JP5182656B2 - 電解電流測定電極 - Google Patents

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Description

本発明は、電解電流測定電極に関する。さらに詳しくは、検知極を回転(円運動)させて、ポーラログラフ方式又はガルバニ電池方式により、試料液中の成分に応じた電解電流を測定する電解電流測定電極に関する。
従来から、残留塩素、溶存オゾン,塩素要求量、二酸化塩素等の測定を目的として、ポーラログラフ方式又はガルバニ電池方式の電解電流測定装置が用いられている。
これらの測定方式は、試料液に、白金、金などの貴金属やガラス状炭素などからなる検知極と、検知極に対して充分に大きい表面積をもつ銀などからなる対極とを浸漬し、両極間の間に適当な一定電圧を印加して検知極近傍において測定対象成分の電解還元(又は酸化)を起こさせることで電解電流を得、これを測定することにより所定成分の濃度を求めるものである。
このような測定方式では、検知極の表面に薄く均一な拡散層を得、測定対象成分の濃度に比例した電解電流(拡散電流)が測定されている。この拡散層を継続的に得るために、試料液に対しては、検知極表面に対する一定の線速度を与えることが行われている。すなわち、試料液を検知極表面に対して相対的に流動させることが行われている。
試料液を検知極表面に対して相対的に流動させる方法として、従来から検知極を動かす方法や、試料液を動かす方法が採用されている。この内、検知極を動かす方法は、検知極を高速で動かす必要があるため、検知極からのリード線をそのまま電流計に接続することができない。そのため、初期の段階では、流動性のある水銀を介して、検知極からのリード線と電流計へのリード線を接続する水銀接点が用いられていたが、環境上の問題があった。
そこで、水銀接点を用いない方法として、検知極を取り付けた支持体を歳差運動させ、この歳差運動の支点となる箇所の近傍にリード線を接続することが行われている(特許文献1)。この場合、歳差運動の支点となる箇所の位置は一定しているため、電流計や加電圧回路へのリード線を直接接続することが可能となっている。
実用新案登録第2575178号公報
しかし、歳差運動の支点となる箇所自体であっても、運動に伴う振動は避けられない。まして、現実にリード線を接続することができるのは、支点そのものではなく支点の近傍であり、その場合、なおさら振動は免れない。そのため、特許文献1のようにしてリード線を接続した場合、長期の使用により、接続箇所において断線が生じる懸念があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、長期間安定して使用が可能で、かつ、環境面でも優れた電解電流測定電極を提供する。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]一端が回転端部、他端が駆動端部とされた検知極支持体と、該検知極支持体が挿入される貫通孔を有する支持基体と、前記検知極支持体の回転端部と駆動端部との間に位置する保持箇所を前記支持基体に保持する軸受と、前記検知極支持体の駆動端部に連結されて、前記保持箇所を支点として該検知極支持体を歳差運動させる駆動手段と、前記検知極支持体の回転端部に設けられた検知極と、前記検知極支持体の保持箇所近傍に取り付けられた、前記検知極と電気的に接続された検知極接点と、前記支持基体に取り付けられた固定接点と、前記検知極接点と固定接点との間を電気的に接続する導電性スプリングとを備えることを特徴とする電解電流測定電極。
[2]前記検知極接点は、前記支持基体に固定された一対のスプリングピンにより振動が抑制されている[1]に記載の電解電流測定電極。
[3]さらに対極を備え、該対極は、前記検知極支持体の外周側を周回するように設けられている[1]または[2]に記載の電解電流測定電極。
本発明の電解電流測定電極は、長期間安定して使用が可能で、かつ、環境面でも優れる。
本発明の第1実施形態に係る電極の縦断面図である。 図1及び図6のII−II断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電極の縦断面図である。 図3の部分拡大図である。 図3のV−V断面図である。 本発明の第3実施形態に係る電極の縦断面図である。
[第1実施形態]
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。図1は第1実施形態の電解電流測定電極である電極1Aの断面図である。図1に示す電極1Aは、略円筒状のケース2が設けられ、このケース2の一方の開口部には、中心部に軸方向に沿った貫通孔3aが穿設されている支持基体3が固着されている。この支持基体3の軸方向略中央部には、上下一対の円形の窓3b、3bが、一方の周面から対向する周面に貫通するように、軸方向と直交して穿設されている。また、その先端近くには凹部3cが周方向に形成され、かつ、その凹部3cの全面にわたって対極5が巻き付けられている。また、この対極5の下方には、支持基体3の先端を覆うようにしてメッシュからなるキャップ6が設けられ、キャップ6を通過して試料液26が流入流出可能となっている。また、キャップ6内には後述する検知極18を洗浄するためのビーズ7が多数収納されている。そして、先の窓3bを内側から覆う位置に内網8が設けられ、ピーズ7の流出を防ぐようになっている。
ケース2の内部にはモータ10が取付けられており、モータ10と支持基体3との間には支柱11が介装されている。このモータ10の回転軸12にはボールベアリング13が固着され、このモータ10とボールベアリング13で駆動手段が構成されている。ボールベアリング13には連結軸14が連結されている。そして、この回転軸12と連結軸14とが作る角度は約3度に設定され、モータ10の駆動により、連結軸14のボールベアリング13に連結している部位が円運動を行うようになっている。
この連結軸14は金属からなり、その下端には支持棒15が金属製の接続筒43を介して螺合されている。すなわち、接続筒43の内周面には雌ねじが設けられており、連結軸14の接続筒43と螺合される外周面には、雄ねじが設けられている。また、接続筒43の外周面には雄ねじが設けられており、支持棒15の接続筒43と螺合される内周面には、雌ねじが設けられている。そして、これら連結軸14、支持棒15、及び接続筒43とから、検知極支持体16が構成されている。
支持棒15の先端には、検知極18が設けられている。また、検知極18のリード線41を通すための案内空間17が支持棒15内部の軸方向に形成されている。リード線41は、案内空間17を経由して、接続筒43に溶着され、電気的に接続されている。
検知極18、対極5の信号は、最終的には、ケース2上端のコネクタ25から導出されるようになっており、かつ、必要に応じて、このコネクタ25を介して、検知極18、対極5の間に所定の印加電圧を付加できるようになっている。さらに、このコネクタ25を介して、モータ10への電力供給が成されるようになっている。
検知極支持体16は、支持基体3の貫通孔3aに、上側(駆動端部側)が貫通孔3aの上側に突出し、下側(回転端部側)が貫通孔3aの下側に突出する状態で挿入されている。そして、連結軸14の中程が軸受19によって保持される保持箇所とされ、この軸受19を介して、検知極支持体16は支持基体3の上端よりやや下側に取付けられている。検知極支持体16における支持棒15の下側(回転端部側)は、キャップ6の底部から離間した位置に配置されている。
この軸受19は、連結軸14方向に円筒状の筒部19aと、この筒部19aの周囲において半径方向に広がったフランジ部19bとからなり、ゴム材で形成されている。そして、筒部19aは連結軸14に高い圧力をもって密着し完全に水密な状態となっており、また、フランジ部19bは押さえリング20及びカラー21、21で規定される空間においてフレキシブルな状態になっている。したがって、検知極支持体16は、略フランジ部19bの位置する部位を支点として、その上側(駆動端部側)を円運動させることにより、下側(回転端部側)も円運動する歳差運動が可能な状態となっている。
図1、図2に示すように、連結軸14には、前記保持箇所よりもボールベアリング13側(駆動端部側)において、ボルト61が軸方向と垂直に、その先端側が突出するようにねじ込まれ、突出したボルト61の先端側には、一対のナット62、62が螺合されている。このボルト61及びナット62,62とから、検知極支持体16に一体的に取り付けられた検知極接点が構成されている。一方、支持基体3の上面側に、ボルト63がワッシャ64を介して螺設されており、このボルト63とワッシャ64とで固定接点が構成されている。
また、導電性スプリング65の一端側が一対のナット62、62の間に挟持され、他端がボルト63とワッシャ64の間に挟持されている。そして、ボルト63とワッシャ64の間に、リード線66先端に設けられた圧着端子67が挟み込まれている。
また、連結軸14から突出するボルト61の先端を挟むように、一対のスプリングピン68、68が支持基体3の上面側に突設され、この一対のスプリングピン68、68により、ボルト61の横揺れが抑制されるようになっている。
以上の構成により、検知極18とコネクタ25との間は、リード線41、接続筒43、連結軸14、ボルト61及びナット62、62、導電性スプリング65、ボルト63及びワッシャ64、圧着端子67、並びにリード線66により、電気的に接続されている。
なお、対極5とコネクタ25との間をつなぐリード線(図示を省略)は、対極5側から支持基体3内を通過し、支持基体3上面側に導出されるようになっている。
本実施形態の電極1Aの下端を試料液26に浸すと、試料液26がキャップ6内に侵入して窓3bから流出する。これにより、試料液26は検知極18と接触すると共に、支持基体3に巻き付けられている対極5にも接触する。この状態で、モータ10を作動させて回転軸12を回転させる。すると、連結軸14のボールベアリング13に連結している部位は円運動を始めるが、連結軸14の略中央は変形自在な軸受19で保持されているので、位置変動が抑制されている。したがって、接続筒43を介して一体となっている連結軸14と支持棒15、すなわち、検知極支持体16は、軸受け19による保持箇所を支点として歳差運動をし、検知極18は円運動をおこなう。そして、検知極18と対極5との間に必要に応じて電圧を印加して両極に流れる拡散電流(電解電流)を測定する。なお、試薬の添加が必要な場合には試料液26に予め試薬を添加しておく。
モータ10を作動させて検知極支持体16が歳差運動を始めると、検知極18と電気的に接続されたボルト61及びナット62,62(検知極接点)も、若干の円運動を免れずコネクタ25に対して振動した状態となる。そのため、この検知極接点とコネクタ25とを直接リード線を接続した場合、長期の使用により断線を生じる懸念がある。
これに対して、電極1Aでは、支持基体3に固定され、モータ10を作動させてもコネクタ25に対して静止した状態を保つことができるボルト63及びワッシャ64(固定接点)を設け、上記検知極接点と固定接点との間を導電性スプリング65で接続することにより、検知極接点の振動を導電性スプリング65で吸収して、両接点を電気的に接続することができる。そのため、断線を招くような応力の発生を回避しながら、検知極18とコネクタ25との間を電気的に接続できる。
なお、対極5は、支持基体3の外周側を周回するように設けられているので、モータ10を作動させてもコネクタ25に対して静止した状態となる。そのため、対極5とコネクタ25との間は、リード線等を用いた通常の接続手段で接続できる。
[第2実施形態]
図3は第2実施形態の電解電流測定電極である電極1Bの断面図である。図3において、図1と同一の構成部材には、同一の符号を附して、その説明を省略する。
電極1Bは、検知極18に加えて、検知極18Bを有している。そのため、本実施形態の検知極支持体16Bは、外周部と絶縁された中心軸部を備え、検知極18Bは、この中心軸部を経由して、電極接点まで導かれるようになっている。
以下、図4を用いて、検知極支持体16Bについて詳細に説明する。連結軸14Bの下端部外周に金属製の接続筒43Bが螺合され、この接続筒43Bの外周に、支持棒15Bが螺合されている。これら、連結軸14B、支持棒15B、及び接続筒43Bとから、検知極支持体16Bが構成されている。
連結軸14B内部には、リード線53を通すための上部案内空間44が軸方向に形成されている。また、接続筒43Bも軸方向の貫通孔を有している。
そして、上部案内空間44の下方から案内空間17の上部にかけて、連結軸14Bと接続筒43Bの中心軸に沿い、金属製の接続部材45が貫通している。この接続部材45と連結軸14B、接続筒43Bとは、各々絶縁体51、52により電気的に絶縁されている。
検知極18Bのリード線42の先端におけるチップ42aは、接続部材45の下端部の凹部に挿嵌されている。また、接続部材45の上端部の凹部には、導出側のリード線53の一端側のチップ53aが挿嵌されている。このようにして、リード線42とリード線53との導通が図られている。
また、連結軸14Bには、軸受19による保持箇所よりもボールベアリング13側(駆動端部側)において、金属製の中空の雄ねじ71が軸方向と垂直に取り付けられている。この雄ねじ71は絶縁体79を介して連結軸14Bに取り付けられ、連結軸14Bと絶縁されている。そして、枝状に突出した雄ねじ71の先端側には、一対のナット72、72が螺合されている。そして、リード線53の他端側のチップ53bは、雄ねじ71の中空部を通り、雄ねじ71の先端側でハンダ78により封止されて、雄ねじ71との電気的な導通が図られている。
このハンダ78、雄ねじ71、及びナット72,72とから、検知極支持体16Bに一体的に取り付けられた検知極18B用の検知極接点が構成されている。
一方、図3及び図5に示すように、支持基体3の上面側に、ボルト73がワッシャ74を介して螺設されており、このボルト73とワッシャ74とで検知極18B用の固定接点が構成されている。
また、導電性スプリング75の一端側が一対のナット72、72の間に挟持され、他端がボルト73とワッシャ74の間に挟持されている。そして、ボルト73とワッシャ74の間に、リード線76先端に設けられた圧着端子77が挟み込まれている。
図4に示すように、検知極18のリード線41(先端のチップ41a)は、第1実施形態と同様に、接続筒43Bに溶着されている。
また、接続筒43Bが螺着する連結軸14Bには、雄ねじ71と対向する側に、雄ねじ69が軸方向と垂直に取り付けられ、枝状に突出した雄ねじ69の先端側には、一対のナット62、62が螺合されている。この雄ねじ69及びナット62,62とから、検知極支持体16Bに一体的に取り付けられた検知極18用の検知極接点が構成されている。
一方、図3及び図5に示すように、支持基体3の上面側に、ボルト63がワッシャ64を介して螺設されており、このボルト63とワッシャ64とで検知極18用の固定接点が構成されている。
また、導電性スプリング65の一端側が一対のナット62、62の間に挟持され、他端がボルト63とワッシャ64の間に挟持されている。そして、ボルト63とワッシャ64の間に、リード線66先端に設けられた圧着端子67が挟み込まれている。
また、連結軸14から突出する雄ねじ69の先端を挟むように、一対のスプリングピン68、68が支持基体3の上面側に突設され、この一対のスプリングピン68、68により、雄ねじ69の横揺れが抑制されるようになっている。
以上の構成により、検知極18Bとコネクタ25との間は、リード線42、接続部材45、リード線53、ハンダ78、雄ねじ71、及びナット72,72、導電性スプリング75、ボルト73及びワッシャ74、圧着端子77、並びにリード線76により、電気的に接続されている。
また、検知極18とコネクタ25との間は、リード線41、接続筒43B、連結軸14B、雄ねじ69及びナット62、62、導電性スプリング65、ボルト63及びワッシャ64、圧着端子67、並びにリード線66により、電気的に接続されている。
なお、対極5とコネクタ25との間をつなぐリード線(図示を省略)は、対極5側から支持基体3内を通過し、支持基体3上面側に導出されるようになっている。
本実施形態の電極1Bの下端を試料液26に浸すと、試料液26がキャップ6内に侵入して検知極18、検知極18Bと接触すると共に、支持基体3に巻き付けられている対極5にも接触する。この状態で、モータ10を作動させて回転軸12を回転させる。すると、連結軸14Bのボールベアリング13に連結している部位は円運動を始めるが、連結軸14Bの略中央は変形自在な軸受19で保持されているので略静止した状態を維持する。したがって、接続筒43Bを介して一体となっている連結軸14Bと支持棒15B、すなわち、検知極支持体16Bは、軸受け19による保持箇所を支点として歳差運動をし、検知極18、検知極18Bは円運動をおこなう。そして、検知極18と対極5との間、検知極18Bと対極5との間の各々に必要に応じて電圧を印加し、両極に流れる各々の拡散電流(電解電流)を測定する。この場合、複数の検知極を有しているので、異なる成分に応じた各々の拡散電流(電解電流)が得られる。そのため、複数成分濃度を同時に個別に求める測定等が可能になる。なお、試薬の添加が必要な場合には試料液26に予め試薬を添加しておく。
モータ10を作動させて検知極支持体16Bが歳差運動を始めると、検知極18と電気的に接続された雄ねじ69及びナット62,62(検知極18用の検知極接点)、並びに検知極18Bと電気的に接続されたハンダ78、雄ねじ71及びナット62,62(検知極18B用の検知極接点)も、若干の円運動を免れずコネクタ25に対して振動した状態となる。そのため、これらの検知極接点とコネクタ25とを直接リード線を接続した場合、長期の使用により断線を生じる懸念がある。
これに対して、電極1Bでは、支持基体3に固定され、モータ10を作動させてもコネクタ25に対して静止した状態を保つことができるボルト63及びワッシャ64(検知極18用の固定接点)、並びにボルト73及びワッシャ74(検知極18B用の固定接点)
を設け、上記各検知極接点と固定接点との間を各々導電性スプリング65、75で接続することにより、検知極接点の振動を導電性スプリング65、75で吸収して、各々の両接点を電気的に接続することができる。そのため、断線を招くような応力の発生を回避しながら、検知極18、検知極18Bとコネクタ25との間を電気的に接続できる。
[第3実施形態]
図6は第3実施形態の電解電流測定電極であるフローセル型の電極1Cの断面図である。図6において、図1と同一の構成部材には、同一の符号を附して、その説明を省略する。
本実施形態の支持基体3Cは、薄肉に形成された先端部に、周方向に4個の円形の窓4が穿設されており、この窓4を含む周面に対極5が設けられている。さらに、支持基体3Cの基端部には、測定セルを構成するためのセル用壁体9が、O−リング9Cを介して固着されており、このセル用壁体9の先端部の中央に試料液流入用の試料液流入孔9aが穿設されるとともに、基端近傍の側壁には試料液流出用の試料液流出孔9bが穿設されている。また、支持基体3Cには、試料液の温度を検知するためのサーミスタ24が設けられている。内網8Cは、窓4を内側から覆う位置にが設けられている。その他の点は第1の実施形態と同様である。
本実施形態のセンサを用いて拡散電流(電解電流)を測定するには、まず、試料液流入孔9aから試料液26を連続的に導入するとともに、試料液排出孔9bから排出する。また、モータ10を作動させて回転軸12を回転させ検知極18を円運動させる。このとき、軸受19は、圧入されて大きな圧力を持って連結軸14に密着しているので、試料液26がモータ10側へ浸入することがない。そして、電流計、加電圧回路などが組み込まれた変換器(図示せず)によって検知極18と対極5との間に必要に応じて電圧を印加しながら両極に流れる拡散電流(電解電流)を測定する。
モータ10を作動させて検知極支持体16が歳差運動を始めると、検知極18と電気的に接続されたボルト61及びナット62,62(検知極接点)も、若干の円運動を免れずコネクタ25に対して振動した状態となる。そのため、この検知極接点とコネクタ25とを直接リード線を接続した場合、長期の使用により断線を生じる懸念がある。
これに対して、電極1Cでは、支持基体3に固定され、モータ10を作動させてもコネクタ25に対して静止した状態を保つことができるボルト63及びワッシャ64(固定接点)を設け、上記検知極接点と固定接点との間を導電性スプリング65で接続することにより、検知極接点の振動を導電性スプリング65で吸収して、両接点を電気的に接続することができる。そのため、断線を招くような応力の発生を回避しながら、検知極18とコネクタ25との間を電気的に接続できる。
[他の実施形態]
各実施形態では、何れも検知極支持体を複数部材で構成したが、検知極支持体の具体的構成に限定はなく、例えば、全体を一体成形したものでもよい。また、各実施形態では、何れも検知極を検知極支持体の下端面に配置したが、検知極の位置はこれに限られず、下端面近傍の側面に設けてもよい。また、第2実施形態では検知極を2つとしたが、検知極は3つ以上あってもよい。第3実施形態においても、検知極を複数にしてもよい。また、複数の検知極の内、1つを電解研磨用の電極に置換してもよい。その場合、検知極と電解研磨用電極との間に、測定時と逆向きの電流が流れるように電圧を印加でき、これにより、検知極表面の洗浄を行うことができる。
本発明の電解電流測定電極は、例えばポーラログラフ法、ガルバニ電池法等を測定原理とする残留塩素計、溶存オゾン計、塩素要求量計等の電極として使用できる。
1A,1B,1C 電極
3,3C 支持基体
5 対極
10 モータ
14,14B 連結軸
15,15B 支持棒
16,16B 検知極支持体
17 案内空間
18,18B 検知極
19 軸受
41,42,53 リード線
43,43B 接続筒
44 上部案内空間
45,45B 接続部材
53 リード線
61 ボルト
62,62 ナット
63,73 ボルト
64,74 ワッシャ
65,75 導電性スプリング
69,71 雄ねじ
68 スプリングピン

Claims (3)

  1. 一端が回転端部、他端が駆動端部とされた検知極支持体と、
    該検知極支持体が挿入される貫通孔を有する支持基体と、
    前記検知極支持体の回転端部と駆動端部との間に位置する保持箇所を前記支持基体に保持する軸受と、
    前記検知極支持体の駆動端部に連結されて、前記保持箇所を支点として該検知極支持体を歳差運動させる駆動手段と、
    前記検知極支持体の回転端部に設けられた検知極と、
    前記検知極支持体の保持箇所近傍に取り付けられた、前記検知極と電気的に接続された検知極接点と、
    前記支持基体に取り付けられた固定接点と、
    前記検知極接点と固定接点との間を電気的に接続する導電性スプリングとを備えることを特徴とする電解電流測定電極。
  2. 前記検知極接点は、前記支持基体に固定された一対のスプリングピンにより振動が抑制されている請求項1に記載の電解電流測定電極。
  3. さらに対極を備え、該対極は、前記検知極支持体の外周側を周回するように設けられている請求項1または2に記載の電解電流測定電極。
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