JP5265803B1 - オゾン水濃度測定装置及びオゾン水濃度測定方法 - Google Patents

オゾン水濃度測定装置及びオゾン水濃度測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解質を使用することなく、高精度にオゾン濃度を測定することができるオゾン水濃度測定装置及びオゾン水濃度測定方法を提供する。
【解決手段】試料溶液Sであるオゾン水に、少なくとも対電極4及び作用電極2を接触させ、対電極4と作用電極2との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定することにより、オゾン水のオゾン濃度を算出するオゾン水濃度測定装置100であって、作用電極2が、導電性ダイヤモンド電極からなり、作用電極2のオゾン水に接触する表面積が、628〜392500μmの範囲内である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学的な方法を用いたオゾン水濃度測定装置及びオゾン水濃度測定方法に関する。
オゾン水は、その殺菌性や脱臭性、さらに細胞に与える活性などの多くの分野における寄与が認められ、さらに水に溶解したオゾンは呼吸器への影響がないことから、産業用を初め医療や介護などの分野で広く利用されている。しかしながら、オゾン水の濃度は短時間で減衰することから、使用する現場においての濃度の指示と確認が強く要求されている。
従来より、オゾン水の濃度測定方法としては、ヨウ化カリウム等の試薬の色変化を見るヨウ素・色素滴定法があるが、この方法は測定者の目視判断であるため、測定値に個人差が生じてしまうという問題がある。また、測定後の廃液の処理が必要であり、さらに、試薬の準備のコストが大きい。また、操作が簡便でないため、一般のオゾン水利用現場では煩雑で実用することができない。
そのため、オゾン水の紫外線吸収率を調べる紫外線吸収法や、オゾン透過性の高い隔膜によって電極及び電解質を、試料溶液であるオゾン水から遮断する構造とし、電極間に一定電圧を印加することによって、隔膜を透過して電解質中を拡散したオゾン量に比例する電流値からオゾン濃度を測定する隔膜ポーラログラフ法が利用されている。
しかしながら、紫外線吸収法は極めて高価であり、また、オゾン気泡による紫外線吸収式オゾン水濃度計の透過光が散乱し、正確な濃度測定が困難であるという問題がある。隔膜ポーラログラフ法は、隔膜や過酸化水素、過硫素酸、フッ素酸又は塩素酸等の電解質を使用しているため、これら隔膜や電解質の定期的なメンテナンスが必要である。また、電解質の種類によっては廃液処理の問題や、電解質による電極の腐食のおそれがある。
そこで、隔膜を使用せずに、かつ、電解質による電極の腐食を防止した濃度測定方法として、作用電極に導電性ダイヤモンドを使用することによって、直接、オゾン水中に電極を浸して、参照電極に対する作用電極に印加する電圧を変化させ、作用電極と対電極との間の電流値の変化からオゾン濃度を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の作用電極は、シリコン基板上にホウ素ドープダイヤモンド薄膜を形成したもので、外径4〜5mm程度の比較的サイズの大きな電極を使用している。
上述のような作用電極、対電極及び参照電極の3電極を使用した濃度測定装置では、規制する電極電位は、作用電極と参照電極の間の電圧Eapplであり、作用電極と対電極間に電流Iが流れると、IRsol(Rsolは作用極と参照極の先端部分の間の実効的な溶液の抵抗)の分だけ電圧が降下する(この現象をIRドロップ又はIR降下ともいう。)。すなわち、実際に電極界面(試料溶液)にかかる電圧Eは、E=Eappl−IRsolとなり、電圧降下の分だけ小さくなる。ここで、試料溶液として電解質を含ませずにオゾン水のみとし、さらに、上記特許文献1に記載の作用電極のように、外径4〜5mm程度のサイズの大きな電極を使用した場合、試料溶液に接触する表面積も大きくなることから、溶液抵抗Rsol及び電流Iが非常に大きくなり、電圧降下を無視することができなくなる。その結果、実際に試料溶液に係る電圧Eが、印加した作用電極と参照電極の間の電圧Eapplよりも非常に小さくなり、そのため作用電極と対電極との間に流れる電流値が非常に微小な値となり、当該電流値を正確に測定することができない。したがって、このような微小な電流値からは、オゾン濃度を正確に算出することができない。
このような事情から、特許文献1の場合には、溶液抵抗Rsolを小さくするため電解質の使用が必須とされているが、その反面、電解質の廃液処理の問題及びその取り扱いが煩雑となるという問題がある。
特開2007−212232号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、電解質を使用することなく、高精度にオゾン濃度を測定することができるオゾン水濃度測定装置及びオゾン水濃度測定方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、作用電極として導電性ダイヤモンド電極を使用し、また、作用電極のオゾン水に接触する表面積を大きくするのではなく、作用電極のオゾン水に接触する表面積を、628〜392500μmの範囲内のように、非常に小さくすることによって、電解質を使用せずにオゾン水のみの高抵抗の試料溶液とした場合でも、電圧降下が小さく、無視できる程度となるため、得られる電流値を正確に測定することができ、オゾン水の濃度を高精度に測定することができることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.試料溶液であるオゾン水に、少なくとも対電極及び作用電極を接触させ、前記対電極と前記作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定することにより、印加した電圧及び測定した電流値から、限界電流−電圧曲線を測定し、当該限界電流−電圧曲線において所定の電圧に対応する限界電流値から、予め作成済みの限界電流値とオゾン濃度との関係を示した検量線に基づいて、オゾン水のオゾン濃度を算出するオゾン水濃度測定装置であって、
前記作用電極が、導電性ダイヤモンド電極からなり、
前記作用電極の前記オゾン水に接触する表面積が、628〜392500μmの範囲内であることを特徴とするオゾン水濃度測定装置。
2.前記導電性ダイヤモンド電極が、ホウ素をドープした導電性ダイヤモンド電極であることを特徴とする第1項に記載のオゾン水濃度測定装置。
3.試料溶液であるオゾン水に、少なくとも対電極及び作用電極を接触させ、前記対電極と前記作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定することにより、印加した電圧及び測定した電流値から、限界電流−電圧曲線を測定し、当該限界電流−電圧曲線において所定の電圧に対応する限界電流値から、予め作成済みの限界電流値とオゾン濃度との関係を示した検量線に基づいて、オゾン水のオゾン濃度を算出するオゾン水濃度測定方法であって、
前記作用電極を、導電性ダイヤモンド電極とし、
前記作用電極の前記オゾン水に接触する表面積を、628〜392500μmの範囲内とすることを特徴とするオゾン水濃度測定方法。
4.前記試料溶液中に、電解質を含ませないことを特徴とする第3項に記載のオゾン水濃度測定方法。
5.前記導電性ダイヤモンド電極を、ホウ素をドープした導電性ダイヤモンド電極とすることを特徴とする第3項又は第4項に記載のオゾン水濃度測定方法。
本発明によれば、電解質を使用することなく、高精度にオゾン濃度を測定することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明では、作用電極が、導電性ダイヤモンド電極からなり、作用電極のオゾン水に接触する表面積が、628〜392500μmの範囲内であり、非常に微小な電極をオゾン水に接触させるので、測定中に作用電極と対電極との間を流れる電流Iが極めて小さくなり、電解質を加えていない溶液抵抗Rsolが高いオゾン水であっても、電圧降下(IRsol)が非常に小さく無視できるようになる。そのため、実際に試料溶液に係る電圧が、印加した電圧とほぼ等しくなり、この印加した電圧から作用電極と対電極との間に流れる電流値を正確に測定することができ、当該電流値を用いてオゾン水濃度を高精度に測定することができる。
本実施形態に係るオゾン水濃度測定装置の概略を模式的に示した図である。 マイクロ波プラズマCVD装置の概略を模式的に示した図である。 図2における基材と、ホルダの平面図である。 導電性ダイヤモンド電極の製造方法の一例を説明するための断面図である。 他の実施形態におけるオゾン水濃度測定装置の概略を模式的に示した図である。 実施例1における導電性ダイヤモンド電極のSEM写真である。 実施例1の限界電流−電圧曲線(ボルタモグラム)を示した図である。 実施例2の限界電流−電圧曲線(ボルタモグラム)を示した図である。 実施例3の限界電流−電圧曲線(ボルタモグラム)を示した図である。 比較例1の限界電流−電圧曲線(ボルタモグラム)を示した図である。 図7において、−0.2ボルトにおけるオゾン水濃度と限界電流との検量線を示した図である。 図8において、−0.2ボルトにおけるオゾン水濃度と限界電流との検量線を示した図である。 図9において、−0.2ボルトにおけるオゾン水濃度と限界電流との検量線を示した図である。
本発明のオゾン水濃度測定装置は、試料溶液であるオゾン水に、少なくとも対電極及び作用電極を接触させ、前記対電極と前記作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定することにより、印加した電圧及び測定した電流値から、限界電流−電圧曲線を測定し、当該限界電流−電圧曲線において所定の電圧に対応する限界電流値から、予め作成済みの限界電流値とオゾン濃度との関係を示した検量線に基づいて、オゾン水のオゾン濃度を算出するオゾン水濃度測定装置であって、前記作用電極が、導電性ダイヤモンド電極からなり、前記作用電極の前記オゾン水に接触する表面積が、628〜392500μmの範囲内であることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項4までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記導電性ダイヤモンド電極が、ホウ素をドープした導電性ダイヤモンド電極であることが好ましい。
本発明に係るオゾン水濃度測定方法は、試料溶液であるオゾン水に、少なくとも対電極及び作用電極を接触させ、前記対電極と前記作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定することにより、印加した電圧及び測定した電流値から、限界電流−電圧曲線を測定し、当該限界電流−電圧曲線において所定の電圧に対応する限界電流値から、予め作成済みの限界電流値とオゾン濃度との関係を示した検量線に基づいて、オゾン水のオゾン濃度を算出するオゾン水濃度測定方法であって、前記作用電極を、導電性ダイヤモンド電極とし、前記作用電極の前記オゾン水に接触する表面積を、628〜392500μmの範囲内とすることを特徴とする。
また、前記試料溶液中に、電解質を含ませないことが、電解質の廃液処理の問題がなく、また、試料溶液の取り扱いが容易となる点で好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[オゾン水濃度測定装置]
図1は、本発明のオゾン水濃度測定装置の概略を模式的に示した図である。
オゾン水濃度測定装置100は、試料溶液Sに電圧を印加することによって、試料溶液Sの分析を行う三電極方式によるボルタンメトリー測定を行うバッチ式の電気化学測定装置である。
本発明では、試料溶液Sとして、電解質を含まない溶液抵抗の高いオゾン水のみからなる溶液を使用する。
オゾン水濃度測定装置100は、試料溶液Sであるオゾン水が貯留された測定セル1と、測定セル1内の試料溶液Sに接触可能に設けられた作用電極2、参照電極3及び対電極4と、これら作用電極2、参照電極3及び対電極4の電圧を制御するポテンシオスタット5と、ポテンシオスタット5により得られた電流値及び電圧値に基づいてオゾン水中のオゾン濃度を算出する情報処理装置6と、を備えている。
<作用電極>
作用電極2は、試料溶液Sであるオゾン水に電圧を印加するためのものである。作用電極2は、断面視略円形の棒状又は断面視略円形の薄板状をなしている。
作用電極2は、微小な導電性ダイヤモンド電極からなり、試料溶液Sに接触する表面積を628〜392500μmの範囲内とする。
作用電極2を上記表面積の範囲内で試料溶液Sに接触させるためには、例えば、先端の外径が20〜500μmの範囲内の作用電極2の先端(作用電極2の先端を形成する半球部分)のみを試料溶液Sの水面に接触させれば良い。すなわち、試料溶液Sに接触する表面積とは、作用電極2の先端を形成する半球の表面積とすることが好ましい。
具体的に、作用電極2の先端の外径が20μmの場合の、試料溶液Sに接触する表面積(作用電極2の先端の半球の表面積)は、10μm×10μm×2×3.14=628μmとなる。
また、作用電極2の先端の外径が500μmの場合の、試料溶液Sに接触する表面積は、250μm×250μm×2×3.14=392500μmとなる。
なお、上記範囲の表面積が試料溶液Sに接触すれば良いので、作用電極2の先端のみを、試料溶液Sの水面に接触させる以外にも、上記範囲内の表面積を満たすのであれば、作用電極2の先端から適当な長さを試料溶液Sに接触させるようにしても構わない。
なお、図1では、断面視略円形の棒状電極の場合を示している。
作用電極2の試料溶液Sに接触する表面積を628〜392500μmの範囲内としたのは、628μm未満とした場合、作用電極2の製造が困難となるためである。
表面積を392500μmより大きくした場合、電解質を用いない場合に溶液抵抗によるIR降下が非常に大きくなり、無視できなくなるため、実際に試料溶液Sに係る電圧Eが、印加した作用電極2と参照電極3の間の電圧Eapplよりも非常に小さくなり、作用電極2と対電極4との間の電流値が非常に微小な値となり、正確に測定することができず、このような微小な電流値からは、オゾン濃度の算出が困難となるためである。
導電性ダイヤモンド電極としては、例えば、ホウ素をドープした導電性ダイヤモンド電極であることが好ましい。なお、ホウ素以外に、窒素、リン等の13属又は15属の元素をドープした導電性ダイヤモンド電極を用いても良い。
このような導電性ダイヤモンド電極を使用することで、電位窓が広く(酸化電位及び還元電位が広く)、他の電極材料と比較してバックグラウンド電流が低いといった有利な効果が得られる。また、特に、ホウ素をドープした導電性ダイヤモンド電極の場合、化学的耐性、耐久性、電気伝導度及び耐腐食性等にも優れる。
また、ホウ素をドープする場合、ホウ素のダイヤモンド(炭素)に対するドープ量としては、0.1〜8%の範囲内が好ましく、より好ましくは0.1〜1%の範囲内である。ドープ量を0.1〜8%の範囲内としたのは、0.1%未満とした場合、導電率が小さくなり、絶縁体に近くなり電極として機能しないためであり、8%より多くした場合、理論的に製造が困難であり、また、高濃度にホウ素をドープすることによりダイヤモンド構造が崩れてしまうためである。
次に、本発明に係る微小な導電性ダイヤモンド電極の製造方法について説明する。
断面視略円形状の棒状の導電性ダイヤモンド電極を製造する場合は、断面視略円形の棒状の基材にマイクロ波プラズマCVD法を用いて、不純物(例えば、ホウ素)をドープしたダイヤモンドを成膜することによって製造することができる。
具体的な製造方法としては、以下の通りである。
棒状の基材としては、例えば、タングステンワイヤ、白金ワイヤ又はモリブデンワイヤ等を使用する。また、基材は、少なくとも先端部の外径が20〜500μmの範囲よりもダイヤモンドの膜厚分(例えば1〜5μm)だけ小さくなるように予め切削加工をしておく。基材の長さは10〜25mmの範囲が好ましい。
炭素源としては、アセトン、メタンガス、エタノール、メタノール等を使用し、ホウ素源としては、トリメトキシボラン、トリメチルボロン、酸化ホウ素等を使用することができる。ホウ素源として特に、液体のトリメトキシボランを使用することが、安全面及び取り扱い易い点で好ましい。なお、炭素源としてアセトン、ホウ素源としてトリメトキシボランを使用する場合、アセトン及びトリメトキシボランを所定の混合比で混合した混合液体を、キャリアガスである水素によるバブリングを行って気化し、原料ガスとした上で、チャンバー内に導入する。
図2に示すように、まず、チャンバー10内のステージ11上に設置されたホルダ12に、基材13を放射状に複数設置する。ホルダ12には、基材13を設置するための複数の溝部15が放射状に形成されており、これら溝部15内に基材13をそれぞれ収容する。
また、溝部15のうち、基材13の先端部に対応する位置には、さらに下方に窪む凹部151が形成されている。凹部151によって、基材13の下面にも原料ガスが回り込み、基材13への成膜を均一に行うことができるようになっている。
そして、チャンバー10内に、図示しないガス供給部16とは別ラインからプラズマ発生用の水素ガスを導入し、マイクロ波発振器14によって、予めプラズマを発生させておく。次いで、チャンバー10内にガス供給部16から、キャリアガスにより気化された原料ガス(トリメトキシボラン+アセトン)を導入する。これによって、チャンバー10内に導入した原料ガスがプラズマ状態となって、基材13の表面全面にダイヤモンドが成膜される。
このようにして形成された棒状の微小な導電性ダイヤモンド電極は、アズ・グローン(as grown:基材上に結晶を成長させたままで、その後表面処理等の手を加えていない)状態で、その表面はほとんど水素終端である。導電性ダイヤモンド電極の表面全部を水素終端化するため、このアズ・グローン状態の導電性ダイヤモンド電極に、−1.8Vの電圧を印加して0.1M硫酸(HSO)中に30分間漬けることによって陰極還元することが好ましい。
なお、導電性ダイヤモンド電極の表面を水素終端化する方法としては、上述の陰極還元処理に限定されることはなく、水素雰囲気下で700℃以上に加熱するなど、その他の方法で行っても構わない。
また、導電性ダイヤモンド電極の表面を水素終端化するのではなく、酸素終端化しても良く、本発明では酸素終端化する方が、高感度となる点で好ましい。酸素終端化の方法としては、上述のアズ・グローン状態の導電性ダイヤモンド電極に3.0Vの電圧を印加して、0.1M過塩素酸中に30分程度漬けることによって陽極酸化する方法である。また、その他、酸素プラズマによって処理するなど、その他の方法で行っても構わない。
製造した作用電極2は、測定セル1内に貯留されたオゾン水に、上記範囲内の表面積が接触するように、図示しない保持部材によって固定されている。
また、断面視略円形状の薄板状の導電性ダイヤモンド電極を製造する場合は、例えば以下の方法によって製造することができる。
図4(a)に示すように、まず、直径50mm(φ50)、厚さ0.8mm(t=0.8
)の平板状の基板21に、上述のマイクロ波プラズマCVD法を用いて、不純物(例えば、ホウ素)をドープしたダイヤモンド22を成膜する。平板状の基板21としては、例えばシリコンウェハを使用することができる。
その後、図4(b)に示すように、直径50mm(φ50)、厚さ1.5mm(t=1.
5)の平板状の絶縁性基板23に、外径30〜700μmの範囲内の穴24をレーザー等で複数形成する。絶縁性基板23としては、例えば、ガラス基板を使用することができる。
次いで、図4(c)に示すように、成膜した基板21と、穴24を形成した絶縁性基板2
3とを陽極接合によって接合する。
最後に、図4(d)に示すように、接合した基板21,23を、例えば1.5mm×1.
5mm角となるようにダイシングして個片化する。そして、個片化したチップにおいて、穴24から露出した導電性ダイヤモンド成膜部分25を、オゾン水に接触するように配置して作用電極として使用する。これによって、導電性ダイヤモンド成膜部分25のオゾン水に接触する表面積が、本発明の範囲内となる。
<参照電極>
参照電極3は、作用電極2の電位の基準となる電極である。
参照電極3としては、例えば、銀/塩化銀電極(Ag/AgCl電極)、標準水素電極、水銀塩化水銀電極又は水素パラジウム電極等を用いることができる。
参照電極3は、測定セル1内に貯留されたオゾン水に接触するように、図示しない保持部材によって固定されている。
<対電極>
対電極4は、作用電極2にある電位を設定する場合に、作用電極2での電流が支障なく流れるようにするもので、作用電極2に直列に接続されている。
対電極4としては、例えば、白金(Pt)、炭素、ステンレス、金、ダイヤモンド、SnO等を用いることができる。
対電極4も、参照電極2と同様に測定セル1内に貯留されたオゾン水に接触するように図示しない保持部材によって固定されている。
また、作用電極2、参照電極3及び対電極4の各電極間の距離は、5〜20mmの範囲内が好ましく、電圧降下をより小さくすることができる点で各電極間を10mmとすることが好ましい。
<ポテンシオスタット>
ポテンシオスタット5は、作用電極2、参照電極3及び対電極4に電圧を印加する電圧印加部及び当該印加電圧における電流値を測定する電流測定部としての機能を発揮するものである。
ポテンシオスタット5は、情報処理装置6によって制御されており、作用電極2、参照電極3及び対電極4から電圧信号及び電流信号を受信するとともに、これら作用電極2、参照電極3及び対電極4を制御する。
すなわち、ポテンシオスタット5は、参照電極3に対する電位として作用電極2に印加する電圧を所定の範囲で掃引し、電位の掃引の際に作用電極2と対電極4との間を流れる応答電流を測定する。
具体的には、参照電極3に対して作用電極2の電位を、例えば1.0〜−0.8Vの間で、100mV/sの割合で走査して、その電圧下における還元反応に伴う、作用電極2と対電極4との間の電流値を測定する。
<情報処理装置>
情報処理装置6は、ポテンシオスタット5によって、掃引した所定範囲における電圧と、その応答電流値から限界電流−電圧曲線を求める。そして、この限界電流−電圧曲線において、所定の電圧(例えば、−0.2V)に対応する限界電流値から、予め作成しておいた検量線に基づいてオゾン濃度を算出する。
検量線は、既知濃度のオゾン水に対して、所定の範囲で電圧を掃引し、掃引の際に作用電極2と対電極4との間を流れる応答電流を測定し、掃引した所定範囲における電圧と、その応答電流値から限界電流−電圧曲線を求め、当該限界電流−電圧曲線において、所定の電圧(例えば、−0.2V)における限界電流値と、オゾン濃度との関係をプロットすることにより得られる。
なお、限界電流−電圧曲線において、検量線を作成するための基準となる所定の電圧は、上記の−0.2Vに限らず、限界電流−電圧曲線において、各既知濃度における限界電流値がそれぞれ明確にわかる部分の電圧を基準とすれば良い。
さらに、情報処理装置6は、オゾン濃度を測定するに際して、作用電極2の参照電極3に対する電位を、例えば、1.0〜−0.8Vの間で、100mV/sの割合で変化させるようにポテンシオスタット5を制御するものである。
情報処理装置6は、具体的には、CPU、内部メモリ、HDD等の外部記憶装置、モデム等の通信インターフェース、ディスプレイ、マウス及びキーボードなどの入力手段を有している。
情報処理装置6は、内部メモリや外部記憶装置等の所定領域に設定したプログラムにしたがって、電気信号を解析し、オゾン濃度の算出を行う。情報処理装置6は、汎用のコンピュータであっても良く、専用のものであっても良い。
なお、上記実施形態におけるオゾン水濃度測定装置100は、対電極4、作用電極2及び参照電極3を備えた三電極法による測定を行うものであったが、これに限らず、対電極4及び作用電極2のみを備えたに電極法によるものであっても良い。三電極法の方が、作用電極2と対電極4との間に印加する電圧の絶対値を制御することができるので、高精度及び高感度に測定することができる。
一方、二極法によれば、用いる電極が対電極及び作用電極の2極であるので、フローセルの構造を単純化及び小型化でき、測定セルをチップ化し使い捨てとすることもできる点で好ましい。
さらに、上記実施形態におけるオゾン水濃度測定装置100は、参照電極3に対する電位として作用電極2に印加する電圧を所定の範囲で掃引するポテンシオスタット5を用いたものを例に挙げたが、ポテンシオスタット5を用いずに、図5に示すように、参照電極3に対する電位として作用電極2に印加する電圧を一定の電圧(例えば、0.2V)で掃引して、その電圧における作用電極2と対電極4との間を流れる電流を測定する制御装置7を使用しても良い。
次に、上記オゾン水濃度測定装置100を使用してオゾン水濃度を測定する方法について説明する。
[オゾン水濃度測定方法]
まず、測定セル1内に、試料溶液Sとしてオゾン水のみを所定量投入する。
次いで、本発明における作用電極2を試料溶液Sの水面に接触するように保持部材によって固定する。ここで、作用電極2の試料溶液Sに接触する表面積が、本発明の上記範囲内となるように調整する。また、参照電極3及び対電極4をそれぞれ試料溶液Sに接触するとともに、各電極間が所定距離となるように保持部材によって固定する。
次いで、ポテンシオスタット5によって、参照電極3に対する電位として作用電極2に印加する電圧を所定の範囲で掃引し、電位の掃引の際に作用電極2と対電極4との間を流れる応答電流を測定する。
情報処理装置6は、ポテンシオスタット5で掃引した電圧及び測定した電流値から、限界電流−電圧曲線を測定し、この限界電流−電圧曲線において、所定の電圧(例えば、−0.2V)に対応する限界電流値から、予め作成しておいた検量線に基づいてオゾン濃度を算出する。
以上のように、本発明の実施形態によれば、作用電極が、導電性ダイヤモンド電極からなり、作用電極のオゾン水に接触する表面積が、628〜392500μmの範囲内であり、非常に微小な電極をオゾン水に接触させるので、測定中に作用電極と対電極との間を流れる電流Iが極めて小さくなり、電解質を加えていない溶液抵抗Rsolが高いオゾン水であっても、電圧降下(IRsol)が非常に小さく無視できるようになる。そのため、実際に試料溶液に係る電圧Eが、印加した作用電極と参照電極の間の電圧Eapplとほぼ等しくなり、この印加した電圧Eapplから作用電極と対電極との間に流れる電流値を正確に測定することができ、当該電流値を用いてオゾン水濃度を高精度に測定することができる。
次に、本発明のオゾン水濃度測定装置による効果について、実施例を挙げて説明する。
まず、下記の実施例1〜実施例3及び比較例1に示す作用電極を作製した。
<実施例1>
マイクロ波CVD装置(コーンズテクノロジー社製)を用いて、以下に示すマイクロ波プラズマCVD法により、先端部の外径が20μmの導電性ダイヤモンド電極を作製した。
具体的には、棒状の基材として、先端部の外径が15μm、長さ23mmのタングステンワイヤを用い、マイクロ波CVD装置のチャンバー内のホルダ上に放射状に複数設置した。次いで、プラズマ発生用の水素ガスをチャンバー内に導入してプラズマを発生させた。次いで、炭素源としてアセトンを用い、ホウ素源としてトリメトキシボランを用い、キャリアガスとして水素ガスを用い、アセトン及びトリメトキシボランを所定の混合比(ホウ素ドープ量が1%)で混合した混合液体をキャリアガスである水素ガスによるバブリングを行って気化して原料ガスとした。次いで、この原料ガスを、プラズマ用水素ガスとは別ラインでチャンバー内に導入した。
また、プラズマ発生用の水素ガスのチャンバー内への導入流量300sccm、原料ガスのチャンバー内への流量10.8sccm、プラズマ出力2500W、チャンバー内圧力60Torr、炭素源圧力18〜22Pa、製膜時間12hとし、膜厚2.5μmの導電性ダイヤモンドを成膜した。
なお、ここで言う炭素源圧力とは、上述の気化した原料ガス(アセトン+トリメトキシボランをキャリアガスによりバブリングして気化した炭素源(ホウ素源))が、バルブにより制御されてチャンバー内へ導入される前の圧力を言う。すなわち、バルブを通る前の気化した炭素源(ホウ素源)の圧力である。
このようにして作製した、先端の外径が20μmの導電性ダイヤモンド電極を作用電極として使用した。
図6は、上記のようにして製造した先端の外径が20μmの導電性ダイヤモンド電極のSEM写真である。
そして、製造した作用電極と、参照電極として銀/塩化銀電極、対電極として白金電極を備えたオゾン水濃度測定装置を用意した。
また、試料溶液として、別途、オゾン水生成装置で生成した濃度の異なる4種類のオゾン水を用意した。そして、各オゾン水をそれぞれ異なる測定セルに20ml投入した。そして、作用電極の先端を所定の測定セル内のオゾン水の水面に接触するように設置した。すなわち、オゾン水に接触する作用電極の表面積が、628μm(10μm×10μm×2×3.14)となるように設置した。
また、作用電極、対極及び参照電極の各電極間の距離は、10mmとなるように設置した。
そして、試料溶液であるオゾン水について、既存のオゾンメーターにより濃度を測定すると同時に、上記で用意したオゾン水濃度測定装置により参照電極に対する作用電極の電位を直線掃引(100mV/s)したときの限界電流値を測定し、得られた限界電流−電圧曲線(ボルタモグラム)を図7に示した。
その後、他の測定セル内のオゾン水についても同様にして、限界電流を測定し、得られた限界電流−電圧曲線を図7に示した。
また、図7で得られた結果に基づいて、−0.2Vにおける限界電流値と、既存のオゾンメーターにより測定したオゾン濃度との関係をプロットし、図11に示す検量線を作成した。
<実施例2>
実施例1で得られた水素終端化した導電性ダイヤモンド電極を、0.1M過塩素酸中で20分3.5Vで陽極酸化し、酸素終端化した導電性ダイヤモンド電極を作製した。
さらに、この導電性ダイヤモンド電極を作用電極として使用した。
また、試料溶液として、別途、オゾン水生成装置で生成した濃度の異なる4種類のオゾン水を用意した。そして、各オゾン水をそれぞれ異なる測定セルに20ml投入した。そして、作用電極の先端を所定の測定セル内のオゾン水の水面に接触するように設置した。すなわち、オゾン水に接触する作用電極の表面積が、628μmとなるように設置した。
また、その他の参照電極、対電極及び限界電流値の測定方法については、実施例1と同様にし、得られた限界電流−電圧曲線(ボルタモグラム)を図8に示した。
その後、他の測定セル内のオゾン水についても同様にして、限界電流を測定し、得られた限界電流−電圧曲線を図8に示した。
また、図8で得られた結果に基づいて、−0.2Vにおける限界電流値と、既存のオゾンメーターにより測定したオゾン濃度との関係をプロットし、図12に示す検量線を作成した。
<実施例3>
実施例1において、先端部の外径が15μm、長さ23mmのタングステンワイヤを、先端部の外径が495μmのタングステンワイヤに代えた以外は、同様の方法で、膜厚2.5μmの導電性ダイヤモンドを成膜し、先端部の外径が500μmの水素終端化した導電性ダイヤモンド電極を作製した。
得られた水素終端化した導電性ダイヤモンド電極を、0.1M過塩素酸中で20分3.5Vで陽極酸化し、酸素終端化した導電性ダイヤモンド電極を作製した。
さらに、この導電性ダイヤモンド電極を作用電極として使用した。
また、試料溶液として、別途、オゾン水生成装置で生成した濃度の異なる4種類のオゾン水を用意した。そして、各オゾン水をそれぞれ異なる測定セルに20ml投入した。そして、作用電極の先端を所定の測定セル内のオゾン水の水面に接触するように設置した。すなわち、オゾン水に接触する作用電極の表面積が、392500μm(=250μm×250μm×2×3.14)となるように設置した。
また、その他の参照電極、対電極及び限界電流値の測定方法については、実施例1と同様にし、得られた限界電流−電圧曲線(ボルタモグラム)を図9に示した。
その後、他の測定セル内のオゾン水についても同様にして、限界電流を測定し、得られた限界電流−電圧曲線を図9に示した。
また、図9で得られた結果に基づいて、−0.2Vにおける限界電流値と、既存のオゾンメーターにより測定したオゾン濃度との関係をプロットし、図13に示す検量線を作成した。
<比較例1>
平板の単結晶シリコン基板を、マイクロ波CVD装置のチャンバー内のホルダ上に設置した。次いで、プラズマ発生用の水素ガスをチャンバー内に導入してプラズマを発生させた。次いで、炭素源としてアセトンを用い、ホウ素源としてトリメトキシボランを用い、キャリアガスとして水素ガスを用い、アセトン及びトリメトキシボランを所定の混合比(ホウ素ドープ量が1%)で混合した混合液体をキャリアガスである水素ガスによるバブリングを行って気化して原料ガスとした。次いで、この原料ガスを、プラズマ用水素ガスとは別ラインでチャンバー内に導入した。
また、プラズマ発生用の水素ガスのチャンバー内への導入流量532sccm、原料ガスのチャンバー内への流量10.8sccm、プラズマ出力5000W、チャンバー内圧力120Torr、炭素源圧力2800Pa、製膜時間8hとし、膜厚10μmの導電性ダイヤモンドを成膜した。
そして、このダイヤモンドを成膜したシリコン基板上に直径2mmのOリングを載せてセルを配置し、このセル内を外径2mmの水素終端化した導電性ダイヤモンド電極として使用した。
また、試料溶液として、別途、オゾン水生成装置で生成した濃度の異なる4種類のオゾン水を用意した。そして、各オゾン水をそれぞれ異なる測定セルに20ml投入した。そして、作用電極を、所定の測定セル内のオゾン水の水面に接触するように設置した。すなわち、オゾン水に接触する作用電極の表面積が、3.14mm(=1mm×1mm×3.14)となるように設置した。
また、その他の参照電極、対電極及び限界電流値の測定方法については、実施例1と同様にし、得られた限界電流−電圧曲線(ボルタモグラム)を図10に示した。
その後、他の測定セル内のオゾン水についても同様にして、限界電流を測定し、得られた限界電流−電圧曲線を図10に示した。
図11及び図12に示すように、実施例1及び実施例2では、オゾン濃度と電流値が良好に相関した検量線を作成することができた。したがって、この検量線を用いてオゾン濃度を正確に測定することができると言える。
また、図13に示すように、実施例3では、検量線を作成することができ、当該検量線を用いてオゾン濃度を測定することができるが、実施例1及び実施例2に比べて精度が低いことが認められる。
一方、図10に示すように、比較例1の場合は、電流を測定することができなかったため、検量線を作成することができず、濃度測定することができなかった。
以上の結果より、作用電極のオゾン水に接触する表面積が、628〜392500μmの範囲内となるように、作用電極をオゾン水に接触させることによって、電解質を使用しない、溶液抵抗の高いオゾン水であっても、オゾン濃度を高精度に測定できることが認められる。
また、特に、実施例1と実施例2とを比較すると、酸素終端化した電極は、水素終端化した電極に比べて、濃度測定の精度が上がることが認められる。これは、酸素終端化することによって、オゾンによる作用電極の酸化の影響がなくなり、その結果、作用電極の安定性が向上したためであると推測される。
なお、試料溶液に接触する表面積を628μm未満とするために、作用電極の先端の外径を20μm未満となるように製造しようとしたが、その製造が困難であったため、実験することができなかった。
2 作用電極
3 参照電極
4 対電極
100 オゾン水濃度測定装置
S 試料溶液

Claims (5)

  1. 試料溶液であるオゾン水に、少なくとも対電極及び作用電極を接触させ、前記対電極と前記作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定することにより、印加した電圧及び測定した電流値から、限界電流−電圧曲線を測定し、当該限界電流−電圧曲線において所定の電圧に対応する限界電流値から、予め作成済みの限界電流値とオゾン濃度との関係を示した検量線に基づいて、オゾン水のオゾン濃度を算出するオゾン水濃度測定装置であって、
    前記作用電極が、導電性ダイヤモンド電極からなり、
    前記作用電極の前記オゾン水に接触する表面積が、628〜392500μmの範囲内であることを特徴とするオゾン水濃度測定装置。
  2. 前記導電性ダイヤモンド電極が、ホウ素をドープした導電性ダイヤモンド電極であることを特徴とする請求項1に記載のオゾン水濃度測定装置。
  3. 試料溶液であるオゾン水に、少なくとも対電極及び作用電極を接触させ、前記対電極と前記作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定することにより、印加した電圧及び測定した電流値から、限界電流−電圧曲線を測定し、当該限界電流−電圧曲線において所定の電圧に対応する限界電流値から、予め作成済みの限界電流値とオゾン濃度との関係を示した検量線に基づいて、オゾン水のオゾン濃度を算出するオゾン水濃度測定方法であって、
    前記作用電極を、導電性ダイヤモンド電極とし、
    前記作用電極の前記オゾン水に接触する表面積を、628〜392500μmの範囲内とすることを特徴とするオゾン水濃度測定方法。
  4. 前記試料溶液中に、電解質を含ませないことを特徴とする請求項3に記載のオゾン水濃度測定方法。
  5. 前記導電性ダイヤモンド電極を、ホウ素をドープした導電性ダイヤモンド電極とすることを特徴とする請求項3又は4に記載のオゾン水濃度測定方法。
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