モードで得られる遊離残留塩素濃度が所定の範囲外となったときに、前記診断モードを開始する請求項1〜8の何れか一項に記載の遊離残留塩素測定装置。
- 所定の時間間隔毎に、前記診断モードを開始する請求項1〜9の何れか一項に記載の遊離残留塩素測定装置。
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