JP5251573B2 - 酸化還元電流測定装置 - Google Patents
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Description
たとえば、ポーラログラフ方式の酸化還元電流測定装置では、試料水に、白金や金などからなる作用極(検知極)と、銀や鉛などからなる対極とを浸漬し、両極間に所定の電圧を印加して作用極近傍において測定対象成分の電解還元(又は酸化)を生じさせたときに流れる電流を測定することにより測定対象成分の濃度を求めることができる。
このような方式では、1分間に数百から数千回転の回転数(例えば、500rpm〜5000rpm程度)でモータを回転させ、試料水の通常の流速よりもはるかに大きい線速度で作用極支持体(作用極)が回転又は振動するようにしている。このため、試料水の流速と無関係に安定な拡散層を得ることができ、試料水の流速の変動による測定値への影響を受けにくい。
(1)モータの回転数を検知し、記憶する記憶ステップ。
(2)記憶ステップで記憶した回転数と、該回転数を検知した時点の回転数制御信号と、前記目標回転数と、前記補正係数とを含むデータの演算処理を行い、該演算処理の結果に基づきモータの新たな回転数制御信号を生成し、記憶する回転数制御信号生成ステップ。
(3)生成した新たな回転数制御信号を出力する回転数制御信号出力ステップ。
(1)モータの回転数を制御する第1基準信号を出力する第1基準信号出力ステップ。
(2)第1基準信号により制御されたモータの回転数を検知し、記憶する第1記憶ステップ。
(3)モータの回転数を制御する第2基準信号を出力する第2基準信号出力ステップ。
(4)第2基準信号により制御されたモータの回転数を検知し、記憶する第2記憶ステップ。
(5)第1記憶ステップで記憶した回転数と第2記憶ステップで記憶した回転数との差から算出されるモータの回転数の変化量と、第1基準信号と第2基準信号との差から算出される回転数制御信号の変化量とから前記補正係数を演算し、記憶する補正係数演算ステップ。
図1に示すように、本実施形態の酸化還元電流測定装置は、作用極37、対極38及びモータ31等から構成されている検出部1と、作用極37と対極38との間に電圧を印加して両極に流れる酸化還元電流(拡散電流)を測定する測定部2と、モータ31の回転数を検知する検知部3(検知手段)と、全体を制御する演算制御部4(演算制御手段)と、記憶部5(記憶手段)と、を備えている。
偏芯カップリング33には、略棒状に形成された連結軸34が連結され、連結軸34の偏芯カップリング33に連結している部位は、回転軸32を中心とした円運動を行うようになっている。
連結軸34の下端から約1/3の部位には、円形状のフランジ35がホルダ20の内周面に接するようにして保持されている。フランジ35の下面には作用極支持体36が連結されており、作用極支持体36はフランジ35を支点として振動(歳差運動)するように構成されている。すなわち、フランジ35は、ケース10内に試料水が浸入しないようにするシール材としての機能及び作用極支持体36が歳差運動(すりこぎ運動)をするための支点としての機能を有している。したがって、フランジ35は、弾力性を有する材質、例えば、軟質フッ素系樹脂やシリコンゴム等からなることが好ましい。
ホルダ20の下端近くに形成された凹部には、全周にわたり塩化銀線(AgCl)からなる対極38が巻きつけられている。
ホルダ20の軸方向略中央部には、上下一対の円形の窓41が穿設され、試料水が流通できるように構成されている。
ホルダ20の下端には、キャップ42が保持され、キャップ42の内部には、作用極37を研磨(洗浄)するためのビーズ43が多数収納されている。
コネクタ50には、また、モータ31が電気的に接続されており、ケーブルを介して検知部3及び演算制御部4に接続されている。
コネクタ50には、さらに、ホルダ20内部に備えられ試料水の温度を測定する白金測温抵抗体(図示せず)が電気的に接続されており、ケーブルを介して演算制御部4に接続されている。
検知部3は、モータ31の回転数を検知してその値を演算制御部4に送るようになっている。本実施形態において検知部3は、モータ31に備えられた回転周期パルス信号出力機能により構成されている。
また、本実施形態の酸化還元電流測定装置には、図示しない表示部や出力部が設けられ、測定値等をディスプレイに表示することや、外部機器との間で信号の入出力を行うことができるようになっている。
本実施形態の酸化還元電流測定装置に電源が投入されると、演算制御部4は、装置全体の制御を開始する。演算制御部4は、あらかじめ記憶部5に記憶されている回転数制御信号を出力する。
モータ31は、演算制御部4から出力された信号に基づき動作を開始し、回転軸32が回転する。このとき、連結軸34の偏芯カップリング33に連結している部位は、回転軸32を中心とした円運動を行い、作用極支持体36はフランジ35を支点として振動(歳差運動)する。これにより、フローセル内を流通する試料水の通常の流速とは無関係に、試料水を作用極表面に対して相対的に流動させることができる。
なお、酸化還元電流の測定は、酸化還元電流測定装置の動作中、連続的に行われる。
したがって、理論的には、デューティ比を一定にすれば、モータの回転数を一定に維持することができる。しかし、実際には、周囲環境(主に温度)の変化、部品間の「なじみ」、部品の磨耗・劣化等により負荷(トルク)が変動することや、モータ自体が劣化したりすること等により回転数は変動する。
[補正係数算出工程]
補正係数算出工程は、図3に示すように、第1基準信号S1を出力する第1基準信号出力ステップA1と、第1基準信号S1により制御されたモータ31の回転数R1を検知し、記憶する第1記憶ステップA2と、第2基準信号S2を出力する第2基準信号出力ステップA3と、第2基準信号S2により制御されたモータ31の回転数R2を検知し、記憶する第2記憶ステップA4と、回転数R1と回転数R2との差から算出されるモータ31の回転数の変化量と、第1基準信号S1と第2基準信号S2との差から算出される回転数制御信号の変化量との関係から得られる補正係数Cを演算し、記憶する補正係数記憶ステップA5とを有している。
第1記憶ステップA2では、第1基準信号S1により制御されたモータ31の回転数R1を検知部3が検知し、演算制御部4に送る。続いて、演算制御部4は、検知部3から入力されたデータを記憶部5に記憶させる。
第2記憶ステップA4では、第2基準信号S2により制御されたモータ31の回転数R2を検知部3が検知し、演算制御部4に送る。続いて、演算制御部4は、検知部3から入力されたデータを記憶部5に記憶させる。
補正係数Cは、例えば、(R2−R1)/(S2−S1)のような式により算出することができる。
回転数制御信号生成工程は、図4に示すように、モータ31の回転数Rnを検知し、記憶する記憶ステップB1と、回転数Rnと、回転数Rnを検知した時点の回転数制御信号Snと、目標回転数R0と、補正係数Cとを含むデータの演算処理を行い、その結果に基づきモータ31の新たな回転数制御信号Sxを生成し、記憶する回転数制御信号生成ステップB2と、生成した新たな回転数制御信号Sxを出力する回転数制御信号出力ステップB3とを有している。
回転数制御信号生成ステップB2では、回転数Rnと、回転数制御信号Snと、目標回転数R0と、補正係数Cとを含むデータの演算処理を行い、その結果に基づきモータ31の新たな回転数制御信号Sxを生成し、記憶部5に記憶させる。なお、目標回転数R0は、あらかじめ記憶部5に記憶されている。
この演算処理は、例えば、Sn+(R0−Rn)/Cのような式により行うことができる。
回転数制御信号出力ステップB3では、生成した新たな回転数制御信号Sxを演算制御部4が出力する。回転数制御信号Sn及びSxは、第1基準信号S1及び第2基準信号S2と同一の周波数を有するパルス波である。
酸化還元電流測定装置に電源を投入すると、補正係数算出工程が開始される。すなわち、演算制御部4が、記憶部5に記憶している第1基準信号S1を出力する(第1基準信号出力ステップA1)。続いて、検知部3が、モータ31の回転数R1を検知し、演算制御部4に送る。そして、演算制御部4は、検知部3から入力されたデータを記憶部5に記憶させる(第1記憶ステップA2)。
次に、演算制御部4が、第1基準信号S1とは異なるデューティ比を有する第2基準信号S2を出力する(第2基準信号出力ステップA3)。続いて、検知部3が、モータ31の回転数R2を検知し、演算制御部4に送る。そして、演算制御部4は、検知部3から入力されたデータを記憶部5に記憶させる(第2記憶ステップA4)。
次に、回転数R1と回転数R2との差から算出されるモータ31の回転数の変化量と、第1基準信号S1と第2基準信号S2との差から算出される回転数制御信号の変化量とから補正係数Cを演算制御部4が演算し、記憶部5に記憶させる(補正係数記憶ステップA5)。
ここでは、記憶ステップB1が省略されている。なぜなら、補正係数算出工程の第2記憶ステップA4で記憶したモータ31の回転数R2をRnとみなすことができるからである。
したがって、演算制御部4は、補正係数算出工程に続いて回転数制御信号生成ステップB2を行う。すなわち、回転数Rn(R2)と、回転数制御信号Sn(S2)と、目標回転数R0と、補正係数Cとを含むデータの演算処理を行い、その結果に基づきモータ31の新たな回転数制御信号Sxを生成し、記憶部5に記憶させる。
この演算処理は、例えば、S2+(R0−R2)/Cのような式により行われる。
次に、演算制御部4は、生成した新たな回転数制御信号Sxを出力する(回転数制御信号出力ステップB3)。そして、演算制御部4は、記憶ステップB1を行い、以後、回転数制御信号生成工程を繰り返し行う。
回転数制御信号生成工程は、測定部2が測定するデータの変動が大きかったり、所定の範囲から外れたりする場合にのみ行うようにすることもできる。しかし、モータの回転数の変化に応じて回転数制御信号を変化させ、常に目標回転数付近の回転数を維持するためには、回転数制御信号生成工程は、所定時間毎に行うことが好ましい。例えば1秒毎に記憶ステップB1を行い、順次ステップを繰り返すことができる。
また、記憶ステップB1において、モータ31の回転数が検知できない場合には、モータ31の電源をオン・オフさせて再駆動させる回路を備えることができる。さらに、モータ31の回転数が所定回数検知できない場合に、エラー信号を出力するようにしてもよい。
Claims (2)
- 作用極と、対極と、前記作用極を具備する作用極支持体と、
該作用極支持体を回転又は振動させるモータと、
前記作用極と前記対極との間に流れる酸化還元電流を測定する測定部と、
前記モータの回転数を検知する検知部と、
前記モータの回転数を制御するための回転数制御信号を出力し、かつ、全体を制御する演算制御部と、
前記モータの目標回転数と、前記検知部が検知したモータの回転数の変化量と前記回転数制御信号の変化量との関係から得られる補正係数と、を記憶する記憶部と、を備え、
前記演算制御部により、以下のステップ(1)〜(3)を順に有する回転数制御信号生成工程を行うように制御されることを特徴とする酸化還元電流測定装置。
(1)モータの回転数を検知し、記憶する記憶ステップ。
(2)記憶ステップで記憶した回転数と、該回転数を検知した時点の回転数制御信号と、前記目標回転数と、前記補正係数とを含むデータの演算処理を行い、該演算処理の結果に基づきモータの新たな回転数制御信号を生成し、記憶する回転数制御信号生成ステップ。
(3)生成した新たな回転数制御信号を出力する回転数制御信号出力ステップ。 - 前記記憶部が、さらに前記モータの回転数を制御する基準信号を記憶するものであって、
前記演算制御部により、以下のステップ(1)〜(5)を順に有する補正係数算出工程を行うように制御されることを特徴とする請求項1に記載の酸化還元電流測定装置。
(1)モータの回転数を制御する第1基準信号を出力する第1基準信号出力ステップ。
(2)第1基準信号により制御されたモータの回転数を検知し、記憶する第1記憶ステップ。
(3)モータの回転数を制御する第2基準信号を出力する第2基準信号出力ステップ。
(4)第2基準信号により制御されたモータの回転数を検知し、記憶する第2記憶ステップ。
(5)第1記憶ステップで記憶した回転数と第2記憶ステップで記憶した回転数との差から算出されるモータの回転数の変化量と、第1基準信号と第2基準信号との差から算出される回転数制御信号の変化量とから前記補正係数を演算し、記憶する補正係数演算ステップ。
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