JP3929753B2 - 振動式酸化還元電流測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、作用極と対極とを有し、少なくとも作用極を振動させることにより酸化還元電流を検出して試料液(検水)中の測定対象成分の濃度を検出する、所謂、ポーラログラフ法を利用した酸化還元電流測定装置に関するものであり、特に、連続測定を可能とした採水、投げ込み式の振動式酸化還元電流測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば検水中の遊離残留塩素濃度を検出するために、所謂、ポーラログラフ法を用いて、遊離残留塩素などの測定対象成分の酸化還元電流を測定することが行われている。
【0003】
斯かる酸化還元電流測定は、例えばプール水や水道水(上水)中の遊離残留塩素濃度測定に利用される。その他、同様の酸化還元電流測定は、検水中の溶存オゾン濃度測定、溶存二酸化塩素濃度測定、亜塩素酸(HClO2)イオン濃度測定、過酸化水素濃度測定のために利用することができる。
【0004】
このように検水中の測定対象成分をポーラログラフ法にて測定するためには、検水と、作用極及び対極との間に相対速度を与えることで、作用極表面に活物質を常に供給することを可能とし、安定な検出電流を得る。
【0005】
そこで、例えば遊離残留塩素の濃度検出のために、作用極及び対極を振動させて検水との相対速度を得るようにした酸化還元電流測定装置が種々提案されている。その一例を図6に示す。
【0006】
本例の酸化還元電流測定装置1Aは、大径穴101及び小径穴102を備えた円筒状の電極ボディ100を有する。細長形状の電極支持体103が電極ボディ100の内側に配置される。つまり、電極支持体103は、その上方部分がOリング104を介して電極ボディ100の小径穴102の内側に取り付けられ、電極ボディ100内へと延在し、電極支持体103の下方部分は、電極ボディ100の小径穴102から更に下方へと電極ボディ100の外方に延在している。
【0007】
電極ボディ100の小径穴102から下方へと延在した電極支持体103の下方部分の先端部には、作用極(Pt)105が配置され、その上方部分に対極(Ag・AgCl)106が設けられている。一方、電極支持体103の上方部分の上端部は、電極ボディ100内の大径穴101内に位置しており、振動用モータ107が取り付けられている。
【0008】
斯かる構成の酸化還元電流測定装置1Aは、モータ107を駆動することにより、モータ107の振動がOリング104を支点として電極支持体103を振動(歳差運動)させる。それによって、作用極105と対極106が振動し、極面上で流速が発生し、測定が可能となる。
【0009】
しかしながら、上記酸化還元電流測定装置1Aの構成では、作用極105及び対極106の振動が大きく、そのために作用極105で発生する電流値が大きくなり、電流値のハンチングが発生し、これにより電流値の安定性が低下し、測定値に誤差が生じてしまう。又、一定流速の測定時においても、作用極105と対極106が同じ振動効率で振動しているために、電流値のふらつきが生じ測定値の安定性が低下する。
【0010】
本発明者は、上記酸化還元電流測定装置が有する上述のような問題を解決するべく多くの研究実験を行った結果、次のことが分かった。
【0011】
つまり、
(1)作用極と対極の振動が大きい場合には、作用極表面における活物質の供給速度と反応生成物の拡散速度が振動の影響で絶えず変化し、作用極上での活物質の供給と反応生成物の拡散が不均一となり、発生する電流値にハンチングが発生するために、電流値の安定性が低下し測定値に誤差が生じてしまう。又、
(2)対極では、作用極で行われる還元反応を受けて酸化反応が行われるが、対極が必要以上に振動することで意図しない反応が対極上で進行して、電流値が不安定となり測定誤差の原因となる。
(3)検水の流速が変化すると作用極上での活物質の供給速度と反応生成物の拡散速度が変化し、得られる電流値が変化してしまう。従って、ポーラログラフ法を用いた測定では、検水の流速の影響を受ける。プール水のような流速のある検水の測定においては、検水の流速が変化することで測定値に誤差を生じる。
ことを見出した。
【0012】
そこで、本発明者は、特開2000−298110号公報に記載される酸化還元電流測定装置を提案した。その概略構成を図7に示す。
【0013】
本例にて、酸化還元電流測定装置1Bは、電極本体101を備え、電極本体101の下方端に一体に電極支持体103が取り付けられている。電極支持体103は、作用極105と対極106とを有し、作用極105及び対極106を振動させることにより酸化還元電流を検出して検水中の測定対象成分の濃度を検出する。
【0014】
特に、この酸化還元電流測定装置1Bは、電極支持体103を囲包して採水用の容器110を有し、容器蓋111に電極本体101を保持する、弾性材にて作製された電極固定用部材112が設けられている。
【0015】
従って、酸化還元電流測定装置1Bは、振動の力点である振動用モータ107の取り付け位置が振動の支点である電極固定用部材112よりも下方に位置し、更に、振動の作用点である作用極105と対極106の位置が振動の力点である振動用モータ107よりも下方に位置している。
【0016】
特開2000−298110号公報に記載の酸化還元電流測定装置1Bは、測定時の電流のハンチングの発生を防止し、電流値の安定性を向上させ、測定値の誤差を最小限とすることができる、といった利点を有している。
【0017】
このように、上記特開2000−298110号公報に記載の酸化還元電流測定装置1Bは、容器110内に検水Sを汲み取り、電極本体101を容器蓋111に電極固定用部材112を介して取り付ける構成とされ、それによって、周囲から検水Sと電極本体101とを遮断することが可能となり、検水Sの流速の影響を受けずに安定した測定が可能とされる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる構成の酸化還元電流測定装置1Bは、所謂、採水型の測定装置であり、プールや池などに電極を直接投げ込んでの連続測定は不可能である。
【0019】
又、定置型の連続酸化還元電流測定装置は、測定にはフローセル部が必要であり、プールや池などに電極を直接投げ込んでの測定は不可能であるか、或いは、極めて複雑な構成とならざるを得ず、高価となる。
【0020】
従って、現在、振動式酸化還元電流測定装置で投げ込み測定を可能とするものはない。
【0021】
更に、現在使用されている採水、投げ込み式の酸化還元電流測定装置では、測定を行うに従い、作用極に汚れなどが付着し、感度低下による指示値の変化が生じ、本発明者が知る限りにおいては、連続測定を可能とするものはない。
【0022】
従って、本発明の目的は、一般には、測定時の電流のハンチングの発生を防止し、電流値の安定性を向上させ、測定値の誤差を最小限とすることができ、特に、サンプル(検水)中で作用極と対極の振動(歳差運動)させることができ、連続的な採水、投げ込み測定を可能とする振動式酸化還元電流測定装置を提供することである。
【0023】
本発明の他の目的は、研磨ビーズ中での電極の振動(歳差運動)により、作用極の洗浄、研磨が可能であり、作用極の汚れなどによる感度低下を防止し、感度低下のない安定した連続測定を可能とした振動式酸化還元電流測定装置を提供することである。
【0024】
本発明の他の目的は、プールや池などの投げ込み測定において、浸漬水深を任意に変化させることができ、測定したいポイントでの連続測定が可能な、小型で、低価格の振動式酸化還元電流測定装置を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る酸化還元電流測定装置にて達成される。要約すれば、本発明は、作用極と対極とを有し、少なくとも作用極を振動させることにより酸化還元電流を検出して検水中の測定対象成分の濃度を検出する振動式酸化還元電流測定装置において、
下方端に作用極を備え、この作用極より上方に対極を備えた電極支持体と、
前記電極支持体を振動可能に保持するホルダーと、
前記電極支持体の振動の支点位置にて前記電極支持体を前記ホルダーに保持する支持部材と、
前記支持部材より下方位置にて、且つ、前記作用極より上方位置にて、前記電極支持体の内部に設置され、前記電極支持体に歳差運動を与える振動モータと、
前記電極支持体を囲包して配置され、内部に研磨ビーズを収容したストレーナと、
を有し、
前記研磨ビーズは、直径0.1〜3mmとされる非金属製のビーズであり、ビーズの表面粗さは、中心線平均粗さRaで、0.1〜100μmであり、
前記振動モータは、振動量が0.5〜2.0G、回転数が5000〜15000rpmであり、
前記研磨ビーズは、前記ストレーナ内にて、前記作用極より上方、且つ、前記対極より下方の位置の高さにまで収容され、前記歳差運動中に前記研磨ビーズが前記対極に達しないようになっていることを特徴とする振動式酸化還元電流測定装置である。
【0026】
本発明の一実施態様によると、前記ホルダーは、概略円筒形状とされ、前記電極支持体の上端は、前記ホルダーの下端に形成された開口部に挿入され、前記電極支持体の上端は、前記支持部材を介して前記ホルダーの下端に形成された開口部に保持される。
【0027】
本発明の他の実施態様によると、前記電極支持体は、下方部が細くされた段状の円筒形状とされ、前記作用極は、前記細くされた下方円筒部に配置される。本発明の一実施例では、前記電極支持体は、前記下方円筒部としての小径部と、前記小径部よりも上方の大径部と、前記大径部と前記小径部とを接続するように傾斜した傾斜遷移部と、を有する。
【0028】
本発明の他の実施態様によると、前記支持部材は、Oリングである。
【0029】
本発明の他の実施態様によると、前記ストレーナは、コップ形状とされ、周壁及び底壁に開口部を有し、開口部に網が設けられる。
【0032】
本発明の振動式酸化還元電流測定装置における測定対象成分は、遊離残留塩素、溶存オゾン、溶存二酸化塩素、亜塩素酸イオン、又は過酸化水素とすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る振動式酸化還元電流測定装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0034】
図1に本発明の振動式酸化還元電流測定装置の一実施例を示す。本実施例にて、振動式酸化還元電流測定装置1は、概略円筒形状とされ上端が閉鎖し、下端が開口したホルダー2と、軸線に沿って形成され上端が開口し、下端が閉鎖した中心穴8を備えた電極支持体3とを有する。電極支持体3は、その上端が支持部材4を介して振動可能にホルダー2の下端開口部11に保持される。
【0035】
更に説明すると、本実施例にて、ホルダー2は、上部ホルダー2aと下部ホルダー2bとを有し、上部ホルダー2aの下端開口部内周面に形成された雌ねじ部5と、下部ホルダー2bの上端外周面に形成された雄ねじ部6とが螺合することにより上部ホルダー2aと下部ホルダー2bとが一体的に接続されている。又、本実施例では、この接続部を利用して、即ち、上部ホルダー2aと下部ホルダー2bの接合端縁にて挟持して配線用プリント基板7がホルダー2内に設置されている。
【0036】
又、上部ホルダー2aの上端閉鎖部には、ゴムブッシング9を介して電極ケーブル10が取り付けられており、ケーブル10の一端は配線用プリント基板7に接続され、ケーブル10の他端は外部へと延在して測定装置本体(図示せず)の電源回路、測定回路などに接続されている。
【0037】
又、電極支持体3は、本実施例では、上部支持体3aと下部支持体3bとを有し、両支持体3a、3bを一体的に螺合接続することにより構成される。即ち、上部支持体3aと下部支持体3bは、上部支持体3aの下方端開口部内周面に形成された雌ねじ部12と、下部支持体3bの外周面に形成された雄ねじ部13とが螺合することにより上部支持体3aと下部支持体3bとは一体的に接続される。電極支持体3の中心穴8は、上部支持体3aを貫通し、下部支持体3bの軸線方向に沿って下方へと延在し、下部支持体3bの下端部にて閉鎖されている。
【0038】
上部支持体3aの上端部は、下部ホルダー2bの下端に形成された開口部11に挿入される。このとき、上部支持体3aの外周にはOリング溝14が形成され、このOリング溝14に配置された支持部材としてのOリング4により上部支持体3a(即ち、電極支持体3)は、下部ホルダー2b(即ち、ホルダー2)に対して振動(歳差運動)可能に保持される。又、Oリング4は、ホルダー2と電極支持体3との接続部からホルダー2内へと検水が侵入するのを防止する。
【0039】
電極支持体3の下部支持体3bは、本実施例では、上部支持体3aに接続された大径部15と、外径がより小さくされた小径部16と、大径部15と小径部16とを接続する傾斜遷移部17と、にて形成される。従って、下部支持体3bの内部には、下方端が閉鎖された中心穴8によって段状の空間が形成されている。
【0040】
大径部15の外周には、対極21が配置され、小径部16には作用極20が設けられる。これら作用極20及び対極21は、その少なくとも一部は、電極支持体3の外表面に露出し、検水に接触するように構成される。本実施例では、振動式酸化還元電流測定装置1は、遊離残留塩素測定装置とされたので、作用極20としては金又は白金とされ、対極21は、銀又は銀・塩化銀を使用した。
【0041】
本実施例で、作用極20はロッド形状のものを小径部に圧入して取り付けた。所望によっては、接着或いは注型により取り付けることもできる。一方、対極21は、線状電極部材を大径部15の外周面に螺旋状に巻き付けることにより設けた。
【0042】
作用極20及び対極21には、それぞれリード線22、23の一端が接続され、リード線22、23の他端は、中心穴8内を通って、上記配線用プリント基板7に接続される。
【0043】
作用極20と対極21との間には、電源回路(図示せず)から所定の電圧が印加され、その時の電流値を電流計にて測定することにより、検水中の測定対象成分の濃度が求められる。尚、本実施例によると、電極支持体3の中心穴8内には、サーミスタや白金測温体のような温度測定素子24が配置され、リード線25により上記配線用プリント基板7に接続され、そして、ケーブル10を介して測定装置本体に接続されている。
【0044】
本発明によれば、電極支持体3の中心穴8内には、本実施例では、電極支持体3の下部支持体段状空間に位置して振動モータ26が配置される。本実施例では、振動モータ26の振動量は0.5〜2G、回転数は、5000〜15000rpmとした。又、振動モータ26としては、フジマイクロ株式会社製のFM−109K1(商品名)を好適に使用することができる。
【0045】
本発明の一つの特徴とするところは、電極支持体3をホルダー2に取り付けているOリング4が電極支持体3の振動の支点とされ、電極支持体3の力点である振動モータ26は、その位置が、即ち、モータ重心位置が、振動の支点よりH1=10〜40mm(本実施例ではH1=25mm)下方に設定され、更に、電極支持体3の作用点である作用極20が、振動モータ26の重心位置(力点)より更にH2=10〜60mm(本実施例ではH2=20mm)下方に配置されていることである。本実施例で、巻き線とされる対極21の中心位置は、振動モータ26の重心位置(力点)よりH3=5〜60mm(本実施例ではH3=7mm)だけ下方に配置された。
【0046】
尚、本実施例における電極支持体3の具体的寸法の一例を示せば次の通りであった。
【0047】
電極支持体3の材質:ABS樹脂
上部支持体3a及び下部支持体3bの外径d1: 14mm
下部支持体3bの小径部16の外径d2: 8mm
上部支持体3aの支点からの長さh0: 20mm
下部支持体3bの大径部15の垂直方向長さh1: 15mm
下部支持体3bの遷移部17の垂直方向長さh2: 4mm
下部支持体3bの小径部16の垂直方向長さh3: 7mm
【0048】
斯かる構成とすることによって、本発明の振動式酸化還元電流測定装置1は、電極支持体3の作用点である作用極20、更には対極21の振動が制限され、これによって、作用極20と対極21を必要以上に振動することがなく、結果として検水中の測定対象成分の濃度を測定する際に発生する電流値が必要以上に大きくなるのを抑えることができる。従って、本発明の酸化還元電流測定装置では、電流値のハンチングが発生することがなくなり測定精度を上げることができる。
【0049】
これに対して、図6に示す酸化還元電流測定装置1Aの構成では、上述したように、作用極105と対極106を同じ電極支持体103上に固定した場合に、作用極105と対極106の振動効率が同じとなり、濃度測定の際に発生する電流値のふらつき現象が確認された。
【0050】
本発明によれば、振動式酸化還元電流測定装置1は、更に、電極支持体3を囲包してストレーナ30を有している。
【0051】
本実施例によれば、ストレーナ30は、金属製とすることもできるが、軽量、低コスト、などの点からプラスチックにて形成するのが好ましく、通常、ポリエチレンなどで作製される。
【0052】
図2をも参照するとより良く理解されるように、ストレーナ30は、周壁及び底壁を有し、上端が開口したコップ形状とされるストレーナ本体31を有する。ストレーナ本体31の上端周縁部には取り付けフランジ32が形成され、ストレーナ30は、この取り付けフランジ32を介してホルダー2に取り付けられる。
【0053】
本実施例では、下部ホルダー2bの下端外周面に形成された雄ねじ27を利用してリング状のアダプタ40を取り付け、アダプタ40にはその外周に形成されて雄ねじ部41に止めリング42が螺合されている。従って、ストレーナ30は、このアダプタ40の下面に取り付けフランジ32を当接することにより、止めナット42にて取り付けられる。
【0054】
ストレーナ本体31の周壁及び底壁には、多数の開口部33が形成され、開口部33には網34が、接着、溶着などにより取り付けられる。更に、ストレーナ本体31の内部には、研磨ビーズ50が収納されている。
【0055】
ストレーナ30の網34は、収納した研磨ビーズ50をストレーナ内に保持するためのものであり、従って、網目の大きさは、研磨ビーズ50の直径以下であればよい。網の材質は、ポリアミド樹脂(ナイロン)などのプラスチック網とすることができ、又、SUS網などの金属製とすることもできる。
【0056】
研磨ビーズ50としては、直径0.1〜3mmとされる非金属製のビーズであれば任意のものを使用し得るが、本実施例では、直径1mmのアルミナビーズを使用した。ビーズの表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)で、0.1〜100μm、好ましくは、0.5〜50μmである。
【0057】
又、研磨ビーズ50は、図3(A)に示すように、ストレーナ30内にて作用極20が隠れる程度でよく、下部支持体3bの遷移部17位置程度までの量が適当であり、図3(B)に示すように、遷移部17を越えて大径部15まで収容し、対極21に達するのは多すぎる。又、図3(C)に示すように、作用極20にまで達しないのは少なすぎて好ましくない。
【0058】
次に、上記構成の本発明の振動式酸化還元電流測定装置1の作動について説明する。
【0059】
本発明の振動式酸化還元電流測定装置1にて、例えば、プールの残留塩素濃度を測定する場合には、先ず、研磨ビーズ50を収容したストレーナ30を振動式酸化還元電流測定装置1に装着する。次いで、この振動式酸化還元電流測定装置1を、プールの所望される測定箇所へと投げ込む。検水がストレーナ30の開口部33から網34を流動してストレーナ内部へと流入し、又、網34及び開口部33を介して流出する。
【0060】
この状態で、振動モータ26を作動させる。これにより、振動モータ26が組み込まれた電極支持体3は、Oリング4を支点として振動(歳差運動)を開始する。
【0061】
電極支持体3は安定した振動(歳差運動)を行うことが必要であり、上述のように、振動量0.5〜2.0G、回転数5000〜15000rpmの一定の回転数で振動(歳差運動)することが好ましい。これにより、作用極20は円運動を行いながら、検水の残留塩素濃度を測定する。
【0062】
電極支持体3が振動(歳差運動)することにより、ストレーナ30内の検水の撹拌が起こり、ストレーナ30内における研磨ビーズ50中の検水の交換が促進される。
【0063】
更に、電極支持体3が振動(歳差運動)することにより、ストレーナ30内の研磨ビーズ50により作用極20のみが研磨され、又洗浄される。
【0064】
このように、本発明によれば、研磨ビーズ50の入ったストレーナ30を電極支持体3の周りに装着し、研磨ビーズ50の中で少なくとも作用極20を振動(歳差運動)させることで、プールや池などへの投げ込み測定、或いは、ビーカやバケツなどの採水測定において、安定した、即ち、感度低下の少ない、連続測定が可能となる。
【0065】
又、上述のように、研磨ビーズ50中で作用極20が振動(歳差運動)することで、作用極20の洗浄、研磨が可能となり、作用極20を常に一定の状態に保つことができるため、安定した連続測定が可能であり、同時に電極のメンテナンスを少なくすることができる。
【0066】
更に、プールや池などへの投げ込み測定においては、浸漬水深を任意に変化させることで、測定したいポイントでの連続測定も可能である。
【0067】
本発明の振動式酸化還元電流測定装置は、上記したプール水、水道水(上水)中などの遊離残留塩素濃度測定に限定されるものではなく、その他に、
(1)水道水(上水)、半導体製造プロセス(ICチップの洗浄など)の洗浄水中などの溶存オゾン濃度測定。
(2)プール水、食料品(カット野菜など)の洗浄水若しくは漂白剤中などの溶存二酸化塩素(ClO2)濃度測定。
(3)プール水中などの亜塩素酸(HClO2)イオン濃度測定。
(4)パルプ、繊維の漂白、半導体の洗浄、廃水処理、食品、容器の殺菌などにおける過酸化水素の濃度測定。
などのために利用することができる。作用極20及び対極21の材料、及び対極21を基準として作用極20に印加する電圧は、上記各目的のために適宜選択することができ、表1に示す通りである。
【0068】
【表1】
【0069】
本実施例に従った振動式酸化還元電流測定装置の作用効果をみるために実験を行った。図4に本発明の振動式酸化還元電流測定装置を使用した場合の測定結果を示し、図5には、研磨ビーズ50を使用しなかった場合の測定結果を示す。図4及び図5から、本発明の振動式還元電流測定装置によれば、安定して連続測定が可能であることが分かる。
【0070】
この実験例では、上記実施例にて説明した図1に示す構成の装置を用いて行った。
【0071】
本実験例では、作用極20を金(Au)電極、対極21を銀(Ag)電極とし、測定時に対極20を基準として作用極に対し−100mVの電圧を印加した。
【0072】
上記構成の装置を、水道水をオーバーフローさせた容器に浸して遊離残留塩素の連続測定を行った。液温17〜20℃であった。又、使用した研磨ビーズは、直径1mmのアルミナビーズ(Ra=10μm)であった。
【0073】
尚、本発明者の更なる検討によると、溶存オゾン、溶存二酸化塩素、亜塩素酸イオン、過酸化水素の濃度測定においても、それぞれ実施例1にて記載した極構成及び表1の印加電圧条件の下に、各測定対象成分に対して検出電流値の範囲は異なるが、同様の実験を行ったが、上述したと同様の効果を得ることができた。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、
(1)測定時の電流のハンチングの発生を防止し、電流値の安定性を向上させ、測定値の誤差を最小限とすることができ、特に、サンプル(検水)中で作用極と対極の振動(歳差運動)させることができ、連続的な採水、投げ込み測定ができる。
(2)研磨ビーズ中での電極の振動(歳差運動)により、作用極の洗浄、研磨が可能であり、作用極の汚れなどによる感度低下を防止し、感度低下のない安定した連続測定ができる。
(3)プールや池などの投げ込み測定において、浸漬水深を任意に変化させることができ、測定したいポイントでの連続測定ができ、しかも、小型で、低価格である。といった効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動式酸化還元電流測定装置の一実施例の概略構成を示す断面図である。
【図2】ストレーナの一実施例を示す斜視図である。
【図3】ストレーナ内における研磨ビーズの量と作用極との関係を説明する図である。
【図4】本発明に係る酸化還元電流測定装置にて研磨ビーズを使用した場合の効果を示すグラフである。
【図5】本発明に係る酸化還元電流測定装置にて研磨ビーズを使用しなかった場合の効果を示すグラフである。
【図6】従来の酸化還元電流測定装置の概略構成を示す断面図である。
【図7】従来の酸化還元電流測定装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 酸化還元電流測定装置
2 ホルダー
3 電極支持体
3a 上部支持体
3b 下部支持体
4 支持部材(Oリング)
20 作用極
21 対極
26 振動モータ
30 ストレーナ
33 開口部
34 網
Claims (7)
- 作用極と対極とを有し、少なくとも作用極を振動させることにより酸化還元電流を検出して検水中の測定対象成分の濃度を検出する振動式酸化還元電流測定装置において、
下方端に作用極を備え、この作用極より上方に対極を備えた電極支持体と、
前記電極支持体を振動可能に保持するホルダーと、
前記電極支持体の振動の支点位置にて前記電極支持体を前記ホルダーに保持する支持部材と、
前記支持部材より下方位置にて、且つ、前記作用極より上方位置にて、前記電極支持体の内部に設置され、前記電極支持体に歳差運動を与える振動モータと、
前記電極支持体を囲包して配置され、内部に研磨ビーズを収容したストレーナと、
を有し、
前記研磨ビーズは、直径0.1〜3mmとされる非金属製のビーズであり、ビーズの表面粗さは、中心線平均粗さRaで、0.1〜100μmであり、
前記振動モータは、振動量が0.5〜2.0G、回転数が5000〜15000rpmであり、
前記研磨ビーズは、前記ストレーナ内にて、前記作用極より上方、且つ、前記対極より下方の位置の高さにまで収容され、前記歳差運動中に前記研磨ビーズが前記対極に達しないようになっていることを特徴とする振動式酸化還元電流測定装置。 - 前記ホルダーは、概略円筒形状とされ、前記電極支持体の上端は、前記ホルダーの下端に形成された開口部に挿入され、前記電極支持体の上端は、前記支持部材を介して前記ホルダーの下端に形成された開口部に保持されることを特徴とする請求項1の振動式酸化還元電流測定装置。
- 前記電極支持体は、下方部が細くされた段状の円筒形状とされ、前記作用極は、前記細くされた下方円筒部に配置されることを特徴とする請求項1又は2の振動式酸化還元電流測定装置。
- 前記電極支持体は、前記下方円筒部としての小径部と、前記小径部よりも上方の大径部と、前記大径部と前記小径部とを接続するように傾斜した傾斜遷移部と、を有することを特徴とする請求項3の振動式酸化還元電流測定装置。
- 前記支持部材は、Oリングであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の振動式酸化還元電流測定装置。
- 前記ストレーナは、コップ形状とされ、周壁及び底壁に開口部を有し、開口部に網が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の振動式酸化還元電流測定装置。
- 測定対象成分は、遊離残留塩素、溶存オゾン、溶存二酸化塩素、亜塩素酸イオン、又は過酸化水素であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の振動式酸化還元電流測定装置。
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