JP5182656B2 - 電解電流測定電極 - Google Patents
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Description
これらの測定方式は、試料液に、白金、金などの貴金属やガラス状炭素などからなる検知極と、検知極に対して充分に大きい表面積をもつ銀などからなる対極とを浸漬し、両極間の間に適当な一定電圧を印加して検知極近傍において測定対象成分の電解還元(又は酸化)を起こさせることで電解電流を得、これを測定することにより所定成分の濃度を求めるものである。
このような測定方式では、検知極の表面に薄く均一な拡散層を得、測定対象成分の濃度に比例した電解電流(拡散電流)が測定されている。この拡散層を継続的に得るために、試料液に対しては、検知極表面に対する一定の線速度を与えることが行われている。すなわち、試料液を検知極表面に対して相対的に流動させることが行われている。
そこで、水銀接点を用いない方法として、検知極を取り付けた支持体を歳差運動させ、この歳差運動の支点となる箇所の近傍にリード線を接続することが行われている(特許文献1)。この場合、歳差運動の支点となる箇所の位置は一定しているため、電流計や加電圧回路へのリード線を直接接続することが可能となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、長期間安定して使用が可能で、かつ、環境面でも優れた電解電流測定電極を提供する。
[1]一端が回転端部、他端が駆動端部とされた検知極支持体と、該検知極支持体が挿入される貫通孔を有する支持基体と、前記検知極支持体の回転端部と駆動端部との間に位置する保持箇所を前記支持基体に保持する軸受と、前記検知極支持体の駆動端部に連結されて、前記保持箇所を支点として該検知極支持体を歳差運動させる駆動手段と、前記検知極支持体の回転端部に設けられた検知極と、前記検知極支持体の保持箇所近傍に取り付けられた、前記検知極と電気的に接続された検知極接点と、前記支持基体に取り付けられた固定接点と、前記検知極接点と固定接点との間を電気的に接続する導電性スプリングとを備えることを特徴とする電解電流測定電極。
[2]前記検知極接点は、前記支持基体に固定された一対のスプリングピンにより振動が抑制されている[1]に記載の電解電流測定電極。
[3]さらに対極を備え、該対極は、前記検知極支持体の外周側を周回するように設けられている[1]または[2]に記載の電解電流測定電極。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。図1は第1実施形態の電解電流測定電極である電極1Aの断面図である。図1に示す電極1Aは、略円筒状のケース2が設けられ、このケース2の一方の開口部には、中心部に軸方向に沿った貫通孔3aが穿設されている支持基体3が固着されている。この支持基体3の軸方向略中央部には、上下一対の円形の窓3b、3bが、一方の周面から対向する周面に貫通するように、軸方向と直交して穿設されている。また、その先端近くには凹部3cが周方向に形成され、かつ、その凹部3cの全面にわたって対極5が巻き付けられている。また、この対極5の下方には、支持基体3の先端を覆うようにしてメッシュからなるキャップ6が設けられ、キャップ6を通過して試料液26が流入流出可能となっている。また、キャップ6内には後述する検知極18を洗浄するためのビーズ7が多数収納されている。そして、先の窓3bを内側から覆う位置に内網8が設けられ、ピーズ7の流出を防ぐようになっている。
検知極18、対極5の信号は、最終的には、ケース2上端のコネクタ25から導出されるようになっており、かつ、必要に応じて、このコネクタ25を介して、検知極18、対極5の間に所定の印加電圧を付加できるようになっている。さらに、このコネクタ25を介して、モータ10への電力供給が成されるようになっている。
この軸受19は、連結軸14方向に円筒状の筒部19aと、この筒部19aの周囲において半径方向に広がったフランジ部19bとからなり、ゴム材で形成されている。そして、筒部19aは連結軸14に高い圧力をもって密着し完全に水密な状態となっており、また、フランジ部19bは押さえリング20及びカラー21、21で規定される空間においてフレキシブルな状態になっている。したがって、検知極支持体16は、略フランジ部19bの位置する部位を支点として、その上側(駆動端部側)を円運動させることにより、下側(回転端部側)も円運動する歳差運動が可能な状態となっている。
また、導電性スプリング65の一端側が一対のナット62、62の間に挟持され、他端がボルト63とワッシャ64の間に挟持されている。そして、ボルト63とワッシャ64の間に、リード線66先端に設けられた圧着端子67が挟み込まれている。
また、連結軸14から突出するボルト61の先端を挟むように、一対のスプリングピン68、68が支持基体3の上面側に突設され、この一対のスプリングピン68、68により、ボルト61の横揺れが抑制されるようになっている。
なお、対極5とコネクタ25との間をつなぐリード線(図示を省略)は、対極5側から支持基体3内を通過し、支持基体3上面側に導出されるようになっている。
これに対して、電極1Aでは、支持基体3に固定され、モータ10を作動させてもコネクタ25に対して静止した状態を保つことができるボルト63及びワッシャ64(固定接点)を設け、上記検知極接点と固定接点との間を導電性スプリング65で接続することにより、検知極接点の振動を導電性スプリング65で吸収して、両接点を電気的に接続することができる。そのため、断線を招くような応力の発生を回避しながら、検知極18とコネクタ25との間を電気的に接続できる。
なお、対極5は、支持基体3の外周側を周回するように設けられているので、モータ10を作動させてもコネクタ25に対して静止した状態となる。そのため、対極5とコネクタ25との間は、リード線等を用いた通常の接続手段で接続できる。
図3は第2実施形態の電解電流測定電極である電極1Bの断面図である。図3において、図1と同一の構成部材には、同一の符号を附して、その説明を省略する。
電極1Bは、検知極18に加えて、検知極18Bを有している。そのため、本実施形態の検知極支持体16Bは、外周部と絶縁された中心軸部を備え、検知極18Bは、この中心軸部を経由して、電極接点まで導かれるようになっている。
連結軸14B内部には、リード線53を通すための上部案内空間44が軸方向に形成されている。また、接続筒43Bも軸方向の貫通孔を有している。
そして、上部案内空間44の下方から案内空間17の上部にかけて、連結軸14Bと接続筒43Bの中心軸に沿い、金属製の接続部材45が貫通している。この接続部材45と連結軸14B、接続筒43Bとは、各々絶縁体51、52により電気的に絶縁されている。
検知極18Bのリード線42の先端におけるチップ42aは、接続部材45の下端部の凹部に挿嵌されている。また、接続部材45の上端部の凹部には、導出側のリード線53の一端側のチップ53aが挿嵌されている。このようにして、リード線42とリード線53との導通が図られている。
このハンダ78、雄ねじ71、及びナット72,72とから、検知極支持体16Bに一体的に取り付けられた検知極18B用の検知極接点が構成されている。
一方、図3及び図5に示すように、支持基体3の上面側に、ボルト73がワッシャ74を介して螺設されており、このボルト73とワッシャ74とで検知極18B用の固定接点が構成されている。
また、導電性スプリング75の一端側が一対のナット72、72の間に挟持され、他端がボルト73とワッシャ74の間に挟持されている。そして、ボルト73とワッシャ74の間に、リード線76先端に設けられた圧着端子77が挟み込まれている。
また、接続筒43Bが螺着する連結軸14Bには、雄ねじ71と対向する側に、雄ねじ69が軸方向と垂直に取り付けられ、枝状に突出した雄ねじ69の先端側には、一対のナット62、62が螺合されている。この雄ねじ69及びナット62,62とから、検知極支持体16Bに一体的に取り付けられた検知極18用の検知極接点が構成されている。
一方、図3及び図5に示すように、支持基体3の上面側に、ボルト63がワッシャ64を介して螺設されており、このボルト63とワッシャ64とで検知極18用の固定接点が構成されている。
また、導電性スプリング65の一端側が一対のナット62、62の間に挟持され、他端がボルト63とワッシャ64の間に挟持されている。そして、ボルト63とワッシャ64の間に、リード線66先端に設けられた圧着端子67が挟み込まれている。
また、連結軸14から突出する雄ねじ69の先端を挟むように、一対のスプリングピン68、68が支持基体3の上面側に突設され、この一対のスプリングピン68、68により、雄ねじ69の横揺れが抑制されるようになっている。
また、検知極18とコネクタ25との間は、リード線41、接続筒43B、連結軸14B、雄ねじ69及びナット62、62、導電性スプリング65、ボルト63及びワッシャ64、圧着端子67、並びにリード線66により、電気的に接続されている。
なお、対極5とコネクタ25との間をつなぐリード線(図示を省略)は、対極5側から支持基体3内を通過し、支持基体3上面側に導出されるようになっている。
これに対して、電極1Bでは、支持基体3に固定され、モータ10を作動させてもコネクタ25に対して静止した状態を保つことができるボルト63及びワッシャ64(検知極18用の固定接点)、並びにボルト73及びワッシャ74(検知極18B用の固定接点)
を設け、上記各検知極接点と固定接点との間を各々導電性スプリング65、75で接続することにより、検知極接点の振動を導電性スプリング65、75で吸収して、各々の両接点を電気的に接続することができる。そのため、断線を招くような応力の発生を回避しながら、検知極18、検知極18Bとコネクタ25との間を電気的に接続できる。
図6は第3実施形態の電解電流測定電極であるフローセル型の電極1Cの断面図である。図6において、図1と同一の構成部材には、同一の符号を附して、その説明を省略する。
本実施形態の支持基体3Cは、薄肉に形成された先端部に、周方向に4個の円形の窓4が穿設されており、この窓4を含む周面に対極5が設けられている。さらに、支持基体3Cの基端部には、測定セルを構成するためのセル用壁体9が、O−リング9Cを介して固着されており、このセル用壁体9の先端部の中央に試料液流入用の試料液流入孔9aが穿設されるとともに、基端近傍の側壁には試料液流出用の試料液流出孔9bが穿設されている。また、支持基体3Cには、試料液の温度を検知するためのサーミスタ24が設けられている。内網8Cは、窓4を内側から覆う位置にが設けられている。その他の点は第1の実施形態と同様である。
これに対して、電極1Cでは、支持基体3に固定され、モータ10を作動させてもコネクタ25に対して静止した状態を保つことができるボルト63及びワッシャ64(固定接点)を設け、上記検知極接点と固定接点との間を導電性スプリング65で接続することにより、検知極接点の振動を導電性スプリング65で吸収して、両接点を電気的に接続することができる。そのため、断線を招くような応力の発生を回避しながら、検知極18とコネクタ25との間を電気的に接続できる。
各実施形態では、何れも検知極支持体を複数部材で構成したが、検知極支持体の具体的構成に限定はなく、例えば、全体を一体成形したものでもよい。また、各実施形態では、何れも検知極を検知極支持体の下端面に配置したが、検知極の位置はこれに限られず、下端面近傍の側面に設けてもよい。また、第2実施形態では検知極を2つとしたが、検知極は3つ以上あってもよい。第3実施形態においても、検知極を複数にしてもよい。また、複数の検知極の内、1つを電解研磨用の電極に置換してもよい。その場合、検知極と電解研磨用電極との間に、測定時と逆向きの電流が流れるように電圧を印加でき、これにより、検知極表面の洗浄を行うことができる。
3,3C 支持基体
5 対極
10 モータ
14,14B 連結軸
15,15B 支持棒
16,16B 検知極支持体
17 案内空間
18,18B 検知極
19 軸受
41,42,53 リード線
43,43B 接続筒
44 上部案内空間
45,45B 接続部材
53 リード線
61 ボルト
62,62 ナット
63,73 ボルト
64,74 ワッシャ
65,75 導電性スプリング
69,71 雄ねじ
68 スプリングピン
Claims (3)
- 一端が回転端部、他端が駆動端部とされた検知極支持体と、
該検知極支持体が挿入される貫通孔を有する支持基体と、
前記検知極支持体の回転端部と駆動端部との間に位置する保持箇所を前記支持基体に保持する軸受と、
前記検知極支持体の駆動端部に連結されて、前記保持箇所を支点として該検知極支持体を歳差運動させる駆動手段と、
前記検知極支持体の回転端部に設けられた検知極と、
前記検知極支持体の保持箇所近傍に取り付けられた、前記検知極と電気的に接続された検知極接点と、
前記支持基体に取り付けられた固定接点と、
前記検知極接点と固定接点との間を電気的に接続する導電性スプリングとを備えることを特徴とする電解電流測定電極。 - 前記検知極接点は、前記支持基体に固定された一対のスプリングピンにより振動が抑制されている請求項1に記載の電解電流測定電極。
- さらに対極を備え、該対極は、前記検知極支持体の外周側を周回するように設けられている請求項1または2に記載の電解電流測定電極。
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