JP2008281420A - 比較電極劣化検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】直流電流を流しても分極せずに、比較電極の劣化を簡便に判定することができる検出装置を提供する。
【解決手段】評価対象である比較電極12の液絡部の抵抗値を測定し、当該抵抗値から前記液絡部の汚染度合いを判定するために、評価対象である比較電極12と基準電位を提示する比較電極13との間に直流電流を流すように構成してある。
【選択図】図1
【解決手段】評価対象である比較電極12の液絡部の抵抗値を測定し、当該抵抗値から前記液絡部の汚染度合いを判定するために、評価対象である比較電極12と基準電位を提示する比較電極13との間に直流電流を流すように構成してある。
【選択図】図1
Description
この発明は、直流電流を流しても分極せずに、比較電極の劣化を簡便に判定することができる検出装置に関するものである。
ガラス電極を用いてpHを測定するためには、応答ガラス膜の表面が試料溶液のpHに応じて発生する電位(電位差)を測定するための基準となる電位を提示する比較電極が必要である。従来、比較電極としては、Ag/AgCl又はHg/Hg2Cl2等からなる電極を高濃度(3.33M〜飽和)のKCl溶液からなる内部液に浸漬し、この内部液がジルコニア等のセラミックスやガラス等の多孔質からなる液絡部を介して試料溶液に接触するように構成してあるものが広く用いられている(特許文献1)。
このような比較電極の液絡部を構成する多孔質は表面積が大きいので、有機物やタンパク質等の汚れが吸着しやすいが、液絡部に汚れが吸着すると、内部液と試料溶液との連絡が阻害され、KClの拡散が影響を受けて、比較電極の内部液と試料溶液とが接触することによって生じる液間電位差が変動する。この液間電位差が変動すると、比較電極の提示する基準電位も変動してしまうので、精度の高いpH測定を阻害する要因となっている。
液絡部の汚染に起因して比較電極が劣化し、pH測定の精度が低下することを避けるために、比較電極の液絡部を洗浄剤を用いて定期的に洗浄したり、比較電極自体を短期で交換したりして、比較電極の液絡部を常に清浄に保つことが必要である。
このため、液絡部の汚染度合いを簡便に測定する手段が求められているが、従来は目視で液絡部が詰まっていることを確認するしかなかった。しかしながら、この方法は定量的でなく、どの時点で比較電極を洗浄したり交換したりすべきか判断することが困難である。
そこで本発明は、液絡部の汚染に起因する比較電極の劣化を簡便に検出する検出装置を提供すべく図ったものである。
すなわち本発明に係る比較電極劣化検出装置は、評価対象である比較電極の液絡部の抵抗値を測定し、当該抵抗値から前記液絡部の汚染度合いを判定するものであって、前記抵抗値を測定する際には、評価対象である比較電極と基準電位を提示する比較電極との間に直流電流を流すように構成してあることを特徴とする。
液絡部に汚れが吸着すると液絡部の電気抵抗が増すので、液絡部の汚染度合いはその抵抗値の変化を測定することにより評価することが可能であるが、例えば参照電極として白金極を用いて、白金極と評価対象である比較電極とを電解質溶液に浸し両極の間に直流電流を流すと、分極してしまい、このため、比較電極の液絡部の抵抗値を測定することが不能となる。一方、交流電流を流して測定しようとすると装置の構成もデータ処理も複雑となり簡便な測定は困難である。
これに対して、本発明においては、通常用いられる白金極等ではなく、基準電位を提示させるために比較電極を用いることにより、評価対象である比較電極との間に直流電流を流しても分極せず、液絡部の抵抗値の測定が可能となる。また、直流電流を使用した場合は交流電流を使用した場合とは異なり、装置の構成が複雑ではなくデータ処理も容易なので、簡便に液絡部の汚染度合いを測定することが可能である。
基準電位を提示する 比較電極は、液絡部が清浄であることが必要であるが、スリーブ型の液絡部は汚れにくく、かつ、洗浄が容易であるという特徴を有する。このため、前記基準電位を提示する比較電極は、スリーブ型の液絡部を備えているものであることが好ましい。
比較電極の液絡部の抵抗値は通常10kΩ程度であるが、液絡部に汚れが付着するとそれに伴って前記抵抗値は上昇していく。液絡部の抵抗値が20kΩ以上となると徐々にpH測定の結果が安定しなくなり、更に抵抗値が50kΩ以上となるともはや安定して精度の高いpH測定を行うことは不可能となる。このため、本発明の比較電極劣化検出装置では、前記液絡部の抵抗値が50kΩ以上であると液絡部が汚染していると判定することが好ましく、より精度の高い測定が求められる場合は抵抗値が20kΩ以上であると液絡部が汚染していると判定することが好ましい。
このような本発明の比較電極劣化検出装置は、機械的要素として、少なくとも、容器本体、評価対象の比較電極接続用コネクタ、基準電位提示用の比較電極接続用コネクタ、直流電源、及び、電流計を備えているものである。
前記容器本体は、内部に電解質溶液を収容することが可能であるように構成してあり、前記容器本体内部には、比較電極の内部液との液間電位差を小さくするために、例えば3.33MのKCl溶液を充填することが好ましい。
このように本発明によれば、基準電位を提示させるために比較電極を用いることにより、評価対象である比較電極との間に直流電流を流しても分極せずに簡便に液絡部の汚染度合いを測定することが可能である。
以下、本発明の一実施形態に係る比較電極劣化検出装置を図面を参照して説明する。
本実施形態に係る比較電極劣化検出装置1は、図1に示すように、本体容器2と、評価対象の比較電極接続用コネクタ3及び基準電位提示用の比較電極接続用コネクタ4と、コネクタ3、4間に所定電位の直流電圧を付与する直流定電圧電源7と、コネクタ3、4間を流れる電流を測定する電流計8と、スイッチ5と、制御装置9と、を備えたものである。
本体容器2は液体を収容可能に構成してあり、測定に際しては、本体容器2には電解質溶液を充填する。本体容器2の材質としては、電解質溶液に対して安定であり侵されないことが必要であるので、本体容器2は内面がPE、PP、PET、PTFE、PEEK等の樹脂で被覆されていることが好ましい。
本体容器2に充填する電解質溶液としては液抵抗が1kΩ・cm以下であり比較電極の電位に対して影響を及ぼさないものであればいずれのイオン種からなるものであってもよく、特に限定されないが、例えば、3.33MのKCl溶液が好適に用いられる。
コネクタ3には評価対象の比較電極12を接続し、一方、コネクタ4には基準電位提示用の比較電極13を接続する。ここで、基準電位提示用の比較電極13としては、例えば図2に示すように、ガラス製の比較電極支持管31と、比較電極支持管31の外周壁に開口しスリ合わせ面を持つハカマ32が設けられているスリーブ型の液絡部33とを備えているものが用いられる。比較電極支持管31には3.33MのKCl溶液等からなる内部液34が充填され、かつ、内部液34に浸漬するように塩化銀電極等からなる内部電極35が収容されている。ガラス製の比較電極支持管31の基端部からはリード線36が延出しており、基準電位提示用の比較電極13はリード線36を介してコネクタ4に接続される。基準電位提示用の比較電極13は、液絡部が清浄であることが必要であるが、スリーブ型の液絡部は汚れにくく、かつ、洗浄が容易であるという特徴を有する。
評価対象の比較電極12としては特に限定されず、その液絡部の形状は、セラミック型、ピンホール型、スリーブ型、ダブルジャンクション型のいずれであってもよい。評価対象の比較電極12も上述した基準電位提示用の比較電極13と同様にして、比較電極支持管の基端部から延出したリード線を介してコネクタ3に接続される。
制御装置9からの指令信号でスイッチ5が閉じ、通電が開始されると、直流電源7から評価対象の比較電極12と基準電位提示用の比較電極13との間に直流電流が流される。例えば、参照電極として白金極を用いた場合は、評価対象の比較電極12と白金極の間に直流電流を通電するとしばらくすると分極して電流が流れなくなってしまい、評価対象の比較電極12の液絡部の抵抗値を測定することが困難となる。しかしながら、評価対象の比較電極12と基準電位提示用の比較電極13の間に直流電流を通電した場合は分極せず、安定した電流が流れる。
制御装置9では、電流計8で測定される電流値を取得し、電源電圧との関係から評価対象の比較電極12の液絡部の抵抗値を算出する。算出された抵抗値はディスプレイ等に出力され表示される。オペレータは、測定された抵抗値が一定値以上であると、液絡部の汚れ等に起因して比較電極12が劣化していることがわかる。
なお、その劣化を、制御装置9で自動判定させるようにしてもよい。その場合評価対象の比較電極12の液絡部の抵抗値が、所定値(例えば50kΩ)以上である場合には、液絡部に汚れが付着して比較電極12が劣化していると判定して、その旨をディスプレイに表示したり、あるいはディスプレイのない一体機器のような態様であれば、ランプを点灯したりすればよい。より高い精度の測定に用いられる比較電極の場合は、抵抗値が前記所定値よりも低い値(例えば20kΩ)以上である場合にランプが点灯し、比較電極の交換又は洗浄をうながすように設定することもできる。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではない。
前記ランプに代えて、又は、ランプとともに、スピーカーやバイブレーターを備えていて、音や振動により評価対象の比較電極の液絡部の抵抗値が一定の値を超えていることを知らせるようにしても良い。
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
本発明によって、比較電極を洗浄したり交換したりすべき時期を容易かつ明確に把握することができる。
1…比較電極劣化検出装置
2…本体容器
3…評価対象の比較電極接続用コネクタ
4…基準電位提示用の比較電極接続用コネクタ
5…入力手段
6…ディスプレイ
61…ランプ
12…評価対象の比較電極
13…基準電位提示用の比較電極
31…比較電極支持管
32…ハカマ
33…液絡部
2…本体容器
3…評価対象の比較電極接続用コネクタ
4…基準電位提示用の比較電極接続用コネクタ
5…入力手段
6…ディスプレイ
61…ランプ
12…評価対象の比較電極
13…基準電位提示用の比較電極
31…比較電極支持管
32…ハカマ
33…液絡部
Claims (5)
- 評価対象である比較電極の液絡部の抵抗値を測定し、当該抵抗値から前記液絡部の汚染度合いを判定する比較電極劣化検出装置であって、
前記抵抗値を測定する際には、評価対象である比較電極と基準電位を提示する比較電極との間に直流電流を流すように構成してあることを特徴とする比較電極劣化検出装置。 - 前記基準電位を提示する比較電極は、スリーブ型の液絡部を備えているものである請求項1記載の比較電極劣化検出装置。
- 前記抵抗値が約50kΩ以上であると液絡部が汚染していると判定する請求項1又は2記載の比較電極劣化検出装置。
- 少なくとも、容器本体、評価対象の比較電極接続用コネクタ、基準電位提示用の比較電極接続用コネクタ、直流電源、及び、電流計を備えている請求項1、2又は3記載の比較電極劣化検出装置。
- 前記容器本体は、内部に電解質溶液を収容することが可能であるように構成してある請求項4記載の比較電極劣化検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007125355A JP2008281420A (ja) | 2007-05-10 | 2007-05-10 | 比較電極劣化検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007125355A JP2008281420A (ja) | 2007-05-10 | 2007-05-10 | 比較電極劣化検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008281420A true JP2008281420A (ja) | 2008-11-20 |
Family
ID=40142358
Family Applications (1)
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JP2007125355A Pending JP2008281420A (ja) | 2007-05-10 | 2007-05-10 | 比較電極劣化検出装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2008281420A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011237240A (ja) * | 2010-05-10 | 2011-11-24 | Nihon Itomic Co Ltd | スケール検知用センサ及びスケール検知方法 |
JP2012093254A (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-17 | Suntory Holdings Ltd | 測定装置 |
JP2015200646A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-12 | 株式会社堀場製作所 | 比較電極、その比較電極を用いた測定方法及び測定システム、複合電極、液体分析計 |
-
2007
- 2007-05-10 JP JP2007125355A patent/JP2008281420A/ja active Pending
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